JPH07282634A - 低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路 - Google Patents
低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路Info
- Publication number
- JPH07282634A JPH07282634A JP9925494A JP9925494A JPH07282634A JP H07282634 A JPH07282634 A JP H07282634A JP 9925494 A JP9925494 A JP 9925494A JP 9925494 A JP9925494 A JP 9925494A JP H07282634 A JPH07282634 A JP H07282634A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- electric wire
- layer
- twisted
- treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コロナ騒音を長期に亘り防止し得る低騒音電
線を提供する。 【構成】 電線又は補強線が複数層に撚合わされた架空
電線の最外周の撚合わせ層２に親水化処理を施し、内層
のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合わせ
層５に脱脂処理を施した低騒音電線。 【効果】 内層のうちの少なくとも最外層２から数えて
２層目の撚合わせ層５に脱脂処理が施されているので、
親水化処理が施された最外層２に内層の伸線油が滲み出
て、最外層２の親水性が低下するようなことがなく、長
期に亘りコロナ騒音が防止できる。
線を提供する。 【構成】 電線又は補強線が複数層に撚合わされた架空
電線の最外周の撚合わせ層２に親水化処理を施し、内層
のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合わせ
層５に脱脂処理を施した低騒音電線。 【効果】 内層のうちの少なくとも最外層２から数えて
２層目の撚合わせ層５に脱脂処理が施されているので、
親水化処理が施された最外層２に内層の伸線油が滲み出
て、最外層２の親水性が低下するようなことがなく、長
期に亘りコロナ騒音が防止できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ騒音を防止した
低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用い
た多導体送電線路に関する。
低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用い
た多導体送電線路に関する。
【０００２】
【従来の技術】鋼心の周囲にアルミ電線を撚合わせた鋼
心アルミ撚線等の架空電線には、強風下での風騒音と、
水滴に誘因されるコロナ騒音の環境問題があった。前者
は架空電線の表面に突起をスパイラル状に形成すること
により、後者は架空電線表面を親水化処理することによ
りそれぞれ低減された。そして前記親水化処理は、撚合
わせ後の架空電線に、サンドブラスト処理、又はサンド
ブラスト処理後ベーマイト処理を施す複合処理等を施し
てなされ、内層の電線又は補強線は伸線油等が付着した
まま撚合わされた。
心アルミ撚線等の架空電線には、強風下での風騒音と、
水滴に誘因されるコロナ騒音の環境問題があった。前者
は架空電線の表面に突起をスパイラル状に形成すること
により、後者は架空電線表面を親水化処理することによ
りそれぞれ低減された。そして前記親水化処理は、撚合
わせ後の架空電線に、サンドブラスト処理、又はサンド
ブラスト処理後ベーマイト処理を施す複合処理等を施し
てなされ、内層の電線又は補強線は伸線油等が付着した
まま撚合わされた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前述の親水化処理した
架空電線は、内層の電線や補強線から伸線油等の油類が
経時的に滲み出てきて、最外層に油膜を形成し、架空電
線表面の親水性を低下させて、短期間のうちにコロナ騒
音の発生を助長するようになった。
架空電線は、内層の電線や補強線から伸線油等の油類が
経時的に滲み出てきて、最外層に油膜を形成し、架空電
線表面の親水性を低下させて、短期間のうちにコロナ騒
音の発生を助長するようになった。
【０００４】
【課題を解決する為の手段】本発明は、このような状況
の中で鋭意研究を行ないなされたもので、その目的とす
るところは、コロナ騒音を長期に亘り防止できる低騒音
電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた経済
的な多導体送電線路を提供することにある。即ち、請求
項１の発明は、電線又は補強線が複数層に撚合わされた
架空電線の最外周の撚合わせ層に親水化処理が施され、
内層のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合
わせ層に脱脂処理が施されていることを特徴とする低騒
音電線である。
の中で鋭意研究を行ないなされたもので、その目的とす
るところは、コロナ騒音を長期に亘り防止できる低騒音
電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた経済
的な多導体送電線路を提供することにある。即ち、請求
項１の発明は、電線又は補強線が複数層に撚合わされた
架空電線の最外周の撚合わせ層に親水化処理が施され、
内層のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合
わせ層に脱脂処理が施されていることを特徴とする低騒
音電線である。
【０００５】この発明において、架空電線には、アルミ
電線を鋼撚線で補強した鋼心アルミ撚線（ＡＣＳＲ）、
アルミ合金電線を撚合わせたアルミ合金撚線、アルミ被
覆鋼線を撚合わせた架空地線、光ファイバを内蔵した架
空地線（ＯＰＧＷ）、補強材にカーボンファイバ等を用
いた軽量低弛度電線、その他の複合材料を使用した新種
の電線、銅撚線等任意の架空電線が適用される。前記Ａ
ＣＳＲの鋼心には、電食防止の為アルミ又は亜鉛を被覆
した鋼線が用いられる。架空電線の最外周層に施す親水
化処理には、例えば、サンドブラスト処理、サンドブラ
スト処理後にベーマイト処理、又はPH 8〜14のアルカリ
溶液を用いたアルカリ処理、又はPH 6〜1 のフッ素イオ
ン溶液を用いたフッ素イオン処理を施す複合処理等、任
意の親水化処理が適用される。親水化処理前に脱脂等の
前処理を施すのが好ましい。最外層から数えて２番目の
撚合わせた層又は２番目以降の撚合わせた層に施す脱脂
処理には、有機溶剤やアルカリ液等の脱脂液で洗浄する
方法が適用される。脱脂液に界面活性剤を含有させ、又
脱脂液を高温に加熱して噴射すると脱脂効果が向上す
る。本発明の低騒音電線は、内層のうちの少なくとも最
外層から数えて２層目の撚合わせ層を脱脂処理して最外
層への伸線油等の滲み出しを防止したものであり、２層
目のみならず、３層目以内の撚合わせ層にも脱脂処理を
施すと更に有効である。
電線を鋼撚線で補強した鋼心アルミ撚線（ＡＣＳＲ）、
アルミ合金電線を撚合わせたアルミ合金撚線、アルミ被
覆鋼線を撚合わせた架空地線、光ファイバを内蔵した架
空地線（ＯＰＧＷ）、補強材にカーボンファイバ等を用
いた軽量低弛度電線、その他の複合材料を使用した新種
の電線、銅撚線等任意の架空電線が適用される。前記Ａ
ＣＳＲの鋼心には、電食防止の為アルミ又は亜鉛を被覆
した鋼線が用いられる。架空電線の最外周層に施す親水
化処理には、例えば、サンドブラスト処理、サンドブラ
スト処理後にベーマイト処理、又はPH 8〜14のアルカリ
溶液を用いたアルカリ処理、又はPH 6〜1 のフッ素イオ
ン溶液を用いたフッ素イオン処理を施す複合処理等、任
意の親水化処理が適用される。親水化処理前に脱脂等の
前処理を施すのが好ましい。最外層から数えて２番目の
撚合わせた層又は２番目以降の撚合わせた層に施す脱脂
処理には、有機溶剤やアルカリ液等の脱脂液で洗浄する
方法が適用される。脱脂液に界面活性剤を含有させ、又
脱脂液を高温に加熱して噴射すると脱脂効果が向上す
る。本発明の低騒音電線は、内層のうちの少なくとも最
外層から数えて２層目の撚合わせ層を脱脂処理して最外
層への伸線油等の滲み出しを防止したものであり、２層
目のみならず、３層目以内の撚合わせ層にも脱脂処理を
施すと更に有効である。
【０００６】請求項３の発明は、請求項１記載の架空電
線の製造方法で、脱脂処理又は親水化処理した電線又は
補強線を撚合わせることを特徴とするものである。この
発明は、予め電線又は鋼線を脱脂処理又は親水化処理し
ておき、これを撚合わせる方法で、撚線したものを親水
化処理又は脱脂処理する方法に較べて、架空電線を構成
する電線又は補強線の内側も十分に処理できてその効果
が顕著に現れる。又この請求項３の方法によれば、従来
と同じ撚線機を用い同じ条件で撚合わせができる。尚、
本発明の低騒音電線は、最外層を撚合わせる前段階で脱
脂処理を行い、最外層を撚合わせた架空電線に親水化処
理を施して製造しても差し支えない。
線の製造方法で、脱脂処理又は親水化処理した電線又は
補強線を撚合わせることを特徴とするものである。この
発明は、予め電線又は鋼線を脱脂処理又は親水化処理し
ておき、これを撚合わせる方法で、撚線したものを親水
化処理又は脱脂処理する方法に較べて、架空電線を構成
する電線又は補強線の内側も十分に処理できてその効果
が顕著に現れる。又この請求項３の方法によれば、従来
と同じ撚線機を用い同じ条件で撚合わせができる。尚、
本発明の低騒音電線は、最外層を撚合わせる前段階で脱
脂処理を行い、最外層を撚合わせた架空電線に親水化処
理を施して製造しても差し支えない。
【０００７】請求項４の発明は、本発明の低騒音電線を
用いた多導体送電線路で、その構成は、複数本の架空電
線が所定間隔をあけて架線された多導体送電線路におい
て、前記送電線路の大地側の所望の架空電線が請求項１
記載の低騒音電線であることを特徴とするものである。
用いた多導体送電線路で、その構成は、複数本の架空電
線が所定間隔をあけて架線された多導体送電線路におい
て、前記送電線路の大地側の所望の架空電線が請求項１
記載の低騒音電線であることを特徴とするものである。
【０００８】コロナ騒音は、運転電圧と電線サイズから
決まる電線表面の電位傾度が或る値を超えるとその周囲
の空気絶縁層が破壊されてコロナ騒音放電が起き、同時
にコロナ騒音が発生する。このコロナ騒音放電は架空電
線表面に水滴等の突起物が形成されていると起き易くな
る。このコロナ騒音放電は、送電線路の導体（架空電
線）に囲まれた内側では電位傾度が小さくなり発生し難
く、水滴がつく電線下面が導体の囲みからでる大地側の
導体に発生し易い。従って送電線路の大地側の導体に本
発明の低騒音電線を用いるのが効果的である。又既設の
多導体送電線路では大地側の低位置の１〜２本の導体を
張り替えれば良く、架線工事が容易に行える。又人家が
密集した地域に限って使用すると経済効果が上がる。
決まる電線表面の電位傾度が或る値を超えるとその周囲
の空気絶縁層が破壊されてコロナ騒音放電が起き、同時
にコロナ騒音が発生する。このコロナ騒音放電は架空電
線表面に水滴等の突起物が形成されていると起き易くな
る。このコロナ騒音放電は、送電線路の導体（架空電
線）に囲まれた内側では電位傾度が小さくなり発生し難
く、水滴がつく電線下面が導体の囲みからでる大地側の
導体に発生し易い。従って送電線路の大地側の導体に本
発明の低騒音電線を用いるのが効果的である。又既設の
多導体送電線路では大地側の低位置の１〜２本の導体を
張り替えれば良く、架線工事が容易に行える。又人家が
密集した地域に限って使用すると経済効果が上がる。
【０００９】
【作用】本発明の架空電線は、電線又は補強線が複数層
に撚合わされた架空電線の最外周の撚合わせ層に親水化
処理が施されており、内層のうちの少なくとも最外層か
ら数えて２層目の撚合わせ層に脱脂処理が施されてい
る。この為親水化処理が施された最外層に内層の伸線油
等が滲み出て、最外層の親水性を低下させるようなこと
がない。前記架空電線は、予め脱脂又は親水化処理した
電線又は補強線を撚合わせて製造することにより、脱脂
又は親水化がより確実になされてその効果が向上する。
本発明の架空電線は、複数本の架空電線が所定間隔をあ
けて架線された多導体送電線路のうちの、コロナ騒音が
起き易い大地側の導体（架空電線）にのみ使用しても効
果が大きく経済的である。
に撚合わされた架空電線の最外周の撚合わせ層に親水化
処理が施されており、内層のうちの少なくとも最外層か
ら数えて２層目の撚合わせ層に脱脂処理が施されてい
る。この為親水化処理が施された最外層に内層の伸線油
等が滲み出て、最外層の親水性を低下させるようなこと
がない。前記架空電線は、予め脱脂又は親水化処理した
電線又は補強線を撚合わせて製造することにより、脱脂
又は親水化がより確実になされてその効果が向上する。
本発明の架空電線は、複数本の架空電線が所定間隔をあ
けて架線された多導体送電線路のうちの、コロナ騒音が
起き易い大地側の導体（架空電線）にのみ使用しても効
果が大きく経済的である。
【００１０】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。 （実施例１）図１に示す架空電線は、アルミ被覆鋼線を
撚合わせた鋼撚線１の周囲にアルミ電線を３層に撚合わ
せたＡＣＳＲである。この架空電線の最外層２には断面
扇形又は断面長方形のアルミ電線3,4 が撚合わされてい
る。断面長方形のアルミ電線４は、架空電線の相対する
側に２本づつ配置され、架空電線外周の長手方向にスパ
イラル状の突起を形成して、カルマン渦を乱し風騒音を
防止する。この架空電線に本発明のコロナ騒音防止処理
を施した。
る。 （実施例１）図１に示す架空電線は、アルミ被覆鋼線を
撚合わせた鋼撚線１の周囲にアルミ電線を３層に撚合わ
せたＡＣＳＲである。この架空電線の最外層２には断面
扇形又は断面長方形のアルミ電線3,4 が撚合わされてい
る。断面長方形のアルミ電線４は、架空電線の相対する
側に２本づつ配置され、架空電線外周の長手方向にスパ
イラル状の突起を形成して、カルマン渦を乱し風騒音を
防止する。この架空電線に本発明のコロナ騒音防止処理
を施した。
【００１１】最外層２の断面扇形又は断面長方形のアル
ミ電線3,4 には、アルカリ脱脂後、サンドブラスト処理
で表面に凹凸を付け、その上にベーマイト処理を施し
た。最外層２から数えて２層目の撚合わせ層５のアルミ
電線６にはアルカリ脱脂を施した。最外層から数えて３
層目の撚合わせ層７のアルミ電線８及びアルミ被覆鋼線
９は伸線油が付着したままのものを用いた。先ず、アル
ミ被覆鋼線９を撚合わせて鋼撚線１となし、この鋼撚線
１上に前記３層目のアルミ電線８を撚合わせ、その上に
前記のアルカリ脱脂した２層目のアルミ電線６を撚合わ
せ、更にその上に前記ベーマイト処理したアルミ電線3,
4 を撚合わせて低騒音電線を製造した。
ミ電線3,4 には、アルカリ脱脂後、サンドブラスト処理
で表面に凹凸を付け、その上にベーマイト処理を施し
た。最外層２から数えて２層目の撚合わせ層５のアルミ
電線６にはアルカリ脱脂を施した。最外層から数えて３
層目の撚合わせ層７のアルミ電線８及びアルミ被覆鋼線
９は伸線油が付着したままのものを用いた。先ず、アル
ミ被覆鋼線９を撚合わせて鋼撚線１となし、この鋼撚線
１上に前記３層目のアルミ電線８を撚合わせ、その上に
前記のアルカリ脱脂した２層目のアルミ電線６を撚合わ
せ、更にその上に前記ベーマイト処理したアルミ電線3,
4 を撚合わせて低騒音電線を製造した。
【００１２】（比較例１）最外層から数えて２層目の電
線にアルカリ脱脂を行わず、２層目以内の電線又はアル
ミ被覆鋼線を伸線油が付着したまま撚合わせた他は、実
施例１と同じ方法により低騒音電線を製造した。
線にアルカリ脱脂を行わず、２層目以内の電線又はアル
ミ被覆鋼線を伸線油が付着したまま撚合わせた他は、実
施例１と同じ方法により低騒音電線を製造した。
【００１３】実施例１及び比較例１にて製造した低騒音
電線を８導体の1000KV級試験設備に使用してコロナ騒音
の発生状況を観測した。架線後暫くの間は両者とも騒音
は発生しなかった。１年を経過した頃から、比較例品に
コロナ騒音が発生し出した。２年経過後に、コロナ騒音
の発生状況を、等価軽雨時の状態で、課電電圧を種々変
えて調べた。結果を図２に示した。
電線を８導体の1000KV級試験設備に使用してコロナ騒音
の発生状況を観測した。架線後暫くの間は両者とも騒音
は発生しなかった。１年を経過した頃から、比較例品に
コロナ騒音が発生し出した。２年経過後に、コロナ騒音
の発生状況を、等価軽雨時の状態で、課電電圧を種々変
えて調べた。結果を図２に示した。
【００１４】図２より明らかなように、電線表面の最大
電位傾度（Ｇmax)が13〜17KV/cm の範囲において、本発
明例品（実施例１）は比較例品（比較例１）よりコロナ
騒音レベルが７〜３dB低下した。1000KV超高圧送電にお
ける電線表面の最大電位傾度Ｇmax は14.5KV/cm 程度で
あり、この時の本発明例品のコロナ騒音レベルは30dB
で、コロナ騒音が騒音として聞こえる35dBを下回った。
これは本発明例品の最外層の親水性が２年経過後も高度
に維持され電線表面に水滴が生じなかった為である。こ
れに対し、比較例品は37dBであり騒音となった。尚、本
発明の低騒音電線は強風下でも風騒音を発せず、風騒音
とコロナ騒音がともに長期間防止された。
電位傾度（Ｇmax)が13〜17KV/cm の範囲において、本発
明例品（実施例１）は比較例品（比較例１）よりコロナ
騒音レベルが７〜３dB低下した。1000KV超高圧送電にお
ける電線表面の最大電位傾度Ｇmax は14.5KV/cm 程度で
あり、この時の本発明例品のコロナ騒音レベルは30dB
で、コロナ騒音が騒音として聞こえる35dBを下回った。
これは本発明例品の最外層の親水性が２年経過後も高度
に維持され電線表面に水滴が生じなかった為である。こ
れに対し、比較例品は37dBであり騒音となった。尚、本
発明の低騒音電線は強風下でも風騒音を発せず、風騒音
とコロナ騒音がともに長期間防止された。
【００１５】（実施例２）本発明の低騒音電線を、コロ
ナ騒音が発生し易い 275〜1000KVの種々の多導体送電線
路に用いて、コロナ騒音の発生状況を観測した。図３イ
〜ニは多導体送電線路の横断面図である。図３イに示し
た送電線路は導体（架空電線）を逆三角形に配列した３
導体の送電線路で、大地側の１本に本発明の低騒音電線
を用いた。図３ロ、ハ、ニに示した送電線路は導体をそ
れぞれ正四角形、正六角形、正八角形に配列した多導体
送電線路で、いずれも大地側の２導体に本発明の低騒音
電線を用いた。前記４種類の多導体送電線路のコロナ騒
音の発生状況を観測したところ、いずれもコロナ騒音は
低レベルであった。更に、多導体送電線路の導体全てを
本発明の低騒音電線で構成した場合と比較した。全導体
に低騒音電線を用いた方がコロナ騒音は低かったが、そ
の差は１〜２dB程度で大差はなかった。
ナ騒音が発生し易い 275〜1000KVの種々の多導体送電線
路に用いて、コロナ騒音の発生状況を観測した。図３イ
〜ニは多導体送電線路の横断面図である。図３イに示し
た送電線路は導体（架空電線）を逆三角形に配列した３
導体の送電線路で、大地側の１本に本発明の低騒音電線
を用いた。図３ロ、ハ、ニに示した送電線路は導体をそ
れぞれ正四角形、正六角形、正八角形に配列した多導体
送電線路で、いずれも大地側の２導体に本発明の低騒音
電線を用いた。前記４種類の多導体送電線路のコロナ騒
音の発生状況を観測したところ、いずれもコロナ騒音は
低レベルであった。更に、多導体送電線路の導体全てを
本発明の低騒音電線で構成した場合と比較した。全導体
に低騒音電線を用いた方がコロナ騒音は低かったが、そ
の差は１〜２dB程度で大差はなかった。
【００１６】以上、ＡＣＳＲの最外層をサンドブラスト
処理後ベーマイト処理により親水化し、最外層から数え
て２層目の撚合わせ層をアルカリ脱脂した場合について
説明したが、本発明は、他の架空電線に適用しても、又
ベーマイト処理に代えてアルカリ処理やフッ素イオン処
理にて親水化処理しても同様の効果が得られ、又２層目
と、３層目以内の所望の層を脱脂処理することにより更
に優れた効果が達成される。
処理後ベーマイト処理により親水化し、最外層から数え
て２層目の撚合わせ層をアルカリ脱脂した場合について
説明したが、本発明は、他の架空電線に適用しても、又
ベーマイト処理に代えてアルカリ処理やフッ素イオン処
理にて親水化処理しても同様の効果が得られ、又２層目
と、３層目以内の所望の層を脱脂処理することにより更
に優れた効果が達成される。
【００１７】
【効果】以上述べたように、本発明の低騒音電線は、内
層のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合わ
せ層に脱脂処理が施されているので、親水化処理が施さ
れた最外周の撚合わせ層に、内層から伸線油が滲み出て
最外層の親水性を低下させることがなく、長期に亘りコ
ロナ騒音が防止できる。又前記低騒音電線は、予め脱脂
又は親水化処理した電線又は補強線を撚合わせて製造す
ることにより、その効果をより向上できる。又前記低騒
音電線は、複数本の架空電線が架線された多導体送電線
路の、コロナ騒音を起こし易い大地側の架空電線にのみ
使用すると経済的である。
層のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合わ
せ層に脱脂処理が施されているので、親水化処理が施さ
れた最外周の撚合わせ層に、内層から伸線油が滲み出て
最外層の親水性を低下させることがなく、長期に亘りコ
ロナ騒音が防止できる。又前記低騒音電線は、予め脱脂
又は親水化処理した電線又は補強線を撚合わせて製造す
ることにより、その効果をより向上できる。又前記低騒
音電線は、複数本の架空電線が架線された多導体送電線
路の、コロナ騒音を起こし易い大地側の架空電線にのみ
使用すると経済的である。
【図１】本発明の低騒音電線の実施例を示す横断面図で
ある。
ある。
【図２】本発明の低騒音電線における最大電位傾度とコ
ロナ騒音レベルの関係を示す説明図である。
ロナ騒音レベルの関係を示す説明図である。
【図３】本発明の低騒音電線を用いた多導体送電線路の
実施例を示す横断面図である。
実施例を示す横断面図である。
１──────鋼撚線 ２──────最外周の撚合わせ層 ３──────断面扇形のアルミ電線 ４──────断面長方形のアルミ電線 ５──────２層目の撚合わせ層 ６──────２層目のアルミ電線 ７──────３層目の撚合わせ層 ８──────３層目のアルミ電線 ９──────アルミ被覆鋼線 10,20,30,40 ─送電線路 11──────本発明の低騒音電線
Claims (4)
- 【請求項１】 電線又は補強線が複数層に撚合わされた
架空電線の最外周の撚合わせ層に親水化処理が施され、
内層のうちの少なくとも最外層から数えて２層目の撚合
わせ層に脱脂処理が施されていることを特徴とする低騒
音電線。 - 【請求項２】 架空電線の最外周の撚合わせ層に施す親
水化処理が、サンドブラスト処理、又はサンドブラスト
処理後に、ベーマイト処理、又はアルカリ処理、又はフ
ッ素イオン処理を施す複合処理のいずれかであることを
特徴とする請求項１記載の低騒音電線。 - 【請求項３】 脱脂処理又は親水化処理した電線又は補
強線を撚合わせることを特徴とする請求項１記載の低騒
音電線の製造方法。 - 【請求項４】 複数本の架空電線が所定間隔をあけて架
線された多導体送電線路において、前記送電線路の大地
側の所望の架空電線が請求項１記載の低騒音電線である
ことを特徴とする多導体送電線路。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9925494A JPH07282634A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9925494A JPH07282634A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07282634A true JPH07282634A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=14242584
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9925494A Pending JPH07282634A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07282634A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012256454A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-27 | Kyushu Electric Power Co Inc | 架空送電線 |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP9925494A patent/JPH07282634A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012256454A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-27 | Kyushu Electric Power Co Inc | 架空送電線 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4966635A (en) | Method of making a compound cable | |
| US6147303A (en) | Overhead cable with projecting strand | |
| DE1515931A1 (de) | Eine Mehrzahl von Drahtstraengen aufweisender elektrischer Leiter,wie ein Freileitungsseil | |
| US3825671A (en) | Transmission line audible noise and corona reducing device | |
| JPH07282634A (ja) | 低騒音電線及びその製造方法及び前記低騒音電線を用いた多導体送電線路 | |
| CH709972B1 (de) | Elektrokabel. | |
| EP2989641B1 (de) | Hochgeschwindigkeitsdatenkabel | |
| US1489402A (en) | Electrical conductor cable | |
| JPH0378413A (ja) | 低コロナ騒音型低風音電線 | |
| JPS6329490B2 (ja) | ||
| JP2002075060A (ja) | 架空送電線 | |
| DE844756C (de) | Kabel mit hohem Ohmschen Widerstand und Verfahren zur Herstellung solcher Kabel | |
| KR100725290B1 (ko) | Ｃ-형 도체를 이용한 가공 전선(架空電線) | |
| JPH0259567B2 (ja) | ||
| JPS6148201B2 (ja) | ||
| JPH10149724A (ja) | 低騒音電線 | |
| DE693543C (de) | nen Leitern bestehende Wicklung fuer elektrische Maschinen, insbesondere fuer unter Wasser arbeitende Maschinen | |
| DE3120146A1 (de) | Elektrisches kabel mit einem schirm bzw. einer bewehrung | |
| JPH08306234A (ja) | 低騒音架空送電線 | |
| DE2638610A1 (de) | Gasisoliertes hoch- und hoechstspannungskabel | |
| US1677458A (en) | Stranded cable | |
| JP2013125599A (ja) | リッツ線及びその製造方法 | |
| JPH027125B2 (ja) | ||
| DE19522628C2 (de) | Verfahren zur Herstellung eines Sektorleiters für elektrische Energiekabel | |
| DE202018105020U1 (de) | Koaxialkabel für Automobilanwendungen |