JPH07281B2 - 丸 鋸 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、互いに他に対して調節自在であり、かつキー
付きの軸上に横並びに配置された丸鋸刃を有した丸鋸に
関する。

従来の技術 丸鋸は今日では鋸作業の各種段階において一般的に使用
されている。最初に、丸太は丸鋸によつて割り材に切削
される。次の段階においては、割り材は丸鋸によつて、
寸法の小さい材木及びサイドボードに切削される。この
サイドボードはまた丸鋸によつてへりをつけることがで
きる。装飾用鋸は一群の丸鋸で構成される。

丸鋸は製材鋸装置と比較して他の鋸切り法に基づいてい
るが、その理由は主として安価に購入できる価格であつ
て、また据え付けるのが容易であるからである。

曲がつた割り材を切削する場合には、高生産性のために
曲り鋸引きが大きく増加した。

丸太や割り材を個々に品質に応じて鋸引く容量が、近代
的な鋸作業のラインにとつて絶対的な必要条件である。
したがつて、割り材を切削するために丸鋸に要求される
のは鋸刃を迅速に装着、調節することである。刃の間の
間隔は割り材の品質に応じて広範囲に亘つて変化する。

調節自在な鋸には以下のような特性が要求される。

−鋸刃を迅速、正確に移動させること。

−できるだけ多くの調節自在の鋸刃を有していること。

−鋸刃の間の最小間隔を十分小さくすること。

−鋸引きされる材木の寸法を正確にするために、鋸歯は
うまく案内し、支持しなければならないこと。

現在用いられている丸鋸は大きく２つのグループ、すな
わち、単軸と二軸の丸鋸に分けることができる。

最も一般的に用いられている型の丸鋸である単軸の丸鋸
においては、鋸刃は刃のガイドによつて移動される。そ
のガイドはシフトシリンダーによつて動かされる。刃軸
にはキーみぞがついている。刃の中心穴と軸の断面とは
同じ形をしている。鋸刃は直接的に軸の表面上で移動す
る。ある種の構造においては、刃の中心には刃の本体よ
り厚いフランジが設けられている。このようにして、鋸
刃と軸との間にトルク伝達のためのより大きなベアリン
グ面が得られ、その結果軸の消耗が少なくなる。

本発明が解決しようとする問題点 275mm厚さの割り材は刃軸の直径に応じて、例えば、700
mmから800mmの直径の鋸刃を必要とするが、その様な場
合には刃のガイドは刃の中心近くにまで延在しなければ
ならず、もしそうでなければ、刃は斜めになつて、刃と
軸との間のガイド面が狭いので、軸線方向の移動がうま
くいかなくなるであろう。ガイド面が狭いことによつて
この構造に対しては２つの大きな欠点が生じる。まず第
一に、刃のガイドが長いので、鋸刃間の間隔を十分に狭
くするためにガイドを十分に薄くして作ることが困難で
ある。その様な装置の場合、鋸刃間の最小間隔は約32mm
である。

第二に、鋸刃の垂直方向の安定性が低い。鋸刃と軸との
間にガイド面がないので、鋸刃は垂直面内においては単
にガイドによつてのみ支持されているだけである。鋸刃
とガイドとの間に通常の隙間があつても、結果として鋸
刃は垂直を維持しないで斜めになつてしまう。したがつ
て、最善の可能性のある寸法的な正確さは得られない。
さらに、現在の構造では４個の調節自在な鋸刃しか有し
ていない。

二軸を有した既知の丸鋸には４本の刃軸が設けられてい
る。第一に、それは頂部の軸と底部の軸とを有してい
る。第二に、鋸は中心線に関して二つの部分に分けられ
ている。刃軸は互いに入れ子式になつたチユーブからな
つており、このチユーブはシフトシリンダーによつてそ
れぞれ互いに他に対して移動される。

この型の鋸においては、刃の直径が比較的小さいので、
鋸刃には普通はガイドは設けられていない。鋸刃はその
中心においてしつかりと固定されている。より大きな割
り材に関しては、鋸刃は単軸の丸鋸における鋸刃より厚
い。頂部と底部の軸における刃の組が横方向にずれてい
ることは、鋸引きしている材木においては容易にわか
る。軸が同じ垂直面内にないので、曲り鋸引きの場合に
はそのずれは更に増加する。

もし、刃のガイドのない鋸において、鋸刃の厚さが刃の
直径や、刃のポルダーの寸法に対して正確でない場合に
は、簡単に刃の損壊に至り、結果的に製造を停止するこ
とになつてしまう。

上述した鋸においては、調節自在な鋸刃の数は４個であ
る。中心線の近くに配置された刃軸は、駆動モータを介
して延在しているが、前記モータは高価な特別なモータ
を必要とする。また４本の刃軸を有した構造はまたその
特性に関して高価なものである。

米国特許第3,630,244は調節自在な鋸構造を開示してい
る。この構造においては、刃軸は互いに入れ子式になつ
た幾つかのチユーブからなつている。各々のチユーブは
鋸刃と対応して連結されている。この装置は調節自在な
鋸刃が３個あるいは３個以下の場合にのみ使用すること
ができる。

米国特許第3,202,189はキーみぞ付きの軸の上に配置さ
れた調節自在な丸鋸刃を有した丸鋸を開示している。鋸
刃の横方向の移動は、刃軸のキーみぞの中に配置された
滑動自在なシフト棒によつて行われる。刃のガイドはな
く、従つて、この鋸は小さな刃で薄い材木を鋸引く場合
にのみ用いることができる。

問題点を解決するための手段 上述した構造の欠点は、以下に述べる本発明によつてな
くしたり、最小にすることができる。本発明による調節
自在な丸鋸は、上述した全ての要求を満たしている。

本発明による丸鋸においては、キーみぞ付の軸上に横並
びに配置され、かつその上で互いに他に対して調節自在
になった複数個の丸鋸刃を含み、丸鋸刃のために取り付
け装置とガイドとが設けられており、それらはキーみぞ
付きの軸上で調節自在に配置され、前記取り付け装置と
ガイドとはシフト用の棒に連結されていて、前記シフト
用の棒はシフト用の棒の形と合致あるいは協働するキー
みぞの中で滑動自在に配置され、また前記取り付け装置
及びガイドのそれぞれのためのシフト用の棒は同一のア
クチユエータに連結されており、それぞれの丸鋸刃の取
り付け装置とガイドとの両方を同時に同じ量だけ移動さ
せることができるようになっており、それぞれのシフト
用の棒は、複数の前記アクチュエータに含まれる複数の
シフトシリンダーのそれぞれの１つによって調節自在に
移動可能な、複数個の連結板のそれぞれの１つに取り付
けられていることを特徴とする。

各々の鋸刃とガイドは、好ましくは、120度の間隔をお
いて３本の円形のシフト棒と連結されている。

実施例 本発明について添付図面を参照しながら、例をあげてさ
らに詳細に説明することにする。

本発明を明確に説明するために、第１図には１個の可動
的な丸鋸刃１しか示されていない。同じ理由から、刃の
軸２を回転させる駆動装置も示されていない。前記刃軸
にはキーみぞが付いている。その断面が第２図に示され
ている。丸鋸刃の両側にはフランジ形の薄い締具３が設
けられており、それらの間に丸鋸刃が押し付けられてい
る。軸のキーみぞ４の中には丸棒５がキーみぞに合致し
て滑動的に配置されており、各々の締めフランジは３個
の棒と連結され、その棒はキーみぞの中で120度間隔に
配置されている。もし、調節自在な鋸刃の数が、例え
ば、６個の場合には、刃軸におけるキーみぞの数は18個
になるであろう。棒の付いた刃軸は鋸の枠６内の軸受に
取り付けられる。

前記丸鋸刃は、丸鋸刃の側面に作用する既知のガイド装
置によつて、その外面から案内される。軸７の断面は刃
軸２のそれと同じであり、その上でガイド８が移動す
る。各々のガイドは120度間隔に配置された３本のシフ
ト棒９（１本しか図示されていない）と連結されてい
る。刃軸の各々の棒の一端と、案内軸の各々のシフト棒
の一端とは、複数個の連結板の内の共通の連結板10に取
り付けられている。前記連結板10にはまたシフトシリン
ダー11も取り付けられている。前記シリンダーは最初に
連結板に対して力を加え、そこから力はシフト棒５と９
を介して刃の中心における締めフランジ３に伝達され、
また刃の案内軸７の棒を介して刃のガイド８に伝達され
るシフトシリンダーが作動すると、各々の鋸刃の中心及
び外側エツヂは、刃を軸線方向に移動させる力を受け
る。このようにして、刃は均等かつ着実に移動され、あ
る設定位置から他の設定位置へ揺動することなく移動さ
れる。前記連結板にはさらに連結板の軸受に取り付けら
れた同期シヤフト12が設けられており、この同期シヤフ
トの両端には送りラツク13に沿つて回転する歯車14が取
り付けられており、これは刃軸とガイド軸との両者のシ
フト棒を確実に同時に移動させる。このような同期シヤ
フトと、歯車と、送りラツクとからなる機構の代わり
に、他の平行移動機構でももちろん用いることができ
る。

刃軸からのトルクは、軸のキーみぞにおけるシフト棒に
よつて、鋸刃に伝達される。鋸刃の移動は切削作業を行
つていない時、即ち、鋸刃の間にくずがたまつていない
場合に行われる。鋸刃の移動はまた刃が回転していない
時にも行えるようになつており、このことは刃が単にガ
イドを介して移動するだけのような既知の鋸装置では不
可能である。

鋸刃の締めフランジに取り付けられたシフト棒は、鋸刃
と刃軸との間に長い案内面が存在しているので、刃を垂
直面の中で保持している。

ガイドのアーム15は、ガイド操作が外周からのみ行われ
るので、短くなつている。この短いガイドアームは、鋸
刃の締めフランジと同様に、十分薄く作られており、従
つて、刃の間隔は、例えば、19mmというような狭いもの
にすることができる。本発明に関する構造における調節
自在な鋸刃の数は、今まで使用されてきた既知の装置と
同様、制限されることがない。６個あるいはそれ以上の
鋸刃を有した鋸でも容易に得られる。本発明による鋸刃
の移動と案内との方法は、あらゆる種類の丸鋸装置に適
用される。軸におけるキーみぞの底部も棒も、丸い形を
している必要はない。

第３図は１本の軸２上に６個の調節自在な丸鋸刃1₁〜1₆
を配置した製材鋸刃装置を示している。各々の丸鋸刃と
そのためのガイドとは、連結板10₁〜10₆のそれぞれに取
り付けられた３本のシフト棒に連結されており、それら
はそれぞれのシフトシリンダー11₁〜11₆によつて駆動さ
れる。鋸の枠６上には駆動モータ16が配置されている。
前記刃軸２は、鋸の枠と丸鋸刃との間に配置されたベル
トとプーリー17,18によつて回転される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置の操作原理を説明する概略的
な透視図、第２図は刃軸の断面図、第３図は６個の丸鋸
刃を有した、本発明による装置の概略的な側面図であ
る。 図において、 １……鋸刃 2,7……キーみぞ付きの軸 ３……取り付け装置 ４……キーみぞ 5,9……シフト棒 ８……ガイド 10……連結板 11……シフトシリンダー 12……同期シヤフト 13……送りラツク 14……歯車 である。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】丸鋸において、キーみぞ付きの軸上に横並
   びに配置され、かつその上で互いに他に対して調節自在
   になった複数個の丸鋸刃を含み、前記丸鋸刃（１）のた
   めに取り付け装置（３）とガイド（８）とが設けられて
   おり、それらはキーみぞ付きの軸（2,7）上で調節自在
   に配置され、前記取り付け装置（３）とガイド（８）と
   はシフト用の棒（5,9）に連結されていて、前記シフト
   用の棒はこのシフト用の棒の形と合致あるいは協働する
   キーみぞ（４）の中で滑動自在に配置され、また前記取
   り付け装置（３）及びガイド（８）のそれぞれのための
   シフト用の棒（5,9）は同一のアクチュエータに連結さ
   れており、それぞれの丸鋸刃の取り付け装置（３）とガ
   イド（８）との両方を同時に同じ量だけ移動させること
   ができるようになっており、それぞれのシフト用の棒
   （5,9）は、複数の前記アクチュエータに含まれる複数
   のシフトシリンダー（11）のそれぞれの１つによって調
   節自在に移動可能な、複数個の連結板（10）のそれぞれ
   の１つに取り付けられていることを特徴とする丸鋸。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項記載の丸鋸におい
   て、前記シフト用の棒（5,9）はほぼ丸い断面をしてお
   り、互いに他と円周方向に120度の間隔をおいて配置さ
   れている丸鋸。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項記載の丸鋸におい
   て、前記ガイド（８）は丸鋸刃（１）の外側エッヂに作
   用する丸鋸。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第２項記載の丸鋸におい
   て、刃用の軸（２）及びガイド用の軸（７）におけるキ
   ーみぞ（４）の数はｎ×３であり、ここでｎは丸鋸刃
   （１）の数である丸鋸。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第１項記載の丸鋸におい
   て、各々の連結板（10）の動きは平行な機構（12,13,1
   4）によって案内される丸鋸。
6. 【請求項６】特許請求の範囲第５項記載の丸鋸におい
   て、前記平行な機構は連結板（10）に対して回転自在に
   取り付けられた同期シャフト（12）からなっており、送
   りラック（13）に沿って回転するための歯車（14）が前
   記同期シャフトの両端に連結されている丸鋸。