JPH07280797A - 溶鋼の迅速分析方法及び装置 - Google Patents

溶鋼の迅速分析方法及び装置

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JPH07280797A
JPH07280797A JP6067308A JP6730894A JPH07280797A JP H07280797 A JPH07280797 A JP H07280797A JP 6067308 A JP6067308 A JP 6067308A JP 6730894 A JP6730894 A JP 6730894A JP H07280797 A JPH07280797 A JP H07280797A
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molten steel
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JP6067308A
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Yoichi Nimura
洋一 丹村
Takanori Akiyoshi
孝則 秋吉
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精錬炉中の溶鋼の成分を迅速に高精度で分析
する。 【構成】 溶鋼に浸漬したプローブに付着した付着試料
1を試料受け2で受取り、自動的に試料台31の所定の
位置に静置させ、押し出し棒32で試料管5に押し出
す。試料管5と採取室6とは共通の開口部を持ち、共に
純度の高いAr気流で満たされている。試料管6に入っ
た付着試料1は照射強度、半値幅、発振周波数及び照射
点を適切に選んだパルスレーザー光の照射を受け微粒子
を生成する。微粒子はICP発光分光分析装置でその成
分が分析される。 【効果】 試料採取から分析終了までの時間が短く、又
付着試料からの微粒子生成では生成の選択性が抑制さ
れ、代表性に優れた微粒子試料の発光が得られるので、
高精度の分析値が迅速に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、製鋼精錬時の操業管
理の精度を高めるために溶鋼成分を迅速に分析する手段
に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の組成は製品の特性に大きく影響す
るため、製鋼精錬中にその組成を迅速に把握し、その結
果に基づいて操業を管理することが重要な製鋼技術とな
っている。特に、転炉精錬では出鋼直前の溶鋼成分量を
出鋼前に把握し成分調整に反映させることによって成分
的中率が飛躍的に高まる。
【0003】このため、精錬中の溶鋼から迅速正確に分
析試料を採取し、この試料を素早く分析室に送り、正確
な分析を遂行させる試料調整を短時間で行い、早く分析
結果を得ることについて多くの工夫が積み重ねられてき
た。
【0004】一方、より迅速に結果を得るため、連続的
に分析結果を得ようとする試みも種々行われている。こ
れらは、溶鋼から分析試料を採取することを省き溶鋼を
直接分析しようとするもので、溶鋼を放電やレーザー光
照射等で励起し発光を分光分析する方法や、溶鋼を微粒
子に変えて直接発光分光分析装置に送り込んで分析する
方法である。しかし、これらの連続分析方法では、高温
と粉塵そして反応性の高い炉中から安定した分析情報を
得るためには、解決すべきエンジニアリング上の問題が
多過ぎ実用化に至っていない。
【0005】一般に実用されている方法では、JIS
Z2611「金属試料の発光分光分析」(以下、JIS
法と称す)及びその解説に則り、溶鋼を鋳型に汲み取り
25mmΦ程度のブロック上試料を作成し、これを気送管
を通して速やかに分析前処理工程に送り、円状の分析面
を所定の平滑度に仕上げた後、試料温度を一定範囲内に
抑えて放電励起による発光分光分析法で分析する。分析
面を平滑に仕上げるのは、放電点が片寄って平均より偏
った分析値が算出されることを防ぐためであり、試料温
度を一定に保つのは励起条件を一定に保持するためであ
る。この方法では、溶鋼汲み取りから分析結果を得るま
でに7分程度の時間がかかる。
【0006】従来、この時間を短縮するために試料採取
を簡便化した方法が提案されている。例えば、特開昭5
8−215539号公報では、溶鋼を鋼棒の先端に付着
させて炉外に持ち出し、これを放電発光分光分析法で分
析する方法(以下、鋼棒放電発光法と称す)を開示して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼棒先
端に付着させた試料ではピンホールや付着不良箇所或い
は付着試料と母体の境界等があり、これらの箇所には選
択的に放電が起こる。更に、付着厚さが変動して放電対
極との間隔が保てず、又試料温度も変動する。このよう
なことから再現性のある分析結果を得ることが困難で、
鋼棒放電発光法では結果の信頼性を欠くという問題が残
されていた。
【0008】この発明は、この問題を解決するためにな
されたもので、簡便な方法で溶鋼試料を採取しても片寄
らない情報を把握し、再現性度の良い分析結果を迅速に
得る技術を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、プローブに付着した試料から微粒子を採取し
この微粒子を励起して発光分光分析を行う技術であり、
以下の(1)、(2)及び(3)に記す溶鋼の迅速分析
方法と(4)に記す溶鋼の迅速分析装置とである。
【0010】(1)支持棒の先端に着脱容易に取り付け
られたプローブを溶鋼に浸漬してその表面に鋼を付着さ
せ、前記プローブに付着した鋼をAr気流中に搬入し、
この鋼にパルスレーザー光を照射して鋼の一部を微粒子
化し、生成した微粒子を前記Arガスで高周波誘導結合
プラズマ発光分光分析装置に搬送して分析する溶鋼の迅
速分析方法
【0011】(2)パルスレザー光を、照射点強度を1
8 W/cm2 以上1011W/cm2以下、パルス半値
幅5nsec 以上500nsec 以下そして発振周波数10
0Hz以上として、且つ分析面に沿って照射点を少なく
とも1mm平方にわたって移動させながら照射する(1)
に記載した溶鋼の迅速分析方法 (3)Arガスとして炭素含有率が1μg/L(リット
ル)以下の超高純度Arを用いる(1)又は(2)に記
載した溶鋼の迅速分析方法
【0012】(4)溶鋼が付着したプローブを受け入れ
る試料受けとこの試料受けに接続された試料送り部、及
び試料送り部と柔軟構造を持つ通路によって接続された
微粒子採取部とを有してなり、試料送り部は試料受けか
らの試料を所定の位置に静置する試料台と押出し器とを
備え、微粒子採取部は前記通路につながる試料管とこの
試料管の管側に小さな開口部を共有する採取室及びレー
ザー光を制御する反射鏡と集光レンズを有してなり、前
記試料管は前記通路と反対の側にゲートを有し、前記採
取室は前記開口部の反対側にレーザー光透過窓を、光透
過窓の近くにガスの導入口を、前記開口部の近くに高周
波誘導結合プラズマ発光分光分析装置につながる導出口
をそれぞれ有し、前記反射鏡は回転制御機構を備え、前
記集光レンズは平行移動制御機構を備えたことを特徴と
する溶鋼の迅速分析装置。
【0013】
【作用】適当な長さのプローブを支持棒の先端に取り付
けて、これを精錬炉中の溶鋼に浸漬すると、溶鋼温度よ
りも低温であるプローブの表面に鋼が付着する。このプ
ローブを引き上げることによって溶鋼試料が採取され
る。プローブは、短時間で外せるように着脱容易に取り
付けておく。取り外されたプローブに付着した試料(以
下、付着試料と称す)はAr気流中に搬入され、パルス
レーザー(以下、単にレーザーと称す)光が照射され
る。
【0014】レーザー光は密度の高いエネルギー形態で
あり、照射点では試料が一瞬にして気化しArガス中で
冷却され微粒子となって搬送される。搬送先は高周波誘
導結合プラズマ(以下、ICPと略す)発光分光分析装
置である。Ar気流中でレーザー照射を行うのは、気化
した成分がガス成分と反応しないことと、ICP発光に
用いられるプラズマがArプラズマであってスペクトル
解析の複雑化が防げるからである。他の不活性ガスを使
用すると、余分な成分を持ち込むことになりその影響を
把握した解析が必要となる。
【0015】微粒子化は放電やプラズマアーク等によっ
ても行えるが、前述したように選択放電が起きたり励起
エネルギー密度が小さかったりするため、溶鋼を代表す
る微粒子が採取されない。レーザー照射では、より高密
度のエネルギーが投入されるので選択性は著しく低下
し、代表性のよい微粒子が採取される。又、試料温度が
未だ高い状態で、時によってその温度が相違しても代表
性は損なわれない。しかし、レーザー照射と雖も成分に
よっては、後述するように、照射条件を限定しより代表
性に優れた微粒子を採取した方がよいものもある。
【0016】微粒子をICP発光分光分析装置に搬送し
て分析するのは、この装置では流動状態の試料をドーナ
ツ状のArプラズマ焔の中を通過させて加熱励起するの
で、気体で搬送される微粒子に励起に必要なエネルギー
を充分に与えることができるからである。又、発光分光
分析であれば、数秒乃至数十秒の発光時間で即座に分析
結果が得られる迅速性が実現される。
【0017】このように、付着試料をレーザー照射によ
り微粒子化すれば、代表性の良い微粒子試料が得られ、
これをICP発光分光分析装置に導いて同定と定量を行
えば、精度の良い分析結果が迅速に得られる。
【0018】一方、試料に注目すると、成分の中には比
較的多量に含まれているものと微量しか含まれていない
もの、或いは沸点が低く気化し易いものと気化し難いも
のがある。更に、付着試料では励起発光の際に通常固化
しているので、凝固の際にFeに固溶せずに析出物を形
成して偏析するものもある。
【0019】微量成分の分析精度を特に重視するような
場合は、微粒子の採取速度を大きくして発光量を増やし
その成分の分析精度を高めることができる。微粒子の採
取速度を大きくするのは、照射するレーザー光の強度と
発振周波数及び照射点の移動である。
【0020】レーザー光の強度を高めるほど採取速度は
大きくなると同時に沸点の異なる成分に対する選択性も
低減するので、照射点強度を108 W/cm2 以上とす
ることが望ましい。しかし、照射点強度を大きくし過ぎ
るとAr等の雰囲気を電離してプラズマを発生させるい
わゆるブレークダウン現象を惹起する。この現象が起こ
るとレーザー光のエネルギーはもはや微粒子の生成に寄
与しなくなる。ブレークダウン現象は、照射点強度を1
11W/cm2 以下にすることによって避けることがで
きる。
【0021】微粒子の採取はパルス毎に行われる。パル
スの周波数が高い程採取速度は大きくなるが、逆に周波
数が低過ぎるとICP発光分光分析装置のプラズマ焔に
導入される微粒子試料の量が変動し分析値に影響する。
このため、発振周波数を100Hz以上として微粒子試
料の量の変動を防ぐ。
【0022】エネルギー密度の高いレーザー光では、照
射点だけが深く掘り下げられその周壁は溶解しない。こ
のため、同一点に照射を続けると試料の気化速度は段々
に減少し微粒子の生成速は低下してくる。この現象は、
照射点を移動させることによって防ぐことが出来る。
又、照射点を移動させることによって採取面積を広げる
ことになり、C、S、P等析出物を形成して偏析する成
分を片寄って採取することができる。偏析成分の分析精
度を重視する場合は、少なくとも1mm平方にわたって移
動させることが望ましい。照射点は分析面に平行に移動
させるが、この移動は反射鏡の回転或いは集光レンズの
平行移動を制御することによって容易に行うことが出来
る。
【0023】沸点が大きく異なる成分、例えば低合金鋼
中MoとMn等、に対する選択性は、パルスの半値幅を
小さくすることによっても低減することができる。しか
し、パルスの半値幅を小さくし過ぎると微粒子生成速度
が低下するので、5nsec 以上500nsec 以下の範囲
で用いるのがよい。
【0024】上述したようなレーザー照射条件以外に、
極低炭素鋼等微量の炭素量を重視する鋼種では、雰囲気
のArの純度が問題になる。市販されている高純度Ar
は純度99.995%であるが、調べると4〜5μg/L
(リットル)程度の炭素が含まれている。Arは微粒子
の搬送と共に励起焔のプラズマガスや補助ガスにも用い
られので、含まれる不純物炭素はブランク値を大きくし
S/Nを低下させる。この不純物炭素は金属ゲッターで
除くことができるので、1μg/L以下になるまで除いて
用いるのがよい。
【0025】プローブに付着した試料は、試料受けに受
けられるが、この試料受けから試料送り部の試料台に自
動的に送り込まれ、所定の位置に静置される。試料送り
部3には試料台に正対して押し出し器が備えられ、押し
出し器により試料台に静置された付着試料を通路を通っ
て試料管に押し出す。付着試料は、試料管の中でレーザ
ー光を照射されるが、試料管と試料送り部とは柔軟構造
を持つ通路4によって接続されているので防振対策とな
り、振動があってもレーザー光の焦点がずれない。又、
試料管はレーザー照射を受けた後の付着試料を排出する
ために、通路と反対側にゲートを有し排出時にこれを開
閉する。
【0026】採取室は開口部とは反対側にレーザー光透
過窓を有し、その近くにガスの導入口を又開口部の近く
に導出口を有する。導入口と導出口の位置関係は、導入
されたきれいなガスをレーザー光透過窓から開口部に向
かって流すようになっている。これによって、開口部の
近傍で生成される微粒子を含んだガスが直ちに導出さ
れ、レーザー光透過窓が微粒子によって汚染されること
が防がれる。導出口をICP発光分光分析装置に接続し
て微粒子をプラズマ焔に搬送すれば、溶鋼中の成分が分
析される。
【0027】レーザー光は反射鏡によって進行方向を決
められ、集光レンズによって付着試料の表面に集光され
る。反射鏡と集光レンズとは、更に集光点を照射面上で
所定の軌跡と速度で移動させるためにも使われる。反射
鏡を回転すると、集光レンズへの入射角が変化するの
で、集光点はその分だけずれる。又、集光レンズに入射
する平行光は集光レンズの焦点に集光するので、集光レ
ンズを平行移動すると、その焦点も同じ方向に同じ量だ
け移動し集光点が移動する。反射鏡と集光レンズに各々
回転制御機構と平行移動制御機構を設けて、各々による
集光点の移動方向が異なるように回転及び平行移動を制
御することによって、集光点を任意の軌跡で移動させる
ことができる。
【0028】
【実施例】本発明の装置の1実施例を、図1及び図2を
用いて説明する。図1は装置の各部の位置を示す平面図
で、図2は微粒子採取部の横断面図である。
【0029】図1で、プローブに付着した付着試料1
は、試料受け2に受けられるが、この試料受け2から試
料送り部3の試料台31に自動的に送り込まれ、所定の
位置に静置される。試料送り部3には試料台31に正対
して押し出し器32が備えられ、これから押し出し棒3
3が突き出て試料台31に静置された付着試料1を通路
4を通って試料管5に押し出す。付着試料1は、試料管
5の中でレーザー光を照射されるが、この時レーザー光
の焦点がずれないように試料管5には防振対策が講ぜら
れ、試料管5と試料送り部3とは柔軟構造を持つ通路4
によって接続されている。又、試料管5はレーザー照射
を受けた後の付着試料1を排出するために、通路4と反
対側にゲート51を有し排出時にこれを開閉する。
【0030】微粒子採取部は、図2に示すように、試料
管5と採取室6及び反射鏡7並びに集光レンズ8とから
なり、試料管5と採取室6とは試料管5の側面に設けた
開口部52とつながっている。採取室6は開口部52と
は反対側にレーザー光透過窓61を有し、その近くにガ
スの導入口62を又開口部52の近くに導出口63を有
する。導入口62と導出口63の位置関係は、導入され
たきれいなガスをレーザー光透過窓61から開口部52
に向かって流すようになっている。これによって、開口
部52の近傍で生成される微粒子を含んだガスが直ちに
導出され、レーザー光透過窓61が微粒子によって汚染
されることが防がれる。導出口63をICP発光分光分
析装置に接続して微粒子をプラズマ焔に搬送すれば、溶
鋼中の成分が分析される。
【0031】反射鏡7と集光レンズ8は、発振器から発
射される平行なレーザー光の焦点をコントロールするた
めのものであって、レーザー光9は反射鏡7によって進
行方向を決められ、集光レンズ8によって付着試料1の
表面に集光される。反射鏡7と集光レンズ8とは、更に
集光点を照射面上で所定の軌跡と速度で移動させるため
にも使われる。反射鏡7を回転すると、集光レンズ8へ
の入射角が変化するので、集光点はその分だけずれる。
又、集光レンズ8に入射する平行光は集光レンズ8の焦
点に集光するので、集光レンズ8を平行移動すると、そ
の焦点も同じ方向に同じ量だけ移動し集光点が移動す
る。反射鏡7と集光レンズ8に各々回転制御機構と平行
移動制御機構を設けて、各々による集光点の移動方向が
異なるように回転及び平行移動を制御することによっ
て、集光点を任意の軌跡で移動させることができる。
【0032】図1に示した装置を用いて、溶鋼を分析し
た。試料受け2は試料台31よりもやや高い位置に設
け、試料台31に傾斜板でつなげて付着試料1が傾斜板
の上を転がり自動的に試料台31に移送されるようにし
た。試料台31は、押出し棒33の前で付着試料1が静
止するようにこの位置で最も低くなるように勾配をつけ
た。
【0033】プローブ10は、図3に示すように丸棒状
で、銅製としこれを支持棒11に取付けた。プローブ1
0の嵌合部12はやや先を細くし、鍵溝13を設けて支
持棒11のピン14によって固定する様式にし、脱着の
簡便化を図った。プローブ材は、銅の他に鋼やセラミッ
クも用いられる。
【0034】溶鋼に浸漬するときは、よく行われている
ようにプローブ10の先端にボール紙のカバーを付けて
スラグの付着を防いだ。レーザー発振器には、最高出力
200WのQスイッチ付きYAGレーザーを用い、集光
点をジグザグに1.5mm×1.5mmの領域全般にわ
たって移動させながら照射した。微粒子の搬送、ICP
発光分光のプラズマ焔及び補助ガス等に用いるArガス
は、市販の高純度ArをZrゲッターで精製して用い
た。
【0035】分析精度は、同一溶鋼試料を10回繰り返
し分析し、分析値の相対標準偏差を求めて評価した。
又、溶鋼試料採取の開始から分析結果が得られるまでに
要した時間も同時に測定した。レーザー照射条件と分析
結果を比較例及び従来例と対比し化学分析で求めた試料
組成と共に表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】この発明の実施例では、所要時間2分以内
で分析結果が得られ、分析値の精度も高い。従来例のJ
IS法では、所要時間が7分にも達するが、この発明で
はその三分の一の時間で分析結果が得られる。しかも、
分析精度は従来例の鋼棒放電発光法に較べ格段に優れ、
特にレーザー照射に最適条件を適用した試験No. 1乃至
6では、JIS法と較べ遜色がない。これに対して、鋼
棒放電発光法では所要時間は変わらないが、精度が劣り
相対標準偏差が100%を超えて測定不可の成分もあっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上述べて来たように、この発明によれ
ば、プローブに精錬炉中の溶鋼を付着させこの付着試料
に適正な条件でレーザー光を照射して微粒子を採取し、
これをICP発光分光分析装置で同定定量する。このた
め、片寄ることのない分析試料を定量することになり信
頼性の高い分析結果が迅速に得られる。このように、迅
速性と分析の高精度化とを両立させたこの発明の製鋼精
錬に与える効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を説明するための装置の概念を示す平
面図である。
【図2】発明の装置の一部である微粒子試料採取部の概
念を示す従断面図である。
【図3】実施例に用いたプローブの正面図である。
【符号の説明】
1 付着試料 2 試料受け 3 試料送り部 4 通路 5 試料管 6 採取室 7 反射鏡 8 集光レンズ 9 レーザー光 31 試料台 32 押し出し器 33 押し出し棒 51 ゲート 52 開口部 61 レーザー光透過窓 62 導入口 63 導出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持棒の先端に着脱容易に取り付けられ
    たプローブを溶鋼に浸漬してその表面に鋼を付着させ、
    前記プローブに付着した鋼をArガス中に搬入し、この
    鋼にパルスレーザー光を照射して微粒子化し、生成した
    微粒子を前記Arガスで高周波誘導結合プラズマ発光分
    光分析装置に搬送して分析することを特徴とする溶鋼の
    迅速分析方法。
  2. 【請求項2】 パルスレザー光を、照射点強度を108
    W/cm2 以上10 11W/cm2 以下、パルス半値幅5
    nsec 以上500nsec 以下そして発振周波数100H
    z以上として、且つ分析面に沿って照射点を少なくとも
    1mm平方にわたって移動させながら、Arガス中で照射
    する請求項1記載の溶鋼の迅速分析方法。
  3. 【請求項3】 Arガスとして炭素含有率が1μg/L以
    下の超高純度Arを用いる請求項1又は請求項2記載の
    溶鋼の迅速分析方法。
  4. 【請求項4】 溶鋼が付着したプローブを受け入れる試
    料受けとこの試料受けに接続された試料送り部、及び試
    料送り部と柔軟構造を持つ通路によって接続された微粒
    子採取部とを有してなり、 試料送り部は試料受けからの試料を所定の位置に静置す
    る試料台と押出し器とを備え、 微粒子採取部は前記通路につながる試料管とこの試料管
    の管側に小さな開口部を共有する採取室及びレーザー光
    を制御する反射鏡と集光レンズを有してなり、 前記試料管は前記通路と反対の側にゲートを有し、 前記採取室は前記開口部の反対側にレーザー光透過窓
    を、光透過窓の近くにガスの導入口を、前記開口部の近
    くに高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置につなが
    る導出口をそれぞれ有し、 前記反射鏡は回転制御機構を備え、 前記集光レンズは平行移動制御機構を備えたことを特徴
    とする溶鋼の迅速分析装置。
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