JPH07280669A - レール軸力測定方法および軸力測定可能なレール - Google Patents

レール軸力測定方法および軸力測定可能なレール

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JPH07280669A JP6070367A JP7036794A JPH07280669A JP H07280669 A JPH07280669 A JP H07280669A JP 6070367 A JP6070367 A JP 6070367A JP 7036794 A JP7036794 A JP 7036794A JP H07280669 A JPH07280669 A JP H07280669A
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    • G01L1/12Measuring force or stress, in general by measuring variations in the magnetic properties of materials resulting from the application of stress
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レールに存在している残留応力の影響を除去
し、迅速かつ精度良くレールに負荷されている軸力の測
定を可能にするレール軸力測定方法および軸力測定可能
なレールを提供する。 【構成】 レールに応力感知部を付与し、該応力感知部
を励磁ヘッドで励磁し、該感知部の磁化の変化を検出ヘ
ッドで電圧信号として検出し、該電圧信号からレール軸
力を測定することを特徴とする。さらに、該電圧信号が
バルクハウゼンノイズ信号であり、応力感知部が、レー
ルを局部的にγ相領域に加熱し、その後、γ相領域より
低い温度で熱処理してセメンタイトを析出させた組織で
あることを特徴とする。また、上記した応力感知部を具
備することを特徴とする軸力測定可能なレールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、敷設してあるレールの
軸力を磁気的手法を用いて、その場で非破壊的に検出す
ることを可能にするレール軸力測定方法および軸力測定
可能なレールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、材料の磁気的性質が、結晶粒
径や析出物などの組織、ひずみ等に依存することを利用
して、被測定物の材質や応力等を非破壊的に検査するこ
とが試みられている。例えば、透磁率を測定して鋼材の
引っ張り強さを見積る方法、保磁力によって焼き入れ硬
度を見積る方法等がある。最近、磁化の不連続性に起因
するバルクハウゼンノイズを用いた方法が注目され、そ
れを用いて軟鋼の疲労強度を推定する方法(例えば、
L.P.Karjalainenら、IEEE Trans.Mag.MA
G16,514(1980))や、工具鋼の靱性を推定する方法(例
えば、仲居ら、鉄と鋼、75,833(1989))などが提唱され
ている。
【0003】実際に、被測定物の透磁率,保磁力あるい
はバルクハウゼンノイズを測定するには、電源と励磁ヘ
ッドなどからなる励磁系と検出ヘッドと信号処理システ
ムなどからなる検出系で構成される装置を用いる。へッ
ド方式の場合は、被測定物の表面にあてるだけで簡便に
それを励磁し、被測定物からの信号を検出することがで
きる利点がある。
【0004】これらの磁気的な手法を用いて、敷設され
ているレールに作用している応力(軸力)を診断する試
みが行なわれている。レールは、外気温の変動によって
常に膨張と収縮を繰り返している。しかし、通常、レー
ルは枕木に締結治具によって取り付けられているため
に、レール継目付近を除いてその膨張と収縮が妨げられ
ている。その結果、レールには部分的に圧縮応力あるい
は引張り応力が作用することになる。特に、圧縮応力が
ある臨界値を越えるとレールが座屈等を起こす場合が生
じるために、これらの軸力を診断することが保線の上で
重要となっている。そのために、敷設レールに働いてい
る軸力をその場で非破壊的に検出する方法が従来から提
案されている。例えば、特開昭60−07330号公報
は、磁気異方性センサーで軸応力を測定する前に、敷設
レールの測定部位を脱磁器で脱磁することによって、再
現性を確保したレール軸応力測定器である。また、同公
報では、レールの測定箇所をレール頭側部またはレール
脚部としている。特開昭60−243526号公報は、
磁気異方性センサーを2組隣接配置し、それぞれの磁気
異方性検出コイルを差動接続することによって外乱磁界
の影響を除去したレール軸応力測定装置である。しか
し、通常、レールには種々の大きさの残留応力が敷設前
に存在しており、場所によっては軸力の値よりも大きい
場合もある。したがって、特開昭60−07330号公
報および特開昭60−243526号公報を用いたとし
ても、予め測定部位の残留応力の大きさを求めておかな
ければ、敷設後に負荷されるレール軸力の絶対値を正確
に測定することができない。
【0005】前記2つの従来法は、応力によって生じる
透磁率の変化を測定するものであるが、他の磁気的パラ
メータを用いて応力を測定する方法あるいは装置とし
て、以下のものが開示されている。すなわち、保磁力の
変化率から応力を測定する装置(特開昭50−1597
87号公報)、先端に丸みを付けたフェライトコアを用
いてバルクハウゼンノイズを検出する応力および欠陥検
出装置用センサー(特開昭60−57247号公報)、
バルクハウゼンノイズとアコースティクエミッションを
組み合わせて応力の測定精度を上げる方法および装置
(特開昭59−112257号公報)、磁束計で磁気ヒ
ステリシス曲線を求めて応力や機械的性質を測定する方
法および装置(特開平02−262026号公報)があ
る。しかし、ここで開示されている方法と装置は、レー
ル軸力の測定に関しては言及していない。さらに、これ
らの方法と装置を用いても、レール組織そのものの磁気
パラメータが軸力によってほとんど変化しないために、
レール軸力は測定できない。また、どの方法を用いて
も、検出される応力の値には被測定物に元々存在してい
る残留応力の分が加わっており、正確に応力の絶対値を
求めることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁気
的手法を用いて、敷設してあるレールの軸力を診断する
場合、従来の技術では、既に敷設前においてレールに残
留応力が存在するために、その場の測定結果だけからで
は、敷設後に負荷された軸力の絶対値を求めることがで
きない。敷設後に負荷されたレール軸力の絶対値を求め
るためには、予め同じ部位の残留応力に起因する磁気信
号の値を測定して記録しておき、その値を実際の測定結
果から差し引く作業が必要になる。敷設レールにおいて
は、この残留応力に起因する磁気信号の値を予め記録し
ておく作業は、測定部位数が膨大なため実際上困難であ
るばかりでなく、レール上でのマーカーがないために、
磁気ヘッドによって測定部位を予め測定した場所と同じ
所に正確に合わせることも難しい。
【0007】本発明は、レールに具備している応力感知
部から得られる磁気的信号を測定することによって、レ
ールに存在している残留応力の影響を除去し、迅速かつ
精度良くレールに負荷されている軸力の測定を可能にす
るレール軸力測定方法および軸力測定可能なレールを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記の通りである。すなわち、 1.レールに応力感知部を付与し、該応力感知部を励磁
ヘッドで励磁し、該感知部の磁化の変化を検出ヘッドで
電圧信号として検出し、該電圧信号からレール軸力を測
定することを特徴とするレール軸力測定方法。
【0009】2.前項1において、励磁が励磁ヘッドに
よる交流励磁であり、検出ヘッドで検出する該電圧信号
に周波数フィルタリングを施してバルクハウゼンノイズ
信号を取り出すことを特徴とするレール軸力測定方法。
【0010】3.レールを局部的にγ相領域に加熱し、
その後、該局部をγ相領域より低い温度で熱処理してセ
メンタイトを析出させた組織を応力感知部として用いる
ことを特徴とする前項1又は2に記載のレール軸力測定
方法。
【0011】4.レールと同組成の材料をγ相領域に加
熱し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメ
ンタイトを析出させた組織を応力感知片としてレールに
貼り付けることを特徴とする前項1又は2に記載のレー
ル軸力測定方法。
【0012】5.バルクハウゼンノイズを発生する応力
感知部を具備することを特徴とする軸力測定可能なレー
ル。
【0013】6.前項5において、応力感知部がγ相領
域に加熱し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理し
てセメンタイトを析出させた組織からなることを特徴と
する軸力測定可能なレール。
【0014】7.γ相領域に加熱し、その後、γ相領域
より低い温度で熱処理してセメンタイトを析出させたレ
ールと同組成の応力感知片が貼り付けられていることを
特徴とする前項5の軸力測定可能なレール。
【0015】上記した応力感知部は、高周波加熱あるい
はレーザー等でレールを局部的にγ相領域に加熱し、そ
の後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメンタイト
を析出させることによって付与することができる。ま
た、γ相領域に加熱し、その後、γ相領域より低い温度
で熱処理してセメンタイトを析出させたレールと同組成
の応力感知片を溶接等でレールに貼り付けて付与するこ
とができる。
【0016】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。応力感知部
は、次の特性を具備していなければならない。それは、
感知部からの磁気信号が応力に敏感に反応し、かつ、十
分な精度で信号から応力の大きさを読み取れることであ
る。さらに、応力感知部から得られる磁気信号がレール
母材の磁気信号と区別できることが必要である。
【0017】我々は、レールを熱処理してα−Fe中に
セメンタイトを析出させた組織が応力感知部としてレー
ル長手方向に所定の間隔で具備されているレールを用い
ることによって、診断を必要とする応力範囲において、
感知部の磁気信号から応力の大きさを知ることができる
ことを見い出した。さらに、応力感知部から得られる磁
気信号がレール母材から得られる磁気信号と容易に区別
できることも見い出した。応力感知部の組織は、例え
ば、レールを局部的にγ相領域で加熱して炭素を固溶さ
せた後、急冷してマルテンサイトなどの炭素の過飽和固
溶体とし、その過飽和固溶体をγ相領域より低い温度で
焼き戻してセメンタイトをα−Fe粒内に析出させる
か、あるいは、急冷を行なわないでγ相領域より低い温
度で熱処理することによって形成できる。
【0018】これらの応力感知部は、レールそのものに
対して高周波加熱あるいはレーザーで局部的に前記熱処
理を施すことによって形成できる。あるいは、板状ある
いは棒状の形状でレールと同組成の材料をγ相領域で加
熱して炭素を固溶させた後、急冷してマルテンサイトな
どの炭素の過飽和固溶体とし、その過飽和固溶体をγ相
領域より低い温度で焼き戻してセメンタイトをα−Fe
粒内に析出させるか、あるいは、急冷を行なわないでγ
相領域より低い温度で熱処理することによって作製した
応力感知片をレールに直接貼り付けることによっても構
成できる。貼り付ける方法は、溶接が簡便であり、接合
部の強度も十分にとることができ、レールに負荷されて
いる軸力をそのまま応力感知部に伝えることができる。
ただし、溶接法では溶接熱によって溶接部の組織が変っ
てしまうので、感知部の大きさは、使用する磁気ヘッド
の大きさよりも溶接の熱影響部の大きさの分だけ大きく
する必要がある。あるいは、接着材を用いて応力感知片
をレールに貼りつけることも可能である。
【0019】応力感知部が構成される場所は、レールの
頭側部、Web部、脚部のどこでも可能であるが、We
b部が最適である。なぜなら、レール頭側部では車輪に
よる振動などの影響が大きく、脚部では締結治具が邪魔
になるからである。これらの感知部は、必要に応じてレ
ール軌道の外側または内側、あるいは両側に構成され
る。構成数は、軌道の片側のみに構成する場合には各枕
木間に少なくとも1ケ構成することが好ましい。しか
し、全ての枕木間に構成するのではなく、例えば、1〜
20ケおきなどに構成しても精度は低下するが目的とす
る軸力の測定は可能である。軌道の両側に構成する場合
には、各枕木間に少なくとも2ケ構成することが好まし
い。しかし、全ての枕木間に構成するのではなく、例え
ば、1〜20ケおきなどに構成しても良い。
【0020】以上述べたような応力感知部を具備してい
るレールを用いることによって、元々レールに存在して
いる残留応力の影響を取り除いて、敷設後にレールに負
荷された軸力の絶対値を高精度で測定することができ
る。
【0021】磁気ヘッドによって応力感知部から検出で
きる磁気信号は、透磁率,保磁力などの種々のものがあ
り、応力感知部の応力と相関関係があればどの信号でも
使用可能である。我々は、磁化の不連続変化に起因して
応力感知部から発生するバルクハウゼンノイズが目的と
する0〜12kg/cm2の応力範囲において、軸力と
相関関係があり、かつ、レール母材のバルクハウゼンノ
イズとその波形が異なることから両者を容易に区別でき
ることを新たに見い出した。さらに、レール母材のバル
クハウゼンノイズは軸力によって変化しないことも見い
出した。したがって、磁気信号としてバルクハウゼンノ
イズを用いることによって、迅速、かつ、精度良く軸力
を測定することが可能となる。
【0022】応力感知部から発生するバルクハウゼンノ
イズなどの磁気信号を検出するには励磁ヘッドによっ
て、応力感知部を交流で磁化し、その磁化の変化を検出
ヘッドで検出する。検出ヘッドには磁化の変化に対応し
て電圧信号(電圧−時間波形)が誘起される。その電圧
信号を増幅後、バンドパスフィルターを通して所定の周
波数範囲の信号のみを取り出すことによって、バルクハ
ウゼンノイズ信号を得ることができる。電圧信号をバン
ドパスフィルターを通した後、増幅しても同様にバルク
ハウゼンノイズ信号が得られる。バルクハウゼンノイズ
以外の磁気信号に関しても、前記電圧信号を電気回路で
所定の信号処理することによって得ることができる。
【0023】実際に敷設レールの軸力をその場で検出す
るには、次のようにする。励磁ヘッドおよび検出ヘッド
から構成される磁気ヘッドを保線車から下に垂らして応
力感知部から所定の距離だけ離した状態になるように設
置する。励磁電源などの励磁系の装置、信号処理回路な
どの検出系の装置、あるいは励磁系と検出系の装置を一
つにまとめて小型化した装置を保線車に積み込む。そし
て、これらの装置と磁気ヘッドを同軸ケーブルなどで接
続する。このように測定システムを構成することによっ
て、オンラインでレール軸力を測定することができる。
あるいは、オンライン測定のみならず、保線員が実際に
測定システムを現場に持って行き、特定個所のレール軸
力を測定することも勿論可能である。
【0024】以上述べたような応力感知部を具備してい
る軸力測定可能なレールを用い、磁気ヘッド、励磁系お
よび検出系、から構成される測定システムを用いて応力
感知部からの磁気信号を検出することによって、元々レ
ールに存在している残留応力の影響を取り除いて、実際
にレールに負荷されている軸力の絶対値をその場で高精
度に測定することができる。以下、実施例に基づき本発
明を詳細に説明する。
【0025】
【実施例】
−実施例1− 普通鋼レールと同組成の材料に以下の熱処理を施して応
力感知片を作製した。一枚の大きさは、幅15mm、長
さ45mm、厚さ1mmである。これを900℃のγ相
領域で1時間非酸化性雰囲気中で保持した後、水冷しマ
ルテンサイト組織とした。その後700℃で焼き戻して
球状セメンタイトを析出させた。このように作製した応
力感知片を室外に試験的に敷設した長さ25mの普通鋼
レール(2本)のweb部に溶接して貼り付けた。貼り
付け位置はレール長手方向の中心の約5m部分に対して
であり、各枕木間で1枚づつレールの両側に貼り付け
た。ただし、貼り付けはレール温度が20℃の時に行
い、また、2本のレールの両端はレールが熱膨張しても
動かない様に固定した。このようにして作製した軸力測
定レールの概略図を図1に示す。図1において1が応力
感知片、2がレ−ル、3が締結治具である。
【0026】応力感知片1のバルクハウゼンノイズの測
定には、珪素鋼U型コアに励磁コイルを巻いた励磁ヘッ
ドおよび空心検出コイルの検出ヘッドからなる磁気ヘッ
ドを用いた。励磁周波数は2.5Hzとし、また、検出
電圧信号に周波数フィルター処理を施して検出周波数を
1〜5kHzとした。リフトオフは0.6mmの非接触
の条件で行った。
【0027】試験レールでの測定に先立ち、応力感知片
の検量線を以下の様にして求めた。先ず、上記した応力
感知片(1)を1mに切断した普通鋼レールのweb部
に1枚を溶接して貼り付けた予備試験材を作り、それに
圧縮試験機を用いて圧縮応力を負荷し、負荷した状態で
応力感知片のバルクハウゼンノイズを測定した。圧縮応
力と実効値電圧の変化率の関係、および、圧縮応力と最
大波高値の変化率の関係をそれぞれ図2および図3に示
す。両図からわかるように、圧縮応力と実効値電圧およ
び最大波高値は直線関係を示し、どちらの検量線を用い
ても圧縮応力(軸力)の大きさを十分な精度で測定する
ことができる。
【0028】実際に、真夏の快晴の日、敷設した25m
の試験レールの応力感知片のバルクハウゼンノイズを測
定し、軸力の評価が可能であるかどうかを試験した。測
定の時にレールの温度が46℃まで上昇したが、座屈は
起こらなかった。その時のバルクハウゼンノイズの実効
値電圧の変化率、および最大波高値の変化率は、それぞ
れどの感知片においてもほぼ同じ値を示し、それぞれ−
15%および−28%であった。これらの値を図2およ
び図3の検量線にあてはめて求めた軸力の値は5.8k
g/mm2であり、レールの熱膨張とヤング率から計算
した軸力の値と一致した。したがって、実効値電圧ある
いは最大波高値のどちらを用いても、本発明法によって
レール軸力の測定が可能であることがわかった。
【0029】高強度レールについても同様な実験を行っ
た結果、普通鋼レールと同様に、本発明法によってレー
ル軸力の測定が可能であることがわかった。
【0030】−実施例2− 実施例1で敷設した試験レールおよび予備試験レールを
用いて検出ヘッドに誘起される電圧信号波形(フィルタ
ー処理なし)の最大値から軸力の測定が可能であるかど
うかを試験した。ここで電圧信号波形の最大値は、感知
片の透磁率の大きさに対応する。ただし、励磁ヘッドお
よび励磁条件は実施例1と同じであるが、検出コイルは
パーマロイU形コアに検出コイルを巻いたものを使用し
た。
【0031】予備試験レールに圧縮試験機を用いて圧縮
応力と電圧信号波形の最大値との検量線を作成した結果
を図4に示す。図からわかるように両者には、良好な相
関関係があり、圧縮応力(軸力)の大きさを十分な精度
で測定することができる。
【0032】実際に、真夏の快晴の日、敷設した25m
の試験レールの応力感知片から得られる電圧信号波形の
最大値を測定し、軸力の評価が可能であるかどうかを試
験した。測定の時にレールの温度は45℃まで上昇した
が、座屈は起こらなかった。その時の電圧信号波形の最
大値の変化率は、どの感知片においてもほぼ同じ値を示
し、−21%であった。これらの値を図4の検量線にあ
てはめて求めた軸力の値は5.5kg/mm2であり、
レールの熱膨張とヤング率から計算した軸力の値がほぼ
一致した。したがって、本発明法によってレール軸力の
測定が可能であることがわかった。
【0033】高強度レールについても同様な実験を行っ
た結果、普通鋼レールと同様に、本発明法によってレー
ル軸力の測定が可能であることがわかった。
【0034】−実施例3− 実施例1と同様に応力感知片を作製した。これらを本出
願人の事業所内に敷設してある鋼材運搬貨車用レール5
00m(25mレール×20本分)の部分に約5m間隔
(枕木7ケおきに1枚の割合)で2本のレールのそれぞ
れ外側に溶接して貼り付けた(計200枚)。ただし、
貼り付けは、レール温度が20℃の時に行った。
【0035】実際に気温の上昇と直射日光によってレー
ル温度が43℃まで上昇した時、実施例1と同様に各応
力感知片のバルクハウゼンノイズの実効値電圧を測定し
た。その後、これらの値を図2の検量線を用いて軸力に
換算した。25mレール単位(感知片5枚)で見た場
合、どの部分においてもほぼ同様な変化を示した。代表
例を表1に示す。
【0036】なお、レール温度が20℃の時に応力感知
片から真上方向に約5mm離れたレールのweb部に市
販の歪ゲージを貼り、レールの伸び歪(εR)を実測し
た。この実測値とレール温度上昇分ΔT(℃)と熱膨張
係数を掛けて計算した、応力の発生がない場合の歪値
(εI)の差に、ヤング率(E)を掛けてレールに負荷
されている応力(E(εR−εI))を計算した。バルク
ハウゼンノイズを測定した応力感知片と同じ位置で求め
た結果を表1に合わせて示した。
【0037】
【表1】
【0038】これらの結果から、本発明法によって検出
した軸力と歪ゲージ法によって求めた軸力はほぼ同じ値
を示すことがわかり、本発明法によって、敷設レールの
軸力が測定できることがわかる。なお、継目近傍の軸力
が小さいのは、継目近傍ではレールが比較的容易に伸び
ることができるため、その結果、軸力が解放されるため
である。
【0039】−比較例1− 比較例として、応力感知部が構成されていない1m長さ
の普通鋼レールに圧縮試験機を用いて圧縮応力を負荷
し、負荷した状態でレールweb部のバルクハウゼンノ
イズを実施例1の予備試験レールの場合と同様に測定し
た。測定部位は、長さ方向のほぼ中心である。圧縮応力
と実効値電圧の変化率の関係、および、圧縮応力と最大
波高値の変化率の関係をそれぞれ図5および図6に示
す。両図からわかるように、実効値電圧および最大波高
値共に圧縮応力が変わっても変化せず一定値を保つた
め、本発明の方法を用いることによって初めて軸力が測
定できることがわかる。
【0040】−比較例2− 実施例1で使用した25m試験レールのweb部の残留
応力の長手方向分布を応力感知片を貼り付ける前にX線
を用いて調べた。その結果、平均して2〜3kg/mm
2、最大では5kg/mm2を越える部分もあることがわ
かった。したがって、本発明を用いないでレール軸力を
測定しようとしても残留応力の影響が大きく、正確な軸
力は測定できないことがわかる。
【0041】このように、本発明によるレール軸力測定
方法および軸力測定可能なレールを用いることによっ
て、軸力を簡便にかつ、精度良く測定できた。さらに、
応力感知部には残留応力がほとんど存在せず、レールに
元々存在している残留応力の影響を除去できた。
【0042】
【発明の効果】磁気的手法を用いて敷設してあるレール
の軸力を、その場で非破壊で測定する場合、本発明によ
る軸力測定可能なレールおよびそれを用いた軸力測定方
法を用いることによって、レールに存在している残留応
力の影響を除去し、迅速かつ精度良くレールに負荷され
ている軸力のその場測定を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のレ−ルの外観を示す斜視
図である。
【図2】 本発明の一実施例の、バルクハウゼンノイズ
測定により得た圧縮応力と実効値電圧の変化率との関係
を示すグラフである。
【図3】 本発明の一実施例の、バルクハウゼンノイズ
測定により得た圧縮応力と最大波高値の変化率の関係を
示すグラフである。
【図4】 本発明の一実施例の、バルクハウゼンノイズ
測定により得た電圧信号波形の最大値の圧縮応力依存性
を示すグラフである。
【図5】 比較例1の、バルクハウゼンノイズ測定によ
り得た圧縮応力と実効値電圧の変化率との関係を示すグ
ラフである。
【図6】 比較例1の、バルクハウゼンノイズ測定によ
り得た圧縮応力と最大波高値の変化率の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1:応力感知部 2:レール 3:蹄結治具
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 レール軸力測定方法および軸力測
定可能なレール
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、敷設してあるレールの
軸力を磁気的手法を用いて、その場で非破壊的に検出す
ることを可能にするレール軸力測定方法および軸力測定
可能なレールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、材料の磁気的性質が、結晶粒
径や析出物などの組織、ひずみ等に依存することを利用
して、被測定物の材質や応力等を非破壊的に検査するこ
とが試みられている。例えば、透磁率を測定して鋼材の
引っ張り強さを見積る方法、保磁力によって焼き入れ硬
度を見積る方法等がある。最近、磁化の不連続性に起因
するバルクハウゼンノイズを用いた方法が注目され、そ
れを用いて軟鋼の疲労強度を推定する方法(例えば、
L.P.Karjalainenら、IEEE Trans.Mag.MA
G16,514(1980))や、工具鋼の靱性を推定する方法(例
えば、仲居ら、鉄と鋼、75,833(1989))などが提唱され
ている。
【0003】実際に、被測定物の透磁率,保磁力あるい
はバルクハウゼンノイズを測定するには、電源と励磁ヘ
ッドなどからなる励磁系と検出ヘッドと信号処理システ
ムなどからなる検出系で構成される装置を用いる。へッ
ド方式の場合は、被測定物の表面にあてるだけで簡便に
それを励磁し、被測定物からの信号を検出することがで
きる利点がある。
【0004】これらの磁気的な手法を用いて、敷設され
ているレールに作用している応力(軸力)を診断する試
みが行なわれている。レールは、外気温の変動によって
常に膨張と収縮を繰り返している。しかし、通常、レー
ルは枕木に締結治具によって取り付けられているため
に、レール継目付近を除いてその膨張と収縮が妨げられ
ている。その結果、レールには部分的に圧縮応力あるい
は引張り応力が作用することになる。特に、圧縮応力が
ある臨界値を越えるとレールが座屈等を起こす場合が生
じるために、これらの軸力を診断することが保線の上で
重要となっている。そのために、敷設レールに働いてい
る軸力をその場で非破壊的に検出する方法が従来から提
案されている。例えば、特開昭60−17330号公報
は、磁気異方性センサーで軸応力を測定する前に、敷設
レールの測定部位を脱磁器で脱磁することによって、再
現性を確保したレール軸応力測定器である。また、同公
報では、レールの測定箇所をレール頭側部またはレール
脚部としている。特開昭60−243526号公報は、
磁気異方性センサーを2組隣接配置し、それぞれの磁気
異方性検出コイルを差動接続することによって外乱磁界
の影響を除去したレール軸応力測定装置である。しか
し、通常、レールには種々の大きさの残留応力が敷設前
に存在しており、場所によっては軸力の値よりも大きい
場合もある。したがって、特開昭60−17330号公
報および特開昭60−243526号公報を用いたとし
ても、予め測定部位の残留応力の大きさを求めておかな
ければ、敷設後に負荷されるレール軸力の絶対値を正確
に測定することができない。
【0005】前記2つの従来法は、応力によって生じる
透磁率の変化を測定するものであるが、他の磁気的パラ
メータを用いて応力を測定する方法あるいは装置とし
て、以下のものが開示されている。すなわち、保磁力の
変化率から応力を測定する装置(特開昭50−1597
87号公報)、先端に丸みを付けたフェライトコアを用
いてバルクハウゼンノイズを検出する応力および欠陥検
出装置用センサー(特開昭60−57247号公報)、
バルクハウゼンノイズとアコースティクエミッションを
組み合わせて応力の測定精度を上げる方法および装置
(特開昭59−112257号公報)、磁束計で磁気ヒ
ステリシス曲線を求めて応力や機械的性質を測定する方
法および装置(特開平02−262026号公報)があ
る。しかし、ここで開示されている方法と装置は、レー
ル軸力の測定に関しては言及していない。さらに、これ
らの方法と装置を用いても、レール組織そのものの磁気
パラメータが軸力によってほとんど変化しないために、
レール軸力は測定できない。また、どの方法を用いて
も、検出される応力の値には被測定物に元々存在してい
る残留応力の分が加わっており、正確に応力の絶対値を
求めることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁気
的手法を用いて、敷設してあるレールの軸力を診断する
場合、従来の技術では、既に敷設前においてレールに残
留応力が存在するために、その場の測定結果だけからで
は、敷設後に負荷された軸力の絶対値を求めることがで
きない。敷設後に負荷されたレール軸力の絶対値を求め
るためには、予め同じ部位の残留応力に起因する磁気信
号の値を測定して記録しておき、その値を実際の測定結
果から差し引く作業が必要になる。敷設レールにおいて
は、この残留応力に起因する磁気信号の値を予め記録し
ておく作業は、測定部位数が膨大なため実際上困難であ
るばかりでなく、レール上でのマーカーがないために、
磁気ヘッドによって測定部位を予め測定した場所と同じ
所に正確に合わせることも難しい。
【0007】本発明は、レールに具備している応力感知
部から得られる磁気的信号を測定することによって、レ
ールに存在している残留応力の影響を除去し、迅速かつ
精度良くレールに負荷されている軸力の測定を可能にす
るレール軸力測定方法および軸力測定可能なレールを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記の通りである。すなわち、 1.レールに応力感知部を付与し、該応力感知部を励磁
ヘッドで励磁し、該感知部の磁化の変化を検出ヘッドで
電圧信号として検出し、該電圧信号からレール軸力を測
定することを特徴とするレール軸力測定方法。
【0009】2.前項1において、励磁が励磁ヘッドに
よる交流励磁であり、検出ヘッドで検出する該電圧信号
に周波数フィルタリングを施してバルクハウゼンノイズ
信号を取り出すことを特徴とするレール軸力測定方法。
【0010】3.レールを局部的にγ相領域に加熱し、
その後、該局部をγ相領域より低い温度で熱処理してセ
メンタイトを析出させた組織を応力感知部として用いる
ことを特徴とする前項1又は2に記載のレール軸力測定
方法。
【0011】4.レールと同組成の材料をγ相領域に加
熱し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメ
ンタイトを析出させた組織を応力感知片としてレールに
貼り付けることを特徴とする前項1又は2に記載のレー
ル軸力測定方法。
【0012】5.応力感知部を具備することを特徴とす
る軸力測定可能なレール。
【0013】6.前項5において、応力感知部がγ相領
域に加熱し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理し
てセメンタイトを析出させた組織からなることを特徴と
する軸力測定可能なレール。
【0014】7.γ相領域に加熱し、その後、γ相領域
より低い温度で熱処理してセメンタイトを析出させたレ
ールと同組成の応力感知片が貼り付けられていることを
特徴とする前項5の軸力測定可能なレール。
【0015】上記した応力感知部は、高周波加熱あるい
はレーザー等でレールを局部的にγ相領域に加熱し、そ
の後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメンタイト
を析出させることによって付与することができる。ま
た、γ相領域に加熱し、その後、γ相領域より低い温度
で熱処理してセメンタイトを析出させたレールと同組成
の応力感知片を溶接等でレールに貼り付けて付与するこ
とができる。
【0016】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。応力感知部
は、次の特性を具備していなければならない。それは、
感知部からの磁気信号が応力に敏感に反応し、かつ、十
分な精度で信号から応力の大きさを読み取れることであ
る。さらに、応力感知部から得られる磁気信号がレール
母材の磁気信号と区別できることが必要である。
【0017】我々は、レールを熱処理してα−Fe中に
セメンタイトを析出させた組織が応力感知部としてレー
ル長手方向に所定の間隔で具備されているレールを用い
ることによって、診断を必要とする応力範囲において、
感知部の磁気信号から応力の大きさを知ることができる
ことを見い出した。さらに、応力感知部から得られる磁
気信号がレール母材から得られる磁気信号と容易に区別
できることも見い出した。応力感知部の組織は、例え
ば、レールを局部的にγ相領域で加熱して炭素を固溶さ
せた後、急冷してマルテンサイトなどの炭素の過飽和固
溶体とし、その過飽和固溶体をγ相領域より低い温度で
焼き戻してセメンタイトをα−Fe粒内に析出させる
か、あるいは、急冷を行なわないでγ相領域より低い温
度で熱処理することによって形成できる。
【0018】これらの応力感知部は、レールそのものに
対して高周波加熱あるいはレーザーで局部的に前記熱処
理を施すことによって形成できる。あるいは、板状ある
いは棒状の形状でレールと同組成の材料をγ相領域で加
熱して炭素を固溶させた後、急冷してマルテンサイトな
どの炭素の過飽和固溶体とし、その過飽和固溶体をγ相
領域より低い温度で焼き戻してセメンタイトをα−Fe
粒内に析出させるか、あるいは、急冷を行なわないでγ
相領域より低い温度で熱処理することによって作製した
応力感知片をレールに直接貼り付けることによっても構
成できる。貼り付ける方法は、溶接が簡便であり、接合
部の強度も十分にとることができ、レールに負荷されて
いる軸力をそのまま応力感知部に伝えることができる。
ただし、溶接法では溶接熱によって溶接部の組織が変っ
てしまうので、感知部の大きさは、使用する磁気ヘッド
の大きさよりも溶接の熱影響部の大きさの分だけ大きく
する必要がある。あるいは、接着材を用いて応力感知片
をレールに貼りつけることも可能である。
【0019】応力感知部が構成される場所は、レールの
頭側部、Web部、脚部のどこでも可能であるが、We
b部が最適である。なぜなら、レール頭側部では車輪に
よる振動などの影響が大きく、脚部では締結治具が邪魔
になるからである。これらの感知部は、必要に応じてレ
ール軌道の外側または内側、あるいは両側に構成され
る。構成数は、軌道の片側のみに構成する場合には各枕
木間に少なくとも1ケ構成することが好ましい。しか
し、全ての枕木間に構成するのではなく、例えば、1〜
20ケおきなどに構成しても精度は低下するが目的とす
る軸力の測定は可能である。軌道の両側に構成する場合
には、各枕木間に少なくとも2ケ構成することが好まし
い。しかし、全ての枕木間に構成するのではなく、例え
ば、1〜20ケおきなどに構成しても良い。
【0020】以上述べたような応力感知部を具備してい
るレールを用いることによって、元々レールに存在して
いる残留応力の影響を取り除いて、敷設後にレールに負
荷された軸力の絶対値を高精度で測定することができ
る。
【0021】磁気ヘッドによって応力感知部から検出で
きる磁気信号は、透磁率,保磁力などの種々のものがあ
り、応力感知部の応力と相関関係があればどの信号でも
使用可能である。我々は、磁化の不連続変化に起因して
応力感知部から発生するバルクハウゼンノイズが目的と
する0〜12kg/mm2 の応力範囲において、軸力と
相関関係があり、かつ、レール母材のバルクハウゼンノ
イズとその波形が異なることから両者を容易に区別でき
ることを新たに見い出した。さらに、レール母材のバル
クハウゼンノイズは軸力によって変化しないことも見い
出した。したがって、磁気信号としてバルクハウゼンノ
イズを用いることによって、迅速、かつ、精度良く軸力
を測定することが可能となる。
【0022】応力感知部から発生するバルクハウゼンノ
イズなどの磁気信号を検出するには励磁ヘッドによっ
て、応力感知部を交流で磁化し、その磁化の変化を検出
ヘッドで検出する。検出ヘッドには磁化の変化に対応し
て電圧信号(電圧−時間波形)が誘起される。その電圧
信号を増幅後、バンドパスフィルターを通して所定の周
波数範囲の信号のみを取り出すことによって、バルクハ
ウゼンノイズ信号を得ることができる。電圧信号をバン
ドパスフィルターを通した後、増幅しても同様にバルク
ハウゼンノイズ信号が得られる。バルクハウゼンノイズ
以外の磁気信号に関しても、前記電圧信号を電気回路で
所定の信号処理することによって得ることができる。
【0023】実際に敷設レールの軸力をその場で検出す
るには、次のようにする。励磁ヘッドおよび検出ヘッド
から構成される磁気ヘッドを保線車から下に垂らして応
力感知部から所定の距離だけ離した状態になるように設
置する。励磁電源などの励磁系の装置、信号処理回路な
どの検出系の装置、あるいは励磁系と検出系の装置を一
つにまとめて小型化した装置を保線車に積み込む。そし
て、これらの装置と磁気ヘッドを同軸ケーブルなどで接
続する。このように測定システムを構成することによっ
て、オンラインでレール軸力を測定することができる。
あるいは、オンライン測定のみならず、保線員が実際に
測定システムを現場に持って行き、特定個所のレール軸
力を測定することも勿論可能である。
【0024】以上述べたような応力感知部を具備してい
る軸力測定可能なレールを用い、磁気ヘッド、励磁系お
よび検出系、から構成される測定システムを用いて応力
感知部からの磁気信号を検出することによって、元々レ
ールに存在している残留応力の影響を取り除いて、実際
にレールに負荷されている軸力の絶対値をその場で高精
度に測定することができる。以下、実施例に基づき本発
明を詳細に説明する。
【0025】
【実施例】 −実施例1− 普通鋼レールと同組成の材料に以下の熱処理を施して応
力感知片を作製した。一枚の大きさは、幅15mm、長
さ45mm、厚さ1mmである。これを900℃のγ相
領域で1時間非酸化性雰囲気中で保持した後、水冷しマ
ルテンサイト組織とした。その後700℃で焼き戻して
球状セメンタイトを析出させた。このように作製した応
力感知片を室外に試験的に敷設した長さ25mの普通鋼
レール(2本)のweb部に溶接して貼り付けた。貼り
付け位置はレール長手方向の中心の約5m部分に対して
であり、各枕木間で1枚づつレールの両側に貼り付け
た。ただし、貼り付けはレール温度が20℃の時に行
い、また、2本のレールの両端はレールが熱膨張しても
動かない様に固定した。このようにして作製した軸力測
定レールの概略図を図1に示す。図1において1が応力
感知片、2がレ−ル、3が締結治具である。
【0026】応力感知片1のバルクハウゼンノイズの測
定には、珪素鋼U型コアに励磁コイルを巻いた励磁ヘッ
ドおよび空心検出コイルの検出ヘッドからなる磁気ヘッ
ドを用いた。励磁周波数は2.5Hzとし、また、検出
電圧信号に周波数フィルター処理を施して検出周波数を
1〜5kHzとした。リフトオフは0.6mmの非接触
の条件で行った。
【0027】試験レールでの測定に先立ち、応力感知片
の検量線を以下の様にして求めた。先ず、上記した応力
感知片(1)を1mに切断した普通鋼レールのweb部
に1枚を溶接して貼り付けた予備試験材を作り、それに
圧縮試験機を用いて圧縮応力を負荷し、負荷した状態で
応力感知片のバルクハウゼンノイズを測定した。圧縮応
力と実効値電圧の変化率の関係、および、圧縮応力と最
大波高値の変化率の関係をそれぞれ図2および図3に示
す。両図からわかるように、圧縮応力と実効値電圧およ
び最大波高値は直線関係を示し、どちらの検量線を用い
ても圧縮応力(軸力)の大きさを十分な精度で測定する
ことができる。
【0028】実際に、真夏の快晴の日、敷設した25m
の試験レールの応力感知片のバルクハウゼンノイズを測
定し、軸力の評価が可能であるかどうかを試験した。測
定の時にレールの温度が46℃まで上昇したが、座屈は
起こらなかった。その時のバルクハウゼンノイズの実効
値電圧の変化率、および最大波高値の変化率は、それぞ
れどの感知片においてもほぼ同じ値を示し、それぞれ−
15%および−28%であった。これらの値を図2およ
び図3の検量線にあてはめて求めた軸力の値は5.8k
g/mm2であり、レールの熱膨張とヤング率から計算
した軸力の値と一致した。したがって、実効値電圧ある
いは最大波高値のどちらを用いても、本発明法によって
レール軸力の測定が可能であることがわかった。
【0029】高強度レールについても同様な実験を行っ
た結果、普通鋼レールと同様に、本発明法によってレー
ル軸力の測定が可能であることがわかった。
【0030】−実施例2− 実施例1で敷設した試験レールおよび予備試験レールを
用いて検出ヘッドに誘起される電圧信号波形(フィルタ
ー処理なし)の最大値から軸力の測定が可能であるかど
うかを試験した。ここで電圧信号波形の最大値は、感知
片の透磁率の大きさに対応する。ただし、励磁ヘッドお
よび励磁条件は実施例1と同じであるが、検出ヘッド
パーマロイU形コアに検出コイルを巻いたものを使用し
た。
【0031】予備試験レールに圧縮試験機を用いて圧縮
応力と電圧信号波形の最大値との検量線を作成した結果
を図4に示す。図からわかるように両者には、良好な相
関関係があり、圧縮応力(軸力)の大きさを十分な精度
で測定することができる。
【0032】実際に、真夏の快晴の日、敷設した25m
の試験レールの応力感知片から得られる電圧信号波形の
最大値を測定し、軸力の評価が可能であるかどうかを試
験した。測定の時にレールの温度は45℃まで上昇した
が、座屈は起こらなかった。その時の電圧信号波形の最
大値の変化率は、どの感知片においてもほぼ同じ値を示
し、−21%であった。これらの値を図4の検量線にあ
てはめて求めた軸力の値は5.5kg/mm2であり、
レールの熱膨張とヤング率から計算した軸力の値がほぼ
一致した。したがって、本発明法によってレール軸力の
測定が可能であることがわかった。
【0033】高強度レールについても同様な実験を行っ
た結果、普通鋼レールと同様に、本発明法によってレー
ル軸力の測定が可能であることがわかった。
【0034】−実施例3− 実施例1と同様に応力感知片を作製した。これらを本出
願人の事業所内に敷設してある鋼材運搬貨車用レール5
00m(25mレール×20本分)の部分に約5m間隔
(枕木7ケおきに1枚の割合)で2本のレールのそれぞ
れ外側に溶接して貼り付けた(計200枚)。ただし、
貼り付けは、レール温度が20℃の時に行った。
【0035】実際に気温の上昇と直射日光によってレー
ル温度が43℃まで上昇した時、実施例1と同様に各応
力感知片のバルクハウゼンノイズの実効値電圧を測定し
た。その後、これらの値を図2の検量線を用いて軸力に
換算した。25mレール単位(感知片5枚)で見た場
合、どの部分においてもほぼ同様な変化を示した。代表
例を表1に示す。
【0036】なお、レール温度が20℃の時に応力感知
片から真上方向に約5mm離れたレールのweb部に市
販の歪ゲージを貼り、レールの伸び歪(εR)を実測し
た。この実測値とレール温度上昇分ΔT(℃)と熱膨張
係数を掛けて計算した、応力の発生がない場合の歪値
(εI)の差に、ヤング率(E)を掛けてレールに負荷
されている応力(E(εR−εI))を計算した。バルク
ハウゼンノイズを測定した応力感知片と同じ位置で求め
た結果を表1に合わせて示した。
【0037】
【表1】
【0038】これらの結果から、本発明法によって検出
した軸力と歪ゲージ法によって求めた軸力はほぼ同じ値
を示すことがわかり、本発明法によって、敷設レールの
軸力が測定できることがわかる。なお、継目近傍の軸力
が小さいのは、継目近傍ではレールが比較的容易に伸び
ることができるため、その結果、軸力が解放されるため
である。
【0039】−比較例1− 比較例として、応力感知部が構成されていない1m長さ
の普通鋼レールに圧縮試験機を用いて圧縮応力を負荷
し、負荷した状態でレールweb部のバルクハウゼンノ
イズを実施例1の予備試験レールの場合と同様に測定し
た。測定部位は、長さ方向のほぼ中心である。圧縮応力
と実効値電圧の変化率の関係、および、圧縮応力と最大
波高値の変化率の関係をそれぞれ図5および図6に示
す。両図からわかるように、実効値電圧および最大波高
値共に圧縮応力が変わっても変化せず一定値を保つた
め、本発明の方法を用いることによって初めて軸力が測
定できることがわかる。
【0040】−比較例2− 実施例1で使用した25m試験レールのweb部の残留
応力の長手方向分布を応力感知片を貼り付ける前にX線
を用いて調べた。その結果、平均して2〜3kg/mm
2、最大では5kg/mm2を越える部分もあることがわ
かった。したがって、本発明を用いないでレール軸力を
測定しようとしても残留応力の影響が大きく、正確な軸
力は測定できないことがわかる。
【0041】このように、本発明によるレール軸力測定
方法および軸力測定可能なレールを用いることによっ
て、軸力を簡便にかつ、精度良く測定できた。さらに、
応力感知部には残留応力がほとんど存在せず、レールに
元々存在している残留応力の影響を除去できた。
【0042】
【発明の効果】磁気的手法を用いて敷設してあるレール
の軸力を、その場で非破壊で測定する場合、本発明によ
る軸力測定可能なレールおよびそれを用いた軸力測定方
法を用いることによって、レールに存在している残留応
力の影響を除去し、迅速かつ精度良くレールに負荷され
ている軸力のその場測定を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のレ−ルの外観を示す斜視
図である。
【図2】 本発明の一実施例の、バルクハウゼンノイズ
測定により得た圧縮応力と実効値電圧の変化率との関係
を示すグラフである。
【図3】 本発明の一実施例の、バルクハウゼンノイズ
測定により得た圧縮応力と最大波高値の変化率の関係を
示すグラフである。
【図4】 本発明の一実施例の、電圧信号波形の最大値
の圧縮応力依存性を示すグラフである。
【図5】 比較例1の、バルクハウゼンノイズ測定によ
り得た圧縮応力と実効値電圧の変化率との関係を示すグ
ラフである。
【図6】 比較例1の、バルクハウゼンノイズ測定によ
り得た圧縮応力と最大波高値の変化率の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】 1:応力感知片 2:レール 3:蹄結治具
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールに応力感知部を付与し、該応力感
    知部を励磁ヘッドで励磁し、該感知部の磁化の変化を検
    出ヘッドで電圧信号として検出し、該電圧信号からレー
    ル軸力を測定することを特徴とするレール軸力測定方
    法。
  2. 【請求項2】 励磁は励磁ヘッドによる交流励磁であ
    り、検出ヘッドで検出する該電圧信号に周波数フィルタ
    リングを施してバルクハウゼンノイズ信号を取り出すこ
    とを特徴とする請求項1に記載のレール軸力測定方法。
  3. 【請求項3】 レールを局部的にγ相領域に加熱し、そ
    の後、該局部をγ相領域より低い温度で熱処理してセメ
    ンタイトを析出させた組織を応力感知部として用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレール軸
    力測定方法。
  4. 【請求項4】 レールと同組成の材料をγ相領域に加熱
    し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメン
    タイトを析出させた組織を応力感知部としてレールに貼
    り付けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のレール軸力測定方法。
  5. 【請求項5】 バルクハウゼンノイズを発生する応力感
    知部を具備することを特徴とするレール。
  6. 【請求項6】 応力感知部は、レ−ルをγ相領域に加熱
    し、その後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメン
    タイトを析出させた組織からなる、請求項5に記載のレ
    ール。
  7. 【請求項7】 応力感知部は、γ相領域に加熱し、その
    後、γ相領域より低い温度で熱処理してセメンタイトを
    析出させたレールと同組成の応力感知片である請求項5
    に記載のレ−ル。
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