JPH05271775A - 耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法 - Google Patents

耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法

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JPH05271775A
JPH05271775A JP7171992A JP7171992A JPH05271775A JP H05271775 A JPH05271775 A JP H05271775A JP 7171992 A JP7171992 A JP 7171992A JP 7171992 A JP7171992 A JP 7171992A JP H05271775 A JPH05271775 A JP H05271775A
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JP
Japan
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rail
carbon steel
plain carbon
steel rail
damage
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Withdrawn
Application number
JP7171992A
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English (en)
Inventor
Hideaki Kageyama
英明 影山
Kazuo Sugino
和男 杉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はレール頭部中央部のパーライト球状
化熱処理を行って、旅客鉄道の高速運転条件下において
要求されるレール頭表面のころがり疲労損傷抵抗性を向
上させる有効な耐表面損傷性の優れた普通炭素鋼レール
の製造法を提供する。 【構成】 熱間圧延された普通炭素鋼レールの車輪接触
走行面を、温度600〜750℃に加熱し、球状パーラ
イト組織を生成させる熱処理を施すことを特徴とする耐
表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法に関する
ものである。 【効果】 高速運転区間の直線レール頭表面のダークス
ポット損傷発生を防止するため、車輪走行部のパーライ
ト組織を球状化せしめ摩耗を促進させることにより、疲
労ダメージを除去・軽減させることができる。この熱処
理により従来の普通炭素工レールの表面損傷寿命を改善
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旅客鉄道の高速運転条
件下において要求される耐表面損傷性に優れた普通炭素
鋼レールの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、旅客鉄道の輸送の高効率化は、よ
り一層の高速輸送化によって果たされており、これに伴
って新幹線のみならず在来線の高速運転区間である直線
軌道では、レール頭頂面にシェリングあるいはダークス
ポット損傷と呼ばれる特有の損傷の発生が多発する傾向
を示してきた。これらの直線区間に認められる損傷は、
車輪接触走行部すなわちレール頭頂面中央部から発生
し、やがてレール折損をもたらすことがあり、この対策
が急がれている。
【0003】従来から、耐摩耗性のさほど必要とされて
いない直線区間には普通炭素鋼レールが敷設使用されて
いるが、レール表面の摩耗進行が遅いため、かえって車
輪の通過によってもたらされるころがり疲労ダメージが
取り去られることなく蓄積し、一定の列車通過トン数後
にレール頭表面から疲労き裂、すなわちダークスポット
損傷が発生する傾向が認められた。このような圧延まま
の普通炭素鋼レールは、パーライト組織からなり、耐摩
耗性はパーライト組織を構成する層状のセメンタイトに
よって確保されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】主として、旅客鉄道の
高速運転区間に相当する直線区間に敷設されたレールの
頭頂面に生成するダークスポット損傷は、車輪の最も大
きな負荷を受けるレール頭表面中央部からき裂が発生
し、列車進行方向ばかりでなく反対方向へもレール頭部
内部深さ方向に成長し、やがて横裂方向に、き裂の分岐
が生じてレール折損をもたらすこととなる。このような
ころがり疲労損傷を防止する方法としては、レール表面
に蓄積する疲労ダメージを摩耗によって取り去ってしま
う方法が考えられる。すなわち、現在使用されている圧
延まま普通炭素鋼レールよりも摩耗速度を低下させるこ
とによって、疲労き裂の芽を摘み取ってしまう方法であ
るが、単に現行の普通炭素鋼レールの硬さを低下させる
方法では、レール全体の強度が低下してしまうばかり
か、車輪による大きな負荷によってレール頭側面に塑性
変形による張り出しが生じ、これを起点とする損傷が発
生してしまうという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
を解消するために、レール全体の強度を低下させること
なく車輪接触走行幅に相当するレール頭頂面のみを軟化
させることを目的とした、パーライト組織の球状化熱処
理を施すことを特徴としている。具体的には、レール頭
表面の摩耗速度を向上させ、車輪のころがり接触による
疲労ダメージを摘み取ることにより、耐表面疲労損傷性
に優れたレールを提供することを目的とし、温度600
〜750℃に加熱して層状のパーライト組織を球状化さ
せる熱処理を施すレール頭部中央部の局部熱処理であ
る。
【0006】車輪接触走行幅に相当するレール頭頂面を
局部的に球状パーライト組織にすることにより、硬さを
局部的に低下させ、かつ球状化したセメンタイトは層状
のセメンタイトよりも摩耗速度を向上させることができ
ることから、車輪通過による疲労ダメージ層を除去・軽
減させることができる。また、熱処理を車輪接触走行部
に局部限定した理由は、レール頭部全体をパーライト球
状化処理すると、軟化による塑性変形が生成してレール
頭側面方向に張り出してしまい、これを原因とする剥離
損傷が発生することとなる。
【0007】従来、レール熱処理方法として特公昭55
−23885号公報に代表されるように、レール頭部あ
るいは全体を800℃以上のオーステナイト領域まで加
熱した後に冷却する方法があるが、この方法は高強度化
することを目的としたものであり、本発明の意図すると
ころとは明らかに異なっている。
【0008】以下に本発明の詳細について説明する。本
発明は、通常の方法で圧延された普通炭素鋼レールの頭
部中央部の、車輪軌道に相当する少なくとも10mm、望
ましくは40mm幅以下について、高周波加熱のような局
部加熱の可能な加熱手段によって600〜750℃間に
加熱し、パーライト組織を球状化することにより少なく
ともHv250以下に軟化させる熱処理レールの製造方
法である。すなわち、レール頭部中央を局部加熱する目
的は、直線区間において車輪が主接触する軌道がレール
頭部のほぼ中央部のたかだか10mm幅であって、この軌
道幅に相当する位置からダークスポット損傷が発生する
ためであり、レール頭部全体を加熱し軟化させると、列
車の蛇行動や緩曲線区間では、レール肩部上面に金属組
織の塑性フローが発生し、フレーキング損傷が生成する
こととなるためレール頭部中央部のみを限定して軟化さ
せる局部加熱を行った。
【0009】このときの加熱温度を600〜750℃間
に限定した理由は、600℃以下ではパーライト組織の
球状化軟化効果が期待できないからであり、750℃以
上の加熱では加熱部がオーステナイト領域に達してしま
い、その後の冷却によりかえって硬度の増加が生じるば
かりか、局部加熱境界部の焼境に軟化層が生じることに
より、ここを起点とする内部疲労損傷の発生が懸念され
るため、加熱温度を600〜750℃に限定した。
【0010】
【実施例】図1に実物レール1と実物車輪2を用いた高
速運転試験機3を示す(該試験機は特公昭58−164
64号公報に開示されたものである。)。表1に、この
試験機を用いたレール頭部のころがり疲労損傷試験結果
を、本発明鋼と比較鋼について示す。時速150km/hの
高速運転によって発生するレール頭表面の損傷は、比較
鋼が何れも1.5億トン未満であるのに対して、本発明
鋼では3.5億トン以上を示し、明らかにレール寿命の
延命化が図られていることがわかる。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明は、レール車輪接触
走行面を加熱して球状化パーライト組織を生成させる熱
処理を施すことにより、耐表面損傷性を極めて向上し、
耐用寿命を大きく延長できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直径6mに曲げ加工した実物レールと実物車輪
を用いた高速運転再現試験機を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延された普通炭素鋼レールの車輪
    接触走行面を、温度600〜750℃に加熱して球状化
    パーライト組織を生成させる熱処理を施すことを特徴と
    する耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法。
JP7171992A 1992-03-27 1992-03-27 耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法 Withdrawn JPH05271775A (ja)

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JP7171992A JPH05271775A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法

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JP7171992A JPH05271775A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法

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JPH05271775A true JPH05271775A (ja) 1993-10-19

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ID=13468615

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JP7171992A Withdrawn JPH05271775A (ja) 1992-03-27 1992-03-27 耐表面損傷性に優れた普通炭素鋼レールの製造法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995027888A1 (en) * 1994-04-08 1995-10-19 Nippon Steel Corporation Rail axial force measuring method and rail whose axial force can be measured

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Effective date: 19990608