JP2010536646A - 鉄道ホイールセットの局部硬化のための方法 - Google Patents
鉄道ホイールセットの局部硬化のための方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010536646A JP2010536646A JP2010521494A JP2010521494A JP2010536646A JP 2010536646 A JP2010536646 A JP 2010536646A JP 2010521494 A JP2010521494 A JP 2010521494A JP 2010521494 A JP2010521494 A JP 2010521494A JP 2010536646 A JP2010536646 A JP 2010536646A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating
- wheel
- annular
- rim
- curing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/34—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for tyres; for rims
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D2211/00—Microstructure comprising significant phases
- C21D2211/008—Martensite
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D2221/00—Treating localised areas of an article
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D2221/00—Treating localised areas of an article
- C21D2221/10—Differential treatment of inner with respect to outer regions, e.g. core and periphery, respectively
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
本発明の目的は、鉄道ホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを増加させることである。この技術的効果は、鉄道ホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを増加させるための方法において、各ホイールは、走行面つまり転走面を有する円筒状の作動部及びその作動部に径方向遷移部によって接続されたリムの形で実現されており、上記ホイールセットまたはホイールの金属硬化は、被処理表面に押し付けられる回転接触ローラを介して電流の伝導によって行われ、上記表面の加熱及び硬化は1またはそれ以上のストリップの形で行われる。本発明は、硬化のための加熱を2つの環状部分つまり環状ゾーンにおいて実行し、第1環状部分の境界は、転走面の開始部における半径方向遷移部の接続線から始まり、転走面の幅全体に及び得る。好ましくは、第1環状部分は、転走面の幅にわたって約30mmの距離に及ぶ。第2環状部分の境界は、隣接リム面における半径方向遷移部の接続線から始まり、リム面の幅にわたって35mmまで延びる。上記各部分における局部硬化は1またはそれ以上の環状ストリップの形で行われ、加熱温度は相転移温度Ac3を約60−280℃超過することを特徴とする。加熱を複数のストリップに沿って行う場合には、各ストリップの熱作用部分は加熱ゾーンの各側から約2〜4mmである。加熱中のホイールセットの回転速度は好ましくは約3.5〜15回転/時である。
Description
本発明は鉄道車両オペレーション(運行、運転、操作)の分野に関し、特に、鉄道ホイールセットまたは他のスチールホイールの局部焼入れのための方法に関する。
レール走行車両の運転において、複雑かつ集中的な相互作用がホイールセットとレールの作動面との間に起こる。
作動係数の複雑な相互作用の結果、増加した金属摩耗が、ホイールセットとレールとの間の最大接触応力ゾーンにおいて発生する。そして、結果としてホイール対が早期に廃棄されることになる。これらのゾーンは、早期摩耗ゾーンとも呼ばれている。運転条件に応じて、金属摩耗は、主にホイールフランジ面及び転走面に起こる。
ホイールセットのための操作安全要件に従い、貨車および客車については、ホイールリム上の摩耗が24mmおよび28mmを上回るときに、ホイールセットは修復されなければならない。全部で最高4つまでの修理は許されるが、その後はホイールセットは使用不可能となり、廃棄しなければならない。ほとんどの場合、修理作業の履行は、レール走行車両の動作不能時間となり、金および時間の大きな支出を必要とする。
上記のことから、鉄道ホイールセットのサービスパフォーマンスまたは耐用年数を増加させることは、極めて時宜を得た関心を表すことになる。
RU2153008から、鉄道ホイールセットの局部焼入れつまり強化の方法が知られている。この方法は、被処理表面に押し付けられる可動電極を介した電流の伝導によって、ホイールの作動面を加熱するもので、それら電極の助けでホイールの作動面にストリップ形の熱処理領域が生成される。
この方法の不利な点は、以下の通りである。
1. 硬化ゾーンにおいて同じ特性を有するホイール対を得ることが不可能であること。それらの熱処理技術が特定されていないからである。Ac3点を超える金属の重大な過熱の場合(鋼加熱プロセスにおいて、Ac3点は、パーライト構造からオーステナイト構造への変態温度を決定する。この温度は、鋼の化学組成に依存し、727℃と911℃との間を変動し得る。硬化のためには、鋼の細部(details)は、Ac3点よりも20−40℃上の温度まで加熱される。)、構造変態の局部ゾーンは大きくなり、その結果、細部において残留応力が高くなる。さらに、ホイールセットは高度な硬度を有することができると同時に、低い可塑性を有し、そのことは、結果として、動作中における硬化領域の脆性破壊となりえる。Ac3点未満の低温加熱の場合、金属の所望の硬度、それ故、約束された効果は、達成されない。
2. ホイールセットの作動面とレールの作動面との硬度比は考慮されない。ホイールセットの極めて過剰な硬度は、レールの作動面の集中的な早期摩耗につながり得る。このような状況は、大きな材料損失と結びつき得る。
3. 局部熱作用領域およびそれらのパラメータについて言及されていない。それらは処理したゾーンの特性を決定するものであり、従ってホイールの動作寿命を決定するものである。
1. 硬化ゾーンにおいて同じ特性を有するホイール対を得ることが不可能であること。それらの熱処理技術が特定されていないからである。Ac3点を超える金属の重大な過熱の場合(鋼加熱プロセスにおいて、Ac3点は、パーライト構造からオーステナイト構造への変態温度を決定する。この温度は、鋼の化学組成に依存し、727℃と911℃との間を変動し得る。硬化のためには、鋼の細部(details)は、Ac3点よりも20−40℃上の温度まで加熱される。)、構造変態の局部ゾーンは大きくなり、その結果、細部において残留応力が高くなる。さらに、ホイールセットは高度な硬度を有することができると同時に、低い可塑性を有し、そのことは、結果として、動作中における硬化領域の脆性破壊となりえる。Ac3点未満の低温加熱の場合、金属の所望の硬度、それ故、約束された効果は、達成されない。
2. ホイールセットの作動面とレールの作動面との硬度比は考慮されない。ホイールセットの極めて過剰な硬度は、レールの作動面の集中的な早期摩耗につながり得る。このような状況は、大きな材料損失と結びつき得る。
3. 局部熱作用領域およびそれらのパラメータについて言及されていない。それらは処理したゾーンの特性を決定するものであり、従ってホイールの動作寿命を決定するものである。
さらに、RU2153007から、鉄道ホイールセットの局部硬化のための方法が知られている。この方法では、各ホイールは円筒状の作動面及びその作動面に半径方向遷移部(radius transition)によって接続されたリムの形で実現されており、回転接触ローラを介しての電流の伝導によって金属を硬化する。回転接触ローラは被処理表面に押し付けられ、その表面はストリップの形で硬化される。
この方法の不利な点は、以下の通りである。
1. 硬化のための標準的な温度(他の温度は明記されていない。)まで局部加熱すると、ホイールセットのマス(mass)中への大きな熱放散が起こる。このため、パーライト構造からオーステナイト構造への相転移、及びそれに続く焼戻しマルテンサイト構造への転移は、電極下に位置する加熱中の金属マス(mass)において完全には起こらない。結果として局部硬度がわずかに増大するだけである。冷却技術も同様に明記されていない。しかし、得られる構造タイプ−これは硬度レベルを決定する−は、冷却技術に依存する。
2. この方法において、ホイールセットのサービスパフォーマンスを改良するための局部熱処理が実行される具体的場所は、明記されていない。この場合も、硬化した金属のストリップが、半径方向遷移部、特に、動作時の応力が最大となるリムと転走ゾーンとの間に、位置することになるかもしれない。または、このゾーンは650−750℃の範囲の温度の影響を受けて軟化される。いずれの場合においても、ホイールセットの信頼性および耐用年数またはサービスパフォーマンスは、かなり低下する。
1. 硬化のための標準的な温度(他の温度は明記されていない。)まで局部加熱すると、ホイールセットのマス(mass)中への大きな熱放散が起こる。このため、パーライト構造からオーステナイト構造への相転移、及びそれに続く焼戻しマルテンサイト構造への転移は、電極下に位置する加熱中の金属マス(mass)において完全には起こらない。結果として局部硬度がわずかに増大するだけである。冷却技術も同様に明記されていない。しかし、得られる構造タイプ−これは硬度レベルを決定する−は、冷却技術に依存する。
2. この方法において、ホイールセットのサービスパフォーマンスを改良するための局部熱処理が実行される具体的場所は、明記されていない。この場合も、硬化した金属のストリップが、半径方向遷移部、特に、動作時の応力が最大となるリムと転走ゾーンとの間に、位置することになるかもしれない。または、このゾーンは650−750℃の範囲の温度の影響を受けて軟化される。いずれの場合においても、ホイールセットの信頼性および耐用年数またはサービスパフォーマンスは、かなり低下する。
したがって、前記の方法の使用は、耐用年数またはサービスパフォーマンスの向上を保証する高くかつ一貫した品質の鉄道ホイールセットの製造を容易にしない。
本発明の目的は、従って、鉄道ホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを向上させることである。
この目的は請求項1に係る方法によって達成される。
本発明の目的の達成のために、鉄道ホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを向上させるための方法において、各ホイールは、走行面つまり転走面を有する円筒状の作動部及びその作動部に半径方向遷移部によって接続されたリムの形で実現されており、上記ホイールセットまたはホイールの金属硬化は、被処理表面に押し付けられる回転接触ローラを介した電流の伝導によって行われ、上記表面の加熱及び硬化は1またはそれ以上のストリップの形で行われる。本発明は、硬化のための加熱を2つの環状部分つまり環状ゾーンにおいて実行し、第1環状部分の境界は、転走面の開始部における半径方向遷移部の接続線から始まり、転走面の幅全体にわたって延び得る。好ましくは、第1環状部分は、転走面の幅にわたって約30mmの距離に及ぶ。第2環状部分の境界は、隣接するリム面での半径方向遷移部の接続線から始まり、リム面の幅にわたって35mmまで延びる。上記各部分における局部硬化は1またはそれ以上の環状ストリップの形で行われ、加熱温度は相転移温度Ac3を約60−280℃超過することを特徴とする。加熱を複数のストリップに沿って行う場合には、各ストリップの熱作用部分は加熱ゾーンの各側から約2〜4mmである。加熱時のホイールセットの回転速度は好ましくは約3.5〜15回転/時である。
加熱ストリップは、異なる形状の連続(途切れない)または非連続の環状部分として実現し得る。
早期摩耗ゾーン(ホイールセットとレール間の最大接触応力ゾーン)の分析は、ホイールセットにおいてはこれらのゾーンが2つの環状部分に位置することを示した。この点に関して、第1部分の境界は、半径方向遷移部の接続線において転走面の開始部で始まり、転走面の幅全体にわたって延びるかもしれない。第2部分の境界は、半径方向遷移部の接続線において隣接するリム面で始まり、リム面の幅全体にわたって35mmまでの距離に及ぶ。これら最大応力ゾーンには図1において参照符号4が付されている。レール(図1において参照符号1を付す)の作動面に関して、レールヘッドの半径方向遷移部の外側の領域は、図1において領域2によって表されているように、最大局部硬化を有する。これは、レールヘッドの転走面がテーパとなっている結果として、800HB(HBはブリネル硬度を示す。)までのレール金属の局部表面硬化が約0.15−0.20mmの深さにわたって生じるという事実により説明できる。
ホイール対またはレールの角応力の影響を受けて、レールの転走面の硬化した上層の、レールヘッドの方への、つまりホイールセットのリムとの相互作用ゾーン即ち早期摩耗ゾーン(最大接触応力ゾーン)への塑性変位が起こる。ホイールセット材(図1中、参照符号3で示す)の硬度は、280HBである。生じた応力状態及びレールヘッドの金属内における局部強度の上昇の結果、ホイールの金属の局部摩耗が増加する。摩耗増加領域は、半径方向遷移部に隣接するリムゾーンと、半径方向遷移部に隣接する転走面ゾーンである。上記ホイールゾーンにおける金属の局部強度が550〜800HBまで上昇することにより、レールの統計的平均摩耗は変化しないままでホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを向上することができる。
本発明の方法は以下の通り実施することができる。回転機構と集中局部加熱用装置とを備えた特別な装置の上にホイールセットを載置する。この装置は、局部温度界(local temperature fields)の分布のパラメータと冷却レートとを記録するセンサーを備えている。この装置は、必要に応じて処理ゾーンの焼き戻しを行うことができる追加の熱源を、任意に備えることもできる。
集中局部加熱は特別な電極等の手段によって達成できる。この電極は、例えば、平坦な回転ローラとして設計でき、それはホイールセットの表面の所定の点に、予め定められた応力で押し付けられる。
この装置を起動させると、ホイール対は約3.5〜15回転/時の好適な速さで回転し始める。特定の(specific)回転速度が、ホイールセットの直径、電極作動面の幅、加熱パラメータ、等々の関数として選択される。
硬化のための加熱は、好ましくは、同時に熱処理されるべき全てのホイールセット部分に対して実行される。これがリム上の部分であるとき、この部分つまりゾーンのエッジは、半径方向遷移部の接続線におけるリムの開始部から始まる。このゾーンは約35mm幅である。当該部分が転走面の円筒部分上に位置しているときは、このゾーンのエッジは、半径方向遷移部の接続線において隣接転走面に向けて始まる。このゾーンは転走面の幅全体に及ぶことができる。好ましくは、このゾーンの幅は約30mmとし得る。
上記ゾーンにおいて、硬化は1または2つの環状部分の形で実行され、具体的には、リム面及び複数の環状部分上において実行されるのが好ましい。上記複数の環状部分はホイールセットの転走面全体にわたって分布していてもよい。
上記転走面のエッジの上記半径方向遷移部への接続線及び上記リムの上記半径方向遷移部への接続線は、ホイールセットの転走面のパラメータを監視するためのユニバーサルテンプレートによって決定される。このテンプレートはホイールセットのリムのホイールフランジの摩耗及び垂直方向の薄肉化を検出するのに広く使用されている。
電極と特定のホイール表面との接触点ゾーンで行われる加熱は1以上の同心ストリップ状または環状ストリップ状に起こる。温度は相転移開始点Ac3を約60−280℃超え、ホイールセットの回転速度は約3.5〜15回転/時である。この温度及びこの特定の回転速度では、相転移は上記特定の領域全体で生じる。それは、上記特定の領域全体において、約550〜800HBの値の高硬度によって識別できるマルテンサイト構造の存在を確実にする。かかる構造を有する部分の深さは約3〜5mmであり、これにより、鉄道ホイールセットの資源利用可能性を略2.5倍に増大することができる。
相転移の温度まで加熱されなかった材料の領域では、その材料の硬度はスタート時のレベルに留まっている(280HB)。この状況は、局部強化を受けた鉄道ホイールセットの高い信頼性と安全動作を確保するにおいて重要な役割を果たす。金属の可鍛性母材はクラックの発生及び広がりを防止する。必要に応じて、残留熱応力は、続く局部加熱において焼き戻しプロセスによって除去することができる。
上記温度を超える局部加熱とそれに続く急冷の間に、針状のマルテンサイト構造がワーキングゾーンに形成される。それは、高硬度および脆性によって識別される。運転中、このようなゾーンでは、強化ゾーンにおいてクラックの形成が起こり得る。さらに、このような運転は、大量の金属の過熱となり、そこでは相転移が起こり、ひいてはそれは残留応力値を増加させることとなり、クラックの発生を早めることともなる。
上記温度限界を下回る加熱は、本質的に、熱作用ゾーンでの金属構造の変態とはならず、ホイール対の金属の硬度に影響も及ぼさない。この場合、耐用年数またはサービスパフォーマンスは余り増加しない。
局所的に硬化された鉄道ホイールセットの耐用年数またはサービスパフォーマンスを決定する更に別の重要な特性は、マルテンサイト構造が存在することになる硬化領域の深さである。およそ0.5mmまでの浅い深さでは発明の効果を達成できない。というのは、それはかなり早くに摩滅してしまうからである。
提案されている早期摩耗ゾーンでのホイールセットの局部硬化は、修理工程中におけるホイールセットのプロファイルの形状回復の後に行うことができる。
提案している方法は12の新しいホイールセットからなる群を用いて実施された。ホイールの金属の化学組成及び機械的特性は次のパラメータによって特徴づけられる。
化学組成
C = 0.60; Si = 0.60; Mn = 0.90; P = 0.035; S = 0.030
機械的特性
破壊強度Gb = 980.66 MPa、単位伸びδ = 10% 及び ψ = 15%、ブリネル硬度HB = 280、U切り欠き付きサンプルの曲げ衝撃強度KCU = 34.32 Nm/cm2。
C = 0.60; Si = 0.60; Mn = 0.90; P = 0.035; S = 0.030
機械的特性
破壊強度Gb = 980.66 MPa、単位伸びδ = 10% 及び ψ = 15%、ブリネル硬度HB = 280、U切り欠き付きサンプルの曲げ衝撃強度KCU = 34.32 Nm/cm2。
発明方法を用いてこれらのホイールセット群を局部的に強化した。上述した装置上で、上述の方法でホイールセットの早期摩耗ゾーンを加熱した。上記ゾーンの金属を1080℃の温度まで加熱した。残留応力を除去すると共に構造を向上させるために、600℃の温度での熱焼き戻しを上記装置上で上記と同様の方法で行った。この処理の結果、熱処理した環状ゾーン(早期摩耗ゾーン)における金属の硬度は580HBであった。熱処理した部分の局部硬化深さは3.8mmであった(微少断面サンプルを使用して決定したもの)。レールの元の硬度は320HBであった。
このようにして処理した12のホイールセットを、テスト用列車の車両に取り付けた。車両には、車軸上の負荷が標準的な負荷(15トン)の2倍近い27トンとなるように負荷をかけた。この列車は149000kmにわたって鉄道テストサーキットを走行した。ホイールセットをテストランの最中に分析した。同じ走行距離において、通常のホイールセットの摩耗は3.5〜4mmであり、一方、強化ホイールセットの摩耗は1.25〜1.45mmで、約2.5分の1程度の低さであった。
本発明によれば、鉄道ホイールセットの局部強化方法は、鉄道レールの摩耗は変化しないままで、特にホイールセットのホイールリムとその近傍の走行ゾーン(早期摩耗ゾーン)との間の接触点での金属摩耗を低減することにより、ホイールセットオペレーションのためのオーバーホール間の時間を約2.5倍延ばすことができる。提案の方法は、鉄道車両、路面電車、地下鉄で使用される新しいホイールセット及び修理済みホイールセットの処理のために同じように良好に使用でき、したがって、それらのオペレーションにおいてオーバーホール間の時間を延ばすことができる。
1 レール
2 レールの接触硬化ゾーン
3 ホイール
4 摩耗ゾーン
2 レールの接触硬化ゾーン
3 ホイール
4 摩耗ゾーン
Claims (6)
- 特に鉄道ホイールの局部硬化方法であって、
各ホイールは、転走面を有する円筒状の作動部及びその作動部に径方向遷移部によって接続されたリムの形で実現されており、
被処理表面に押し付けられる回転接触ローラを介して電流の伝導によって金属を硬化し、
上記表面の加熱及び硬化は1またはそれ以上のストリップの形で行われる方法において、
硬化のための加熱を第1及び/または第2環状部分において実行し、
第1環状部分の境界は転走面の開始部における半径方向遷移部の接続線から始まり、上記第2環状部分の境界は隣接リム面における半径方向遷移部の接続線から始まり、上記各部分における局部硬化は1またはそれ以上の環状ストリップの形で行われ、加熱温度は相転移温度Ac3よりも約60−280℃高いことを特徴とする方法。 - 上記第1環状部分は上記転走面の幅にわたって約30mmの範囲に及ぶことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上記第2環状部分は上記リム面の幅にわたって約35mmまでの範囲に及ぶことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 各環状ストリップの熱作用ゾーン間の距離は加熱ゾーンの各側から少なくとも約2〜4mmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 加熱中のホイールの回転速度は約3.5〜15回転/時であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 加熱ストリップは、連続または非連続の環状部分であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE102007039385A DE102007039385B3 (de) | 2007-08-21 | 2007-08-21 | Verfahren zur lokalen Festigung von Eisenbahnradsätzen |
PCT/IB2008/002096 WO2009024847A1 (de) | 2007-08-21 | 2008-08-08 | Verfahren zur lokalen festigung von eisenbahnradsätzen |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010536646A true JP2010536646A (ja) | 2010-12-02 |
Family
ID=40032711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010521494A Pending JP2010536646A (ja) | 2007-08-21 | 2008-08-08 | 鉄道ホイールセットの局部硬化のための方法 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20100200127A1 (ja) |
EP (1) | EP2179067A1 (ja) |
JP (1) | JP2010536646A (ja) |
CN (1) | CN101835912A (ja) |
BG (1) | BG110502A (ja) |
CA (1) | CA2697059A1 (ja) |
DE (1) | DE102007039385B3 (ja) |
EA (1) | EA016135B1 (ja) |
WO (1) | WO2009024847A1 (ja) |
ZA (1) | ZA201001231B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016200073A1 (ko) * | 2015-06-10 | 2016-12-15 | 한국철도기술연구원 | 마찰장치 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008016854B4 (de) | 2008-04-02 | 2010-12-30 | NTRus GbR (vertretungsberechtigter Gesellschafter: Dr. Wladimir Anatoliewitsch Sokolov, Moskau, RU) | Vorrichtung zur lokalen Festigung von Eisenbahnradsätzen |
WO2010097648A1 (de) * | 2009-02-25 | 2010-09-02 | Wladimir Anatoliewitsch Sokolov | Vorrichtung und verfahren zur lokalen festigung von radsätzen von schienenfahrzeugen |
CN108839508A (zh) * | 2018-07-25 | 2018-11-20 | 安徽工业大学 | 一种高强度轻质轨道车用轮箍及其生产工艺 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992021782A1 (de) * | 1991-06-03 | 1992-12-10 | Sig Schweizerische Industrie-Gesellschaft | Schienenfahrzeugrad, verfahren zu dessen vergütung sowie vorrichtung zur durchführung des verfahrens |
DE4124644A1 (de) * | 1991-07-25 | 1993-01-28 | Audi Ag | Verfahren zum haerten und/oder umschmelzen der oberflaechen von metallischen werkstuecken |
JPH11271146A (ja) * | 1998-03-23 | 1999-10-05 | Toyota Auto Body Co Ltd | 鋼板の焼き入れ方法、それを使用した焼き入れ装置およびマッシュシーム溶接機 |
JP2000345295A (ja) * | 1999-05-31 | 2000-12-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐疲労はく離性と耐摩耗性に優れた鉄道車両用車輪 |
US20040041458A1 (en) * | 2002-08-31 | 2004-03-04 | Shin Chirl Soo | Road wheel composition and method for manufacturing road wheel using the same |
JP2004315928A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Nippon Steel Corp | 耐摩耗性および耐熱き裂性に優れた高炭素鉄道車両用車輪 |
EP1772558A1 (de) * | 2005-10-07 | 2007-04-11 | HEESS GmbH & Co. KG | Vorrichtung zur gezielten Wärmebehandlung von Eisenbahn-Schienenrädern |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2153007C1 (ru) * | 1999-02-18 | 2000-07-20 | Поляченко Анатолий Васильевич | Способ поверхностной электроконтактной закалки деталей |
RU2153008C1 (ru) * | 1999-03-22 | 2000-07-20 | Поляченко Анатолий Васильевич | Способ поверхностной электроконтактной термообработки деталей |
RU2183223C2 (ru) * | 2000-05-15 | 2002-06-10 | Омский государственный университет путей сообщения | Способ термической обработки гребней колес подвижного состава |
RU2201975C2 (ru) * | 2001-06-09 | 2003-04-10 | Петербургский государственный университет путей сообщения | Установка для упрочнения колес железнодорожного транспорта |
-
2007
- 2007-08-21 DE DE102007039385A patent/DE102007039385B3/de not_active Expired - Fee Related
-
2008
- 2008-08-08 US US12/733,239 patent/US20100200127A1/en not_active Abandoned
- 2008-08-08 WO PCT/IB2008/002096 patent/WO2009024847A1/de active Application Filing
- 2008-08-08 JP JP2010521494A patent/JP2010536646A/ja active Pending
- 2008-08-08 CN CN200880112521A patent/CN101835912A/zh active Pending
- 2008-08-08 CA CA2697059A patent/CA2697059A1/en not_active Abandoned
- 2008-08-08 EA EA201000359A patent/EA016135B1/ru not_active IP Right Cessation
- 2008-08-08 EP EP08789046A patent/EP2179067A1/de not_active Withdrawn
-
2009
- 2009-10-23 BG BG10110502A patent/BG110502A/bg unknown
-
2010
- 2010-02-19 ZA ZA2010/01231A patent/ZA201001231B/en unknown
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1992021782A1 (de) * | 1991-06-03 | 1992-12-10 | Sig Schweizerische Industrie-Gesellschaft | Schienenfahrzeugrad, verfahren zu dessen vergütung sowie vorrichtung zur durchführung des verfahrens |
DE4124644A1 (de) * | 1991-07-25 | 1993-01-28 | Audi Ag | Verfahren zum haerten und/oder umschmelzen der oberflaechen von metallischen werkstuecken |
JPH11271146A (ja) * | 1998-03-23 | 1999-10-05 | Toyota Auto Body Co Ltd | 鋼板の焼き入れ方法、それを使用した焼き入れ装置およびマッシュシーム溶接機 |
JP2000345295A (ja) * | 1999-05-31 | 2000-12-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐疲労はく離性と耐摩耗性に優れた鉄道車両用車輪 |
US20040041458A1 (en) * | 2002-08-31 | 2004-03-04 | Shin Chirl Soo | Road wheel composition and method for manufacturing road wheel using the same |
JP2004315928A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Nippon Steel Corp | 耐摩耗性および耐熱き裂性に優れた高炭素鉄道車両用車輪 |
EP1772558A1 (de) * | 2005-10-07 | 2007-04-11 | HEESS GmbH & Co. KG | Vorrichtung zur gezielten Wärmebehandlung von Eisenbahn-Schienenrädern |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
JPN7012002339; ロシア国特許発明第2153007号明細書 * |
JPN7012002340; ロシア国特許発明第2183223号明細書 * |
JPN7012002341; ロシア国特許発明第2201975号明細書 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016200073A1 (ko) * | 2015-06-10 | 2016-12-15 | 한국철도기술연구원 | 마찰장치 |
KR101727603B1 (ko) | 2015-06-10 | 2017-04-19 | 한국철도기술연구원 | 철도차량의 마찰성능을 향상시키기 위한 시스템 |
US10662588B2 (en) | 2015-06-10 | 2020-05-26 | Korea Railroad Research Institute | Friction apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2009024847A1 (de) | 2009-02-26 |
CN101835912A (zh) | 2010-09-15 |
US20100200127A1 (en) | 2010-08-12 |
BG110502A (bg) | 2010-04-30 |
EA016135B1 (ru) | 2012-02-28 |
EA201000359A1 (ru) | 2010-08-30 |
DE102007039385B3 (de) | 2009-01-02 |
EP2179067A1 (de) | 2010-04-28 |
CA2697059A1 (en) | 2009-02-26 |
ZA201001231B (en) | 2010-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104060075B (zh) | 提高钢轨硬化层深度的热处理方法 | |
JP6765495B2 (ja) | 高強度、高靭性、耐ヒートクラック性鉄道輸送用ベイナイト鋼車輪及びその製造方法 | |
JP6765496B2 (ja) | 高靭性鉄道輸送用ベイナイト鋼車輪及びその製造方法 | |
AU2008265498B2 (en) | Treatment of railway wheels | |
CN104480390A (zh) | 高冲击韧性的钢轨及其生产方法 | |
EP3208351B1 (en) | Method for manufacturing brake disc for railway vehicle | |
Zhang et al. | Study on typical failure forms and causes of high-speed railway wheels | |
WO2018006843A1 (zh) | 一种低成本精节生产的轨道交通用贝氏体钢车轮及其制造方法 | |
JP5531845B2 (ja) | フラッシュバット溶接部近傍の後熱処理方法 | |
CN104087836A (zh) | 钒铬微合金化超细珠光体钢轨 | |
Zeng et al. | Influence of solid solution strengthening on spalling behavior of railway wheel steel | |
JP2010536646A (ja) | 鉄道ホイールセットの局部硬化のための方法 | |
CN105483354B (zh) | 大型高速钢冷轧工作辊的热处理方法 | |
CN101818236A (zh) | 一种高碳钢车轮制造方法 | |
JP3329263B2 (ja) | 鉄道車両用車軸と製造方法 | |
JPH11152520A (ja) | 耐表面損傷性および耐摩耗性に優れた高強度ベイナイト系レールの製造法 | |
US1697068A (en) | Manufacture of irregular-shaped objects | |
CN107757245A (zh) | 一种胶轮路轨用车轮的车削方法 | |
KR102108350B1 (ko) | 철도 차륜 재생용 용접부재 및 이를 이용한 철도 차륜의 재생방법 | |
RU2222613C1 (ru) | Способ восстановления работоспособности колёс рельсового транспорта | |
JPH0651888B2 (ja) | 高強度歯車の製造方法 | |
CN104831158A (zh) | 一种车轮钢,其用途以及热处理方法 | |
JP4646119B2 (ja) | ブレーキディスクとその表面処理方法及びブレーキディスクの表面処理装置 | |
RU2064511C1 (ru) | Способ упрочнения колес | |
Lonsdale et al. | Development of locomotive wheels for improved adhesion and life |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120626 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130108 |