JPH07279998A - モータ内蔵ローラ及びクラッチ装置 - Google Patents

モータ内蔵ローラ及びクラッチ装置

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JPH07279998A
JPH07279998A JP10054694A JP10054694A JPH07279998A JP H07279998 A JPH07279998 A JP H07279998A JP 10054694 A JP10054694 A JP 10054694A JP 10054694 A JP10054694 A JP 10054694A JP H07279998 A JPH07279998 A JP H07279998A
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洋志 内田
Tatsuhiko Nakamura
竜彦 中村
Toshinari Nakajima
俊成 中島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラ本体101内のモータ部110と減速
機120との間に配置したクラッチ装置の伝達トルク値
の許容範囲を狭め、しかも部品点数を減らし、さらに長
期間、使用しても伝達トルク値が変化しないようにす
る。 【構成】 クラッチ装置を減速機120と一体に回転す
るドーナツ盤状のクラッチライニング20と、クラッチ
ライニング20を外嵌するリング状の出力板30と、ク
ラッチライニング20に当てるクラッチ板40と、モー
タ部110の回転を前記出力板30及びクラッチ板40
へ伝達するブラケット10とから構成する。前記出力板
30の両面に球面33を突出させ、前記クラッチ板40
に設定トルク値以下で球面33を係合する皿穴41を形
成する。クラッチ板40は圧縮バネ52を卷装したリベ
ット51によって係止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ローラ本体内のモータ
部と減速機との間にクラッチ装置を配置したモータ内蔵
ローラのクラッチ装置に関し、特に伝達トルク値の許容
範囲を狭め、しかも部品点数を減少させ、さらに長期間
の使用によっても伝達トルク値が変化しないようにした
モータ内蔵ローラのクラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ローラコンベアの駆動ローラやベルトコ
ンベアの駆動プーリとして、ローラ本体内にモータ部、
減速機そしてクラッチ装置などが内蔵されたモータ内蔵
ローラが広く知られている。上記したモータ内蔵ローラ
の構成の内、クラッチ装置は、ローラ本体に過負荷が加
わった時に、モータが焼きついたり、機械的機構が破壊
されないようにするため、トルクリミッタとして使用さ
れる場合がある。
【0003】このようなモータ内蔵ローラの従来例を図
3を参照しながら説明する。このモータ内蔵ローラは、
固定軸100を囲繞するローラ本体101内に、モータ
部110、減速機120そしてクラッチ装置130など
を内蔵したものである。固定軸100の内部には給電線
102が配線され、この給電線102とモータ部110
とが接続される。モータ部110は固定軸100に固定
される固定子111と、この固定子111を囲繞する回
転子112とから構成される。
【0004】減速機120は、3連の遊星歯車列から構
成され、入力側の太陽歯車121の回転が遊星歯車12
2を介して内歯車123へ減速して出力される。内歯車
123はローラ本体101の内周面に密着する出力パイ
プ103の内側に形成される。出力パイプ103の基端
側は固定軸100を外嵌する嵌合部104が連続して一
体成型され、この嵌合部104は固定軸100を回転軸
にして自転することができるが、ピン105によってロ
ーラ本体101に固定される。したがって、内歯車12
3と一体の嵌合部104が回転すると、嵌合部104と
ピン105によって固定されたローラ本体101も回転
する。嵌合部104と遊星歯車列との間には、固定腕1
06が固定軸100に固定され、固定腕106に出力側
の遊星歯車122が支持される。したがって、出力側の
遊星歯車122は自転のみ可能であり、公転することは
できないようにされている。
【0005】入力側の太陽歯車121とモータ部110
との間に、トルクリミッタとして機能するクラッチ装置
130が配置される。従来のクラッチ装置130は、図
4にも示すようにモータ部110の回転子112と嵌合
するブラケット131と、遊星歯車列の入力側の太陽歯
車121と一体に回転する出力部材132と、ブラケッ
ト131と出力部材132との間に介在させるバネ部材
133とから構成される。
【0006】従来のモータ内蔵ローラは以上のように構
成され、次に動作について説明する。給電線102から
モータ部110の固定子111に通電すると回転子11
2が回転し、回転子112に嵌合されたクラッチ装置1
30のブラケット131が回転する。クラッチ装置のバ
ネ部材133は出力部材132を付勢しているため、ブ
ラケット131の回転によって出力部材132も回転す
る。出力部材132と入力側の太陽歯車121とは一体
に回転するから、ブラケット131と一体に回転する出
力部材132が回転すると、入力側の太陽歯車121も
回転する。3連の遊星歯車列によって、入力側の太陽歯
車121の回転数は大幅に減速されて内歯車123から
出力される。内歯車123は出力パイプ103の内側に
形成され、出力パイプ103はローラ本体101にピン
105によって固定された嵌合部104と一体成型され
ているため、内歯車123が回転すると、ローラ本体1
01も回転する。
【0007】ローラ本体101に過負荷が加わると、ク
ラッチ装置130のバネ部材133に付勢された出力部
材132は滑るため、クラッチ装置130は切れた状態
となり、モータ部110の回転子112及びブラケット
131のみが回転する。したがって、ローラ本体101
に加わった過負荷がモータ部110へ伝達されず、モー
タ部110や機械的機構が保護される。
【0008】ところが、上記のクラッチ装置130では
滑り初めの負荷の大きさが、バネ部材133の付勢力と
出力部材132の摩擦面の固有の物的特性や加工状態に
よって決まるため、クラッチ装置130の組付け精度が
悪いと、クラッチ装置130の滑りの開始にバラツキが
生じ、信頼性が低下するといった不具合があった。さら
に、長時間使用すると、滑りの開始の設定値が大幅に変
化するばかりでなく、静摩擦特性と動摩擦特性とに大き
くバラツキが生じることにより信頼性が低下するといっ
た不具合もあった。
【0009】そこで、本出願人は応答性がよく高精度に
切り離すことができるようにし、しかもトルク自動設定
が可能なトルクリミッタとして使用することができる駆
動力伝達装置を特開平5−256329号公報に開示し
ている。
【0010】この駆動力伝達装置を図5乃至図7に示し
て説明する。この駆動力伝達装置は段付きの駆動軸20
0と筒状の被駆動部材210とをクラッチ装置220に
よって接続したものである。駆動軸200は先端側をネ
ジ部201と小径軸部202とし、小径軸部202の段
差面203に扇状係止部204を120°ごとに形成
し、その扇状係止部204にV状ボール穴205を形成
したものである。筒状の被駆動部材210の先端部22
1は、若干縮径されて駆動軸200の段部207と当接
して位置決めされる。駆動軸200の小径軸部202と
被駆動部材210との間にクラッチ装置220が配置さ
れる。クラッチ装置220はスリーブ221、2組の第
1のクラッチ板222と第2のクラッチ板223、座板
224、バネ部材225、ブラケット226及びナット
227から構成される。
【0011】スリーブ221は駆動軸200の小径軸部
202を外嵌するもので、120°ごとに突状228が
形成され、突状228には駆動軸200の段差面203
と対向する端面に台形状の凹部229が形成される。V
状ボール穴205と凹部229との間にカムボール23
0が介在され、駆動軸200と被駆動部材210との間
の回転力又は回転抵抗力を軸線方向の変位に変換するカ
ム機構が構成される。
【0012】2組の第1のクラッチ板222と第2のク
ラッチ板223は交互に接合してスリーブ221を外嵌
するもので、第1のクラッチ板222の貫通穴にはスリ
ーブ221の突状228と嵌合する凹部231が形成さ
れ、第2のクラッチ板223の外周には多数の爪部23
2が形成される。第2のクラッチ板223に形成した爪
部232が被駆動部材210とスプライン係合し、第2
のクラッチ板223は被駆動部材210と一体に回転す
るようにされている。
【0013】座板224は駆動軸200の小径軸部20
2をスライド自在に外嵌し、一端面は第2のクラッチ板
223と当接するが、スリーブ221との間には隙間2
33ができるようにする。ブラケット226は厚肉の本
体部234と一端部を縮径した鍔部235とから構成さ
れ、本体部234は駆動軸200の小径軸部202を外
嵌し、鍔部235は駆動軸200のネジ部201を外嵌
し、ネジ部201に螺合するナット227によってブラ
ケット226の位置が規制される。ブラケット226の
本体部234には小穴部236が120°ごとに3箇
所、穿設され、この小穴部236内にバネ部材225が
収納される。このバネ部材225によって座板224が
第2のクラッチ板223の方へ付勢される。
【0014】特開平5−256329号公報に開示され
た駆動力伝達装置は以上のように構成され、次に動作に
ついて図7も併せて参照しながら説明する。駆動軸20
0が回転していない間は、図7(a)に示すように駆動
軸200の段差面203とスリーブ221の端面とは近
接した状態で、段差面203に形成されたV状ボール穴
205とスリーブ221の端面に形成された凹部229
との中心軸は一致し、カムボール230はV状ボール穴
205と凹部229との間に完全に収納される。
【0015】駆動軸200が回転すると、回転力は駆動
軸200の段差面203に形成されたV状ボール穴20
5→カムボール230→スリーブ221の凹部229→
スリーブ221→第1及び第2のクラッチ板222,2
23→被駆動部材210へと伝達される。2組のクラッ
チ板の第1のクラッチ板222と第2のクラッチ板22
3とは、座板224がバネ部材225に付勢されて密着
している。また、スリーブ221の突状228と第1の
クラッチ板222の凹部231とが嵌合しており、第1
のクラッチ板222と密着している第2のクラッチ板2
23は被駆動部材210とスプライン係合しているた
め、スリーブ221が回転すると被駆動部材210も回
転する。
【0016】被駆動部材210側の負荷が小さいときは
回転抵抗が小さいため、図7(b)に示すようにV状ボ
ール穴205と凹部229とがわずかに位置ずれし、カ
ムボール230はスリーブ221の凹部229の内周面
に少しだけ乗り上げた状態となり、凹部229を形成し
たスリーブ221がブラケット226の方向へ若干スラ
イドする。しかし、スリーブ221と座板224との間
には隙間233が設けられているため、スリーブ221
が若干スライドしても、座板224はバネ部材225に
付勢されたまま後退することはない。
【0017】何らかの原因で被駆動部材210の抵抗が
大きくなり、あるいは被駆動部材210がロックされて
負荷が大きくなると、駆動軸200の回転抵抗が増大す
る。すると、図7(c)に示すように駆動軸200の段
差面203のV状ボール穴205とスリーブ221部の
凹部229との間に大きな位置ずれが発生し、カムボー
ル230は凹部229の内周面に大きく乗り上げた状態
となり、スリーブ221が座板224との間の隙間23
3以上にスライドする。したがって、座板224がバネ
部材225の付勢力に抗して後退し、第1のクラッチ板
222と第2のクラッチ板223とが切り離される。す
ると、スリーブ221の突状228と係合している第1
のクラッチ板222が回転しても、第2のクラッチ板2
23は回転しないため、駆動軸200と被駆動部材21
0とは切断される。
【0018】駆動軸200と被駆動部材210とが切断
されると、駆動軸200の回転抵抗力が小さくなり、V
状ボール穴205とスリーブ221の凹部229との位
置ずれが小さくなる。すると、カムボール230は図7
(b)に示すように、スリーブ221の凹部229の内
周面に少しだけ乗り上げた状態に戻り、座板224はバ
ネ部材225の付勢力によって前進し、第1のクラッチ
板222と第2のクラッチ板223とが接合することに
より、駆動軸200と被駆動部材210とが再び接続さ
れる。このような動作が連続的に繰り返される結果、駆
動軸200と被駆動部材210との間にはバネ部材22
5の付勢力に相応したトルクが伝達される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−25632
9号公報に開示された駆動力伝達装置は、被駆動部材2
10の抵抗の大きさによって、カムボール230がスリ
ーブ221の凹部229の内周面を移動してスリーブ2
21がスライドし、第1のクラッチ板222と第2のク
ラッチ板223とが密着した状態と密着していない状態
とに切り替わるようにされたものである。
【0020】ところが、カムボール230がスリーブ2
21の凹部229の内周面を転がりにくいと、被駆動部
材210の抵抗が大きくなってもスリーブ221がスラ
イドせず、クラッチ装置220は切られないため、過負
荷がモータ部110へ伝達され、モータ部110や機械
的機構が保護されなくなってしまう。また、カムボール
230がスリーブ221の凹部229の内周面を転がり
すぎると、被駆動部材210の抵抗が大きく、クラッチ
装置220が切られた状態を維持させたいときであって
も、カムボール230がスリーブ221の凹部229の
内周面に少しだけ乗り上げた状態になり、クラッチ装置
220がつながれた状態になってしまう。
【0021】したがって、ローラ本体101に過負荷が
加わったときに、モータ部110や機械的機構が保護さ
れるようにするためには、所定の伝達トルク値でクラッ
チ装置220が切られたり繋がったりするように、カム
ボール230がスリーブ221の凹部229の内周面を
転がることが望ましい。
【0022】しかし、カムボール230が転がる条件は
カムボール230とスリーブ221の凹部229の内周
面との滑り抵抗差によって決まり、その滑り抵抗差を所
定の範囲にすることは困難であった。したがって、クラ
ッチ装置220の伝達トルク値が広い範囲でカムボール
230が転がってしまい、ローラ本体101に過負荷が
加わっても、モータ部110や機械的機構が保護されな
いといった不具合があった。また、所定の伝達トルク値
でカムボール230がスリーブ221の凹部229の内
周面を転がることができたとしても、カムボール230
やスリーブ221など部品点数が多いため、組付け作業
が面倒であるといった不具合もあった。
【0023】さらに、2組のクラッチ板は第1のクラッ
チ板222と第2のクラッチ板223とを密着させたり
離隔させる摩擦クラッチであるため、作動開始の初期の
伝達トルク値に比べて、繰り返して作動させた後の伝達
トルク値は減少してしまう。したがって、経年変化によ
ってクラッチ装置220の作動状態が安定しないといっ
た不具合もあった。
【0024】そこで、本発明は伝達トルク値の許容範囲
を狭め、しかも部品点数を減少させ、さらに長期間の使
用によっても伝達トルク値が変化しないようにしたモー
タ内蔵ローラのクラッチ装置を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の手段は、ローラ本体内にモータ部と減速機が内
蔵され、モータ部と減速機との間にクラッチ装置を配置
したモータ内蔵ローラにおいて、クラッチ装置を、減速
機と一体に回転するドーナツ盤状のクラッチライニング
と、前記クラッチライニングを外嵌するリング状の出力
板と、前記クラッチライニングに当たるクラッチ板と、
モータ部の回転を前記出力板及びクラッチ板へ伝達する
ブラケットとから構成し、前記出力板の表面に球面を突
出させ、前記クラッチ板に設定トルク値以下で前記球面
を係合する皿穴を形成したことを特徴とするモータ内蔵
ローラである。
【0026】上記目的を達成するための第2の手段は、
上記第1の手段に記載のクラッチ板を、圧縮バネを卷装
したリベットによって係止したことを特徴とするモータ
内蔵ローラである。
【0027】上記目的を達成するための第3の手段は、
減速機と一体に回転するドーナツ盤状のクラッチライニ
ングと、前記クラッチライニングを外嵌するリング状の
出力板と、前記クラッチライニングに当たるクラッチ板
と、モータ部の回転を前記出力板及びクラッチ板へ伝達
するブラケットとから構成し、前記出力板の表面に球面
を突出させ、前記クラッチ板に設定トルク値以下で前記
球面を係合する皿穴を形成したことを特徴とするクラッ
チ装置である。
【0028】
【作用】上記第1の手段及び上記第3の手段によれば、
設定トルク値以下では出力板に突出させた球面が2枚の
クラッチ板の皿穴内に係合するため、クラッチ板はクラ
ッチライニングに当たり、出力板の回転がクラッチライ
ニングへ伝達される。設定トルク値以上の力が加わる
と、出力板に突出させた球面が2枚のクラッチ板の皿穴
内から押し出される方向に力がかかり、クラッチ板がク
ラッチライニングから離される方向に力がかかるので、
設定トルク値に近い値で出力板の回転がクラッチライニ
ングに伝達される。
【0029】上記第3の手段によれば、設定トルク値以
下ではクラッチ板が圧縮バネに押圧されてクラッチライ
ニングに当たる。設定トルク値以上になると、出力板に
突出させた球面が2枚のクラッチ板の皿穴内から押し出
されるため、圧縮バネは圧縮されてクラッチ板のクラッ
チライニングに対する圧力は弱まる。
【0030】
【実施例】本発明の実施例を図1及び図2を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明に係るモータ内蔵ローラ及
びそのクラッチ装置の断面図である。図2は、図1のモ
ータ内蔵ローラのクラッチ装置の分解斜視図である。従
来と同一部品は同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】本発明に係るモータ内蔵ローラのクラッチ
装置は、モータ部110の回転子112と嵌合するブラ
ケット10と、減速機120の入力側の太陽歯車121
とスプライン係合されるクラッチライニング20と、前
記クラッチライニング20を外嵌する出力板30と、前
記出力板30に両側から当てる2枚のクラッチ板40,
40とを主要部品として構成する。
【0032】ブラケット10は厚肉の本体部11と筒状
の口金部12とから構成する。本体部11は軸受50に
よって固定軸100に回転可能に支承され、外周をモー
タ部110の回転子112に嵌合する。回転子112と
ブラケット10とが滑らないようにするため、ブラケッ
ト10には突起13を形成しておく。口金部12を形成
した側の本体部11の端面に、長円形の長穴部14を1
20°ごとに3箇所穿設し、この長穴部14内にリベッ
ト51を挿通した圧縮バネ52を収納する。前記長穴部
14を穿設していない箇所の口金部12には、切欠部1
5を120°ごとに3箇所形成する。
【0033】入力側の太陽歯車121とスプライン係合
されるクラッチライニング20は、貫通穴21を形成し
たドーナツ盤形状で、内径は前記ブラケット10を支承
する軸受50の内径とほぼ一致し、外形は前記ブラケッ
ト10に穿設した長穴部14の内周面よりも若干大きい
ものとする。クラッチライニング20の貫通穴21には
入力側の太陽歯車121と一体に回転できるようにする
ためのスプライン溝22を多数形成し、各側面にはクラ
ッチ板40との摩擦抵抗を適正にするための凹部23を
120°ごとに3箇所、両面で千鳥掛けのように6箇所
形成し、クラッチ板40との接触面を凹凸にする。
【0034】クラッチライニング20を外嵌する出力板
30はリング形状で、内周にはブラケット10の長穴部
14に収納されたリベット51の障害にならないように
するための凹部31を120°ごとに3箇所形成し、外
周にはブラケット10の切欠部15と嵌合する凸部32
を120°ごとに3箇所形成する。出力板30の凸部3
2を形成した各箇所には、カムボール230として作用
する球面33を交互に両側に突出させる。この球面33
はたとえばプレス加工によって形成するため組付け作業
性が向上する。
【0035】出力板30を両側から挟む2枚のクラッチ
板40,40は、貫通穴43を形成したドーナツ盤形状
で、内径はクラッチライニング20に形成したスプライ
ン溝22よりも若干大きく、外形はブラケット10の口
金部12の内径よりも若干小さくする。出力板30の一
側面には出力板30に突出させた球面33を係合する皿
穴41を120°ごとに3箇所形成する。さらに出力板
30には圧縮バネ52を卷装していない部分のリベット
51を貫通する小孔42を穿設する。この小孔42は本
来120°ごとに3箇所穿設すればよいが、クラッチ板
40はクラッチライニング20を両側から当てるため、
2枚のクラッチ板40,40を共通に使用できるよう
に、2個一組の小孔42を120°ごとに3箇所、合計
6箇所穿設する。
【0036】クラッチライニング20を外嵌した出力板
30を両側から2枚のクラッチ板40,40によって挟
む。出力板30の両面に突出させた各球面33はクラッ
チ板40に形成した皿穴41内に係合し、圧縮バネ52
を卷装したリベット51がクラッチ板40の小孔42を
貫通し、カシメて係止する。圧縮バネ52を卷装してい
る部分のリベット51をブラケット10の長穴部14内
に収納し、出力板30の凸部32をブラケット10の切
欠部15と嵌合し、出力板30と一体の2枚のクラッチ
板40,40及びクラッチライニング20をブラケット
10の口金部12内に配置する。
【0037】ブラケット10の本体部11にモータ部1
10の回転子112を外嵌し、クラッチライニング20
を減速機120の入力側の太陽歯車121とスプライン
係合すると、本クラッチ装置はモータ部110と減速機
120との間に固定される。本クラッチ装置は以上のよ
うに構成し、次に動作について説明する。
【0038】モータ部110の回転子112が回転する
と、回転子112と嵌合したブラケット10が回転す
る。ブラケット10の口金部12に形成した切欠部15
と出力板30の凸部32とが嵌合しているため、ブラケ
ット10が回転すると、出力板30も回転する。また、
ブラケット10の長穴部14内に収納されたリベット5
1が2枚のクラッチ板40,40を係止しているため、
ブラケット10の回転によって2枚のクラッチ板40,
40も回転する。設定トルク値以下では、出力板30の
両側に突出させた球面33が、出力板30を両面から挟
んでいる2枚のクラッチ板40,40の皿穴41内に係
合され、また2枚のクラッチ板40,40は圧縮バネ5
2に卷装した3本のリベット51によって押圧されてク
ラッチライニング20を挟んでいるため、2枚のクラッ
チ板40,40が回転すると、クラッチライニング20
も回転する。クラッチライニング20は減速機120の
入力側の太陽歯車121とスプライン係合しているた
め、クラッチライニング20が回転すると、入力側の太
陽歯車121も回転する。入力側の太陽歯車121の回
転は減速機120によって減速され、ローラ本体101
が低速で回転する。
【0039】何らかの原因でローラ本体101の負荷が
大きくなり、設定トルク値以上の力がクラッチ装置に加
わると、クラッチライニング20は2枚のクラッチ板4
0,40により挟まれる力が弱くなり、クラッチ装置は
設置トルク値に近い値で安定する。すなわち、ローラ本
体101の負荷が大きくなると、クラッチライニング2
0の回転抵抗が増大するため、ブラケット10の回転に
よって回転する出力板30の球面33がクラッチ板40
の皿穴41内から押し出さる。2枚のクラッチ板40,
40を係止しているリベット51は、ブラケット10の
長穴部14内で移動できるため、出力板30と2枚のク
ラッチ板40,40とは位置ずれが生じ、出力板30の
球面33はクラッチ板40の皿穴41内から平板部へ押
し出される。出力板30の球面33がクラッチ板40の
皿穴41内から平板部へ押し出されると、リベット51
に卷装した圧縮バネ52が圧縮され、2枚のクラッチ板
40,40がクラッチライニング20を挟む圧力が弱ま
る。すると、2枚のクラッチ板40,40は滑った状態
となって出力板30が回転し、クラッチライニング20
は設定トルク値近くで回転するため、ローラ本体101
に加わった過負荷が緩和され、モータ部110や機械的
機構が保護される。
【0040】ローラ本体101の過負荷が小さくなり、
クラッチ装置に設定トルク値以下の力が加わると、ブラ
ケット10によって回転する出力板30の球面33は再
び2枚のクラッチ板40,40の皿穴41内に係合す
る。すると、リベット51に卷装した圧縮バネ52によ
って、2枚のクラッチ板40,40は押圧されてクラッ
チライニング20を挟むため、クラッチ装置は繋がれた
状態になる。したがって、モータ部110によって回転
するブラケット10が出力板30及び2枚のクラッチ板
40,40を回転させると、2枚のクラッチ板40,4
0に押圧されたクラッチライニング20も空転なしで回
転し、クラッチライニング20とスプライン係合した入
力側の太陽歯車121が空転なしで回転する。
【0041】ローラ本体101に過負荷が加わり、出力
板30の球面33がクラッチ板40の皿穴41から押し
出されても、2枚のクラッチ板40,40はリベット5
1が貫通しており、圧縮バネ52を卷装している部分の
リベット51はブラケット10の長穴部14内に収納さ
れているため、2枚のクラッチ板40,40は長穴部1
4の角度分だけ回転する。したがって、出力板30の球
面33とクラッチ板40の皿穴41とは僅かに位置がず
れるだけれあるから、ローラ本体101の過負荷が小さ
くなると、出力板30の球面33はすぐにクラッチ板4
0の皿穴41内に戻る。
【0042】また、クラッチ装置を切った状態にする設
定トルク値は、圧縮バネ52の荷重、クラッチ板40と
クラッチライニング20との摩擦係数、出力板30の球
面33とクラッチ板40の皿穴41との関係によって設
定することができる。
【0043】なお、上記実施例においては2枚の平板状
のクラッチ板40,40がクラッチライニングを挟む場
合について説明したが、2枚のクラッチ板40,40に
限定するものでなく、多板クラッチや円錐クラッチなど
においても同様に実施できる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、設定トルク値は、圧縮
バネの荷重、クラッチ板とクラッチライニングとの摩擦
係数、出力板の球面とクラッチ板の皿穴との関係によっ
て設定することができる。したがって、設定トルク値を
狭い範囲にすることが可能となり、ローラ本体に過負荷
が加わったときは必ずクラッチ装置は設定トルク値近く
で作用するため、モータ部や機械的機構は確実に保護さ
れる。しかも、クラッチ装置はクラッチ板がクラッチラ
イニングを挟む機構であるため、経年変化によってクラ
ッチ装置は安定した作動状態を維持することができる。
【0045】また、クラッチ装置をクラッチライニン
グ、出力板、クラッチ板及びブラケットを主要部品とし
て構成したことにより、組み立てにくいカムボールを部
品とせず、部品数を少なくすることができ、しかも、出
力板に突出させる球面はプレス加工などによって容易に
形成できるため、クラッチ装置の組立て作業性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例のモータ内蔵ローラ及び
そのクラッチ装置の断面図である。
【図2】図1のクラッチ装置の分解斜視図である。
【図3】従来のモータ内蔵ローラの断面図である。
【図4】従来のモータ内蔵ローラのクラッチ装置の断面
図である。
【図5】従来の別のクラッチ装置の断面図である。
【図6】図5のクラッチ装置の分解斜視図である。
【図7】図5及び図6のクラッチ装置の動作説明の断面
図である。
【符号の説明】
10 ブラケット 20 クラッチライニング 30 出力板 33 球面 40 クラッチ板 41 皿穴 51 リベット 52 圧縮バネ 101 ローラ本体 110 モータ部 120 減速機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ本体内にモータ部と減速機が内蔵
    され、モータ部と減速機との間にクラッチ装置を配置し
    たモータ内蔵ローラにおいて、クラッチ装置を、減速機
    と一体に回転するドーナツ盤状のクラッチライニング
    と、前記クラッチライニングを外嵌するリング状の出力
    板と、前記クラッチライニングに当たるクラッチ板と、
    モータ部の回転を前記出力板及びクラッチ板へ伝達する
    ブラケットとから構成し、前記出力板の表面に球面を突
    出させ、前記クラッチ板に設定トルク値以下で前記球面
    を係合する皿穴を形成したことを特徴とするモータ内蔵
    ローラ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクラッチ板を、圧縮バ
    ネを卷装したリベットによって係止したことを特徴とす
    るモータ内蔵ローラ。
  3. 【請求項3】 減速機と一体に回転するドーナツ盤状の
    クラッチライニングと、前記クラッチライニングを外嵌
    するリング状の出力板と、前記クラッチライニングに当
    たるクラッチ板と、モータ部の回転を前記出力板及びク
    ラッチ板へ伝達するブラケットとから構成し、前記出力
    板の表面に球面を突出させ、前記クラッチ板に設定トル
    ク値以下で前記球面を係合する皿穴を形成したことを特
    徴とするクラッチ装置。
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