JPH07279372A - 組立式床材の連結台座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存床面等の床下地面の不陸に対し、相互に
組合わされて敷設される多数の床材間の水平調整を容易
に行えるようにした 【構成】 床下地面としての既存床面９上に組合わされ
て敷き詰められる多数の床材１同士を既存床面９の上部
に隙間を保って設置するための連結台座８であって、こ
の連結台座８は、既存床面９に設置される下台１０と、
下台１０の上部中心に一体に設けた軸受ブラケット１６
に回転可能に軸受されて下台１０の上面にスラスト支持
されるとともに、前記各床材１の頂点位置である隅角部
に切欠き形成された隅切り部５を通じて前記各床材の表
面に頭部１１ａを覗かせたアジャスターボルト１１と、
アジャスターボルト１１に螺合されたナット１２と、ナ
ット１２の周囲に一体に設けられ、かつ前記各床材１の
頂点位置の下面隅角部を支持する連結台１４とを備えた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、既存床面等の床下地
面上に敷設されて電線などのケーブル類を組込み可能に
する多数の床材を水平度を保って前記床面上に支持する
ための連結台座に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近ではオフィスビル等のＯＡ化に伴
い、既存の最寄りのコンセント類や床下に埋設された埋
込み電線の取出口から各機器に給電するだけでは不足す
る場合や機器の設置場所と給電位置が離れている場合が
生じ、また情報のネットワーク化に伴い各機器間をケー
ブルで接続したり、電話機等の増設を行なうことも多く
行なわれているため、床面での配線が錯雑化し、歩行に
支障を来すとともに、これらを踏み付けることによる断
線等の惧れも生ずる。

【０００３】したがって、この種の機器を多用化するオ
フィスビルでは、既存の床面の表面に新たな床材を敷設
し、その下部空間にケーブル類を配線した後、表面をカ
ーペット等で覆うことによって、床表面を平坦化すると
ともに、ケーブルの露出部分を極力少なくしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
既存床面には凹凸等の不陸が生じているため、新たに床
材を敷設するに当たっては、キャンバーなどを入れ、水
準器を当てながら新規床面が所定の高さとなるよう水平
調整しつつ敷設しなければならず、時間がかって敷設作
業が捗らない欠点があった。

【０００５】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、その目的は、既存床面等の床下地面の不陸に対
し、相互に組合わされて敷設される多数床材相互間の水
平調整を容易に行えるようにした連結台座を提供するも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、相互に組合わされて床下地面上に敷き
詰められる多数の床材同士を前記床下地面の上部に隙間
を保って設置するための連結台座であって、該連結台座
は、前記床下地面に設置される下台と、該下台の上部中
心に一体に設けた軸受ブラケットに回転可能に軸受され
て前記下台の上面にスラスト支持されるとともに、前記
各床材の頂点位置である隅角部に切欠き形成された隅切
り部を通じて前記各床材の表面に頭部を覗かせたアジャ
スターボルトと、該アジャスターボルトに螺合されたナ
ットと、該ナットの周囲に一体に設けられ、かつ前記各
床材の頂点位置の下面隅角部を支持する連結台とを備え
たことを特徴とする。

【０００７】

【作用】以上の構成にあっては、連結台上に床材の隅角
部を設置することで敷設作業が行なわれる。このときは
床下地面の不陸の如何にかかわらず、水平調整の必要は
ない。

【０００８】敷設作業後床下地面に不陸が生じていて、
平坦となっていない箇所が生じている場合には、各床材
の頂点位置に覗かせている頭部にボックスレンチを差し
込んで回転させることで、各床材を支えている連結台が
昇降して床材を押上または押し下げるので、各床材の表
面を水平に整えることができる。床材が正四角形状であ
れば、一ケ所の調整によって同時に４枚の床材の水平調
整がなされる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の一実施例を詳細に説明す
る。

【００１０】図１，図２において床材１は、正四角形状
をなすプレキャスト発泡コンクリート、発泡アルミ等の
ダイキャスト製品などの発泡軽量材からなるもので、そ
の表面には三角形の各辺と中心を結んで十字形に配線用
溝部２が形成され、また下面は前記溝部２の深さに相当
した肉抜き部３及びその周囲の隅角部近傍に４箇所の脚
部４が突設されている。さらに各辺の頂点部分である隅
角部には四半円状の隅切り部５が切欠き形成されてい
る。

【００１１】前記配線用溝部２の溝幅及び深さはケーブ
ル類を収容するのに十分な容積に設定されるもので、そ
の内側上部には段部２ａが切欠き形成され、この段部２
ａに溝蓋６，７が着脱可能に配置され、床材１と同一平
面上をなして溝部２の上部を蓋する。

【００１２】一方の溝蓋６は前記溝部２の頂点位置であ
る中央部を蓋するもの、他方の溝蓋７はその周囲を覆う
もので、この二種類の組み合わせによって床材を敷き詰
めた後その表面を蓋することができる。この各溝蓋６，
７にはケーブル引き出し用の複数の孔６ａ，７ａが開
口、あるいはただちに開口できるよう薄肉化された形で
形成されている。

【００１３】各床材１はその頂点の四隅部に配置される
共通の連結台座８を介して既存床面９上に高さ調整可能
に設置される。

【００１４】この連結台座８は図３，４に示すように、
既存床面９に設置される下台１０と、下台１０の上部中
心に回転可能に突設されたアジャスターボルト１１と、
アジャスターボルト１１に螺合して上下するナット１２
と、ナット１２の周囲に溶接され、かつ前記各床材１の
頂点の隅角部を支持する正四角形状の連結台１４とから
概略構成されている。

【００１５】下台１０は、床材１を集合した状態で各脚
部４で囲われる空間の大きさに対応する直径の円盤状を
なし、その下面に半球状の脚部１５が１２０°間隔で突
設されている。また、上部中央には前記ボルト１１の下
部を軸受するための冠状の軸受ブラケット１６を一体に
溶接している。

【００１６】ブラケット１６内にあって、前記ボルト１
１の周縁にはフランジ１７が一体に溶接されボルト１１
の抜け止めを行なっている。またこのボルト１１の底部
は下台１０の上部中心に形成された窪み１０ａに係合
し、この位置にスラスト軸受されている。

【００１７】さらに前記連結台１４にはその中心から放
射状にコルゲート加工１４ａが施され、載荷荷重に対す
る補強を行なっている。

【００１８】以上の構成において、前記床材１の敷き詰
め施工にあたっては、床材１の正四角形が連続する各頂
点位置に前記連結台座８を配置し、連結台１４に各床材
１の隅角部を設置しつつ敷き詰め作業を行なう。

【００１９】これによって、一つの連結台座８は４枚の
床材１の一ケ所当たりの支持を同時に行なうことにな
り、隅切り部５によって各床材１の接合点部分は円溝状
となりアジャスターボルト１１の頭部１１ａを床材１の
表面側に覗かせた状態で組立てられ、各床材１の溝２は
十字形をなして連続する。

【００２０】なお、組立過程では水平調整を行なう必要
はなく、全ての床材１を敷き詰めた後、不陸が生じてい
た場合には、図３に示すように例えばボックスレンチ１
８を隅切り部５で囲われる円溝内に差入れ、頭部１１ａ
に嵌合しこれを右または左に回せばこれに螺合されたナ
ット１２の上下降により連結台１４は昇降する。

【００２１】このとき連結台１４は連れ回りしようとす
るが、その正四角形状の頂点角部が脚部４などに当接さ
れるため回り止めされる。これにより一ケ所の調整作業
で同時４枚の各床材１の水平度が調整されることにな
る。

【００２２】以上の作業の後、配線計画にしたがって前
記配線用溝部２内にケーブル類を配線し、その後溝蓋
６，７で蓋をする。なお、ケーブル類の端末の引き出し
位置では，引き出し用孔６ａ，７ａを通じて引き出す。

【００２３】その後床材１の表面に図示しないタイルカ
ーペットなどを敷設し、必要位置からケーブルを引き出
す。あるいはこの位置にコンセント、その他の接続具を
設ければフロア内装工事を完了する。

【００２４】フロア内装工事完了後は計画した位置に事
務機器，家具等を配置でき、新たな床面より引き出され
たケーブルあるいは接続具に最寄りの機器類のコードを
最短距離で接続できる。

【００２５】なお、これらの荷重は主に床材１の表面で
受けるが、溝蓋６，７の部分に一部かぶさる場合であっ
てもこれらを強度のある材料で構成しておくことによ
り、内部のケーブルに負荷が加わることなく良好に保持
できる。

【００２６】また、このフロア内装工事の後配線や配線
取出口を変更する際は、カーペットを剥がし、溝蓋６，
７を取ることによって溝部２内のケーブル類が露出する
ので、これの引き回しを変更したり、別の位置に引き出
したりコンセント等の接続具の付加により配線変更や取
出位置の変更に容易に対応することができる。

【００２７】また、本発明は上記実施例の既存床面に限
らず、新設の床下地面にも適用し得る。

【００２８】

【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、この発明による組立式床材の連結台座にあっては、
連結台上に床材の隅角部を設置しつつ敷設作業のみを一
括して行い、敷設作業終了後に床下地面に不陸が生じて
いて、平坦となっていない箇所が生じている場合には、
各床材の頂点位置に覗かせている六角穴に六角レンチな
どを差し込んで回転させることで、各床材を支えている
連結台が昇降し、床材の表面を水平に調整でき、また床
材が正四角形状であれば一ケ所の調整によって同時に４
枚の床材の水平調整がなされる。

【００２９】したがって、この発明では、従来の水平調
整作業に比べて床材の組立後に床材の上部側から水平調
整ができるため、作業が簡単で能率が高い利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による床材およびこれを支持する連結
台座の平面図である。

【図２】同断面図である。

【図３】図２のＡ部拡大断面図である。

【図４】連結台座の斜視図である。

【符号の説明】

１ 床材 ５ 隅切り部 ６，７ 溝蓋 ８ 連結台座 ９ 既存床面 １０ 下台 １１ アジャスターボルト １１ａ 頭部 １２ ナット １４ 連結台 １６ 軸受ブラケット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に組合わされて床下地面上に敷き詰
   められる多数の床材同士を前記床下地面の上部に隙間を
   保って設置するための連結台座であって、該連結台座
   は、前記床下地面に設置される下台と、該下台の上部中
   心に一体に設けた軸受ブラケットに回転可能に軸受され
   て前記下台の上面にスラスト支持されるとともに、前記
   各床材の頂点位置である隅角部に切欠き形成された隅切
   り部を通じて前記各床材の表面に頭部を覗かせたアジャ
   スターボルトと、該アジャスターボルトに螺合されたナ
   ットと、該ナットの周囲に一体に設けられ、かつ前記各
   床材の頂点位置の下面隅角部を支持する連結台とを備え
   たことを特徴とする組立式床材の連結台座。