JPH07278928A - ズボン類のウエスト長さ調整ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ズボン、スカート等のウエスト長さに余裕が
あって、これが着用中にずれる場合に、リフォームする
ことなく、これを吸収せしめてウエスト長さに一致させ
ると共に、その着脱も容易な簡便性のあるウエスト長さ
調整ベルトを提供する。 【構成】 弾性ベルト３のほぼ中央部に、該ベルト３の
幅方向上向き解放の支持ピン７を有するベルト支持リン
グ６を少なくとも１個挿通し、該弾性ベルト３の両端部
の同じ側には、該弾性ベルト３の伸縮方向に対し直交す
る方向に開閉自在なる係合爪１７′，１９′を有するク
リップ２，２′を取付けてなるウエスト長さ調整ベルト
１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ズボンやスカート等
（以下「ズボン類」と略す。）のウエスト長さを調整す
るための弾性ベルトの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種ズボン類は、本来は自己の
体型にフイットさせたものの購入が一般的であるが、こ
れがその後、痩せてウエストが細くなるとズボン類のウ
エスト長さに余裕を生じる結果、これをそのままの状態
で着用する時には、ズボン類がずり落ちて困惑すること
はよく経験するところである。更に、ウエスト部分にゴ
ムベルトを内包したズボン類であっても、使用期間の経
過と共に、ゴムベルトのゴムが老化して弾力性が低下
し、そのために、着用中にズボン類がずり落ちる等の問
題もあった。このような状態下においては、従来ではズ
ボン類をリフォームしてウエスト長さを調整するか、ゴ
ムベルトの取替えを行っていた。しかし、このようなリ
フォームまたは取替えには少なからず手間を要するばか
りでなく、一度リフォームをして仕立て直したズボン類
では、再びもとの体型にかえった時には、最早や着用不
能となるという欠点があり、再度リフォームを行うとい
うこととなって合理的ではない。

【０００３】上記のような傾向は、年少者、児童の間で
は顕著にみられるところである。即ち、ズボン類の新調
購入に際しては、児童の体型の成長寸法を予測して、予
め大きいサイズのものを購入するという事実は、日常よ
く知られるところであり、このような場合では、当初の
段階では、着用中において、ズボン類がずり落ちる傾向
があり、特にスポーツ、遊戯等の動作の激しいこの年頃
においてはこのような状態は屡々見受けられるところで
ある。このような場合の問題解決の方法としては、サス
ペンダーによって肩にズボン類を吊り上げて、これのず
り落ちを防止する方法がある。しかし、この方法におい
てもサスペンダーが着用者の肩に喰い込んである種の圧
迫感を与えると共に、運動中においてはこれが却って不
便となって充分なる運動を阻害するという欠点がある。
しかも、ズボン類のウエストの調整に対してはサスペン
ダーは無力であり、ウエストのフイット性は充分には得
られないものである。また、他方において、洋服ベルト
によってズボン類のウエストの長さ調整をはかるという
方法があるが、かかるベルトは、ズボン類の外側部に取
り付けるためにズボン類の縮め代の襞付けが不揃いとな
って外観上見苦しくなると共に、その着用も煩雑となっ
てウエスト長さの余裕分の吸収には限界がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述の如
き実情に鑑み、上記ズボン類のウエスト長さの調整につ
いて種々検討した結果、特に、ウエスト長さが余って余
裕を生じた場合には、布地の余分の部分に対して、ズボ
ン類上端部の内側において簡単に着脱自在可能なる弾性
ベルトを取付けることにより、このウエスト長さの部分
を襞として吸収せしめることが可能となる、という事実
を知見するに至った。

【０００５】即ち、本発明は、上記知見に基づきなされ
たもので、その目的は、ズボン類のウエスト長さに余裕
があって、これが着用中にずれる場合には、リフォーム
することなく、これを吸収せしめてウエスト長さにピッ
タリ一致させると共に、その着脱も容易であって誰にで
も利用できる簡便性のあるウエスト長さ調整ベルトを提
供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の特徴は、弾性ベルトの両端部間に、該ベルト
幅方向上向き解放の支持ピンを有するベルト支持リング
を少なくとも１個挿通し、該弾性ベルトの両端部同じ側
に該弾性ベルトの伸縮方向に対し直交する方向に開閉自
在なる係合爪を有するクリップを取付けてなることを構
成とするズボン類のウエスト長さ調整ベルトである。

【０００７】

【作用】本発明のウエスト長さ調整ベルトは、ズボン類
のウエスト部上縁部からＬ字状押圧板等の操作板が外側
になるようにクリップベース部係合爪と、これに対応す
るズボン類の生地挟着ばね体の係合爪間にズボン類生地
を差込んで、または、生地挟着ばね体と押圧板とが一体
となって係合爪を有する生地挟着ばね押圧体の間に差込
んで、前記押圧板を操作して上記両係合爪を固定するこ
とによって、ズボン類のウエスト長さを引き締めて体型
によくフイットさせることができる。即ち、該調整ベル
トは、ズボン、スカートを問わず、任意の衣服に装着し
て、ベルトの弾性を利用してベルトの収縮方向のウエス
ト部に生じた長さの余裕部を吸収することができる。そ
して、該調整ベルトは、一度装着しておけば、ズボン類
の着・脱時に取り外すことなく、そのままの状態で使用
することができ、しかも誰にでもその取扱いは容易であ
り、また、前記調整ベルトの両端部間に間隔をもって適
所に位置するベルト支持リングによってズボン類の長さ
余裕部の生地を固定することができるので、ウエストの
フイット性は更に向上すると共に、外見上見苦しさが解
消される。

【０００８】

【実施例】次に、本発明を図１〜図６に記載した実施例
に従って更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものでないのは云うまでもない。

【０００９】図１は、本発明の一実施例であるウエスト
長さ調整ベルト全体の斜視説明図であり、図２は、本発
明に用いるクリップの平面説明図、図３〜図４は、ズボ
ン生地に係合噛み込み状態を示す断面説明図、そして図
５は、本発明の他の実施例を示すクリップを用いたウエ
スト長さ調整ベルトの一部斜視説明図、更に図６は、上
記ベルトの使用方法を示す概要説明図である。

【００１０】図において、１は、本発明のズボン類のウ
エスト長さ調整ベルトであり、また２，２′は、この発
明において用いるウエスト調整ベルト１をズボン類に取
付けるためのクリップの一例である。３はゴム入り細幅
織物から構成される弾性ベルト、４は、前記クリップ
２，２′のクリップの側壁に取付けられている、弾性ベ
ルト３を挿通して取付けるベルト挿通リングであり、ま
た５は、弾性ベルト３の長さを調節するためのベルト長
さ調節リング、更に６は、弾性ベルト３のほぼ中間の位
置にあって、この弾性ベルト３の装着時におけるウエス
ト余裕部分のたるみを防止するためのベルト支持リング
であり、また、該ベルト支持リング６の片面に設けた、
該弾性ベルト３幅方向上方に向いて解放する片面に設け
られた支持ピン７と該支持ピンの先端部を固定して覆っ
ているカバー部７′とを有している。クリップ２は、前
記ベルト挿通リング４を側縁部に取付けるか、またはク
リップベース部の側縁部の延長上にベルト挿通孔を設け
たクリップベース部８と、該クリップベース部８の両側
縁に折曲げて立設された軸受部９に対して、軸ピン１０
によって軸着され、折曲げ片１１によって押圧作用を行
うＬ字状押圧板１２と、更に、これらクリップベース部
８と該Ｌ字状押圧板１２との間に位置して、その一端部
はクリップベース部８端部の立上り片１３の貫通穴１
３′に枢着支持される突設片１４を有し、また一方は、
クリップベース部８の立上り切込み部１５に軸着状に取
付けられた係止軸１６により支持されて、開放方向に付
勢された生地挟着ばね体１７とにより構成されている。
そして、クリップベース部８の内面上には弾性ベルト３
の幅方向に少なくとも１列の鋸歯状に形成された係合爪
８′が設けられ、また、生地挟着ばね体１７の内面上に
も、該クリップベース部８の係合爪８′に対応して同様
に弾性ベルト３の幅方向に少なくとも１列の鋸歯状の係
合爪１７′が設けられている。即ち、この両係合爪
８′，１７′間で、ズボン類１８の上縁部の生地１８′
の係合噛込みが行なわれ、生地挟着ばね片１７の上から
Ｌ字状押圧板１２で押圧することにより、この係合噛込
み状態は維持されて容易に離脱することはない。しか
し、Ｌ字状押圧板１２を押上げると、生地挟着ばね体１
７のばね作用により両者の係合噛込み状態は解放される
こととなって、本発明のウエスト調整ベルト１は、ズボ
ン生地１８′から容易に離脱する。もちろん、この時に
は、ベルト支持リング６の支持ピン７も完全に該ズボン
生地１８′から抜いておく必要がある。即ち、図１にお
いて、右側のクリップ２は係合状態を、また左側のクリ
ップ２′は、解放状態であることをそれぞれ示してい
る。

【００１１】上記は、主として図１に示したクリップに
ついて説明したが、次に、他の実施例として図５に示し
たクリップについて説明する。

【００１２】図５に示したクリップ２は、主としてネク
タイピン用として用いられるものであって、軽量であ
り、そしてクリップベース部８は端部が逆Ｕ字状に形成
され、その内面部には鋸歯状の係合爪８′が設けられ、
また図１に示したクリップ２の生地挟着ばね体１７とＬ
字状押圧板１２とが一体となった生地挟着ばね押圧体１
９にも同様係合爪１９′が設けられており、そして操作
は図１に示したクリップと同様に取扱えばよい。ただ
し、本例では、ばねＳによって生地挟着ばね押圧体１９
は、閉鎖方向に付勢されているので、図１に示したクリ
ップと相異する。

【００１３】次に、本発明のズボン類のウエスト長さ調
整ベルト１の使用方法について説明する。

【００１４】図６に示す如く、ズボン１８のウエストに
おけるその長さの余裕部２０に相当するウエスト上縁部
２１の内側において、クリップ２，２′を上記弾性ベル
ト３がズボン１８の内側にくるように上から嵌め込んで
ズボン生地１８′にクリップを固定すると共に、該弾性
ベルト３の両端部間、即ち両端部のベルト挿通リング
４，４の間に、長さにおいて間隔をもった適所に２個挿
通されているベルト支持リング６のズボン１８のウエス
ト上縁部２１側にくるベルト軸方向に解放する支持ピン
７を同様にズボン生地に突刺してズボン１８のウエスト
長さ余裕部２０の折れ襞が外側へたれ下がるのを防止す
る。したがって、該ベルト支持リング６の個数は、上記
ズボン１９の余裕部２０の長さによって適宜増減すれば
よいが、１〜３個が最適であり、この使用に当っては、
相互に適宜間隔を設ける方が有効である。

【００１５】また、図６においては、ウエスト調整ベル
ト１は、ズボン１８の横方向に取付けた例を示したが、
この位置は適宜選択されることとなる。したがって後方
に取付ける場合も同様に取扱えばよく、更に、前・後方
向等同時に複数個所に取付けてもよい。また、本例で
は、主としてズボンの場合について説明したが、スカー
トの場合についても全く同様に取扱うことができるのは
もちろんである。

【００１６】なお、本発明のズボン類ウエスト長さ調整
ベルトは、フォーマル用、ビジネス用、スポーツ用、作
業用および学童服等の各種衣服のズボンはもちろん、女
性用の各種スカートにも適用される。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上説明のとおり、弾性ベル
トの両端部には、該弾性ベルトの伸縮方向と直交する方
向に開閉自在の係合爪を有するクリップを取付けて、ズ
ボン類のウエスト上縁部内側で該上縁部生地を係合噛込
みを可能とすると共に、更に、前記弾性ベルトには、間
隔をもった適所に対してズボン類のウエスト長さの余裕
分のたるみを支持するベルト支持リングが挿通されてい
て該ズボン類のウエスト長さ余裕部の吸収をはかった結
果、ズボン類のウエスト長さを自由に調整することがで
きて、ズボン類のウエスト部分を体型に完全にフイット
させることができるばかりでなく、外見上においても、
本発明のウエスト長さ調整ベルトは、ズボン類のウエス
ト部内側に装着することとなるので、目立つことなく、
スマートに仕上げることができる。しかも、前記ベルト
支持リングの作用によって、ズボン類のウエスト長さの
余裕部は、襞として該ベルトに固着されるので外見的に
見苦しさは一層解消される。更に、該ベルトは、ゴム弾
性を有しているので、一度取付けセットすれば、その取
付け状態下でズボン類の着脱は自由であって、年少者、
児童によっても簡便に取扱いができるほか、その付替え
も容易であって、その利便さにおいて甚だ効果的なウエ
スト長さ調整ベルトである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すウエスト調整ベルト全
体の斜視説明図である。

【図２】本発明ウエスト調整ベルトに用いるクリップの
平面説明図である。

【図３】ベルトのズボン類生地係合噛込み直前の状態を
示す断面説明図である。

【図４】ベルトのズボン類生地係合噛込み後の状態を示
す断面説明図である。

【図５】本発明の他の実施例を示すウエスト調整ベルト
の一部の斜視説明図である。

【図６】ベルトの使用方法を示す概要説明図である。

【符号の説明】

１ ウエスト調整ベルト ２，２′ クリップ ３ 弾性ベルト ４ ベルト挿通リング ５ ベルト長さ調節リング ６ ベルト支持リング ７ 支持ピン ８ クリップベース部 ８′ 係合爪 ９ 軸受部 １０ 軸ピン １１ 折り曲げ片 １２ Ｌ字状押圧板 １３ 立上り片 １３′ 貫通孔 １４ 突設片 １５ 立上り切込み部 １６ 係止軸 １７ 生地挟着ばね体 １７′ 係合爪 １８ ズボン １８′ズボン生地 １９ 生地挟着ばね押圧板 １９′係合爪 ２０ ウエスト長さ余裕部 ２１ ウエスト上縁部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性ベルトの両端部間に、該ベルト幅方
   向上向き解放の支持ピンを有するベルト支持リングを少
   なくとも１個挿通し、該弾性ベルトの両端部同じ側に該
   弾性ベルトの伸縮方向に対し直交する方向に開閉自在な
   る係合爪を有するクリップを取付けてなることを特徴と
   するズボン類のウエスト長さ調整ベルト。