JPH07278633A - 溶融還元法 - Google Patents
溶融還元法Info
- Publication number
- JPH07278633A JPH07278633A JP6748094A JP6748094A JPH07278633A JP H07278633 A JPH07278633 A JP H07278633A JP 6748094 A JP6748094 A JP 6748094A JP 6748094 A JP6748094 A JP 6748094A JP H07278633 A JPH07278633 A JP H07278633A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- alumina
- iron oxide
- concentration
- iron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacture Of Iron (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、溶融還元炉において、生産性を向
上させることを目的とする。 【構成】 アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材を
200〜500kg/t−溶銑及び/またはアルミナ含有量
が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1000kg/t
−溶銑を吹錬開始時、または60〜80wt%吹錬が終了
したとき、またはスラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超え
たときに炉内に投入し、スラグ中のアルミナ濃度を5〜
11wt%に調整しスラグ中の酸化鉄濃度を下げる。 【効果】 排滓に伴う鉄分の損失、スラグのフォーミン
グを抑制し生産性の向上がはかれる。
上させることを目的とする。 【構成】 アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材を
200〜500kg/t−溶銑及び/またはアルミナ含有量
が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1000kg/t
−溶銑を吹錬開始時、または60〜80wt%吹錬が終了
したとき、またはスラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超え
たときに炉内に投入し、スラグ中のアルミナ濃度を5〜
11wt%に調整しスラグ中の酸化鉄濃度を下げる。 【効果】 排滓に伴う鉄分の損失、スラグのフォーミン
グを抑制し生産性の向上がはかれる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄浴式の溶融還元法に
関するものである。
関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄浴式の溶融還元炉により銑鉄を製造す
る方法において、排滓に伴う鉄分の損失やスラグのフォ
ーミングを抑えるためにスラグ中の酸化鉄濃度を低くす
る必要がある。これまで報告されている排滓スラグ中の
鉄分を回収する技術としては、溶湯を排出した後の炉内
残留スラグに底吹き羽口を通じ酸素ガス及び微粉炭を吹
き込むことにより未還元の金属酸化物を還元する方法
(特開昭63−62808号公報)、吹錬中の鉄鉱石の
投入速度を制御することによりスラグ中の酸化鉄濃度を
制御する方法(特開昭63−223112号公報)、ス
ラグ中のMgO濃度を9.5wt%以上にすることにより
吹止めスラグ中の酸化鉄濃度を低減させる方法(特開平
3−10013号公報)等がある。スラグのフォーミン
グを抑制する方法としては、アルミナ及びマグネシアの
添加によりスラグ中のシリカ濃度を35wt%以下とし且
つCaO/SiO2 を0.5〜2.0の範囲に維持する
方法(特開昭63−35723号公報)がある。
る方法において、排滓に伴う鉄分の損失やスラグのフォ
ーミングを抑えるためにスラグ中の酸化鉄濃度を低くす
る必要がある。これまで報告されている排滓スラグ中の
鉄分を回収する技術としては、溶湯を排出した後の炉内
残留スラグに底吹き羽口を通じ酸素ガス及び微粉炭を吹
き込むことにより未還元の金属酸化物を還元する方法
(特開昭63−62808号公報)、吹錬中の鉄鉱石の
投入速度を制御することによりスラグ中の酸化鉄濃度を
制御する方法(特開昭63−223112号公報)、ス
ラグ中のMgO濃度を9.5wt%以上にすることにより
吹止めスラグ中の酸化鉄濃度を低減させる方法(特開平
3−10013号公報)等がある。スラグのフォーミン
グを抑制する方法としては、アルミナ及びマグネシアの
添加によりスラグ中のシリカ濃度を35wt%以下とし且
つCaO/SiO2 を0.5〜2.0の範囲に維持する
方法(特開昭63−35723号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は排滓に伴う鉄分
の損失を抑えるために上記の方法が提案されているが、
煩雑な回収工程と多額の設備コスト(特開昭63−62
808号公報)を要したり、生産性の低下を招く(特開
昭63−223112号公報)ものである。また、スラ
グ融点の上昇によりスラグ流動性が悪化するため、排滓
作業が著しく困難になる(特開平3−10013号公
報)。アルミナ及びマグネシアの添加によりスラグ中の
シリカ濃度を下げフォーミングを抑制する方法(特開昭
63−35723号公報)はスラグ量の増大となり鉄分
の損失が大きくなる。本発明は、少ない副原料使用量で
スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整
し、反応速度の低下を伴うことなくスラグ中の酸化鉄濃
度を低下させる溶融還元法を提供することを目的として
いる。
の損失を抑えるために上記の方法が提案されているが、
煩雑な回収工程と多額の設備コスト(特開昭63−62
808号公報)を要したり、生産性の低下を招く(特開
昭63−223112号公報)ものである。また、スラ
グ融点の上昇によりスラグ流動性が悪化するため、排滓
作業が著しく困難になる(特開平3−10013号公
報)。アルミナ及びマグネシアの添加によりスラグ中の
シリカ濃度を下げフォーミングを抑制する方法(特開昭
63−35723号公報)はスラグ量の増大となり鉄分
の損失が大きくなる。本発明は、少ない副原料使用量で
スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整
し、反応速度の低下を伴うことなくスラグ中の酸化鉄濃
度を低下させる溶融還元法を提供することを目的として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融還元法は、
スラグ中のアルミナ濃度を低下させることによりスラグ
中の酸化鉄濃度を低下させるという作用効果を活用し、
排滓に伴う鉄分の損失及びスラグのフォーミングを抑え
ることを特徴とする。即ち、本発明の要旨とするところ
は(1)溶融還元炉に酸化鉄含有原料、炭材及び副原料
を投入し、炉上方より酸素含有ガスを吹き込む鉄浴式の
溶融還元法において、アルミナとシリカの比が0.4以
下の炭材を200〜500kg/t−溶銑及び/またはアル
ミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1
000kg/t−溶銑投入し、吹錬することによりスラグ中
のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整することを
特徴とし、さらに(2)吹錬する含有ガス量の60〜8
0wt%の吹錬が終了したとき、アルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材を200〜500kg/t−溶銑及び/ま
たはアルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を4
00〜1000kg/t−溶銑投入することを特徴とし、ま
た、さらに、(3)スラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超
えたとき、アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材を
200〜500kg/t−溶銑及び/またはアルミナ含有量
が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1000kg/t
−溶銑投入することを特徴とする。
スラグ中のアルミナ濃度を低下させることによりスラグ
中の酸化鉄濃度を低下させるという作用効果を活用し、
排滓に伴う鉄分の損失及びスラグのフォーミングを抑え
ることを特徴とする。即ち、本発明の要旨とするところ
は(1)溶融還元炉に酸化鉄含有原料、炭材及び副原料
を投入し、炉上方より酸素含有ガスを吹き込む鉄浴式の
溶融還元法において、アルミナとシリカの比が0.4以
下の炭材を200〜500kg/t−溶銑及び/またはアル
ミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1
000kg/t−溶銑投入し、吹錬することによりスラグ中
のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整することを
特徴とし、さらに(2)吹錬する含有ガス量の60〜8
0wt%の吹錬が終了したとき、アルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材を200〜500kg/t−溶銑及び/ま
たはアルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を4
00〜1000kg/t−溶銑投入することを特徴とし、ま
た、さらに、(3)スラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超
えたとき、アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材を
200〜500kg/t−溶銑及び/またはアルミナ含有量
が1wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1000kg/t
−溶銑投入することを特徴とする。
【0005】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明者が
スラグ中のアルミナと酸化鉄の熱力学的関係を明らかに
した結果によると、塩基度が1.1〜1.2で酸化マグ
ネシウムを5〜6wt%含有するスラグ中の酸化鉄の活量
係数のアルミナ依存性は1400℃で次のように定式化
できる。 γFeO=−0.805(%Al2 O3 )′+12.8 ;(%Al2 O3 )′≦13.7 γFeO=−0.055(%Al2 O3 )′+2.46 ;(%Al2 O3 )′≧13.7 ここで、 γFeO:スラグ中の酸化鉄の活量係数〔−〕 (%Al2 O3 )′:酸化鉄を除いたスラグ中のアルミ
ナ含有量〔wt%〕
スラグ中のアルミナと酸化鉄の熱力学的関係を明らかに
した結果によると、塩基度が1.1〜1.2で酸化マグ
ネシウムを5〜6wt%含有するスラグ中の酸化鉄の活量
係数のアルミナ依存性は1400℃で次のように定式化
できる。 γFeO=−0.805(%Al2 O3 )′+12.8 ;(%Al2 O3 )′≦13.7 γFeO=−0.055(%Al2 O3 )′+2.46 ;(%Al2 O3 )′≧13.7 ここで、 γFeO:スラグ中の酸化鉄の活量係数〔−〕 (%Al2 O3 )′:酸化鉄を除いたスラグ中のアルミ
ナ含有量〔wt%〕
【0006】上記の実験により得られたスラグ中の酸化
鉄の活量係数を用い、次式の関係を用いて所定の酸素ポ
テンシャルの下でのスラグ中の酸化鉄濃度のアルミナ依
存性を計算した結果を図2に示す。 aFeO=γFeO・NFeO ここで、 aFeO:スラグ中の酸化鉄の活量〔−〕 NFeO:スラグ中の酸化鉄のモル分率〔−〕
鉄の活量係数を用い、次式の関係を用いて所定の酸素ポ
テンシャルの下でのスラグ中の酸化鉄濃度のアルミナ依
存性を計算した結果を図2に示す。 aFeO=γFeO・NFeO ここで、 aFeO:スラグ中の酸化鉄の活量〔−〕 NFeO:スラグ中の酸化鉄のモル分率〔−〕
【0007】このように、スラグ中のアルミナ濃度を1
1wt%以下にすることにより、スラグ中の酸化鉄濃度を
大幅に減少することができる。上記の知見に基づき、本
発明者らは鉄浴式の溶融還元法において、スラグ中のア
ルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整することを特徴
とする溶融還元法を発明した。
1wt%以下にすることにより、スラグ中の酸化鉄濃度を
大幅に減少することができる。上記の知見に基づき、本
発明者らは鉄浴式の溶融還元法において、スラグ中のア
ルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整することを特徴
とする溶融還元法を発明した。
【0008】図1に本発明の装置概略図の一例を示す。
即ち、アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材をホッ
パ4を通して、及び/またはMBR、カラジャス等のア
ルミナ含有量が1wt%以下の鉄鉱石またはそれらの還元
鉱石をホッパ5を通して炉内に投入し、少ない副原料使
用量でスラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に
調整することによりスラグ中の酸化鉄濃度を2〜7wt%
に制御し、しかもこのとき酸素ポテンシャルが低下しな
いため、反応速度を維持した状態で排滓に伴う鉄分の損
失やスラグのフォーミングを抑える方法である。アルミ
ナ濃度が5wt%を下回るとスラグの流動性が悪化し通気
性・通液性を阻害するという問題が生じる。
即ち、アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材をホッ
パ4を通して、及び/またはMBR、カラジャス等のア
ルミナ含有量が1wt%以下の鉄鉱石またはそれらの還元
鉱石をホッパ5を通して炉内に投入し、少ない副原料使
用量でスラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に
調整することによりスラグ中の酸化鉄濃度を2〜7wt%
に制御し、しかもこのとき酸素ポテンシャルが低下しな
いため、反応速度を維持した状態で排滓に伴う鉄分の損
失やスラグのフォーミングを抑える方法である。アルミ
ナ濃度が5wt%を下回るとスラグの流動性が悪化し通気
性・通液性を阻害するという問題が生じる。
【0009】アルミナ濃度が11wt%超になるとスラグ
中の酸化鉄濃度が増加する。60〜80%の吹錬が終了
したときアクションをとるのはアルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材及びアルミナ含有量が1wt%以下の酸
化鉄含有原料は高価であるため使用量を減らしコストを
下げるためである。また、スラグ中のFeO濃度が7wt
%以上になるとスラグがフォーミングを起こすため、F
eO濃度を下げることでフォーミングを防ぐためにアル
ミナとシリカの比が0.4以下の炭材及びアルミナ含有
量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を投入する。
中の酸化鉄濃度が増加する。60〜80%の吹錬が終了
したときアクションをとるのはアルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材及びアルミナ含有量が1wt%以下の酸
化鉄含有原料は高価であるため使用量を減らしコストを
下げるためである。また、スラグ中のFeO濃度が7wt
%以上になるとスラグがフォーミングを起こすため、F
eO濃度を下げることでフォーミングを防ぐためにアル
ミナとシリカの比が0.4以下の炭材及びアルミナ含有
量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を投入する。
【0010】炭材中のアルミナとシリカの比が0.4を
超えたり酸化鉄含有原料中のアルミナ含有量が1wt%を
超えると、スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%にす
るための副原料投入量が増えるためスラグ量が増大し、
排滓に伴う鉄分の損失が大きくなる。スラグ中のアルミ
ナ濃度は予め投入する原料の化学分析を行い、投入量を
計算することができる。
超えたり酸化鉄含有原料中のアルミナ含有量が1wt%を
超えると、スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%にす
るための副原料投入量が増えるためスラグ量が増大し、
排滓に伴う鉄分の損失が大きくなる。スラグ中のアルミ
ナ濃度は予め投入する原料の化学分析を行い、投入量を
計算することができる。
【0011】スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%に
し、スラグ中の酸化鉄濃度を低減するためには、アルミ
ナとシリカの比が0.4以下の炭材の投入量を200〜
500kg/t−溶銑、アルミナ含有量が1wt%以下の酸化
鉄含有原料の投入量を400〜1000kg/t−溶銑にす
ることが好ましい。即ち、アルミナとシリカの比が0.
4以下の炭材の投入量が200kg/t−溶銑未満及びアル
ミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料の投入量が4
00kg/t−溶銑未満の場合、スラグ中のアルミナ濃度が
低下しないためスラグ中の酸化鉄濃度を低減することが
できないためである。また、アルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材の投入量が500kg/t−溶銑超及びア
ルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料の投入量が
1000kg/t−溶銑超の場合、操業上の問題はないが原
燃料コストが高くなるためである。
し、スラグ中の酸化鉄濃度を低減するためには、アルミ
ナとシリカの比が0.4以下の炭材の投入量を200〜
500kg/t−溶銑、アルミナ含有量が1wt%以下の酸化
鉄含有原料の投入量を400〜1000kg/t−溶銑にす
ることが好ましい。即ち、アルミナとシリカの比が0.
4以下の炭材の投入量が200kg/t−溶銑未満及びアル
ミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料の投入量が4
00kg/t−溶銑未満の場合、スラグ中のアルミナ濃度が
低下しないためスラグ中の酸化鉄濃度を低減することが
できないためである。また、アルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材の投入量が500kg/t−溶銑超及びア
ルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料の投入量が
1000kg/t−溶銑超の場合、操業上の問題はないが原
燃料コストが高くなるためである。
【0012】
【実施例】本発明方法を炉容積50tの溶融還元炉に適
用した場合の実施例に基づいて説明する。 (実施例1)吹錬開始時からスラグ中のアルミナ濃度を
5〜11wt%に調整した例である。図1に示した溶融還
元炉のアルミナとシリカの比が0.19のLeming
ton炭、アルミナ含有量0.6wt%のカラジャス鉱
石、生石灰をそれぞれのホッパから25,50,2.5
t(それぞれ500,1000,50kg/t−溶銑に相
当)分投し吹錬を行った。吹錬中はスラグ中のアルミナ
濃度は10wt%に維持されており、スラグ中の酸化鉄濃
度は2wt%であった。このためスラグのフォーミングは
起こらず円滑な操業ができた。また、通常原料を使用し
た場合と同じ酸素ポテンシャルであるため、反応速度の
低下が見られなかった。
用した場合の実施例に基づいて説明する。 (実施例1)吹錬開始時からスラグ中のアルミナ濃度を
5〜11wt%に調整した例である。図1に示した溶融還
元炉のアルミナとシリカの比が0.19のLeming
ton炭、アルミナ含有量0.6wt%のカラジャス鉱
石、生石灰をそれぞれのホッパから25,50,2.5
t(それぞれ500,1000,50kg/t−溶銑に相
当)分投し吹錬を行った。吹錬中はスラグ中のアルミナ
濃度は10wt%に維持されており、スラグ中の酸化鉄濃
度は2wt%であった。このためスラグのフォーミングは
起こらず円滑な操業ができた。また、通常原料を使用し
た場合と同じ酸素ポテンシャルであるため、反応速度の
低下が見られなかった。
【0013】(実施例2)吹錬が80wt%終了した時点
でアルミナとシリカの比が0.4以下の炭材及びアルミ
ナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を投入すること
によりスラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%に調整
し、排滓に伴う鉄分の損失を抑えた例である。図1に示
した溶融還元炉9に酸化鉄含有原料、炭材及び副原料等
をホッパから投入し、炉上方より酸素を吹き込み吹錬
し、溶銑(C:4.2wt%)40tとスラグ(CaO/
SiO2 =1.1、Al2 O3 :14wt%、MgO:1
5wt%、FeO:4wt%)13tを製造する。
でアルミナとシリカの比が0.4以下の炭材及びアルミ
ナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を投入すること
によりスラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%に調整
し、排滓に伴う鉄分の損失を抑えた例である。図1に示
した溶融還元炉9に酸化鉄含有原料、炭材及び副原料等
をホッパから投入し、炉上方より酸素を吹き込み吹錬
し、溶銑(C:4.2wt%)40tとスラグ(CaO/
SiO2 =1.1、Al2 O3 :14wt%、MgO:1
5wt%、FeO:4wt%)13tを製造する。
【0014】次に、ホッパ4を通してアルミナとシリカ
の比が0.19のLemington炭15t(300
kg/t−溶銑に相当)、ホッパ3を通してアルミナ含有量
0.3wt%のMBR鉱石20t(400kg/t−溶銑に相
当)、副原料投入用ホッパ1を通して生石灰1.7t、
珪石0.5tを炉内に投入し、吹錬を継続する。スラグ
中のアルミナ濃度は11wt%に低下し、スラグ中の酸化
鉄濃度を1.5wt%にすることができ、排滓に伴う鉄分
の損失を減少させることができた。この方法により1回
の操業(約1時間)で銑鉄約50tを製造することがで
きた。
の比が0.19のLemington炭15t(300
kg/t−溶銑に相当)、ホッパ3を通してアルミナ含有量
0.3wt%のMBR鉱石20t(400kg/t−溶銑に相
当)、副原料投入用ホッパ1を通して生石灰1.7t、
珪石0.5tを炉内に投入し、吹錬を継続する。スラグ
中のアルミナ濃度は11wt%に低下し、スラグ中の酸化
鉄濃度を1.5wt%にすることができ、排滓に伴う鉄分
の損失を減少させることができた。この方法により1回
の操業(約1時間)で銑鉄約50tを製造することがで
きた。
【0015】(実施例3)通常原料を使用した操業を行
っている最中にスラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超え、
スラグのフォーミングを起こした場合にスラグ中のアル
ミナ濃度を5〜11wt%に調整しスラグのフォーミング
を抑えた例である。通常原料を使用した操業を行い銑鉄
20tを製造した時点でスラグ中の酸化鉄濃度が10wt
%になりスラグのフォーミングが起こった。
っている最中にスラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超え、
スラグのフォーミングを起こした場合にスラグ中のアル
ミナ濃度を5〜11wt%に調整しスラグのフォーミング
を抑えた例である。通常原料を使用した操業を行い銑鉄
20tを製造した時点でスラグ中の酸化鉄濃度が10wt
%になりスラグのフォーミングが起こった。
【0016】この時のスラグ中のアルミナ濃度は14wt
%であったため生石灰と珪石をCaO/SiO2 が変化
しないようにホッパ1から投入するとともに通常の炭材
からアルミナとシリカの比が0.30のCoal Va
lley炭に切り換え20t(400kg/t−溶銑に相
当)ホッパ4から投入し、操業を継続することによりス
ラグ中のアルミナ濃度を10wt%まで低下させた。これ
によりスラグ中の酸化鉄濃度は3.5wt%まで低下しス
ラグのフォーミングを抑制することができた。このとき
酸化鉄含有原料の投入速度を低下させることがないため
生産性を下げなかった。
%であったため生石灰と珪石をCaO/SiO2 が変化
しないようにホッパ1から投入するとともに通常の炭材
からアルミナとシリカの比が0.30のCoal Va
lley炭に切り換え20t(400kg/t−溶銑に相
当)ホッパ4から投入し、操業を継続することによりス
ラグ中のアルミナ濃度を10wt%まで低下させた。これ
によりスラグ中の酸化鉄濃度は3.5wt%まで低下しス
ラグのフォーミングを抑制することができた。このとき
酸化鉄含有原料の投入速度を低下させることがないため
生産性を下げなかった。
【0017】(比較例1)溶銑(C:4.2wt%)50
tとスラグ(CaO/SiO2 =1.2、Al2O3 :
15wt%、MgO:15wt%、FeO:4wt%)19t
を製造した後、鉄鉱石の供給を止めて吹錬を続けた。そ
の結果、スラグ中の酸化鉄濃度は1.5wt%に低下した
ものの、1回の操業に1.5時間かかり生産性が低下し
た。
tとスラグ(CaO/SiO2 =1.2、Al2O3 :
15wt%、MgO:15wt%、FeO:4wt%)19t
を製造した後、鉄鉱石の供給を止めて吹錬を続けた。そ
の結果、スラグ中の酸化鉄濃度は1.5wt%に低下した
ものの、1回の操業に1.5時間かかり生産性が低下し
た。
【0018】(比較例2)溶銑(C:4.5wt%)25
tとスラグ(CaO/SiO2 =1.2、Al2O3 :
15wt%、MgO:15wt%、FeO:4wt%)9tを
製造した後、ホッパ4を通してアルミナとシリカの比が
0.30のCoal Valley炭30t、ホッパ5
を通してアルミナ含有量0.40wt%のMBR鉱石33
t、副原料投入用ホッパ1を通して生石灰と珪石を炉内
に投入し、吹錬を継続した。副原料を過剰に投入した結
果、スラグ中のアルミナ濃度は3.5wt%となり、スラ
グ中の酸化鉄濃度は0.5wt%に低下したが、スラグ粘
度が増大し、排滓が困難であった。
tとスラグ(CaO/SiO2 =1.2、Al2O3 :
15wt%、MgO:15wt%、FeO:4wt%)9tを
製造した後、ホッパ4を通してアルミナとシリカの比が
0.30のCoal Valley炭30t、ホッパ5
を通してアルミナ含有量0.40wt%のMBR鉱石33
t、副原料投入用ホッパ1を通して生石灰と珪石を炉内
に投入し、吹錬を継続した。副原料を過剰に投入した結
果、スラグ中のアルミナ濃度は3.5wt%となり、スラ
グ中の酸化鉄濃度は0.5wt%に低下したが、スラグ粘
度が増大し、排滓が困難であった。
【0019】
【発明の効果】本発明方法によれば、スラグ中のアルミ
ナ濃度を5〜11wt%にすることにより、出銑量を低下
させずにスラグ中の酸化鉄濃度を減少させることがで
き、排滓に伴う鉄分の損失やスラグのフォーミングを抑
えることができる。
ナ濃度を5〜11wt%にすることにより、出銑量を低下
させずにスラグ中の酸化鉄濃度を減少させることがで
き、排滓に伴う鉄分の損失やスラグのフォーミングを抑
えることができる。
【図1】装入装置の概略図である。
【図2】スラグ中の酸化鉄濃度とアルミナ濃度の関係を
示す図表である。
示す図表である。
1 副原料投入用ホッパ 2 通常炭材用ホッパ 3 通常酸化鉄含有原料用ホッパ 4 Al2 O3 /SiO2 ≦0.4の炭材用ホッパ 5 Al2 O3 ≦1wt%の酸化鉄含有原料用ホッパ 6 ランス 7 スラグ 8 メタル 9 溶融還元炉
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融還元炉に酸化鉄含有原料、炭材及び
副原料を投入し、炉上方より酸素含有ガスを吹き込む鉄
浴式の溶融還元法において、アルミナとシリカの比が
0.4以下の炭材を200〜500kg/t−溶銑及び/ま
たはアルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含有原料を4
00〜1000kg/t−溶銑投入し、吹錬することにより
スラグ中のアルミナ濃度を5〜11wt%の範囲に調整す
ることを特徴とする溶融還元法。 - 【請求項2】 吹錬する純酸素または酸素を含むガス量
の60〜80wt%の吹錬が終了したとき、アルミナとシ
リカの比が0.4以下の炭材を200〜500kg/t−溶
銑及び/またはアルミナ含有量が1wt%以下の酸化鉄含
有原料を400〜1000kg/t−溶銑投入することを特
徴とする請求項1記載の溶融還元法。 - 【請求項3】 スラグ中の酸化鉄濃度が7wt%を超えた
とき、アルミナとシリカの比が0.4以下の炭材を20
0〜500kg/t−溶銑及び/またはアルミナ含有量が1
wt%以下の酸化鉄含有原料を400〜1000kg/t−溶
銑投入することを特徴とする請求項1記載の溶融還元
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6748094A JPH07278633A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 溶融還元法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6748094A JPH07278633A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 溶融還元法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278633A true JPH07278633A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=13346186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6748094A Withdrawn JPH07278633A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 溶融還元法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278633A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001055457A1 (de) * | 2000-01-28 | 2001-08-02 | Holcim Ltd. | Verfahren zum herstellen von puzzolanischen zumahlstoffen für die zementindustrie aus stahlschlacken unter verwendung eines reduzierenden metallbades |
-
1994
- 1994-04-05 JP JP6748094A patent/JPH07278633A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001055457A1 (de) * | 2000-01-28 | 2001-08-02 | Holcim Ltd. | Verfahren zum herstellen von puzzolanischen zumahlstoffen für die zementindustrie aus stahlschlacken unter verwendung eines reduzierenden metallbades |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4260414A (en) | Process for recovering and utilizing useful substances from molten metal produced during reduction treatment of steel slag | |
JP6451462B2 (ja) | クロム含有スラグからのクロム回収方法 | |
JP2000160233A (ja) | ステンレス鋼の脱硫精錬方法 | |
JP2947063B2 (ja) | ステンレス鋼の製造方法 | |
JPH0826431B2 (ja) | 低炭素フェロクロムの製造方法 | |
JPH07278633A (ja) | 溶融還元法 | |
JP3679475B2 (ja) | ステンレス粗溶鋼の精錬方法 | |
JP4192503B2 (ja) | 溶鋼の製造方法 | |
JP3158912B2 (ja) | ステンレス鋼の精錬方法 | |
KR102349427B1 (ko) | 전기로 슬래그를 이용한 고청정강 제조방법 | |
JP4364456B2 (ja) | ステンレス溶鋼の溶製方法 | |
JP3063537B2 (ja) | ステンレス鋼の製造方法 | |
JP3776778B2 (ja) | 溶鉄の脱バナジウム方法 | |
WO2003029498A1 (fr) | Procede de pretraitement de fer fondu et procede de raffinage | |
CN115491456B (zh) | 渣量超标铁水的转炉冶炼方法 | |
JP2001107124A (ja) | 溶銑の脱燐方法 | |
JP2882236B2 (ja) | ステンレス製造法 | |
JPH0967608A (ja) | ステンレス鋼の製造方法 | |
JP3414811B2 (ja) | 低合金鋼溶製時の精錬後スラグ中の残留合金成分回収方法 | |
JPH0438806B2 (ja) | ||
JPH10265827A (ja) | クロム含有鋼精錬スラグの再生利用方法および該スラグに含有される金属成分の回収利用方法 | |
JPH02163310A (ja) | 溶鉄の脱Cr方法 | |
JP2002060826A (ja) | 転炉型予備処理方法 | |
JPS63176403A (ja) | 高炉の低Si操業方法 | |
SU691497A1 (ru) | Способ выплавки стали |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010605 |