JPH07277964A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH07277964A
JPH07277964A JP9384094A JP9384094A JPH07277964A JP H07277964 A JPH07277964 A JP H07277964A JP 9384094 A JP9384094 A JP 9384094A JP 9384094 A JP9384094 A JP 9384094A JP H07277964 A JPH07277964 A JP H07277964A
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cancer
cancers
antitumor agent
antitumor
agent
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JP9384094A
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Kazue Igarashi
一衛 五十嵐
Akira Shirahata
晶 白幡
Kunihiko Koga
邦彦 古賀
Hisao Yokumoto
久雄 浴本
Tetsuyuki Saino
哲之 才野
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大腸癌、非小細胞肺癌、胃癌、メラノーマ及び
その他の難治性癌に対して抗腫瘍効果を示す抗腫瘍剤を
提供する。 【構成】本発明は下記式で表される 3,7,11,15,19-pent
a-azaheneicosane(BE3333) またはその塩を有効成分と
する抗腫瘍剤で、大腸癌、非小細胞肺癌、胃癌、メラノ
ーマ及びその他の難治性癌に対して静脈内投与、腹腔内
投与で高い増殖抑制効果を示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固型癌特に消化器癌、呼
吸器癌、性ホルモン依存性癌、より具体的には大腸癌、
非小細胞肺癌、胃癌、メラノーマ及びその他の難治性癌
に対して静脈内投与又は腹腔内投与により抗腫瘍効果が
期待される 3,7,11,15,19-ペンタ アザヘナイコサン(p
enta-azaheneicosane)又はその塩を有効成分とする抗腫
瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】固型癌例えば大腸癌、非小細胞肺癌、胃
癌、メラノーマ及びその他の難治性癌の癌患者に対する
従来の抗腫瘍剤は、DNA、RNA或いは細胞分裂を阻
害する事により抗腫瘍効果を発揮する薬剤がほとんどで
あった。これらの薬剤はそのメカニズムから宿主に対す
る副作用も強く臨床上の有用性が疑問視されることも生
じてきた。また、これら薬剤を投与することにより癌が
多くの薬剤に耐性となり効果が発揮されない問題も生じ
ている。
【0003】一方スペルミジン/スペルミンN1 −アセ
チルトランスフェラーゼ活性は細胞の増殖に関与してい
ることが知られており、N,N1 −ビスエチルスペルミ
ン類、例えばN1 ,N11−ビス(エチル)ノルスペルミ
ン(BENSPM:BE333) および3,7,11,15,19- ペンタ アザ
ヘナイコサン(BEPH:BE3333) などがチャイニーズ ハム
スター卵巣細胞におけるスペルミジン/スペルミンN1
−アセチルトランスフェラーゼ活性を高めることはバイ
オヘミー・ジャーナル(Biochem.J.)(1990)Vol.267,P33
1-338 により知られている。またBENSPM(BE:333)および
1 ,N12−ビス(エチル)ノルスペルミン(BESPM:BE3
43) などの化合物が、培養ヒトメラノーマ細胞(MALME-
3) を移植したマウスで腫瘍の生長を抑制することもし
られている(カンサー リサーチ(cancer recearch)Vo
l,52,P2424-2430(1992)) 。しかし本発明で使用する3,
7,11,15,19- ペンタ アザヘナイコサン(BEPH:BE3333)
についての抗腫瘍作用については知られていない。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、固型癌例え
ば消化器癌、呼吸器癌より具体的には大腸癌、非小細胞
肺癌又は胃癌、およびメラノーマ及びその他の難治性癌
に対して、優れた抗腫瘍効果を示す抗腫瘍剤を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究の結果、式Aで示される3,7,11,1
5,19- ペンタ アザヘナイコサン(penta-azaheneicosan
e)が種々の固形癌に対して高い抗腫瘍効果を示す事を見
出した。即ち、本発明は 1.下記式Aで表される3,7,11,15,19- ペンタ アザヘ
ナイコサン(penta-azahineicosane)(L以下BE3333と略
す)またはその塩を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0006】
【化2】
【0007】本発明の抗腫瘍剤は、消化器癌治療剤、呼
吸器癌治療剤、性ホルモン依存性治療剤、悪性メラノー
マ治療剤などとして有用である。
【0008】本発明に於ける塩としては、酸と塩を作る
薬学的に許容される塩があげられ、塩酸塩、リン酸塩、
硫酸水素塩などの無機酸塩、酢酸塩、グルタール酸塩等
の有機酸塩があげられる。本発明のBE3333は、BERGERON
ら(Biochem.J. 267 331-338,1990) により最初に報告さ
れているポリアミン代謝酵素スペルミジン/スペルミン
アセチルトランスフェラーゼの誘導活性を有すること
が公知の化合物である。BE3333は、例えばN−(3−ブ
ロモプロピル)フタルイミド及びベンジルアミンを原料
化合物に用い公知の方法により製造、入手することがで
きる(Cancer Research 53,3948-3955,1993;J.Med-Che
m.,31,1183〜1190,1988;Chem.Pharm.Bull.,34,1032-103
8,1986)
【0009】本発明の抗腫瘍剤は特に固型癌に対して優
れた抗腫瘍作用を示し、固型癌治療剤として用いること
ができる。固型癌としては消化器系癌、性ホルモン依存
性癌、呼吸器癌、悪性メラノーマ腫などがあげられ、よ
り具体的には、消化器癌としては、胃癌、大腸癌、肝臓
癌、膵臓癌、直腸癌などがあげられ、性ホルモン依存性
癌として乳癌、前立腺癌など、呼吸器癌としては肺癌特
に非小細胞肺癌例えば肺大細胞癌、肺偏平上皮癌などが
あげられ、本発明の抗腫瘍剤はこれらの癌の治療剤とし
て有用である。
【0010】本発明の抗腫瘍剤を医薬品として使用する
場合の投与方法及び製剤化は従来公知の種々の方法が適
用できる。即ち、投与方法は静注、筋注等の非経口的投
与法が可能である。製剤形態としては注射剤又は凍結乾
燥剤の形態がとりえる。製剤化に際しては、主薬に悪影
響を与えない限り、医薬品に用いられる種々の補助剤、
即ち、担体やその他の助剤、例えば安定化剤、防腐剤、
無痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されうる。
【0011】製剤においてBE3333又はその塩の含量は製
剤形態により広範囲に変えることが可能であり、一般に
はBE3333又はその塩を0.01〜100 %(重量)、好ましく
は、0.1 〜 50 %(重量)含有し、残りは通常の医薬用
に使用される担体やその他の補助剤からなる。BE3333又
はその塩の投与量は症状等により異なるが成人1人1日
当たり25〜250mg 程度である。以下に実験例及び製剤例
を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0012】
【作用】
試験例1 ヌードマウス皮下に移植したヒト大腸癌SW620,ヒト肺大
細胞癌Lu65、ヒト肺扁平上皮癌LC-1, Lu61、ヒト胃癌SC
-6, ヒトメラノーマSEKIに対するBE3333及びBE333(N,N'
-bis(ethyl)norspermine)(Cancer Research 52,2424-24
30,1992)の増殖抑制効果を調べた。 試験方法 各種ヒト腫瘍のフラグメントをヌードマウスの皮下に移
植した。被検薬として用いたBE3333及びBE333 は生理食
塩水に溶解し、腫瘍の体積が約100mm3になったところで
投与を開始した。BE3333の一日あたりの投与量は、静脈
内投与の場合 30mg/kg(マウス体重)、腹腔内投与の場
合 50mg/kg(マウス体重)BE333 の一日あたりの投与量
は、静脈内投与の場合60mg/kg (マウス体重)、腹腔内
投与の場合120mg/kg(マウス体重)とし、5日間連日投
与を行った。増殖抑制作用の評価は各実験群の投与開始
日の腫瘍体積に対する平均体積比を求め、対照群(n=4〜
5)の値に対する投与群(n=4〜5)の値の比率(T/C(%))から
判定した。
【0013】試験結果 表1から明らかなようにBE3333は各種ヒト腫瘍に対し
て、静脈内投与及び腹腔内投与において優れた増殖抑制
効果を示した。特に消化器癌である胃癌、大腸癌、非小
細胞肺癌である肺大細胞癌、肺扁平上皮癌およびメラノ
ーマ腫に対して優れた抗腫瘍作用を示し、抗腫瘍作用の
知られているBE333 の半分もしくはそれ以下の投与量
で、1.5倍〜2倍以上の抗腫瘍作用を示し、これらの
癌に対する優れた治療剤として使用することができる。
【0014】
【表1】 表1 各種ヒト腫瘍/ヌードマウスに対するBE3333及びBE333 の増殖抑制効果 ────────────────────────────────── 最小(Minimun)T/C(%) ──────────────────── 腫瘍名 静脈内投与 腹腔内投与 ──────── ───────── BE3333 BE333 BE3333 BE333 (30mg/kg)(60mg/kg) (50mg/kg)(120mg/kg) ─────────────────────────────────── SW620 大腸癌 28.6 79.7 31.3 46.5 Lu65 肺大細胞癌 22.7 69.3 12.2 − LC-1 肺扁平上皮癌 20.2 35.2 − − Lu61 肺扁平上皮癌 21.9 33.8 − − SC-6 胃癌 32.0 110.1 23.4 49.6 SEKI メラノーマ 36.9 81.5 29.8 49.3 ─────────────────────────────────── −:試験せず
【0015】試験例2 ヌードマウスにおけるBE3333の急性毒性試験を行った。 試験方法 ヌードマウスに、BE3333を単回又は5日間静脈内又は腹
腔内投与して致死毒性を検討した。 結果 静脈内投与の場合、1回の投与量が50mg/kg 以上の単回
投与では死亡が認められたが、30mg/kg 以下の単回投与
では死亡は認められなかった。この時体重減少は殆ど見
られなかった。同様の結果は5日間連日静脈内投与でも
認められた。また、腹腔内投与の場合、1回の投与量が
50mg/kg 以下の単回投与では死亡は認められず、体重減
少も認められなかった。5日間連日腹腔内投与すると、
死亡は認められなかったが体重減少は見られ、1回の投
与量50mg/kg 、総投与量250mg/kgが投与可能な最高量と
考えられた。このように毒性が比較的低いことから、安
全域の広い抗腫瘍剤として期待される。
【0016】製剤例(注射用製剤)成分 BE3333 10g グルコース 50g 上記の割合で二者を無菌的に混合した後、1000mlの注射
用蒸留水もしくは生理食塩水に溶解または懸濁し、5ml
づつバイアル瓶に分注して、無菌的に凍結乾燥した。
【0017】
【発明の効果】本発明のBE3333は、難治性の各種固形癌
に対して強い増殖抑制効果を示し、なおかつ毒性の弱い
抗腫瘍剤として期待される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式Aで表される 3,7,11,15,19-ペンタ
    アザヘナイコサン(penta-azaheneicosane)またはそ
    の塩を有効成分とする抗腫瘍剤 【化 1】
  2. 【請求項2】消化器癌治療剤である請求項1記載の抗腫
    瘍剤
  3. 【請求項3】非小細胞肺癌治療剤である請求項1記載の
    抗腫瘍剤
  4. 【請求項4】胃癌治療剤又は大腸癌治療剤である請求項
    1記載の抗腫瘍剤
  5. 【請求項5】メラノーマ治療剤である請求項1記載の抗
    腫瘍剤
  6. 【請求項6】性ホルモン依存性癌治療剤である請求項1
    記載の抗腫瘍剤
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