JPH07277952A - 光化学反応による、化学療法剤の担体への固定化方法とその担 体を用いた負に帯電した生理活性物質の吸着除去方法および定 量方法。 - Google Patents

光化学反応による、化学療法剤の担体への固定化方法とその担 体を用いた負に帯電した生理活性物質の吸着除去方法および定 量方法。

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JPH07277952A
JPH07277952A JP6100525A JP10052594A JPH07277952A JP H07277952 A JPH07277952 A JP H07277952A JP 6100525 A JP6100525 A JP 6100525A JP 10052594 A JP10052594 A JP 10052594A JP H07277952 A JPH07277952 A JP H07277952A
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Masashi Funayama
政志 船山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光化学反応による、化学療法剤の担体への固定
化方法とその担体を用いた、負に帯電した生理活性物質
の吸着除去方法および定量方法を提供する。 【構成】光化学反応により、化学療法剤を固定化した担
体および測定試薬よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光化学反応により化学
療法剤を固定化した不溶性担体と、それを用いた核酸関
連物質等の負に帯電した生理活性物質の吸着除去方法お
よび定量方法、更にまた、前記担体に負に帯電したリガ
ンドを結合させ、そのリガンドに結合する検体の定量方
法に関する。
【従来の技術】
【0002】従来、核酸塩基、ヌクレオチド等は、スチ
レン系のイオン交換樹脂により分離、吸着が行なわれて
いる。ヌクレオチドよりも大分子量のオリゴヌクレオチ
ドは、架橋デキストランイオン交換樹脂等で吸着除去が
行なわれている。これらの吸着の機序は、前記の核酸関
連物質のリン酸エステル基の電荷を標的としたイオン交
換モードによるものである。一方、大分子量の核酸関連
物質は、アガロース系または、合成高分子系のゲル濾過
剤およびイオン交換体により分離が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、これらのイ
オン交換樹脂では、分子量が100万以上の巨大なDN
A等を処理する場合には、充分な吸着除去が期待できな
い。即ち、市販のイオン交換樹脂では、孔径が小さ過ぎ
る為、被吸着物質が細孔の内部に侵入できず、細孔内部
のイオン交換基が活用されない為、細孔外部のイオン交
換基が有効に活用されても、吸着容量が極端に小さくな
る。この問題を解決する為、細孔内部のイオン交換基を
なくし、細孔外部のイオン交換基を増やす方法が考案さ
れている。しかしながら、この方法は、イオン交換体の
粒子径を均一なものにすること、樹脂を充填したカラム
に高圧をかける必要があること等、実用性にかける欠点
がある。イオン交換法以外の核酸関連物質の分離、除去
方法には、炭素数18または5の脂肪球を球状シリカ担
体にエステル結合させたカラムを用いた高速液体クロマ
トダラフィー法、アガロースゲルを用いた電気泳動法が
あるが、大量処理には不向きで、これらの核酸関連物質
の大量処理には、処理時間の長い超遠心分離法により行
なわれている。
【0004】ところで、従来、エンドトキシンの吸着除
去には、ポリミキシンB及び、アミノグリコシド系抗生
物質を共有結合させた担体が使用されてきた。これらの
担体の欠点は、リガンドである抗生物質の剥離であっ
た。本発明の発明者は、既に、前記のリガンド剥離の欠
点を克服すべく、光反応により、抗生物質を担体に結合
させる方法を考案し、出願に及んだ。本発明の発明者は
また、抗生物質を共有結合させた担体が核酸等の負に帯
電した物質を吸着することを見い出し出願に及んでい
る。今回、本発明の発明者は、光反応により化学療法剤
を共有結合させた担体が、核酸等の負に帯電した生理活
性物質を特異的に吸着することを見い出し、出願に及ん
だ。しかも、当該担体の吸着活性は従来品を遥かに凌ぐ
ものであり、リガンドの脱離量も殆ど認められない(検
出限界以下)ものである。すなわち、本発明は第一に、
従来の課題であるリガンド剥離の問題を克服し、遺伝子
組み替え技術等により生産された生理活性物質から、核
酸関連物質等の負に帯電した生理活性物質を安全確実に
分離除去する方法を提供することに関する。第二に、前
記方法により捕捉した生理活性物質を定量する方法に関
する。
【課題を解決するための手段】
【0005】従来の担体へのリガンドの固定化方法に
は、 1)リガンドが部分的な修飾を受けることにより、リガ
ンドの高次構造や活性中心等が部分的に破壊される恐れ
がある。 2)リガンドの自由な動きが制限されることにより、被
検検体との相互作用が起こりにくくなり、その結果リガ
ンドの活性の低下が起こる。 3)リガンドに優れた活性と安定性を与える固定化条件
を見つけることが困難である。 4)リガンドを非特異吸着により固定化した場合には、
リガンドが剥離し易い。等の欠点があった。 一方、フェニルアジド基は、紫外線照射により高反応性
の中間体であるナイトレンを経由し、近傍の炭素等と共
有結合することが知られている(吉本薫:フォトポリマ
ーハンドブック:工業調査会1989)。また、人工臓
器に生体適合性を付与する方法として、材料表面の改質
方法(特願、平2−206573)が知られている。同
方法は、デバイスの表面にアジド基を介して、アルブミ
ン等の蛋白質を共有結合させることにより、生体適合性
を付与する方法である。
【0006】本発明の発明者は、このフェニルアジド基
の紫外線照射法を、化学療法剤の強固な結合に応用する
ことを考案した。即ち、本発明の発明者は、リガンドの
固定化について鋭意検討した結果、 a)不溶性担体の表面にアジド基を有するポリマー等を
塗布した後、被固定化化学療法剤を塗布し、更に、光を
照射することことからなる化学療法剤の固定化方法。 b)不溶性担体の表面にo−ニトロベンジルエステル基
を持つ共重合体の薄膜を形成した後、光照射によりカル
ボキシル基を生成させ、更に、水溶性縮合剤を用いて化
学療法剤を化学結合させる方法とからなる化学療法剤の
固定化方法。 c)リン酸緩衝液中でp−azidobenzoylo
xy succinimideと反応させることによ
り、フェニルアジド基を導入した化学療法剤を被固定化
担体に塗布した後、更に、光を照射することことからな
る化学療法剤の固定化方法。 によりリガンドである化学療法剤を担体に容易に、強固
に固定化できることを発見し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の効果】本発明は、 a)不溶性担体の表面にアジド基を有するポリマー等を
塗布した後、被固定化化学療法剤を塗布し、更に、光を
照射することことからなる化学療法剤の固定化方法。 b)不溶性担体の表面にo−ニトロベンジルエステル基
を持つ共重合体の薄膜を形成した後、光照射によりカル
ボキシル基を生成させ、更に、水溶性縮合剤を用いて化
学療法剤を化学結合させる方法とからなる化学療法剤の
固定化方法。 c)リン酸緩衝液中でp−azidobenzoylo
xy succinimideと反応させることによ
り、フェニルアジド基を導入した化学療法剤を被固定化
担体に塗布した後、更に、光を照射することことからな
る化学療法剤の固定化方法。 d)a)またはb)またはc)の方法により、化学療法
剤を固定化したことを特徴とする不溶性担体。 e)a)またはb)またはc)の方法により、調製した
不溶性担体を用いて、負に帯電した生理活性物質を捕捉
する方法。 f)a)またはb)またはc)の方法により、調製した
不溶性担体を用いて、負に帯電した生理活性物質を捕捉
した後、定量する方法。 g)a)またはb)またはc)の方法により、化学療法
剤を固定化したことを特徴とする実験器具。 h)a)またはb)またはc)の方法により、化学療法
剤を固定化し、更に負に帯電したリガンドを結合させた
ことを特徴とする実験器具。 i)h)記載の不溶性担体を用いて、リガンドに結合す
る検体を定量する方法。 よりなる。本発明に関わる固定化方法により、化学療法
剤の活性を失うことなく、化学療法剤を容易に、堅固に
固定化することが可能になる。また、核酸関連物質等の
負に帯電した物質を分離除去する方法を提供することが
可能になる。更にまた、前記担体に、負に帯電したリガ
ンドを固定化することにより、更に、それに結合する物
質を定量することが可能となる。
【0008】本発明では、最初に担体表面にアジド基を
有するポリマーや、低分子化合物を塗布する。使用する
ポリマーとしては、アジド基を導入したスチレン、アジ
ド基を含有するメタクリレート類等のビニルモノマー単
独重合体、アジド基含有モノマーとスチレン、アクリル
アミド等のアジド基を含有しないビニルモノマーとの共
重合体が考えられるが、安定性を考慮すると、スチレ
ン、メチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミドと
の共重合体が特に好ましい。これらの共重合体における
アジド基の割合は、モル比で10〜20%存在すること
が好ましい。前記ポリマーの分子量は、数平均分子量で
100,000以上であることが好ましい。また、アジ
ド基を有する低分子化合物としては、ビスアジド化合物
や、イオン性基等が考えられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。これらのアジド基を有する低分
子化合物では、化学療法剤を安定に固定化させる為に、
アジド基を2個以上含有することが望まれる。化学療法
剤を固定化する材料としては、プラスチック、ガラス、
セラミック、繊維、紙、合成紙、中空糸、金属等が考え
られるが、これらに限定される訳ではなく、また、それ
らの形状、表面の状態等には、何等制限はない。
【0009】アジド基有する化合物は、ポリマーでも、
低分子化合物であっても、揮発性有機溶媒に溶解し、被
固定化表面に塗布、乾燥することにより実施することが
可能である。塗布により、形成される皮膜の厚さは、ポ
リマーの場合は、0.1〜3.0マイクロメーターであ
ることが好ましい。低分子の場合は、分子層が複数にな
る様に塗布することが好ましい。本発明によって固定化
される化学療法剤は、ベーターラクタム系抗生物質、ア
ミノグリコシド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物
質、マクロライド系抗生物質、ポリミキシン系抗生物
質、グラミシジン系抗生物質、バンコマイシン、リファ
ンピシン、サイクロセリン、グリセオフィルビン、トリ
コマイシン、ブラスチサイジンS、アクチノマイシン
D、クロモマイシンA、マイトマイシンC、ブレオマ
イシン、スルフォンアミド、P−アミノサリチル酸、イ
ソニコチン酸、ピリメタミン、プロメタミン、トリメト
プリム、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、6
−メルカプトプリン、ピリドンカルボン酸系合成抗菌
剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の中から選択することが好
ましい。これらの化学療法剤を被固定化担体に存在させ
る方法には、有機溶媒に溶解して被固定化担体に塗布す
る方法、化学療法剤の水溶液、コロイド溶液または懸濁
液に、被固定化担体を浸漬し、化学療法剤を被固定化担
体に吸着させる方法等が考えられる。
【0010】次に、化学療法剤の存在する被固定化担体
に紫外線を照射することにより、短時間で固定化が完了
する。使用される光源としては、水銀灯等が考えられ
る。化学療法剤の水溶液、コロイド溶液または懸濁液
に、被固定化担体を浸漬し、化学療法剤を被固定化担体
に吸着させた後に紫外線を照射する場合には、必ずしも
溶液を乾燥させる必要はない。紫外線照射に特に限定さ
れる条件はないが、被固定化化学療法剤を防御する為に
は、320nmよりも長波長の光を照射することが好ま
しい。紫外線を照射した後、固定化されなかった化学療
法剤は洗浄により除去する。洗浄に使用される溶媒にも
特に制限はないが、水、メタノールであることが好まし
い。被固定化担体が溶解しない様な有機溶媒を使用する
ことも可能である。
【0011】以上の操作からなる本発明によれば、化学
療法剤と塗布したポリマー間との共有結合、更に、塗布
したポリマー間とポリマー内との架橋が生成する為、被
固定化担体が安定して存在し続ける。被固定化担体がプ
ラスチックの場合には、被固定化担体の表面と塗布した
化学療法剤との間に共有結合が生成する為、被固定化担
体が更に安定して存在し続ける。アジド基を有する化合
物が低分子化合物である場合にも、化学療法剤と塗布し
た低分子化合物間との共有結合、更に、塗布した低分子
化合物間の架橋が生成する為、被固定化担体が安定して
存在し続ける。
【0012】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
本発明は実施例により、何ら限定されるものではない。 《実施例1.》 i)アジドスチレンの合成 エタノール−濃塩酸混液20mlに、3−ニトロスチレ
ン5gを懸濁させ、更に、エタノールに溶解したSnC
2HO溶液を激しく攪拌しながら添加し、室温で
一夜、反応させた。NaOHにより中和し、固体成分を
濾別し、濾液より生成物をエーテル抽出した。エーテル
層をMgSOで乾燥した後、濃硫酸を加え、中間体を
得た。同中間体を10%硫酸溶液10mlに溶解、氷冷
し1NのNaNO水溶液を添加した。2時間後に、N
aN水溶液を添加し、室温に戻した後、3時間攪拌し
た。酢酸エチルにより抽出し、抽出液を0.1NNaH
CO水溶液と精製水で洗浄し、MgSOを添加し、
乾燥した。溶媒を留去し、クロロホルム/ヘキサン(1
/4)混合溶媒に溶解し、シリカゲルカラムで精製し
た。溶媒を留去し、3−アジドスチレンを得た。 ii)アジドスチレン−スチレン共重合体の合成 アジドスチレン1モルとスチレン4モルとをベンゼンで
5倍に希釈し、0.01当量のN,N’−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)を添加、脱気、封管し、6
0℃で4時間重合した。放冷後、メタノール中に往ぎ、
沈殿したアジドスチレン−スチレン共重合体を回収し
た。得られた共重合体の数平均分子量は、10万であっ
た。 iii)ストレブトマイシン固定化PETフィルムの調
製 前記方法により合成したアジドスチレン−スチレン共重
合体アセトンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶液
100mlを1mのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムの両面に塗布、乾燥し、アジドスチレン
−スチレン共重合体の皮膜を形成した。リン酸緩衝液に
1%の割合で溶解したストレプトマイシン溶液に、前記
処理をしたPETフィルムを1時間浸漬し、ストレプト
マイシンを吸着させ、高圧水銀灯を用いて、紫外線を1
分間照射した。次に、当該PETフィルムを精製水で水
洗、乾燥した。
【0013】《実施例2.》 ストレプトマイシン固定化PETフィルムを用いた核酸
の吸着 実施例1.で調製したストレプトマイシン固定化PET
フィルムを1cm四方に切断した後、1N NaOH
で洗浄し、更に、パイロジェンフリーの精製水で充分に
洗浄、乾燥し、パイロジェンフリーのカラムに充填し
た。次に、パイロジェンフリーの10mMトリス塩酸緩
衝液(以下A液)で安定化させた。次に、100μg/
mlの濃度に調製したラムダ−DNA(48,502b
P、分子量約3,200万)を前記カラムにapply
し、流速0.1ml/minで流下させた。流出液を2
mlづつ分画し、各画分について260nmの吸光度を
測定した。流出液の吸光度がapplyした溶液の吸光
度と同じになった時点でカラムへの通液を停止した。次
に、前記カラムに、A液に塩化ナトリウム1Mを添加、
調製した溶液を通液させ、流速0.1ml/minで流
下させ、ラムダ−DNAの溶離を行なった。溶離液は2
mlづつ分画し、各画分について260nmの吸光度を
測定した。溶離液の吸光度が0になった時点で通液を停
止した。各画分の液量と260nmの吸光度とからラム
ダ−DNAの吸着容量と回収率を算出した。その結果、
ラムダ−DNAの吸着容量は、490μg/ml、回収
率は98%であった。
【0014】《実施例3.》 i)アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレートの合
成 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100mlに
p−アジド安息香酸10gを溶解、氷冷し、トリエチル
アミン8.5mlを添加し、更に、クロロ蟻酸イソブチ
ル8.3mlを添加した。次に、DMF300mlにヒ
ドロキシルエチルメタクリレート5.2mlを溶解し、
前記溶液に添加し、60℃で5時間攪拌した。溶媒を留
去し,酢酸エチルを添加、抽出し、10%クエン酸水溶
液、精製水、4%NaHCO水溶液で順次洗浄し、無
水NaSOを添加、乾燥した。溶媒を留去した後、ク
ロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムで精製した。溶
媒を留去し、アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレ
ートを得た。 ii)アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレート−
メチルメタクリレート共重合体の合成 前記方法により合成したアジドベンゾイルオキシエチル
メタクリレート1molとメチルメタクリレート4mo
lとをDMFで2倍に希釈し、0.01等量のAIBN
を添加、脱気、封管し、60℃で3時間重合した。冷却
後、大量のエチルエーテルに注ぎ、沈殿したアジドベン
ゾイルオキシエチルメタクリレート−メチルメタクリレ
ート重合体を得た。得られた共重合体の数平均分子量は
15万であった。 iii)アクチノマイシンD固定化マイクロプレートの
調製 前記方法により合成したアジドベンゾイルオキシエチル
メタクリレート−メチルメタクリレート共重合体をアセ
トンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶液各30μ
lをマイクロプレートの1穴毎に塗布、乾燥し、アジド
ベンゾイルオキシエチルメタクリレート−メチルメタク
リレート共重合体の皮膜を形成した。前記処理をしたマ
イクロプレートの各穴に、リン酸緩衝液に1%の割合で
溶解したアクチノマイシンD溶液200μlを添加し、
アクチノマイシンDを吸着させ、電子線加速器(加速電
圧2MeV、電子線電流1mA)を用いて、電子線を3
0秒間照射した。次に、当該マイクロプレートを精製水
で水洗、乾燥した。
【0015】《実施例4.》 ラムダ−DNAの定量 実施例3で調製したアクチノマイシンD固定化マイクロ
プレートを用いて、ラムダ−DNAの定量を行なった。
すなわち、アクチノマイシンD固定化マイクロプレート
の各穴に、被検検体200ulを分取し、37℃で30
分間反応させた。次に、マイクロプレートの各穴をリン
酸緩衝液200μlで3回洗浄した。次に、マイクロプ
レートの各穴に酵素標識抗ラムダ−DNA抗体溶液20
0μlを分注し、37℃で30分間反応させた。30分
後、マイクロプレートの各穴をリン酸緩衝液200μl
で3回洗浄した。次に、マイクロプレートの各穴に酵素
基質液200μlを分注し、37℃で30分間反応させ
た。30分後、マイクロプレートの各穴に反応停止液1
00μlを分注し、反応を停止した。プレートリーダー
により、各穴の吸光度を測定した。標準ラムダ−DNA
を用いて同様の操作を行ない、検量線を描き、ラムダ−
DNA値を求めた。
【0016】《実施例5.》 アミカシン固定化マイクロプレートの調製 ラジカル重合により、2−(4−アジドベンゾイルオキ
シ)エチルメタクリレート:スチレン:o−ニロベンジ
ルアクリレートの三元共重合体(仕込モル比3:6:
1)(以下PASN)を合成した。マイクロプレートの
各穴に、前記PASNを塗布、薄膜を形成した後、紫外
線を照射した。次にマイクロプレートの各穴に、1%の
アミカシンと水溶性カルボジイミドを含有するリン酸緩
衝液200μlを添加し、37℃で16時間反応させ
た。次にマイクロプレートの各穴を1MのNaCl水溶
液およびリン酸緩衝液で洗浄した。
【0017】《実施例6.》 DNAの定量 実施例5で調製したマイクロプレートの各穴を1NのN
aOH溶液で処理した後、パイロジェンフリーの精製水
で充分に洗浄し、無菌的に乾燥した。当該マイクロプレ
ートの各穴に、ヒト癌壊死因子(TNF)ポリペプチド
含有大腸菌(E.coli HB101/pH TR−
91)の菌体を破砕、遠心分離して得た上清200μl
を無菌的に分取し、37℃で30分間反応させた。30
分後にヒト血清を吸引除去し、マイクロプレートの各穴
をリン酸緩衝液200μlで3回無菌的に洗浄した。次
に、マイクロプレートの各穴に酵素標識抗核酸抗体(コ
スモバイオ社製MO−SU1)溶液200μlを添加
し、37℃で30分間反応させた。30分後、マイクロ
プレートの各穴をリン酸緩衝液200μlで3回洗浄し
た。次に、マイクロプレートの各穴に酵素基質液200
μlを分注し、37℃で30分間反応させた。30分
後、マイクロプレートの各穴に反応停止液を添加し、プ
レートリーダーで吸光度を測定した。ヒトDNAを用い
て同様の操作を行ない、描いた検量線からヒトDNA濃
度を求めた。
【0018】《実施例7.》 Poly(I)Poly(C)結合ビーズの調製 前記方法により合成したアジドベンゾイルオキシエチル
メタクリレート−メチルメタクリレート共重合体をアセ
トンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶液にエンザ
イムイムノアッセイ用ビーズを浸漬し、乾燥し、アジド
ベンゾイルオキシエチルメタクリレート−メチルメタク
リレート共重合体の皮膜を形成した。リン酸緩衝液に1
%の割合で溶解したストレプトマイシン溶液に、前記処
理をしたエンザイムイムノアッセイ用ビーズを1時間浸
潰し、ストレプトマイシンを吸着させ、高圧水銀灯を用
いて、紫外線を1分間照射した。次に、エンザイムイム
ノアッセイ用ビーズを精製水で水洗、乾燥した。続い
て、前記操作を行なったエンザイムイムノアッセイ用ビ
ーズを1%Poly(I)Poly(C)溶液に浸漬
し、エンザイムイムノアッセイ用ビーズにPoly
(I)poly(C)を結合させた。
【0019】《実施例8.》実施例7で調製したエンザ
イムイムノアッセイ用ビーズを1NのNaOH溶液で処
理した後、パイロジェンフリーの精製水で充分に洗浄し
た。小試験管にPBS緩衝液2mlとインターフェロン
投与後に採血したヒト血清200μlを分取し、前記エ
ンザイムイムノアッセイ用ビーズ1個を取り、37℃で
30分間反応させた。30分後に緩衝液を吸引除去し、
エンザイムイムノアッセイ用ビーズをリン酸緩衝液2m
lで3回洗浄した。次に、前記各小試験管にATP含有
2’,5’オリゴアデニル酸合成酵素産生溶液2mlを
添加し、37℃で90分間反応させた。90分後、AT
P含有2’,5’オリゴアデニル酸合成酵素産生溶液を
吸引除去した。続いて、前記操作をした小試験管に酵素
標識抗2’,5’オリゴアデニル酸抗体溶液各2mlを
分取し、37℃で30分間反応させた。30分後、エン
ザイムイムノアッセイ用ビーズの入った小試験管をリン
酸緩衝液2mlで3回洗浄した。次に、新規に用意した
小試験管に酵素基質液2mlを分注し、前記操作をした
エンザイムイムノアッセイ用ビーズを入れ、37℃で3
0分間反応させた。30分後に反応停正液を添加し、各
々の試験管の溶液の吸光度を測定した。標準2’,5’
オリゴアデニル酸を用いて同様の操作を行ない、描いた
検量線から2’,5’オリゴアデニル酸合成酵素活性を
求めた。
【0020】《実施例9.》 ストレプトマイシン固定化PETフィルムを用いたDN
Aの吸着 実施例1.で調製したストレプトマイシン固定化PET
フィルムを1cm四方に切断した後、1N NaOH
で洗浄し、更に、パイロジェンフリーの精製水で充分に
洗浄、乾燥し、パイロジェンフリーのカラムに充填し
た。次に、パイロジェンフリーのリン酸緩衝液で安定化
させた。次に、250ng/mlの濃度に調製したCa
lf Thymus DNA(Pharmacia L
KB Biotechnology社製)を前記カラム
にapplyし、流速0.1ml/minで流下させ
た。流出液を2mlづつ分画し、各画分についてDNA
濃度を求めた。DNA濃度はバイオデバイス社製スレッ
シュホールドDNA検出システムにより測定した。その
結果、何れの画分のDNA濃度も1pg/ml以下であ
った。DEAE−Gelを用いて、同様にDNAの吸着
試験をおこなった。その結果、すべての画分をプールし
た溶液のDNA濃度は、197pg/mlであり、DN
Aのおよそ2割しか吸着しなかった。
【0021】《実施例10.》 RNAの定量 10%ウシ胎児血清を含むイーグルのミニマムエッセン
シャル培地を用いて、37℃で48時間培養したHel
a細胞(ATCC CCL2)懸濁液(2×10個の
細胞を含む)を処理してHela細胞抽出液を得た。次
に、50mlの遠沈管に、当該Hela細胞抽出液20
mlと、TNF溶液(3×10IRU/ml)1ml
と、実施例7で調製したPoly(I)Poly(C)
を結合させる前のビーズ20個とを4℃で2時間反応さ
せた。続いて、冷却遠心機を用いて、4℃3,000r
pmで10分間遠心分離し、上清を得た。当該上清につ
いて、RNA濃度およびTNAの力価を求めた。その結
果、RNA濃度は1pg/ml以下であり、TNA力価
の回収率は98%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/50 P

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性担体の表面にアジド基を有するポ
    リマー等を塗布した後、被固定化化学療法剤を塗布し、
    更に、光を照射することことからなる化学療法剤の固定
    化方法。
  2. 【請求項2】 不溶性担体の表面にo−ニトロベンジル
    エステル基を持つ共重合体の薄膜を形成した後、光照射
    によりカルボキシル基を生成させ、更に、水溶性縮合剤
    を用いて化学療法剤を化学結合させる方法とからなる化
    学療法剤の固定化方法。
  3. 【請求項3】 リン酸緩衝液中でp−azidoben
    zoyloxy succinimideと反応させる
    ことにより、フェニルアジド基を導入した化学療法剤を
    被固定化担体に塗布した後、更に、光を照射することこ
    とからなる化学療法剤の固定化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、または請求項2、または請求
    項3の方法により、化学療法剤を固定化したことを特徴
    とする不溶性担体。
  5. 【請求項5】 請求項1、または請求項2、または請求
    項3記載の方法により調製した不溶性担体を用いて、負
    に帯電した生理活性物質を捕捉する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、または請求項2、または請求
    項3記載の方法により調製した不溶性担体を用いて、負
    に帯電した生理活性物質を捕捉した後、定量する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、または請求項2、または請求
    項3の方法により、化学療法剤を固定化したことを特徴
    とする実験器具。
  8. 【請求項8】 請求項1、または請求項2、または請求
    項3の方法により、化学療法剤を固定化し、更に負に帯
    電したリガンドを結合させたことを特徴とする実験器
    具。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の実験器具を用いて、リガ
    ンドに結合する検体を定量する方法。
  10. 【請求項10】化学療法剤がベーターラクタム系抗生物
    質、アミノダリコシド系抗生物質、テトラサイクリン系
    抗生物質、マクロライド系抗生物質、ポリミキシン系抗
    生物質、グラミシジン系抗生物質、バンコマイシン、リ
    ファンピシン、サイクロセリン、グリセオフィルビン、
    トリコマイシン、ブラスチサイジンS、アクチノマイシ
    ンD、クロモマイシンA、マイトマイシンC、ブレオ
    マイシン、スルフォンアミド、P−アミノサリチル酸、
    イソニコチン酸、ピリメタミン、プロメタミン、トリメ
    トプリム、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、
    6−メルカプトプリン、ピリドンカルボン酸系合成抗菌
    剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、の中から選択されたこと
    を特徴とする請求項4記載の不溶性担体。
JP6100525A 1994-04-03 1994-04-03 光化学反応による、化学療法剤の担体への固定化方法とその担 体を用いた負に帯電した生理活性物質の吸着除去方法および定 量方法。 Pending JPH07277952A (ja)

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