JPH0727778A - 流速センサおよびそれを用いた流体流速の測定方法 - Google Patents

流速センサおよびそれを用いた流体流速の測定方法

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JPH0727778A
JPH0727778A JP17392393A JP17392393A JPH0727778A JP H0727778 A JPH0727778 A JP H0727778A JP 17392393 A JP17392393 A JP 17392393A JP 17392393 A JP17392393 A JP 17392393A JP H0727778 A JPH0727778 A JP H0727778A
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flow velocity
conductive material
lead wire
fluid
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Yoichiro Ogita
陽一郎 荻田
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Y TEC DESIGN KK
Ikutoku Gakuen School Corp
Meiko Co Ltd
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Y TEC DESIGN KK
Ikutoku Gakuen School Corp
Meiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体の温度に関係なくその流体の流速を測定
できる流速センサとそれを用いた流体流速の測定方法を
提供する。 【構成】 この流速センサは、第1導電材1と、第2導
電材2と、第1導電材および第2導電材の各一端を接続
して成る接続部3と、第1導電材の他端に接続された第
1リード線5aと、第2導電材の他端に接続された第2
リード線5bとを有する熱電対構造体であって、接続部
3が発熱可能になっている。全体を被測定流体fの中に
置き、接続部3を発熱させ、第1リード線5aと第2リ
ード線5bの間の熱起電力の変化を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流速センサとそれを用
いた流体流速の測定方法に関し、更に詳しくは、構造が
簡単であり、また被測定流体の温度に無依存でその流体
の流速を正確に測定できる流速センサとそれを用いた流
体流速の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業製品の製造プロセスにおいては、用
いる各種の材料ガスや流体の流量を計測するために各種
の流量計が使用されている。また、最近では、超高層ビ
ルなどの居住空間における空気流の空間分布を健康衛生
の観点や安全性の観点から求め、その結果に基づいて最
適な空気調整を実施することが望まれているが、そのこ
とに伴って、小型で、低価格で、大量供給が可能なフロ
ーセンサへのニーズが高まっている。
【0003】更に、自動車などに搭載される燃焼型エン
ジンの分野においては、省エネルギーや無公害の観点か
ら、最適な空気量と最適な燃料噴射速度を検出し、これ
らのファクターを時々刻々コントロールするために、正
確で、信頼性が高く、しかも小型で、応答性が優れてい
る流速センサの開発が求められている。また、流体力学
の研究開発の分野においても、風洞内の風速分布を細密
に測定することができる、小型で応答性に優れた流速セ
ンサが求められている。
【0004】従来、流体の流速を測定する装置には、例
えば、ピトー管流速計,絞り流量計,タービン流量計,
面積流量計など、力学的な原理を応用したものや、電磁
流量計,超音波流量計,熱線型流量計,金属薄膜型流量
計,サーミスタ温度計型流量計など、電磁気学的な原理
を応用したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した力
学的原理を応用する各種の流速計は、いずれも得られる
測定値は正確であり、信頼性が高い。しかしながら、こ
れら流速計は、いずれもその形状が大型であり、高価格
であり、応答が遅いという欠点の外に、例えば管体内を
流れる流体の流速分布を測定することができないという
問題がある。
【0006】一方、後者の流速計の場合、前者の欠点は
可成り解消されるものの全体として高価格である。そし
て、例えば熱線型流量計の場合は、測定時に、被測定流
体の温度が変化すると、正確な流速を測定することがで
きないという問題がある。熱線型流量計においては、上
記した問題への対策として、絶縁基板の上に、発熱用抵
抗体および温度補償用抵抗体として金属薄膜から成る細
線をパターニングした改良品が提案されている。
【0007】しかしながら、上記改良品の場合、発熱用
抵抗体の発熱量を大たらしめ、また温度補償用抵抗体の
温度変化に対する感応性を高め、もって流速感度を高め
るためには、パターニングする材料の電気抵抗が小さい
金属から成ることを考えると、細線の線幅をμmオーダ
に狭くし、また細線の長さを長くすることが必要にな
る。したがって、細線のパターニング操作は精密さが要
求される作業となり、全体の製造コストを引き上げるよ
うになる。
【0008】本発明は、従来の流速計における上記した
問題を解決することができ、形状は小型で、安価に製造
することができ、また測定値は正確で、応答性も優れ、
そしてなによりも、被測定流体の温度と無関係に流体の
流速を測定することができる流速センサとそれを用いた
流体流速の測定方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、第1導電材と、前記第1導
電材と異種類の材料から成る第2導電材と、前記第1導
電材および前記第2導電材の各一端を接続して成る接続
部と、前記第1導電材の他端に接続された第1リード線
と、前記第2導電材の他端に接続された第2リード線と
を有する熱電対構造体であって、前記接続部が発熱可能
であることを特徴とする流速センサ(以下、第1の流速
センサという)が提供され、また、複数個の第1導電材
と、前記第1導電材と異種類の材料から成り、かつ前記
第1導電材と同数の第2導電材と、前記第1導電材と前
記第2導電材を交互に直列に接続して成る複数個の接続
部と、前記第1導電材の自由端に接続された第1リード
線と、前記第2導電材の自由端に接続された第2リード
線とを有する熱電対構造体であって、前記複数個の接続
部のうち、1つおきに位置する接続部のみが発熱可能で
あることを特徴とする流速センサ(以下、第2の流速セ
ンサという)が提供され、更に、第1導電材と、前記第
1導電材と異種類の材料から成る2個の第2導電材と、
前記第1導電材の両端と前記第2導電材の各一端を接続
して成る2個の接続部と、前記第2導電材のそれぞれの
他端に接続された第1リード線および第2リード線とを
有する熱電対構造体であって、前記2個の接続部のうち
一方の接続部のみが発熱可能であることを特徴とする流
速センサ(以下、第3の流速センサという)が提供さ
れ、また、第1導電材と、前記第1導電材と異種類の材
料から成る2個の第2導電材と、前記第1導電材の両端
と前記第2導電材の各一端を接続して成る2個の接続部
と、前記第2導電材のそれぞれの他端に接続された第1
リード線および第2リード線と、前記第1導電材に接続
された第3リード線とを有する熱電対構造体であって、
前記2個の接続部のうち一方の接続部のみが発熱可能で
あることを特徴とする流速センサ(以下、第4の流速セ
ンサという)が提供される。
【0010】また、本発明においては、前記した第1の
流速センサまたは第2の流速センサの全体を被測定流体
の流路内に配置し、前記接続部を発熱させ、前記第1リ
ード線と前記第2リード線の間に検出される熱起電力の
変化を測定し、その熱起電力変化値から被測定流体の流
速を同定することを特徴とする流体流速の測定方法(以
下、第1の方法という)が提供され、また、2個の第1
の流速センサを、その接続部のみを被測定流体の流路に
挿入、2個の接続部のうち一方の接続部のみを発熱さ
せ、それぞれの流速センサで検出される熱起電力の差を
測定し、その熱起電力差から被測定流体の流速を同定す
ることを特徴とする流体流速の測定方法(以下、第2の
方法という)が提供され、また、第3の流速センサの全
体を被測定流体の流路内に配置し、前記一方の接続部の
みを発熱させ、前記第1リード線と前記第2リード線の
間に検出される熱起電力を測定し、その熱起電力値から
被測定流体の流速を同定することを特徴とする流体流速
の測定方法(以下、第3の方法という)が提供され、更
には、第4の流速センサの全体を被測定流体の流路内に
配置し、前記一方の接続部のみを発熱させ、前記第1リ
ード線と前記第3リード線の間または前記第2リード線
と前記第3リード線の間に検出される熱起電力を測定
し、その熱起電力値から被測定流体の流速を同定するこ
とを特徴とする流体流速センサの測定方法(以下、第4
の方法という)が提供される。
【0011】
【作用】まず最初に第1の測定方法における作用につい
て説明する。この測定方法においては、第1の流速セン
サまたは第2の流速センサが使用され、それらセンサで
検出される熱起電力の変化値との関係で被測定流体の流
速が測定される。この第1の測定方法においては、流速
センサの全体が被測定流体の中に置かれる。したがっ
て、第1導電材と第2導電材との接続部,第1導電材と
第リード線との接続点(以下、これを第1接続点とい
う)、および第2導電材と第2リード線との接続点(以
下、これを第2接続点という)に対し、被測定流体の温
度は同等の影響を与えていることになる。言い換えれ
ば、接続部と第1接続点間の温度差、および、接続部と
第2接続点間の温度差は、被測定流体が温度変化した場
合であっても同じである。
【0012】温度t0 の被測定流体の流速の測定時に
は、まず第1導電材と第2導電材の接続部を発熱させ
る。今、この温度をT0 とし、また第1接続点と第2接
続点の温度をT0'とする。その結果、接続部と第1接続
点(および第2接続点)の間に温度差:ΔT0 =T0
0'が生ずる。したがって、第1リード線と第2リード
線の間に電圧計を結線すれば、その電圧計には、上記温
度差ΔT0 に対応して発生した熱起電力V0 が検出され
る。
【0013】ここで、被測定流体の流速が変化したとす
る。今、流速は増加したものとする。接続部における発
熱量は増加流速の流体に奪われるので、接続部の温度は
0からT1(T0 >T1)へと降温する。そして、第1接
続点および第2接続点の温度も別の温度T1'に変化す
る。
【0014】なお、T1 はT0 より高くなる場合(被測
定流体の温度t0 がT0 より高い場合)もあり、またT
1 はT0 より低くなる場合(被測定流体の温度t0 がT
0 より低い場合)もある。したがって、このときには、
第1リード線と第2リード線の間には、温度差:ΔT1
=T1 −T1'に対応し、上記した当初の熱起電力V0
は異なる値の熱起電力V1 が検出される。
【0015】ところで、被測定流体の温度がt0 から
t’に変化したとしても、この温度変化は、接続部,第
1接続点および第2接続点のいずれに対しても同等に作
用する。したがって、温度差ΔT1 に基づいて発生した
熱起電力V1 は上記した温度変化の影響が消去された値
になっている。それゆえ、流速変化に伴って測定された
熱起電力の変化値:V0 −V1 は、被測定流体の温度と
無関係な値であり、流体の流速変化に依存する関数であ
る。一般に比例関係にある関数である。
【0016】したがって、被測定流体の流速と、第1お
よび第2リード線間で測定される熱起電力との関係を予
め測定しておき、両者の関係を示す検量線を作成してお
けば、実際の流速測定時には、この検量線を用いること
により、このセンサから発信される熱起電力を基にして
流体の流速を同定することができる。つぎに、第2の測
定方法における作用について説明する。この測定方法で
は、2個の第1の流速計が使用される。
【0017】この方法では、第1の流速計における接続
部のみが被測定流体の中に挿入されて流体と接触し、そ
れぞれの第1接続点,第2接続点,第1リード線および
第2リード線はいずれも被測定流体と接触することはな
い。そして、被測定流体と接続している2個の接続部の
うち、一方の接続部のみが発熱せしめられる。このと
き、一方の流速センサAで測定される熱起電力をVA
し、また、他方の流速センサBで測定される熱起電力を
B とすると、これら熱起電力VA,Bには、いずれ
も、被測定流体の温度tが同じ影響を与えている。
【0018】したがって、両熱起電力の差:VA −VB
は、測定される熱起電力における被測定流体の温度tに
よる影響が相殺された値になり、それは被測定流体の流
速vと比例関係にある。そのため、流速と熱起電力差:
A −VB との関係につき、予め検量線を作成しておけ
ば、この検量線を利用し、流速センサA,Bの熱起電力
の差を測定することにより、被測定流体の流速を求める
ことができる。
【0019】つぎに、第3の測定方法における作用を説
明する。この測定方法には第3の流速センサが使用され
る。この第3の測定方法においては、第1の測定方法の
場合と同じように、流速センサの全体が被測定流体の中
に置かれる。そして、第2の測定方法の場合と同じよう
に、2個の接続部のうち一方の接続部のみが発熱せしめ
られる。
【0020】この流速センサにおいては、第1導電材が
中央に位置しその両端に第2導電材が接続され、それら
の第2導電材の他端から第1リード線と第2リード線が
引き出された構造になっているので、2個の第2導電材
は第1導電材に対し逆接続していることになる。したが
って、第1リード線と第2リード線の間に検出される熱
起電力は、発熱している一方の接続部と第1接続点(ま
たは第2接続点)間の温度差に基づく熱起電力VC
ら、発熱していない他方の接続部と第2接続点(または
第1接続点)間の温度差に基づく熱起電力VD の差にな
っている。
【0021】そのため、この測定された熱起電力は、そ
れ自体として、流体の温度と無関係であり、第2の測定
方法で測定される熱起電力差に相当し、流体の流速に比
例する値になる。したがって、予め、流体の流速と測定
熱起電力との関係を検量線として作成しておけば、その
検量線に基づき、第1リード線と第2リード線の間で測
定された熱起電力値それ自体から流速を同定することが
できる。
【0022】最後に、第4の測定方法における作用につ
いて説明する。この測定方法には第4の流速センサが使
用される。この第4の測定方法においては、第1または
第3の測定方法の場合と同じように、流速センサの全体
が被測定流体の中に置かれて、2個所の接続部のうち一
方の接続部のみが発熱せしめられる。
【0023】この流速センサにおいて、中央に位置する
第1導電材と一方の第2導電材とから成る一方の熱電対
構造、および、同じく第1導電材と他方の第2導電材と
から成る他方の熱電対構造は互いに逆接続しており,第
1導電材に接続された第3リード線は、上記した2つの
熱電対構造にとっての共通リード線になっている。した
がって、第1リード線(または第2リード線)と第3リ
ード線の間で検出される熱起電力は、上記した2つの熱
電対構造が発生するそれぞれの熱起電力の差になってい
る。
【0024】そのため、この測定された熱起電力は、そ
れ自体として、流体の温度と無関係であり、第2の測定
方法で測定される熱起電力差に相当し、流体の流速に比
例する値になる。したがって、予め、流体の流速と測定
熱起電力との関係を検量線として作成しておけば、その
検量線に基づき、第1リード線(または第2リード線)
と第3リード線の間で測定された熱起電力値それ自体か
ら流速を同定することができる。
【0025】
【実施例】
実施例1 図1は、第1の流速センサAの例を示す平面図である。
図において、第1導電材1の一端と第2導電材2の一端
を接続して接続部3が構成され、また第1導電材1の他
端には第1リード線5aを接続して第1接続点4aが形
成され、第2導電材2の他端には第2リード線5bを接
続して第2接続点4bが形成され、全体として、熱電対
構造体になっている。
【0026】ここで、第1導電材1と第2導電材2は、
いわゆる熱電対を構成することができる材料のように、
互いに異種の導電材料であればよく、例えば、両方が異
種類の半導体である場合や、一方が金属で他方が半導体
である場合の組合せをあげることができる。この第1導
電材1と第2導電材2の形状は格別限定されるものでは
ないが、例えば、いずれもが、線状体や棒状体、または
箱状体などであればよい。
【0027】なお、この流速センサとしては、例えば、
ガラス基板のような絶縁基板の上に、図1で示したよう
に、接続部3の近辺を第1導電材1および第2導電材よ
りも狭幅にした平面パターンとなるように、第1導電材
1と第2導電材2の薄膜を、例えば、蒸着法やメッキ法
など常用の薄膜形成法によって成膜し、それぞれの端部
にリード線5a,5bを接合した構造のものであっても
よい。
【0028】この第1の流速センサAは、図2で示した
ように、流速νの被測定流体fが流れている、例えば管
6の中に全体を挿入して実用に供される。このとき、接
続部3,第1接続点4aおよび第2接続点4bは全て管
6の中に挿入されて被測定流体fに曝され、第1リード
線5aと第2リード線5bのみが管6から引き出されて
熱起電力を検出する電圧計7に接続される。
【0029】流速の測定に当たっては、まず、接続部3
が発熱せしめられる。発熱の方法としては、管6の中に
挿入した流速センサAの各リード線5a,5bを電源8
に接続し、この電源8から所定値の電流を流速センサA
に通電すればよい。図1で示したように、流速センサA
における接続部3の付近は、第1導電材1および第2導
電材2よりも狭幅な寸法形状になっているので、通電す
ると、この接続部3は抵抗発熱するからである。したが
って、電流値を制御すれば、この接続部3の発熱量を適
宜に制御することができる。
【0030】なお、接続部3の発熱に関しては、その接
続部を上記したような通電で抵抗発熱する構造にするこ
となく、例えば、各種の発熱体(図示しない)をこの接
続部3の近辺に配置し、その発熱体を動作させて接続部
を加熱する方法を採用してもよい。電源8からの通電量
を一定に制御することにより、接続部3の発熱量は一定
になる。したがって、電圧計7には、所定の熱起電力が
検出されることになる。
【0031】ここで、被測定流体の流速が変化すると、
接続部3の発熱量の一部は被測定流体fに奪われる。し
たがって、電圧計7で検出される熱起電力は変化する。
このとき、被測定流体fの温度が変化したとしても、接
続部3,第1接続点4aおよび第2接続点4bにおいて
は、被測定流体fの温度変化に基づく熱起電力への影響
は全て同一である。したがって、電圧計7で検出された
熱起電力の変化値は、流速変化の関数になる。
【0032】予め、流速と熱起電力との関係を検量線と
して作成しておけば、この検量線に基づき、検出された
熱起電力から被測定流体の流速を知ることができる。な
お、この流速センサAの場合は、各構成部材の電気抵抗
に基づく電圧降下を利用するものではないので、前記し
た従来の熱線型流量計のように、通電経路のパターンを
μmオーダで狭幅にしたり、または長くすることも不要
であり、その製造は非常に容易である。
【0033】また、この流速センサAにおいて、接続部
3付近を狭幅にすると、この部分の熱容量は小さくなる
ので、少ない通電量でもその部分を発熱させることがで
きると同時に、その発熱量が第1導電材1や第2導電材
へ伝達して逃散することを防止できるので、被測定流体
の流速変化に対する応答性を高めることができる。 実施例2 図3は、第2の流速センサBを被測定流体fが流れる管
6の中に挿入した状態を示す概略図である。
【0034】この流速センサBでは、複数個(図では5
個)の第1導電材1、それと同数の第2導電材2が直列
に交互に接続されている。そして、これら接続部のう
ち、1つおきの接続部が発熱する接続部3になってい
て、これら5個の接続部3は略1個所にまとめて配置さ
れている。更には、最初に位置する第1導電材1の自由
端に第1リード線5aを接続して第1接続点4aが形成
され、最後に位置する第2導電材2の自由端に第2リー
ド線5bを接続して第2接続点4bが形成されている。
【0035】この流速センサBにおいて、接続部3は、
実施例1における図1で示したように寸法形状を狭幅に
して形成することができる。また、4個の接続部3aは
発熱しなくてもよいので、例えば、寸法形状を幅広にし
て第1導電材1と第2導電材2を接続しておけばよい。
この第2の流速センサBを用いて被測定流体fの流速を
測定する場合、流速センサBを被測定流体fの中へ挿入
する態様,接続部3の発熱のさせ方,熱起電力の測定の
態様などは、実施例1と同様である。
【0036】この流速センサBの場合、多数の接続部3
が略1個所に集積されているで、わずかな流速変化に対
しても敏感に反応することができるという長所を備えて
いる。 実施例3 図4は、第3の流速センサCの例を示す平面図である。
この第3の流速センサCにおいては、第1導電材1の両
端に2個の第2導電材2のそれぞれの一端を接続して、
図1で示した接続部と同じように、2個所の接続部3,
3’が形成され、また、2個の第2導電材2,2のそれ
ぞれの他端には第1リード線5a,第2リード線5bを
接続して、それぞれ、第1接続点4a,第2接続点4b
が形成されている。
【0037】この第3の流速センサCを用いて被測定流
体fの流速を測定する場合には、図5で示したように、
流速センサCの全体を被測定流体fの中に置き、2個所
の接続部3,3’のうちいずれかを発熱させ、第1リー
ド線5aと第2リード線5bの間で発生した熱起電力を
測定する。この場合、第1リード線5aと第2リード線
5bに通電すると、両方の接続部3,3’はいずれも発
熱してしまうので、接続部3,3’の一方を発熱させる
方法としては、一方の接続部の近辺に、例えば温度制御
可能な発熱体(図示しない)を配置して発熱させること
が好ましい。
【0038】第1リード線5aと第2リード線5bの間
で測定される熱起電力は、第3の測定方法の作用として
説明したように、被測定流体fの流速に比例する値とな
る。 実施例4 図6は、第4の流速センサDの例を示す平面図である。
この第3の流速センサの構造は、図4で示した第3の流
速センサCにおいて、中央に位置する第1導電材1の適
当な端部に第3リード線5cを接続して第3接続点4c
が形成されていることを除いては、第3の流速センサc
と変わることはない。
【0039】この第4の流速センサDを用いて被測定流
体の流速を測定する場合には、図7で示したように、ま
ず、流速センサDの全体が被測定流体fの中に置かれ、
全てのリード線5a,5b,5cは管6から引き出さ
れ、第1リード線5aと第2リード線5bは電圧計7に
接続され、また、第1リード線5aと第3リード線5c
は電源8に接続される。
【0040】流速測定においては、まず、電源8から所
定値の電流を通電して一方の接続部3を発熱させる。そ
して、電圧計7によって、第1リード線5aと第2リー
ド線5bの間に発生した熱起電力を測定する。この熱起
電力は、実施例3で測定された熱起電力と同じように、
被測定流体fの流速に比例する値になる。例えば、ガラ
ス基板の上に、第1導電材1としてコンスタンタン薄
膜,第2導電材2として銅薄膜を図6で示したようなパ
ターン形状で成膜し、それぞれの薄膜にリード線を接続
して第4の流速センサDとした。
【0041】この流速センサDを図7のようにして、空
気流fの中に配置し、リード線5a,5cに80mAの
電流を流して、接続部3の温度を室温(空気流の温度)
より14℃高温にした。この状態で、空気流の流速を変
化させ、そのときの電圧計7で測定される熱起電力を測
定した。
【0042】その結果を図8に示した。図8から明らか
なように、測定される熱起電力は風速と略直線関係にあ
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
流速センサは、被測定流体の温度が変化しても、その流
速を正確に熱起電力の比例関数として同定することがで
きる。また、全体の形状を小型にすることができ、ま
た、安価かつ大量に生産することもできるので、工業的
に有用であるのみならず、人間の居住空間の最適化のた
めのモニタ器具としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の流速センサを示す平面図である。
【図2】第1の流速センサを用いた流速の測定方法を説
明するための概略図である。
【図3】第2の流速センサを用いた流速の測定方法を説
明するための概略図である。
【図4】第3の流速センサを示す平面図である。
【図5】第3の流速センサを用いた流速の測定方法を説
明するための概略図である。
【図6】第4の流速センサを示す平面図である。
【図7】第4の流速センサを用いた流速の測定方法を説
明するための概略図である。
【図8】第4の流速センサによる熱起電力と風速との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1導電材 2 第2導電材 3,3’ 第1導電材1と第2導電材2との接続部 4a 第1接続点 4b 第2接続点 5a 第1リード線 5b 第2リード線 5c 第3リード線 6 管 7 電圧計 8 電源

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電材と、前記第1導電材と異種類
    の材料から成る第2導電材と、前記第1導電材および前
    記第2導電材の各一端を接続して成る接続部と、前記第
    1導電材の他端に接続された第1リード線と、前記第2
    導電材の他端に接続された第2リード線とを有する熱電
    対構造体であって、前記接続部が発熱可能であることを
    特徴とする流速センサ。
  2. 【請求項2】 複数個の第1導電材と、前記第1導電材
    と異種類の材料から成り、かつ前記第1導電材と同数の
    第2導電材と、前記第1導電材と前記第2導電材を交互
    に直列に接続して成る複数個の接続部と、前記第1導電
    材の自由端に接続された第1リード線と、前記第2導電
    材の自由端に接続された第2リード線とを有する熱電対
    構造体であって、前記複数個の接続部のうち、1つおき
    に位置する接続部のみが発熱可能であることを特徴とす
    る流速センサ。
  3. 【請求項3】 前記接続部は通電による抵抗発熱体構造
    になっていて、前記接続部に通電して発熱させる請求項
    1または2の流速センサ。
  4. 【請求項4】 前記接続部の近辺に発熱体が配置され、
    前記発熱体を動作して前記接続部を発熱させる請求項1
    または2の流速センサ。
  5. 【請求項5】 前記熱電対構造体が絶縁基板の上に一体
    的に添着されている請求項1から4のいずれかに記載の
    流速センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の流速センサの全体を
    被測定流体の流路内に配置し、前記接続部を発熱させ、
    前記第1リード線と前記第2リード線の間に検出される
    熱起電力の変化を測定し、その熱起電力変化値から被測
    定流体の流速を同定することを特徴とする流体流速の測
    定方法。
  7. 【請求項7】 2個の請求項1の流速センサを、その接
    続部のみを被測定流体の流路に挿入し、2個の接続部の
    うち一方の接続部のみを発熱させ、それぞれの流速セン
    サで検出される熱起電力の差を測定し、その熱起電力差
    から被測定流体の流速を同定することを特徴とする流体
    流速の測定方法。
  8. 【請求項8】 第1導電材と、前記第1導電材と異種類
    の材料から成る2個の第2導電材と、前記第1導電材の
    両端と前記第2導電材の各一端を接続して成る2個の接
    続部と、前記第2導電材のそれぞれの他端に接続された
    第1リード線および第2リード線とを有する熱電対構造
    体であって、前記2個の接続部のうち一方の接続部のみ
    が発熱可能であることを特徴とする流速センサ。
  9. 【請求項9】 前記一方の接続部は通電による抵抗発熱
    体構造になっていて、前記一方の接続部にのみ通電して
    発熱させる請求項8の流速センサ。
  10. 【請求項10】 前記一方接続部の近辺に発熱体が配置
    され、前記発熱体を動作して前記一方の接続部のみを発
    熱させる請求項8の流速センサ。
  11. 【請求項11】 前記熱電対構造体が絶縁基板の上に一
    体的に添着されている請求項8、9または10のいずれ
    かに記載の流速センサ。
  12. 【請求項12】 請求項8の流速センサの全体を被測定
    流体の流路内に配置し、前記一方の接続部のみを発熱さ
    せ、前記第1リード線と前記第2リード線の間に検出さ
    れる熱起電力を測定し、その熱起電力値から被測定流体
    の流速を同定することを特徴とする流体流速の測定方
    法。
  13. 【請求項13】 第1導電材と、前記第1導電材と異種
    類の材料から成る2個の第2導電材と、前記第1導電材
    の両端と前記第2導電材の各一端を接続して成る2個の
    接続部と、前記第2導電材のそれぞれの他端に接続され
    た第1リード線および第2リード線と、前記第1導電材
    に接続された第3リード線とを有する熱電対構造体であ
    って、前記2個の接続部のうち一方の接続部のみが発熱
    可能であることを特徴とする流速センサ。
  14. 【請求項14】 前記一方の接続部は通電による抵抗発
    熱体構造になっていて、前記一方の接続部にのみ通電し
    て発熱させる請求項13の流速センサ。
  15. 【請求項15】 前記一方の接続部の近辺に発熱体が配
    置され、前記発熱体を動作して前記一方の接続部のみを
    発熱させる請求項13の流速センサ。
  16. 【請求項16】 前記熱電対構造体が絶縁基板の上に一
    体的に添着されている請求項13、14または15のい
    ずれかに記載の流速センサ。
  17. 【請求項17】 請求項13の流速センサの全体を被測
    定流体の流路内に配置し、前記一方の接続部のみを発熱
    させ、前記第1リード線と前記第3リード線の間または
    前記第2リード線と前記第3リード線の間に検出される
    熱起電力を測定し、その熱起電力値から被測定流体の流
    速を同定することを特徴とする流速センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100491000B1 (ko) * 2000-12-22 2005-05-24 주식회사 포스코 연속주조용 주형내 용강의 유속측정방법
CN106290974A (zh) * 2016-07-25 2017-01-04 北京航空航天大学 一种采用双热电偶测量流体速度的方法

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