JPH0727776U - 金 槌 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金槌に釘を位置決めできる機能を備え、金槌
を持った片手で釘の打込み作業を行なうことができるよ
うにし、狭いところや高いところ等での釘の打込作業の
範囲を広げる。 【構成】 釘１の釘頭１ａを打付けるための金属製打付
けブロック２と、この打付けブロック２を支持する柄３
とを備え、打付けブロック２を磁性金属で円柱状に形成
し、この打付けブロック２の中間部に上記柄３が挿通さ
れて取付けられる挿通孔４を形成し、該打付けブロック
２の一端面２ａに穴５を凹設し、この穴５に釘１を磁着
する磁石６を嵌合し、打付けブロック２の穴５を形成す
る側壁部７に該穴５に貫通する小孔８を形成した。釘１
を打付けるときは、磁石６に釘１の釘頭１ａを磁着し、
柄３を持って釘１の打ち込み部位に釘１の先端を位置さ
せ、磁石６面で僅かに叩いて釘１の先端を突き刺す。そ
の後、打付けブロック２で、突き刺した釘１を叩き、釘
を打ち込んでいく。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金槌に係り、特に、釘を打ち込み部位に位置させることのできる金 槌に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金槌は、釘の釘頭を打付けるための金属製打付けブロックと、この打付 けブロックを支持する柄とを備えている。そして、この金槌を用いて、釘を打ち つけるときは、一方の手に金槌の柄を持ち、他方の手に釘を持って、釘の打ち込 み部位に釘の先端を突き刺して位置決めし、金槌の柄を振って突き刺した釘の釘 頭を打付けブロックで叩いて打込むようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、この従来の金槌にあっては、一方の手に金槌の柄を持ち、他方の手 に釘を持って釘を位置決めし、両方の手を使って打込み作業を行なわなければな らないので、例えば、片手しか入らないような狭いところや、金槌の打付けブロ ックはとどくけれども釘を持った手はとどかないような高いところ等での釘の打 込み作業は、他の器具等を用いて行なう等しないかぎり、困難になっており、作 業範囲が限られてしまうという問題があった。

【０００４】 本考案は上記の問題点に鑑みて為されたもので、金槌に釘を位置決めできる機 能を備え、金槌を持った片手で釘の打込み作業を行なうことができるようにし、 狭いところや高いところ等での釘の打込作業の範囲を広げることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このような課題を解決するための本考案の技術的手段は、釘の釘頭を打付ける ための金属製打付けブロックと、この打付けブロックを支持する柄とを備えた金 槌において、上記打付けブロックの一部を釘を磁着する磁石で構成したものであ る。

【０００６】 そして、必要に応じ、上記打付けブロックを磁性金属で円柱状に形成し、この 打付けブロックの中間部に上記柄が挿通されて取付けられる挿通孔を形成し、該 打付けブロックの端面に穴を凹設し、この穴に釘を磁着する磁石を嵌合した構成 としている。

【０００７】 また、上記打付けブロックの穴を形成する側壁部に該穴に貫通する小孔を形成 したことが有効である。

【０００８】

【作用】

このような構成からなる金槌によれば、釘を打付けるときは、先ず、磁石に釘 の釘頭を磁着する。次に、この状態で、柄を持って釘の打ち込み部位に釘の先端 を位置させ、磁石面で僅かに叩いて釘の先端を突き刺す。その後、打付けブロッ クで、突き刺した釘の釘頭を叩き、釘を打ち込んでいく。この場合、金槌で釘を 磁着して打込み位置に突き刺すことができるので、金槌は片手で持って使用でき ることから、片手のみで、釘の打込みができることになる。

【０００９】 また、打付けブロックの端面に穴を凹設し、この穴に釘を磁着する磁石を嵌合 した構成とした場合には、磁石の端面は、打付けブロックの一端面に露出して周 囲が側壁で覆われるので、周囲の磁力が少なく、磁力は主に磁石の端面に集中す る。そのため、磁着した釘は周囲から吸引されないので倒れにくく、しっかりと 起立させられる。

【００１０】 更に、打付けブロックの穴を形成する側壁部に該穴に貫通する小孔を形成した 場合には、この小孔に、ピン等を差し込み磁石の裏面を持ちあげれば、磁石を打 付けブロックの穴の底面から引き剥すことができ、そのため、容易に穴から磁石 を取出すことができる。

【００１１】

【実施例】

以下、添付図面に基づいて本考案の実施例に係る金槌について説明する。図１ 乃至図３に示すように、実施例に係る金槌は、釘１の釘頭１ａを打付けるための 金属製打付けブロック２と、この打付けブロック２を支持する木製の細長状の柄 ３とを備えている。

【００１２】 打付けブロック２は磁性金属、例えば鉄で円柱状に形成されており、その中間 部に上記柄３の先端部が挿通されて取付けられる挿通孔４が形成されている。こ の打付けブロック２の一端面２ａには円形の穴５が凹設されており、この穴５に 該穴５と同様に円柱状に形成され釘１を磁着する磁石６が着脱可能に嵌合されて いる。嵌合された状態では磁石６は打付けブロック２に磁着し、一端面２ａは面 一になる。また、打付けブロック２の穴５を形成する側壁部７には、該穴５に貫 通する小孔８が一対形成されている。

【００１３】 また、打付けブロック２の他端部９は、超硬合金で形成されており、釘１の釘 頭１ａを打付ける強度を持たせている。そしてまた、挿通孔４の中心Ｐ（柄３の 軸線）と一端面２ａとの幅寸法Ｌ１は、挿通孔４の中心Ｐ（柄３の軸線）と他端 面２ｂとの幅寸法Ｌ２よりも小さくなっている。

【００１４】 従って、この実施例にかかる金槌によれば、予め、打付けブロック２の穴５に 磁石６を嵌合し磁着しておく。この金槌を用いて、釘１を打付けるときは、図１ に示すように、先ず、磁石６に釘１の釘頭１ａを磁着する。この場合、磁石６の 端面は、打付けブロック２の一端面２ａに円形に露出しており、周囲が側壁部７ で覆われているので、周囲の磁力が少なく、磁力は主に磁石６の端面に集中する 。そのため、磁着した釘１は周囲から吸引されないので倒れにくく、しっかりと 起立させられる。

【００１５】 次に、この状態で、柄３を持って釘１の打ち込み部位に釘１の先端を位置させ 、磁石６面で僅かに叩いて釘１の先端を突き刺す。この場合、釘１はしっかりと 起立させられているので、容易に突き刺すことが可能になる。その後、超硬合金 の他端部９側で突き刺した釘１の釘頭１ａを叩き、釘１を打ち込んでいく。

【００１６】 この場合、金槌で釘１を磁着して打込み位置に突き刺すことができるので、金 槌は片手で持って使用できることから、片手のみで、釘１の打込みができること になる。そのため、両手を使用しなくても良いので、例えば、片手しか入らない ような狭いところや、手はとどかないけれども金槌の打付けブロック２はとどく 高いところ等の釘１の打込み作業が容易に行なわれる。即ち、片手が空くので、 空いた分だけ、釘１の打込作業の範囲を広げることが可能になるのである。

【００１７】 また、挿通孔４の中心Ｐ（柄３の軸線）と一端面２ａとの幅寸法Ｌ１は、挿通 孔４の中心Ｐ（柄３の軸線）と他端面２ｂとの幅寸法Ｌ２よりも小さくなってお り、磁石６側の寸法が短くなって打付けブロック２が小型になることから、それ だけ、狭いところ等に容易に入れることができ、この点でも釘１の打込作業の範 囲を広げることが可能になる。

【００１８】 更に、磁石６で釘１を強く叩く等して磁石６にひびが入ったような場合には、 これを穴５から取出して、新しい磁石６と交換すれば良い。この場合、打付けブ ロック２の穴５を形成する側壁部７には、小孔８が形成されているので、この小 孔８に、ピン等を差し込み磁石６の裏面を持ちあげれば、磁石６を打付けブロッ ク２の穴５の底面から引き剥すことができ、容易に穴５から磁石６を取出すこと ができる。そのため、磁石６の交換が容易に行なわれる。

【００１９】 尚、上記実施例においては、磁石６を一方の端面側に設けたが、必ずしもこれ に限定されるものではなく、他方の端面にも設け、あるいは、打付けブロック２ の側部に設ける等、どのように設けても良い。また、上記実施例においては、磁 石６は打付けブロック２に嵌合されるが、必ずしもこれに限定されるものではな く、接着により取付けたり、打付けブロック２自体を磁化する等、適宜変更して 差し支えない。更に、磁石６の形状も上述したものに限定されないことは勿論で ある。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の金槌によれば、打付けブロックの一部を釘を磁着 する磁石で構成したので、金槌の打付けブロックに釘を磁着して打込み位置に突 き刺すことができ、金槌は片手で持って使用できることから、片手のみで、釘の 打込みができることになる。そのため、両手を使用しなくても良いので、片手し か入らないような狭いところや、手はとどかないけれども金槌の打付けブロック はとどく高いところ等での釘の打込み作業を容易に行なうことができ、片手が空 く分だけ、釘の打込作業の範囲を広げることができるようになる。

【００２１】 また、打付けブロックの端面に凹設した穴に磁石を嵌合するように構成した場 合には、磁石の端面が打付けブロックの端面に露出し、周囲が側壁部で覆われる ので、周囲の磁力が少なくなり、それだけ、磁力を磁石の端面に集中させること ができ、そのため、磁着した釘を周囲から吸引しにくくできるので、倒れにくく することができる。その結果、釘をしっかりと起立させることができるので、釘 の先端を確実に打込み部位に突き刺すことができる。

【００２２】 更に、打付けブロックの穴を形成する側壁部に小孔を形成した場合には、この 小孔に、ピン等を差し込み磁石の裏面を持ちあげれば、磁石を打付けブロックの 穴の底面から引き剥すことができ、そのため、容易に穴から磁石を取出すことが できるので、磁石の取り外しを容易に行なうことができ、交換するとき等に便利 になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る金槌を示す側面図であ
る。

【図２】本考案の実施例に係る金槌を示す分解斜視図で
ある。

【図３】本考案の実施例に係る金槌を示す図１中Ａ−Ａ
線断面図である。

【符号の説明】

１ 釘 １ａ 釘頭 ２ 打付けブロック ２ａ 一端面 ２ｂ 他端面 ３ 柄 ４ 挿通孔 ５ 穴 ６ 磁石 ７ 側壁部 ８ 小孔 ９ 他端部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 釘の釘頭を打付けるための金属製打付け
   ブロックと、この打付けブロックを支持する柄とを備え
   た金槌において、上記打付けブロックの一部を釘を磁着
   する磁石で構成したことを特徴とする金槌。
2. 【請求項２】 上記打付けブロックを磁性金属で円柱状
   に形成し、この打付けブロックの中間部に上記柄が挿通
   されて取付けられる挿通孔を形成し、該打付けブロック
   の端面に穴を凹設し、この穴に釘を磁着する磁石を嵌合
   したことを特徴とする請求項１記載の金槌。
3. 【請求項３】 上記打付けブロックの穴を形成する側壁
   部に該穴に貫通する小孔を形成したことを特徴とする請
   求項２記載の金槌。