JPH07277648A - エスカレーターの踏段運搬装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレーターの据付時に用いる重量の大き
い車椅子用踏段を乗降口から所定の位置まで運搬する装
置の小形軽量化。 【構成】 左右のハンドレール４の乗降口水平部に上方
から嵌合するガイドレール５とガイドレール５上を転動
する車輪と、左右のガイドレール５に跨がり車輪６に支
持され、前後進可能な梁体７と梁体７の中央部に備えら
れたパンタグラフジャッキ８とパンタグラフジャッキ８
の開動作によりロープガイドローラ群９に導かれ、車椅
子用踏段２を吊り上げるロープ１０を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エスカレーターの踏
段、特に、車椅子用踏段のように重量の大きい踏段を乗
降口から搬出入するエスカレーターの踏段運搬装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】図４は一般的な車椅子用エスカレーター
の要部構成を示す説明図である。

【０００３】図４に示す車椅子エスカレーターは、通常
の踏段１，１…と、例えば２つの車椅子用の踏段２，２
とを備え、この踏段２の踏面２ａは、図示しない駆動に
より上下動するようになっている。このような車椅子用
エスカレータでは、図４に示すように、踏段２，２の踏
面２ａ，２ａを上部（図４において右側）の踏段１の踏
面１ａと同等の高さ位置（１点鎖線で示す位置）まで上
昇させることにより、これらの踏段１ａ，２ａ，２ａで
比較的広い面積を有する水平面が形成されるので、車椅
子３が搭載可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の車椅子用エスカレータでは、車椅子用の踏段２に駆
動機構や電源用バッテリーを備えることから、通常の踏
段１が約２５Ｋｇの重さであるのに対し、車椅子用の踏
段２は約１５０Ｋｇもの大きな重量がある。

【０００５】そこで、従来、車椅子用の踏段２を乗降口
から所定の設置個所まで運搬する際、作業者が４，５人
がかりで持ち上げて移動させるようにしていたが、４，
５人もの多数の作業者が重量物運搬を行なうことから、
多くの労力を要するとともに、作業の安全性が劣るとい
う問題があった。

【０００６】本発明の第１の目的は、多くの人手を要せ
ずに、踏段を乗降口と所定の設置個所との間で運搬する
ことのでき、重量の大きい車椅子用踏段を容易に搬出入
できるエスカレーターの踏段運搬装置を提供することに
ある。

【０００７】本発明の第２の目的は、重量の大きい車椅
子用踏段を容易に搬出入でき、かつ梁体の撓みも小さく
なるから装置を軽量化できるエスカレーターの踏段運搬
装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的は、左右
両側にハンドレールを含んでなるエスカレーターの踏段
を乗降口から搬出入するエスカレーターの踏段運搬装置
において、前記左右両側のハンドレール上に対称的に設
けられるガイドレールと、このガイドレール上をそれぞ
れ転動する車輪と、これらの車輪により支持されるとと
もに前記左右両側のハンドレールに跨がる梁体と、この
梁体に設けた、前記踏段を吊持する揚重装置とを備えた
第１の手段により達成される。

【０００９】上記第２の目的は、前記第１の手段におい
て、前記揚重装置がパンタグラフジャッキからなり、こ
のパングラフジャッキから前記梁体の幅方向左右にロー
プガイドローラにより導かれるロープを介して前記踏段
を吊持するようにした第２の手段により達成される。

【００１０】

【作用】上記第１の手段にあっては、左右のハンドレー
ル上に設けられたガイドレールに沿って転動する車輪を
有して左右のハンドレールに跨がる梁体に踏断を吊持す
る揚重装置を取付けたので、重量の大きい車椅子用踏段
でも容易に搬出入することができる。

【００１１】上記第２の手段にあっては、揚重装置をパ
ンタグラフジャッキにするとともに、踏段吊上げロープ
を梁体の両端付近から垂下するので、梁体の撓みも小さ
くなり、装置を軽量化できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図３に
より説明する。

【００１３】図１はエスカレーターの踏段運搬装置の正
面図、図２はエスカレーターの踏段運搬装置の側面図、
図３はエスカレーターの踏段運搬装置の平面図である。
これらの図において、２はエスカレーターの乗降口から
搬入される車椅子用踏段、４は左右両側に設けられたハ
ンドレール、５はハンドレール４，４の水平部分に上方
からそれぞれ嵌合される金属製ガイドレール、６はガイ
ドレール５上を転動する車輪で、車輪６は片側のガイド
レール５に対して２個配設されている。７は左右ハンド
レール５に跨がり車輪６で前後進可能に支持される梁体
で、梁体７には車輪６，６…が回転自在に取付けられて
いる。８は梁体７の上部中央部に配設される自動車等で
用いられるパンタグラフジャッキ、９は梁体７の上部に
備えられた複数のロープガイドローラ、１０はロープガ
イドローラ９，９…により導びかれる車椅子用踏段２の
１対の吊り上げ用ロープである。１１は梁体７の両側に
それぞれ２本づつ備えられたガイド棒で、ガイド棒１
１，１１…は一対のガイドレール５，５の内側にぞそれ
当接して梁体７の外れを防止する。１２はパンタグラフ
ジャッキ８の頭上に配設されたロープガイドローラ９，
９を回転自在に支持する枠体、１３は梁体７の上面部に
備えられ、一対の吊り上げ用ロープ１０，１０の一端を
それぞれ締結してある締結部材である。１４は梁体７の
上面部に備えられ、ロープガイドローラ９，９…が回転
自在にそれぞれ支持された支持部材である。

【００１４】吊り上げ用ロープ１０は、その一端が締結
部材１３に締結されるとともに、パンタグラフジャッキ
８の頭上のロープガイドローラ９に回され、中央部寄り
のロープガイドローラ９の下側を通って端部寄りのロー
プガイドローラ９の上側を通って梁体７に穿設された孔
から垂下され、吊り上げ用ロープ１０の他端は後述する
吊持用ブラケットに掛けられる。他の吊り上げ用ロープ
１０も同様に対称的に配設されている。

【００１５】次に、前記実施例における車椅子用踏段２
のエスカレーターの乗降口から搬入作業について説明す
る。車椅子用踏段２をエスカレーターの乗降口から搬入
するにあたっては、まず、図１〜図３に示すように、左
右のハンドレール４，４の乗降口水平部に金属製ガイド
レール５，５をセットし、車輪６，６、パンタグラフジ
ャッキ８、ロープガイドローラ９、吊り上げ用ロープ１
０、ガイド棒１１、枠体１２を取付けた梁体７を左右の
ガイドレール５に跨がるように載せ、図示しない台車で
乗降口まで運んできた車椅子用踏段２を揚重可能なよう
に、その両側の図示しないデマケーション部分を取外し
て、その跡のねじ穴を利用して螺止めした吊持用ブラケ
ット１５，１５を吊り上げ用ロープ１０，１０の他端の
先端フックにそれぞれ掛ける。そして、パンタグラフジ
ャツキ８を図示しないジャッキハンドルで回すことによ
り、パンタグラフジャツキ８を持ち上げると、パンタグ
ラフジャッキ８の頭上のロープガイドローラ９，９も持
ち上げられる。この時、吊り上げ用ロープ１０の一端が
締結部材１３に締結されているので、各吊り上げ用ロー
プ１０，１０は梁体７の中央部方向にそれぞれ引っ張ら
れて、車椅子用踏段２を吊り上げる。また、乗降口から
所要の場所まで運び前述と逆手順で、即ち、ジャッキハ
ンドルを前述と逆方向に回すことにより、パンタグラフ
ジャッキ８の頭上のロープガイドローラ９，９を下降さ
せて車椅子用踏段２を吊り下ろす。

【００１６】このように構成された前記実施例にあって
は、左右両側にハンドレール４，４を含んでなるエスカ
レーターの踏段を乗降口から搬出入するエスカレーター
の踏段運搬装置において、左右両側のハンドレール４，
４上に対称的に設けられるガイドレール５，５と、この
ガイドレール５，５上をそれぞれ転動する車輪６，６…
と、これらの車輪６，６…により支持されるとともに左
右両側のハンドレール４，４に跨がる梁体７と、この梁
体７に設けた、踏段２を吊持する揚重装置（８）とを備
えたため、多くの人手を要せずに、踏段２を乗降口と所
定の設置個所との間で運搬することのでき、重量の大き
い車椅子用踏段２を容易に搬出入できる。

【００１７】また、前記実施例にあっては、揚重装置が
パンタグラフジャッキ８からなり、このパングラフジャ
ッキ８から梁体の幅方向左右にロープガイドローラ９，
９…により導かれるロープ１０，１０を介して踏段を吊
持するようにしたため、揚重装置をパンタグラフジャッ
キ８にするとともに踏段吊り上げロープ１０を梁体７の
両端付近から垂下するので、梁体７の撓みも小さくなる
から装置を軽量化できる。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、多くの人
手を要せずに、踏段を乗降口と所定の設置個所との間で
運搬することのでき、重量の大きい車椅子用踏段を容易
に搬出入できる。

【００１９】請求項２記載の発明によれば、請求項１記
載の発明により生じる作用効果に加え、揚重装置をパン
タグラフジャッキにするとともに踏段吊り上げロープを
梁体の両端付近から垂下するので、梁体の撓みも小さく
なるから装置を軽量化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエスカレーターの踏段運搬装置の正面
図である。

【図２】本発明のエスカレーターの踏段運搬装置の側面
図である。

【図３】本発明のエスカレーターの踏段運搬装置の平面
図である。

【図４】一般的な車椅子用エスカレーターの要部説明図
である。

【符号の説明】

２ 車椅子用踏段 ４ ハンドレール ５ 金属製ガイドレール ６ 車輪 ７ 梁体 ８ パンタグラフジャッキ ９ ロープガイドローラ １０ 吊上げ用ロープ １１ ガイド棒 １２ 枠体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 次彦 東京都葛飾区金町１丁目３番８号 日立エ レベータテクノサービス株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右両側にハンドレールを含んでなるエ
   スカレーターの踏段を乗降口から搬出入するエスカレー
   ターの踏段運搬装置において、前記左右両側のハンドレ
   ール上に対称的に設けられるガイドレールと、このガイ
   ドレール上をそれぞれ転動する車輪と、これらの車輪に
   より支持されるとともに前記左右両側のハンドレールに
   跨がる梁体と、この梁体に設けた、前記踏段を吊持する
   揚重装置とを備えたことを特徴とするエスカレーターの
   踏段運搬装置。
2. 【請求項２】 前記揚重装置がパンタグラフジャッキか
   らなり、このパングラフジャッキから前記梁体の幅方向
   左右にロープガイドローラにより導かれるロープを介し
   て前記踏段を吊持するようにしたことを特徴とする請求
   項１に記載のエスカレーターの踏段運搬装置。