JPH0727731Y2 - マルチシステム画像再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はマルチシステム画像再生装置に関し、特にPA
L,SECAM,MESECAMなどの各方式に対応できるかつ文字な
どを画面上に表示するオンスクリーン表示機能を有す
る、VTRなどのマルチシステム画像再生装置に関する。

〔従来技術〕

第４図に示すオンスクリーン表示回路１においては、入
力端Ｉから入力されたコンポジット信号がトランジスタ
Tr1および抵抗R1で構成されるバッファ２を通り、トラ
ンジスタTr3および抵抗R5で構成されるバッファ３の入
力に印加される。オンスクリーン表示のために文字信号
入力Ｐが与えられると、トランジスタTr2,抵抗R2,R4お
よびコンデンサＣによって構成される除去回路４が動作
し、文字挿入部の文字のカラー信号成分をコンデンサＣ
によって交流的に（高周波的に）アースし、それによっ
てそのカラー信号成分を除去するようにしている。

第５図および第６図は、それぞれ、PALビデオ信号に文
字信号を重畳したときの信号波形およびSECAMビデオ信
号に文字信号を重畳しときの信号波形を示す。この第５
図および第６図からよくわかるように、文字信号を挿入
する部分においては、輝度信号だけが残り、この部分の
クロマ信号はコンデンサＣによって除去される。

〔考案が解決しようとする課題〕

PAL方式の場合、ビデオ信号のカラー信号がAM（振幅変
調）の信号であるため、ビデオ信号にカラー情報がない
ときには、一般に輝度信号だけとなる。また、文字信号
入力があったときは第５図の文字挿入部にカラー情報が
残らないため、表示画面上における文字は白くくっきり
した文字表現になる。ところが、SECAM方式の場合、ビ
デオ信号のカラー信号がFM（周波数変調）の信号である
ため、ビデオ信号にカラー情報がないときでも、一般に
FMキャリアが存在する。このため、文字信号入力があっ
たとき、すなわち第６図に示す文字挿入部に文字が挿入
されたときは、この部分がFMキャリアのない信号に置き
換わるため、この信号をテレビジョン回路側でFM復調し
たときの表示画面上の文字にはカラーノイズ（カラーや
ぶれ）が発生して、文字部分の画質が悪くなる。

それゆえに、この考案の主たる目的は、ビデオ信号の方
式の如何に拘わらず、オンスクリーン表示機能を用いて
表示される部分にカラーノイズが生じない、マルチシス
テム画像再生装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、簡単にいえば、オンスクリーン表示機能を
有するマルチシステム画像再生装置であって、オンスク
リーン表示機能を用いて表示すべき信号入力に応じてカ
ラー信号成分を除去するための除去回路を備えるものに
おいて、カラー信号が振幅変調信号であるとき除去回路
を能動化しかつカラー信号が周波数変調信号であるとき
除去回路を不能動化するようにしたことを特徴とする、
マルチシステム画像再生装置である。

〔作用〕

PAL方式の場合、カラー信号はAM信号であるため、従来
と同様にたとえばコンデンサによって表示信号挿入部分
におけるカラー信号成分が除去回路によって除去され
る。SECAM方式またはMESECAM方式の場合、カラー信号は
FM信号であるため、除去回路が不能動化され、文字など
の挿入部分にクロマ信号が残るので、その部分にカラー
ノイズが生じることはない。

〔考案の効果〕

この考案によれば、たとえばPAL方式またはSECAM（もし
くはMESECAM）方式のいずれの場合でも、オンスクリー
ン表示される文字などの部分にカラーノイズ（カラーや
ぶれ）が生じることがない。

なお、たとえばPAL方式またはSECAM（もしくはMESECA
M）方式を判別する信号としては、この種のマルチシス
テム画像再生装置において一般的に設けられている判別
回路からの出力信号を利用すればよく、したがって特別
なコストの上昇を生じない。

この考案の上述の目的，その他の目的，特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。

〔実施例〕

第１図を参照して、この実施例のオンスクリーン表示回
路10は、トランジスタTr1および抵抗R1を含むバッファ1
2を備え、このバッファ12の出力はトランジスタTr3およ
び抵抗R5を含むバッファ14に入力される。バッファ12お
よび14の接続点には除去回路16が接続される。

すなわち、除去回路16に含まれるトランジスタTr2のコ
レクタがバッファ12および14の接続点に接続され、トラ
ンジスタTr2のベースには文字信号入力Ｐが与えられる
とともに、このベースには抵抗R4によって適当なバイア
スが設定される。トランジスタTr2のエミッタは、スイ
ッチSWの固定接点に接続される。このスイッチSWはPAL/
SECAM判別回路18からの信号に応じて切り換えられる２
つの切換接点を有し、切換接点の一方は抵抗R2とコンデ
ンサＣとの直列接続点に接続され、他方は抵抗R3を通し
て電源VCCに接続される。なお、コンデンサＣはさらに
アースされる。

動作において、入力Ｉから与えられるコンポジット信号
は、バッファ12を通りバッファ14を経てその出力Ｏに出
力される。文字信号入力Ｐが与えられると、この文字信
号入力は除去回路16のトランジスタTr2を通してバッフ
ァ14の入力に重畳される。

PAL方式の場合、PAL/SECAM判別回路18からハイレベル
（またはローレベル）が出力されるため、スイッチSWは
一方切換接点（抵抗R2側）に切り換えられる。したがっ
て、バッファ12の出力がトランジスタTr2およびコンデ
ンサＣを通して交流的にアースされ、したがって第２図
に示すように、文字挿入部においては、クロマ信号が除
去される。

SECAM（またはMESECAM）方式の場合、PAL/SECAM判別回
路18の出力はローレベル（またはハイレベル）になり、
スイッチSWは他方接点すなわちR3側に切り換えられる。
そのため、コンデンサＣが切り離され、第３図に示すよ
うに、文字挿入部にクロマ信号が重畳される。したがっ
て、この文字挿入部においてもFMキャリアが残るので、
従来のカラーノイズ（カラーやぶれ）がなくなる。ただ
し、多少色がつくが、支障を与える程ではない。

なお、SECAM方式の場合には、文字挿入部に重畳したク
ロマ信号の波形に歪みが生じない程度（クロマ信号波形
が飽和しない程度）に文字挿入部の輝度レベルをたとえ
ば75％ホワイト程度に下げる。そのために、抵抗R3の値
が適当に設定される。

PAL方式およびSECAM方式ともに文字信号が重畳されたコ
ンポジット信号は、バッファ14から出力Ｏに出力され
る。

なお、上述の実施例においては、PAL方式およびSECAM方
式を例に挙げて説明したが、NTSC方式とSECAM方式のよ
うな組合せの場合にもこの考案は適用できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す回路図である。 第２図は第１図実施例においてPAL信号に文字を挿入し
たときの波形を示す波形図である。 第３図は第１図実施例においてSECAM信号に文字を挿入
したときの波形を示す波形図である。 第４図は従来のオンスクリーン表示回路の一例を示す回
路図である。 第５図は第４図従来回路においてPAL信号に文字を挿入
したときの波形を示す波形図である。 第６図は第４図従来回路においてSECAM信号に文字を挿
入したときの波形を示す波形図である。 図において、10はオンスクリーン表示回路、12,14はバ
ッファ、16は除去回路、18はPAL/SECAM判別回路、SWは
スイッチ、R1〜R5は抵抗、Ｃはコンデンサ、Tr1〜Tr3は
トランジスタを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入力カラー信号が振幅変調信号である第１
   方式の信号と、入力カラー信号が周波数変調信号である
   第２方式の信号とを判別する方式判別回路と、 オンスクリーン表示をするべく前記第１または第２方式
   の信号に文字信号を重畳する重畳回路と、前記重畳回路
   に接続され前記方式判別回路の判別出力によって前記入
   力カラー信号が第１方式の信号であるときカラー成分除
   去動作を行なう除去手段を選択し、前記入力カラー信号
   が第２方式の信号であるときカラー成分除去動作を行わ
   ないよう前記除去手段を選択しないように制御される切
   り換え手段とを含む除去回路と、 を備えることを特徴とするマルチシステム画像再生装
   置。