JPH07276628A - インク噴射装置及びその製造方法 - Google Patents

インク噴射装置及びその製造方法

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JPH07276628A
JPH07276628A JP6828994A JP6828994A JPH07276628A JP H07276628 A JPH07276628 A JP H07276628A JP 6828994 A JP6828994 A JP 6828994A JP 6828994 A JP6828994 A JP 6828994A JP H07276628 A JPH07276628 A JP H07276628A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隔壁に形成される駆動電極の高さが簡単に検
出でき、印字品質が良好であるインク噴射装置を提供す
ること。 【構成】 圧電セラミックスプレート31には、噴射に
関係する溝3及び噴射に関係しないダミー溝30が形成
されている。ダミー溝30は、圧電セラミックスプレー
ト31の一端で溝3と同じ深さであり、他端で深さが0
になるように、深さが線形に変化されて形成されてい
る。そして、隔壁6の上半分に電極8を形成すると、ダ
ミー溝30の深さが、溝3の側面に形成される金属電極
8の溝3開口部側からの深さより浅い領域では、ダミー
溝30の底面に電極32が形成され、深い領域では、ダ
ミー溝30の底面に電極が形成されない。そのダミー溝
30の底面に形成された電極32の長さLdから金属電
極8の高さを検出して、規定値以外の高さの金属電極8
が形成されたインク噴射装置を除外する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開平2−150355号
公報に開示されているせん断モード型である。
【0005】図3に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置1は、圧電セラミックスプレート2とカ
バープレート10とノズルプレート14と基板41とか
ら構成されている。
【0006】その圧電セラミックスプレート2には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝3
が形成されている。また、その溝3の側面となる隔壁6
は矢印5の方向に分極されている。それらの溝3は同じ
深さであり、かつ平行である。それら溝3の深さは圧電
セラミックスプレート2の一端面15に近づくにつれて
徐々に浅くなっており、一端面15付近には浅溝7が形
成されている。そして、溝3の内面には、その両側面の
上半分に金属電極8が真空蒸着等によって形成されてい
る。また、浅溝7の内面には、その側面及び底面に金属
電極9が真空蒸着等によって形成されている。これによ
り、溝3の両側面に形成された金属電極8は浅溝7に形
成された金属電極9によって電気的に接続されている。
【0007】ここで、金属電極8、9の形成過程を図6
を用いて説明する。図6に示すように、金属電極8,9
の形成時には、圧電セラミックスプレート2は図示しな
い蒸着源からの蒸気放出方向Bに対して傾斜される。そ
して、蒸気が放出されると隔壁6のシャドー効果によ
り、溝3の側面の上半分,浅溝7の内面及び隔壁6の上
面に金属電極8,9,11が形成される。次に、圧電セ
ラミックスプレート2が180度回転されて、同様にし
て金属電極8,9,11が形成される。この後、隔壁6
の上面に形成された不要な金属電極11がラッピング等
により除去される。こうして、溝3の両側面に形成され
た金属電極8は浅溝7に形成された金属電極9により電
気的に接続される。
【0008】次に、図3に示すように、カバープレート
10は、セラミックス材料または樹脂材料等から形成さ
れている。そして、カバープレート10には、研削また
は切削加工等によって、インク導入口16及びマニホー
ルド18が形成されている。そして、圧電セラミックス
プレート2の溝3加工側の面とカバープレート10のマ
ニホールド18加工側の面とがエポキシ系接着剤20
(図5参照)によって接着される。従って、インク噴射
装置1には、溝3の上面が覆われて横方向に同じ間隔を
有する複数のインク流路であるインク室4(図5参照)
が構成される。図5に示すように、そのインク室4は長
方形断面の細長い形状であり、全てのインク室4内に
は、インクが充填される。
【0009】図3に示すように、圧電セラミックスプレ
ート2及びカバープレート10の端面に、各インク室4
の位置に対応した位置にノズル12が設けられたノズル
プレート14が接着されている。このノズルプレート1
4は、ポリアルキレン(例えばエチレン)テレフタレー
ト、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸
セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0010】そして、圧電セラミックスプレート2の溝
3の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エポ
キシ系接着剤等によって接着されている。その基板41
には各インク室4の位置に対応した位置に導電層のパタ
ーン42が形成されている。その導電層のパターン42
と浅溝7の底面の金属電極9とは、ワイヤボンディング
によって導線43で接続されている。
【0011】次に、制御部のブロック図を示す図4によ
って、制御部の構成を説明する。基板41に形成された
導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に
接続されている。また、クロックライン52、データラ
イン53、電圧ライン54及びアースライン55もLS
Iチップ51に接続されている。LSIチップ51は、
クロックライン52から供給される連続したクロックパ
ルスに基づいて、データライン53上に現れるデータに
応じて、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべき
かを判断する。そして、駆動するインク室4内の金属電
極8に導通する導電層のパターン42に、電圧ライン5
4の電圧Vを印加する。また、駆動するインク室4以外
の金属電極8に導通する導電層のパターン42にはアー
スライン55を接続する。
【0012】次に、図5によって、インク噴射装置1の
動作を説明する。LSIチップ51が、所要のデータに
従って、インク噴射装置1のインク室4cからインクの
噴出を行なうと判断する。すると、金属電極8dと8e
とに正の駆動電圧Vが印加され、金属電極8cと8fと
が接地される。図5(b)に示すように、隔壁6bには
矢印13bの方向の駆動電界が発生し、隔壁6cには矢
印13cの方向の駆動電界が発生する。すると、駆動電
界方向13b及び13cは分極方向5とが直交している
ため、隔壁6b及び6cは、圧電厚みすべり効果によ
り、この場合、インク室4cの内部方向に急速に変形す
る。この変形によってインク室4cの容積が減少してイ
ンク圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク室
4cに連通するノズル12(図3参照)からインク滴が
噴射される。
【0013】また、駆動電圧Vの印加が停止されると、
隔壁6b及び6cが変形前の位置(図5(a)参照)に
戻るためインク室4c内のインク圧力が低下する。する
と、図示しないインクタンクからインク供給口16(図
3)及びマニホールド18(図3)を通してインク室4
c内にインクが供給される。
【0014】なお、インク噴射の効率を上げるため、上
記分極の方向を反対にし、駆動電圧を印加することによ
って、まず隔壁6b及び6cをお互いに離れるように変
形させて、その後電圧の印加を停止することによって、
隔壁6b及び6cが変形前の位置に戻し、インク滴を噴
射させることもできる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構成を有するインク噴射装置1では、隔壁6の内、金属
電極8が形成されている領域に電界が発生するので、イ
ンクを噴射するために変形する隔壁6の変形特性は、隔
壁6に形成される金属電極8の高さに左右される。つま
り、金属電極8の高さが変化すると、隔壁6の変形量が
変化し、隔壁6の変化によって発生する圧力の大きさが
変化して、噴射されたインク滴の速度が遅くなったり、
インク滴が噴射できなっかたりする。
【0016】また、電極8は溝3の側面に形成されるた
め、外部からは観察しにくい。したがって、誤差などに
よって形成された電極8の高さが不適格である場合で
も、それを発見することが困難であった。
【0017】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、隔壁に形成される電極の高さが
簡単に検出でき、印字品質が良好であるインク噴射装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、圧電素子で形成された隔壁
と、その隔壁によって隔てられた複数の溝とを有するア
クチュエータプレートと、前記アクチュエータプレート
の前記隔壁における、前記溝の開口部側から所定深さま
で形成された駆動電極と、前記アクチュエータプレート
の前記溝の開口部を塞ぐカバー部材とを備えたインク噴
射装置において、前記アクチュエータプレートに前記複
数の溝とほぼ平行に設けられ、深さが変化する噴射に関
係しないダミー溝を有し、前記隔壁への前記駆動電極の
形成時に、前記ダミー溝底面の一部に電極が形成される
ことを特徴とする。
【0019】請求項2では、前記ダミー溝は、深さが線
形に変化されていることを特徴とする。
【0020】請求項3では、前記複数の溝を挟んだ位置
に、前記ダミー溝がそれぞれ設けられていることを特徴
とする。
【0021】請求項4では、前記アクチュエータプレー
トには、前記ダミー溝と逆勾配の第二ダミー溝が形成さ
れたことを特徴とする。
【0022】請求項5では、前記アクチュエータプレー
トは、圧電セラミックスで形成されたことを特徴とす
る。
【0023】請求項6では、前記ダミー溝は、前記アク
チュエータプレートと前記カバー部材とを接着する接着
剤の余剰分を捕捉することを特徴とする。
【0024】請求項7では、圧電素子で形成された隔壁
と、その隔壁によって隔てられた複数の溝とを有するア
クチュエータプレートと、前記アクチュエータプレート
の前記隔壁における、前記溝の開口部側から所定深さま
で形成された駆動電極と、前記アクチュエータプレート
の前記溝の開口部を塞ぐカバー部材とを備えたインク噴
射装置の製造方法において、前記アクチュエータプレー
トに前記複数の溝を形成する工程と、前記アクチュエー
タプレートに前記複数の溝とほぼ平行に、且つ深さが変
化された噴射に関係しないダミー溝を形成する工程と、
前記溝の側面である前記隔壁に前記駆動電極を形成する
工程と、前記駆動電極を形成する工程時に、同時に形成
された前記ダミー溝の底面の電極の長さを観測する工程
とからなることを特徴とする。
【0025】請求項8では、前記駆動電極の形成工程
は、前記隔壁のシャドー効果を用いることを特徴とす
る。
【0026】
【作用】上記の構造を有する本発明の請求項1のインク
噴射装置では、噴射に関係しないダミー溝が、前記アク
チュエータプレートに前記複数の溝とほぼ平行に設けら
れ、そのダミー溝の深さが変化していることによって、
前記隔壁への前記駆動電極の形成時に、溝開口部側から
の駆動電極が形成される深さよりダミー溝の深さが浅い
部分における、ダミー溝底面に電極が形成される。
【0027】請求項7のインク噴射装置の製造方法で
は、前記アクチュエータプレートに前記複数の溝を形成
し、前記アクチュエータプレートに前記複数の溝とほぼ
平行に、且つ深さが変化された噴射に関係しないダミー
溝を形成した後、前記溝の側面である前記隔壁に前記駆
動電極を形成し、前記駆動電極を形成する工程時に、溝
開口部側からの駆動電極が形成される深さよりダミー溝
の深さが浅い部分における、ダミー溝底面に形成された
電極の長さを観測することによって、駆動電極の溝開口
部からの深さが検出される。
【0028】
【実施例】 以下、本発明を具体化した第一実施例を図
面を参照して説明する。尚、従来技術と同一の部分には
同一の符号を付し、その説明を省略する。また、制御部
とインク噴射装置の動作そのものは図4、図5に示した
ものと全く同一である。
【0029】図1(a)は第一実施例の圧電セラミック
スプレートを示す図である。アクチュエータプレートと
しての圧電セラミックスプレート31には、噴射に関係
する溝3及び噴射に関係しない電極高さ検出用のダミー
溝30が切削加工などによって形成されている。ダミー
溝30は、各インク室4(図5)となる溝3から多少離
れたところにおいて、溝3とほぼ平行に設けられてい
る。またダミー溝30は、圧電セラミックスプレート3
1のノズルプレート14側(図3参照)の端面で溝3と
同じ深さであり、圧電セラミックスプレート31の端面
15で深さが0になるように、深さが線形に変化されて
形成されている。また、ダミー溝30の幅は溝3と同じ
である。
【0030】次に、隔壁6の上半分に金属電極8を、図
6に示すように従来と同様にして形成する。この金属電
極8形成時に、ダミー溝30の側面にも同様に電極が形
成される。また、ダミー溝30の深さが、溝3の深さの
半分より浅い部分では、ダミー溝30の底面に電極32
が形成され、溝3の深さの半分より深い部分では、ダミ
ー溝30の底面に電極が形成されない。つまり、ダミー
溝30の深さが、金属電極8の溝3開口部側からの深さ
より浅い領域では、ダミー溝30の底面に電極32が形
成され、金属電極8の溝3開口部側からの深さより深い
領域では、ダミー溝30の底面に電極が形成されない。
そして、ダミー溝30の底面に形成された電極32は、
図1(b)に示すようにダミー溝30の上方から観察で
き、その電極32の長さLdを容易に測定することがで
きる。
【0031】本実施例においては、ダミー溝30の全長
Lmの中央における、ダミー溝30の深さが、溝3の深
さの半分であるので、ダミー溝30の底面に形成される
電極32の長さLdは、ダミー溝30の全長Lmの半分
の長さである。
【0032】そこで、なんらかの原因によって、隔壁6
に形成される金属電極8の高さが、予定の高さである隔
壁6の半分の高さと異なってしまったときは、それに応
じてダミー溝30の底面に形成される電極32の長さL
dも変化する。隔壁6に形成される金属電極8の高さが
隔壁6の高さの半分を越えた場合は、ダミー溝30の底
面に形成される電極32の長さLdはダミー溝30の全
長Lmの半分より長くなる。逆に隔壁6に形成される金
属電極8の高さが隔壁6の高さの半分に至らない場合
は、ダミー溝30の底面に形成される電極32の長さL
dはダミー溝30の全長Lmの半分より短くなる。
【0033】しかも、ダミー溝30の底面に形成される
電極32の長さLdの変化量は、隔壁6に形成される金
属電極8の高さの変化量に比例し、その比例係数は、ダ
ミー溝30の長さLmとダミー溝30の最大深さhとの
比に等しい。ここで、噴射効率などから溝3の全長Lm
に対する深さhに比は、通常10〜100という大きな
値を取る。よって、隔壁6に形成される金属電極8の高
さのわずかな変化が、10〜100倍程度に拡大され
て、ダミー溝30の底面に形成される電極32の長さL
dに反映されるので、金属電極8の高さを、ダミー溝3
0の底面に形成された電極32の長さLdから容易に検
出することができる。このため、金属電極8の高さが、
良好な印字を行なうことができる規定値の範囲からはず
れたものを取り除くことができ、特殊な検査機器を用い
ることなく、高精度の検査を行なうことができる。従っ
て生産、検査過程にかかるコストを低く抑えることがで
きる。前記規定値の範囲は、隔壁6の高さの40〜60
%であることが、実験より明らかである。
【0034】次に、圧電セラミックスプレート31の溝
3開口部側にカバープレート10(図3)を接着して、
インク室4(図5)を形成する。この時、ダミー溝30
が、圧電セラミックスプレート31とカバープレート1
0とを接着する接着剤の余剰分を捕捉して、接着剤の余
剰分がインク室4内に入り込むことを防止している。圧
電セラミックスプレート31及びカバープレート10の
端面に、ノズルプレート(図3)を接着する。そして、
圧電セラミックスプレート31の溝3加工側に対して反
対側の面に、基板41(図4)を接着し、浅溝7の金属
電極9と基板41のパターン42(図4)とを導線43
(図3)で電気的に接続する。
【0035】上述したように、第一実施例では、圧電セ
ラミックスプレート31に、噴射に関係ないダミー溝3
0が、その深さを線形的に変化されて形成されているの
で、溝3の側面に形成される金属電極8の溝開口部側か
らの深さを、ダミー溝30の底面に形成された電極32
の長さLdによって容易に検出することができる。この
ため、金属電極8の高さ検出を、特殊な検出機器を用い
ることなく、簡単に高精度の検出を行なうことができ、
金属電極8の高さが、良好な印字を行なうことができる
規定値からはずれたインク噴射装置を取り除くことがで
きる。従って、インク噴射装置の生産、検査過程にかか
るコストを低く抑えることができる。
【0036】また、ダミー溝30の底面に形成される電
極32は、図1(b)に示すように、ダミー溝30の幅
方向に徐々に増えていっているので、溝3の一側面に金
属電極8を形成する時の圧電セラミックスプレート31
と蒸着源との角度が、他側面に形成する時の角度と同じ
か否かを判断できる。
【0037】次に本発明の第二実施例を図2を参照しな
がら説明する。図2(a)に示すように、圧電セラミッ
クスプレート33には、噴射に関係しない4本のダミー
溝34a、34b、35a、35bが設けられており、
ダミー溝34a,34bがインク室4(図5)となる複
数の溝3群の図2中右側に配置され、ダミー溝35a,
35bが複数の溝3群の図2中左側に配置されている。
また、溝34aと溝35aは上記第一実施例のダミー溝
30(図1参照)と全く同様なもので、溝34bと溝3
5bは、溝34a,35aと逆の勾配になっている。
【0038】図2(b)は真空蒸着が終了した後の圧電
セラミックスプレート33を上方から観測した図であ
る。ダミー溝34aと34bの底面に形成された電極3
6aと36bは、それぞれ反対方向から同一位置まで形
成されているので、特に電極36a,36bの長さLd
を測定しなくても、電極36a,36bの長さLdがダ
ミー溝34a,34bの長さLmの半分であることがわ
かる。
【0039】一方、ダミー溝35aと35bの底面に形
成された電極37aと37bは、それぞれ反対方向から
同一位置まで形成されていない。この場合は特に電極3
7a,37bの長さLdを測定しなくても、電極37
a,37bの長さLdがダミー溝35a,35bの長さ
Lmの半分に達してないことがわかる。
【0040】したがって、図2(b)に示すダミー溝3
4a,34b,35a,35bの底面に形成された電極
36a,36b,37a,37bの状況から隔壁6に形
成された金属電極8は、ダミー溝34aと34bに近い
隔壁6では、隔壁6の高さの半分の高さに金属電極8が
形成され、ダミー溝35aと35bに近い隔壁6では、
隔壁6の高さの半分に達しない金属電極8が形成されて
いることがわかる。
【0041】また、図示は省略するが、もし隔壁6に、
隔壁6の高さの半分以上の金属電極8が形成された場合
は、ダミー溝35aと35bの底面に形成された電極3
7aと37bは、それぞれ反対方向から中心位置を超え
て形成される。
【0042】このように、ダミー溝34aと、ダミー溝
34aと逆勾配のダミー溝34bとを設けることによっ
て、金属電極8が隔壁6の高さの半分の高さであるかど
うかを容易に判断することができる。また、インク室4
となる複数の溝3を挟んでダミー溝34a,34bとダ
ミー溝35a,35bとが設けられているので、各溝3
に形成される金属電極8の高さが均一かどうかを判断す
ることができる。
【0043】また、第一実施例と同様に、ダミー溝34
a,34b,35a,35bが、圧電セラミックスプレ
ート33とカバープレート10とを接着する接着剤の余
剰分を捕捉して、接着剤の余剰分がインク室4内に入り
込むことを防止している。
【0044】尚、上記第一実施例の説明においては、ダ
ミー溝30は、溝3と幅が同じであり、ノズルプレート
14側(図3参照)の端面で溝3と同じ深さであり、圧
電セラミックスプレート31の端面15で深さが0にな
るように形成されているが、例えばダミー溝の深さが、
良好に印字を行える規定値の部分と他の部分とで、勾配
が異なっていてもよい。このようにすれば、金属電極8
の高さをより精度よく検出でき、その結果金属電極8の
高さの精度が向上する。また、ダミー溝30の幅を溝3
の幅と異ならしてもよいが、この場合には、ダミー溝3
0の底面に形成される電極32の長さは、金属電極8の
高さが隔壁6の高さの半分であっても、ダミー溝30の
全長さLmの半分とはならないので、基準となる位置を
予め求めておけばよい。更に、1つのダミー溝におい
て、その長手方向の中央を起点として互いに逆の勾配と
なるようにしてもよい。これらについては、第二実施例
についても同様である。
【0045】また、上記第一実施例の説明においては、
ダミー溝30の深さ変化が線形で、ダミー溝30の底面
に形成される電極32の長さLdの変化量は、インク室
4の隔壁6に形成される金属電極8の高さの変化量に比
例するようにしたが、ダミー溝30の深さの変化は、線
形でなくてもよい。第二実施例についても同様である。
【0046】更に、第一,第二実施例では、圧電セラミ
ックプレート31,33に溝3が加工されることによっ
て圧電セラミックスの隔壁6が形成されていたが、アル
ミナ等の基板上に、隔壁6の高さ分の厚さの圧電セラミ
ックス基板を接着し、その圧電セラミックス基板側か
ら、溝を加工して隔壁を形成してもよい。
【0047】また、第一,第二実施例では、圧電セラミ
ックプレート31,33の一方の面に溝3が加工されて
いたが、圧電セラミックプレートの厚さを厚くして、両
側から溝を加工してもよい。
【0048】また、第一,第二実施例では、溝3の全て
がインクを噴射するインク室4となっていたが、各イン
ク室の間にインクを噴射しない非噴射室を設けてもよ
い。
【0049】また、第一,第二実施例では、ダミー溝が
形成されたインク噴射装置であったが、金属電極形成後
にダミー溝が形成された部分を切断してもよい。
【0050】また、第一実施例では、ダミー溝30が溝
3群の片側にのみ設けられていたが、第二実施例のよう
に、溝3群の両側にダミー溝を設けてもよい。
【0051】更に、第一,第二実施例では、溝3の側面
の上半分に金属電極8が形成されていたが、溝3の側面
の下半分に金属電極を形成するような場合においても、
本発明を用いて金属電極の高さを検出することができ
る。
【0052】
【発明の効果】上述したように、本発明の請求項1のイ
ンク噴射装置によれば、噴射に関係しないダミー溝が、
前記アクチュエータプレートに前記複数の溝とほぼ平行
に、且つその深さが変化されて形成されているので、前
記隔壁への前記駆動電極の形成時に、溝開口部側からの
駆動電極が形成される深さよりダミー溝の深さが浅い部
分に、ダミー溝底面に電極が形成される。このため、隔
壁に形成される前記駆動電極の溝開口部側からの深さ
を、ダミー溝の底面に形成される電極の長さから簡単に
検出することができる。従って、印字を良好に行なうこ
とができる規定値から、駆動電極高さがはずれたものを
簡単に発見でき、取り除くことができる。よって本発明
のインク噴射装置は、信頼性が高く、高品質の印字が保
証できる。また、特殊な検査機器を用いることなく、高
精度の検査ができるので、インク噴射装置の生産、検査
過程にかかるコストを低く抑えることができる。
【0053】請求項7のインク噴射装置の製造方法によ
れば、前記アクチュエータプレートに前記複数の溝を形
成し、前記アクチュエータプレートに前記複数の溝とほ
ぼ平行に、且つ深さが変化された噴射に関係しないダミ
ー溝を形成した後、前記溝の側面である前記隔壁に前記
駆動電極を形成し、前記駆動電極を形成する工程時に、
溝開口部側からの駆動電極が形成される深さよりダミー
溝の深さが浅い部分における、ダミー溝底面に形成され
た電極の長さを観測するので、隔壁に形成される前記駆
動電極の溝開口部側からの深さを底面に形成される電極
の長さから簡単に検出することができる。従って、印字
を良好に行なうことができる規定値から、駆動電極高さ
がはずれたものを簡単に発見でき、取り除くことができ
る。よって本発明の製造方法によって製造されたインク
噴射装置は、信頼性が高く、高品質の印字が保証でき
る。また、特殊な検査機器を用いることなく、高精度の
検査ができるので、インク噴射装置の生産、検査過程に
かかるコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のインク噴射装置を示す説
明図ある。
【図2】本発明の第二実施例のインク噴射装置を示す説
明図ある。
【図3】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を示
す斜視図である。
【図4】従来技術及び本発明の実施例の制御部を示す説
明図である。
【図5】従来技術及び本発明の実施例のせん断モード型
インク噴射装置の動作を示す説明図である。
【図6】従来技術及び本発明の実施例の圧電セラミック
スプレートの電極形成工程を示す説明図である。
【符号の説明】
3 溝 4 インク室 6 隔壁 8 金属電極 30 ダミー溝 31 圧電セラミックスプレート 32 電極 33 圧電セラミックスプレート 34a ダミー溝 34b ダミー溝 35a ダミー溝 35b ダミー溝 36a 電極 36b 電極 37a 電極 37b 電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子で形成された隔壁と、その隔
    壁によって隔てられた複数の溝とを有するアクチュエー
    タプレートと、前記アクチュエータプレートの前記隔壁
    における、前記溝の開口部側から所定深さまで形成され
    た駆動電極と、前記アクチュエータプレートの前記溝の
    開口部を塞ぐカバー部材とを備えたインク噴射装置にお
    いて、 前記アクチュエータプレートに前記複数の溝とほぼ平行
    に設けられ、深さが変化された噴射に関係しないダミー
    溝を有し、 前記隔壁への前記駆動電極の形成時に、前記ダミー溝底
    面の一部に電極が形成されることを特徴とするインク噴
    射装置。
  2. 【請求項2】 前記ダミー溝は、深さが線形に変化さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のインク噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数の溝を挟んだ位置に、前記ダ
    ミー溝がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求
    項1記載のインク噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータプレートには、前
    記ダミー溝と逆勾配の第二ダミー溝が形成されたことを
    特徴とする請求項1記載のインク噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータプレートは、圧電
    セラミックスで形成されたことを特徴とする請求項1記
    載のインク噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記ダミー溝は、前記アクチュエータ
    プレートと前記カバー部材とを接着する接着剤の余剰分
    を捕捉することを特徴とする請求項1記載のインク噴射
    装置。
  7. 【請求項7】 圧電素子で形成された隔壁と、その隔
    壁によって隔てられた複数の溝とを有するアクチュエー
    タプレートと、前記アクチュエータプレートの前記隔壁
    における、前記溝の開口部側から所定深さまで形成され
    た駆動電極と、前記アクチュエータプレートの前記溝の
    開口部を塞ぐカバー部材とを備えたインク噴射装置の製
    造方法において、 前記アクチュエータプレートに前記複数の溝を形成する
    工程と、 前記アクチュエータプレートに前記複数の溝とほぼ平行
    に、且つ深さが変化された噴射に関係しないダミー溝を
    形成する工程と、 前記溝の側面である前記隔壁に前記駆動電極を形成する
    工程と、 前記駆動電極を形成する工程時に、同時に形成された前
    記ダミー溝の底面の電極の長さを観測する工程とからな
    ることを特徴とするインク噴射装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記駆動電極の形成工程は、前記隔壁
    のシャドー効果を用いることを特徴とする請求項7記載
    のインク噴射装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6722035B1 (en) 1995-11-02 2004-04-20 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing an ink ejecting device wherein electrodes formed within non-ejecting channels are divided and electrodes formed within ejecting channels are continuous

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