JPH07275255A - 双極電気ピンセツト - Google Patents

双極電気ピンセツト

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JPH07275255A
JPH07275255A JP6095438A JP9543894A JPH07275255A JP H07275255 A JPH07275255 A JP H07275255A JP 6095438 A JP6095438 A JP 6095438A JP 9543894 A JP9543894 A JP 9543894A JP H07275255 A JPH07275255 A JP H07275255A
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JP
Japan
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tip
pinset
tweezers
bipolar electric
bipolar
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Application number
JP6095438A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hata
和夫 端
Tomohiko Asahara
智彦 浅原
Nobuhiro Kagaminuma
伸広 鏡沼
Koichi Iwai
浩一 岩井
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Johnson and Johnson Medical KK
Original Assignee
Johnson and Johnson Medical KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体組織がピンセツト先端部に付着する焼き
付き現象を抑え、凝固能及び切開能の低下を防止する。 【構成】 ピンセツトの少なくとも先端部表面に、熱伝
導率が0.10cal/cm・sec・℃以上の貴金属
を被覆してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として脳神経外科手
術において、止血及び切開操作に用いられる双極電気ピ
ンセツトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より手術、特に脳神経外科手術にお
いては、チタン合金もしくはステンレス鋼からなり、高
周波発生装置に接続する双極の電極を備え、互いに絶縁
され、先端部が常態時は開放状態を維持するよう付勢さ
れ、先端部を除いて絶縁皮膜を形成した2本の腕を有す
る双極電気ピンセツトが使用されており、ピンセツトの
先端部で生体組織あるいは血管を挟持し高周波電流を通
電することにより、生体組織あるいは血管を凝固あるい
は切開することが可能となつている。
【0003】このようなピンセツトを構成するチタン合
金あるいは、ステンレス鋼等の金属は、鍛造、圧延など
の一次加工を施したのち、切削加工、塑性加工、放電加
工、電解研磨などの各種の加工を組み合わせた二次加工
を施して形が作られる。この結果、金属内部の原子はそ
の周囲を金属原子に囲まれて安定な状態にあるのに対
し、金属表面では結合する金属原子がなく不安定である
ため空気中の酸素など接触する元素と反応を起し種々の
化合物を生成し易い状態にある。
【0004】また、チタン合金やステンレス鋼は金属材
料の中でも比較的熱伝導率が小さく、熱が伝わり難い傾
向がある。そのためピンセツトの先端部で挟持された生
体組織あるいは血管に高周波電流を通電することにより
発生した熱がピンセツトの先端部内表面から腕本体方向
に熱を伝達する度合が小さいので、使用するにつれピン
セツトの先端内表面が高温となつていく。
【0005】このように、チタン合金やステンレス鋼か
らなるピンセツトの先端部の金属表面が高温となると、
先端部表面と生体組織または血管の間で血液、血管等生
体組織が容易に炭化し、これらの炭化物がピンセツト先
端部表面に付着するといういわゆる焼き付き現象が起
き、凝固能及び切開能が著しく低下した。更に、余分な
熱による周辺組織を損傷する恐れもあつた。そこで従来
は、このような焼き付き現象が起きた場合、手術中にピ
ンセツト先端に付着した炭化物をガーゼ等に擦り付けて
剥ぎ落とす作業を強いられ、医師の手術をさまたげ手術
時間が延長するなど、実用上大きな問題となつていた。
【0006】最近では、ピンセツト先端の挟持部に電気
絶縁性のセラミツク焼結体を用いて構成した双極電気ピ
ンセツトが市販されている。これはピンセツトの挟持部
内表面に例えばジルコニア等の電気絶縁性焼結体を配設
し、該電気絶縁性焼結体より複数の電極を露出せしめる
構成となつている。
【0007】前記の構成になつていると、単発的な生体
組織の凝固及び切開については、ピンセツト先端部の焼
結体の熱伝導率が低く高周波電流を通電することにより
先端部電極付近で発生した熱がピンセツト先端表面全体
に伝達しないため焼き付き現象の防止には有効である。
しかしながら通常の手術は、断続的に生体組織を凝固及
び切開する作業となる。したがつて断続的に高周波電流
を通電することにより先端部電極付近で断続的に発生し
た熱が熱伝導率の低い電気絶縁性焼結体を含めてピンセ
ツト先端表面全体に伝達してしまう。そして、熱伝導率
の低い電気絶縁性焼結体は、伝達された熱を保持しピン
セツト先端表面全体が高温となるので、逆に頻繁に焼き
付き現象が発生することが懸念されている。
【0008】一方では、前記腕の内表面上に灌流通過管
を具備して、生理食塩水またはその他の液体を流出させ
高周波電流の通電による凝固及び切開操作時のピンセツ
ト先端部の発熱温度を抑えることのできるピンセツトが
市販され、生体組織部分がピンセツトの先端部に付着す
る焼き付き現象や温熱による周辺組織の損傷を考慮する
上で改善が図られている。
【0009】しかしながら、生理食塩水等の灌流量もし
くは高周波電流の通電時間等の調整不具合いによつて
は、まだしばしばピンセツト先端に生体組織の焼き付き
現象が見られ、凝固能及び切開能が低下し確実な操作が
困難となり手術時間が延長してしまうことがあり、より
一層の改善が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、双極電気凝
固及び切開用ピンセツトにおいて、高周波電流の通電に
より加熱された生体組織がピンセツト先端部に付着する
焼き付き現象を抑え、凝固能及び切開能の低下を防止す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は、双極電気ピンセツトの少なくとも生体組
織と接触する先端部表面に、熱伝導率が0.10cal
/cm・sec・℃以上の貴金属を被覆することにより
なる。更に望ましくは金を表面粗さ6.3S以下でか
つ、厚さ2〜100μmで鍍着してなることを特徴とす
る。
【0012】
【作用】熱伝導率は、ステンレス鋼0.039cal/
cm・sec・℃、チタン合金0.018cal/cm
・sec・℃(チタンの加工技術 P9、日刊工業新聞
社、1992年発行)である。これに対し、先端表面に
熱伝導率が0.10cal/cm・sec・℃以上の貴
金属を被覆することによりピンセツトの先端部表面に発
生した熱を伝達する度合いが大きく、ピンセツト先端内
表面が高温にならないので焼き付き現象防止に有効であ
る。この例として金(0.746cal/cm・sec
・℃)、銀(1.096cal/cm・sec・℃)、
白金(0.167cal/cm・sec・℃)、パラジ
ウム(0.168cal/cm・sec・℃)(機械工
学必携 P337、株式会社三省堂、1983年発行)
等があげられるが熱伝導率の高さと加工の容易さから金
又は銀が望ましい。また、被覆は、この有効性を保持す
るためにコーテイングよりも厚鍍金によることが望まし
く、その厚さは2μm以上厚いほど効果的である。高価
な貴金属を使用する点と鍍金作業の時間の点から100
μm程度までが望ましい。さらに、表面粗さにより高周
波電流の通電に悪影響を及ぼさないようにするため、ま
た金属表面をより安定な状態にするため表面粗さ6.3
S以下(JISハンドブツク金属表面処理JIS B 0
601、日本規格協会、1985年発行)の鏡面状態に
近い鍍金表面が望ましい。前記構成によれば、高周波電
流を通電することによつて断続的に凝固及び切開作業を
行う場合にも、生体組織あるいは血管の一部がピンセツ
ト先端に付着する焼き付き現象を抑え、凝固能及び切開
能の低下を防止できる。また、高周波電流の通電時間の
調整や生理食塩水の灌流量の調整を比較的厳密に行なう
必要がないので、手術時間の短縮が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例に係る双極電気
凝固及び切開用ピンセツト1の平面図である。また図2
は、片側の腕の内側表面図を示したものである。2、3
は、先端部8、8及びグリツプ部4、4をそれぞれ有す
る2本の腕である。各腕2、3は、先端部を除き表面部
2a、3aにおいて電気絶縁物によりコーテイングして
ピンセツト本体に絶縁皮膜を形成し、また、各腕2、3
は、各電極5、6と接続しておりハウジング部7におい
て互いに絶縁され、先端部が常態時は開放状態を維持す
るよう付勢され電気絶縁物の接着剤にて固定されてい
る。
【0015】各腕2、3のグリツプ部4、4の中間部内
表面には、ガイドバー13、ガイドプレート14が相対
する位置に取着されており、ピンセツト本体1を挟持す
る際にガイドバー13、とガイドプレート14が枢着す
ることにより、先端部8、8が確実に当接するようなさ
れている。
【0016】前記腕2、の内側表面には先端部8、近傍
よりグリツプ部4後方まで溝9を設け、この溝9に沿つ
て一本の灌流通過管10がその全部を埋め込まれてい
て、前記灌流通過管10の後端はハウジング部7内で灌
流液接続口11に連結している。ここでは図2に示すよ
うに腕2の内側表面に微細な凸部12を設け、その凸部
をかしめる、あるいは溶接することにより灌流通過管を
腕2に固定している。前記灌流液接続口11を介して生
理食塩水の灌流装置を連結し、高周波発生装置と併用す
ることにより、ピンセツトの先端部8、8において流量
調節された灌流操作を行ない出血部位の確認や周辺組織
を高周波の発熱から保護することが可能となる。
【0017】さらに、腕2の内表面に灌流通過管10が
埋め込まれていることにより、ピンセツトの挟持操作を
行うと先端部8、8が見えにくくなることを防止し、止
血位置あるいは切開位置を正確に挟持することも可能と
なる。
【0018】前記のような構成になつているステンレス
鋼からなるピンセツトの先端部表面8、8に純度24カ
ラツトの金を厚さ5μm、表面粗さ6.3Sで鍍着す
る。金は常温はもとより高温においてもほとんど酸化せ
ず、イオン化傾向も低く化学的に安定な金属である。さ
らに、ピンセツトの先端部表面8a、8aの熱伝導率
は、20℃で0.746cal/cm・sec・℃とな
りステンレス鋼0.039cal/cm・sec・℃と
比較すると、はるかに伝熱性は大きい、したがつて高周
波電流が生体組織に流れることによつて発生した熱を腕
本体方向に伝達する度合いが大きいので生体組織あるい
は血管の一部がピンセツト先端部表面8a、8aに付着
する焼き付き現象が起きず、凝固能及び切開能の低下を
防止できる。
【0019】また、灌流通過管を具備していない双極電
気ピンセツトにおいても本発明を実施できるが、本実施
例におけるように灌流通過管を具備した双極電気ピンセ
ツトと組み合せることにより、灌流液をピンセツト先端
へ滴下することと本発明の効果により凝固能及び切開能
の低下を飛躍的に防止することができる。
【0020】チタン合金のピンセツトにおいてもチタン
合金の熱伝導率が20℃で、0.018cal/cm・
sec・℃であるためピンセツトの先端部表面に熱伝導
率が0.10cal/cm・sec・℃以上の貴金属を
表面粗さ6.3S以下でかつ、厚さ2〜100μmで鍍
着することは、有効である。図3、にピンセツト先端部
断面詳細図を示し、図4にピンセツト先端部平面詳細図
を示す。
【0021】本発明の効果を測定するために次の手順に
従つて試験を実施した。
【0022】
【試験1】双極電気ピンセツトを二本用意し、片方は市
販のもの(コツドマン社製・品番80−1552チタン
合金)をそのまま用い片方は本発明を実施するために金
を鍍着したものを用意した。高周波発生装置(コツドマ
ン社製マリス・バイポーラ凝固・切開装置 CMC−I
I)からバイポーラコード(コツドマン社製・品番30
−1536)によりそれぞれ双極電気ピンセツトを接続
し、そして高周波発生装置の出力を45に設定し3分間
連続で通電し牛乳を凝固させその牛乳の凝固状態を観察
した。
【0023】図5は、市販の双極電気ピンセツト(コツ
ドマン社製・品番80−1552)、図6は、本発明の
双極電気ピンセツトの前記試験の結果を示したものであ
る。図5(市販の双極電気ピンセツト)を見るとピンセ
ツトの先端部全体に凝固した牛乳が焼き付き高周波の通
電までが弱くなる結果がえられた。また、図6(本発明
の双極電気ピンセツト)を見ると金を鍍着した先端部分
には、凝固した牛乳の焼き付きがなく、先端から6mm
を越えコーテイング端部にかけて多少の牛乳凝固が見ら
れるだけであり、高周波の通電には影響を及ぼすことが
なかつた。特に手術で重要な部分は先端部分であり、図
6で本発明の双極電気ピンセツトの先端部には牛乳の固
着が見られない。従つて前記の結果及び図5、図6によ
り本発明の有効性が確認された。
【0024】
【試験2】試験1で使用したのと同じ市販の双極電気ピ
ンセツト(品番80−1552)、本発明の双極電気ピ
ンセツト、高周波発生装置及びバイポーラコードを用
い、高周波発生装置の出力を45に設定し凝固モードに
て豚の肝臓の組織に通電し、連続通電が可能な回数を測
定した。
【0025】試験2の測定結果を以下の表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】本発明の双極電気ピンセツトと市販されて
いる双極電気ピンセツトの比較は、これらの結果からわ
かるように、人間組織の代替として使用した豚の肝臓組
織で焼き付き防止に有効であると確認された。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チタン合金もしくはステンレス鋼からなる先端部に高周
波電流を通電させ、凝固及び切開作業を行う手術用双極
電気ピンセツトにおいて、ピンセツトの先端部表面8
a、8aに、例えば金14〜24カラツト又は銀を表面
粗さ6.3S以下でかつ、厚み2〜100μmで鍍着し
たので、高周波電流の通電時間の調整不良等により焼却
された生体組織がピンセツトの先端部に付着することに
よる凝固能及び切開能の低下を防止することができる。
【0029】また、手術時において高周波電流の通電時
間の調整が容易であり、かつ凝固及び切開操作を確実に
行うことができる。さらに灌流通過管を具備した双極電
気ピンセツトに本発明を併用することによりピンセツト
先端部への組織の焼き付き防止が相乗作用と成り得るこ
とにより、手術時間を大幅に短縮することができる。ま
たさらにピンセツトの先端部を金(14〜24カラツ
ト)で鍍着していると、二次加工を施した金属表面のよ
うに原子的に不安定でないので、空気中の酸素やその他
の元素と反応しにくく先端部が酸化し錆の発生する恐れ
がないため、いかなる保存環境にも耐え得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るピンセツトの平面図。
【図2】本発明の一実施例に係るピンセツトの片側の腕
の内側表面を示した図。
【図3】本発明の一実施例に係るピンセツトの先端部断
面詳細図。
【図4】本発明の一実施例に係るピンセツトの先端部平
面詳細図。
【図5】市販の双極電気ピンセツトを使用し牛乳を凝固
させたピンセツト先端部を示す図。
【図6】本発明の一実施例に係るピンセツトを使用し牛
乳を凝固させたピンセツト先端部を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・本体 2、3・・・腕 4・・・・・グリツプ部 5、6・・・電極 7・・・・・ハウジング部 8・・・・・先端部 8a・・・・金鍍着先端部表面 9・・・・・溝 10・・・・灌流通過管 11・・・・灌流接続口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波発生装置に接続する双極の電極を
    備え互いに絶縁され、先端部が常態時は開放状態を維持
    するよう付勢された2本の腕を有する双極電気ピンセツ
    トにおいて、該ピンセツトの少なくとも先端部表面に、
    熱伝導率が0.10cal/cm・sec・℃以上の貴
    金属を被覆してなることを特徴とする手術に用いる双極
    電気ピンセツト。
  2. 【請求項2】 前記ピンセツトの少なくとも生体組織と
    接触する先端部表面に14〜24カラツトの金を表面粗
    さ6.3S以下で、厚み2〜100μmで鍍着してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の双極電気ピンセツト。
JP6095438A 1994-04-11 1994-04-11 双極電気ピンセツト Pending JPH07275255A (ja)

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JP6095438A JPH07275255A (ja) 1994-04-11 1994-04-11 双極電気ピンセツト

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JP6095438A JPH07275255A (ja) 1994-04-11 1994-04-11 双極電気ピンセツト

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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