JPH07275193A - 電子内視鏡の画像信号処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】水平方向の補間により、モニタ画面上では粗さ
の目立たない見易い画面を得ることができ、しかもその
ような補間処理を低コストで正確に行うことのできる電
子内視鏡の画像信号処理装置を提供することを目的とす
る。 【構成】奇数番目の画素からの出力信号を保持して出力
する第１のサンプル保持回路２２と、偶数番目の画素か
らの出力信号を保持して出力する第２のサンプル保持回
路２３と、第１と第２のサンプル保持回路２２，２３か
らの出力の平均値をとる加算回路２４と、第１と第２の
サンプル保持回路２２，２３からの各出力値を保持期間
の後半期間出力する第１のスイッチング回路２５と、全
画素からの出力信号サンプリングのタイミング間隔を２
分割して、第１のスイッチング回路２５からの出力値と
加算回路２４からの出力値を交互に出力する第２のスイ
ッチング回路２６とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、内視鏡の挿入部先端
に内蔵された固体撮像素子から出力される画像信号を処
理するための電子内視鏡の画像信号処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】観察像伝送に固体撮像素子を用いたいわ
ゆる電子内視鏡においては、小さな固体撮像素子でなる
べく多くの画素数を確保することができるように、三原
色別の照明光による画像信号を時分割して順次送信す
る、いわゆる面順次方式の撮像処理が広く採用されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし内視鏡は、検査
を受ける患者に与える苦痛をできるだけ小さくするため
に、挿入部の太さを可能な限り細くすることが望まれ
る。

【０００４】そのため、挿入部先端に内蔵される固体撮
像素子もできる限り小さくしなければならないので、画
素数をあまり多くすることができない。その結果とし
て、モニタ画面に写し出される画像には粗さが目立ち、
高解像力で高品質な画像を得ることができない。

【０００５】そこで、補間技術を用いて、モニタ画面に
写し出される像の画素数を増やすことが考えられる。し
かし、一般にデジタル信号で処理される補間回路は、大
規模になって装置コストがかかり、また一画素毎に高速
演算させなければならないので、非常に高い周波数を用
いる必要があり、ノイズ放射等の問題も生じる。

【０００６】電子内視鏡において垂直方向の走査線補間
を行うことについては、特開昭６１−６１５８３号公報
に記載されており、その補間方法では、信号データを急
峻なカットオフ特性を有するローパスフィルタに通し、
スムージングしてＡ／Ｄ変換器に入力させている。

【０００７】しかし、そのように急峻なカットオフ特性
を有するローパスフィルタに信号を通すと、波形歪が発
生してしまうので、アナログ信号を正確にデジタル信号
に変換できなくなる欠点を有している。

【０００８】そこで本発明は、画素数の少ない固体撮像
素子を用いても、水平方向の補間により、モニタ画面上
では粗さの目立たない見易い画面を得ることができ、し
かもそのような補間処理を低コストで正確に行うことの
できる電子内視鏡の画像信号処理装置を提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子内視鏡の画像信号処理装置は、内視鏡
の挿入部先端に内蔵された固体撮像素子から出力される
画像信号を処理するための電子内視鏡の画像信号処理装
置において、上記固体撮像素子の奇数番目の画素からの
出力信号を順次サンプリングしてそのサンプル値を次の
サンプリングまでの間保持して出力する第１のサンプル
保持回路と、上記固体撮像素子の偶数番目の画素からの
出力信号を順次サンプリングしてそのサンプル値を次の
サンプリングまでの間保持して出力する第２のサンプル
保持回路と、上記第１と第２のサンプル保持回路からの
出力の平均値をとって出力する加算回路と、上記第１と
第２のサンプル保持回路からの各出力値を各サンプル保
持回路におけるサンプル値保持期間のうちの後半期間出
力するように切り換わる第１のスイッチング回路と、上
記第１と第２のサンプル保持回路による全画素からの出
力信号サンプリングのタイミング間隔を２分割して、そ
の前半の期間中は上記第１のスイッチング回路からの出
力値を選択して出力し、後半の期間中は上記加算回路か
らの出力値を選択して出力するように切り換わる第２の
スイッチング回路とを設けたことを特徴とする。

【００１０】

【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図１は、
電子内視鏡とその画像信号処理回路２０を示している。

【００１１】１は、内視鏡の挿入部２内に挿通された照
明用ライトガイドファイババンドル３に照明光を供給す
るための光源装置であり、集光レンズ４によって、光源
ランプ５からの光がライトガイドファイババンドル３の
入射端面に集光される。

【００１２】そしてその照明光路の途中には、赤、緑、
青の三色のカラーフィルタが円周方向に並んで取り付け
られた円盤７が、モータ８によって回転駆動されるよう
に配置されている。

【００１３】その結果、赤、緑、青の照明光が順にライ
トガイドファイババンドル３に入射し、挿入部２の先端
に配置された出射端から前方の観察範囲に向けて、その
照明光が出射される。

【００１４】挿入部２の先端内には、例えば電荷結合素
子（ＣＣＤ）からなる固体撮像素子１０が、対物光学系
１１による観察像の結像位置に受像面が位置するように
配置されている。

【００１５】固体撮像素子１０から出力されるアナログ
の画像信号の出力ラインは、本発明の画像信号処理回路
２０に接続されていて、増幅器２１を経て、第１と第２
のサンプル保持回路２２，２３に並列に接続されてい
る。そして、各サンプル保持回路２２，２３からの出力
ラインは、共に加算回路２４及び第１のスイッチング回
路２５に並列に接続されている。

【００１６】加算回路２４では、第１と第２のサンプル
保持回路２２，２３からの入力信号（電圧）が加算され
てその半分の値（即ち、平均値）が出力され、第１のス
イッチング回路２５では、第１と第２のサンプル保持回
路２２，２３からの入力信号が交互に選択して出力され
る。

【００１７】加算回路２４の出力ラインと第１のスイッ
チング回路２５の出力ラインは、水平方向の画素の補間
を行うための第２のスイッチング回路２６に接続されて
いて、その第２のスイッチング回路２６において、加算
回路２４からの入力信号と第１のスイッチング回路２５
からの入力信号とが、交互に選択して出力される。

【００１８】そして、第２のスイッチング回路２６から
の出力信号は、補間処理以外の処理を行うための信号処
理回路２７を通って、アナログデジタル変換器２８でデ
ジタル信号化される。

【００１９】次に上記電子内視鏡の画像信号処理装置２
０の動作について、図２及び図３のタイムチャートも参
照しながら説明をする。固体撮像素子１０から出力され
る画像信号は、増幅器２１で増幅される。その出力波形
は例えばに示されるように、固体撮像素子１０の一画
素毎に出力電圧値のピークがある波形である。

【００２０】第１のサンプル保持回路２２においては、
奇数番目の画素からの出力信号に合わせたサンプリング
パルスによってサンプリングした信号（電圧）値を、
に示されるように、次のサンプリングまでの間保持し
て出力する。

【００２１】第２のサンプル保持回路２３においては、
偶数番目の画素からの出力信号に合わせたサンプリング
パルスによってサンプリングした信号値を、に示さ
れるように、次のサンプリングまでの間保持して出力す
る。

【００２２】第１のスイッチング回路２５では、及び
のサンプリングパルスと同期してハイからロー、ロー
からハイになる切り換えパルスＡによってスイッチを切
り換える。

【００２３】そこでは、切り換えパルスＡがハイレベル
のときは第１のサンプル保持回路２２からの入力信号
を選択して出力し、切り換えパルスＡがローレベルのと
きは第２のサンプル保持回路２３からの入力信号を選
択して出力するように切り換わる。

【００２４】その結果、第１のスイッチング回路２５か
らは、に示されるように、第１のサンプル保持回路２
２と第２のサンプル保持回路２３からの各出力が、各サ
ンプル値保持期間のうちの後半期間出力される。

【００２５】加算回路２４は、例えば図４に示されるよ
うに、二つの入力端子の間に直列に接続された二つの抵
抗器Ｒ１，Ｒ２の間から出力電圧をとる構成であり、二
つの抵抗器Ｒ１，Ｒ２の抵抗値を同じにすることによ
り、図２のに示されるように、二つの入力端子からの
入力信号（電圧）のちょうど中間の電圧、即ち平均値が
出力される。

【００２６】第２のスイッチング回路２６では、第１の
スイッチング回路２５の切り換えパルスＡの２倍の速さ
の切り換えパルスＢによってスイッチの切り換えが行わ
れ、それによって、第１と第２の両サンプル保持回路２
２，２３による全画素からの出力信号サンプリングのタ
イミング間隔が２分割されて、に示されるように、そ
の前半の期間中は第１のスイッチング回路２５からの出
力値が選択されて出力され、後半の期間中は、加算回路
２４からの出力値が選択して出力される。

【００２７】このようにして、時間的には固体撮像素子
１０からの出力信号に比べて一画素分遅延した形で、固
体撮像素子１０の各画素の間に、両隣の画素の出力値の
平均値が出力される水平方向の補間がなされた信号波形
が得られる。

【００２８】そのような第２のスイッチング回路２６か
らの出力信号は、信号処理回路２７において補間処理以
外の信号処理が行われた後、アナログデジタル変換器２
８においてデジタル信号化される。

【００２９】そこでは、Ｃに示されるように、第２のス
イッチング回路２６の切り換えパルスのさらに２倍の速
度（したがって、固体撮像素子１０から出力される画像
信号の周波数の２倍の周波数）のクロックパルスによ
り、パルスの立ち上がり時にデータの取り込みが行われ
てデジタル信号化される。

【００３０】このようにして、水平方向に画素間の補間
がされたデータが送られ、これを、図示されていないメ
モリ回路等を経由してモニタに画像表示することによ
り、見た目に粗さの少ない良好な画像を得ることができ
る。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、サンプル保持回路と加
算回路とスイッチング回路とを組み合わせる簡単な構成
により、固体撮像素子の水平方向の画素間の補間を正確
に行うことができ、内視鏡の挿入部先端に内蔵するため
に画素数を充分に多くすることのできない固体撮像素子
からの画像を、モニタ上では粗さの目立たない良質の画
像として観察することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の全体構成図である。

【図２】実施例のタイムチャート図である。

【図３】実施例のタイムチャート図である。

【図４】実施例の加算回路の一例を示す回路図である。

【符号の説明】

２ 内視鏡の挿入部 １０ 固体撮像素子 ２０ 画像信号処理回路 ２２ 第１のサンプル保持回路 ２３ 第２のサンプル保持回路 ２４ 加算回路 ２５ 第１のスイッチング回路 ２６ 第２のスイッチング回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡の挿入部先端に内蔵された固体撮像
   素子から出力される画像信号を処理するための電子内視
   鏡の画像信号処理装置において、 上記固体撮像素子の奇数番目の画素からの出力信号を順
   次サンプリングしてそのサンプル値を次のサンプリング
   までの間保持して出力する第１のサンプル保持回路と、 上記固体撮像素子の偶数番目の画素からの出力信号を順
   次サンプリングしてそのサンプル値を次のサンプリング
   までの間保持して出力する第２のサンプル保持回路と、 上記第１と第２のサンプル保持回路からの出力の平均値
   をとって出力する加算回路と、 上記第１と第２のサンプル保持回路からの各出力値を各
   サンプル保持回路におけるサンプル値保持期間のうちの
   後半期間出力するように切り換わる第１のスイッチング
   回路と、 上記第１と第２のサンプル保持回路による全画素からの
   出力信号サンプリングのタイミング間隔を２分割して、
   その前半の期間中は上記第１のスイッチング回路からの
   出力値を選択して出力し、後半の期間中は上記加算回路
   からの出力値を選択して出力するように切り換わる第２
   のスイッチング回路とを設けたことを特徴とする電子内
   視鏡の画像信号処理装置。