JPH07274959A - 酵素による加水分解方法 - Google Patents

酵素による加水分解方法

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JPH07274959A
JPH07274959A JP8808494A JP8808494A JPH07274959A JP H07274959 A JPH07274959 A JP H07274959A JP 8808494 A JP8808494 A JP 8808494A JP 8808494 A JP8808494 A JP 8808494A JP H07274959 A JPH07274959 A JP H07274959A
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JP
Japan
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hydrolysis
enzyme
starch
water
raw material
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Application number
JP8808494A
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English (en)
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Katsuhisa Honda
克久 本田
Masazumi Yamashita
正純 山下
Jun Kuboi
潤 久保井
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Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酵素による加水分解において、加水分解の効
率の向上を図り、しかも歩留りの向上を図る。 【構成】 酵素を触媒として利用し、原料となるデンプ
ン,タンパク質,脂肪,繊維等を加水分解し、加水分解
生成物としてデンプン糖,ペプチド,アミノ酸,脂肪
酸,その他の調味料を得る加水分解工程において、原
料,酵素を脱気水に溶解して加水分解を行う。 【効果】 加水分解の効率が向上するとともに、歩留り
が向上し、この種の製造分野における生産性の向上に寄
与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、デンプン糖の製造や
液化醸造等の糖化工業の分野,食物繊維の製造分野,ペ
プチドやアミノ酸等の製造分野等において行われる酵素
による加水分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえばデンプンからデンプン糖
を製造する際に行われる加水分解にあっては、一般的
に、原料である粉末状のデンプンを水道水に溶解してデ
ンプンスラリーとし、このデンプンスラリーの濃度,p
Hを調整した後、液化酵素であるα−アミラーゼを添加
し、約110℃に加熱して糊化と同時に液化を行い、こ
の液化液に目的とする製品に応じて糖化酵素であるβ−
アミラーゼ,グルコアミラーゼ等を添加して加熱するこ
とにより酵素糖化を行っている。
【0003】また、このような加水分解は、他の糖化工
業,たとえばビール醸造等の醗酵関連の製造工程におい
てもほぼ同様であり、さらに食物繊維の製造工程やペプ
チド,アミノ酸の製造工程においても使用される原料や
酵素は異なるが同様に酵素による加水分解が多く行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の加水分
解にあっては、デンプン等の粉末原料を水道水にて溶解
するようにしているが、この溶解の際、溶解性が悪く、
溶解初期の段階において、粉末の集合体の内部に水が行
き届かない部分,いわゆるダマ(微粒子の集合体で、内
部に水と未接触の部分が存在する状態)が発生し、その
後の反応効率が低いと云う問題点があり、また微視的に
も、デンプン結晶内への水の浸透が不充分なため、その
後の加熱工程中においてデンプンの糊化が不充分とな
り,すなわちα化率が低く、その結果としてデンプンの
液化液の加水分解が充分に行われず、デンプンの老化,
すなわちβ化が促進されたり、水難溶性デンプンの割合
が多くなり、収率が低下するとともに、ろ過性も低下す
ると云う問題点がある。また、水道水による加水分解に
あっては、その液化,糖化の反応中における微生物汚染
によりpHが低下し、pHを調整するために、アルカリ
を添加することで対処しているが、これは同時に酵素の
失活を誘発し、収率が低下すると云う問題点がある。そ
して、従来の加水分解方法にあっては、原料中に存在す
る脂肪やタンパク等の酸化により、酸化臭が発生すると
云う問題点がある。これは、ビールや清酒等の液化醸造
においては、とくに香りの点で致命的な問題点となって
いる。さらに、前記のように、従来の加水分解方法にお
いて、液化率,糖化率が低いことは、デンプン等の原料
の微粒子が残ることになり、その結果として、次工程に
おけるろ過性に大きな影響を与えることになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、酵素を触媒として利用
し、原料となるデンプン,タンパク質,脂肪,繊維等を
加水分解し、加水分解生成物としてデンプン糖,ペプチ
ド,アミノ酸,脂肪酸,その他の調味料を得る加水分解
工程において、原料,酵素を脱気水に溶解して加水分解
を行うことを特徴としている。
【0006】
【実施例】以下、この発明の実施例を実験例に基づいて
説明する。以下の実験例において使用した脱気水は、通
常の水道水から膜脱気法により溶存気体を除去したもの
である。なお、この脱気水としては、加熱法や減圧法に
よって溶存気体を除去したものであっても、同様に適用
できるものである。また、この脱気水の脱気度合いは、
一般に、溶存酸素濃度で1ppm 以下が望ましい。なお、
脱気度合いとして溶存酸素濃度を用いるのは、他の窒素
等の気体と異なり、市販の簡便な測定器を用いて容易に
測定できるからである。そして、脱気水としては、酸素
と同様の割合で、窒素等の他の溶存気体も除去されてい
ることが望ましい。
【0007】まず、デンプン等の原料のα化について説
明すると、脱気水には不要な溶存気体がないため、原料
に対する水の浸透状態が均一,かつ迅速に起こるととも
に、原料の微粒子が均一に分散し、デンプンの糊化が充
分に行われ,すなわちα化率が高く、老化(β化)を促
進する水難溶性成分が生成され難い(ミセルの再配列が
起こり難い)ものとなった。したがって、デンプン等の
原料を脱気水に溶解して加水分解を行うと、原料の糊化
が充分に行われてα化率が高く、原料の液化液の加水分
解が充分に行われ、収率の低下を来すことなく、また次
工程におけるろ過性についても何等の影響を与えないも
のとなる。
【0008】つぎに、デンプン等の粉末原料の溶解度に
ついて説明すると、コーンスターチを用いて、所定量ご
とに、その全量が水道水と脱気水の水面下に沈むまでの
それぞれの時間を計測したところ、脱気水の方が水道水
より約10%〜20%、その溶解度が良好であった。こ
れは、前記ダマ内部の気体を脱気水が吸収するためであ
り、前記ダマ内部へ脱気水が浸透し易いことを示してい
る。したがって、粉末原料を脱気水に溶解して加水分解
を行うと、前記ダマの生成を阻止することができ、反応
効率を低下させることがないものとなる。
【0009】つぎに、脱気水においては(すなわち、O
2 抑制下においては)、微生物,とくに好気性菌の繁殖
が抑制されるため、微生物の汚染を受け難いことが確認
された。この結果、液化,糖化の反応中における微生物
汚染によるpHが低下すると云うことがなく、pH低下
を防止するためのアルカリ添加が不要となった。これ
は、同時に、酵素の失活の誘発をなくすることになる。
したがって、脱気水による加水分解にあっては、アルカ
リ添加による酵素の失活の誘発をなくし、収率の低下を
来すことがなく、所期の収率を確保することができる。
【0010】ここで、加水分解において脱気水を使用し
た場合の歩留りについて説明する。α−アミラーゼとグ
ルコアミラーゼとによる還元糖生成への影響について実
験した。まず、生トーモロコシデンプンと糊化トーモロ
コシデンプンをそれぞれ水道水と脱気水に溶解して、そ
れぞれデンプン懸濁液とした。この各懸濁液0.5g/
50mlをそれぞれ40℃に加熱し、それぞれに両酵素
液を50μlずつ添加して反応させた。そして、18時
間後に反応液中の還元糖をソモギー・ネルソン法により
定量した。その結果、各反応液とも、脱気水を使用した
方が水道水を使用した方より約20%〜30%、還元糖
量が多かった。したがって、脱気水を使用した場合は、
高収量を確保することができ、歩留りが向上することが
実証され、この種の製造分野における生産性の向上に寄
与することが顕著である。
【0011】さらに、脂肪の酸化について、過酸化物価
の指標の1つであるTBA値の測定について説明する
と、水道水と脱気水とを使用して加熱による脂肪酸の分
解量を測定した。その結果、脱気水を使用した方が水道
水を使用した方より約15%〜30%、脂肪酸の分解量
が少なかった。したがって、脱気水を使用した場合は、
原料中に存在する脂肪やタンパク等の酸化が起こり難
く、酸化臭が発生することがなく、またたとえ酸化臭が
発生したとしても、その臭気はごく軽微なものである。
これにより、ビールや清酒等の液化醸造において、とく
に問題となっている香りについても、充分要求を満たす
ものとなる。
【0012】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、原
料,酵素を脱気水に溶解して加水分解を行うものである
から、原料のα化率が高く、原料の液化液の加水分解が
充分に行われ、収率の低下を来すことがないとともに、
反応効率を低下させることがなく、次工程におけるろ過
性についても何等の悪影響を与えることがない。また、
微生物汚染によるpH低下を防ぐアルカリ添加も不要で
あるから、酵素反応を充分に発揮させることができ、所
期の収率を確保することができる。また、原料中に存在
する脂肪やタンパク等による酸化臭の発生がなく、香り
についてビールや清酒等の液化醸造において要求される
条件を充分にクリアーすることができる。また、加水分
解における歩留りが向上し、この種の製造分野における
生産性の向上に寄与する度合いが一段と高いものとな
る。さらに、この発明によれば、前記のように、液化
率,糖化率が高く、加水分解が充分に行われるものであ
るから、デンプン等の原料の微粒子が残ることはなく、
次工程におけるろ過性等について悪影響を与えることが
なく、この種の加水分解方法としては頗る効果的であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素を触媒として利用し、原料となるデ
    ンプン,タンパク質,脂肪,繊維等を加水分解し、加水
    分解生成物としてデンプン糖,ペプチド,アミノ酸,脂
    肪酸,その他の調味料を得る加水分解工程において、原
    料,酵素を脱気水に溶解して加水分解を行うことを特徴
    とする酵素による加水分解方法。
JP8808494A 1994-03-31 1994-03-31 酵素による加水分解方法 Pending JPH07274959A (ja)

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JP8808494A JPH07274959A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 酵素による加水分解方法

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JPH07274959A true JPH07274959A (ja) 1995-10-24

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004182A3 (en) * 2006-07-04 2008-04-24 Danflavour Aps Reactor, plant and method for hydrolyzing a reaction mixture hydrolyzable raw material and a protein composition obtained thereby
JP2010242038A (ja) * 2009-04-10 2010-10-28 Oji Cornstarch Co Ltd 穀物を原料とする澱粉糖の新規製造方法

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