JPH0727354Y2 - 組子の連結構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、室内建具等に組み込まれる押出型材からな
る組子の連結構造に関する。

〔従来の技術〕

従来の組子の連結構造としては、組子に、互いに組み合
わさる切欠部を形成し、一方の組子の切欠部に他方の組
子の切欠部を嵌入するとともに、切欠部どおしをピンあ
るいは連結具で連結する構造がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来の組子の連結構造は組子を中実にする
とか、双方の組子の側壁内面中央に突条を形成するとと
もに連結具の形状を複雑なものとしなければならず、製
造コストが高くつき、連結具の製造上の寸法誤差と組子
の切欠きの誤差によって連結後にガタが生じるおそれが
あった。

この考案は以上の問題点を解決すべく創案されたもの
で、連結具の形状が簡単で、組子の製造、取付けが容易
であり、製造コストが安価で、連結後にガタが生じるこ
とがない組子の連結構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、組子は断面中空矩形状で、断面中央に仕切
壁とビスホールを有し、互いに組み合わさる切欠部と、
その切欠部の中央に位置する連結ピンの嵌入孔を前記仕
切壁に形成し、連結ピンは長手方向に連続する切欠を有
し、円芯内外方向に弾力性を有し、一方の組子の連結ピ
ンの嵌入孔に連結ピンを嵌着し、該連結ピンの端部を他
方の組子の連結ピンに嵌着するとともに、一方の組子の
切欠部を他方の組子の切欠部に嵌入して、２つの組子を
交差状態で連結してなることを特徴とする。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例に基いて説明する。

第１図、第２図はこの考案の連結装置を示すものであ
る。

組子1,2は断面中空矩形状で押出型材からなり、断面中
央には仕切壁４を有し、その仕切壁４で区切られた２つ
の断面のうち一方には相対向するビスホール6,6が、そ
れぞれ長手方向に連続して形成されている。この組子1,
2には、組子1,2の幅と同一幅で組子1,2の高さの半分の
深さを有する切欠部３が複数形成されている。従って第
１図および第２図の実施例では切欠部３は組子1,2の端
面より仕切壁４までを切欠いた状態となる。さらに切欠
部３内に位置する仕切壁４には、連結ピン７を嵌入する
嵌入孔５が穿設されている。

連結ピン７は金属、合成樹脂等からなり、スリーブ形状
で長手方向に連続して切欠きが形成されており、端部に
はテーパーが付けられ、嵌合しやすくなっている。

また連結ピン７は断面形状が円形であり円芯内外方向に
弾力性を有している。そのため、連結ピン７を嵌入孔５
とビスホール６に嵌合する場合、まず連結ピン７を円芯
内方向に圧縮して嵌入孔５及びビスホール６に挿入し、
挿入後は円芯外方向への回復力が働き連結ピン７が嵌入
孔５とビスホール６に密着し、組子1,2を強固に連結す
ることができる。

組子1,2の連結に際しては、まず一方の組子２の嵌入孔
５に連結ピン７を差し込む。すると第２図に示すように
連結ピン７は嵌入孔５と２つのビスホール6,6で支持さ
れ、組子２に確実に固定される。次に一方の組子２の切
欠部３に他方の組子１の切欠部３を嵌入するとともに、
連結ピン７の端部を組子１の嵌入孔５に差し込んで前述
したように連結ピン７を嵌入孔５とビスホール6,6で支
持させて、２つの組子1,2を交差状態で連結する。

第３図はこの考案により連結した複数の組子1,2を使用
して障子８を構成したものである。

障子８は上框９、下框10、左右の竪框11,11からなり、
各框9,10,11の内側面には付子12が取付けられている。
そして付子12側よりビスをビスホール６に螺着すること
により、複数の組子1,2の両端部は付子12に固定され
る。この実施例では組子１は竪桟を、組子２は横桟を構
成している。

〔考案の効果〕 組子の突条を形成したり、連結具を複雑な形状とす
る必要がないので、組子の製造、加工が容易であり、製
作コストが安価である。また部品形状が単純であり、加
工箇所が少ないので、製作上の誤差が生じにくく連結後
にガタが生じるおそれがある。

組子の連結は、双方の組子の連結ピン取付け部に連
結ピンの端部を差し込んで接続するとともに、一方の組
子の切欠部を他方の組子の切欠部を嵌入して行うので、
取付け作業が容易である。また、連結ピンによる接続と
切欠部どおしの嵌合による２重連結であるため、連結後
に組子が外れるおそれがない。

また連結ピンは断面形状が円形であり長手方向に連
続する切欠を有して、円芯内外方向に弾力性を有してい
る。そのため、連結ピンを嵌入孔とビスホールに嵌合す
る場合、まず連結ピンを円芯内方向に圧縮して嵌入孔及
びビスホールに挿入し、挿入後は円芯外方向への回復力
が働き連結ピンが嵌入孔とビスホールに密着し、組子を
強固に連結することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は組子の取付け手順を示す斜視図、第２図は組子
の連結状態を示す断面図、第３図はこの考案により連結
した組子の使用例を示す障子の正面図である。 １、２…組子、３…切欠部、４…仕切壁、５…嵌入孔、
６…ビスホール、７…連結ピン、8,13…障子、９…上
框、10…下框、11…竪框、12…付子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】組子1,2は断面中空矩形状で、断面中央に
   仕切壁４とビスホールを有し、互いに組み合わさる切欠
   部３とその切欠部３の中央に位置する連結ピン７の嵌入
   孔５を前記仕切壁４に形成し、連結ピン７は長手方向に
   連続する切欠を有し、円芯内外方向に弾力性を有し、一
   方の組子１の連結ピン７の嵌入孔５に連結ピン７を嵌着
   し、連結ピン７の端部を他方の組子２の連結ピンに嵌着
   するとともに、一方の組子１の切欠部３を他方の組子２
   の切欠部３に嵌入して、２つの組子1,2を交差状態で連
   結してなることを特徴とする組子の連結構造。