JPH07273328A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH07273328A
JPH07273328A JP6063496A JP6349694A JPH07273328A JP H07273328 A JPH07273328 A JP H07273328A JP 6063496 A JP6063496 A JP 6063496A JP 6349694 A JP6349694 A JP 6349694A JP H07273328 A JPH07273328 A JP H07273328A
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semiconductor substrate
polysilicon diode
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリシリコンダイオードを形成するに際し、
ゲート前工程に制約されず、且つ製造工程が短縮できて
製品の低コスト化を図れ、レイアウト上の制約を低減す
ることが可能な半導体装置を提供することである。 【構成】 半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形成さ
れ、高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低濃度第2導
電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環状の不純物
拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオードと、該
ポリシリコンダイオードの外周端及び内周端と分離して
前記半導体基板内に形成され、金属配線を介して電気的
に接続される第1の基板内不純物拡散領域とを備えた半
導体装置において、前記ポリシリコンダイオードの内周
端及び外周端から前記半導体基板への不純物拡散によ
り、該半導体基板の内部に該半導体基板とは逆導電型の
第2の基板内不純物拡散領域を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦型絶縁ゲートトラン
ジスタ等のゲート保護ダイオードとしてポリシリコンダ
イオードを用いる半導体装置およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば縦型絶縁ゲートトランジス
タにおいては、異常電圧に対するゲート酸化膜保護の目
的からゲート保護ダイオードを備えることが重要となっ
てきている。
【0003】従来、この種の縦型絶縁ゲートトランジス
タに、ゲート保護ダイオードを形成するには、トランジ
スタ構造と分離して構成する必要があり、そして、縦型
絶縁ゲートトランジスタでは、ゲート電極としてポリシ
リコンを使用するため、シリコン酸化膜などの絶縁膜上
のポリシリコンを加工して、ゲート保護ダイオードを形
成し、表面電極の金属で配線するのが一般的である。
【0004】こうしたゲート保護ダイオードは、絶縁膜
上に形成されたダイオードを用いるため、完全な素子分
離が得られること、ゲートボンディングパッド領域内に
形成することができ、専用の領域を必要としないといっ
た利点がある。以下、この種のゲート保護ダイオードを
有する半導体装置の構成等について説明する。
【0005】図8は、従来の縦型絶縁ゲートトランジス
タに形成された1段のポリシリコンダイオードの構成を
示す図であり、同図(a)はポリシリコンダイオードの
平面図、及び同図(b)はそのA−A´断面図である。
【0006】同図(a)に示すように、チップ内のゲー
トボンディングパッド101の領域に環状のポリシリコ
ンダイオード118が形成されている。このポリシリコ
ンダイオード118をゲート保護ダイオードとする縦型
絶縁ゲートトランジスタ(Nチャネル型MOSFET)
を有する半導体装置は、同図(b)に示すように、N型
半導体基板111の内部にP型拡散領域112が形成さ
れ、さらにこれとは分離してチャネル部ベース領域であ
るP型拡散領域113が形成されている。
【0007】また、P型拡散領域112,113内の基
板主面側には、P+ 拡散領域114,115がそれぞれ
形成され、加えてP型拡散領域115内の基板主面側に
+型拡散領域116が形成されている。そして、P型
拡散領域112上には、絶縁膜117を介して環状の横
型ポリシリコンダイオード118が形成されている。
【0008】ポリシリコンダイオード118は、図9に
示すように、その外周端から内周端へ亘って環状のN+
型拡散領域118a、P型拡散領域118b及びN+
拡散領域118cが順次形成されている。なお、図9に
示すポリシリコンダイオード118は、図8のポリシリ
コンダイオード118の領域101aに対応した平面図
である。
【0009】さらに、P型拡散領域112と113の間
の基板111上には、ゲート絶縁膜119を介してポリ
シリコンゲート電極120が形成されている。そして、
ポリシリコンゲート電極120及びポリシリコンダイオ
ード118は、絶縁層121により被覆され、その絶縁
層112上には、ソースAl配線122及びゲートAl
配線123が形成されている。
【0010】ソースAl配線122は、コンタクトホー
ルを介してP+ 拡散領域114とP+ 拡散領域115及
びN+ 型拡散領域116とに接続されると共に、ポリシ
リコンダイオード118の外周部のN+ 型拡散領域11
8aに接続されている。
【0011】また、ゲートAl配線123は、ポリシリ
コンダイオード118の内周部N+型拡散領域118c
に接続されている。さらに図示はしないが、ゲートAl
配線122の一部領域がポリシリコンゲート電極120
に接続され、その延長部がゲートボンディングパット1
01に接続されている。
【0012】このように、裏面にドレイン、表面にゲー
ト及びソースを持つ縦型MOSFETのゲート・ソース
間に、ポリシリコンダイオード118が接続された構成
となっている。
【0013】上記構成のポリシリコンダイオード118
によれば、ゲートボンディングパッド101に異常電圧
が印加した場合に対しては、ゲートの破壊電圧よりも十
分低い電圧で電流を流してこれをクランプし、異常電圧
からFETのゲート酸化膜119を保護する。
【0014】次に、図8(b)に示す半導体装置の製造
方法を図10〜図12を用いて説明する。
【0015】まず、基板111の表面上に酸化膜11a
を形成した後(図10(a))、その酸化膜111aを
P型拡散領域112用にパターン化し、これをマスクと
して基板111へP型拡散を行い、P型拡散領域112
を形成する(図10(b))。
【0016】さらに、P型拡散領域112の表面上に酸
化膜117を形成し(図10(c))、この酸化膜11
7を残してゲート酸化用領域に形成されている酸化膜1
11aをエッチング除去する(図10(d))。
【0017】その後、この状態のウエーハ上にゲート酸
化膜119を介してポリシリコン層118Aを積層し
(図11の(e))、このポリシリコン層118Aをパ
ターン化して、酸化膜117上に環状のポリシリコンダ
イオード用のポリシリコン層118を、またゲート酸化
膜119上にポリシリコンゲート電極120を形成する
(図11の(f))。
【0018】さらに、これらのポリシリコン層をマスク
としてP型拡散を行い、基板1内部にソース用P型拡散
領域113を形成すると共に、ポリシリコン層118を
P型拡散化する(図11の(f))。
【0019】続いて、P型拡散領域112,113の内
部にそれぞれP+ 拡散を行ってP+拡散領域114,1
15を形成する(図11の(g))。さらに、フォトレ
ジストをマスクして、N+ 拡散を行い、P+ 拡散領域1
15の内部にN+ 型拡散領域116を、またポリシリコ
ン層118内にN+ 型拡散領域118a,118cをそ
れぞれ形成する(図12の(h))。これによって、ポ
リシリコン層118は、N+ 型拡散領域118a、P型
拡散領域118b及びN+ 型拡散領域118cを有する
ポリシリコンダイオード118として形成される。
【0020】その後、この状態のウェーハに対して絶縁
層122を堆積し、ソースAl配線13及びゲートAl
配線14を図11の(i)のように形成すれば、図8
(b)に示す半導体装置が得られる。
【0021】図13は、従来の2段双方向型のポリシリ
コンダイオードの構成例を示す断面図であり、図8
(b)と共通の要素には同一の符号が付されている。
【0022】この半導体装置の2段双方向型のポリシリ
コンダイオード141は、図14に示すように外周部か
ら内周部に亘り、N+ 型拡散領域141a、P型拡散領
域141b、N+ 型拡散領域141c、P型拡散領域1
41d、及びN+ 型拡散領域141e順次形成されてい
る。この2段双方向型のポリシリコンダイオードの等化
回路を図15に示す。
【0023】図16は、従来の2段双方向型のポリシリ
コンダイオードの他の構成例を示す断面図であり、この
半導体装置は、ポリシリコンダイオード141直下にお
ける基板111内のP型拡散領域112を設けないタイ
プである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の半導体装置では、ポリシリコンダイオード直下の酸
化膜117やP型拡散領域112など、ポリシリコンダ
イオード以外の構成要因によって、素子プロセス自体に
制約をもたらしているという問題があった。
【0025】より具体的に説明すると、図8(b)及び
図13に示すポリシリコンダイオードは、その直下に形
成されたP型拡散領域122がソースAl配線122へ
接続されている。このため、ドレイン・ソース間に電圧
が印加されても、空乏層がP型拡散領域112底部全面
を覆い、絶縁層として機能し、ポリシリコンダイオード
直下の酸化膜117及びポリシリコンダイオード自体に
何の悪影響もない。
【0026】しかし、図16に示すように、ポリシリコ
ンダイオード141直下にP型拡散領域112が存在し
ないタイプでは、ポリシリコンダイオード直下の絶縁膜
117をドレイン・ソース間の電圧に耐え得る厚さに設
定する必要がある。これをゲート酸化膜119で代用す
ることはできない。
【0027】ポリシリコンゲート電極とポリシリコンダ
イオードは、ゲート酸化直後に堆積したポリシリコン層
を加工形成するものである。ポリシリコン自体には薄い
ゲート酸化膜を保護する役割もあり、ゲート酸化とポリ
シリコン堆積の両工程を合わせてゲート工程ととらえる
ことができる。
【0028】従って、従来のポリシリコンダイオードの
構造では、ゲート工程前にゲート酸化膜119より厚い
酸化膜117の形成なり、P型拡散領域112の形成な
りの工程が最低限必要となる。このことは、ゲート工程
以前のプロセスが限定され、プロセス簡略化の妨げとな
る。
【0029】本発明は、上述の如き従来の問題点を解決
するためになされたもので、その目的は、ポリシリコン
ダイオードを形成するに際し、ゲート前工程に制約され
ない新しい構造の半導体装置を提供することである。ま
たその他の目的は、製造工程が短縮されて製品の低コス
ト化を図ることが可能な半導体装置を提供することであ
る。また、その他の目的は、レイアウト上の制約を低減
することが可能な半導体装置を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の特徴は、半導体基板上に絶縁膜を介し
て環状に形成され、高濃度第1導電型不純物拡散領域及
び低濃度第2導電型不純物拡散領域の少なくとも2種類
の環状の不純物拡散領域からなる横型のポリシリコンダ
イオードと、該ポリシリコンダイオードの外周端及び内
周端と分離して前記半導体基板内に形成され、金属配線
を介して電気的に接続される第1の基板内不純物拡散領
域とを備えた半導体装置において、前記ポリシリコンダ
イオードの内周端及び外周端から前記半導体基板への不
純物拡散により、該半導体基板の内部に該半導体基板と
は逆導電型の第2の基板内不純物拡散領域を形成したこ
とにある。
【0031】上記目的を達成するために、第2の発明の
特徴は、半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形成さ
れ、高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低濃度第2導
電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環状の不純物
拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオードと、該
ポリシリコンダイオードの外周端及び内周端と分離して
前記半導体基板内に形成され、金属配線を介して電気的
に接続される第1の基板内不純物拡散領域とを備えた半
導体装置において、前記ポリシリコンダイオードの内周
端及び外周端から前記半導体基板への不純物拡散によ
り、該半導体基板の内部に該半導体基板とは逆導電型で
形成された第2の基板内不純物拡散領域と、前記高濃度
第1導電型不純物拡散領域に設けられた複数の開孔部
と、前記各開孔部から前記半導体基板への不純物拡散に
より、該半導体基板の内部に該半導体基板とは逆導電型
で形成された第3の基板内不純物拡散領域とを備え、前
記第3の基板内不純物拡散領域は、前記第1の基板内不
純物拡散領域と共に表面金属配線を介して電気的に接続
したことにある。
【0032】上述の第1又は第2の発明において、前記
ポリシリコンダイオードにおける外周端部及び内周端部
の前記不純物拡散領域は、所定間隔の切欠き構造を有し
ているものとすることが望ましい。
【0033】
【作用】上述の如き構成によれば、第1の発明は、ポリ
シリコンダイオードの内周端及び外周端から半導体基板
への不純物拡散により、該半導体基板の内部に第2の基
板内不純物拡散領域を形成したので、ポリシリコンダイ
オードの下地の絶縁膜を例えばゲート酸化膜で代用する
ことができるようになる。これにより、従来のようにゲ
ート工程前に、前記絶縁膜を厚く形成したり、ポリシリ
コンダイオード直下の半導体基板に不純物拡散領域を形
成したりする必要がなくなる。
【0034】また、第2の発明では、第1の発明に加え
て、各開孔部から半導体基板への不純物拡散により、該
半導体基板の内部に第3の基板内不純物拡散領域を形成
し、これを第1の基板内不純物拡散領域と共に表面金属
配線を介して電気的に接続したので、例えばポリシリコ
ンダイオードを多段構成としたような場合であっても、
金属配線と半導体基板との間の電圧印加時に、少なくと
も第1及び第3の基板内不純物拡散領域により半導体基
板の空乏化が始まり、半導体基板の内部にポリシリコン
ダイオード直下の絶縁膜を覆うように厚い空乏層が切れ
目なく連続して生成される。
【0035】また、前記ポリシリコンダイオードにおけ
る外周端部及び内周端部の前記不純物拡散領域を所定間
隔の切欠き構造とすることにより、より一層厚い連続的
な空乏層の生成が可能となる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例に係る半導体装置の
構成を示す断面図である。
【0037】本実施例の半導体装置は、図8(a)のA
−A´断面に対応してゲートボンディングパット領域に
形成されるものであり、1段のポリシリコンダイオード
を縦型絶縁ゲートトランジスタ(Nチャネル型MOSF
ET)のゲート保護ダイオードとして構成するものであ
る。
【0038】すなわち、この半導体装置は、N型半導体
基板1を有し、該基板1の主面上には、ゲート酸化膜2
を介して環状の横型ポリシリコンダイオード3とポリシ
リコンゲート電極4とが形成されている。ポリシリコン
ダイオード3は、図2に示すように、その外周端から内
周端へ亘って順次形成された環状のN+ 型拡散領域(高
濃度第1導電型不純物拡散領域)3a、P型拡散領域
(低濃度第2導電型不純物拡散領域)3b及びN+ 型拡
散領域3cから構成されている。
【0039】そして、その外周部及び内周部のN+ 型拡
散領域3a,3cは、外側に向かって一定の間隔の切欠
き部3a´,3c´を有する切欠き構造を成している。
なお、図2に示すポリシリコンダイオード3は、前述し
た図8のポリシリコンダイオード118の領域101a
に対応した平面図である。
【0040】一方、基板1内には、ポリシリコンダイオ
ード3の内周端及び外周端から基板1への不純物拡散に
より、図2に示す切欠き部3a´,3c´にまで迫り出
すような形でP型拡散領域(第2の基板内不純物拡散領
域)5,6が形成されている。
【0041】さらに、基板1内には、このP型拡散領域
5,6とは分離してチャネル部ベース領域であるP型拡
散領域(第1の基板内不純物拡散領域)7が形成されて
いる。そして、P型拡散領域5,6,7内の基板主面側
には、P+ 拡散領域8,9,10がそれぞれ形成され、
加えてP型拡散領域10内の基板主面側にN+ 型拡散領
域11が形成されている。なお、P型拡散領域7とN+
型拡散領域11は、ゲート酸化膜2によりポリシリコン
ゲート電極4より絶縁されている。
【0042】さらに、ポリシリコンゲート電極4及びポ
リシリコンダイオード3は、PSG(Phospho
Silicate Glass)等の絶縁層12により
被覆され、その絶縁層12上には、ソースAl配線13
及びゲートAl配線14が形成されている。
【0043】そして、ソースAl配線13が、コンタク
トホールを介してP+ 拡散領域8とP+ 拡散領域10及
びN+ 型拡散領域11とに接続されると共に、ポリシリ
コンダイオード3の外周部のN+ 型拡散領域3aに接続
されている。
【0044】また、ゲートAl配線14は、ポリシリコ
ンダイオード3の内周部N+ 型拡散領域3cに接続され
ている。さらに図示はしないが、ゲートAl配線14の
一部領域がポリシリコンゲート電極4に接続され、その
延長部がゲートボンディングパットに接続されている。
【0045】このように、裏面にドレイン、表面にゲー
ト及びソースを持つ縦型絶縁ゲートトランジスタのゲー
ト・ソース間に、ポリシリコンダイオード3がAl配線
13,14によって接続された構成となっている。
【0046】このように構成される半導体装置におい
て、N型基板(ドレイン)1とソースAl配線13との
間に逆バイアスを加えると、P型拡散領域5,7からN
型基板1へ空乏化が始まり、図1に示すようにゲート酸
化膜2直下の基板1を覆うように連続した厚い空乏層2
0が生成される。
【0047】この空乏層20は、キャリアの存在しない
層であるため、絶縁層と同等に機能する。従って、薄い
ゲート酸化膜2を等価的に厚い絶縁膜としてとらえるこ
とができ、ドレイン・ソース間に電圧が印加された時の
ポリシリコンダイオード3直下のゲート酸化膜2の破壊
を的確に防止することができる。
【0048】さらに、本実施例によれば、P型拡散領域
5,6が、ポリシリコンダイオード3の外周部及び内周
部の切欠き部3a´,3c´まで迫り出すように形成さ
れているので、厚い空乏層20が切れ目なく連続して生
成されやすくなり、ゲート酸化膜2を十分に保護するこ
とができる。
【0049】次に、図1に示す半導体装置の製造方法を
図3及び図4を用いて説明する。
【0050】まず、N型基板1上にゲート酸化膜2を介
してポリシリコン層3Aを積層する(図3の(a))。
その後、このポリシリコン層3Aをリソグラフィ技術を
用いてパターン化して、ゲート酸化膜2上に環状ポリシ
リコン層3とポリシリコンゲート4を形成する。さら
に、これらのポリシリコン層をマスクとしてP型拡散を
行い、基板1内部にP型拡散領域5,6,7を形成する
と共に、ポリシリコン層3をP型拡散化する(図3の
(b))。
【0051】続いて、フォトレジストをマスクとしてP
型拡散領域5,6,7の内部にそれぞれ浅いP+ 拡散を
行ってP+ 拡散領域8,9,10を形成する(図3の
(c))。さらに、フォトレジストをマスクして、FE
Tのソースとポリシリコン層3のカソードとなるN+
散を行い、P+ 拡散領域10内部にN+ 型拡散領域11
を、またポリシリコンダイオード3内にN+ 型拡散領域
3a,3cをそれぞれ形成する(図4の(d))。これ
によって、ポリシリコン層3は、N+ 型拡散領域3a、
P型拡散領域3b及びN+ 型拡散領域3cを有するポリ
シリコンダイオード3として形成される。
【0052】その後、この状態のウェーハに対してPS
Gなどの絶縁層12を堆積し、P型拡散領域7上の絶縁
層12と、ポリシリコンダイオード3のN+ 型拡散領域
3a,3c上の絶縁層12とにコンタクトホールを形成
する。そして、Alを真空蒸着してソースAl配線13
及びゲートAl配線14を形成すれば、図1に示す半導
体装置が得られる(図4の(e))。
【0053】このように本実施例によれば、ゲート酸化
膜2の表面上のポリシリコン層を用いてポリシリコンダ
イオード3を形成したので、従来の必要であったポリシ
リコンダイオード直下の厚い酸化膜やP型拡散層を不要
とすることができ、ゲート工程前のプロセスの自由度が
広がる。これにより、これまでとは違ったプロセス構築
が可能となる。例えば、単純に必要のなくなった厚い酸
化膜やP型拡散層の工程(図10(a)〜(d))を削
除することができる。このようなプロセスを用いれば、
工程が短縮され、製品の低コスト化が実現される。
【0054】また、従来はゲートボンディングパット領
域に形成するしかなかったポリシリコンダイオードを場
所を選ばずに形成することが可能となる。これは、パタ
ーンの設計においてレイアウト上の制約を低減する効果
をもたらすものである。
【0055】図5は、本発明の第2実施例に係る半導体
装置におけるポリシリコンダイオードの構成を示す平面
図であり、前述した図8のポリシリコンダイオード11
8の領域101aに対応したものである。
【0056】本実施例の半導体装置は、ポリシリコンダ
イオードを2段の双方向型に構成してものである。すな
わち、図5に示すようにポリシリコンダイオード31の
外周部から内周部に亘り、N+ 型拡散領域31a、P型
拡散領域31b、N+ 型拡散領域31c、P型拡散領域
31d、及びN+ 型拡散領域31e順次形成され、その
うち、N+ 型拡散領域31cには、一定間隔で開孔部3
2が複数個設けられている。
【0057】さらに、外周部及び内周部のN+ 型拡散領
域31a,31eは、外側に向かって一定の間隔の切欠
き部31a´,31e´を有する切欠き構造を成してい
る。
【0058】ここで、切欠き構造を有するN+ 型拡散領
域31a,31eの幅Xと、その切欠き部31a´,3
1e´の最深端から開孔部32までの距離Yと、各開孔
部32間の間隔Zとは、FETのゲート長Lg(図1参
照)程度に設定する。即ち、例えば50V〜100Vの
ドレイン・ソース耐圧製品のゲート長Lgは5〜15μ
m程度であり、従ってこの製品に適用する寸法x,y,
zであるなら、5〜15μm程度に設定する。
【0059】図6(a),(b)は、本実施例の半導体
装置におけるポリシリコンダイオードの構成を示す断面
図であり、同図(a)は図5のB−B´断面、同図
(b)は図5のC−C´断面を表している。
【0060】この半導体装置のN型半導体基板41主面
上には、ゲート酸化膜42を介して環状の横型ポリシリ
コンダイオード31が形成されている。さらに、基板4
1の内部には、ポリシリコンダイオード31の内周端及
び外周端から基板41へのP型拡散により、図5に示す
切欠き部31a´,31e´にまで迫り出すような形で
P型拡散領域43,44が形成され、同時に、各開孔部
32からのP型拡散により、P型拡散領域(第3の基板
内不純物拡散領域)45が形成されている。
【0061】ポリシリコンダイオード31は、PSG等
の絶縁層46により被覆され、その絶縁層46上には、
ソースAl配線47及びゲートAl配線48が形成され
ている。ソースAl配線47は、コンタクトホールを介
してP型拡散領域43に接続されると共に、前記各開孔
部32を介してP型拡散領域45に接続され(図6
(a))、さらにコンタクトホールを介してポリシリコ
ンダイオード31のN+ 型拡散領域31aに接続されて
いる(図6(b))。また、図示はしないが、ソースA
l配線47は、基板41内部のFETソース領域に接続
されている(図1参照)。
【0062】一方、ゲートAl配線48は、コンタクト
ホールを介してポリシリコンダイオード3の内周部のN
+ 型拡散領域31eに接続されている。さらに、図示は
しないが、ゲートAl配線48の一部領域がポリシリコ
ンゲート電極に接続され、その延長部がゲートボンディ
ングパットに接続されている。
【0063】このように、裏面にドレイン、表面にゲー
ト及びソースを持つ縦型絶縁ゲートトランジスタのゲー
ト・ソース間に、2段双方向のポリシリコンダイオード
31がAl配線47,48によって接続された構成とな
っている。
【0064】本実施例の半導体装置において、N型基板
41とソースAl配線47との間に逆バイアスを加える
と、P型拡散領域43,45からN型基板41へ空乏化
が始まり、図6(a),(b)に示すようにゲート酸化
膜42直下の基板41を覆うように連続した厚い空乏層
50が生成される。
【0065】このように本実施例は、2段双方向のポリ
シリコンダイオードを構成する例を示したが、この場
合、上記第1実施例の1段構成のポリシリコンダイオー
ドに比べてポリシリコンダイオードの外周端から内周端
までの距離が大きくなり、連続的な厚い空乏層の生成が
容易でなくなる。この点を考慮して、本実施例ではP型
拡散領域45を開孔部32を介してソースAl配線に接
続したので、P型拡散領域45からもN型基板41へ空
乏化が始まり、ゲート酸化膜42直下に連続した厚い空
乏層50を生成することができる。
【0066】従って、上記第1実施例と同様に、ドレイ
ン・ソース間に電圧が印加された時のポリシリコンダイ
オード31直下のゲート酸化膜42の破壊を的確に防止
することができる。
【0067】また、本実施例の半導体装置の製造方法
は、開孔部32が設けられる点が異なるだけで上記第1
実施例と同様にして行われる。
【0068】なお、本発明は上記実施例に限定されず種
々の変形が可能である。その変形例としては次のような
ものがある。
【0069】(1)上記実施例では、1段及び2段構成
のポリシリコンダイオードを説明したが、3段以上の多
段構成のポリシリコンダイオードにも容易に対応するこ
とができる。3段の場合は、図7に示すように外周部か
ら内周部に亘り、順次、N+型拡散領域61a、P型拡
散領域61b、N+ 型拡散領域61c、P型拡散領域6
1d、N+ 型拡散領域61e、P型拡散領域61f、及
びN+ 型拡散領域61gを形成し、そのうち、N+ 型拡
散領域61c,61eには、一定間隔で複数の開孔部6
2,63をそれぞれ設ける。
【0070】(2)ポリシリコンダイオードの構成とし
て、上記実施例ではN+ 型拡散領域とP型拡散領域との
組み合わせであったが、P+ 型拡散領域とN型拡散領域
との組み合わせであってもよい。
【0071】(3)上記第2実施例において、図5に示
す寸法X,Y,Zは、FETのゲート長Lg程度に設定
したが、これは同一でなくともよく、また、ポリシリコ
ンダイオード31直下のゲート酸化膜42に対するシー
ルド(保護)効果が得られる寸法内で変更することは当
然可能である。
【0072】(4)上記実施例では、NチャネルMOS
FETを用いて説明したが、PチャネルMOSFETや
IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であっ
ても適用可能である。
【0073】
【発明の効果】以上詳細に説明したように第1の発明に
よれば、ポリシリコンダイオードの内周端及び外周端か
ら半導体基板への不純物拡散により、該半導体基板の内
部に該半導体基板とは逆導電型の第2の基板内不純物拡
散領域を形成したので、ゲート工程前にポリシリコンダ
イオード直下の絶縁膜や不純物拡散領域を形成する必要
がなくなる。これにより、ゲート工程前のプロセスの自
由度が広がり、これまでとは違ったプロセス構築が可能
となる。さらに、ポリシリコンダイオードを場所を選ば
ずに形成することが可能となり、パターンの設計におい
てレイアウト上の制約の低減化を促進できる。
【0074】また、第2の発明では、第1の発明に加え
て、高濃度第1導電型不純物拡散領域に設けられた複数
の開孔部と、前記各開孔部から前記半導体基板への不純
物拡散により、該半導体基板の内部に該半導体基板とは
逆導電型で形成された第3の基板内不純物拡散領域とを
備え、前記第3の基板内不純物拡散領域は、第1の基板
内不純物拡散領域と共に表面金属配線を介して電気的に
接続したので、上記第1の発明の効果に加えて、ポリシ
リコンダイオード直下の絶縁膜を覆うように厚い空乏層
が切れ目なく連続して生成させることが可能となる。こ
れにより、金属配線と半導体基板との間の電圧印加時
に、ポリシリコンダイオード直下の絶縁膜の破壊を的確
に防止することができる。
【0075】また、前記ポリシリコンダイオードにおけ
る外周端部及び内周端部の前記不純物拡散領域を所定間
隔の切欠き構造とすることにより、より一層連続的な厚
い空乏層の生成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体装置の構成を
示す断面図である。
【図2】第1実施例のポリシリコンダイオード3の平面
図である。
【図3】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す工程
図(その1)である。
【図4】第1実施例の半導体装置の製造方法を示す工程
図(その2)である。
【図5】本発明の第2実施例に係る半導体装置における
ポリシリコンダイオードの構成を示す平面図である。
【図6】第2本実施例の半導体装置におけるポリシリコ
ンダイオードの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の変形例を示す図である。
【図8】従来の1段のポリシリコンダイオードの構成を
示す図である。
【図9】図8のポリシリコンダイオード118の平面図
である。
【図10】従来の半導体装置の製造方法を示す工程図
(その1)である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を示す工程図
(その2)である。
【図12】従来の半導体装置の製造方法を示す工程図
(その3)である。
【図13】従来の2段双方向型のポリシリコンダイオー
ドの構成例を示す断面図である。
【図14】図13のポリシリコンダイオードの平面図で
ある。
【図15】2段双方向型のポリシリコンダイオードの等
化回路を示す回路図である。
【図16】従来の2段双方向型のポリシリコンダイオー
ドの他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 N型半導体基板 2 ゲート酸化膜 3 ポリシリコンダイオード 3a,3c N+ 型拡散領域 3b P型拡散領域 3a´,3c´ 切欠き部 4 ポリシリコンゲート電極 5,6,7 P型拡散領域 13 ソースAl配線 32 開孔部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形
    成され、高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低濃度第
    2導電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環状の不
    純物拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオード
    と、該ポリシリコンダイオードの外周端及び内周端と分
    離して前記半導体基板内に形成され、金属配線を介して
    電気的に接続される第1の基板内不純物拡散領域とを備
    えた半導体装置において、 前記ポリシリコンダイオードの内周端及び外周端から前
    記半導体基板への不純物拡散により、該半導体基板の内
    部に該半導体基板とは逆導電型の第2の基板内不純物拡
    散領域を形成したことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形
    成され、高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低濃度第
    2導電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環状の不
    純物拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオード
    と、該ポリシリコンダイオードの外周端及び内周端と分
    離して前記半導体基板内に形成され、金属配線を介して
    電気的に接続される第1の基板内不純物拡散領域とを備
    えた半導体装置において、 前記ポリシリコンダイオードの内周端及び外周端から前
    記半導体基板への不純物拡散により、該半導体基板の内
    部に該半導体基板とは逆導電型で形成された第2の基板
    内不純物拡散領域と、 前記高濃度第1導電型不純物拡散領域に設けられた複数
    の開孔部と、 前記各開孔部から前記半導体基板への不純物拡散によ
    り、該半導体基板の内部に該半導体基板とは逆導電型で
    形成された第3の基板内不純物拡散領域とを備え、 前記第3の基板内不純物拡散領域は、前記第1の基板内
    不純物拡散領域と共に表面金属配線を介して電気的に接
    続したことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ポリシリコンダイオードにおける外
    周端部及び内周端部の前記不純物拡散領域は、所定間隔
    の切欠き構造を有していることを特徴とする請求項1に
    記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低
    濃度第2導電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環
    状の不純物拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオ
    ードを半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形成するス
    テップと、金属配線を介して電気的に接続される第1の
    基板内不純物拡散領域を該ポリシリコンダイオードの外
    周端及び内周端と分離して前記半導体基板内に形成する
    ステップとを備えた半導体装置の製造方法において、 前記ポリシリコンダイオードの内周端及び外周端から前
    記半導体基板への不純物拡散により、該半導体基板の内
    部に該半導体基板とは逆導電型の第2の基板内不純物拡
    散領域を形成するステップを有することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 高濃度第1導電型不純物拡散領域及び低
    濃度第2導電型不純物拡散領域の少なくとも2種類の環
    状の不純物拡散領域からなる横型のポリシリコンダイオ
    ードを半導体基板上に絶縁膜を介して環状に形成するス
    テップと、金属配線を介して電気的に接続される第1の
    基板内不純物拡散領域を該ポリシリコンダイオードの外
    周端及び内周端と分離して前記半導体基板内に形成する
    ステップとを備えた半導体装置の製造方法において、 前記ポリシリコンダイオードの内周端及び外周端から前
    記半導体基板への不純物拡散により、該半導体基板の内
    部に該半導体基板とは逆導電型の第2の基板内不純物拡
    散領域を形成するステップと、 前記高濃度第1導電型不純物拡散領域に複数の開孔部を
    形成するステップと、 前記各開孔部から前記半導体基板への不純物拡散によ
    り、該半導体基板の内部に該半導体基板とは逆導電型の
    第3の基板内不純物拡散領域を形成するステップと、 前記第3の基板内不純物拡散領域を、前記第1の基板内
    不純物拡散領域と共に表面金属配線を介して電気的に接
    続するステップとを有することを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020155481A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 富士電機株式会社 半導体集積回路

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