JPH07272972A - 磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

磁器コンデンサ及びその製造方法

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JPH07272972A
JPH07272972A JP6083904A JP8390494A JPH07272972A JP H07272972 A JPH07272972 A JP H07272972A JP 6083904 A JP6083904 A JP 6083904A JP 8390494 A JP8390494 A JP 8390494A JP H07272972 A JPH07272972 A JP H07272972A
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喜和 沖野
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寿光 静野
Shinichi Abe
紳一 阿部
Hiroshi Kishi
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 誘電損失の交流電圧特性が良好な誘電体磁器
組成物を誘電体層とした磁器コンデンサ及びその製造方
法を提供する。 【構成】 誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基
本成分と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物
を焼成したものからなり、該基本成分が、(1−γ−η)
(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αA
O5/2+βD(MはMg及び/又はZn、LはCa及び/
又はSr、JはCa及び/又はBa、RはLa,Ce,
Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから、R’はSc,
Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びL
uから夫々選択された1種又は2種以上の元素、AはP
及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co及びNiか
ら選択された1種又は2種以上の酸化物)で表わされる
物質からなり、添加成分はLi2 O及び/又はB23
とSiO2 とMO(MOはBaO,SrO,CaO,M
gO及びZnOから選択された1種又は2種以上の酸化
物)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1又は2以上の誘電体
磁器層を少なくとも2以上の内部電極によって各々挟持
させてなる単層又は積層構造の磁器コンデンサ及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層磁器コンデンサを製造するに
は、次のような方法が用いられている。即ち、ドクター
ブレード法等によりセラミックグリーンシートを作成
し、このグリーンシート上に内部電極となる金属粉末の
ペーストを印刷し、これらを複数枚積み重ねて熱圧着
し、1300℃以上の自然雰囲気中で焼成して焼結体を
作り、内部電極と導通する外部電極を焼結体の端面に焼
き付けていた。
【0003】ここで、パラジウム、白金、銀−パラジウ
ム等の貴金属は上記製造条件下でもセラミックと接触し
て酸化したり、セラミックと直接反応を起こさないた
め、内部電極の材料としてこれまで多くの積層磁器コン
デンサに使用されていたが、高価であるためコスト高の
最大の原因になっていた。
【0004】この様な問題を解決する手段として、内部
電極の材料に卑金属を用いることが試みられている。し
かるに、内部電極の材料として、例えば、ニッケルを用
いると、自然雰囲気中の焼成で酸化され、セラミックと
容易に反応するため内部電極を形成することが出来なく
なる。この様な卑金属の酸化を防止するために、還元雰
囲気中で焼成を行わなければならないが、還元雰囲気中
で焼成するとセラミックは著しく還元されてしまい、コ
ンデンサとして機能しなくなる。
【0005】そこで、この様な問題を解決するため、本
件特許出願人は次に述べる公開公報に開示されているよ
うな多数の誘電体磁器組成物を提案した。
【0006】例えば、特開平4−147016号公報に
は、(1−α−β)((Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 + αCaZrO3 +
β(R1-zR'z)O3/2 (但し、MはMg及び/又はZn、L
はCa及び/又はSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の
元素、R’はSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er及びY
bから選択された1種又は2種以上の元素)からなる基
本成分と、Li2 O,SiO2 及びMO(但し、MOは
BaO,CaO及びSrOから選択された1種又は2種
以上の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組
成物が開示されている。
【0007】また、特開平4−147015号公報に
は、(1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +αCaZrO3
(R1-zR'z)O3/2 (但し、MはMg及び/又はZn、Lは
Ca及び/又はSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元
素、R’はSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er及びYb
から選択された1種又は2種以上の元素)からなる基本
成分と、B23 ,SiO2 及びMO(但し、MOはB
aO,CaO及びSrOから選択された1種又は2種以
上の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成
物が開示されている。
【0008】また、特開平4−102019号公報に
は、(1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +αBaZrO3
(R1-zR'z)O3/2 (但し、MはMg及び/又はZn、Lは
Ca及び/又はSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元
素、R’はSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er及びYb
から選択された1種又は2種以上の元素)からなる基本
成分と、Li2O,SiO2 及びMO(但し、MOはBa
O,CaO及びSrOから選択された1種又は2種以上
の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成物
が開示されている。
【0009】また、特開平4−102018号公報に
は、(1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +αBaZrO3
(R1-zR'z)O3/2 (但し、MはMg及び/又はZn、Lは
Ca及び/又はSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,P
m,Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元
素、R’はSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er及びYb
から選択された1種又は2種以上の元素)からなる基本
成分と、B23 ,SiO2 及びMO(但し、MOはB
aO,CaO及びSrOから選択された1種又は2種以
上の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成
物が開示されている。
【0010】これら開示されている誘電体磁器組成物
は、非酸化性雰囲気中における1200℃以下の焼成で
磁器コンデンサを得ることが出来、その比誘電率が33
00以上、誘電損失tanδが2.5%以下、抵抗率ρ
が4×106 MΩ・cm以上であり、かつ比誘電率の温
度変化率が−55℃〜125℃で−15%〜+15%
(25℃を基準)、−25℃〜85℃で−10%+10
%(20℃を基準)の範囲にすることができるものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子回路の小型
化、高密度化にともない磁器コンデンサも小型大容量の
ものが強く求められている。その一つの手法として、積
層磁器コンデンサが知られており、その誘電体グリーン
シートの薄膜化、又はその積層数の増加により大容量化
することが試みられている。しかしながら、積層磁器コ
ンデンサにおいて、その誘電体磁器層を薄膜化すること
は、単位厚みあたりの交流電圧が増すことになり、誘電
損失(tanδ)が大きくなる。そこで、本発明は、上
記各公報に開示されている誘電体磁器組成物よりも更
に、誘電損失の交流電圧特性が良好な誘電体磁器組成物
を備えた磁器コンデンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1及び請求項2記載の発明は、誘電体磁器組成物から
なる1又は2以上の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層
を挟持している少なくとも2以上の内部電極とを備えた
磁器コンデンサにおいて、前記誘電体磁器組成物が、1
00.0重量部の基本成分と、0.2〜5.0重量部の
添加成分との混合物を焼成したものからなり、前記基本
成分が、(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +ηJZrO3+
γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD(但し、MはMg及び/
又はZn、LはCa及び/又はSr、JはCa及び/又
はBa、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及び
Euから選択された1種又は2種以上の元素、R’はS
c,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及
びLuから選択された1種又は2種以上の元素、AはP
及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co及びNiか
ら選択された1種又は2種以上の酸化物、α,β,γ,
η,k,x,y及びzは、 0.0005≦α≦0.01 0.0005≦β≦0.01 0.002≦γ≦0.04 0.005≦η≦0.04 1.00≦k≦1.05 0≦x<0.10 0≦y≦0.05 0.01≦x+y≦0.10 0.5≦z≦0.9 を満足する数値)で表わされる物質からなる。
【0013】ここで、基本成分の組成式中におけるA成
分の割合、すなわちαの値は、0.0005≦α≦0.
01の範囲が好ましい。αの値が0.0005未満で
は、交流電圧200V/mmにおける誘電損失tanδ
が3.0%を越えてしまい、αの値が0.01を越える
と抵抗率ρが4.0×106 MΩ・cmより小さくな
り、静電容量の温度変化率△C-55 ,△C125 が−15
%〜+15%から外れ、△C-25 ,△C85が−10%〜
+10%から外れてしまうが、αの値が0.0005≦
α≦0.01の範囲では所望の電気的特性を有するもの
が得られるためである。
【0014】なお、A成分のPとVはほぼ同様に働き、
0.0005≦α≦0.01を満足する範囲ではPとV
のうち一方又は両方を使用することが出来る。
【0015】また、基本成分の組成式中におけるD成分
の割合、すなわちβの値は、0.0005≦β≦0.0
1の範囲が好ましい。βの値が0.0005未満では、
交流電圧200V/mmにおける誘電損失tanδが
3.0%を越えてしまい、βの値が0.01を越えると
比誘電率が3300より小さくなるが、βの値が0.0
005≦β≦0.01の範囲では所望の電気特性を有す
るものが得られるためである。
【0016】なお、D成分であるCr,Mn,Fe,C
o及びNiの酸化物はそれぞれほぼ同様に働き、これら
から選択された一つを使用しても、又は複数を組み合わ
せて使用しても同様な効果が得られるものである。
【0017】また、基本成分の組成式中におけるγの値
は、0.002≦γ≦0.04の範囲が好ましい。γの
値が0.002未満では、静電容量の温度変化率△C
-55 が−15%〜+15%から外れ、△C-25 が−10
%〜+10%から外れてしまい、またγの値が0.04
を越えると静電容量の△C85が−10%〜+10%から
外れてしまうが、γの値が0.002≦γ≦0.04の
範囲では所望の電気的特性を有する緻密な焼結体が得ら
れるためである。
【0018】また、基本成分の組成式中におけるJZr
3 (J成分)の割合、すなわちηの値は、0.005
≦η≦0.04の範囲が好ましい。ηの値が0.005
未満では、静電容量の温度変化率△C-55 が−15%〜
+15%から外れ、△C-25が−10%〜+10%から
外れてしまい、またηの値が0.04を越えると静電容
量の△C85が−10%〜+10%から外れてしまうが、
ηの値が0.005≦η≦0.04の範囲では所望の電
気的特性を有するものが得られるためである。
【0019】なお、J成分のCaとBaはほゞ同様に働
き、0.005≦η≦0.04を満足する範囲ではCa
とBaのうち一方又は両方を使用することが出来る。
【0020】また、kの値は、1.00≦k≦1.05
の範囲が好ましい。kの値が1.00未満では、抵抗率
ρが4.0×106 MΩ・cmより小さくなり、静電容
量の温度変化率△C-55 ,△C125 が−15%〜+15
%から外れ、△C-25 ,△C85が−10%〜+10%か
ら外れてしまい、またkの値が1.05を越えると緻密
な焼結体が得られなくなってしまうが、kの値が1.0
0≦k≦1.05の範囲では所望の電気的特性を有する
緻密な焼結体が得られるためである。
【0021】また、x+yの値は、0.01≦x+y≦
0.10の範囲が好ましい。x+yの値が0.01未満
では、静電容量の温度変化率△C-55 が−15%〜+1
5%から外れ、x+yの値が0.10を越えると、静電
容量の温度変化率△C85が−10%〜+10%から外れ
てしまうが、x+yの値が0.010≦x+y≦0.1
0の範囲では所望の電気的特性を有する緻密な焼結体が
得られるためである。
【0022】ただし、x+y≦0.10であっても、y
≦0.05が好ましい。x+y≦0.10が満足してい
ても、yの値が0.05を越えると静電容量の温度変化
率△C85が−10%〜+10%から外れてしまうためで
ある。
【0023】なお、M成分のMgとZn及びL成分のC
aとSrはほぼ同様に働き、0≦x≦0.10を満足す
る範囲ではMgとZnのうち一方又は両方を使用するこ
と、また0≦y≦0.05を満足する範囲でCaとSr
のうちの一方又は両方を使用することが出来る。
【0024】また、zの値は、0.5≦z≦0.9の範
囲が好ましい。zの値が0.5未満ではtanδが2.
5%を越えてしまい、交流電圧200V/mmにおける
誘電損失tanδが3.0%を越えてしまい、抵抗率ρ
が4.0×106 MΩ・cmより小さくなり、静電容量
の温度変化率△C-55 が−15%〜+15%から外れ、
△C-25 ,△C85が−10%〜+10%から外れ、zの
値が0.9を越えると比誘電率が3300以下になって
しまうが、0.5≦z≦0.9の範囲では、所望の電気
的特性を有するものが得られるためである。
【0025】なお、R成分のLa,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEu、また、R’成分のSc,Y,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuはそ
れぞれほゞ同様に働き、これ等から選択された1つを使
用しても、又は複数を使用しても同様な結果が得られる
ものである。
【0026】ただし、zの値は、R成分及びR’成分の
それぞれが1種又は複数種のいずれの場合においても、
0.5≦z≦0.9の範囲にすることが望ましい。
【0027】なお、基本成分のx,y,z及びkは、前
述した基本成分の組成式の各元素の原子数、すなわちT
iの原子数を1とした場合の各元素の原子数の割合を示
す。また、α及びβは、前述した基本成分の組成式の各
酸化物の原子数、すなわち、前述した基本成分の組成式
のうち(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +ηJZrO3
(R1-zR'z)O3/2 の分子数を1とした場合の各酸化物の原
子数の割合を示す。
【0028】また、基本成分を得るための出発原料を、
実施例で示したもの以外の、例えばBaO,SrO,C
aOなどの酸化物又は水酸化物又はその他の化合物とし
てもよい。
【0029】次に、添加成分としては、Li2 O−Si
2 −MO及びB23 −SiO2−MOのいずれか一
方又は両方を使用することができる。添加成分の添加量
は、100重量部の基本成分に対し、0.2〜5重量部
の範囲が好ましい。添加成分の添加量が0.2重量部未
満の場合には、焼成温度が1250℃であっても緻密な
焼結体が得られず、また、添加成分の添加量が5重量部
を越える場合には、比誘電率が3300未満となり、静
電容量の温度変化率△C-55 が−15%〜+15%から
外れるが、添加成分が0.2〜5重量部の範囲にある場
合は、所望の電気的特性を有する緻密な焼結体が得られ
るためである。
【0030】そして、請求項1記載の発明は、前記添加
成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MOはBa
O,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択された
1種又は2種以上の酸化物)とからなり、前記Li2
と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲が、これらの組
成をモル%で示す三角図における、前記Li2 Oが1モ
ル%、前記SiO2 が80モル%、前記MOが19モル
%の組成を示す第一の点Aと、前記Li2 Oが1モル
%、前記SiO2 が39モル%、前記MOが60モル%
の組成を示す第二の点Bと、前記Li2 Oが30モル
%、前記SiO2 が30モル%、前記MOが40モル%
の組成を示す第三の点Cと、前記Li2 Oが50モル
%、前記SiO2 が50モル%、前記MOが0モル%の
組成を示す第四の点Dと、前記Li2 Oが20モル%、
前記SiO2 が80モル%、前記MOが0モル%の組成
を示す第五の点Eとをこの順に結ぶ5本の直線で囲まれ
た領域内のものである。
【0031】ここで、添加成分の組成を、Li2 O−S
iO2 −MOの組成比をモル%で示す三角図において、
前記した点A〜Eをこの順に結ぶ5本の直線で囲まれた
領域内としたのは、添加成分の組成をこの範囲内のもの
とすれば、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、添加成分の組成をこの範囲外とすれ
ば、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることがで
きなくなるからである。なお、MO成分となるBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOは適当な比率で使用
してもよい。添加成分の出発原料は酸化物、水酸化物等
の他の化合物としてもよい。
【0032】また、請求項2記載の発明は、前記添加成
分がB23 とSiO2 とMO(但し、MOはBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOから選択された1種
又は2種以上の金属酸化物)とからなり、前記B23
0が1モル%、前記SiO2 が80モル%、前記MOが
19モル%の組成を示す第六の点Fと、前記B23
1モル%、前記SiO2 が39モル%、前記MOが60
モル%の組成を示す第七の点Gと、前記B23 が29
モル%、前記SiO2 が1モル%、前記MOが70モル
%の組成を示す第八の点Hと、前記B23 が90モル
%、前記SiO2 が1モル%、前記MOが9モル%の組
成を示す第九の点Iと、前記B23 が90モル%、前
記SiO2 が9モル%、前記MOが1モル%の組成を示
す第十の点Jと、前記B23 が19モル%、前記Si
2 が80モル%、前記MOが1モル%の組成を示す第
十一の点Kとをこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域
内のものである。
【0033】ここで、添加成分の組成を、B23 −S
iO2 −MOの組成比をモル%で示す三角図において、
前記した点F〜Kをこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた
領域内としたのは、添加成分の組成をこの範囲内のもの
とすれば、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、添加成分の組成をこの範囲外とすれ
ば、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることがで
きなくなるからである。なお、MO成分となるBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOは適当な比率で使用
してもよい。添加成分の出発原料は酸化物、水酸化物等
の他の化合物としてもよい。
【0034】また、上記課題を解決する請求項3及び請
求項4記載の発明は、前記の基本成分と添加成分とから
なる未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製する工程
と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形成する工
程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以上の導電
性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工程と、前
記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する工程と、
前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中において熱処
理する工程とを備えたものである。
【0035】ここで、添加成分としては、請求項1記載
の発明のもの(Li2 O−SiO2−MO)及び請求項
2記載の発明のもの(B23 −SiO2 −MO)のい
ずれか一方又は両方を使用することができる。また、非
酸化性雰囲気としては、H2やCOなどの還元性雰囲気
のみならず、N2 やArなどの中性雰囲気であってもよ
い。また、非酸化性雰囲気中における焼成温度は、電極
材料を考慮して種々変更することができる。ニッケルを
内部電極とする場合には、1050℃〜1200℃の範
囲でニッケル粒子の凝集をほとんど生じさせることなく
焼成することができる。
【0036】また、酸化性雰囲気中における熱処理温度
は、非酸化性雰囲気中における焼成温度より低い温度で
あればよく、500℃〜1000℃の範囲が好ましい。
酸化性雰囲気としては、大気雰囲気に限定することな
く、例えば、N2 に数ppmのO2 を混合したような低
酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃度の雰囲気を使用す
ることができる。どのような温度あるいはどのような酸
素濃度の雰囲気にするかは、電極材料(ニッケル等)の
酸化と誘電体磁器層の酸化とを考慮して種々変更する必
要がある。後述した実施例ではこの熱処理の温度を60
0℃としたが、この温度に限定されるものではない。
【0037】また、後述する実施例では、非酸化性雰囲
気中における熱処理と、酸化性雰囲気中における熱処理
を一つの連続した焼成プロファイルの中で行なっている
が、もちろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸
化性雰囲気における熱処理工程とを独立した工程に分け
て行なうことも可能である。
【0038】また、後述する実施例では、外部電極とし
てZn電極を使用しているが、電極焼付け条件を選択す
ることによりNi,Ag,Cu等の電極を用いることが
できるものはもちろん、Ni外部電極を未焼結積層体の
端面に塗布して積層体の焼成と外部電極の焼付けを同時
に行うことも可能である。
【0039】なお、本発明は積層磁器コンデンサ以外の
一般的な単層の磁器コンデンサにも勿論適応可能であ
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を、試料番号1の試料
の場合を中心に説明する。まず、BaCO3 ,MgO,
ZnO,CaCO3 ,SrCO3 ,TiO2 及びEr2
3 を表1に示すように各々秤量した。
【0041】
【表1】
【0042】ここで、表1の各化合物の重量は、前記基
本成分の組成式(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2
JZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD …(1)における
第1項の(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 …(2)が(Ba0.96Mg
0.03Zn0.0 1Ca0.01Sr0.01)O1.02TiO2 …(3)となるよ
うに計算して求めたものである。また、これらの各化合
物としては99.0%以上の純度のものを用いた。
【0043】次に、これらの化合物を2.5リットルの
水とともにボールミルに入れ、湿式で約20時間混合
し、150℃で4時間乾燥した後粉砕し、この粉砕物を
大気中において約1200℃で2時間仮焼し、上記組成
式(1)の第1項の成分粉末を得た。
【0044】次に、CaCO3 の粉末を448.21
g、ZrO2 の粉末を551.79g秤量し、これらを
ボールミルで約20時間湿式混合し、150℃で4時間
乾燥した後粉砕し、この粉砕物を大気中において約12
50℃で2時間仮焼し、上記組成式(1)における第2
項のCaZrO3 の粉末を得た。
【0045】次に、Sm23 の粉末を185.61
g、Er23 の粉末を814.39g秤量し、これら
をボールミルで約20時間湿式混合し、150℃で4時
間乾燥した後粉砕し、上記組成式(1)における第3項
の(R1-z R’)O3/2 …(4)が(Sm0.2 Er
0.8 )O3/2 …(5)となったものの粉末を得た。
【0046】そして、上記組成式(1)の第1項の成分
粉末966.71g(98モル部)と、第2項の成分
(CaZrO3 )粉末15.65g(2モル部)と、第
3項の成分粉末16.40g(2モル部)と、第4項の
成分(PO5/2 )粉末0.62g(0.2モル部)と、
第5項の成分(MnO)粉末0.62g(0.2モル
部)とを湿式で混合した後、150℃で乾燥させ、第1
項の成分が0.96モル、第2項の成分が0.02モ
ル、第3項の成分が0.02モル、第4項の成分が0.
002モル、第5項のβが0.002で表わされる基本
成分の粉末を得た。
【0047】一方、Li2 O,SiO2 ,CaCO3
SrCO3 及びBaCO3 を表2に示すように各々秤量
した。
【0048】
【表2】
【0049】ここで、表2の化合物の重量は、添加成分
について、Li2 Oが30モル%、SiO2 が60モル
%、MOが10モル%{CaO(8モル%)、SrO
(1モル%)、BaO(1モル%)}となるように計算
して求めたものである。また、これらの各化合物として
は99.0%以上の純度のものを用いた。
【0050】次に、これらの各化合物を300ccのア
ルコールとともにポリエチレンポットに入れて約10時
間混合した後、大気中において1000℃で2時間仮焼
し、この仮焼によって得られたものを300ccのアル
コールと共にアルミナポットに入れ、アルミナボールで
15時間粉砕し、その後、150℃で4時間乾燥させ、
添加成分の粉末を得た。
【0051】次に、基本成分の粉末1000g(100
重量部)に対して上記添加成分の粉末10g(1重量
部)を加え、更に、アクリル酸エステルポリマー、グリ
セリン、縮合リン酸塩の水溶液からなる有機バインダー
を基本成分と添加成分との合計重量に対して15重量%
添加し、更に、水を50重量%加え、これらをボールミ
ルに入れて粉砕及び混合し、磁器原料のスラリーを作成
した。
【0052】次に、上記スラリーを真空脱泡器にいれて
脱泡し、このスラリーをリバースロールコーターに入
れ、これを使用してポリエステルフィルム上にこのスラ
リーに基づく薄膜を形成し、この薄膜をフィルム上で1
00℃に加熱して乾燥させ、厚さ約20μmのグリーン
シートを得た。このシートを10cm角の正方形に打ち
抜いて使用した。
【0053】一方、内部電極の導電ペーストは、平均粒
径が1.5μmのニッケル粉末10gと、エチルセルロ
ース0.9gをブチルカルビトール9.1gに溶解させ
たものとを攪拌器にいれ、10時間攪拌することにより
得た。この導電ペーストを長さ14mm、幅7mmのパ
ターンを50個有するスクリーンを介して上記グリーン
シートの片面に印刷した後、これを乾燥した。
【0054】次に、上記印刷面を上にしてグリーンシー
トを2枚積層した。この際、隣接する上下のシートにお
いて、その印刷面がパターンの長手方向に約半分ほどず
れるように配置した。更に、この積層物の上下両面にそ
れぞれ10枚づつ印刷の施されていないグリーンシート
を積層した。次いで、この積層物を約50℃の温度で厚
さ方向に約40トンの圧力を加えて圧着させた。しかる
後、この積層物を格子状に裁断し、約50個の積層チッ
プを得た。
【0055】次に、この積層チップを雰囲気可能な炉に
入れ、大気中で100℃/hrの速度で600℃まで加
熱して、有機バインダーを燃焼させた。しかる後、炉の
雰囲気を大気からH2 (2体積%)+N2 (98体積
%)の雰囲気に変えた。そして、炉を上記のごとき還元
性雰囲気とした状態を保って、積層体チップの加熱温度
を600℃から焼成温度の1150℃(最高温度)を3
時間保持した後、100℃/hrの速度で600℃まで
降温し、雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)に置き換
えて、600℃を30分間保持して酸化処理を行い、そ
の後、室温まで冷却して、焼結体チップを得た。
【0056】次に、電極が露出する焼結体チップの側面
に亜鉛とガラスフリットとビヒクルとからなる導電性ペ
ーストを塗布して乾燥し、これを大気中で550℃の温
度で15分間焼き付け、亜鉛電極層を形成し、更にこの
うえに銅を無電解メッキで被着させ、更にこの上に電気
メッキ法でPb−Sn半田層を設けて、一対の外部電極
を形成した。
【0057】これにより、図1に示すように、誘電体磁
器層12と、内部電極14と、外部電極16からなる積
層磁器コンデンサ10が得られた。なお、このコンデン
サ10の誘電体磁器層12の厚さは0.015mm、内
部電極の対抗面積は、5mm×5mm=25mm2 であ
る。また、焼結後の誘電体磁器層12の組成は、焼結前
の基本成分と添加成分との混合組成と実質的に同じであ
る。
【0058】次に、完成した積層磁器コンデンサの電気
的特性を測定したところ、表6の試料番号1の欄に示
すように、比誘電率εs が3470、tanδが1.6
%、抵抗率ρが7.8×106 MΩ・cm、交流電圧2
00V/mmにおけるtanδが2.5%、25℃の静
電容量を基準にした−55℃及+125℃の静電容量の
変化率△C-55 ,△C125 が−4.1%,0.8%,2
0℃の静電容量を基準にした−25℃、+85℃の静電
容量の変化率△C-25 ,△C85が−5.2%,−7.9
%であった。
【0059】なお、電気的特性は次の容量で測定した。 (A) 比誘電率εs は、温度20℃、周波数1kHz、電
圧(実効値)1.0Vの条件で静電容量を測定し、この
測定値と、一対の内部電極の対向面積25mm2 と、一
対の内部電極間の誘電体磁器層の厚さ0.015mmか
ら計算で求めた。 (B) 誘電体損失tanδ(%)は、上記した比誘電率の
測定の場合と同一の条件で測定した。 (C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてD
C100Vを60秒間印加した後に、一対の外部電極間
の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基づいて計算
で求めた。 (D) 交流電圧200V/mmでの誘電損失tanδ
(%)は、温度20℃、周波数1kHz、電圧(実行
値)3.0Vの条件で測定した。 (E) 静電容量の温度特性は、恒温槽中に試料を入れ、−
55℃,−25℃,0℃,+20℃,+25℃,+50
℃,+85℃,+110℃,+125℃の各温度におい
て、周波数1kHz、電圧(実効値)1.0Vの条件で
静電容量を測定し、温度20℃及び25℃における静電
容量に対して各温度の静電容量の変化率を求めることに
より得た。
【0060】以上、試料番号1の試料の場合について述
べたが、試料番号2〜93についても、基本成分の組成
を表3〜表3及び表4〜表4に示すように変
え、添加成分の組成及び割合を表5〜表5に示すよ
うに変えた他は、試料番号1の試料の場合と全く同一の
条件で積層磁器コンデンサを作成し、同一の方法で電気
的特性を測定した。試料番号1〜93の試料の場合の焼
成温度及び電気的特性は表6〜表6に示す通りとな
った。
【0061】なお、表3〜表3及び表4〜表4
には、各試料の基本成分の組成及びその割合が示されて
いる。すなわち、x,y,kは、前述した基本成分の組
成式(2)中の各元素の原子数の割合、すなわち、Ti
の原子数を1とした場合の各元素の原子数の割合を示
す。また、1−z及びzは、前述した基本成分の組成式
(4)の各元素の原子数の割合を示す。また、α,β
は、前述した基本成分の組成式(1)の各酸化物の原子
数の割合、すなわち、前述した基本成分の組成式(1)
中の第1項、第2項及び第3項の(1−γ−η)(Ba
k-(x+y)MxLy)OkTiO2 +ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2 の分子
数を1とした場合の各酸化物の原子数の割合を示す。
【0062】また、xの欄のMg,Znは、前述した基
本成分の組成式(1)中のMの内容を示し、yの欄のC
a,Srは、基本成分の組成式(1)中のLの内容を示
し、、1−zの欄のLa,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m及びEuは前述した基本成分の組成式(1)のRの内
容を示し、zの欄のSc,Y,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb及びLuは前述した基本成分の組
成式(1)中のR’の内容を示し、αの欄のP,Vは、
前述した基本成分の組成式(1)中のAの内容を示し、
βの欄のCr,Mn,Fe,Co,Niは、前述した基
本成分の組成式(1)中のDの内容を示している。
【0063】また、表5〜表5には、各々の試料に
ついての添加成分の組成及びその割合が示されている。
表5〜表5の添加成分の添加量は、基本成分100
重量部に対する重量部で示されており、添加成分のMO
の欄には、BaO,SrO,CaO,MgO及びZnO
の割合がモル%で示されている。
【0064】また、表6〜表6には、各々の試料に
ついての焼成温度及び積層磁器コンデンサの電気的特性
が示されている。表6〜表6において、静電容量の
温度特性は、25℃の静電容量を基準にした−55℃お
よび+125℃の静電容量の変化率を△C-55 (%)お
よび△C125 (%)で、20℃の静電容量を基準にした
−25℃および+85℃の静電容量の変化率を△C-25
(%)および△C85(%)で示されている。
【0065】
【表3】
【0066】
【表3】
【0067】
【表3】
【0068】
【表3】
【0069】
【表3】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表4】
【0073】
【表4】
【0074】
【表4】
【0075】
【表4】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表5】
【0079】
【表5】
【0080】
【表5】
【0081】
【表5】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表6】
【0085】
【表6】
【0086】
【表6】
【0087】
【表6】
【0088】
【表6】
【0089】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う試料によれば、非酸化性雰囲気中における1200
℃以下の焼成により、誘電体磁器層の比誘電率εs が3
300以上、tanδが2.5%以下、抵抗率ρが4.
0×106 MΩ・cm以上、交流電圧200V/mmに
おけるtanδが3.0%以下、静電容量の温度変化率
△C-55 及び△C125 が−15%〜+15%、△C-25
及び△C85が−10%〜+10%の範囲の電気的特性を
有する磁器コンデンサを得ることができるものである。
【0090】これに対し、試料番号2,5,6,9,1
0,13,23,28,29,31,32,34,3
8,39,44,45,49,52,55,66〜7
1,78〜82及び87の試料によれば、所望の電気的
特性を有する磁器コンデンサを得ることができない。従
って、これらの試料番号の試料は本発明の範囲外のもの
である。
【0091】なお、表6〜表6には静電容量の温度
変化率△C-55 ,△C125 ,△C-2 5 ,△C85のみが表
示されているが、本発明に従う試料では、−25℃〜+
85℃の範囲の静電容量の温度変化率△Cは、−10%
〜+10%の範囲に収まっており、又、−55℃〜+1
25℃の範囲の静電容量の温度変化率△Cは、−15%
〜+15%の範囲に収まっている。
【0092】次に、本発明に係る磁器コンデンサに用い
られている誘電体磁器組成物の組成範囲の限定理由につ
いて、表3〜表3、表4〜表4、表5〜表5
及び表6〜表6に示す実験結果を参照しながら説
明する。
【0093】まず、αの値は、試料番号2,6に示すよ
うに、α=0.0002の場合は、交流電圧200V/
mmにおけるtanδが3.0%以上になってしまう
が、試料番号3,7に示すように、α=0.0005の
場合には、所望の電気的特性が得られる。また、試料番
号5,9に示すように、α=0.011の場合は、抵抗
率ρが4.0×106 MΩ・cmより小さくなり、静電
容量の温度変化率△C-5 5 ,△C125 が−15%〜+1
5%からはずれ、△C-25 ,△C85が−10%〜+10
%からはずれるが、試料番号4,8に示すように、α=
0.01の場合には、所望の電気的特性が得られる。従
って、αの範囲は、0.0005≦α≦0.01でなけ
ればならない。
【0094】なお、A成分のPとVはほぼ同様に働き、
0.0005≦α≦0.01を満足する範囲ではPとV
のうち一方または両方を使用することができる。
【0095】次に、βの値は、試料番号10に示すよう
に、β=0.0002の場合は、交流電圧200V/m
mにおけるtanδが3.0%以上になってしまうが、
試料番号11に示すように、β=0.0005の場合に
は、所望の電気的特性が得られる。また、試料番号13
に示すように、β=0.011の場合は、比誘電率が3
300以下になってしまうが、試料番号12に示すよう
に、β=0.01の場合には、所望の電気的特性が得ら
れる。従って、βの範囲は、0.0005≦β≦0.0
1でなければならない。
【0096】なお、D成分のCr,Mn,Fe,Co,
Niの酸化物はそれぞれほぼ同様に働き、これらから選
択された一つを使用しても、また複数を組み合わせて使
用しても同様な効果が得られるものである。
【0097】次に、γの値は、試料番号39に示すよう
に、γ=0の場合は、静電容量の温度変化率ΔC-55
−15%〜+15%から外れ、ΔC-25 が−10%〜+
10%から外れてしまうが、試料番号40に示すよう
に、γ=0.002の場合には、所望の電気的特性が得
られる。また、試料番号44に示すように、γ=0.0
5の場合には、所望の電気的特性を有する緻密な焼結体
が得られないが、試料番号43に示すように、γ=0.
04の場合には、所望の電気的特性が得られる。従っ
て、γの範囲は、0.002≦γ≦0.04でなければ
ならない。
【0098】次に、ηの値は、試料番号52に示すよう
に、η=0.004の場合には、静電容量の温度変化率
△C-55 が−15%〜+15%からはずれ、ΔC-25
−10%〜+10%から外れてしまうが、試料番号53
に示すように、η=0.005の場合には所望の電気的
特性が得られる。また、試料番号55に示すように、η
=0.05の場合には、ΔC85が−10%〜+10%か
ら外れてしまうが、試料番号54に示すように、η=
0.04の場合には、所望の電気的特性が得られる。従
って、ηの範囲は、0.002≦η≦0.04である。
【0099】なお、J成分のCaとBaはほゞ同様に働
き、0.002≦η≦0.04を満足する範囲ではCa
とBaのうち一方又は両方を使用することが出来る。
【0100】次に、x+yの値は、試料番号23に示す
ように、x+y=0の場合には、静電容量の温度変化率
△C-55 が−15%〜+15%からはずれるが、試料番
号24,25に示すように、x+y=0.01の場合に
は所望の電気的特性が得られる。また試料番号29,3
1に示すように、x+y=0.11の場合には、静電容
量の温度変化率△C85が−10%〜+10%からはずれ
てしまうが、試料番号33に示すように、x+y=0.
10の場合には所望の電気的特性が得られる。ただし、
試料番号28,32に示すように、x+y≦0.10で
あっても、yの値が0.05を越えると静電容量の温度
変化率△C85が−10%〜+10%からはずれてしま
う。従って、x+yの範囲は、0.01≦x+y≦0.
10であるが、同時に、y≦0.05でなければならな
い。
【0101】なお、M成分のMgとZn及びL成分のC
aとSrはほぼ同様に働き、0≦x≦0.10を満足す
る範囲ではMgとZnのうち一方または両方を使用する
こと、また、0≦y≦0.05を満足する範囲でCaと
Srのうち一方または両方を使用することができる。し
かるに、M成分及びL成分の1種または複数種のいずれ
の場合においてもx+yの値は0.01〜0.10の範
囲にしなければならない。
【0102】次に、kの値は、試料番号34に示すよう
に、k<1.00の場合には、抵抗率ρが4.0×10
6 MΩ・cmより大幅に小さくなり、静電容量の温度変
化率△C-55 ,△C125 が−15%〜+15%からはず
れ、△C-25 ,△C85が−10%〜+10%からはずれ
てしまうが、試料番号35に示すように、k=1.00
の場合には、所望の電気的特性が得られる。一方、kの
値が、試料番号38に示すように、k>1.05の場合
には緻密な焼結体が得られなくなってしまうが、試料番
号37に示すように、k=1.05の場合には、所望の
電気的特性が得られる。従って、kの範囲は、1.00
≦k≦1.05である。
【0103】次に、zの値は、試料番号45に示すよう
に、z=0.4の場合には、tanδが2.5%以上に
なり、交流電圧200V/mmにおけるtanδが3.
0%以上になり、抵抗率ρが4.0×106 MΩ・cm
より小さくなり、静電容量の温度変化率△C-55 ,△C
125 が−15%〜+15%からはずれ、△C-25 ,△C
85が−10%〜+10%からはずれてしまうが、試料番
号46に示すように、z=0.5の場合には所望の電気
的特性が得られる。また、試料番号49に示すように、
z=0.95の場合には、比誘電率が3300以下にな
ってしまうが、試料番号48に示すように、z=0.9
の場合には、所望の電気的特性が得られる。従って、z
の範囲は、0.5≦z≦0.9である。
【0104】なお、R成分のLa,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEu、R’成分のSc,Y,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuはそれぞれ
ほぼ同様に働き、これらから選択された一つを使用して
も、または複数を組み合わせて使用しても同様な効果が
得られるものである。
【0105】次に、添加成分の好ましい範囲について検
討する。まず、添加成分がLi2 O−SiO2 −MOの
場合、添加成分の好ましい組成範囲は、Li2 O−Si
2 −MOの組成比をモル%で示す図2の三角図に基づ
いて決定することができる。
【0106】この三角図(図2)における第一の点A
は、試料番号56に示すように、Li2 Oが1モル%、
SiO2 が80モル%、MOが19モル%の組成を示
し、第二の点Bは、試料番号57に示すように、Li2
Oが1モル%、SiO2 が39モル%、MOが60モル
%の組成を示し、第三の点Cは、試料番号58に示すよ
うに、Li2 Oが30モル%、SiO2 が30モル%、
MOが40モル%の組成を示し、第四の点Dは、試料番
号59に示すように、Li2 Oが50モル%、SiO2
が50モル%、MOが0モル%の組成を示し、第五の点
Eは、試料番号60に示すように、Li2 Oが20モル
%、SiO2 が80モル%、MOが0モル%の組成を示
す。
【0107】試料番号56〜65に示されるように、添
加成分の組成範囲が、Li2 O−SiO2 −MOの組成
比をモル%で示す三角図(図2)の第一〜五の点A〜E
を順に結ぶ5本の直線で囲まれた範囲内であれば所望の
電気的特性を得ることができるが、試料番号66〜71
に示されるように、添加成分の組成を上記範囲外とすれ
ば、緻密な焼結体を得ることができない。
【0108】次に、添加成分がB23 −SiO2 −M
Oの場合、添加成分の好ましい組成範囲は、B23
SiO2 −MOの組成比をモル%で示す図3の三角図に
基づいて決定することができる。
【0109】この三角図(図3)における第六の点F
は、試料番号72に示すように、B23 が1モル%、
SiO2 が80モル%、MOが19モル%の組成を示
し、第七の点Gは、試料番号73に示すように、B2
3 が1モル%、SiO2 が39モル%、MOが60モル
%の組成を示し、第八の点Hは、試料番号74に示すよ
うに、B23 が29モル%、SiO2 が1モル%、M
Oが70モル%の組成を示し、第九の点Iは、試料番号
75に示すように、B23 が90モル%、SiO2
1モル%、MOが9モル%の組成を示し、第十の点J
は、試料番号76に示すように、B23 が90モル
%、SiO2 が9モル%、MOが1モル%の組成を示
し、第十一の点Kは、試料番号77に示すように、B2
3 が19モル%、SiO2 が80モル%、MOが1モ
ル%の組成を示す。
【0110】試料番号72〜77に示されるように、添
加成分の組成範囲が、B23 −SiO2 −MOの組成
比をモル%で示す三角図(図3)の第六〜十一の点F〜
Kを順に結ぶ6本の直線で囲まれた範囲内であれば所望
の電気的特性を得ることができるが、試料番号78〜8
1に示されるように、添加成分の組成を上記範囲外とす
れば、緻密な焼結体を得ることができない。
【0111】なお、MOの成分は、試料番号88〜92
に示されるように、BaO,SrO,CaO,MgO,
ZnOのいずれか1種であってもよいし、他の試料に示
すように2種以上の適当な比率であってもよい。
【0112】次に、添加成分の添加量の値は、試料番号
82に示すように、添加量が0重量部の場合には、その
焼成温度が1250℃であっても、緻密な焼結体は得ら
れないが、試料番号83に示すように、添加量が基本成
分100重量部に対して0.2重量部の場合には、11
90℃の焼成温度で所望の電気的特性が得られる。一
方、試料番号87に示すように、添加成分の添加量が、
基本成分100重量部に呈して7.0重量部の場合に
は、比誘電率が3300未満となり、静電容量の温度変
化率△C-55 が−15%〜+15%からはずれてしまう
が、試料番号86に示すように、添加成分の添加量が、
基本成分100重量部に対して5.0重量部の場合に
は、所望の電気的特性を得ることができる。従って、添
加成分の添加量は、基本成分100重量部に対して0.
2〜5.0重量部の範囲である。
【0113】なお、以上の説明では、添加成分として、
Li2 O−SiO2 −MO又はB23 −SiO2 −M
Oを単独で用いているが、試料番号93に示すように、
基本成分100重量部に対して0.2〜5.0重量部の
範囲であれば、これら2種類の添加成分を混合して用い
ても同様の効果を示す。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、誘電体磁器層の比誘電
率εs が3300以上、誘電損失tanδが2.5%以
下、抵抗率ρが4.0×106 MΩ・cm以上、交流電
圧200V/mmにおける誘電損失tanδが3.0%
以下であり、且つ、静電容量の温度変化率が−55℃〜
125℃で−15%〜+15%(25℃を基準)、−2
5℃〜85℃で−10%〜+10%(20℃を基準)の
範囲に収まる磁器コンデンサを提供することができると
いう効果がある。
【0115】特に、本発明によれば、交流電圧200V
/mmにおける誘電損失tanδが3.0%以下と良好
になるので、誘電体磁器層を薄膜化した場合の誘電損失
の増大を抑制することができ、従って、小型大容量の磁
器コンデンサを提供することができるという効果があ
る。
【0116】また、本発明によれば、磁器コンデンサの
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物を非酸化性雰
囲気中の焼成によって形成させるので、内部電極をニッ
ケル等の安価な卑金属の導電性ペーストで形成すること
ができ、従って、安価な磁器コンデンサを提供すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る積層磁器コンデンサの断
面図である。
【図2】本発明に係る磁器コンデンサの誘電体層を構成
する誘電体磁器組成物の添加成分(Li2 O−SiO2
−MO)の組成範囲を示す三角図である。
【図3】本発明に係る磁器コンデンサの誘電体層を構成
する誘電体磁器組成物の添加成分(B23 −SiO2
−MO)の組成範囲を示す三角図である。
【符号の説明】
12 誘電体磁器層 14 内部電極 15 積層焼結体チップ 16 外部電極 18 亜鉛電極層 20 銅層 22 Pb−Sn半田層
【表3○1】
【表3○2】
【表3○3】
【表3○4】
【表3○5】
【表3○6】
【表4○1】
【表4○2】
【表4○3】
【表4○4】
【表4○5】
【表4○6】
【表5○1】
【表5○2】
【表5○3】
【表5○4】
【表5○5】
【表5○6】
【表6○1】
【表6○2】
【表6○3】
【表6○4】
【表6○5】
【表6○6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 弘志 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体磁器組成物からなる1又は2以上
    の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している少
    なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサに
    おいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +
    ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD(但し、MはM
    g及び/又はZn、LはCa及び/又はSr、JはCa
    及び/又はBa、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,
    Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元素、
    R’はSc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb及びLuから選択された1種又は2種以上の元
    素、AはP及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co
    及びNiから選択された1種又は2種以上の酸化物、
    α,β,γ,η,k,x,y及びzは、 0.0005≦α≦0.01 0.0005≦β≦0.01 0.002≦γ≦0.04 0.005≦η≦0.04 1.00≦k≦1.05 0≦x<0.10 0≦y≦0.05 0.01≦x+y≦0.10 0.5≦z≦0.9 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第一の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第二の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
    %、前記MOが40モル%の組成を示す第三の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第四の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第五の点Eとをこ
    の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
    徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】 誘電体磁器組成物からなる1又は2以上
    の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している少
    なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサに
    おいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +
    ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD(但し、MはM
    g及び/又はZn、LはCa及び/又はSr、JはCa
    及び/又はBa、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,
    Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元素、
    R’はSc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb及びLuから選択された1種又は2種以上の元
    素、AはP及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co
    及びNiから選択された1種又は2種以上の酸化物、
    α,β,γ,η,k,x,y及びzは、 0.0005≦α≦0.01 0.0005≦β≦0.01 0.002≦γ≦0.04 0.005≦η≦0.04 1.00≦k≦1.05 0≦x<0.10 0≦y≦0.05 0.01≦x+y≦0.10 0.5≦z≦0.9 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がB23 とSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記B23 と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記B23 0が1モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが19モル%の組成を示す第六の点Fと、 前記B23 が1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第七の点Gと、 前記B23 が29モル%、前記SiO2 が1モル%、
    前記MOが70モル%の組成を示す第八の点Hと、 前記B23 が90モル%、前記SiO2 が1モル%、
    前記MOが9モル%の組成を示す第九の点Iと、 前記B23 が90モル%、前記SiO2 が9モル%、
    前記MOが1モル%の組成を示す第十の点Jと、 前記B23 が19モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが1モル%の組成を示す第十一の点Kとを
    この順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあることを
    特徴とする磁器コンデンサ。
  3. 【請求項3】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
    する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
    成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
    上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
    程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する
    工程と、前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中にお
    いて熱処理する工程とを備え、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +
    ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD(但し、MはM
    g及び/又はZn、LはCa及び/又はSr、JはCa
    及び/又はBa、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,
    Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元素、
    R’はSc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb及びLuから選択された1種又は2種以上の元
    素、AはP及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co
    及びNiから選択された1種又は2種以上の酸化物、
    α,β,γ,η,k,x,y及びzは、 0.0005≦α≦0.01 0.0005≦β≦0.01 0.002≦γ≦0.04 0.005≦η≦0.04 1.00≦k≦1.05 0≦x<0.10 0≦y≦0.05 0.01≦x+y≦0.10 0.5≦z≦0.9 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第一の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第二の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
    %、前記MOが40モル%の組成を示す第三の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第四の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第五の点Eとをこ
    の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
    徴とする磁器コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
    する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
    成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
    上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
    程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において焼成する
    工程と、前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気中にお
    いて熱処理する工程とを備え、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、(1−γ−η)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 +
    ηJZrO3+γ(R1-zR'z)O3/2+αAO5/2+βD(但し、MはM
    g及び/又はZn、LはCa及び/又はSr、JはCa
    及び/又はBa、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,
    Sm及びEuから選択された1種又は2種以上の元素、
    R’はSc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb及びLuから選択された1種又は2種以上の元
    素、AはP及び/又はV、DはCr,Mn,Fe,Co
    及びNiから選択された1種又は2種以上の酸化物、
    α,β,γ,η,k,x,y及びzは、 0.0005≦α≦0.01 0.0005≦β≦0.01 0.002≦γ≦0.04 0.005≦η≦0.04 1.00≦k≦1.05 0≦x<0.10 0≦y≦0.05 0.01≦x+y≦0.10 0.5≦z≦0.9 を満足する数値)で表わされる物質からなり、 前記添加成分がB23 とSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種又は2種以上の酸化物)とからなり、 前記B23 と前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図における、 前記B23 0が1モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが19モル%の組成を示す第六の点Fと、 前記B23 が1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第七の点Gと、 前記B23 が29モル%、前記SiO2 が1モル%、
    前記MOが70モル%の組成を示す第八の点Hと、 前記B23 が90モル%、前記SiO2 が1モル%、
    前記MOが9モル%の組成を示す第九の点Iと、 前記B23 が90モル%、前記SiO2 が9モル%、
    前記MOが1モル%の組成を示す第十の点Jと、 前記B23 が19モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが1モル%の組成を示す第十一の点Kとを
    この順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあることを
    特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
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WO2012165116A1 (ja) * 2011-06-02 2012-12-06 株式会社村田製作所 誘電体セラミック及び単板コンデンサ

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WO2012165116A1 (ja) * 2011-06-02 2012-12-06 株式会社村田製作所 誘電体セラミック及び単板コンデンサ
JPWO2012165116A1 (ja) * 2011-06-02 2015-02-23 株式会社村田製作所 誘電体セラミック及び単板コンデンサ
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