JPH0727176A - 捩じり振動減衰装置 - Google Patents

捩じり振動減衰装置

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JPH0727176A
JPH0727176A JP15348993A JP15348993A JPH0727176A JP H0727176 A JPH0727176 A JP H0727176A JP 15348993 A JP15348993 A JP 15348993A JP 15348993 A JP15348993 A JP 15348993A JP H0727176 A JPH0727176 A JP H0727176A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 捩じり振動減衰装置の寿命及び信頼性を高め
る。 【構成】 粘性ダンパー機構は、ドライブプレートと、
ドリブン部材と、複数のスライダ10とを備えている。
ドライブプレートは第1フライホイールに連結され、第
1フライホイールとともに環状流体室7aを形成する。
ドリブン部材6は第2フライホイールに連結され、外周
面が流体室7aの一部を形成するとともに、外周面に半
径方向内方へ複数の凹部6cを有する環状の部材であ
る。スライダ10は環状流体室7a内に円周方向に移動
自在に配置され、ドリブン部材6の凹部6c内に突出し
凹部6cとの間に流体が通過可能なチョークC1 を形成
する突起10aを有している。スライダ10の内周面1
0bと外周面10cとの間には、潤滑用孔10dが形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、捩じり振動減衰装置、
特に、動力伝達装置の入力側回転体と出力側回転体との
間の捩じり振動を減衰するための捩じり振動減衰装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】動力伝達装置の入力側回転体と出力側回
転体との間に配置され両回転体間の捩じり振動を減衰す
る装置として、環状流体室内の流体の粘性を利用したも
のが知られている。環状流体室の壁面は、たとえば、入
力側回転体と、入力側回転体に相対回転不能に固定され
た入力側部材と、出力側回転体に固定された出力側部材
とにより形成されている。環状流体室内には、入力側回
転体側から捩じり振動が伝達されてきたときに相対回転
運動する部材間で流体が通過するチョーク部が形成され
ている。流体がチョーク部を通過する際に発生する抵抗
力により、捩じり振動が減衰される。
【0003】捩じり角度の異なる振動を効果的に減衰す
るために、環状流体室内には異なる捩じり角度範囲で異
なる大きさの粘性抵抗を発生させる複数のチョーク部が
形成されることがある。以下、そのような捩じり振動減
衰装置を説明する。小さな捩じり角度範囲で機能する小
さな粘性抵抗を発生する第1チョークは、環状流体室壁
面を構成する出力側部材外周部に形成された突起と、環
状流体室内で前記突起に嵌め込まれたキャップ状スライ
ダとの間に形成されている。スライダは突起に対して第
1の相対捩じり角度範囲で円周方向に移動可能であり、
突起に当接すると第1チョークを閉じる。第1の相対捩
じり角度範囲内では、スライダは入力側部材と一体回転
し、このときに流体が第1チョークを通過して小さな粘
性抵抗を発生させる。このとき、スライダは、出力側部
材外周端に対して摺動する。そして、第1の相対捩じり
角度範囲を越えると、スライダは、出力側部材の突起に
係止された状態になり、入力側回転体及び部材に対して
摺動する。
【0004】一方、第1の相対捩じり角度より大きい第
2の相対捩じり角度範囲で大きな粘性抵抗を発生する第
2チョークは、環状流体室内で入力側回転体と一体回転
する堰部材と、出力側部材の外周端部との間に形成され
ている。入力側回転体及び部材が出力側部材に対して相
対回転すると、前記堰部材に分割された環状流体室の一
方の分室から他方の分室に向かって、流体が第2チョー
クを通過して、大きな粘性抵抗を発生させる。
【0005】前記スライダ及び堰部材は、樹脂等による
成形品である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スライダは、環状流体
室壁面と摺動するときに摩擦抵抗により焼き付きを起こ
す。特に、粘性抵抗により環状流体室内が高温になる
と、スライダが膨張して壁面に押し付けられた状態にな
り、焼き付きが生じる可能性が高くなる。また、環状流
体室内の高温化により、堰部材が膨張して出力側部材外
周端と接触することがある。すると、接触面での摩擦抵
抗により、焼き付きが生じる。
【0007】本発明の目的は、捩じり振動減衰装置の寿
命及び信頼性を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る捩じり
振動減衰装置は、互いに相対回転自在に連結され動力が
伝達される入力側回転体及び出力側回転体を備えた動力
伝達装置に用いられる装置であり、入力側部材と、出力
側部材と、スライダとを備えている。前記入力側部材は
入力側回転体に連結され、入力側回転体とともに環状の
流体室を形成するための部材である。前記出力側部材
は、出力側回転体に連結され、外周面が流体室の一部を
形成するとともに、外周面に半径方向内方へ向かう複数
の凹部を有する環状の部材である。前記スライダは、環
状流体室内に円周方向に移動自在に配置され、出力側部
材の凹部内に突出し凹部との間に流体が通過可能なチョ
ークを形成する突出部を有している。スライダ及び流体
室壁面の摺動面のいずれか一方には流体溜が形成されて
いる。
【0009】第2の発明に係る捩じり振動減衰装置は、
互いに相対回転自在に連結され動力が伝達される入力側
回転体及び出力側回転体を備えた動力伝達装置に用いら
れる装置であり、入力側部材と、出力側部材と、堰部材
と備えている。前記入力側部材は入力側回転体に連結さ
れ、環状の流体室を形成するための部材である。前記出
力側部材は出力側回転体に連結され、流体室の一部を形
成する環状の部材である。前記堰部材は、環状の流体室
内で入力側部材と一体回転し、出力側部材との間で流体
が通過可能なチョークを形成する。堰部材の出力側部材
側の面には流体溜が形成されている。
【0010】
【作用】第1の発明に係る捩じり振動減衰装置では、動
力伝達装置の入力側回転体と出力側回転体が相対回転す
る際に、入力側部材と出力側部材とが相対回転する。こ
のときに所定角度まではスライダは入力側回転体及び入
力側部材と一体的に回転し、出力側部材に対して摺動す
る。このときに、スライダの突出部と出力側部材の凹部
との間のチョークに流体が流れ粘性抵抗が発生する。ス
ライダが凹部の一端に当接すると、以後は出力側部材と
一体となったスライダに対して入力側回転体及び入力側
部材が摺動を続ける。
【0011】以上のように、スライダは流体室壁面を形
成する入力側回転体、入力側部材及び出力側部材と摺動
するが、いずれかの摺動面には流体溜が形成されている
ために、摺動面に流体が供給されて潤滑性が向上し、そ
のためスライダの寿命が向上する。その結果、捩じり振
動減衰装置の信頼性が向上する。第2の発明に係る捩じ
り振動減衰装置では、動力伝達装置の入力側回転体及び
出力側回転体が相対回転すると、入力側部材と出力側部
材とが相対回転する。このとき、入力側部材と一体回転
する堰部材と出力側部材との間のチョークを流体が通過
し、粘性抵抗が発生する。この粘性抵抗による発熱によ
って堰部材が膨張することがある。その結果堰部材と出
力側部材とが接触するが、堰部材の出力側部材側の面に
は流体溜が形成されているので、堰部材と出力側部材と
の間に流体が供給されて潤滑性が向上する。その結果、
堰部分の寿命が向上し、捩じり振動減衰装置の信頼性が
向上する。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例が採用された動力
伝達装置全体を示している。以後の説明では、図1の左
方(エンジン側)を前方とし、右方(トランスミッショ
ン側)を後方とする。この動力伝達装置は、主に、フラ
イホイール組立体1と、クラッチディスク101と、ク
ラッチカバー組立体102とから構成されている。
【0013】図1〜図4に示すように、フライホイール
組立体1は、主に、第1フライホイール2と、第2フラ
イホイール3と、両フライホイール間に配置された粘性
ダンパー機構4とを備えている。第1フライホイール2
はエンジンのクランク軸の軸端にボルト25によって固
定されるようになっている。また、第2フライホイール
3は、後方の側面にクラッチディスク101の摩擦部材
が押圧される摩擦面3aを有している。また、第2フラ
イホイール3の摩擦面3a側の外周部には、クラッチカ
バー組立体102のクラッチカバーが固定されている。
【0014】第1フライホイール2は概ね円板状の部材
であり、内周部がボルト21により粘性ダンパー機構4
のドリブン部材6(後述)に着脱自在に固定されてい
る。また、第2フライホイール3の内周端も転がり軸受
22,23の後方への移動を規制している。また、第2
フライホイール3の内周部には、クラッチディスク10
1側と粘性ダンパー機構4側とを連通させる孔3bが形
成されている。
【0015】粘性ダンパー機構4は、図2及び図3に示
すように、第1フライホイール2に固定された円板状ド
ライブプレート5と、内周部が転がり軸受22,23を
介して第1フライホイール2に支持された円板状のドリ
ブン部材6と、第1フライホイール2及びドライブプレ
ート5からなる入力側の部材とドリブン部材6とを円周
方向に弾性的に連結するコイルスプリング12a,12
b及び12cと、流体の粘性力により捩じり振動を減衰
するための粘性ダンパー部7とから主に構成されてい
る。この粘性ダンパー機構4において、第1フライホイ
ール2とドライブプレート5とドリブン部材6のドリブ
ンボス部6aとにより形成される空間内には粘性流体が
充填されている。ドライブプレート5には、外周端が複
数のボルト19により第1フライホイール2のリム部2
cに固定されており、内周端とドリブン部材6のドリブ
ンボス部6aとの間には環状のシール部材20が配置さ
れている。このシール部材20及び前述の軸受22,2
3のシール部材が、前記空間の半径方向内周端をシール
している。
【0016】ドリブン部材6は、円板状に形成された鋳
造部材であり、第1フライホイール2の円板部2bとド
ライブプレート5との間に配置されている。ドリブン部
材6は前述したように内周部後方に延びるドリブンボス
部6aを有している。ドリブンボス部6aには内周側に
転がり軸受22,23が装着されており、またボルト2
1により第2フライホイール3の内周部が固定されてい
る。ドリブン部材6には、半径方向中間部に回転方向の
間隔を隔てて6つの窓孔6bが形成されている。窓孔6
bは回転方向に延びており、この窓孔6b内にコイルス
プリング12a,12b及び12cが収容される。
【0017】図3に示すように、ドリブン部材6の6個
の窓孔6bのうち、半径方向に対向する2つの窓孔6b
(図3の上下方向の窓孔)にはコイルスプリング12c
が収容されている。コイルスプリング12cはスプリン
グシート13を介して窓孔6bの円周方向両端面に当接
している。残る4個の窓孔6b内には、大径のコイルス
プリング12aとその中に配置された小径のコイルスプ
リング12bとが収容されている。両コイルスプリング
12a,12bの両端にはスプリングシート13が配置
されているが、自由状態においてはスプリングシート1
3と窓孔6bの円周方向両端面との間には所定の隙間が
確保されている。スプリングシート13は外周支持部1
3aと中央ボス部13bとを有しており、大径のコイル
スプリング12aは外周部がスプリングシート13の外
周支持部13aに支持されており、小径のコイルスプリ
ング12bは内周部がスプリングシート13のボス部1
3bに支持されている。このようにして、コイルスプリ
ング12a,12bがスプリングシート13によって同
心に配置され、互いに干渉するのが防止されている。
【0018】第1フライホイール2とドライブプレート
5とは、それぞれ各スプリングシート13の端部に当接
する当接部を有しており、これにより第1フライホイー
ル2及びドライブプレート5の入力側の部材とドリブン
部材6とは、回転方向に弾性的に連結されていることに
なる。図3においては、第1フライホイール2の当接部
2eが図示されている。
【0019】粘性ダンパー部7は、環状流体室7aと、
環状流体室7a内に配置された樹脂成形ストッパー部材
8と、スライダ10とから主に構成されている。環状流
体室7aは、第1フライホイールリム部2cの内周面
と、ドリブン部材6の外周面と、ドリブン部材6の外周
面と、第1フライホイール円板部2b及びドライブプレ
ート5とで囲まれた空間によって形成されており、粘性
流体が充填されている。ストッパー部材8は、環状流体
室7a内において円周方向等角度間隔で6か所設けられ
ており、環状流体室7aを回転方向に6つの室に分割し
ている。ストッパー部材8は、図7に示すように、軸方
向に延びる2つの孔8aを有している。ピン9はこの孔
8a内を挿通され、両端が第1フライホイール2及びド
ライブプレート5に係止されている。このピン9により
ストッパー部材8は第1フライホイール2及びドライブ
プレート5と一体回転する。なお、ストッパー部材8の
半径方向内側面8bとドリブン部材6の外周面との間に
は、分割された室間を粘性流体が通過可能なチョークC
2 が形成されている。さらに、図8に示すように、スト
ッパー部材8の半径方向内側面8bには、円周方向に延
びる潤滑用溝8cが2本形成されている。
【0020】ドリブン部材6において、外周縁で窓孔6
bの間には、半径方向内側にへこんだ凹部6cが形成さ
れている。隣接する凹部6cの中間には、窓孔6bの中
心から半径方向外側に延びて環状流体室7aに開口する
流体補充用孔6dが形成されている。この孔6dは、自
由状態において、ストッパー部材8の中心に位置してい
る。
【0021】スライダ10は樹脂成形の部品であり、各
ストッパー部材8の間に配置され、ストッパー部材8に
よって得られた室をさらに第1大分室14と第2大分室
15とに分割している。スライダ10は、外周面10d
がリム2cの内周面に沿った円弧状であり、内周面10
bはドリブン部材6の外周面に沿った円弧状になってい
る。スライダ10は、半径方向内側に突出する突起10
aを中心に有している。突起10aは、ドリブン部材6
の凹部6c内に配置されて、凹部6c内を回転方向に第
1小分室16と第2小分室17とに分割している。突起
10a先端と凹部6cの底面との間には第1小分室16
と第2小分室17との間で粘性流体が通過可能なチョー
クC1 が形成されている。チョークC1 はチョークC2
より流路断面積が大きく形成されている。また、図5及
び図6に示すように、スライダ10の外周面10cと内
周面10bとを貫通する複数の潤滑用孔10dが形成さ
れている。
【0022】環状流体室7aの半径方向内側は、テフロ
ンまたは耐熱性及び耐磨耗性の樹脂により形成された環
状のシール部材11によりシールされている。シール部
材11は、第1フライホイール2及びドリブン部材6の
間とドライブプレート5及びドリブン部材6の間とに配
置されている。このような構成では、ドリブン部材6
は、外周側に突出する突起を有していないため、チョー
クC2 を形成する外周面を旋盤により容易にかつ高精度
に加工できる。このように加工が容易になることで、製
造コストが低下する。なお、スライダ10は成形品であ
るので、突起の形成は容易である。
【0023】次に上述の実施例の動作について説明す
る。エンジン側のクランク軸から第1フライホイール2
にトルクが入力されると、粘性ダンパー機構4のドリブ
ン部材6、コイルスプリング12a,12b,12c等
を介して第2フライホイール3にトルクが伝達される。
このとき、エンジン側から捩じり振動が入力されると、
コイルスプリング12a,12b,12cが伸縮を繰り
返し、粘性ダンパー部7が粘性抵抗力を発生させて捩じ
り振動を減衰する。
【0024】次に、第1フライホイール2と第2フライ
ホイール3との相対回転時の動作について説明する。エ
ンジン側のクランク軸から第1フライホイール2にトル
クが入力されると、第1フライホイール2及びドライブ
プレート5がドリブン部材6に対して捩じれる。ここで
は、自由状態の図4からR1 側に回転したとする。ドリ
ブン部材6に対してドライブプレート5が回転方向R1
側に捩じれると、スライダ10も同様にR1 側へと移動
する。これにより、第2小分室17の容積が小さくなる
と同時に、第1小分室16の容積が大きくなる。すなわ
ち、スライダ10の移動に伴って第2小分室17の流体
がチョークC1 を通って第1小分室16へと流れる。チ
ョークC1 は流路断面積が大きいので、粘性抵抗は小さ
い。または、この小さな捩じり角度範囲では、コイルス
プリング12cのみが圧縮され、コイルスプリング12
a,12bはスプリングシート13がドリブン部材6の
窓孔6b面に当接するまで圧縮されない。このようし
て、捩じり角度の小さな範囲では、低剛性かつ小さな粘
性力が働く。
【0025】以上の動作中には、スライダ10の内周面
10bがドリブン部材6の外周面と摺動して摩擦抵抗が
発生する。また、粘性抵抗の発熱により、スライダ10
が膨張してドリブン部材6に押し付けられて、摩擦抵抗
が大きくなることが考えられる。しかし、スライダ10
には潤滑用孔10dが形成されているために、孔10d
内の粘性流体が摺動面に供給される。このように粘性流
体が供給されることにより、摺動面の潤滑性が向上し、
スライダ10の焼き付き及び磨耗が生じにくくなる。
【0026】回転方向R1 側への捩じり角度が大きくな
ると、スライダ10の突起10aがドリブン部材6の凹
部6cの円周方向端面に当接する(図9)。これによ
り、チョークC1 は閉鎖され、以後はチョークC2 が機
能する。図9から図10へとさらに捩じり角度が大きく
なると、コイルスプリング12a,12bの圧縮が開始
される。このため、剛性の高い2段目の捩じり特性が得
られる。同時に、第1大分室14内の流体がチョークC
2 を通って第2大分室15へと流れる。ここでは、チョ
ークC2 の流路断面積が小さいために大きな粘性抵抗が
得られる。
【0027】以上の動作時には、ドリブン部材6に固定
された状態のスライダ10に対して第1フライホイール
2及びドライブプレート5とが相対回転する。そのた
め、第1フライホイール2のリム部2cの内周面とスラ
イダ10の外周面10cとが摺動する。このときも、前
述した潤滑用孔10d内の粘性流体が摺動面に供給され
る。その結果、摺動面での潤滑性が向上し、スライダ1
0の焼き付きや磨耗が生じにくくなる。特に、スライダ
10は遠心力や突起10aと凹部6cとの当接部分の傾
斜角度等により半径方向外側に押し付けられるために、
このケースでの潤滑性の向上は特に重要である。
【0028】チョークC2 での粘性抵抗により温度が上
がるとストッパー部材8は膨張して、半径方向内側面8
bがドリブン部材6の外周面に接触することがある。し
かし、半径方向内側面8bには潤滑用溝8cが形成され
ているために、溝8c内の粘性流体により、接触面の潤
滑性が向上し、ストッパー部材8の焼き付きや磨耗が生
じにくくなっている。
【0029】さらに、このときに、ストッパー部材8が
1 側に移動することによって、ドリブン部材6の流体
補給用孔6dが第2大分室15に対して開口する。その
ため、ドリブン部材6の窓孔6b内に溜まっている流体
は、遠心力と拡大する第2大分室15からの吸引力とに
より、速やかに第2大分室15内に流れ込む。窓孔6b
内は、環状流体室7aの半径方向内側で最も多く粘性流
体が溜まっている個所であるために、環状流体室7aに
充分な量の流体を戻すことができ、環状流体室7aに流
体が不足しにくくなる。
【0030】図10から図11へと捩じり角度が大きく
なると、ストッパー部材8がスライダ10に当接する。
これにより、第1フライホイール2及びドライブプレー
ト5とドリブン部材6との間の相対回転は停止する。他の実施例 本発明の他の実施例として、図12及び図13に示すよ
うに、スライダの内周面及び外周面に潤滑用凹みを形成
してもよい。スライダ50は中心部に突起50aを有し
ており、内周面50b及び外周面50cにそれぞれ円形
の潤滑用凹み50dを有している。そのため、スライダ
50がドリブン部材または第1フライホイールのリム部
に対して摺動する際にも、凹み50dに溜まった粘性流
体により潤滑性が向上する。したがって、スライダ50
の焼き付きや磨耗が生じにくい。なお、凹み50dの形
状及び個数は図示された実施例に限定されるものではな
い。
【0031】さらに他の実施例として、図14または図
15に示すように、スライダの内周面及び外周面に複数
の細い潤滑用溝を形成してもよい。図14に示すスライ
ダ60では、内周面60bに軸方向に延びる潤滑用溝6
0dが複数形成されている。図15に示すスライダ70
では、内周面70bに円周方向に延びる潤滑用溝70d
が形成されている。いずれの場合も、外周面側にも同様
な溝が形成されている。この場合は、前記実施例と同様
な効果が得られる。
【0032】さらに、以上全ての実施例では、スライダ
側に潤滑用溝を形成してきたが、スライダが摺動する部
分においてリム部の内周面に粘性流体を溜めるための
溝、凹みまたは孔等を設けてもよい。ストッパー部材の
半径方向内側面に形成する溝としては、図16に示すよ
うに、ストッパー部材58の半径方向内側面に軸方向に
延びる複数の潤滑用溝58cを設けてもよい。
【0033】
【発明の効果】第1の発明に係る捩じり振動減衰装置で
は、スライダは流体室壁面を形成する入力側回転体、入
力側部材及び出力側部材と摺動するが、いずれかの摺動
面には流体溜が形成されているために、摺動面に流体が
供給されて潤滑性が向上し、そのためスライダの耐久性
が向上する。その結果、捩じり振動減衰装置の信頼性が
向上する。
【0034】第2の発明に係る捩じり振動減衰装置で
は、粘性抵抗による発熱によって堰部材が膨張すること
がある。その結果堰部材と出力側部材とが接触するが、
堰部材の出力側部材側の面には流体溜が形成されている
ので、堰部材と出力側部材との間に流体が供給されて潤
滑性が向上する。その結果、スライダの寿命が向上し、
捩じり振動減衰装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用された動力伝達装置の
概略断面図。
【図2】図1の部分拡大図であり、フライホイール組立
体の断面図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【図4】図3の部分拡大図。
【図5】スライダの上面図。
【図6】図5のVI矢視図。
【図7】ストッパー部材の上面図。
【図8】図7のVIII−VIII矢視図。
【図9】捩じれ動作の一段階を示す図4に相当する図。
【図10】捩じれ動作の一段階を示す図4に相当する
図。
【図11】捩じれ動作の一段階を示す図4に相当する
図。
【図12】別の実施例における図5に相当する図。
【図13】別の実施例における図6に相当する図。
【図14】さらに別の実施例における図6に相当する
図。
【図15】さらにまた別の実施例における図6に相当す
る図。
【図16】別の実施例における図8に相当する図。
【符号の説明】
4 粘性ダンパー機構 6 ドリブン部材 6c 凹部 7a 環状流体室 8 ストッパー部材 8b 半径方向内側面 8c 潤滑用溝 10,50,60,70 スライダ 10a,50a,60a,70a 突起 10b,50b,60b,70b 内周面 10c,50c 外周面 10d 潤滑用孔 50d 凹み 58c,60d,70d 潤滑用溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに相対回転自在に連結され動力が伝達
    される入力側回転体及び出力側回転体を備えた動力伝達
    装置の捩じり振動減衰装置であって、 前記入力側回転体に連結され、前記入力側回転体ととも
    に環状の流体室を形成するための入力側部材と、 前記出力側回転体に連結され、外周面が前記流体室の一
    部を形成するとともに、前記外周面に半径方向内方へ向
    かう複数の凹部を有する環状の出力側部材と、 前記環状流体室内に円周方向に移動自在に配置され、前
    記出力側部材の凹部内に突出し前記凹部との間に流体が
    通過可能なチョークを形成する突出部を有する複数のス
    ライダとを備え、 前記スライダ及び前記流体室壁面の摺動面のいずれか一
    方には流体溜が形成されている、捩じり振動減衰装置。
  2. 【請求項2】互いに相対回転自在に連結され動力が伝達
    される入力側回転体及び出力側回転体を備えた動力伝達
    装置の捩じり振動減衰装置であって、 前記入力側回転体に連結され、環状の流体室を形成する
    ための入力側部材と、 前記出力側回転体に連結され、前記流体室の一部を形成
    する環状の出力側部材と、 前記環状の流体室内で前記入力側部材と一体回転し、前
    記出力側部材との間で流体が通過可能なチョークを形成
    する堰部材とを備え、 前記堰部材の前記出力側部材側の面には流体溜が形成さ
    れている、捩じり振動減衰装置。
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