JPH07271228A - トナー定着用加熱ローラの製造方法 - Google Patents

トナー定着用加熱ローラの製造方法

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JPH07271228A
JPH07271228A JP5639794A JP5639794A JPH07271228A JP H07271228 A JPH07271228 A JP H07271228A JP 5639794 A JP5639794 A JP 5639794A JP 5639794 A JP5639794 A JP 5639794A JP H07271228 A JPH07271228 A JP H07271228A
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JP
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film
thin film
toner
fixing
layer
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Application number
JP5639794A
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English (en)
Inventor
Kazunori Hosomi
和徳 細見
Yoshiharu Ogawa
善晴 小川
Tatsuo Kono
辰男 河野
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Publication of JPH07271228A publication Critical patent/JPH07271228A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に発熱体を備えていながらトナーの定着
ムラが生じ難いトナー定着用加熱ローラの製造方法を提
供する。 【構成】 抵抗発熱体層14は、転写紙上に形成された
レジネート膜をガラス円筒12の外周表面上に転写する
膜形成工程と、乾燥後、焼成して薄膜金属を生成する加
熱工程とを含む工程を繰り返すことにより、各薄膜金属
層14a等毎に加熱生成が行われて積層形成されるた
め、そのうちの一層に異物混入等による膜破壊を原因と
するピンホールが生じた場合にも、そのピンホール上に
は他の薄膜金属層14b等が重ねられてピンホールが塞
がれる。しかも、薄膜金属層14a等が極めて薄いの
で、積層されたうちの一層にピンホールが発生しても加
圧ムラや定着ムラが生じるほどの大きな凹みが形成され
ない。したがって、加圧ムラが生じ難くなると共に、発
熱ムラやそれに起因するトナーの定着ムラの発生が防止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電複写機等に用いら
れるトナー定着用加熱ローラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トナー画像を紙等に転写した後に定着す
る複写機が知られている。一般に、このような複写機に
おいては、トナーが転写された紙等に複写機内に備えら
れた加熱ローラと加圧ローラとの間を通過させることに
より、加熱と同時に加圧をして、トナーを紙等に定着さ
せることが行われている。従来、上記加熱ローラには、
内部に加熱源としてハロゲンランプ等を備えた円筒状の
アルミニウム等が用いられていたが、この加熱ローラは
内部に備えられた加熱源の輻射熱によってその表面温度
を上昇させる構造であるため、加熱ローラ表面全面を定
着に必要な所定の温度にするための予熱時間が1乃至1
0分程度の長時間になると共に、熱容量が大きいため消
費電力が大きいという問題があった。そこで、発熱層を
表面に設けた加熱ローラが提案されている。このように
すれば、加熱ローラの表面が直接発熱させられるため熱
効率が向上して、予熱時間が短縮されると共に消費電力
が低減されることになる。
【0003】上述の発熱層を表面に設ける技術として、
例えば、特開昭63−158583号公報に開示されて
いる加熱ローラがある。しかしながら、この加熱ローラ
は、金属粉体とガラスバインダを含む厚膜ペーストを用
いて転写紙等に形成した抵抗発熱体パターンを、セラミ
ックスや絶縁体皮膜を有する金属体等から構成される円
筒状の電気絶縁性基体の外周表面に転写して焼成し、厚
膜抵抗発熱体を固着させることにより得られるものであ
り、表面粗さが例えばRa(JIS B0601で規
定)で1μm以上と粗いため発熱体表面の凹凸が比較的
大きく、更に、軸方向の発熱量分布等を制御する目的で
前記電気絶縁性基体の表面に抵抗発熱体を所定のパター
ンで形成した場合には、抵抗発熱体が10乃至20μm
程度と厚いためそのパターンに従って大きな凹凸が生じ
る。そのため、定着時の加圧が均一に行われず、トナー
の定着ムラが発生するという問題があった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】そこで、金属有機化合物(Me
tal Organic Compound:M.O.C.)を含む液状またはペー
スト状物から成る膜(以下、レジネート膜という)を電
気絶縁性基体の表面に形成し、これを加熱して薄膜金属
とすることにより、その表面に極めて薄い抵抗発熱体を
形成することが考えられている。このようにすれば、抵
抗発熱体の膜厚が極めて薄いため、厚膜ペーストにより
形成された抵抗発熱体の表面粗さ等に起因するトナーの
定着ムラを低減することが可能である。しかしながら、
このレジネート膜から形成される薄膜金属は空気中に浮
遊する埃などの異物の混入による膜破壊に起因するピン
ホールが生じ易いため、発熱ムラやそれに起因するトナ
ーの定着ムラが生じ易いという問題があった。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、表面に発熱体を備えてい
ながらトナーの定着ムラが生じ難いトナー定着用加熱ロ
ーラの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、円筒状の外周表面を
備えた電気絶縁性基体のその外周表面上に抵抗発熱体層
が形成されたトナー定着用加熱ローラの製造方法であっ
て、(a) 前記電気絶縁性基体の外周表面上に、金属有機
化合物を含む液状またはペースト状物から成る膜(すな
わちレジネート膜)を形成する膜形成工程と、(b) その
膜形成工程により前記電気絶縁性基体の外周表面上に形
成された上記レジネート膜を、加熱することにより薄膜
金属とする加熱工程とを含む工程が、少なくとも二回以
上繰り返されることにより前記抵抗発熱体層が積層形成
されることにある。
【0007】
【作用および発明の効果】このようにすれば、抵抗発熱
体層は、レジネート膜を形成し、これを加熱して薄膜金
属を生成する工程を繰り返すことにより積層形成される
ため、その薄膜金属のうちの一層に前述のように異物混
入等による膜破壊を原因とするピンホールが生じた場合
にも、そのピンホール上には他の層の薄膜金属が重ねら
れてピンホールが塞がれる。すなわち、上記膜破壊は、
混入した異物が加熱工程においてガス化することにより
生じるものであり、膜を一層形成する毎に加熱して薄膜
金属とすることを繰り返す工程を採ることにより、その
異物による膜破壊を一層の薄膜金属のみ、すなわち抵抗
発熱体層の厚さ方向の一部のみに留めることが可能とな
るのである。しかも、薄膜金属は極めて薄いので、積層
された薄膜金属の一つにピンホールが発生しても加圧ム
ラや定着ムラを生じるほどの大きな凹みが形成されな
い。したがって、加圧ムラが生じ難くなると共に、発熱
ムラやそれに起因するトナーの定着ムラの発生を防止す
ることが可能となる。なお、上記加熱ローラにおいて
は、内部に発熱源を備える必要はないため、電気絶縁性
基体は、円筒状の外周表面を備えたものであれば中実の
円柱状体であっても良い。
【0008】ここで、好適には、前記レジネート膜が、
膜形成工程において周方向の一部に継ぎ目が生じる製造
方法で形成されたものである場合には、その継ぎ目の周
方向の位置が、各層相互に異なるように上記レジネート
膜が形成される。このようにすれば、薄膜金属の継ぎ目
すなわち薄膜金属の重なり或いは隙間が周方向にずれて
形成されることにより、外周面の凹凸が比較的小さくさ
れる。したがって、加熱ローラの周方向の表面温度ムラ
が一層低減されて、トナーの定着ムラの発生を防止する
ことが可能となる。なお、継ぎ目による温度ムラの低減
のためには、各層の継ぎ目の周方向の位置が、各層相互
に可及的に離隔させられていることが望ましく、例えば
積層数をNとした場合に、継ぎ目の位置の周方向の間隔
を360/N°とすることが最も好ましい。
【0009】また、好適には、前記継ぎ目の周方向の長
さは0.6mm以下とされる。このようにすれば、抵抗
発熱体層に継ぎ目が生じた場合にも、その継ぎ目により
他の部分と抵抗率の差が生じている面積は比較的小さく
なるため、その抵抗率の差に起因する発熱ムラが低減さ
れる。したがって、加熱ローラの周方向の表面温度ムラ
が低減され、トナーの定着ムラの発生を防止することが
可能となる。なお、上記継ぎ目の周方向の長さは可及的
に小さいことが望ましく、0.3mm以下であればトナ
ーの定着ムラが一層確実に防止される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例である製造方法
により作製されたトナー定着用加熱ローラ(以下、加熱
ローラという)10の外観を示す図である。この加熱ロ
ーラ10は、例えばガラス円筒12の両端部を除く外周
表面全面に抵抗発熱体層14が固着されると共に、その
ガラス円筒12の軸方向両端部においてその抵抗発熱体
層14に給電するための一対の電極16,16が設けら
れ、更に、その一対の電極16,16間に抵抗発熱体層
14を覆う保護層18が備えられているものである。上
記の抵抗発熱体層14は、図2に軸方向に垂直な断面を
示すように、例えばそれぞれ0.3μm程度の厚さを備
えた三層の薄膜金属層14a,14b,14cが積層さ
れて成るものであり、これにより抵抗発熱体層14の全
体の厚さは例えば0.9μm程度にされている。なお、
図において19a,19b,19cは、それぞれ上記の
薄膜金属層14a,14b,14cの周方向の一部に軸
方向全体に亘って形成された継ぎ目(図においては隙
間)であり、周方向に等角度間隔(すなわち、360度
/3=120度間隔)で位置させられていると共に、そ
れぞれの隙間の周方向の長さは例えば0.6mm以下に
されている。
【0012】また、上記ガラス円筒12は、例えば全長
360mm、外径15mm、肉厚2.0mm程度の寸法
の引き抜き加工により製造された硬質ガラス(例えば、
Na 2 O+K2 O 7.5wt%,CaO+BaO 3.
0wt%,B2 3 10.5wt%,Al2 3 7.0
wt%,SiO2 72.0wt%から成り、その特性が熱
伝導率0.0026 cal/sec・cm・℃,比熱0.17
cal/g・℃,軟化点790℃程度のガラス等)であり、
比較的低い熱伝導率と高い耐熱性を備えたものである。
また、上記電極16,16は、例えば15μm程度の厚
さのAg厚膜であり、ガラス円筒12の両端からそれぞ
れ10mmまでの範囲に設けられている。なお、上記保
護層18は、例えば厚さ20〜25μm程度のフッ素樹
脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)から成り、加
熱ローラ10が複写機において加熱・加圧された際に抵
抗発熱体層14を保護すると共に、トナーの付着を防止
するものである。
【0013】上記の加熱ローラ10は、同様に製造され
た例えば25個程度の加熱ローラ10について測定した
場合において、軸方向の抵抗値のばらつきが10〜15
%程度、軸方向の所定の位置(例えば中央部付近)の周
方向における最高温度と最低温度との差が4〜5℃程度
と何れも小さく、すなわち、加熱ローラ10全体の温度
のばらつきが小さくされている。しかも、抵抗発熱体層
14が極めて薄いため、表面粗さに起因する外周表面の
凹凸が小さくされている。そのため、表面に発熱体を備
えて予熱時間が短縮されると共に消費電力が小さくされ
ながら、複写機等においてトナーを定着させるに際し
て、加熱および加圧が略均一に行われてトナーの定着ム
ラが発生し難いのである。更に、上記のように抵抗値の
ばらつきおよび温度差が小さくされているため、一対の
電極16,16間の抵抗値のばらつき(すなわち、複数
の加熱ローラ10相互の温度のばらつき)が11〜12
%程度と小さくされている。なお、上記の抵抗値のばら
つきは、変動係数(すなわち、標準偏差の平均値に対す
る百分率)として求めたものである。
【0014】上記の加熱ローラ10は、例えば図3に示
される工程によって製造されたものである。以下、図に
従って製造方法を説明する。まず、前述のガラス円筒1
2等の電気絶縁性基体、および一面にレジネート膜が設
けられた例えば3枚のレジネート膜転写紙を用意する。
このレジネート膜転写紙は、図の左半面に示されている
レジネート膜作製工程に従って、例えば、表1に示され
るa或いはbの組成により調整されたレジネートペース
トを、転写紙上に例えば幅46.5mm×長さ360m
m程度の寸法でスクリーン印刷等により印刷して乾燥
し、その表面にセルロース系樹脂等から成るトップコー
トを同様にスクリーン印刷等により施して更に乾燥する
ことにより製造されたものである。なお、上記のレジネ
ート膜の幅寸法は、上記のガラス円筒12の周囲長より
も、0.6mm以内の範囲で僅かに小さい値となるよう
に設定されたものである。
【0015】
【表1】
【0016】次いで、上記のレジネート膜転写紙の内の
1枚を所定の溶解液に浸して、トップコートおよびレジ
ネート膜を剥離し、長さ方向が上記のガラス円筒12の
軸方向に一致する向きで、その外周表面上に巻回してレ
ジネート膜を転写する。更に、これを乾燥した後、例え
ば600℃程度で焼成することにより、ガラス円筒12
の外周表面上に抵抗発熱体層14の第一層である薄膜金
属層14aが形成される。この後、残りの2枚のレジネ
ート膜転写紙を用いて、上記の剥離から焼成までの工程
を同様に繰り返すことによって、薄膜金属層14a上に
薄膜金属層14bおよび14cが形成されて抵抗発熱体
層14が得られる。このとき、薄膜金属層14a,14
b,14cの積層形成は上記のように巻回・転写による
ため、長さ方向の両辺によって、ガラス円筒12の周方
向の一部に軸方向に沿った継ぎ目19a,19b,19
cが形成されるが、各薄膜金属層14a,14b,14
cは、この継ぎ目19が周方向に120度間隔で位置す
るように積層される。なお、上記の継ぎ目19は、前記
のようにレジネート膜の幅寸法がガラス円筒12の周囲
長よりも僅かに短くされているため、例えば幅(すなわ
ち周方向の長さ)が0.6mmの隙間として形成されて
いるのである。また、以上の説明から明らかなように、
本実施例においては、上記の剥離および転写が膜形成工
程に、焼成が加熱工程にそれぞれ相当し、これらを含む
工程の繰り返し回数は三回とされている。
【0017】上記のようにガラス円筒12の外周表面上
に抵抗発熱体層14が形成された後、例えば、Ag厚膜
ペーストを転写紙上にスクリーン印刷等によって印刷・
乾燥して形成された電極パターンを、ガラス円筒12の
両端部に転写・乾燥し、例えば600℃程度で焼成する
ことによって一対の電極16,16が形成される。この
後、更に抵抗発熱体層14の上に保護層18を設けるこ
とによって、図1に示される加熱ローラ10が得られ
る。
【0018】ここで、本実施例においては、抵抗発熱体
層14は、転写紙上に形成されたレジネート膜をガラス
円筒12の外周表面上に転写する膜形成工程と、乾燥
後、焼成して薄膜金属を生成する加熱工程とを含む工程
が繰り返されることにより、各薄膜金属層14a等毎に
加熱生成が行われて積層形成されるため、そのうちの一
層に異物混入等による膜破壊を原因とするピンホールが
生じた場合にも、そのピンホール上には他の薄膜金属層
14b等が重ねられてピンホールが塞がれる。すなわ
ち、上記膜破壊は、混入した異物が加熱工程においてガ
ス化することにより生じるものであり、レジネート膜を
一層形成する毎に加熱して薄膜金属とすることを繰り返
す工程を採ることにより、その異物による膜破壊を抵抗
発熱体層14の厚さ方向の一部に留めることが可能とな
るのである。しかも、薄膜金属層14a等は極めて薄い
ので、積層されたうちの一層にピンホールが発生して
も、加圧ムラを生じるほどの大きな凹みが形成されな
い。したがって、加圧ムラが生じ難くなると共に、発熱
ムラやそれに起因するトナーの定着ムラの発生が防止さ
れるのである。
【0019】また、本実施例においては、上述のように
各薄膜金属層14a等において周方向の一部に継ぎ目1
9a等が生じており、隙間が形成されて他の部分よりも
抵抗発熱体層14の厚さが小さくすなわち抵抗率が大き
くされているが、その継ぎ目19a等は、各継ぎ目19
a,19b,19cが周方向に等間隔となるように位置
させられているため、隙間が形成されることによる外周
面の凹凸が比較的小さくされている。したがって、加熱
ローラ10の周方向の表面温度ムラが一層低減されて、
トナーの定着ムラの発生が一層確実に防止される。
【0020】更に、本実施例においては、上記継ぎ目1
9a等の幅すなわち周方向の長さが0.6mmと小さく
されているため、隙間により他の部分よりも抵抗率が大
きくされている面積が比較的小さく、その抵抗率の差に
起因する発熱ムラが低減されている。したがって、加熱
ローラ10の周方向の表面温度ムラが一層低減され、ト
ナーの定着ムラの発生が更に一層確実に防止される。
【0021】すなわち、以上のことから、本実施例の製
造方法によれば、表面に抵抗発熱体層14が備えられて
予熱時間が短縮されると共に消費電力が低減されなが
ら、トナー定着用加熱ローラ10の表面の凹凸に起因す
る加圧ムラが低減されると共に、その全体の表面温度ム
ラすなわち加熱ムラが大幅に低減され、トナーの定着ム
ラが低減されるのである。
【0022】ここで、図4乃至図6は、薄膜金属層14
a等の積層による抵抗率のばらつきの低減を確認するた
めに行った実験(実験1、実験2)を説明するための図
であり、図7および図8は、薄膜金属層14a等の継ぎ
目19a等の幅を小さくすることより、図9および図1
0はその薄膜金属層14a等の各層の継ぎ目19a等を
周方向に互いに離隔して位置させることにより、それぞ
れ加熱ローラ10の周方向の温度ムラが低減されること
を確認するために行った実験(実験3、実験4)を説明
するための図である。
【0023】(実験1)平板状のガラス基板20の一面
に、スクリーン印刷により前記のレジネートペースト
a,bを印刷・乾燥し、600℃にて焼成することによ
り薄膜金属を生成する一連の作業を一乃至三回繰り返す
ことにより、一層乃至三層の薄膜金属層から成る抵抗発
熱層22を形成した。なお、レジネートペーストa,b
の薄膜金属一層についての厚さは、それぞれ乾燥後で
5.8μm,6.4μm程度であり、焼成後で0.8μ
m,0.5μm程度であった。更に、前記の電極16に
用いたAg厚膜ペーストにより、上記抵抗発熱層22の
両側に電極24,24を固着して、図4に示すテストサ
ンプル26を各積層数について15枚ずつ作製した。上
記のガラス基板20は、例えば幅(図の上下方向長さ。
以下の実験例においても同様)35mm、長さ280m
m、厚さ2mm程度の寸法の前記の硬質ガラス或いは低
アルカリガラスであり、抵抗発熱体層22は、その中央
部において幅28mm、長さ231mmの寸法に形成さ
れている。なお、上記の抵抗発熱体層22の寸法は、例
えばA4サイズ以下の紙をその長手方向に送ってトナー
を定着する複写機に用いられる加熱ローラの展開図を模
して設定されたものであり、上記長さ231mmは、A
4サイズの紙の幅210mmの1.1倍の長さに、幅2
8mmは、φ10の加熱ローラの周囲長に相当する。
【0024】一方、上記と同様なガラス基板20の一面
に上記の抵抗発熱体層22よりもやや大きい長さ且つ同
様な幅で同様なレジネートペーストa,bを印刷・乾燥
・焼成する一連の作業を一乃至三回繰り返して、上記と
同様な一乃至三層の薄膜金属から成る抵抗発熱体層22
を形成し、上記電極24を抵抗発熱体層22の長さ方向
に等間隔の9か所に固着し、各電極24により区分され
た8つの抵抗発熱体層22を全て28×28mmの寸法
とすることによって、図5に示すテストサンプル28を
各積層数についてそれぞれ15枚ずつ作製した。以上の
テストサンプル26,28について、電極24,24間
の抵抗値を測定し、抵抗値のサンプル間ばらつきおよび
サンプル内ばらつきを求めた。結果を表2の測定結果1
(A),(B)に示す。なお、抵抗値のばらつきは前記
の加熱ローラ10の場合と同様に変動係数として求めて
いる。表から明らかなように、a,b何れのレジネート
ペーストを用いた場合も、積層することによりサンプル
間およびサンプル内の抵抗値のばらつきが何れも低減さ
れることが本実験によって確認された。例えば、二層乃
至三層積層することにより、一層の場合に比較してサン
プル間ばらつきは70%程度に、サンプル内ばらつきは
50%程度に改善される。
【0025】
【表2】
【0026】(実験2)表3および表4は、前記の加熱
ローラ10を模して抵抗発熱体層を円筒状にした場合の
抵抗値のばらつきを求めた結果を示すものであり、加熱
ローラ10において、ガラス円筒12に代えて直径φ2
0mm×長さ360mmのガラス円柱を用いたテストサ
ンプルにより、抵抗値を測定したものである。なお、表
3に示す測定結果2は、前述の加熱ローラ10と同様な
転写法によって抵抗発熱体層を設け、生じる継ぎ目は
0.3mm程度の隙間として、薄膜金属が二層および三
層積層されているものについては各層の継ぎ目を周方向
に等間隔に位置させたテストサンプルによる測定結果で
あり、表4に示す測定結果3は、例えば曲面印刷機によ
って上記のガラス円柱の外周表面上に直接レジネート膜
を設けると共に、継ぎ目を0.6mmの隙間とする他は
同様にして抵抗発熱体層を形成したテストサンプルによ
る測定結果である。また、テストサンプル数はそれぞれ
の積層数について25づつとした。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】上記の両サンプルにおいて、サンプル間の
抵抗値のばらつきを求めるための測定は、一対の電極1
6,16間の抵抗値を測定することにより、サンプル内
ばらつきを求めるための測定は、図6に示すようなリン
グ状電極端子対30を用いることにより行った。このリ
ング状電極端子対30は、一面が解放された一対の箱型
部材32,32において、対向する一対の面のその解放
された一面に位置する2辺の一部を取り除いて円弧状の
電極34をそれぞれ設けると共に、その電極34が設け
られていない面の解放された一面に位置する辺におい
て、蝶番等の回動軸36によって両箱型部材32,32
をその回動軸36回りに回動可能に組み立てたものであ
る。上記の電極34は、図6に示すように両箱型部材3
2,32がその電極34が対向する位置に互いに回動さ
せられた状態で、約φ20mm程度の円筒面を成してリ
ング状電極38が形成されると共に、対向する一面に設
けられた電極34によってそれぞれ形成されるリング状
電極38,38が同軸的に位置するように形成されてい
る。また、電極34が設けられている対向する一対の面
は、互いに約30mm程度の距離を隔てて備えられてい
る。
【0030】テストサンプルの抵抗値のサンプル内ばら
つきは、上記のリング状電極端子対30の一対のリング
状電極38,38によりテストサンプルを狭持し、その
リング状電極38,38の軸方向の間隔すなわち約30
mm間隔で、リング状電極端子対30をテストサンプル
の軸方向に移動させ、各位置における抵抗値を測定する
ことにより求められる。なお、抵抗値のばらつきは、実
験1と同様に変動係数により求めたものである。表から
明らかなように、本実験によっても、a,b何れのレジ
ネートペーストを用いた場合も、積層することによりサ
ンプル間およびサンプル内の抵抗値のばらつきが何れも
低減されることが確認された。例えば、二層乃至三層の
積層により、表3の場合には、一層の場合に比較してサ
ンプル間ばらつきは25%程度に、サンプル内ばらつき
は40%程度に改善され、表4の場合には、それぞれ7
0%程度および50%程度に改善される。なお、表3す
なわち、転写法(前述の実施例から明らかなように、特
に湿式転写法)の場合にばらつきの改善が著しいのは、
前述の製造方法において転写紙から抵抗体パターン等を
剥離する際に用いられる溶解液等が異物と同様の作用を
するためである。すなわち、本実験から、このような異
物によって抵抗値ばらつきが極めて大きくなる条件下に
おいても、前述の実施例の方法によれば、充分に低い抵
抗値ばらつきを得ることが可能となることが明らかであ
る。
【0031】(実験3)幅寸法が55mmと異なる他は
前記の実験1のガラス基板20と同様なガラス基板40
の一面に、前記のレジネートペーストaを例えばスクリ
ーン印刷により印刷、乾燥後、600℃で焼成して薄膜
金属層42aを生成し、更にその上に同様にして薄膜金
属層42bを生成して抵抗発熱体層42を形成した後、
上記の実験1と同様にしてガラス基板40の長さ方向両
端部に一対の電極44,44を設けて、図7に示すテス
トサンプル46を作製した。このテストサンプル46
は、一対の電極44,44間の距離すなわち実質的な抵
抗発熱部の長さが231mm程度、幅が47mm程度と
されているが、上側に位置する薄膜金属層42bには、
幅方向中央部に一対の電極44,44間全長に亘って、
0.5〜10mm程度の所定の幅の継ぎ目48(隙間或
いは薄膜金属の重なり。図においては隙間)が設けられ
ており、これにより上記抵抗発熱体層42の厚さが上記
所定の幅だけ異なるものとされている。この抵抗発熱体
層42は、直径φ15mmの加熱ローラにおいて抵抗体
二層を形成する場合の展開パターンであり、上記継ぎ目
48は、その加熱ローラにおける薄膜金属層の継ぎ目を
模したものである。
【0032】上記のテストサンプル46を用い、 (1)6
0Wの電力を印加して5分経過後の温度分布、および
(2)700Wの電力を印加して10秒経過後の温度分布
を測定した。なお、 (1)の条件60W,5分は、加熱ロ
ーラが室温から定着温度である180℃まで昇温し、且
つそれを維持するのに必要充分な条件であり、 (2)の条
件700W,10秒は、複写機等で通常使用される場合
を想定し、最も温度分布の現れ易い条件、すなわち、複
写機のスイッチがONされてから複写用紙が加熱ローラ
に達するまでの約10秒間に、加熱ローラが室温から定
着温度である180℃まで昇温する条件である。また、
温度測定には赤外線放射温度計を用い、測定箇所は抵抗
発熱体層42の長さ方向略中央部に位置する図7の50
a,50b,50cの3か所とした。上記測定箇所50
bは継ぎ目48の幅方向中央部に位置している。測定結
果(測定箇所中の最高温度と最低温度との温度差)を表
5の測定結果4および図8に示す。図から明らかなよう
に、何れの測定条件においても継ぎ目48の幅が大きく
なるに従って測定箇所50a,50cと50bとの温度
差が大きくなるが、継ぎ目48の幅が0.6mm程度以
下であれば、その温度差は、通常印加される電力の範囲
内(すなわち700W以下)においてトナーの定着ムラ
の原因となる20℃を越えないのである。
【0033】
【表5】
【0034】(実験4)抵抗発熱体層52が前記の実験
2に示した曲面印刷機によって形成された全面パターン
二層から成り、保護層18が設けられていない他は前述
の実施例の加熱ローラ10と同様な、図9に断面を示す
テストサンプル54を作製した。このテストサンプル5
4においては、内周側に位置する薄膜金属層52aの継
ぎ目56aおよび外周側に位置する薄膜金属層52bの
継ぎ目56bは、周方向に角度θ(度)だけ離隔するよ
うに設けられている。上記継ぎ目56a,56bは、幅
(すなわち周方向の長さ)が0.6mm程度の隙間或い
は薄膜金属の重なり(図においては隙間)であり、これ
によりテストサンプル54には周方向に抵抗発熱体層5
2の厚さの異なる部分が設けられている。このテストサ
ンプル54に前記の実験3と同様な条件で電力を印加し
て温度分布を測定した。なお、温度測定には熱電対を用
い、測定箇所は軸方向中央付近で継ぎ目56aの位置を
基準(P1 )として周方向に45度間隔でP1 〜P8
8か所とした。測定結果(8か所の測定箇所中の最高温
度と最低温度との温度差)を表6の測定結果5および図
10に示す。図から明らかなように、何れの測定条件に
おいても継ぎ目56の間隔すなわち角度θが大きくなる
に従って温度差が小さくなり、本実験のように抵抗発熱
体層52が二層から構成される場合には、継ぎ目56
a,bが互いに70度以上離隔させられると、温度差が
トナーの定着ムラの原因となる20℃を越えないのであ
る。
【0035】
【表6】
【0036】すなわち、以上の実験1〜4から明らかな
ように、抵抗発熱体層14をレジネートから生成される
薄膜金属層14a等から構成する場合には、積層する薄
膜金属層14a等の積層数が多いほど抵抗発熱体層14
の抵抗値のムラが発生し難く、また、継ぎ目19a等の
幅が小さいほど、或いは薄膜金属層14a等の各層の継
ぎ目19a等が周方向に離隔させられているほど、周方
向の温度ムラが発生し難いのである。したがって、前記
実施例の加熱ローラ10は、全体の温度ムラが発生し難
く、複写機に用いられた場合にトナーの定着ムラが発生
し難いのである。
【0037】なお、前記の実施例においては、薄膜金属
層14a等の周方向に生じる継ぎ目19a等には隙間が
形成されていたが、前記の製造方法において転写紙上に
形成するレジネート膜の幅寸法を、ガラス円筒12の周
囲長よりも0.6mm以内の範囲で僅かに大きい寸法
に、例えば前記の実施例においては47.7mm程度に
することにより、図11の加熱ローラ58の断面に示す
ように、継ぎ目60a,60b,60cが薄膜金属14
a等の重なりとされていても良い。このようにした場合
には、上記の実施例とは反対に、継ぎ目60の部分は抵
抗率が低くされて発熱量の多い部分が生じることになる
が、この場合にも重なりの幅を0.6mm以下とするこ
とにより、或いは薄膜金属層14a等の各層の継ぎ目6
0a等を周方向に等間隔に位置させることにより、継ぎ
目60による加熱ローラ20の周方向の表面温度ムラの
発生を低減することが可能である。したがって、本実施
例の方法(すなわち、上記のように継ぎ目60a等を重
なりとする)によっても、加熱ムラと加圧ムラとが低減
されてトナーの定着ムラが低減されるのである。
【0038】また、前記の実施例においては、円筒状の
外周表面を備えた電気絶縁性基体として中空の円筒状物
であるガラス円筒12を用いたが、例えば図12に示す
加熱ローラ62のように中実の円柱状物であるガラス円
柱64等が用いられても良い。すなわち、本発明によれ
ば、発熱源すなわち抵抗発熱体層14が表面に設けられ
ているため、従来のように円筒状すなわち中空の電気絶
縁性基体を必ずしも用いなくとも良いのである。
【0039】図13は、本発明の製造方法の他の例の工
程流れ図である。本実施例においても前述の実施例と同
様なレジネートペーストが用いられるが、レジネート膜
は転写紙上には形成されず(すなわちパターン作製工程
はなく)、例えば前述の実験2で示した曲面印刷機によ
って直接ガラス円筒12等の外周表面上に形成される。
外周表面上にレジネート膜が形成された後の工程につい
ては、前述の実施例と同様であるため説明を省略する。
本実施例においては、上記の曲面印刷機によるレジネー
ト膜の形成が膜形成工程に相当する。このようにしても
薄膜金属層14a等を積層することにより抵抗発熱体層
14を形成することが可能であり、加熱ローラ10の表
面の凹凸が低減されると共に薄膜金属14a等の膜破壊
に起因する抵抗率のばらつきが低減される。また、上記
の製造方法によっても曲面印刷機による印刷開始部と終
了部とによって継ぎ目19が生じるが、その継ぎ目19
を前述の実施例と同様に幅を比較的小さく(例えば0.
6mm以下に)すると共に、薄膜金属層14a等の各層
の継ぎ目を周方向に比較的離隔(例えば等間隔に配置)
させることにより、周方向の温度ムラが低減される。し
たがって、本実施例によっても加熱ローラ10全体の温
度ムラを低減することができて、トナーの定着ムラが低
減されるのである。
【0040】更に、本実施例によれば、レジネート膜が
ガラス円筒12上に直接形成されるため、前述の実験2
で触れたような、転写紙からレジネート膜等を剥離する
際の溶解液の残存に起因する膜破壊が生じ難い。したが
って、加熱ローラ10全体の温度ムラが一層低減され
る。
【0041】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0042】例えば、前述の実施例においては、抵抗発
熱体層14は薄膜金属層14a等が三層積層されて構成
されていたが、積層数が二層以上であれば膜破壊による
抵抗率のばらつきを低減する本発明の効果が得られる。
但し、実験1および2で示したように積層数が多いほう
がばらつきの低減の効果が大きく、一方、積層数が過多
となると抵抗発熱体層14を薄膜金属層14a等から構
成することによる、加熱ローラ10の表面の凹凸低減の
効果が減じられるため、2〜5層程度が好ましく、2〜
3層程度が一層好ましい。
【0043】また、抵抗発熱体層14は、ガラス円筒1
2或いはガラス円柱64の外周面全面に設けられていた
が、軸方向の抵抗値を傾斜させる等の目的で適当なパタ
ーン、例えば、両端部と中央部とで密度の異なる螺旋パ
ターン等が形成されていても良く、或いは、同様な目的
で両端部と中央部との抵抗発熱体層14の厚さが異なる
ものとされていても良い。何れの場合にも、ピンホール
等の発生による抵抗値のばらつき(すなわち設計された
抵抗値の分布からのずれ)、或いは、継ぎ目19による
周方向の温度ムラが生じ得るため、薄膜金属層14a等
を二層以上積層すること、或いは、薄膜金属14a等の
各層の継ぎ目19を周方向に離隔させ、または継ぎ目1
9の幅を小さくすることにより、本発明の効果が得られ
るのである。
【0044】また、継ぎ目19a等が生じている部分
は、周方向の他の位置と発熱量が異なるため、その周方
向の長さ(すなわち幅寸法)はできるだけ小さい方が良
い。実施例で示した0.6mm以下であれば、通常の複
写機の使用条件である700W程度の印加電力でトナー
の定着ムラが生じない周方向の表面温度分布(温度差2
0℃以下)が得られるため好ましいが、0.3mm以下
であれば殆ど温度差は生じず、一層好ましい。なお、上
記の幅は使用条件(すなわち印加電力と予熱時間)によ
って許容される範囲が変動するため、印加電力を高く、
或いは予熱時間をやや長くしても良い場合には、やや大
きい値、例えば1mm程度であっても一応の効果は得ら
れる。
【0045】また、薄膜金属層14a等の各層の継ぎ目
19a等は、周方向に相互にできるだけ離隔させられて
いることが好ましく、周方向に等間隔とされることが最
も好ましい。但し、積層数に応じた所定の角度以上(例
えば二層の積層の場合には、実験4で示したように70
度以上)離隔させられていれば、加熱ローラ10の表面
の温度ムラはトナーの定着ムラが生じない程度となるた
め、必ずしも等間隔でなくとも良い。
【0046】また、保護層18は、前述のように加熱ロ
ーラ10が複写機において加熱・加圧された際に抵抗発
熱体層14を保護すると共に、トナーの付着を防止する
ものであるが、トナーの付着等が生じ難い場合には、必
ずしも設けられなくとも良い。
【0047】また、円筒状の外周面を備えた電気絶縁性
基体としては、実施例で示した硬質ガラスから成るガラ
ス円筒12或いはガラス円柱64の他に、アルミナ,ム
ライト,ジルコニア等のセラミックス製の円筒或いは円
柱や、アルミニウム或いはステンレス等の金属製の円筒
或いは円柱の外周面に絶縁皮膜を施したものでも良い。
但し、熱効率の面からは、実施例で用いた硬質ガラスや
ジルコニア等の低熱伝導率材料が好ましい。
【0048】また、レジネートペーストの調合組成は、
実施例で示したAu(金)を主成分とする表1のa,b
の他に、Ru(ルテニウム)或いはPt,Pd,Ag等
の他の導電成分を主成分としたものであっても良く、添
加成分も適宜変更され得る。
【0049】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法により作製された
加熱ローラの一例である。
【図2】図1の加熱ローラの軸方向に垂直な断面を示す
図である。
【図3】本発明の一実施例の製造方法の工程流れ図であ
る。
【図4】薄膜金属層の積層による抵抗値のばらつきの低
減を確認するための実験において、サンプル間ばらつき
を測定するために用いるテストサンプルを示す図であ
る。
【図5】薄膜金属層の積層による抵抗値のばらつきの低
減を確認するための実験において、サンプル内ばらつき
を測定するために用いるテストサンプルを示す図であ
る。
【図6】薄膜金属層の積層による抵抗値のばらつきの低
減を確認するための実験において、ローラ形状のテスト
サンプルのサンプル内ばらつきを測定するために用いる
リング状電極端子対を示す図である。
【図7】薄膜金属層の継ぎ目の幅を小さくすることによ
る周方向の表面温度ばらつきの低減を確認するための実
験を説明する図である。
【図8】図7の実験の測定結果を示す図である。
【図9】薄膜金属層の各層相互の継ぎ目の周方向間隔を
大きくすることによる周方向の表面温度ばらつきの低減
を確認するための実験を説明する図である。
【図10】図9の実験の測定結果を示す図である。
【図11】本発明の製造方法により作製される加熱ロー
ラの他の一例の軸方向に垂直な断面を示す図である。
【図12】本発明の製造方法により作製される加熱ロー
ラの更に他の一例の軸方向に垂直な断面を示す図であ
る。
【図13】本発明の他の実施例の製造方法の工程流れ図
である。
【符号の説明】
10:トナー定着用加熱ローラ {12:ガラス円筒,64:ガラス円柱}(円筒状の外
周表面を備えた電気絶縁性基体) 14:抵抗発熱体層 14a,14b,14c:薄膜金属層 19,60:継ぎ目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 辰男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の外周表面を備えた電気絶縁性基
    体の該外周表面上に抵抗発熱体層が形成されたトナー定
    着用加熱ローラの製造方法であって、 前記電気絶縁性基体の外周表面上に、金属有機化合物を
    含む液状またはペースト状物から成る膜を形成する膜形
    成工程と、 該膜形成工程により前記電気絶縁性基体の外周表面上に
    形成された上記膜を、加熱することにより薄膜金属とす
    る加熱工程とを含む工程が、少なくとも二回以上繰り返
    されることにより前記抵抗発熱体層が積層形成されるこ
    とを特徴とするトナー定着用加熱ローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記膜は、膜形成工程において周方向の
    一部に継ぎ目が生じるように形成されたものであり、 該継ぎ目の周方向の位置が、各層相互に異なるように上
    記膜が形成されることを特徴とする請求項1のトナー定
    着用加熱ローラの製造方法。
JP5639794A 1994-03-28 1994-03-28 トナー定着用加熱ローラの製造方法 Pending JPH07271228A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT406924B (de) * 1998-02-02 2000-10-25 Manfred Dr Elsaesser Heizelement
US6392209B1 (en) 1998-02-02 2002-05-21 Manfred Elasser Electric heating element
JP2009251132A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Sharp Corp 定着装置およびそれを備えた画像形成装置

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AT406924B (de) * 1998-02-02 2000-10-25 Manfred Dr Elsaesser Heizelement
US6392209B1 (en) 1998-02-02 2002-05-21 Manfred Elasser Electric heating element
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