JPH07271088A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH07271088A
JPH07271088A JP7020425A JP2042595A JPH07271088A JP H07271088 A JPH07271088 A JP H07271088A JP 7020425 A JP7020425 A JP 7020425A JP 2042595 A JP2042595 A JP 2042595A JP H07271088 A JPH07271088 A JP H07271088A
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JP
Japan
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toner
fine powder
developing
group
colorant
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JP7020425A
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English (en)
Inventor
Makoto Kanbayashi
誠 神林
剛 ▲瀧▼口
Takeshi Takiguchi
Hagumu Iida
育 飯田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、流動性に優れ、環境安定性
に優れている静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。 【構成】 本発明は、着色剤含有樹脂粒子と、TiO2
成分及びTi(OR)m(OH)n成分〔式中、Rは炭化
水素基を示し、m及びnはO乃至4の整数を示し、m+
nは4である〕を主要成分とする組成物で形成され、シ
ラン系有機化合物で処理されている処理微粉体と、を有
する静電荷像現像用トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電荷像を現像するための乾式の静
電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電手段によって光導電材料の表面に像
を形成し、トナーにより現像する方法はよく知られてい
る。
【0003】米国特許第2,297,691号明細書、
特公昭42−23910号公報及び特公昭43−247
48号公報等に多数の方法が提案されている。一般には
光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電
気的潜像を形成し、次いで該潜像上にトナーを付着させ
ることによって静電荷像に相当するトナー像を形成す
る。
【0004】次いで必要に応じて紙の如き画像支持体表
面にトナーを転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或は溶
剤蒸気により定着し複写物を得るものである。トナー画
像を転写する工程を有する場合には、通常残余のトナー
を除去するためのクリーニング工程が必要により設けら
れる。
【0005】電気的潜像をトナーを用いて可視化する現
像方法は、例えば、米国特許第2,221,776号明
細書に記載されている粉末雲法、同第2,618,55
2号明細書に記載されているカスケード現像法、同第
2,874,063号明細書に記載されている磁気ブラ
シ法、及び同第3,909,258号明細書に記載され
ている導電性磁性トナーを用いる方法などが知られてい
る。
【0006】これらの現像法に適用されるトナーとして
は一般には熱可塑性樹脂に着色剤を混合分散後、微粉化
したものが用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリス
チレン系樹脂が最も一般的であるが、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂
等も用いられる。着色剤としてはカーボンブラックが最
も広く使用され、又磁性トナーの場合は、酸化鉄系の黒
色の磁性粉が多く用いられる。二成分系現像剤を用いる
方式の場合には、トナーは通常ガラスビーズ、鉄粉、磁
性フェライト粉又はそれらの樹脂コート粒子のキャリア
粒子と混合されて用いられる。
【0007】紙の如き最終複写画像形成部材上のトナー
像は、熱、圧力、及びそれらの組み合せにより支持体上
に定着される。従来より、この定着工程は熱によるもの
が多く採用されている。
【0008】近年、複写機又はプリンターにおいてモノ
カラー画像からフルカラー画像への展開が急速に進みつ
つあり、2色カラー複写機やフルカラー複写機の実用化
もされている。例えば「電子写真学会誌」Vol.2
2,No.1(1983)や「電子写真学会誌」Vo
l.25,No.1,P52(1986)のごとく色再
現性、階調再現性の報告もある。
【0009】しかし、テレビ、写真、カラー印刷物のよ
うに実物と直ちに対比されることはなく、又、実物より
も美しく加工されたカラー画像を見慣れた人々にとって
は、現在実用化されているフルカラー電子写真画像はさ
らに改良が望まれている。
【0010】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うもの
である。
【0011】その方法は、原稿からの光をトナーの色と
補色の関係にある色分解光透過フィルターを通し、光導
電層上に静電潜像を形成させ、次いで現像、転写工程を
経てトナーを支持体に保持させる。この工程を順次複数
回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支持体
上にトナーを重ね合わせた後、一回の定着によって最終
のフルカラー画像を得る。
【0012】一般に現像剤がトナーとキャリアとからな
る二成分系現像剤の場合は、キャリアとの摩擦によって
トナーを所要の帯電量及び帯電極性に帯電せしめ、静電
引力を利用して静電荷像を現像するものである。従って
良好な可視画像を得るためには、主としてキャリアとの
関係によって定まるトナーの摩擦帯電性が良好であるこ
とが重要である。
【0013】これに対してキャリアコア剤及びキャリア
コアのコート剤の探索やコート量の最適化、或はトナー
に加える電荷制御剤及び流動性付与剤の検討、更にはト
ナーの母体となるバインダーの改良などにおいて優れた
摩擦帯電性を達成すべく多くの研究がなされている。
【0014】例えば帯電性微粒子の如き帯電補助剤をト
ナーに添加する技術として、特公昭52−32256号
公報及び特開昭56−64352号公報には、トナーと
逆極性の樹脂微粉末を現像剤に添加することが提案さ
れ、又特開昭61−160760号公報にはフッ素含有
化合物を現像剤に添加し、安定したトナーの摩擦帯電性
を得るという技術が提案されている。
【0015】更に上記の如き帯電補助剤を添加する手法
としては例えば、トナー粒子と帯電補助剤との静電力或
は、ファンデルワールス力等によりトナー粒子表面に帯
電補助剤を付着せしめる手法が一般的であり、その際、
攪拌、混合機等が用いられる。しかしながら該手法にお
いては均一に帯電補助剤をトナー粒子表面に付着させる
ことは容易ではなく、又トナー粒子に未付着で添加剤同
士が凝集物となっている遊離状態の添加剤の存在を避け
ることは困難である。この傾向は、帯電補助剤の比電気
抵抗が大きいほど、粒径が細かいほど顕著となってく
る。この様な場合、トナーの性能に影響が出てくる。例
えば、摩擦帯電量が不安定となり画像濃度が一定せず、
又カブリの多い画像となる傾向がある。
【0016】或は連続コピーを行うと帯電補助剤の含有
量が変化し、初期時の画像品質を保持することが出来な
いという問題点を有していた。
【0017】他の添加手法としては、トナーの製造時に
結着樹脂や着色剤と共に、あらかじめ帯電補助剤を添加
する手法がある。しかしながら、帯電補助剤の均一分散
化が容易でないこと、又実質的に帯電性に寄与するの
は、トナー粒子表面近傍のものであり、又トナー粒子内
部に存在する帯電補助剤や荷電制御剤は帯電性に寄与し
ないため、帯電補助剤の添加量やトナー粒子表面におけ
る存在量のコントロールが容易ではない。この様な手法
で得られたトナーにおいてもトナーの摩擦帯電量が不安
定な場合がある。
【0018】更に近年、複写機及びプリンタにおいて、
出力画像の高精細化、高画質化の要求が高まっており、
当該技術分野では、トナーの粒径を細かくして高画質化
を達成しようという試みがなされている。トナーの粒径
が細かくなると単位重量当りの表面積が増え、トナーの
帯電量が大きくなる傾向にあり、画像濃度薄や、耐久劣
化が発生しやすくなる。加えて、トナーの帯電量が大き
いために、トナー粒子同士の付着力が強く、流動性が低
下し、トナー補給の安定性や補給トナーへのトリボ付与
に問題が生じやすい。
【0019】カラートナーの場合は、磁性体や、カーボ
ンブラックの如き電気導電性物質を含まないので、トナ
ー帯電をリークする部分がなく、一般に帯電量が大きく
なる傾向にある。この傾向は、特に帯電性能の高いポリ
エステル系バインダーをトナーに使用したときにより顕
著である。
【0020】又、カラートナーにおいては、下記に示す
ような特性が強く望まれている。 (1)定着されたトナー粒子は、光に対して乱反射し
て、色再現を妨げることのないように、トナー粒子の形
が判別出来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となるこ
とが必要である。 (2)そのトナー層の下にある異なった色調のトナー層
を妨げない、透明性を有する着色トナーでなければなら
ない。 (3)構成する各色トナーはバランスのとれた色相及び
分光反射特性と十分な彩度を有しなければならない。
【0021】このような観点から多くの結着樹脂に関す
る検討がなされており、上記の特性を良好に満足するト
ナーが待望されている。今日当該技術分野においてはポ
リエステル系の樹脂がカラートナー用結着樹脂として多
く用いられている。ポリエステル系樹脂からなるトナー
は一般に温湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量過
大、高湿下での帯電量不足といった問題が起こりやす
く、広範な環境においてもより安定した帯電量を有する
カラートナーが待望されている。
【0022】特開昭48−47345号公報では研磨剤
として金属酸化物粉体が提案され、特開昭52−195
35号公報や特開昭56−128956号公報では流動
化剤として酸化チタンの如き金属酸化物が提案されてい
る。更に、特開平4−337739号公報、特開平4−
348354号公報、特開平4−40467号公報、特
開平5−72797号公報に、トナー粒子に対する流動
性付与、トナーの帯電安定化、トナーのフィルミング防
止等を目的として表面処理されたアモルファス酸化チタ
ン粉体を使用することが記載されている。
【0023】特開昭59−52255号公報には、アル
キルトリアルコキシシランで処理した疎水性酸化チタン
をトナーに添加することが提案されている。疎水性酸化
チタンとトナー粒子との混合により、トナーの電子写真
諸特性は向上しているものの、酸化チタンの表面活性は
シリカと比較して元来小さく、目的とするレベルまで疎
水性の度合を高めることができなかったり、あるいは疎
水化度を高めるために処理剤量をふやしたり、更には処
理時間を長くするという手段をとると、処理の段階で酸
化チタン粒子が合一した凝集粒子が生じたり、疎水化が
不均一であったりする傾向にあった。
【0024】従来、微粉体は各分野に用いられている
が、分野に応じて微粉体は表面処理がされている。
【0025】前述の如く、電子写真分野において、静電
荷像現像用のトナーの外添剤としてシリカ微粉体、酸化
チタン微粉体等が使用されており、トナーの各環境下に
おける電子写真特性を安定化させるために疎水化処理が
施された微粉体も使用されている。
【0026】酸化チタンは、硫酸チタン水溶液を中和
し、生成した沈殿物を焼成することにより得られたもの
や、四塩化チタンを高温で分解して酸化することにより
得られたものや、チタンアルコキサイドを加水分解また
は熱分解して得たものが知られている。これらの酸化チ
タンは、アナターゼ型またはルチル型の結晶系を有する
ものや非晶質のものが知られている。これらの酸化チタ
ンをシランカップリング材の如き疎水化剤で処理するこ
とにより、疎水性酸化チタンが生成される。従来の酸化
チタンは疎水化剤との反応性が低い傾向があることか
ら、反応性が高い酸化チタン系微粉体の開発が待望され
ている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
如き問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供する
ことにある。
【0028】本発明の目的は、カブリのない鮮明な画像
特性を有し、且つ耐久安定性に優れた静電荷像現像用ト
ナーを提供することにある。
【0029】本発明の更なる目的は、流動性に優れ、現
像忠実性と転写性に優れた静電荷像現像用トナーを提供
することにある。
【0030】本発明の更なる目的は、温湿度等の環境に
左右されにくく、安定した摩擦帯電性を有する静電荷像
現像用トナーを提供することにある。
【0031】本発明の更なる目的は、クリーニング性が
良好であり、感光体のフィルミングまたは汚染の少ない
静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0032】本発明の更なる目的は、定着性に優れ、O
HP透明性にも優れた静電荷像現像用トナーを提供する
ことにある。
【0033】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、Ti
2成分及びTi(OR)m(OH)n成分〔式中、Rは
炭化水素基を示し、m及びnはO乃至4の整数を示し、
m+nは4である〕を主要成分とする組成物で形成さ
れ、シラン系有機化合物で処理されている処理微粉体
と、を有する静電荷像現像用トナーに関する。
【0034】本発明者らは、静電荷像現像用トナーの流
動性、帯電安定性、転写性、クリーニング性等について
鋭意検討したところ、外添剤として上記の組成物の微粉
体が流動性の付与、帯電の安定化等の点で極めて有効で
あることを見い出したものである。
【0035】これは一般に知られている流動性向上剤と
しての酸化チタンの如き無機酸化物では達成できなかっ
たものである。
【0036】その理由としては、従来の酸化チタン製造
法では高温での燒結あるいは加水分解あるいは熱分解工
程が必要とされるために、粒子は粗大化しやすく得られ
る酸化チタン粒子はアナターゼまたはルチル型の結晶構
造をとり易くなる。
【0037】それに対してTiO2成分とTi(OR)m
(OH)n成分(但し式中m及びnは0〜4の整数であ
り、m+n=4を満足し、Rは飽和或いは不飽和の環状
もしくは非環状の炭化水素基を示す。)を主要成分とす
る組成物の微粉体では、粒子の粗大化が抑えられ、しか
も一次粒子どうしの合一も少なく、トナーに良好な流動
性を付与し得る。
【0038】加えて本発明の微粉体はチタンアルコキシ
ド又は/及びチタンヒドロキシ成分を含んでいるため、
通常のルチル型、アナターゼ型、もしくはアモルファス
状の酸化チタン粒子と比較して微粉体表面の活性Ti−
OH基がはるかに多い。それゆえトナー粒子間に分散さ
せた場合には良好な分散性を示し、またトナー粒子表面
に付着せしめた時には、結着樹脂と上記微粉体の付着力
が高く、耐久によってトナー粒子表面から微粉体が脱離
し、キャリア粒子表面やドラムを汚染するといったこと
もなく、長期の耐久においても、初期の特性を長く維持
することが可能である。
【0039】本発明の微粉体は、TiO2成分及びTi
(OR)m(OH)n成分を有するため、本微粉体をトナ
ーに添加し、キャリアと摩擦帯電せしめた時に、処理微
粉体中のTi(OR)m(OH)n成分が一種のリークポ
イントとなって帯電量過大、特に低温低湿下での帯電量
過大抑制に大いに機能し、トナーの安定した帯電量が得
られる。特に結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用
いた時、その効果は大きい。
【0040】さらに、本発明で使用する処理微粉体は、
一次粒子が小さくて、しかも二次凝集体が非常に少ない
ために、フルカラー画像を形成するためのカラートナー
に使用した場合、着色剤含有樹脂粒子への外添が均一に
おこなえ、可視光における光透過性に優れ、鮮明なOH
P画像が得られる。これは従来の酸化チタン粒子では達
成し得なかったことである。
【0041】例えば、イエロー着色剤含有樹脂粒子と処
理微粉体とを混合してイエロートナーが調製され、マゼ
ンタ着色剤含有樹脂粒子と処理微粉体とを混合してマゼ
ンタトナーが調製され、シアン着色剤含有樹脂粒子と処
理微粉体とを混合してシアントナーが調製され、ブラッ
ク着色剤含有樹脂粒子と処理微粉体とを混合してブラッ
クトナーが調製される。
【0042】微粉体表面を例えばシラン系有機化合物で
処理しようとする際、従来のルチル型、アナターゼ型ま
たはアモルファス状の酸化チタン微粒子であると表面の
活性Ti−OH基が少なく、充分に良好に処理できなか
ったものが、本発明で使用する微粉体であると微粉体中
のTi(OR)m(OH)n成分と処理剤との反応がスム
ーズに進行し、しかも凝集体を生成することなしに均一
に表面を処理することが可能であり、疎水化の程度を目
標とするレベルまで充分に高めることができる。これに
より高温高湿下でのトナーの帯電安定化が良好に図れ
る。
【0043】本発明においては、特にチタンアルコキシ
ドの如き揮発性チタン化合物を気相中温度600℃以
下、好ましくは温度200〜400℃の比較的低温で熱
分解して製造されたTiO2成分とTi(OR)m(O
H)n成分を主要成分とする組成物の微粉体が好まし
い。
【0044】特に、温度200〜400℃の比較的低温
で揮発性のチタン化合物を気化または霧化した後、加熱
水蒸気の存在下にて加水分解(あるいは熱分解であって
も良い)し、分解後直ちに微粒子が再び合一しない温度
(好ましくは100℃以下)までにできるだけ短時間で
冷却することが好ましい。
【0045】上記手段により微細な一次粒子径を有する
微粉体が得られる。
【0046】更に詳細に説明する。
【0047】本発明者らは微粉体の粗大化を抑え、凝集
性の少ない微粉体を生成するために種々検討したところ
TiO2 成分のみならず、Ti(OR)m(OH)n成分
を必須成分とする組成物の場合に酸化チタンの結晶化が
抑えられ、粒子はより微小粒径化の方向へ、形状はより
球状の方向へ、更に微粉体表面のTi−OH基はより多
くなる方向へ変移することを見い出し本発明に到達した
ものである。
【0048】これは、ルチル型もしくはアナターゼ型の
酸化チタンでも、またアモルファス状の酸化チタンでも
達成し得なかったことである。
【0049】中でも本発明に用いるTiO2 成分とTi
(OR)m(OH)n成分を主要成分とする組成物の微粉
体はTiO2 成分が85〜99.5重量%であり、Ti
(OR)m(OH)n成分が0.5〜15重量%である組
成を有していることが好ましい。
【0050】TiO2 成分が85%より少ない場合に
は、チタンアルコキシド及びチタンヒドロキシ成分が多
く残っている場合もしくは、多量の不純物を含んでいる
系がこれにあてはまり、この場合はシャープな粒度分布
を有する微粉体を生成することが困難であり、且つ、個
々の粒子が不均一な組成となりやすく、上記の如き微粉
体を有するトナーはキャリア粒子と帯電せしめた時に、
帯電量分布がブロードとなりやすく、均一な現像及び高
い転写率を達成することが困難となる。
【0051】一方、TiO2 成分が99.5重量%より
多い場合には、微粉体は純粋な酸化チタン粒子に限りな
く近づき、結晶構造を取り易くなり、粒子は粗大化して
しまう傾向にある。これでは目的とする良好なトナーの
流動性を得ることは容易ではない。
【0052】Ti(OR)m(OH)n成分が0.5重量
%より少ない場合には、処理微粉体の着色含有樹脂粒子
への分散性が低下し、特に着色剤含有樹脂粒子表面に付
着せしめた場合(処理微粉体を外添した場合)、着色剤
含有樹脂粒子表面からの脱離が起こり易くなり、キャリ
ア汚染やドラム汚染を引き起こし易くなる。特にキャリ
ア粒子表面を汚染した場合には、トナーの帯電量は大き
く低下してしまい、耐久時のトナー飛散、カブリ等が発
生し、一定の画像濃度の確保が難しくなる。更にTi
(OR)m(OH)n成分が0.5重量%より少ない場合
は、微粉体は粗大化する傾向を示し、トナーの流動性を
目的とするレベルまで向上させることが難しくなる。
【0053】一方、Ti(OR)m(OH)n成分が15
重量%より多い場合は、加水分解あるいは熱分解が目的
とするレベルまで進行しなかった系がこれにあてはま
り、微粉体の組成自体が広くバラついたものになってし
まう。この場合、帯電的に安定したトリボ分布のシャー
プなトナーを生成することは容易ではない。特にチタン
アルコキシ成分もチタンヒドロキシ成分も、ともに水分
を吸着する特性が酸化チタン成分よりもはるかに強いた
め、Ti(OR)m(OH)n成分が15重量%より多い
場合は、特に高温高湿環境下で帯電量不足となり易く、
耐久時のトナー飛散、カブリが発生しやすくなる。
【0054】更に、Ti(OR)m(OH)n成分が15
重量%よりも多い微粉体では、クリーニング性が低下し
てしまい、画像上にクリーニング不良跡が発生する場合
がある。これは感光体表面を、微粉体(とりわけTi
(OR)m(OH)n成分がより多く含まれる微粉体)で
汚染してしまい、感光体からのトナーの離型性が低下す
るためと推察される。
【0055】それゆえ本発明においては、微粉体及び処
理微粉体はTi(OR)m(OH)n成分は0.5〜15
重量%、好ましくは1.0〜12重量%より好ましくは
1.5〜10重量%含有しているものが良い。
【0056】TiO2 成分とTi(OR)m(OH)n
分との組成比決定は下記の手順にて行う。
【0057】はじめに、微粉体又は処理微粉体を60℃
で3日間、真空乾燥機中に放置し減圧乾燥せしめ含水量
を定量する。
【0058】次にカルロエルバ社製元素分析装置EA−
1108にてC量とH量を算出し、この値より計算して
TiO2成分とTi(OR)m(OH)n成分の組成割合
を計算する。
【0059】なお、TiO2 以外の化合物がTi(O
R)m(OH)n(m+n=4)で示される化合物である
ことは、FT−IR分析にて確認し、減圧乾燥後は、上
記2種の化合物以外の他の成分は微量であり、無視し得
る。
【0060】本発明に用いられる微粉体の原料としてチ
タンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタ
ンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジエ
トキシチタンオキシドの如きチタンアルコキシドが挙げ
られる。四塩化チタン、四臭化チタンの如きテトラハロ
ゲン化チタン;トリハロゲン化モノアルコキシチタン、
ジハロゲン化ジアルコキシチタン、モノハロゲン化トリ
アルコキシチタンの如き揮発性を有するチタン化合物を
チタンアルコキシドと混合して用いることもできる。
【0061】チタンアルコキシド及び揮発性チタン化合
物を気化または霧化する際に、希釈ガスでチタンアルコ
キシド及び/又は揮発性チタン化合物を0.1〜10重
量%の割合に希釈することが好ましい。この希釈ガス
は、気化せしめられたチタンアルコキシド及び/又は揮
発性チタン化合物を分解を行う分解炉に導入するための
キャリアーガスとしての役割を果たすものである。
【0062】ここで希釈ガスとしては、アルゴンガス、
ヘリウムガス、チッ素ガスの如き不活性ガスや、水蒸気
または酸素が用いられる。特にヘリウムガスまたは/お
よびチッ素ガスを用いることが好ましい。更に必要に応
じて分散助剤、表面改質剤等を含有させても良い。
【0063】本発明においてはチタンアルコキシド及び
/又は揮発性チタン化合物を気化または霧化せしめた後
に分解を行うため、アルコキサイドの如き酸素含有化合
物を使用する以外は、酸素含有ガスが必要である。
【0064】分解の温度としては600℃以下が好まし
く、より好ましくは200〜400℃、特に好ましくは
250乃至350℃が好ましい。200℃未満の温度で
は十分な分解速度が得られにくく、一方600℃を越え
る高温では微細な微粉体が得にくい。
【0065】更に本発明においては、生成した微粉体同
士が気相中で再合一しないよう、分解後直ちに合一しな
い温度まで急冷することが好ましい。急冷により、微粉
体の合一を防止し、得られた微粉体を一次粒子の状態で
良好に補集および回収できる。
【0066】次に本発明におけるもうひとつ特徴である
表面処理について説明する。
【0067】本発明においては、帯電特性の調整や高湿
下での安定性を向上させるために、シラン系有機化合物
でTi(OR)m(OH)n成分を有する微粉体表面が表
面処理されていることが好ましい。
【0068】特に上述の如く気相法で核となる該微粉体
を生成させた後、直ちに該微粉体に気化または霧化せし
めたシラン系有機化合物を混合し、引き続き気相中にて
シラン系有機化合物による表面処理することが好まし
い。
【0069】本発明者らの提案するTiO2 成分とTi
(OR)m(OH)n成分とを主要成分とする組成物の微
粉体は純粋な酸化チタンと比較して、はるかに表面活性
能が高く、シラン系有機化合物と反応し得るTi−OH
基がより多く含有しているため反応に有利であり、少量
の処理剤で均一に処理し得、疎水化度を高めることがで
きる。特に気相中にて表面処理した場合には、従来の湿
式処理とちがってろ過〜乾燥〜解砕といった工程をとら
ずに表面処理できるため、処理前の該微粉体のもつ特性
を損なわずに均一にしかも充分に表面処理を施すことが
可能となる。
【0070】TiO2 成分とTi(OR)m(OH)n
主要成物とする組成物の微粉体に対するシラン系有機化
合物の処理量及び処理時間は特に何ら限定するものでな
いが、処理後の処理微粉体のSiO2 換算のSi量が好
ましくは1〜18重量%が良く、より好ましくは1.5
〜16重量%、さらに好ましくは2.5〜14重量%と
なる様、微粉体表面にシラン系有機化合物が処理されて
いることが好ましい。
【0071】処理微粉体のSiO2 換算のSi量が1重
量%より低い場合は、帯電量不足、特に高温高湿下での
濃度アップ、耐久時トナー飛散、カブリ等の防止効果の
向上が少ない傾向を示す。SiO2 換算のSi量が18
重量%を越える場合は、一次粒径が小さく、凝集性の少
ない処理微粉体を生成することが容易ではなく、凝集体
の多い処理微粉体が生成される傾向にある。この場合、
トナーに良好な流動性を付与することが容易ではない。
さらに、充分に母体となる微粉体表面と反応し得なかっ
た処理剤の脱落により、カブリの多い、しかもガサつい
たトナー画像が生成しやすい。さらにこれが原因となっ
てキャリア汚染という新たな問題も引き起こしやすい。
【0072】先にも示した様に本発明のTiO2 成分と
Ti(OR)m(OH)nを主要成分とする組成物の微粉
体は、従来の酸化チタンと比較してはるかに微粉体中の
Ti−OH基が多くそれゆえ表面活性能が高く、シラン
系有機化合物との反応に有利であり、少ない処理剤量で
均一に微粉体表面を処理し疎水化の程度を高めることが
できる。
【0073】加えて、気相中にて処理する際は二次凝集
体を作らずにSiO2 換算のSi量を高めることが可能
である。これは他の処理方法、たとえば湿式での処理で
はなし得なかったことである。言い換えれば通常の湿式
処理方法で単純にSiO2 換算のSi量を高めようと加
える処理剤量を増やすば、SiO2 換算のSi量そのも
のを高くすることはできるが、どうしても微粉体の粒子
同志が凝集してしまい、処理前と比較してBET比表面
積の値も低く、見かけの一次粒径も大きくなる傾向を示
す。
【0074】それに対して気相処理方法であると処理前
後でBET比表面積の値をほとんど変えずに、しかも母
体の一次粒径を保ったままでSiO2 換算のSi量を高
めることができる。
【0075】本発明において、SiO2 換算のSi量の
測定にあたっては、けい光X線分光分析法を用いる。
【0076】本発明に用いられるシラン系有機化合物と
しては、表面改質の目的(たとえば帯電特性のコントロ
ール、さらには高湿下での帯電の安定化)およびシラン
系有機化合物の反応性に応じて適宜選択すれば良い。例
えばアルコキシシラン,アルキルアルコキシシラン,シ
ロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラン系有機
化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が熱分解し
ないものが良い。
【0077】特に好ましいものとしては、カップリング
剤の如く、揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ
結合基の双方を有している下記一般式で示されるアルコ
キシシランを用いるのが良い。
【0078】RmSiYn 〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
示し、Yはアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ビニル
基、グリシドキシ基、メタクリル基、フェニル基の如き
炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す〕例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタダシルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0079】より好ましくは、式
【0080】
【外3】 〔式中、aは4〜12の整数を示し、bは1〜3の整数
を示す〕で示されるアルキルアルコキシシラン化合物が
良い。
【0081】好ましいアルキルアルコキシシラン化合物
としては、n−ブチルトリメトキシシラン,iso−ブ
チルトリメトキシシラン,n−ブチルトリエトキシシラ
ン,iso−ブチルトリエトキシシラン,n−ペンチル
トリメトキシシラン,n−ペンチルトリエトキシシラ
ン,n−ヘキシルトリメトキシシラン,n−ヘキシルト
リエトキシシラン,n−ヘプチルトリメトキシシラン,
n−ヘプチルトリエトキシシラン,n−オクチルトリメ
トキシシラン,n−オクチルトリエトキシシラン,n−
ノニルトリメトキシシラン,n−ノニルトリエトキシシ
ラン,n−デシルトリメトキシシラン及びn−デシルト
リエトキシシランが挙げられる。
【0082】一般式における、アルキル基の炭素数
(a)が4より小さいと、処理は容易となるが良好な疎
水性が得られにくい。アルキル基の炭素数(a)が13
より大きいと疎水性は十分になるが、微粉体同士の合一
が多くなり流動性付与能が低下してしまう傾向を示す。
【0083】アルコキシ基の炭素数(b)は3より大き
いと反応性が低下して良好な疎水化が得られにくい。
【0084】したがって本発明において、(a)は好ま
しくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、(b)
は好ましくは1〜3より好ましくは1〜2が良い。
【0085】さらに本発明における処理微粉体は、流動
性付与の点から平均粒径は、好ましくは0.005〜
0.1μm、より好ましくは0.01〜0.05μmが
良い。
【0086】平均粒径が0.1μmより大きいと、流動
性が低下しトナーの帯電が不均一となりやすく、結果と
してトナーの飛散、カブリ等が生じやすく、高画質なト
ナー画像を生成しにくくなる。平均粒径が0.005μ
mより小さいと着色剤含有樹脂粒子表面に処理微粉体が
埋め込まれ易くなり、トナー劣化が早く生じやすく、耐
久性が低下しやすい。この傾向はシャープメルト性のカ
ラートナーに適用した場合より顕著である。
【0087】本発明における処理微粉体の粒径は透過型
電子顕微鏡により測定する。
【0088】本発明のトナーにおいては、着色剤含有樹
脂粒子100重量部当り、0.05〜10重量部(より
好ましくは、0.1〜5重量部)の処理微粉体が混合さ
れていることが、トナーの流動性及び摩擦帯電特性を向
上または調整する点で好ましい。
【0089】本発明のトナーは、負帯電性の場合は、特
に負荷帯電特性を安定化させる目的で荷電制御剤を添加
することが好ましい。負荷電制御剤としては例えばアル
キル置換サリチル酸の金属錯体または塩(例えば、ジ−
ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体,亜鉛錯
体,鉄錯体,クロム塩,亜鉛塩,鉄塩)の如き有機金属
錯体または塩が挙げられる。
【0090】正帯電性のトナーの場合には、正帯電性を
示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニルメタ
ン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリジンを
用いても良い。カラートナーの場合においては、トナー
の色調に影響を与えない無色または淡色の荷電制御剤を
用いることが好ましい。
【0091】着色剤としては、フタロシアニンブルー、
インダスレンブルー、ピーコックブルーの如きシアン着
色剤;パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミン
レーキの如きマゼンタ着色剤;ハンザイエロー、パーマ
ネントイエロー、ベンジジンイエローの如きイエロー着
色剤を使用することができる。
【0092】その含有量としては、OHP用フィルムの
透過性に対し敏感に反映するために、カラートナーの結
着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好
ましくは0.5〜9重量部が良い。
【0093】本発明のトナーには必要に応じてトナーの
特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良い。そのよ
うな添加剤としては、有機樹脂粒子、金属酸化物の如き
の帯電助剤;テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化
ビニリデンの如き滑剤;低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレンの如き定着助剤が挙げられる。
【0094】着色剤含有樹脂粒子およびトナー粒子の製
造にあたっては、熱ロール、ニーダー、エクストルーダ
ーの如き熱混練機によって構成材料を良く混練した後、
機械的に粉砕し、粉砕粉を分級してトナーを得る方法;
結着樹脂溶液中に着色剤の如き材料を分散した後、噴霧
乾燥することにより得る方法;結着樹脂を構成すべき重
合性単量体に所定材料を混合して単量体組成物を得、こ
の組成物の乳化懸濁液を重合させることによりトナーを
得る懸濁重合によるトナー製造法が応用できる。
【0095】トナーの重量平均粒径は、好ましくは3〜
15μm、より好ましくは4〜12μmが良い。
【0096】着色剤含有樹脂粒子に使用する結着物質と
しては、従来電子写真用トナーの結着樹脂として知られ
る各種の樹脂が用いられる。
【0097】例えば、ポリスチレン;スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体、スチレン
−メタクリル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ
エチレン重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体のようなエチレン系共
重合体;フェノール系樹脂;エポキシ系樹脂;アクリル
フタレート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;
マレイン酸系樹脂が挙げられる。いずれの樹脂もその製
造方法は特に制約されるものではない。
【0098】結着樹脂としては、好ましくは、スチレン
系共重合体,ポリエステル樹脂またはそれらの混合物
が、着色剤含有樹脂粒子(すなわち、トナー粒子)の定
着性,摩擦帯電特性等の点で好ましい。
【0099】これらの樹脂の中で、負帯電性トナーの場
合には、特に負帯電能の高いポリエステル系樹脂を用い
た場合に本発明の効果は絶大である。ポリエステル系樹
脂は、定着性にすぐれ、カラートナーの結着樹脂に適し
ている反面、負帯電能が強く、トナーの摩擦帯電量が過
大になりやすいが、着色剤含有樹脂粒子と本発明の処理
微粉体とを混合して用いると弊害は改善され、優れたト
ナーが得られる。
【0100】特に、次式
【0101】
【外4】 (式中R1およびR′はエチレンまたはプロピレン基を
示し、xおよびyはそれぞれ1以上の整数を示し、x+
yの平均値は2〜10である。)で代表されるビスフェ
ノール誘導体もしくはビスフェノール置換体をジオール
成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物ま
たはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成
分(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
タル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸など)とを共縮重合したポリエステル樹脂がシャープ
な溶融特性を有するので、好ましい。
【0102】本発明のトナーと組み合せて使用されるキ
ャリアを構成する材料としては、例えば表面酸化または
未酸化の鉄;鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マン
ガン、クロム、希土類等の金属およびそれらの合金また
は酸化物及びフェライトなどが使用できる。その製造方
法として特別な制約はない。
【0103】上記キャリアの粒子の表面を樹脂等で被覆
する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もし
くは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、
単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも
適用できる。
【0104】キャリア粒子表面への固着物質としてはポ
リテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエ
チレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチ
ル酸の金属錯体、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノ
アクリレート樹脂、塩基性染料及びそのレーキ、シリカ
微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。これらは、
単独或は複数で用いるのが適当である。
【0105】上記物質の処理量は、一般には総量でキャ
リアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.5〜2
0重量%)が好ましい。
【0106】キャリアの平均粒径は10〜100μ、好
ましくは20〜70μを有することが好ましい。
【0107】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系の如き磁性フェライトであり、その表面
を、シリコーン樹脂またはフッ素系樹脂とスチレン系樹
脂の如き樹脂との組み合せ(例えばポリフッ化ビニリデ
ンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテト
ラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレー
ト樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系共重合体);シ
リコーン系樹脂などを90:10〜20:80、好まし
くは70:30〜30:70の比率の混合物としたもの
で、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%
コーティングし、250メッシュパス、400メッシュ
オンのキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均粒径
を有するコートフェライトキャリアであるものが挙げら
れる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−
テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:
10)が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレ
ン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜8
0:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜
50)が例示される。
【0108】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープな場合、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0109】本発明のトナーと混合して二成分系現像剤
を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度
として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量%〜
13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー
濃度が2重量%未満では画像濃度が低下しやすく、15
重量%を越える場合はカブリや機内飛散が増加しやす
く、現像剤の耐用寿命が短くなる傾向にある。
【0110】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分トナー現像を行う場合の現像装置の一例を説明する。
必ずしもこれに限定されるものではない。図1に、潜像
保持体1上に形成された静電荷像を現像する装置を示
す。潜像保持体1において、潜像形成は図示しない電子
写真プロセス手段または静電記録手段により成される。
現像剤担持体2は、アルミニウムあるいはステンレスの
如き材料からなる非磁性スリーブである。非磁性一成分
カラートナーはホッパー3に貯蔵されており、供給ロー
ラー4により現像剤担持体2上へ供給される。供給ロー
ラー4は現像後の現像剤担持体2上のトナーのはぎ取り
も行っている。現像剤担持体2上に供給されたトナーは
現像剤塗付ブレード5によって均一かつ薄層に塗付され
る。現像剤塗付ブレード5と現像剤担持体2との当接圧
力は、スリーブ母線方向の線圧として、3〜250g/
cm、好ましくは10〜120g/cmが有効である。
当接圧力が3g/cmより小さい場合、トナーの均一塗
付が困難になり、トナーの帯電量分布がブロードにな
り、カブリや飛散の原因となりやすい。当接圧力が25
0g/cmを超えると、トナーに大きな圧力がかかるた
めに、トナーどうしが凝集したり、あるいは粉砕されや
すく好ましくない。当接圧力を3〜250g/cmに調
整することで小粒径トナーの凝集を良好にほぐすことが
可能になり、トナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げるこ
とが可能になる。現像剤塗付ブレード5は、所望の極性
にトナーを帯電するに適した摩擦帯電系列の材質のもの
を用いることが好ましい。例えば、シリコーンゴム、ウ
レタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が好適であ
る。導電性ゴムを使用すれば、トナーが過剰に摩擦帯電
するのを防ぐことができて好ましい。更に必要に応じ
て、ブレード5の表面コートを行ってもよい。特に、ネ
ガ帯電性トナーの場合、ポリアミド樹脂の如き正帯電性
樹脂をコートするのが好適である。
【0111】ブレード5により現像剤担持体2上にトナ
ーを薄層コートするシステムにおいては、充分な画像濃
度を得るために、現像剤担持体2上のトナー層の厚さを
現像剤担持体2と潜像保持体1との対向空隙長よりも小
さくし、この空隙に交番電場を印加することが好まし
い。図1に示すバイアス電源6により、現像剤担持体2
と潜像保持体1間に交番電場または交番電場に直流電場
を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像剤
担持体2上から潜像保持体1上のトナーの移動を容易に
し、更に良質の画像を得ることができる。
【0112】次に本発明のトナーと磁性キヤリアとを有
する二成分系現像剤を良好に使用し得る画像形成装置を
図2を参照しながら説明する。
【0113】図2に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体101の右側(図2右側)から装置本体の略中央
部に亘って設けられている転写材搬送系Iと、装置本体
101の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成してい
る転写ドラム115に近接して設けられている潜像形成
部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されてい
る現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別
される。
【0114】上記転写材搬送系Iは、以下のような構成
となっている。上記装置本体101の右壁(図1右側)
に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写
材供給用トレイ102及び103が一部機外に突出して
配設されている。該トレイ102及び103の略直上部
には給紙用ローラー104及び105が配設され、これ
ら給紙用ローラー104及び105と左方に配された矢
印A方向に回転自在な転写ドラム115とを連係するよ
うに、給紙ローラー106及び給紙ガイド107及び1
08が設けられている。上記転写ドラム115の外周面
近傍には回転方向上流側から下流側に向かって当接用ロ
ーラー109、グリッパー110、転写材分離用帯電器
111、分離爪112が順次配設されている。上記転写
ドラム115の内周側には転写帯電器113、転写材分
離用帯電器114が配設されている。転写ドラム115
の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデン等の如
きポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が
貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的
に密着貼り付けされている。上記転写ドラム115の右
側上部には上記分離爪112と近接して搬送ベルト手段
116が配設され、該搬送ベルト手段116の転写材搬
送方向終端(右端)には定着装置118が配設されてい
る。該定着装置118よりもさらに搬送方向後流には装
置本体101の外へと延在し、装置本体101に対して
着脱自在な排出用トレイ117が配設されている。
【0115】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図2矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)119が、外周面を
上記転写ドラム115の外周面と当接して配設されてい
る。上記感光ドラム119の上方でその外周面近傍に
は、該感光ドラム119の回転方向上流側から下流側に
向かって除電用帯電器120、クリーニング手段121
及び一次帯電器123が順次配設され、さらに上記感光
ドラム119の外周面上に静電潜像を形成するためのレ
ーザビームスキャナのごとき像露光手段124、及びミ
ラーのごとき像露光反射手段125が配設されている。
【0116】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム119の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下、「回転体」という)
126が配設され、該回転体126中には四種類の現像
装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム11
9の外周面上に形成された静電荷潜像を可視化(すなわ
ち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置
は、それぞれイエローカラートナーと磁性キヤリアを有
するイエロー現像装置127Y、マゼンタトナーと磁性
キヤリアとを有するマゼンタ現像装置127M、シアン
トナーど磁性キヤリアとを有するシアン現像装置127
C及びブラックトナーと磁性キヤリアとを有するブラッ
ク現像装置127BKを有する。
【0117】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム119が図2矢印方向
に回転すると、該感光ドラム119上の感光体は一次帯
電器123によって帯電される。図2の装置において
は、各部動作速度(以下、プロセススピードとする)は
100mm/sec以上(例えば、130〜250mm
/sec)である。一次帯電器123による感光ドラム
119に対する帯電が行われると、原稿128のイエロ
ー画像信号にて変調されたレーザ光Eにより画像露光が
行われ、感光ドラム119上に静電潜像が形成され、回
転体126の回転によりあらかじめ現像位置に定置され
たイエロー現像装置127Yによって上記静電潜像の現
像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0118】給紙ガイド107、給紙ローラー106、
給紙ガイド108を経由して搬送されてきた転写材は、
所定のタイミングにてグリッパ110により保持され、
当接用ローラー109と該当接用ローラー109と対向
している電極とによって静電的に転写ドラム115に巻
き付けられる。転写ドラム115は、感光ドラム119
と同期して図2矢印方向に回転しており、イエロー現像
装置127Yにより形成されたイエロートナー画像は、
上記感光ドラム119の外周面と上記転写ドラム115
の外周面とが当接している部位にて転写帯電器113に
よって転写材上に転写される。転写ドラム115はその
まま回転を継続し、次の色(図2においてはマゼンタ)
の転写に備える。
【0119】感光ドラム119は、上記除電用帯電器1
20により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段121によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器123によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光がおこなわれ、静電潜像が形成さ
れる。上記回転式現像装置は、感光ドラム119上にマ
ゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成され
る間に回転して、マゼンタ現像装置127Mを上述した
所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーに
より現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセス
をそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、
四色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成さ
れた四色顕画像は各帯電器122及び114により除電
され、上記グリッパ110による転写材の把持が解除さ
れると共に、該転写材は、分離爪112によって転写ド
ラム115より分離され、搬送ベルト116で定着装置
118に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカ
ラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープ
リント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0120】このとき、定着装置118での定着動作速
度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/s
ec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われ
る。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画
像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与え
なければならないためで、現像速度より遅い速度で定着
を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしてい
る。
【0121】図3において、定着手段である定着ローラ
ー129は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金131
上に厚さ2mm RTV(室温加硫型)シリコーンゴム
層132、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層5
8、この外側に厚さ230μmのHTV(高温加硫型)
シリコーンゴーム133を有し、直径60mmを有して
いる。
【0122】一方、加圧手段である加圧ローラー130
は、例えば厚さ5mmのアルミの芯金134の上に厚さ
2mmのRTVシリコーンゴム層135、この外側に厚
さ50μmのフッ素ゴム層159、この外側に厚さ23
0μmのHTVシリコーンゴム層を有し、直径60mm
を有している。
【0123】上記定着ローラー129には発熱手段であ
るハロゲンヒータ136が配設され、加圧ローラー13
0には同じくハロゲンヒータ137が芯金内に配設され
て両面からの加熱を行っている。定着ローラー129及
び加圧ローラー130に当接されたサーミスタ138a
及び138bにより定着ローラ129及び加圧ローラー
130の温度が検知され、この検知温度に基づき制御装
置139a及び139bによりハロゲンヒータ136及
び137がそれぞれ制御され、定着ローラー129の温
度及び加圧ローラー130の温度が共に一定の温度(例
えば、160℃±10℃)に保つように制御される。定
着ローラー129と加圧ローラー130は加圧機構(図
示せず)によって総圧約40kgで加圧されている。
【0124】図3においてOは離型財塗布手段たるオイ
ル塗布装置、Cはクリーニング装置、C1は加圧ローラ
ーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニ
ングブレードである。オイル塗布装置Oはオイルパン1
40内のジメチルシリコーンオイル141(例えば、信
越化学製KF96 300cs)を、オイル汲み上げロ
ーラー142及びオイル塗布ローラー143を経由して
オイル塗布量調節ブレード144でオイル塗布量を規制
して定着ローラー129上に塗布させる。
【0125】クリーニング装置Cはノーメックス(商品
名)より成る不織布ウェブ146を押圧ローラー145
にて定着ローラー129に押し当ててクリーニングして
いる。該ウェブ146は巻き取り装置(図示せず)によ
り適宜巻き取られ、定着ローラ129との当接部にトナ
ー等が堆積しないようにされている。
【0126】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
〔%〕及び〔部〕は全て〔重量%〕及び〔重量部〕を示
す。
【0127】処理微粒子の合成例1 原料にチタンテトライソプロポキシドを使用した。チッ
素ガスをキャリアガスとして使用して200℃に加熱し
た蒸発器にケミカルポンプでチタンテトライソプロポキ
シドを少量ずつ、送り込んでチタンテトライソプロポキ
シドを完全に気化せしめた。一方、ケミカルポンプを用
いてキャリアガスであるチッ素ガスとともに水を蒸発器
に送り込み気化させ、さらに加熱させた後、前述の気化
せしめたチタンテトライソプロポキシドともに反応器内
で温度280℃にて加熱分解した後、チッ素ガスをキャ
リアガスとして、表面処理剤である、イソブチルトリメ
トキシシランをケミカルポンプにて蒸発器に送り込み完
全に気化せしめ、先に合成した微粉体と加熱水蒸気を含
むチッ素流と混合し、280℃で反応させ、疎水化処理
すると同時に急冷却を行ない表面がイソブチルトリメト
キシシランで改質された処理微粉体−Aを補集した。
【0128】微粉体の比較合成例1 イソブチルトリメトキシシランで疎水化処理しないこと
以外は合成例1と同様にして未処理の微粉体−Bを得
た。
【0129】処理微粉体の合成例2 イソブチルトリメトキシシランのかわりにプロピルトリ
コトキシシランを用いたことを除いて合成例1と同様に
表面改質された処理微粉体−Cを得た。
【0130】処理微粉体の合成例3 チタンテトライソプロポキシドのかわりにチタンテトラ
ノルマルプロポキシドを使用し蒸発器の温度を220
℃、反応器の温度を300℃にした以外は合成例1と同
様にして表面改質された処理微粉体−Dを得た。
【0131】微粉体の比較合成例2 合成例3において合成例1で用いたイソブチルトリメト
キシシランを用いなかったことを除いて未処理の微粉体
−Eを得た。
【0132】処理微粉体の合成例4 比較合成例1で得た未処理の微粉体−Bを水系中で攪拌
混合しながらカップリング剤(ノルマルブチルトリメト
キシシラン)を上記微粉体に対して20重量%となるよ
うにかつ粒子が合一しないように添加混合し、乾燥、解
砕して表面改質された処理微粉体−Fを得た。
【0133】処理微粉体の合成例5 合成例1において原料のチタンテトラプロポキシドの供
給量を増加して加熱分解後、急冷却を行われない以外は
ほぼ同様にして表面改質された処理微粉体−Gを得た。
【0134】同様にして表面改質しなかっただけの微粉
体も合成し組成分析を行なったところTiO2成分は9
0.2重量%含有され、Ti(OR)m(OH)n成分
は7.2重量%含有されていた。
【0135】微粉体の比較合成例3 四塩化チタンを気相中で800℃で加熱分解して微粉体
−Hを得た。
【0136】微粉体の比較合成例4 硫酸チタン水溶液中で中和した後、生成した沈殿物を焼
成する硫酸法で製造して微粉体−Iを得た。
【0137】処理微粉体の比較合成例5 比較合成例3で得た微粉体−Hを湿式法にてオクチルト
リメトキシシランで疎水化処理して処理微粉体−Jを得
た。
【0138】処理微粉体の合成例6 合成例1において、イソブチルトリメトキシシランの供
給量を極端に減らしたことをのぞいて合成例1と同様に
して処理微粉体−Kを得た。
【0139】処理微粉体の合成例7 合成例1において加熱分解の温度を200℃にし、反応
器に送り込む水の量を減らした以外は合成例1と同様に
して処理微粉体−Lを得た。同様にして表面処理しなか
った微粉体も合成し組織分析を行なったところTiO2
成分の含有量は86.0重量%でありTi(OR)
m(OH)n成分の含有量は12.7重量%であった。
【0140】処理微粉体の合成例8 合成例1において加熱分解の温度を280℃からさらに
170°へ下げさらに原料のチタンテトライソプロポキ
シドの送り込む量を増やしたことを除いてほぼ同様にし
て微粉体Mを得た。
【0141】同様にしてイソブチルトリメトキシシラン
で表面処理しなかっただけの微粉体も合成し、組成分析
を行なったところTiO2成分の含有量が82.7重量
%であり、Ti(OR)m(OH)n成分の含有量が1
5.1重量%であった。
【0142】
【表1】
【0143】実施例1 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得
られたポリエステル樹脂100部 ・フタロシアニン顔料 4部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部
【0144】上記材料をヘンシェルミキサーにより十分
予備混合を行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後
ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次
いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。
更に得られた微粉砕物を分級して重量平均粒径約8μm
の着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0145】この着色剤含有樹脂粒子100重量部と合
成例1の疎水化処理微粉体−Aの0.5重量部とをヘン
シェルミキサーで混合し、シアントナーとした。このシ
アントナーは、重量平均径が8μであった。着色剤含有
樹脂粒子上の処理微粉体をSEMにて観察してみると均
一にほぼ一次粒子の状態で着色剤含有樹脂粒子表面に付
着していることを確認した。
【0146】平均粒径50μmのCu−Zn−Fe系磁
性フェライトキャリアに、スチレン50重量%およびメ
チルメタクリレート20重量%および2−エチルヘキシ
ルアクリレート30重量%から生成したスチレン系共重
合体を、0.5%コーティングしたコート磁性フェライ
トキャリア95部と、シアントナー5部混合し二成分系
現像剤とした。
【0147】この現像剤を用いて市販の普通紙カラー複
写機(カラーレーザーコピア550、キヤノン製)にて
現像コントラストを300Vに設定し、温度23℃、/
湿度65%RH下で画出しを行った。得られた画像はマ
クベスRD918型でSPIフィルターを使用して反射
濃度測定を行った(以後の画像濃度測定方法も同様)。
トナー画像濃度は1.52と高く、カブリもない鮮明な
ものであった。以後、更に10,000枚のコピーを行
ったが、その間の濃度変動は0.08と小さく、カブ
リ、鮮明さも初期と同等のものが得られた。低温低湿下
(温度20℃、湿度10%RH)においても現像コント
ラストを300Vに設定し、画出しを行ったところ、画
像濃度は1.44と高く、低湿下での帯電量制御にも効
果があった。
【0148】OHP用フィルムにシアントナー像を転写
し、定着したものをオーバーヘッドプロジェクタで透光
したところ鮮明なシアン色の像がスクリーン上に投影さ
れた。
【0149】高温高湿下でも(温度30℃/湿度80%
RH)同様に現像コントラストを300Vに設定し、画
出しを行ったところ、画像濃度も1.54と非常に安定
で良好な画像が得られた。
【0150】更に23℃/60%RH、20℃/10%
RH、30℃/80%RHの各環境に1カ月放置後の初
期画像においても、全く異常は認められなかった。
【0151】表2に画像特性を示す(以下同様)。
【0152】さらに、上述のシアントナーを図1に示す
現像装置に導入して画出ししたところ良好なトナー画像
が得られた。
【0153】比較例1 未処理の微粉体−Bを使用する以外は実施例1と同様に
してトナー及び二成分系現像剤を調製し、高温高湿下
(温度30℃、湿度80%RH)でテストしたところ、
実施例1と比較して画像濃度が高くなり全体的にカブリ
が多いトナー画像が形成された。
【0154】実施例2及び3 表面改質された処理微粉体−C及び処理微粉体−Dを使
用すること以外は実施例1と同様にしてトナーおよび二
成分系現像剤を調製し、実施例1と同様にしてテストし
たところ良好な結果が得られた。
【0155】比較例2 未処理の微粉体−Eを使用すること以外は実施例1と同
様にしてトナーおよび二成分系現像剤を調製し、実施例
1と同様にしてテストしたところ、低温低湿環境下では
問題がなかったものの、高温高湿環境下(温度30℃、
湿度80%RH)での多数枚耐久試験において、放置途
中から画像濃度が若干高くなる傾向を示し、現像器まわ
りのトナー飛数も発生した。
【0156】実施例4 表面改質された処理微粉体−Fを使用すること以外は実
施例1と同様にしてトナー及び二成分系現像剤を調製
し、実施例1と同様にしてテストした。
【0157】表面処理により高温高湿下(温度30℃、
湿度80%RH)の帯電性も安定し、画像濃度も約1.
5で安定して推移した。低温低湿環境下(温度20℃、
湿度10%RH)では、耐久試験がすすむにつれてトナ
ー画像の画質が、実施例1と比較して低下した。これ
は、実施例1よりもトナーの流動性が低下し、転写性の
低下が要因であると考えられる。
【0158】トナー表面をSEMにして観察してみる
と、処理微粉体がいくつか凝集して表面に付着している
様子が確認でき、実施例1と比較して一次粒子の状態で
付着している処理微粉体の割合は少なかった。
【0159】実施例5 表面改質された処理微粉体−Gを使用すること以外は実
施例1と同様にしてトナー及び二成分系現像剤を調製
し、実施例1と同様にしてテストした。
【0160】実施例1と比較して細線再現性及びハーフ
トーン部再現性が若干劣るトナー画像が得られたが、着
色剤含有樹脂粒子と混合する割合を0.5重量部から
1.0重量部へ増量することによって画質は向上した。
【0161】比較例3及び4 未処理の微粉体−H及び微粉体−Iをそれぞれ使用する
こと以外は実施例1と同様にして試験した。
【0162】低温低湿環境下ではガサついた画像が生成
し、また高温高湿下ではトナーの摩擦帯電量の低下に起
因して画像濃度が極端に高くなってしまい、耐久初期か
らガブリが多くトナー飛数が激しかった。
【0163】添加する部数を増量しても画質はほとんど
向上せずむしろ高温高湿下でのレベルが悪化した。
【0164】比較例5 未処理の微粉体−Jを使用すること以外は実施例1と同
様にしてテストした。比較例3及び4と比較して高温高
湿下での性能は向上し、トナー飛数は抑制されたもの
の、低温低湿下、及び多数枚耐久後の画質は向上しなか
った。
【0165】実施例6 処理微粉体−Kを使用すること以外は実施例1と同様に
してトナー及び二成分系現像剤を調製し、高温高湿下
(温度30℃、湿度80%RH)でテストしたところ、
実施例1と比較して画像濃度が高くなり、ハーフトーン
部分の再現性が若干劣っていた。
【0166】実施例7 表面改質された処理微粉体−Lを使用すること以外は実
施例1と同様にしてトナー及び二成分系現像剤を調製
し、実施例1と同様にしてテストした。
【0167】高温高湿環境下で若干画像濃度の上昇傾向
が見られた。低温低湿環境下では、着色剤含有樹脂粒子
と混合する割合を0.5重量部から1重量部へ増量する
ことによってさらに画質を向上させることができた。
【0168】実施例8 表面改質された処理微粉体−Mを使用すること以外は、
実施例1と同様にして、トナー及び二成分系現像剤を調
製し、実施例1と同様にしてテストした。
【0169】着色剤含有樹脂粒子と混合する処理微粉体
−Mの割合が0.5重量部の場合は、実施例1と比較し
て流動性が低下し、多数枚耐久途中に現像器中での現像
剤の流動性が低下し、若干の濃度ムラが発生した。混合
割合を0.5重量部から1.2重量部へ増量することに
よって低温低湿環境下で、実用レベルの画像が得られる
様になったが、高温高湿下での摩擦帯電量が低下し、実
施例1と比較して耐久中にトナー画像に若干のカブリが
発生した。
【0170】
【表2】
【0171】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、流動
性に優れ、また、環境安定性に優れ、高品質なトナー画
像を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電荷像現像用トナーを適用し得る非
磁性一成分系トナーを使用する現像装置の一具体例を示
す概略説明図である。
【図2】二成分現像をおこなうための画像形成装置の一
具体例を説明するための概略図である。
【図3】図2に示す画像形成装置中の定着手段を拡大し
たものを示す概略的説明図である。
【符号の説明】
1 潜像保持体(感光ドラム) 2 現像剤担持体(現像スリーブ) 3 ホッパー 4 供給ローラー 5 現像剤塗布ブレード 6 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 331 361 371 372

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤含有樹脂粒子とTiO2成分及び
    Ti(OR)m(OH)n成分〔式中、Rは炭化水素基を
    示し、m及びnはO乃至4の整数を示し、m+nは4で
    ある〕を主要成分とする組成物で形成され、シラン系有
    機化合物で処理されている処理微粉体と、を有する静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 TiO2成分が85〜99.5重量%含
    有され、Ti(OR)m(OH)n成分が0.5〜15重
    量%含有されている組成物で微粉体が形成されており、
    該微粉体の表面がシラン系有機化合物で処理されている
    請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 処理微粉体は、微粉体を気相中でシラン
    系有機化合物で処理することにより調製されたものであ
    る請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 処理微粉体は、一次粒子径が0.005
    〜0.1μmである請求項1乃至3のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 処理微粉体は、一次粒子径が0.01〜
    0.05μmである請求項4に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  6. 【請求項6】 処理微粉体は、Ti(OR)m(OH)n
    成分を1.0〜12重量%有している請求項1乃至5の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 処理微粉体は、Ti(OR)m(OH)n
    成分を1.5〜10重量%有している請求項1乃至6の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 Ti(OR)m(OH)n成分のR基は、
    飽和環状の炭化水素基,不飽和環状の炭化水素基,飽和
    非環状炭化水素基及び不飽和非環状炭化水素基からなる
    グループから選択される有機基である請求項1乃至7の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 Ti(OR)m(OH)n成分のR基は、
    メチル基,エチル基,プロポキシ基及びブチル基からな
    るグループから選択されるアルキル基である請求項1乃
    至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 処理微粉体は、SiO2換算でのSi
    量が1〜18重量%となるようにシラン系有機化合物で
    処理されている請求項1乃至9のいずれかに記載の静電
    荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 処理微粉体は、SiO2換算でのSi
    量が1.5〜16重量%となるようにシラン系有機化合
    物で処理されている請求項1乃至10のいずれかに記載
    の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 処理微粉体は、SiO2換算でのSi
    量が2.5〜14重量%となるようにシラン系有機化合
    物で処理されている請求項1乃至11のいずれかに記載
    の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 トナーは重量平均粒径3〜15μmを
    有している請求項1乃至12のいずれかに記載の静電荷
    像現像用トナー。
  14. 【請求項14】 トナーは重量平均粒径4〜12μmを
    有している請求項13に記載の静電荷像現像用トナー。
  15. 【請求項15】 処理微粉体は着色剤含有樹脂粒子10
    0重量部当り0.05〜10重量部混合されている請求
    項1乃至14のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  16. 【請求項16】 着色剤含有樹脂粒子100重量部当り
    0.1〜5重量部混合されている請求項15に記載の静
    電荷像現像用トナー。
  17. 【請求項17】 シラン系有機化合物は、アルキルアル
    コキシシラン,シロキサン,シラン及びシリコーンオイ
    ルからなるグループから選択される化合物である請求項
    1乃至16のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  18. 【請求項18】 シラン系有機化合物は、下記式 RmSiYn 〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
    示し、Yはアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メ
    タクリル基,ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示
    し、nは、1〜3の整数を示す〕で示されるアルコキシ
    シランである請求項1乃至17のいずれかに記載の静電
    荷像現像用トナー。
  19. 【請求項19】 シラン系有機化合物は、下記式 【外1】 〔式中、aは4〜12の整数を示し、bは1〜3の整数
    を示す〕で示されるアルキルアルコキシシランである請
    求項1乃至18のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  20. 【請求項20】 シラン系有機化合物は、n−ブチルト
    リメトキシシラン,iso−ブチルトリメトキシシラ
    ン,n−ブチルトリエトキシシラン,iso−ブチルト
    リエトキシシラン,n−ペンチルトリメトキシシラン,
    n−ペンチルトリエトキシシラン,n−ヘキシルトリメ
    トキシシラン,n−ヘキシルトリエトキシシラン,n−
    ヘプチルトリメトキシシラン,n−ヘプチルトリエトキ
    シシラン,n−オクチルトリメトキシシラン,n−オク
    チルトリエトキシシラン,n−ノニルトリメトキシシラ
    ン,n−ノニルトリエトキシシラン,n−デシルトリメ
    トキシシラン及びn−デシルトリエトキシシランからな
    るグループから選択されるアルキルアルコキシシランで
    ある請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  21. 【請求項21】 着色剤含有樹脂粒子は、着色剤及び結
    着樹脂を含有している請求項1乃至20のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
  22. 【請求項22】 結着樹脂は、スチレン系共重合体,ポ
    リエステル樹脂及びそれらの混合物からなるグループか
    ら選択される材料である請求項1乃至21のいずれかに
    記載の静電荷像現像用トナー。
  23. 【請求項23】 結着樹脂は、下記式 【外2】 (式中RおよびR′はエチレンまたはプロピレン基を示
    し、xおよびyはそれぞれ1以上の整数を示し、x+y
    の平均値は2〜10である。)で示されるジオール成分
    及びジカルボン酸を少なくとも縮重合させることによっ
    て生成されたポリエステル樹脂である請求項1乃至22
    のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  24. 【請求項24】 着色剤含有樹脂粒子は、カラートナー
    粒子である請求項1乃至23のいずれかに記載の静電荷
    像現像用トナー。
  25. 【請求項25】 カラートナー粒子は、荷電制御剤を含
    有している請求項24に記載の静電荷像現像用トナー。
  26. 【請求項26】 着色剤はイエロー着色剤であり、着色
    剤含有樹脂粒子はイエローカラートナー粒子である請求
    項21乃至25のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  27. 【請求項27】 着色剤はマゼンタ着色剤であり、着色
    剤含有樹脂粒子はマゼンタカラートナー粒子である請求
    項21乃至25のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  28. 【請求項28】 着色剤はシアン着色剤であり、着色剤
    含有樹脂粒子はシアンカラートナー粒子である請求項2
    1乃至25のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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