JPH0726972A - エンジンの過給装置 - Google Patents

エンジンの過給装置

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JPH0726972A
JPH0726972A JP6062725A JP6272594A JPH0726972A JP H0726972 A JPH0726972 A JP H0726972A JP 6062725 A JP6062725 A JP 6062725A JP 6272594 A JP6272594 A JP 6272594A JP H0726972 A JPH0726972 A JP H0726972A
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turbine
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hydraulic
compressor
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Hisanori Nakane
久典 中根
Naoyuki Yamagata
直之 山形
Keiji Araki
啓二 荒木
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ターボ回転軸がコンプレッサ側軸とタービン
側軸とに分割された補助駆動手段付ターボチャージャー
において、補助駆動の制御と両軸の連結切換制御とを簡
単な構成で的確に行う。 【構成】 ターボ回転軸をコンプレッサ側軸36とター
ビン側軸38とに分割し、両軸の間に連結/切離し切換
用の油圧クラッチ44を設ける。コンプレッサ側軸36
には油圧タービン43を設ける。上記油圧クラッチ44
は、油圧が供給されない場合に両軸36,38を連結す
る状態を保つ。補助駆動時には、作動油を上記油圧ター
ビン43に噴射するとともに、上記作動油を油圧クラッ
チ44にも分配し、その油圧でコンプレッサ側軸36と
タービン側軸38とを相対回転可能に切り離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターボチャージャーを
備えたエンジンの過給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の過給装置の中には、例えば特開平
3−249329号公報に示されるように、コンプレッ
サホイールとタービンホイールとをつなぐターボ回転軸
に油圧タービンを装着し、これに作動油を噴射してター
ボ回転軸を補助駆動することにより、ターボチャージャ
ーの出力を高めるようにしたものが知られている。
【0003】しかしながら、上記ターボチャージャーの
コンプレッサホイール及びタービンホイール(特にター
ビンホイール)は大きな慣性モーメントを有しているた
め、これに外部から補助駆動力を与えることにより十分
な応答性を得るためには、非常に大きな補助駆動力を要
する。よって、その駆動源として他の用途のポンプ(例
えばパワーステアリング用ポンプ)を流用すると、十分
な応答性を得ることは困難にになる。
【0004】そこで、特開平1−200022号公報に
は、ターボ回転軸をコンプレッサ側軸とタービン側軸と
に分割可能に構成し、両軸の間にクラッチを設けるとと
もに、加速時等には上記クラッチによりコンプレッサ側
軸とタービン側軸とを切り離して上記コンプレッサ側軸
のみを補助駆動し、タービン回転数がコンプレッサ回転
数に近づいた場合には上記クラッチで両軸を連結して上
記補助駆動を停止するようにしたものが示されている。
このような装置によれば、クラッチ手段でコンプレッサ
側軸とタービン側軸とを連結した状態で、通常のターボ
チャージャーと同様に、タービンで排気ガスエネルギを
回収してこのエネルギでコンプレッサを駆動し、過給を
行う一方、上記排気ガスエネルギが不十分な場合には、
慣性モーメントの小さいコンプレッサ及びコンプレッサ
側軸のみを補助駆動することにより、高い応答性でコン
プレッサを作動させることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなコンプレ
ッサの補助駆動を効率良く行うには、補助駆動開始とほ
ぼ同時にコンプレッサ側軸とタービン側軸とを切り離す
ことが肝要である。ここで、上記公報に示される装置で
は、クラッチのオンオフ制御、及び補助駆動のオンオフ
制御をそれぞれ行うべく、クラッチ制御用の油圧切換弁
と補助駆動制御用の油圧切換弁とを併用しており、この
ため、部品点数が多く、また配線及び制御プログラムが
複雑であり、その分コストが増大するという欠点があ
る。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、簡単か
つ低廉な構成で、コンプレッサ側軸とタービン側軸との
連結及び切離しの制御と補助駆動制御との双方を的確に
行うことができるエンジンの過給装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本願請求項1記載の発明は、吸気通路内
に設けられるコンプレッサと排気通路内に設けられるタ
ービンとを連結するターボ回転軸がコンプレッサ側軸と
タービン側軸とに切離し可能に構成されたターボチャー
ジャーと、上記コンプレッサ側軸に補助駆動力を供給す
る補助駆動手段とを備えたエンジンの過給装置におい
て、エンジンの運転状態に応じて上記補助駆動手段によ
る補助駆動を制御する過給制御手段と、上記コンプレッ
サ側軸とタービン側軸とを両者が一体に回転するように
連結する連結保持力を有しかつ上記補助駆動手段による
補助駆動開始時にはその補助駆動力を受けて上記コンプ
レッサ側軸とタービン側軸とを相対回転可能に切り離す
クラッチ手段とを備えたものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の装
置において、エンジンの運転速度を検出する速度検出手
段を備え、この速度検出手段により検出される運転速度
が一定以下の場合に上記補助駆動手段を作動させるよう
に上記過給制御手段を構成したものである。
【0009】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載の装置において、上記補助駆動手段として、上
記コンプレッサ側軸に設けられた補助駆動用タービン
と、この補助駆動用タービンに作動油を圧送することに
より同補助駆動用タービンを回転駆動する油圧ポンプと
を備え、上記クラッチ手段として、油圧供給を受けない
状態では上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結
し、油圧供給を受けることにより上記コンプレッサ側軸
とタービン側軸とを切り離す油圧クラッチを備えるとと
もに、上記補助駆動用タービンに圧送される作動油の一
部を上記油圧クラッチに軸切離し用作動油として分配す
るように構成したものである。
【0010】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の装置において、上記ターボチャージャーのハウジング
に単一の作動油供給ポートを設け、この作動油供給ポー
トから供給される作動油を上記油圧タービンと上記油圧
クラッチとに分配する油路を上記ハウジング内に形成し
たものである。
【0011】請求項5記載の発明は、上記請求項3また
は4記載の装置において、エンジンの加速状態を検出す
る加速検出手段を備え、この加速検出手段によりエンジ
ンの加速が検出された場合に上記補助駆動手段を作動さ
せるように上記過給制御手段を構成するとともに、上記
油圧ポンプとしてパワーステアリング用ポンプを用いた
ものである。
【0012】請求項6記載の発明は、上記請求項3〜5
のいずれかに記載の装置において、上記油圧クラッチと
して、上記コンプレッサ側軸、タービン側軸のいずれか
一方に設けられ、奥に向かうに従って開口径の小さくな
るテーパー状内周面をもつ外側クラッチ部と、他方にお
いて上記外側クラッチ部と同軸の位置に設けられ、上記
外側クラッチ部の上記テーパー状内周面に内側から圧接
可能な形状のテーパー状外周面をもつ内側クラッチ部
と、上記テーパー状外周面と上記テーパー状内周面とを
圧接させる圧接手段とを備えるとともに、上記補助駆動
用タービンに作動油が圧送された場合にその油圧で上記
圧接手段による上記テーパー状外周面と上記テーパー状
内周面との圧接力が解除するように上記油圧クラッチを
構成したものである。
【0013】請求項7記載の発明は、上記請求項6記載
の装置において、上記コンプレッサ側軸に上記内側クラ
ッチ部を設け、上記タービン側軸に上記外側クラッチ部
を設けたものである。
【0014】請求項8記載の発明は、上記請求項3〜7
のいずれかに記載の装置において、上記油圧ポンプを、
エンジンの動力により駆動されるように構成するととも
に、この油圧ポンプの動力入力部と上記エンジンの動力
出力部とを連結する状態と切り離す状態とに切換えられ
るポンプクラッチ手段を備えたものである。
【0015】請求項9記載の発明は、上記請求項3〜8
のいずれかに記載の装置において、上記油圧ポンプから
圧送される作動油の油路と、上記コンプレッサ側軸及び
タービン側軸を支持する軸受の潤滑油の油路とを互いに
独立させたものである。
【0016】請求項10記載の発明は、上記請求項3〜
9のいずれかに記載の装置において、上記油圧ポンプか
ら油圧クラッチに供給される作動油の油路を、上記ター
ビン側軸内とこのタービン側軸の外側に設けられたハウ
ジング内とにわたって設けたものである。
【0017】請求項11記載の発明は、上記請求項1ま
たは2記載の装置において、上記クラッチ手段として、
上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とのいずれか一方
の軸に第1の磁性体が設けられ、他方の軸に第2の磁性
体が設けられ、第1の磁性体と第2の磁性体の少なくと
も一方が永久磁石からなってその磁気吸引力により上記
コンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結する磁気継手
を備えたものである。
【0018】請求項12記載の発明は、上記請求項11
記載の装置において、上記第1の磁性体をこの第1の磁
性体の内側に上記第2の磁性体が軸方向に挿入可能な筒
状に形成し、第1の磁性体の内周面と第2の磁性体の外
周面とを対向させたものである。
【0019】請求項13記載の発明は、上記請求項12
記載の装置において、上記第1の磁性体をタービン側軸
に設け、上記第2の磁性体をコンプレッサ側軸に設けた
ものである。
【0020】請求項14記載の発明は、上記請求項12
または13記載の装置において、少なくとも上記第2の
磁性体を永久磁石とし、この第2の磁性体の外側に第2
の磁性体の径方向外側への変形を規制する筒状の磁性体
カバーを設けたものである。
【0021】請求項15記載の発明は、上記請求項11
〜14のいずれかに記載の装置において、上記第1の磁
性体及び第2の磁性体の双方を永久磁石とし、連結状態
において一方の磁性体におけるN極が必ず他方の磁性体
におけるS極と対向するように両永久磁石の磁極を配し
たものである。
【0022】請求項16記載の発明は、上記請求項11
〜14のいずれかに記載の装置において、上記第1の磁
性体、第2の磁性体のいずれか一方を永久磁石とし、他
方を永久磁石以外の磁性材料で構成するとともに、この
他方の磁性体の周面において一方の磁性体の磁極同士の
境界部分に対応する位置に溝を形成したものである。
【0023】請求項17記載の発明は、上記請求項11
〜16のいずれかに記載の装置において、上記永久磁石
に複数のN極及び複数のS極を交互に周方向に並べて配
したものである。
【0024】請求項18記載の発明は、上記請求項17
記載の装置において、上記補助駆動手段として、上記コ
ンプレッサ側軸に設けられた補助駆動用タービンと、こ
の補助駆動用タービンに作動油を圧送することにより同
補助駆動用タービンを回転駆動する油圧ポンプとを備え
るとともに、上記補助駆動用タービンの羽根数と上記永
久磁石の極数とを互いに1以外の公約数をもたない数に
設定したものである。
【0025】請求項19記載の発明は、上記請求項11
〜17のいずれかに記載の装置において、上記補助駆動
手段として電動機を備えるとともに、上記永久磁石を上
記電動機の回転子として共用したものである。
【0026】請求項20記載の発明は、上記請求項1〜
19のいずれかに記載の装置において、上記コンプレッ
サ側軸及びタービン側軸をそれぞれ軸受を介して共通の
軸受ハウジングに回転可能に支持したものである。
【0027】
【作用】請求項1記載の装置によれば、基本的に、クラ
ッチ手段のもつ連結保持力でコンプレッサ側軸とタービ
ン側軸とが連結される一方、上記排気ガスエネルギが不
十分な場合、例えば運転領域が低速域である場合(請求
項2)や、高い応答性が要求される場合等に、過給制御
手段による制御の下、補助駆動手段によるコンプレッサ
側軸の補助駆動が開始されることにより、その補助駆動
力を受けた上記クラッチ手段が自己のもつ連結保持力に
抗してコンプレッサ側軸をタービン側軸から自動的に切
離し、コンプレッサ側軸及びコンプレッサのみが補助駆
動される状態にする。これにより、上記補助駆動手段に
よる補助駆動力を特に高めることなく、コンプレッサ及
びタービンの双方を補助駆動する場合よりも高い応答性
でコンプレッサが作動する。その後、上記クラッチ手段
の連結保持力で両軸が再び連結されると、通常のターボ
チャージャーと同様に、タービンで排気ガスエネルギを
回収してこのエネルギでコンプレッサが駆動され、ター
ボ過給が実行される。
【0028】請求項3記載の装置では、油圧ポンプから
圧送される作動油によって補助駆動用タービンが駆動さ
れると同時に、上記作動油の一部が油圧クラッチに分配
され、その油圧でコンプレッサ側軸とタービン側軸とが
切り離される。すなわち、共通の作動油を用いて補助駆
動用タービンの駆動と油圧クラッチの切換との双方が行
われ、また、補助駆動用タービンの駆動とほぼ同時に油
圧クラッチでの切離しが自動的に行われる。
【0029】ここで、請求項4記載の装置では、油圧ポ
ンプの吐出油がターボチャージャーハウジングの単一の
作動油供給ポートに供給され、このハウジング内に形成
された分配通路を通じて上記油圧タービンと油圧クラッ
チとに分配される。
【0030】また、請求項5記載の装置では、上記油圧
ポンプとしてパワーステアリング用ポンプが用いられる
とともに、通常はステアリングホイールが操作されるこ
とのほとんどない(すなわちパワーステアリング機能が
ほとんど使用されない)加速時に、補助駆動用タービン
への作動油供給が行われるようになっているので、この
作動油供給にパワーステアリング用ポンプを共用して
も、本来のパワーステアリング性能をほとんど損なわな
い。
【0031】請求項6記載の装置では、上記油圧クラッ
チにおいて、外側クラッチ部のテーパー状内周面に対
し、テーパー状外周面をもつ内側クラッチ部が同軸状態
で内側から圧接することにより、その圧接でコンプレッ
サ側軸とタービン側軸とが連結されるので、この連結時
に、上記外側クラッチ部内への内側クラッチ部の圧入に
よってコンプレッサ側軸とタービン側軸との軸心がずれ
ることが確実に防がれる。
【0032】ここで請求項7記載の装置では、上記コン
プレッサ側軸に内側クラッチ部、すなわち外側クラッチ
部よりも外径が小さくよって慣性モーメントも小さいク
ラッチ部を設けているので、コンプレッサ側軸に外側ク
ラッチ部を固定する場合よりもコンプレッサ側の慣性モ
ーメントはより小さくなる。
【0033】請求項8記載の装置では、上記油圧ポンプ
の駆動に特別の駆動源を用いず、エンジンの動力で駆動
できるとともに、このエンジンと油圧ポンプとの間のポ
ンプクラッチ手段の切換により、上記油圧ポンプのオン
オフ切換、すなわち、補助駆動のオンオフ切換並びにク
ラッチ手段によるコンプレッサ側軸とタービン側軸との
連結状態の切換を行うことができる。
【0034】請求項9記載の装置では、上記作動油の油
路と、コンプレッサ側軸及びタービン側軸の軸受の潤滑
油の油路とが互いに独立しているので、上記作動油と潤
滑油とが混合されない。従って、両者に互いに異なる油
を使用することが可能である。
【0035】上記各装置において、作動油の油路を形成
するに当り、この油路をコンプレッサ側軸内とこのコン
プレッサ側軸の外側に設けられたハウジングとにわたっ
て設けると、両者の相対回転に起因して作動油にせん断
力が働き、その抵抗でコンプレッサ側軸の必要駆動トル
クが増大することになる。しかし、請求項10記載の装
置では、上記油圧ポンプから油圧クラッチに供給される
作動油の油路を、タービン側軸内とこのタービン側軸の
外側に設けられたハウジング内とにわたって設けている
ので、コンプレッサ側軸の回転に影響を与えることがな
い。
【0036】請求項11記載の装置では、上記コンプレ
ッサ側軸とタービン側軸とのいずれか一方の軸に設けら
れた第1の磁性体と、他方の軸に設けられた第2の磁性
体との磁気吸引力により、上記コンプレッサ側軸とター
ビン側軸とが連結される。そして、コンプレッサ側軸の
補助駆動開始時には、その補助駆動トルクにより上記磁
気吸引力に抗してコンプレッサ側軸がタービン側軸から
強制的に切り離され、コンプレッサ側軸及びコンプレッ
サのみの単独補助駆動が自動的に実行されて、コンプレ
ッサ回転数が迅速に高められる。その後加速が進み、排
気エネルギの上昇でタービン回転数がコンプレッサ回転
数とほぼ同等の回転数まで高まると、換言すればコンプ
レッサ側軸とタービン側軸との相対回転速度がほぼ0に
なると、上記磁気吸引力により再びコンプレッサ側軸と
タービン側軸とが自動的に連結され、排気エネルギを利
用したターボ駆動が開始される。
【0037】ここで、上記第1の磁性体と第2の磁性体
とは軸方向に対向させても上記作用を得ることが可能で
あるが、この場合には、両磁性体間の距離すなわち軸方
向距離に対し、ターボチャージャーにおいて軸方向に並
べられる各部品の寸法誤差が積算された形で反映される
ことになるため、上記距離を精度良く確保することは難
しく、よって所望の磁気吸引力を正確に得ることは難し
い。これに対し、請求項12記載の装置では、筒状の第
1の磁性体の内周面と、この第1の磁性体の内側に挿入
される第2の磁性体の外周面とを対向させているので、
両磁性体間の距離すなわち径方向距離は、コンプレッサ
側軸とタービン側軸との芯出し作業だけで精度良く設定
することが可能であり、これによって、両磁性体間に発
生する径方向の磁気吸引力を正確に得ることができる。
また、この構造では、両磁性体の外径を特に大きくしな
くても、両磁性体の対向面積を大きく確保することが可
能である。
【0038】なお、筒状の第1の磁性体はいずれの軸に
設けてもよいが、請求項13記載のように、この第1の
磁性体をタービン側軸に設け、第1の磁性体よりも慣性
モーメントの小さい第2の磁性体をコンプレッサ側軸に
設けることにより、コンプレッサ側軸の回転数をより少
ない補助駆動力で迅速に上昇させることが可能となる。
【0039】請求項14記載の装置では、永久磁石であ
る第2の磁性体の外側に磁性体カバーが設けられている
ので、この磁性体カバーによって第2の磁性体の径方向
外側の変形が規制されることにより、遠心力に起因する
第2の磁性体の脆性破壊が防がれる。しかも、上記磁性
体カバーを通じて両磁性体間の磁気吸引力は確保され
る。
【0040】請求項15記載の装置では、永久磁石であ
る第1の磁性体及び第2の磁性体におけるN極とS極と
の間の磁気吸引力によって、コンプレッサ側軸とタービ
ン側軸とが連結される。
【0041】これに対して、請求項16記載の装置で
は、両磁性体のうち永久磁石以外の磁性材料で構成され
た磁性体において溝で区画された各部分が、他方の磁性
体である永久磁石によってそれぞれ磁化され、これによ
り、両磁性体間に磁気吸引力が発生する。
【0042】以上のような磁気継手を用いた場合、第1
の磁性体と第2の磁性体との相対回転時には、異極同士
が対向して両者間に磁気吸引力が発生する状態と、同極
同士が対向して両者間に磁気反発力が発生する状態とが
瞬時に切換わるため、これに起因してトルク変動が発生
する。ここで、請求項17記載の装置では、上記永久磁
石にN極及びS極が計4極以上設けられるため、その分
上記トルク変動の周波数は高められ、この周波数が系の
固有振動数と合致して共振することが避けられる。
【0043】また、上記補助駆動手段として上記補助駆
動用タービンを用いた場合、この補助駆動用タービンの
羽根の中央部分に作動油が噴射される状態と端の部分に
作動油が噴射される状態とが交互に瞬時に切換えられる
ため、これに起因してもトルク変動が生じる。このトル
ク変動の周期と、上記磁気継手でのトルク変動の周期と
が合致すると、両変動が増幅されてより大きなトルク変
動が生ずるおそれがあるが、請求項18記載の装置で
は、上記補助駆動用タービンの羽根数と上記永久磁石の
極数とが互いに1以外の公約数をもたない数であるた
め、トルク変動の増幅が確実に避けられる。
【0044】請求項19記載の装置では、上記永久磁石
が、補助駆動手段である電動機の回転子として共用され
ることにより、簡単かつ小型の構造で補助駆動と軸連結
の双方が実行される。
【0045】請求項20記載の装置では、上記コンプレ
ッサ側軸及びタービン側軸の双方が共通の軸受ハウジン
グに支持されているので、両軸の軸心ずれがより確実に
防がれる。
【0046】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図5に基づいて
説明する。
【0047】図3に示すエンジン10の各気筒には、吸
気マニホールド12を介して共通吸気管14が接続され
ており、その途中にスロットル弁15、インタクーラー
16、ターボチャージャー(実際には後述のように補助
駆動されるスーパーチャージャーとしての機能も兼ね備
えたターボチャージャー)24、エアクリーナー18等
が設けられている。上記各気筒には排気マニホールド1
9を介して共通排気管20が接続されており、その途中
に上記ターボチャージャー24、排ガス浄化用触媒22
等が設けられている。
【0048】上記ターボチャージャー24の内部構造を
図1,2に示す。このターボチャージャー24は、通常
のターボチャージャーと同様、コンプレッサ26及びタ
ービン28を備えている。コンプレッサ26はコンプレ
ッサハウジング30に収容され、タービン28はタービ
ンハウジング32に収容されている。コンプレッサハウ
ジング30は上記共通吸気管14の途中に組み込まれ、
タービンハウジング32は上記共通排気管20の途中に
組み込まれており、両ハウジング30,32は略円筒状
の本体ハウジング34を介して連結されている。
【0049】なお、上記コンプレッサ26はアルミニウ
ム等の比較的軽量な材料で比較的薄肉に形成されている
のに対し、タービン28は、排気ガスの高熱に耐えるべ
く鉄系材料等の比較的重い材料で厚肉に形成されてい
る。従って、タービン28の慣性モーメントは上記コン
プレッサ26の慣性モーメントよりも大幅に大きくなっ
ている。
【0050】この本体ハウジング34内の中央には、こ
れと同軸状態でコンプレッサ側軸36及びタービン側軸
38が収容されている。そして、コンプレッサ側軸36
の外側端部(図1では右側端部)が上記コンプレッサ2
6の中心部に固定され、タービン側軸38の外側端部
(図1では左側端部)がタービン28の中心部に固定さ
れている。
【0051】上記コンプレッサ側軸36の内側端部(図
1では左側端部)は、先端に向かって開口する筒部37
とされ、タービン側軸38の内側端部(図1では右側端
部)は、上記筒部37内に相対回転可能に嵌入される小
径の嵌入部39とされている。
【0052】上記コンプレッサ側軸36の径方向外側に
は、これと一体に回転する状態で外筒41が外嵌され、
この外筒41において上記タービン側よりの部分(図1
では左側よりの部分;本体ハウジング34内において左
右方向略中央の部分)に、油圧タービン(補助駆動用タ
ービン)43が一体形成されている。この油圧タービン
43は、この実施例ではペルトンホイール状に形成さ
れ、その外周部に所定方向から作動油が吹き付けられる
ことにより、上記外筒41及びコンプレッサ側軸36と
一体に回転駆動されるように構成されている。
【0053】本体ハウジング34の内側には、その軸方
向略全域にわたって延びる筒状の軸受ハウジング40が
嵌挿されている。そして、この軸受ハウジング40に、
上記コンプレッサ側軸36外側の外筒41と、タービン
側軸38の双方が、軸受42を介して回転可能に支持さ
れている。また、各軸受42の傍らには油路形成リング
45が配設されている。
【0054】上記コンプレッサ側軸36とタービン側軸
38との間には、図2に示すような油圧クラッチ44が
設けられている。この油圧クラッチ44は、油路形成ブ
ロック46、スリーブ48、外側クラッチ部材50、内
側クラッチ部52、スプリング58等で構成されてい
る。
【0055】上記油路形成ブロック46は、後述の油圧
クラッチ作動油用油路が形成されたものであり、全体が
筒状をなしている。この油路形成ブロック46のタービ
ンよりの部分は上記軸受ハウジング40内周面にほぼ摺
接する大径部46aとされ、コンプレッサよりの部分は
上記大径部46aよりも小径の小径部46bとされてお
り、油路形成ブロック46全体がタービン側軸38に外
嵌、固定されている。また、この油路形成ブロック46
の大径部46aと小径部46bとの境界部分にはリング
55が固定されている。
【0056】外側クラッチ部材50は、タービン側軸3
8の外径よりも大きな内径をもつ筒状部を有し、ナット
51と上記油路形成ブロック46との間に挾まれた状態
でタービン側軸38の途中部分に固定されている。上記
筒状部は、コンプレッサ側軸36に向かって開口してお
り、この開口端の周縁内周面は、筒状部の奥(図2では
左側)に向かうに従って縮径するテーパー状内周面53
とされている。
【0057】これに対し、内側クラッチ部52はコンプ
レッサ側軸36の筒部37の端部に一体形成されたもの
であり、筒状をなしている。そして、この内側クラッチ
部52の外周面は、上記外側クラッチ部材50のテーパ
ー状内周面53に内側から圧接可能なテーパー状外周面
54とされている。
【0058】スリーブ48は、上記外側クラッチ部材5
0の外周面に外側から摺接しており、そのコンプレッサ
側端部(図2右側端部)には、上記内側クラッチ部52
をコンプレッサ側から抱きかかえるリング56が固定さ
れている。また、このスリーブ48の適所からは内方の
油路形成ブロック46に向かって突出するつば部49が
形成されており、このつば部49と上記リング55との
間に油圧室59が形成されている。
【0059】上記つば部49と上記外側クラッチ部材5
0との間には、スプリング(圧接手段)58が圧入され
ている。このスプリング58は、その弾発力でスリーブ
48及び上記リング56をタービン側に付勢している。
この弾発力により、上記リング56にコンプレッサ側か
ら抱きかかえられるようにしてコンプレッサ側軸36が
タービン側に押圧され、この押圧により、通常は上記内
側クラッチ部52の外側テーパー面54が外側クラッチ
部材50の内側テーパー面53に内側から圧接し、これ
らテーパー面53,54の圧接により、コンプレッサ側
軸36とタービン側軸38とが同軸状態で相対回転不能
に連結されるようになっている。
【0060】次に、このターボチャージャー24に形成
されている作動油の油路(分配通路)を説明する。な
お、この実施例では上記作動油と軸受42の潤滑油とが
共用されている。
【0061】本体ハウジング34の側壁適所には、単一
の作動油供給ポート62が形成され、この作動油供給ポ
ート62は作動油供給路64を介して軸受ハウジング4
0に連通されている。軸受ハウジング40の側壁には、
上記作動油供給路64と通ずる溝65が全周にわたって
形成され、かつこの溝65と軸受ハウジング40内とを
連通する複数の作動油噴射口63が穿設されている。各
作動油噴射口63の位置は、該噴射口63から噴射され
た作動油が上記油圧タービン43の外周部に吹き付けら
れ、これによって油圧タービン43が回転駆動される位
置に設定されている。
【0062】上記作動油供給路64からは作動油供給路
66が分岐しており、この作動油供給路66は、軸受ハ
ウジング40において上記溝65と異なる位置に開口し
ている。軸受ハウジング40において上記開口に臨む部
分には、溝69が全周にわたって形成されるとともに、
この溝69と軸受ハウジング40内における上記油路形
成ブロック46の大径部46a外周面とを連通する複数
の作動油供給口67が形成されている。
【0063】タービン側軸38の中央には、その中心軸
に沿って作動油路70が形成されている。このタービン
側軸38及び油路形成ブロック46の大径部46aに
は、上記作動油供給口67と作動油路70とを径方向に
連通する作動油路71,68が形成されている。さら
に、上記タービン軸38において上記作動油路71より
もコンプレッサ側の部分及び油路形成ブロック46の小
径部46bには、上記作動油路70と前記油圧室59と
を径方向に連通する作動油路73,72が形成されてい
る。
【0064】そして、これらの作動油路73,72から
上記油圧室59内に作動油が供給されることにより、そ
の油圧でスリーブ48及びリング56がスプリング58
の弾発力に抗してコンプレッサ側に押され(図2二点鎖
線参照)、これにより両テーパー面53,54の圧接が
解除されてコンプレッサ側軸36とタービン側軸38と
が相対回転可能に切り離されるようになっている。
【0065】本体ハウジング34には、上記軸受ハウジ
ング40内に通ずる作動油回収路81,82が形成され
ており、これらは作動油排出ポート84に合流してい
る。
【0066】本体ハウジング34において、上記作動油
供給ポート62と異なる位置には、潤滑油供給ポート8
6が形成されている。この潤滑油供給ポート86は、本
体ハウジング34内に形成された潤滑油供給路88,9
4を通じて軸受ハウジング40の外周面に連通されてい
る。
【0067】軸受ハウジング40の外周面において、上
記潤滑油供給路88,94につながる位置には、全周に
わたって溝89,96が形成されており、さらに、この
軸受ハウジング40及び油路形成リング45には、上記
溝89,96に通ずる潤滑油路90,98が形成されて
いる。各油路形成リング45には、各潤滑油路90,9
8と通ずるオイルジェット92,99が形成されてお
り、各オイルジェット92,99の向きは、これらオイ
ルジェット92,99から噴射された潤滑油が各軸受4
2の滑動部分に供給されるように設定されている。
【0068】また、本体ハウジング34には、上記軸受
ハウジング40の両端開口と通ずる潤滑油回収路80,
83が形成されており、これらは上記作動油排出ポート
84に合流している。
【0069】なお、図2において78は通路確保用の栓
であり、100は本体ハウジング34に形成されたウォ
ータジャケットである。
【0070】図3に示すように、エンジン10のクラン
ク軸102には、駆動伝達機構104、及びポンプクラ
ッチ106を介して油圧ポンプ108が連結され、油圧
ポンプ108は調圧弁110を介して上記作動油供給ポ
ート62に接続されている。上記ポンプクラッチ106
は、上記駆動伝達機構104と油圧ポンプ108とをつ
なぐオン状態と、両者を切り離すオフ状態とに切換えら
れ、オン状態で上記クランク軸102の駆動力を駆動伝
達機構104を介して油圧ポンプ108に伝達すること
により、この油圧ポンプ108を作動させるように構成
されている。油圧ポンプ108は、その作動により、上
記エンジン10内の潤滑油を作動油として上記調圧弁1
10を介し作動油供給ポート62に圧送するように構成
されている。
【0071】このエンジンには、上記コンプレッサ26
の単位時間当りの回転数Ncを検出するコンプレッサ回
転数センサ112、上記タービン28の単位時間当りの
回転数Ntを検出するタービン回転数センサ114、ス
ロットル弁15のスロットル開度θを検出するスロット
ルセンサ116、エンジン回転数Neを検出するエンジ
ン回転数センサ117、吸気管内圧力を検出するエンジ
ン吸気管ブーストセンサ118等を備えており、これら
のセンサ類がECU(コントロールユニット;駆動制御
手段)120に接続されている。このECU120は、
各センサの検出信号に基づき、上記ポンプクラッチ10
6のオンオフ制御を行うように構成されている。
【0072】次に、このECU120の行う制御動作並
びに装置全体の作用を図4のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0073】ECU120は、回転数Nt,Nc等につ
いての各検出信号を取込む(ステップS1)。現時点で
ポンプクラッチ106をオフにしている場合には(ステ
ップS2でYES)、スロットル開度θの時間変化量d
θ/dt及びエンジン回転数Neを監視し、上記時間変
化量dθ/dtが所定値C1以上の場合(すなわち一定
以上の速度で加速操作されている場合;ステップS3で
YES)であって、かつエンジン回転数Neが所定値C
2以下の場合(ステップS4でYES)にのみ、ポンプ
クラッチ106をオンに切換える(ステップS5)。
【0074】この切換により、油圧ポンプ108が作動
し、エンジン10内の潤滑油が調圧弁110で一定圧力
に調圧された後にターボチャージャー24の作動油供給
ポート62に供給される。この作動油は、作動油供給路
64及び溝65を通じて作動油噴射口63から外筒41
の油圧タービン43に噴射され、これにより上記外筒4
1と一体にコンプレッサ側軸36さらにはコンプレッサ
26が補助回転駆動される。
【0075】一方、上記作動油供給ポート62から導入
された作動油は、作動油供給路66、溝69、作動油供
給口67、作動油路68,71,70,73,72を順
に通って油圧室59内に導入され、スプリング58の弾
発力に抗してスリーブ48をコンプレッサ側(図2右
側)に押し返す。これにより、それまでスプリング58
がその弾発力でリング56を介し内側クラッチ部52を
外側クラッチ部材50の内側に押し込んでいた力が解除
され、これに伴い、上記内側クラッチ部52の外側テー
パー面53と外側クラッチ部材50の内側テーパー面5
4との圧接も解除される。従って、この圧接力に起因す
る摩擦力でそれまで連結されていたコンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38とが、互いに相対回転可能な状態
に切り離される。
【0076】すなわち、上記作動油の供給により、油圧
タービン43の回転駆動とほぼ同時にコンプレッサ側軸
36とタービン側軸38との切離しが行われる。これに
より、コンプレッサ側軸36及びコンプレッサ26のみ
が補助回転駆動され、この回転によりエンジン10に対
して過給が行われる。
【0077】このようにしてポンプクラッチ108がオ
ンに切換えられた状態、もしくはステップS2で既にポ
ンプクラッチがオンであった状態では、コンプレッサ回
転数Ncとタービン回転数Ntとの比較が行われる(ス
テップS6)。そして、タービン回転数Ntがコンプレ
ッサ回転数Ncに追い着いた時点で(ステップS6でY
ES)、すなわち油圧クラッチ44における連結にトラ
ブルの生じるおそれのなくなった時点で、実際にポンプ
クラッチ106がオフに切換えられ、補助駆動が停止さ
れるとともに、油圧クラッチ44による再連結が行われ
る(ステップS7)。
【0078】具体的には、油圧ポンプ108の駆動が止
められることにより、油圧タービン43及び油圧室59
への作動油の供給が停止される。これに伴い、作動油に
よるコンプレッサ側軸36の駆動が停止されるととも
に、スプリング58の弾発力で内側クラッチ部52のテ
ーパー状外周面54が外側クラッチ部材50のテーパー
状内周面52に再び圧接し、この圧接による摩擦力で、
コンプレッサ側軸36とタービン側軸38とが同軸の状
態で相対回転不能に相互連結される。
【0079】従ってこの状態では、従来のターボチャー
ジャーと同様、排気ガスのエネルギによるタービン28
の回転が連結軸である両軸38,36を介して吸気側の
コンプレッサ26に伝達され、このコンプレッサ26の
回転により、エンジン各気筒に対して過給が行われる。
【0080】なお、この連結のタイミングに関し、上記
のように直接コンプレッサ回転数Nc及びタービン回転
数Ntを検出するのではなく、これらの回転数を予測し
てその予測値に基づきタイミングを設定することも可能
である。具体的に、コンプレッサ回転数Ncについて
は、このコンプレッサ回転数Ncとエンジン回転数Ne
及びエンジン吸気管ブーストとの関係をマップ等の形で
ECU120に記憶させておき、実際にエンジン回転数
センサ117及びエンジン吸気管ブーストセンサ118
で検出された検出値と上記マップ等とに基づいて上記E
CU120によりコンプレッサ回転数Ncの予測値を演
算するようにすればよい。また、タービン回転数Nt
は、ポンプクラッチ106がオンに切換えられてからの
運転履歴に基づいて予測することが可能である。具体的
には、エンジン回転数及び吸気管ブースとから、ターボ
チャージャー24に与えるエネルギを経過時間毎に積算
することによって予測できる。
【0081】以上のように、この装置では、排気ガス量
の少ない低回転時で(ステップS4でYES)、また高
い応答性が要求される加速開始時(ステップS3でYE
S)に、慣性モーメントの大きなタービン28及びター
ビン側軸38から比較的慣性モーメントの小さいコンプ
レッサ28及びコンプレッサ側軸36を切離し、これら
コンプレッサ28及びコンプレッサ側軸36のみを作動
油の供給によって補助回転駆動するようにしているの
で、油圧ポンプ108の負荷を大きくすることなく、コ
ンプレッサ28を高い応答性でもって駆動することがで
き。従って、排ガス流量の低い低速領域であっても十分
な加速性を得ることができる。
【0082】このため、従来のターボチャージャー付き
エンジンでは、図5破線131に示すように、発進して
から比較的長い期間にわたって出力トルク(エンジン負
荷Pe)がターボチャージャーなしエンジンの出力トル
ク(図5二点鎖線130)を下回る状態(同図斜線領
域)が続くのに対し、この実施例装置に示すエンジンで
は、同図実線132に示すように、発進してから比較的
短時間で出力トルクを十分な値まで迅速に高めることが
可能となる。
【0083】さらに、この実施例に示す装置では、次の
ような利点がある。
【0084】(a) 油圧ポンプ108から圧送される作動
油を、油圧タービン43側と、油圧クラッチ44におけ
る油圧室59側とに分配しているので、共通の作動油で
コンプレッサ側軸36の補助駆動と、油圧クラッチ44
の切換の双方を行うことができ、また、上記補助駆動
と、軸36,28の切離しをほぼ同時にかつ自動的に行
うことができる。すなわち、油圧タービン43に供給さ
れる補助駆動力を油圧クラッチ44に分配して油圧クラ
ッチ44をオン状態からオフ状態に切換えるようにして
いるので、作動油供給ポート62への作動油供給の制御
を行うだけで、上記補助駆動の制御と、油圧クラッチ4
4での切換制御とを同時に行うことができ、油圧配管及
び制御内容の複雑化や部品点数の増加を避けながら確実
な制御を行うことができる。
【0085】(b) 上記油圧クラッチ44において、テー
パー状内周面53をもつ外側クラッチ部材50内にテー
パー状外周面54をもつ内側クラッチ部52を圧入する
ことにより軸36,38同士の連結を行っているので、
この連結時に両軸36,38の軸心がずれるのを確実に
防ぐことができる。従って、この軸心ずれに起因する不
都合、例えば各軸受41の焼き付きや両軸36,38の
破損等を、未然に防ぐことができる。
【0086】(c) 上記油圧クラッチ44において、コン
プレッサ側軸36に小径の内側クラッチ部52、タービ
ン側軸に大径の外側クラッチ部材50を設けているの
で、これが逆の場合に比べ、コンプレッサ26側の慣性
モーメントをより小さくすることができる。
【0087】(d) コンプレッサ側軸36及びタービン側
軸38の双方を共通の軸受ハウジング40に支持してい
るので、両軸の軸心ずれをより確実に防止できる。
【0088】(e) 油圧ポンプ108をエンジン10の動
力で駆動しているので、この油圧ポンプ108の駆動に
特別の駆動源が不要である。しかも、ポンプクラッチ1
06のオンオフ切換だけで、コンプレッサ側軸26の駆
動のオンオフ切換と、クラッチ手段によるコンプレッサ
側軸とタービン側軸との連結状態の切換とを行うことが
できる。
【0089】(f) 作動油の油路を形成するに当り、この
油路をコンプレッサ側軸36内と軸受ハウジング40と
にわたって設けると、両者の相対回転に起因して作動油
にせん断力が働き、その抵抗でコンプレッサ側軸36の
必要駆動トルクが増大することになるが、この実施例で
は、上記油路を、タービン側軸38の側に設けているの
で、コンプレッサ側軸36の補助回転駆動に悪影響を及
ぼすことがない。
【0090】(g) 本体ハウジング34には、単一の作動
油供給ポート62のみを設け、この作動油供給ポート6
2に供給された作動油を上記油圧タービン43と油圧ク
ラッチ44とに分配する分配通路を本体ハウジング34
内に形成しているので、ターボチャージャーへの接続配
管が1本ですみ、その配管構造及び配管作業がより簡略
化される。
【0091】以上の効果に加え、上記ターボチャージャ
ーとして、その排気吸込み側通路を可変的に絞るバルブ
機構を備えたものを用いれば、上記補助駆動が行われな
い運転領域であってしかも比較的排気ガス流量の低い低
速時には、上記バルブ機構の絞りで排気吸込み流速を高
めることにより、高い加速性を維持することが可能であ
る。
【0092】また、上記油圧ポンプ108としてパワー
ステアリング用ポンプを流用すれば、作動油供給用に特
別な油圧ポンプを追加する必要がなくなり、より低コス
トの構造で上記効果を得ることができる。しかも、上記
実施例の場合、通常はステアリングホイールが操作され
ることのほとんどない(すなわちパワーステアリング機
能がほとんど使用されない)加速時に作動油供給を行う
ようにしているので、この作動油供給をパワーステアリ
ング用ポンプで行っても、パワーステアリング性能をほ
とんど損なうことがない。
【0093】また、高速用のターボチャージャー及び低
速用のターボチャージャーとを備え、運転速度に応じて
これに見合ったターボチャージャーを使用すべく通路切
換が行われるような装置においては、上記低速用のター
ボチャージャーに上記のものを適用することにより、高
速、中速(低速用ターボチャージャーにおいてコンプレ
ッサ軸とタービン軸とを連結)、低速(低速用ターボチ
ャージャーにおいてコンプレッサ軸とタービン軸とを分
割)の3段階に過給システムを切換えることが可能にな
る。
【0094】なお、この実施例では、加速操作時でかつ
低速運転時に補助駆動を行うものを示したが、本発明に
おいて補助駆動を行う条件は適宜設定すれば良く、例え
ば、加速操作がされているか否かにかかわらず低速運転
時には補助駆動させるような制御を行ってもよい。
【0095】次に、第2実施例を図6に基づいて説明す
る。
【0096】上記実施例では、ターボチャージャー作動
用の作動油と軸受41の潤滑油とが共用され、これらの
油路が共通の作動油回収ポート84に合流しているが、
この実施例では、作動油用油路と潤滑用油路とが完全に
独立した状態に形成されている。
【0097】具体的には、潤滑油回収路80,83が潤
滑油排出ポート84Aに接続され、作動油回収路85が
上記潤滑油排出ポート84Aから隔離された作動油排出
ポート84Bに接続されている。また、外筒41におい
て上記油圧タービン43よりもコンプレッサ側の部分
(図では左側の部分)には大径部41aが形成され、こ
の大径部41aの外周部と軸受ハウジング40との内周
面との間にシール部材が設けられており、この部分で潤
滑油室(図の右側)と作動油室(図の左側)とが隔離さ
れている。
【0098】このような装置によれば、上記作動油と潤
滑油とに互いに異なる油を使用することができる。従っ
て、潤滑油には潤滑性の高いエンジン油を使用しなが
ら、作動油には上記潤滑油よりも粘性が小さくかつエン
ジンオイルのようにカーボン等の不純物の混入の少ない
例えばパワーステアリング油を使用して潤滑性向上と性
能及び信頼性の向上との両立を図ることができる。
【0099】次に、第3実施例を図7及び図8に基づい
て説明する。
【0100】この実施例では、前記第1実施例で示した
油圧クラッチ44に代え、上記コンプレッサ側軸36と
タービン側軸38との間にクラッチ手段として磁気継手
139が設けられている。詳しくは、上記コンプレッサ
側軸36の端部に円筒状のコンプレッサ側永久磁石13
7が外嵌、固定される一方、タービン側軸38の端部に
は、この端部に形成された雄ねじ121及びこれに螺合
するナット122によって円筒部38aが固定されてお
り、この円筒部38aの内側面に、上記コンプレッサ側
永久磁石137が内側に挿入される円筒状のタービン側
永久磁石138が固定されている。両永久磁石137,
138は、計4極のN極及びS極が周方向に交互に配さ
れたものであり、静止状態において、コンプレッサ側永
久磁石137のN極の外周面にはタービン側永久磁石1
38のS極の内周面が対向し、コンプレッサ側永久磁石
137のS極の外周面にはタービン側永久磁石138の
N極の内周面が対向するように配置されている。
【0101】このような装置によれば、両軸36,38
が静止した状態では、コンプレッサ側永久磁石137の
N極及びS極とタービン側永久磁石138のS極及びN
極との間の磁気吸引力により、両軸36,38が一体に
連結される。この状態から油圧タービン43に作動油が
噴射され、コンプレッサ側永久磁石137に一定以上の
補助駆動トルク、より具体的には永久磁石137,13
8同士の吸着力による伝達可能最大トルクを上回る補助
駆動トルクが加えられると、コンプレッサ側永久磁石1
37がタービン側永久磁石138から自動的に切り離さ
れ、コンプレッサ側軸36及びコンプレッサ26のみが
補助駆動され始める。
【0102】この補助駆動開始後は、コンプレッサ側永
久磁石137の例えばN極が、タービン側永久磁石13
8のS極に吸引される状態とN極に反発される状態とを
交互に繰り返すため、両者の吸引及び反発が駆動トルク
に与える影響力の平均は0となり、磁気継手139がな
い場合と同等の平均トルクでコンプレッサ側軸36が補
助駆動されることとなる。
【0103】このような補助駆動により、コンプレッサ
回転数がタービン回転数に先行して上昇するが、その後
排気エネルギが上昇してタービン回転数がコンプレッサ
回転数にほぼ追い着くと(すなわちコンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38との相対回転速度がほぼ0になる
と)、両永久磁石137,138同士の吸引力により両
軸36,38が再び連結され、ターボ回転軸33として
一体に駆動される状態となる。
【0104】従って、この装置によれば、タービン回転
数が低い状態では、磁気継手139の作用で自動的にコ
ンプレッサ側軸36をタービン側軸38から切離し、比
較的慣性モーメントの小さいコンプレッサ26及びコン
プレッサ側軸36のみを補助駆動することにより、迅速
にコンプレッサ回転数を高め、過給応答性を向上させる
ことができる。しかも、タービン回転数がコンプレッサ
回転数とほぼ同等の回転数まで高まると、上記磁気継手
139の作用で自動的に両軸36,38を連結し、一体
に回転させることにより、排気エネルギを有効に利用し
た過給を行うことができる。
【0105】ここで、上記磁気継手139は、電磁クラ
ッチや油圧クラッチと異なり電気や油圧の供給を要しな
いので、その切換の際にエンジン負荷を増大させること
がなく、また構造自体も簡略化できる。そして、補助駆
動の制御を行うだけで、これと連動して適当なタイミン
グでコンプレッサ側軸36とタービン側軸38との連結
及び切離しを行うことが可能となっている。
【0106】なお、上記永久磁石137,138は通常
の鉄鋼材料よりも比重が大きいため、切欠を設ける等し
て重量バランスをとる必要がある場合が多いが、この場
合、上記永久磁石137,138の軸方向の寸法が比較
的大きい時には、図9に示すようにコンプレッサ側及び
タービン側において継手両端部にそれぞれ切欠126,
124を形成すれば、これら切欠126,124を設け
ても軸方向のバランスを崩すことがない。
【0107】また、この装置では、コンプレッサ側軸3
6とタービン側軸38との切離し時、上述のように、コ
ンプレッサ側永久磁石137の例えばN極が、タービン
側永久磁石138のS極に吸引される状態とN極に反発
される状態とを交互に繰り返すため、これに起因してト
ルク変動が生じることになるが、図8に示すように永久
磁石137,138の極数を4以上にすれば、通常運転
時での上記トルク変動の周波数を高くしてこの周波数と
系の固有振動数とが合致する(すなわち共振する)のを
未然に回避することができる。
【0108】なお、このような磁気継手139に起因す
るトルク変動に加え、油圧タービン43で補助駆動する
場合にはこの油圧タービン43に起因するトルク変動も
発生する。すなわち、油圧タービン43の回転中に作動
油を噴射すると、図10(a)のように油圧タービン4
3の羽根43aの中央部に噴射油が当たる状態と、同図
(b)のように油圧タービン43の羽根43bの縁に噴
射油が当たる状態とが瞬時に交互に切換わるため、これ
に起因してもトルク変動が発生する。このようなトルク
変動の周期と、上記磁気継手139に起因するトルク変
動の周期とが同じであると、両変動の山同士及び谷同士
が重なって変動が増幅されるおそれがある。
【0109】この場合、図11(a)に示すようにコン
プレッサ側永久磁石137における各磁極の中心角を不
規則に設定したり、同図(b)に示すように油圧タービ
ン43の羽根43a同士の離間角度を不規則に設定した
りすることにより、上記トルク変動の同調を防ぐことが
できる。また、磁気継手139の磁極数及び油圧タービ
ン43における羽根43aの枚数を、互いに1以外の公
約数をもたない数に設定する(例えば磁気継手139の
磁極数が6の場合には油圧タービン43の羽根数を7,
11,13,17等に設定する)ことにより、上記両ト
ルク変動の同調を避けることが可能である。
【0110】また、上記実施例の場合、作動油がほぼ充
満するターボチャージャーハウジングの内部に磁気継手
139が設けられているため、上記作動油内に鉄粉等の
磁性粉体が混入していると、この磁性粉体が永久磁石1
37,138間の磁界を乱し、高速運転時での磁気継手
139のトルク伝達性能に悪影響を与えるおそれがある
が、この場合、図12(a)に示すように、上記コンプ
レッサ側軸36に鍔部36bを形成し、この鍔部36b
の外周にリング状のシール部材128を取付けてこのシ
ール部材128を円筒部38aの内周面に接触させるこ
とにより、磁気継手139の内部を密封して鉄粉の侵入
を防ぐようにすれば、永久磁石137,138間に形成
される磁界を良好に保つことが可能である。また、同図
(b)に示すように、上記作動油供給ポート62に接続
される油圧配管61の途中にプラグ140等を装着し、
このプラグ140等に固定した永久磁石142を油圧配
管61内に臨ませて、上記油圧配管61内を流れる供給
作動油内の鉄粉を上記永久磁石142による吸引で予め
除去しておくことも有効である。
【0111】次に、第4実施例を図13及び図14に基
づいて説明する。
【0112】この実施例では、上記コンプレッサ側軸3
6の端部に円筒部36aが形成され、この円筒部36a
の先端に円筒状のコンプレッサ側永久磁石137が固定
される一方、タービン側軸38の端部であって上記コン
プレッサ側永久磁石137の内側に位置する部分の周囲
に円筒状のタービン側永久磁石138が固定されてい
る。そして、コンプレッサ側永久磁石137の周囲に、
補助駆動手段である電動機136の固定子134が配設
されており、コンプレッサ側永久磁石137が当該電動
機136の回転子として兼用されている。
【0113】このような装置によれば、両軸36,38
が静止した状態では、コンプレッサ側永久磁石137の
N極及びS極とタービン側永久磁石138のS極及びN
極との間の吸引力により、両軸36,38が一体に連結
される。この状態から固定子134が通電され、電動機
136が作動すると、コンプレッサ側永久磁石137に
駆動トルクが与えられ、コンプレッサ側永久磁石137
がタービン側永久磁石138から切り離されて、コンプ
レッサ側軸36及びコンプレッサ26のみが電動機13
6によって補助駆動され始める。
【0114】このような装置によれば、磁気継手139
のコンプレッサ側永久磁石137を電動機136の回転
子として兼用することにより、装置全体の小型化及び軽
量化をさらに進めることが可能である。
【0115】次に、第5実施例を図15に基づいて説明
する。
【0116】この実施例では、タービン側軸38の端部
に上記円筒部36aと同様の円筒部38aが設けられ、
その端部に円筒状のタービン側永久磁石138が固定さ
れる一方、コンプレッサ側軸36の端部に、上記タービ
ン側永久磁石138よりも軸方向寸法の大きなコンプレ
ッサ側永久磁石137が固定され、このコンプレッサ側
永久磁石137の約半分のみがタービン側永久磁石13
8の内側に挿入された状態となっている。そして、残り
の半分の外側に電動機136の固定子134が配され、
よってこの実施例でも上記コンプレッサ側永久磁石13
7が電動機136の回転子として共用された状態となっ
ている。
【0117】このような構造によれば、前記第3実施例
と同様に、コンプレッサ側永久磁石137をタービン側
永久磁石138の内側に配しながらコンプレッサ側永久
磁石137を電動機136の固定子として兼用すること
ができ、コンプレッサ側の慣性モーメントをより小さく
することが可能になる。また、補助駆動開始時におい
て、固定子134のコイルにより永久磁石137,13
8間の磁界を意図的に乱すことにより、両永久磁石13
7,138を切り離すために必要なトルクを低減させて
電動機136の負荷を軽減することが可能である。
【0118】なお、両永久磁石137,138の配置は
上記のようなものに限らず、例えば第6実施例として図
16及び図17に示すように、コンプレッサ側永久磁石
137とタービン側永久磁石138とを軸方向に対向さ
せるようにしてもよい。この場合も、図16に示すよう
に上記固定子134のコイル135をタービン側永久磁
石138側に導出してこのコイル135により永久磁石
137,138間の磁界を意図的に乱すことにより、両
永久磁石137,138を切り離すために必要なトルク
を低減させて電動機136の負荷を軽減することが可能
である。ただし、この場合は、各部品の軸方向の寸法誤
差や組立て誤差の積算によって両永久磁石137,13
8間の隙間寸法を正確に得ることが難しいのに対し、前
記第3実施例〜第5実施例に示すように両永久磁石13
7,138を径方向に対向させることにより、両軸3
6,38の芯出し作業だけで両永久磁石137,138
間の隙間寸法を比較的容易に精度良く確保することがで
きる利点が生じる。
【0119】この磁気継手139では、必ずしもコンプ
レッサ側軸36とタービン側軸38との双方に永久磁石
を設ける必要はなく、例えば第7実施例として図18及
び図19に示すように、前記第6実施例で示したタービ
ン側軸38の円筒部38aを鋼などの磁性体で構成して
その内周面にコンプレッサ側永久磁石137の磁極数と
同数の軸方向の溝38bを形成し、これら溝38b同士
の間に形成された突出部38cの内周面を直接上記コン
プレッサ側永久磁石137の外周面に対向させるように
してもよい。この場合も、コンプレッサ側永久磁石13
7による磁力で各突出部38cが相互独立して磁化され
ることにより、これらコンプレッサ側永久磁石137と
円筒部38aとの間に吸引力が発生することとなる。
【0120】次に、第8実施例を図20に基づいて説明
する。
【0121】上記永久磁石は、通常の鉄鋼材料と比べて
脆性が高く、よって、例えば第3実施例〜第5実施例に
おいてコンプレッサ側軸36が高速回転すると、その遠
心力でコンプレッサ側永久磁石137に大きな引張応力
が作用して同磁石137が破壊するおそれがある。
【0122】そこでこの実施例では、上記コンプレッサ
側永久磁石137の外側に、鋼等の磁性体からなる筒状
の磁性体カバー144を嵌め、この磁性体カバー144
によって上記コンプレッサ側永久磁石137の径方向外
側への変形を規制している。このような構造によれば、
上記磁性体カバー144による補強でコンプレッサ側永
久磁石137の脆性破壊を防ぐことができるとともに、
上記磁性体カバー144を通して両永久磁石137,1
38同士の磁気吸引力を確保することが可能である。
【0123】なお、タービン側永久磁石138がコンプ
レッサ側永久磁石137の内側にある場合には、このタ
ービン側永久磁石138の外側に上記磁性体カバー14
4を設ければよい。
【0124】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0125】請求項1記載の装置は、コンプレッサ側軸
とタービン側軸とを連結する連結保持力をもつクラッチ
手段を備え、上記コンプレッサ側軸の補助駆動時にはそ
の補助駆動力で上記クラッチ手段の連結保持力に抗して
コンプレッサ側軸とタービン側軸とが切り離されるよう
にしたものであるので、排気ガスエネルギが不十分な場
合、例えば運転領域が低速域である場合(請求項2)
や、高い応答性が要求される場合、例えばエンジンが加
速状態にある場合等には、コンプレッサ及びコンプレッ
サ側軸のみを補助駆動手段で駆動するだけの簡単な制御
で、この補助駆動開始に伴い上記コンプレッサ側軸をタ
ービン側軸から自動的に切り離してコンプレッサ側のみ
を補助駆動することができ、これによって発進加速性の
大幅な向上や低燃費化を図ることができる一方、上記連
結保持力で両軸が連結された状態では、通常のターボチ
ャージャーと同様に、タービンで排気ガスエネルギを回
収してこのエネルギでコンプレッサを駆動し、過給を行
うことができる。すなわち、コンプレッサ側軸とタービ
ン側軸との連結切換のために特別な制御手段を要さず、
簡単かつ低廉な構造で補助駆動制御及び軸連結切換制御
の双方を的確に行うことができる効果がある。
【0126】より具体的に、請求項3記載の装置では、
油圧ポンプからの作動油の圧送によって、補助駆動用タ
ービンの駆動を行うとともに、上記作動油の油圧によっ
て油圧クラッチにおけるコンプレッサ側軸とタービン側
軸との切離しを行うようにしているので、共通の作動油
を用いて、補助駆動用タービンの駆動と油圧クラッチに
よる軸切離しとをほぼ同時にかつ自動的に行うことがで
きる効果がある。
【0127】ここで、請求項4記載の装置では、ターボ
チャージャーハウジングに単一の作動油供給ポートを設
け、この作動油供給ポートに導入される作動油を上記補
助駆動用タービンと油圧クラッチとの双方に分配する分
配通路をハウジング内に形成しているので、上記ターボ
チャージャーに接続される油圧配管をより簡素化するこ
とができる効果がある。
【0128】また、請求項5記載の装置では、上記油圧
ポンプとしてパワーステアリング用ポンプを利用してい
るので、作動油供給用の油圧ポンプを特別に設ける必要
がない。しかも、通常はステアリングホイールが操作さ
れることのほとんどない(すなわちパワーステアリング
機能がほとんど使用されない)加速時に補助駆動用ター
ビンへの作動油供給を行うようにしているので、この作
動油供給を行っても車両のパワーステアリング性能を損
なうことがほとんどない。
【0129】請求項6記載の装置では、上記油圧クラッ
チにおいて、テーパー状内周面をもつ外側クラッチ部内
に、テーパー状外周面をもつ内側クラッチ部を同軸状態
で圧入し、両テーパー状面同士の圧接によりコンプレッ
サ側軸とタービン側軸とを連結しているので、両軸の連
結時に両軸間に軸心ずれが生じるのを確実に防ぐことが
できる。従って、この軸心ずれに起因する軸受の焼き付
きや各軸の破損等といった不都合を未然に防ぐことがで
きる効果がある。
【0130】ここで請求項7記載の装置では、上記コン
プレッサ側軸に内側クラッチ部、すなわち外側クラッチ
部よりも外径が小さくて慣性モーメントの小さいクラッ
チ部を設けているので、コンプレッサ側軸に外側クラッ
チ部を設ける場合よりもコンプレッサ側の慣性モーメン
トを小さくし、その必要駆動トルクをさらに低減するこ
とができる効果がある。
【0131】請求項8記載の装置では、上記油圧ポンプ
の駆動に特別の駆動源を用いず、エンジンの動力で駆動
できるとともに、このエンジンと油圧ポンプとの間のポ
ンプクラッチ手段の切換だけで、コンプレッサ側軸の駆
動状態の切換と、クラッチ手段によるコンプレッサ側軸
とタービン側軸との連結状態の切換との双方を行うこと
ができる効果がある。
【0132】請求項9記載の装置では、上記作動油の油
路と、コンプレッサ側軸及びタービン側軸の軸受の潤滑
油の油路とを互いに独立させているので、上記作動油と
潤滑油とが混合されず、両者に互いに異なる油を使用す
ることができる。従って、上記潤滑油には潤滑性の高い
エンジン油を使用しながら、作動油には上記潤滑油より
も粘性が小さくかつエンジンオイルのようにカーボン等
の不純物の混入の少ない例えばパワーステアリング油を
使用して潤滑性向上と性能及び信頼性の向上との両立を
図ることができる。
【0133】請求項10記載の装置では、上記油圧ポン
プから油圧クラッチに供給される作動油の油路を、ター
ビン側軸内とこのタービン側軸の外側に設けられたハウ
ジング内とにわたって設けているので、上記油路をコン
プレッサ側軸内とこのコンプレッサ側軸の外側に設けら
れたハウジングとにわたって設ける場合と異なり、上記
作動油がコンプレッサ側軸の補助回転駆動に悪影響を及
ぼすのを回避することができる効果がある。
【0134】請求項11記載の装置では、上記コンプレ
ッサ側軸とタービン側軸とのいずれか一方の軸に設けら
れた第1の磁性体と、他方の軸に設けられた第2の磁性
体とにより、上記クラッチ手段である磁気継手を構成し
たものであるので、コンプレッサ側軸の補助駆動開始時
には、その補助駆動トルクにより上記磁気吸引力に抗し
てコンプレッサ側軸をタービン側軸から自動的に切り離
す一方、排気エネルギの上昇でタービン回転数がコンプ
レッサ回転数とほぼ同等の回転数まで高まった時点では
上記磁気吸引力により再びコンプレッサ側軸とタービン
側軸とを自動的に連結することができる。すなわち、油
圧や電機等の駆動源を要することなく、補助駆動状態に
応じて的確にコンプレッサ側軸とタービン側軸との切離
し及び連結を行うことができる効果がある。
【0135】ここで、請求項12記載の装置では、第1
の磁性体を筒状とし、この第1の磁性体の内周面と、こ
の第1の磁性体の内側に挿入される第2の磁性体の外周
面とを対向させるようにしているので、両磁性体間の距
離すなわち径方向距離を、コンプレッサ側軸とタービン
側軸との芯出し作業だけで精度良く設定することがで
き、これによって、両磁性体間に発生する径方向の磁気
吸引力を正確に得ることができる効果がある。
【0136】さらに、請求項13記載の装置では、上記
筒状の第1の磁性体をタービン側軸に設け、この第1の
磁性体よりも慣性モーメントの小さい第2の磁性体をコ
ンプレッサ側軸に設けるようにしているので、コンプレ
ッサ側の慣性モーメントを低減させることにより、コン
プレッサ側軸の回転数をより少ない補助駆動力で迅速に
上昇させることができる効果がある。
【0137】また、請求項14記載の装置では、上記第
2の磁性体が永久磁石であるものにおいて、上記第2の
磁性体の外側に筒状の磁性体カバーを設けたものである
ので、この磁性体カバーにより、第2の磁性体が遠心力
で径方向外側に変形するのを規制することにより、第2
の磁性体の破壊を未然に防ぐことができるとともに、上
記磁性体カバーを通して両磁性体間の磁気吸引力を確保
することができる効果がある。
【0138】請求項15記載の装置では、第1の磁性体
及び第2の磁性体の双方を永久磁石とすることにより、
両磁性体間に発生する磁気吸引力をさらに高めることが
できる。これに対して、請求項16記載の装置では、両
磁性体のうち一方を比較的安価な鋼で構成することによ
り、コストをより削減することができる。
【0139】請求項17記載の装置では、上記永久磁石
にN極及びS極を計4極以上設けているので、通常運転
時において、両磁性体が相対回転するときの磁気吸引力
の変動に起因するトルク変動の周波数を高くし、この周
波数が系の固有振動数と合致する、すなわち共振するこ
とを未然に回避することができる効果がある。
【0140】また、請求項18記載の装置では、補助駆
動用タービンの羽根数と上記永久磁石の極数とを互いに
1以上の公約数をもたない数にそれぞれ設定しているた
め、上記磁気継手に起因するトルク変動と、タービン駆
動に起因するトルク変動とが同調して総合トルク変動が
増幅されるのを確実に避けることができる効果がある。
【0141】請求項19記載の装置では、上記永久磁石
を、補助駆動手段である電動機の回転子として共用して
いるため、装置の小型化及び軽量化を図りながら、補助
駆動と軸連結切換の双方を実現することができる効果が
ある。
【0142】請求項20記載の装置では、上記コンプレ
ッサ側軸及びタービン側軸の双方を共通の軸受ハウジン
グに支持しているので、両軸の軸心ずれをより確実に防
ぐことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるターボチャージャ
ーの全体断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】上記ターボチャージャーを備えたエンジンの全
体構成図である。
【図4】上記エンジンに設けられたECUの制御動作を
示すフローチャートである。
【図5】従来のエンジン及び上記実施例のエンジンにお
けるエンジン負荷の時間変化を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例におけるターボチャージャ
ーの全体断面図である。
【図7】本発明の第3実施例におけるターボチャージャ
ーの要部を示す断面側面図である。
【図8】上記ターボチャージャーに設けられる磁気継手
の断面正面図である。
【図9】上記磁気継手への切欠形成個所の一例を示す断
面側面図である。
【図10】(a)は上記ターボチャージャーにおいて油
圧タービンの羽根の中央部に噴射油が当たる状態を示す
断面図、(b)は上記羽根の縁に噴射油が当たる状態を
示す断面図である。
【図11】(a)は上記磁気継手の永久磁石における各
磁極の配置の変形例を示す正面図、(b)は上記油圧タ
ービンの羽根の配置の変形例を示す正面図である。
【図12】(a)は上記磁気継手にシール構造を設けた
例を示す一部断面側面図、(b)は上記ターボチャージ
ャーに接続される油圧配管の途中に鉄粉除去用の永久磁
石を設けた例を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図14】上記ターボ過給機の断面側面図である。
【図15】本発明の第5実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図16】本発明の第6実施例におけるターボ過給機の
要部を示す断面正面図である。
【図17】(a)は図16のA−A線断面図、(b)は
図16のB−B線断面図である。
【図18】図19のC−C線断面図である。
【図19】本発明の第7実施例におけるターボ過給機の
磁気継手を示す一部断面正面図である。
【図20】本発明の第8実施例におけるターボ過給機の
磁気継手を示す断面側面図である。
【符号の説明】
10 エンジン 14 共通吸気管 20 共通排気管 24 ターボチャージャー 26 コンプレッサ 28 タービン 36 コンプレッサ側軸 38 タービン側軸 40 軸受ハウジング 42 軸受 43 油圧タービン(補助駆動用タービン) 44 油圧クラッチ 58 スプリング(圧接手段) 62 作動油供給ポート 102 クランク軸(エンジン出力軸) 106 ポンプクラッチ(ポンプクラッチ手段) 108 油圧ポンプ 117 エンジン回転数センサ(速度検出手段) 120 ECU(過給制御手段) 134 固定子 136 電動機 137 コンプレッサ側永久磁石 138 タービン側永久磁石 139 磁気継手 144 磁性体カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 7/02 C 25/0632 H02K 49/00 A

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路内に設けられるコンプレッサと
    排気通路内に設けられるタービンとを連結するターボ回
    転軸がコンプレッサ側軸とタービン側軸とに切離し可能
    に構成されたターボチャージャーと、上記コンプレッサ
    側軸に補助駆動力を供給する補助駆動手段とを備えたエ
    ンジンの過給装置において、エンジンの運転状態に応じ
    て上記補助駆動手段による補助駆動を制御する過給制御
    手段と、上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを両者
    が一体に回転するように連結する連結保持力を有しかつ
    上記補助駆動手段による補助駆動開始時にはその補助駆
    動力を受けて上記コンプレッサ側軸とタービン側軸とを
    相対回転可能に切り離すクラッチ手段とを備えたことを
    特徴とするエンジンの過給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの過給装置にお
    いて、エンジンの運転速度を検出する速度検出手段を備
    え、この速度検出手段により検出される運転速度が一定
    以下の場合に上記補助駆動手段を作動させるように上記
    過給制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの過
    給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの過給
    装置において、上記補助駆動手段として、上記コンプレ
    ッサ側軸に設けられた補助駆動用タービンと、この補助
    駆動用タービンに作動油を圧送することにより同補助駆
    動用タービンを回転駆動する油圧ポンプとを備え、上記
    クラッチ手段として、油圧供給を受けない状態では上記
    コンプレッサ側軸とタービン側軸とを連結し、油圧供給
    を受けることにより上記コンプレッサ側軸とタービン側
    軸とを切り離す油圧クラッチを備えるとともに、上記補
    助駆動用タービンに圧送される作動油の一部を上記油圧
    クラッチに軸切離し用作動油として分配するように構成
    したことを特徴とするエンジンの過給装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記ターボチャージャーのハウジングに単一の作
    動油供給ポートを設け、この作動油供給ポートから供給
    される作動油を上記油圧タービンと上記油圧クラッチと
    に分配する油路を上記ハウジング内に形成したことを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載のエンジンの過給
    装置において、エンジンの加速状態を検出する加速検出
    手段を備え、この加速検出手段によりエンジンの加速が
    検出された場合に上記補助駆動手段を作動させるように
    上記過給制御手段を構成するとともに、上記油圧ポンプ
    としてパワーステアリング用ポンプを用いたことを特徴
    とするエンジンの過給装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記油圧クラッチとして、上記
    コンプレッサ側軸、タービン側軸のいずれか一方に設け
    られ、奥に向かうに従って開口径の小さくなるテーパー
    状内周面をもつ外側クラッチ部と、他方において上記外
    側クラッチ部と同軸の位置に設けられ、上記外側クラッ
    チ部の上記テーパー状内周面に内側から圧接可能な形状
    のテーパー状外周面をもつ内側クラッチ部と、上記テー
    パー状外周面と上記テーパー状内周面とを圧接させる圧
    接手段とを備えるとともに、上記補助駆動用タービンに
    作動油が圧送された場合にその油圧で上記圧接手段によ
    る上記テーパー状外周面と上記テーパー状内周面との圧
    接力が解除するように上記油圧クラッチを構成したこと
    を特徴とするエンジンの過給装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエンジンの過給装置にお
    いて、上記コンプレッサ側軸に上記内側クラッチ部を設
    け、上記タービン側軸に上記外側クラッチ部を設けたこ
    とを特徴とするエンジンの過給装置。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記油圧ポンプを、エンジンの
    動力により駆動されるように構成するとともに、この油
    圧ポンプの動力入力部と上記エンジンの動力出力部とを
    連結する状態と切り離す状態とに切換えられるポンプク
    ラッチ手段を備えたことを特徴とするエンジンの過給装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれかに記載のエンジ
    ンの過給装置において、上記油圧ポンプから圧送される
    作動油の油路と、上記コンプレッサ側軸及びタービン側
    軸を支持する軸受の潤滑油の油路とを互いに独立させた
    ことを特徴とするエンジンの過給装置。
  10. 【請求項10】 請求項3〜9のいずれかに記載のエン
    ジンの過給装置において、上記油圧ポンプから油圧クラ
    ッチに供給される作動油の油路を、上記タービン側軸内
    とこのタービン側軸の外側に設けられたハウジング内と
    にわたって設けたことを特徴とするエンジンの過給装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1または2記載のエンジンの過
    給装置において、上記クラッチ手段として、上記コンプ
    レッサ側軸とタービン側軸とのいずれか一方の軸に第1
    の磁性体が設けられ、他方の軸に第2の磁性体が設けら
    れ、第1の磁性体と第2の磁性体の少なくとも一方が永
    久磁石からなってその磁気吸引力により上記コンプレッ
    サ側軸とタービン側軸とを連結する磁気継手を備えたこ
    とを特徴とするエンジンの過給装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のエンジンの過給装置
    において、上記第1の磁性体をこの第1の磁性体の内側
    に上記第2の磁性体が軸方向に挿入可能な筒状に形成
    し、第1の磁性体の内周面と第2の磁性体の外周面とを
    対向させたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のエンジンの過給装置
    において、上記第1の磁性体をタービン側軸に設け、上
    記第2の磁性体をコンプレッサ側軸に設けたことを特徴
    とするエンジンの過給装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載のエンジン
    の過給装置において、少なくとも上記第2の磁性体を永
    久磁石とし、この第2の磁性体の外側に第2の磁性体の
    径方向外側への変形を規制する筒状の磁性体カバーを設
    けたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  15. 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の
    エンジンの過給装置において、上記第1の磁性体及び第
    2の磁性体の双方を永久磁石とし、連結状態において一
    方の磁性体におけるN極が必ず他方の磁性体におけるS
    極と対向するように両永久磁石の磁極を配したことを特
    徴とするエンジンの過給装置。
  16. 【請求項16】 請求項11〜14のいずれかに記載の
    エンジンの過給装置において、上記第1の磁性体、第2
    の磁性体のいずれか一方を永久磁石とし、他方を永久磁
    石以外の磁性材料で構成するとともに、この他方の磁性
    体の周面において一方の磁性体の磁極同士の境界部分に
    対応する位置に溝を形成したことを特徴とするエンジン
    の過給装置。
  17. 【請求項17】 請求項11〜16のいずれかに記載の
    エンジンの過給装置において、上記永久磁石に複数のN
    極及び複数のS極を交互に周方向に並べて配したことを
    特徴とするエンジンの過給装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のエンジンの過給装置
    において、上記補助駆動手段として、上記コンプレッサ
    側軸に設けられた補助駆動用タービンと、この補助駆動
    用タービンに作動油を圧送することにより同補助駆動用
    タービンを回転駆動する油圧ポンプとを備えるととも
    に、上記補助駆動用タービンの羽根数と上記永久磁石の
    極数とを互いに1以外の公約数をもたない数に設定した
    ことを特徴とするエンジンの過給装置。
  19. 【請求項19】 請求項11〜17のいずれかに記載の
    エンジンの過給装置において、上記補助駆動手段として
    電動機を備えるとともに、上記永久磁石を上記電動機の
    回転子として共用したことを特徴とするエンジンの過給
    装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかに記載のエ
    ンジンの過給装置において、上記コンプレッサ側軸及び
    タービン側軸をそれぞれ軸受を介して共通の軸受ハウジ
    ングに回転可能に支持したことを特徴とするエンジンの
    過給装置。
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