JPH07269351A - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃焼制御装置

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Publication number
JPH07269351A
JPH07269351A JP6085376A JP8537694A JPH07269351A JP H07269351 A JPH07269351 A JP H07269351A JP 6085376 A JP6085376 A JP 6085376A JP 8537694 A JP8537694 A JP 8537694A JP H07269351 A JPH07269351 A JP H07269351A
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JP
Japan
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chamber
sub
combustion chamber
ignition
combustion
Prior art date
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Pending
Application number
JP6085376A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Terashita
敏幸 寺下
Hidetoshi Kudo
秀俊 工藤
Muneyuki Oota
統之 太田
Hiroyuki Yamamoto
博之 山本
Yoshiaki Nakayama
佳映 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP6085376A priority Critical patent/JPH07269351A/ja
Publication of JPH07269351A publication Critical patent/JPH07269351A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F2001/241Cylinder heads specially adapted to pent roof shape of the combustion chamber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【目的】HC低減、NOx低減とを行なう。 【構成】燃焼室1の外周縁部には、燃焼室直径方向一端
部側において点火プラグ10が配設されると共に、他端
部側においての点火プラグを有しない副室11が配設さ
れる。燃焼室1と副室11とを連通する2つの噴孔11
a、11bは、燃焼室周方向互いに逆むきで、かつ燃焼
室1の略接線方向に指向されている。点火プラグ10で
の着火が行なわれた後、副室11内で自己着火される。
自己着火が行なわれる副室11の容積を、エンジン負荷
に応じて変更することもできる。この場合、高負荷時に
は副室1の容積が大きくされ、低負荷時には副室11の
容積が小さくされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス中のHCやN
Oxを大幅に低減し得るようにしたエンジンの燃焼制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン、特に自動車用エンジンとして
一般的な火花点火式エンジンにおいては、排気ガス中の
有害成分が問題となる。この有害成分のうち、HCは、
壁面冷却されやすい燃焼室外周縁部で生じやすいものと
なる。
【0003】実開昭55−6484号公報には、1つの
点火プラグ(点火ギャップ)と点火プラグを有しない2
つの副室とを、燃焼室中心部分に集中させて、かつ燃焼
室直径方向に隔置して設け、しかも、副室と燃焼室とを
連通する噴孔を燃焼室外周縁部のうち冷却されやすいク
エンチゾ−ンに指向させたものが開示されている。この
ものによれば、点火プラグによる着火がおこなわれた
後、副室内で自己着火されて、この自己着火された火炎
が、噴孔よりクエンチゾ−ンにむけて噴出されることに
なる。また、副室の自己着火を利用した他の技術として
は、特開昭62−233416号公報に記載のものがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
55−6484号公報に記載された技術では、副室の噴
孔から噴出される火炎が、燃焼室略中心部から燃焼室外
周縁部に向うというように、燃焼室外周縁部のうち特定
の一部の領域しか指向しないので、HCを大幅に削減す
るまでにはいたらないものとなる。
【0005】また、特開昭62−233416号公報に
記載のものは、ディ−ゼルエンジンにおいて、副室から
の噴流を利用して後期燃焼を促進するためのものであ
り、積極的にHC削減を意図したものではない。とりわ
け、また副室から噴出される火炎は、燃焼室の中心部に
向うように指向されるもので、燃焼室外周縁部で生じや
すいHC削減というものは何ら意図されていないものと
いえる。
【0006】さらに、排気ガス中のNOxを低減するこ
とも望まれているが、HC低減に好ましい燃焼態様は高
温燃焼であるのに対して、NOx低減に好ましい燃焼態
様は低温燃焼というように相反する燃焼態様となる。こ
のため、HCおよびNOxの両方を共に十分に低減する
ような燃焼を行なうことはむずかしく、実情は、排気経
路に設けた触媒(三元触媒)によって後処理を行なうこ
とによってHC、NOxを低減している。
【0007】本発明の目的は、HCおよびNOxを共に
十分に低減しできるようにしたエンジンの燃焼制御装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明はその第1の構成として次のようにしてあ
る。すなわち、燃焼室に配設された点火プラグにより、
燃焼室に供給された混合気の着火を行うようにした火花
点火式のエンジンにおいて、燃焼室外周縁部に点火プラ
グが配設され、前記点火プラグの着火により生じる火炎
のエンドゾ−ン付近に、点火プラグを有しない副室が構
成され、前記副室は、前記エンドゾ−ンに向けて指向さ
れた噴孔を介して燃焼室と連通され、前記点火プラグに
よる混合気の着火後に、前記副室内で自己着火が行なわ
れるように設定されている、ような構成としてある。上
記構成を前提とした本発明の好ましい態様は、特許請求
の範囲における請求項4および請求項5に記載のとおり
である。
【0009】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の構成として次のようにしてある。すなわち、燃焼室
に配設された点火プラグにより、燃焼室に供給された混
合気の着火を行うようにした火花点火式のエンジンにお
いて、点火プラグから離れた位置でかつ燃焼室外周縁部
に、点火プラグを有しない副室が構成され、前記副室
が、燃焼室の略接線方向に指向された噴孔を介して燃焼
室と連通され、前記点火プラグによる混合気の着火後
に、前記副室内で自己着火が行なわれるように設定さ
れ、前記副室が、高負荷時に大容積、低負荷時に小容積
となるように容積可変式とされている、ような構成とし
てある。上記構成を前提とした本発明の好ましい態様
は、特許請求の範囲における請求項3以下に記載のとお
りである。
【0010】
【発明の効果】請求項1に記載された本発明によれば、
点火プラグで着火された火炎つまり主火炎は、冷たい燃
焼室外周縁部から成長されていき、かつ主火炎の成長方
向も360度方向よりも十分小さい角度範囲とされた限
定された方向となるので主火炎面積の急激な増大が抑制
され、この結果燃焼初期の燃焼割合つまり最大発熱量が
小さくされて、燃焼初期に生じやすいNOxを低減する
上で好ましいものとなる。また、上記主火炎が燃焼室外
周縁部から成長されると共に、この主火炎の影響を受け
て自己着火される副室から噴孔を通して噴出される火炎
つまり副火炎は主火炎のエンドゾ−ンに向かって成長さ
れるので、エンドゾ−ンで生じやすいHCを大幅に低減
することができる。
【0011】また、燃焼場に、点火プラグの着火により
生じた火炎と副室からの火炎とによって大きな撹乱作用
が生じ、これによるラジカルな反応によって、火炎中の
気相クエンチによるHCが十分に酸化されると共にNO
xが還元され、HCがより効果的に低減されるばかりで
なくNOxも低減されることになる。
【0012】さらに、燃焼室外周縁部における燃焼が、
主火炎および副火炎を利用して比較的早期のうちに十分
におこなわれるので、HC低減ばかりでなく、ノッキン
グの原因となる燃焼室外周縁部での異常燃焼発生つまり
ノッキングが防止され(ノッキング限界向上)、エンジ
ンの出力向上の上でも好ましいものとなる。これに加え
て、燃焼後期の燃焼も、副室からの副火炎を利用して早
期に行なわれるので、燃焼室中心に点火プラグのみを設
けた一般のエンジンに比して点火時期を十分に遅角させ
ることができ、NOx低減やノッキング防止の点でさら
に有利となる。
【0013】勿論、副室には点火プラグを設けないで、
副室内での自己着火を利用するので、副室に点火プラグ
を設ける場合に比して構成も簡単になる。
【0014】請求項2に記載された発明によれば、副室
での自己着火により生じた火炎つまり副火炎が、燃焼室
周方向に成長するので、基本的にHCを低減することが
できる。また、副室での自己着火は、副室の容積が大き
いほど遅くなるが、発熱量が小さくてNOxがさほど問
題とならない低負荷時には副室の容積が小さくされて自
己着火時期が早められて、HC低減の上でより好ましい
ものとなる。
【0015】逆に、発熱量が大きくてNOxが問題とな
る高負荷時には、副室の容積が大きくされることによ
り、実圧縮比が低下されて火炎温度が低下することによ
りかつ混合気の多くが副室へ流入して初期燃焼割合が低
減されることによりNOxが大幅に低減され、しかも未
燃HCのクレビスへの侵入も防止されてHC低減の上で
も好ましいものとなる。これに加えて、副室での自己着
火時期が遅められることにより、燃焼後期での燃焼速度
を十分確保することができるので、燃焼室中心にのみ点
火プラグを設けた一般のエンジンに比して点火時期を遅
角することができ、この分NOx低減やノッキング防止
の上でさらに有利となる。
【0016】勿論、請求項1に記載された発明と同様
に、点火プラグの着火により生じた主火炎と副室からの
副火炎とによって大きな撹乱作用を利用したラジカルな
反応によって、HCおよびNOxが低減されることにな
る。また、副室に点火プラグを設けないので、構成も簡
単になる。
【0017】請求項3に記載したような構成とすること
により、エンジン負荷に応じた副室の圧力と付勢手段の
付勢力とのバランス関係を利用して、エンジン負荷に応
じて自動的にかつ簡単に副室の容積を所望の大きさにす
ることができる。
【0018】請求項4に記載したような構成とすること
により、点火プラグおよび副室の数を必要最少限としつ
つ、請求項1あるいは請求項2に対応した効果を得るこ
とができる。
【0019】請求項5に記載したような構成とすること
により、自動車用エンジンとして一般的なペントル−フ
型燃焼室を有するエンジンにおいて、請求項4に対応し
た効果を得ることができる。この場合、吸気ポ−トや排
気ポ−トは、2つの傾斜面に分散して開口されるので、
この吸気ポ−トや排気ポ−トとの干渉を避けつつ点火プ
ラグや副室を余裕をもって燃焼室に配設することができ
る。
【0020】請求項6に記載したような構成とすること
により、一般のエンジンと同様に燃焼室の略中心に点火
プラグを配設しつつ、副室からの副火炎で燃焼室外周縁
部を広い範囲に渡って被覆することが可能となって、請
求項2に対応した効果特にHC低減を十分に得ることが
できる。請求項7に記載したような構成とすることによ
り、副室の数を極力少なくしつつ、請求項6に対応した
効果を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。図1、図2の説明 図1、図2は本発明の一実施例を示すもので、1は火花
点火式とされた往復動型エンジンの燃焼室であり、既知
のようにシリンダヘッドSHに形成されている。燃焼室
1は、2つの傾斜面1a、1bを有するペントル−フ型
とされて、傾斜面1aと1bとが交差する稜線が符合α
で示される。そして、稜線αは、図示を略すクランク軸
と平行に伸びている。
【0022】一方の傾斜面1aには、稜線α方向に間隔
をあけて2つの吸気ポ−ト2、3が開口されている。ま
た、他方の傾斜面1bには、稜線α方向に間隔をあけて
2つの排気ポ−ト4、5が開口されている。各吸気ポ−
ト2、3は、シリンダヘッドSHの一方の側面(図1上
方)に開口され、各排気ポ−ト4、5はシリンダヘッド
SHの他方の側面に開口されて、シリンダヘッドSHの
一方の側面から吸気が導入されて、シリンダヘッドSH
の他方の側面から排気されるいわゆるクロスフロ−型と
されている。勿論、それぞれ図示は略すが、各吸気ポ−
ト2、3、各排気ポ−ト4、5は、クランク軸の回転と
同期して、傘弁式の吸気弁あるいは排気弁により周知の
タイミングで開閉される。
【0023】燃焼室1の外周縁部には、燃焼室直径方向
に隔置して1つの点火プラグ10と1つの副室11とが
配設されている。より具体的には、稜線α上において、
その一端部において点火プラグ10が配設され、他端部
において副室10が配設されている。副室11の容積
は、燃焼室1の容積に比して十分小さなものとされてい
る。このように、副室10は、点火プラグ10の着火に
より生じる火炎つまり主火炎のエンドゾ−ン(火炎伝幡
方向終端部の領域)に位置されている。すなわち、図1
において、点火プラグ10の着火により燃焼された既燃
部分が斜線を施した符号K1で示され、この主火炎の予
反応帯(ラジカル領域)が符号K2で示されていて、主
火炎は図1中一点鎖線で示すように、点火プラグ10を
ほぼ中心とした略円弧状に成長されていく。
【0024】副室11は、2つの噴孔11a、11bを
有する。この2つの噴孔11a、11bは、副室11と
燃焼室1とを連通していて、噴孔11aと11bとは、
燃焼室周方向において互いに逆向きでかつそれぞれ燃焼
室1の略接線方向に指向されている。このように、噴孔
11a、11bの指向方向は、前記主火炎のエンドゾ−
ンとされている。
【0025】前記副室11および噴孔11a、11b
は、後述するように、副室構成部材を利用して構成され
ている。この、副室構成部材は、シリンダヘッドSHと
は別体に形成されて、点火プラグ10と同様に、燃焼室
1の上方から、シリンダヘッドSHに着脱自在に取付け
られるようになっている。このような、上方からの副室
構成部材の取付手法を採択することにより、その整備性
の点で好ましいものとなる。
【0026】以上のような構成において、点火プラグ1
0により、燃焼室1内に供給された混合気が着火され
る。点火プラグ10の着火により生じた火炎つまり主火
炎は、点火プラグ10を中心にして副室11側へ向けて
略円弧状にひろがっていく。
【0027】主火炎の火炎伝播によって、燃焼室1内の
圧力は上昇するが、副室11内の圧力は、噴孔11a、
11bの絞り作用によって燃焼室1の圧力よりも小さい
ものとなる。このような燃焼室1と副室11との圧力差
によって、燃焼室1から副室11へ向う強い流れが生
じ、副室11内部の乱れエネルギが増大される。また、
主火炎の予反応帯(図1符合K2で示す)におけるラジ
カルを大量に含む高温の混合気が、副室11内部に流入
するため、当該副室11内部の混合気の温度は上昇し、
かつ活性化する。
【0028】以上のような過程を経て、副室11内部の
混合気が、自己着火される。自己着火された副室11内
の燃焼は、高乱流、高温、高活性化状態にあるので、非
常に早く、その圧力上昇率は、燃焼室1内での圧力上昇
率よりも高くなる。したがって、副室11からは、噴孔
11a、11bを通して、燃焼室1内へ噴炎火流となっ
て火炎が噴出される(副室11、12から噴出される火
炎を以下副火炎と称し、図1の符合K3で示される)。
【0029】副室11から噴出される副火炎は、燃焼室
外周縁部に沿って勢いよく成長するので、燃焼室外周縁
部で生じやすいHCが大幅に低減される。特に、副室1
1、内での自己着火は、主火炎での燃焼割合が小さい早
期におこなうことができる。
【0030】主火炎と副火炎とにより、燃焼室1内では
大きな撹乱作用が生じるが、このとき、各火炎中のラジ
カルを利用した酸化および還元反応、例えば次のような
反応が促進される。すなわち、NOxや主火炎中の気相
クエンチによるHCは、OHラジカルと次のように反応
する。 HC+ OHラジカル=H2 O+CO2 NOx+OHラジカル=H2 O+N2 このようにして、HCがさらに大幅に低減されるばかり
でなく、NOxも低減されることになる。
【0031】HCに着目すると、主火炎も、燃焼室外周
縁部から成長されるので、副火炎を利用したHC低減に
加えて、主火炎によるHC低減も十分行なわれることに
なる。
【0032】NOxに着目すると、主火炎は、燃焼室外
周縁部から成長されていくので、点火プラグを燃焼室中
心に設けた一般のエンジンに比して、燃焼初期での燃焼
割合(燃焼速度)が小さいもの、つまり燃焼初期での最
大熱発生率が小さいものとなり、この燃焼初期に生じや
すいNOxの生成そのものが低減されることになる。ま
た、副火炎を利用して燃焼後期での燃焼速度を大きくす
ることができるので、この分燃焼室中心に点火プラグを
設けた一般のエンジンに比して点火時期を遅角させるこ
と、つまり最大熱発生率を抑制することができ、NOx
を低減することができる。
【0033】ノッキングに着目してみると、比較的燃焼
早期のタイミングで燃焼室外周縁部で十分に燃焼がおこ
なわれるので、この燃焼室外周縁部での異常燃焼つまり
ノッキングも防止されることになる。しかも、前述した
ように燃焼後期での燃焼を早期に終了させることができ
るので、この分点火時期を遅角させることができ、ノッ
キング防止の点でより有利なものとなる。
【0034】図3、図4の説明 図3、図4は、本発明の他の実施例を示すものであり、
以下の説明では、特にことわらない限り、図1に、図2
に示すような点火プラグ10と副室11との配置を前提
としている。
【0035】先ず、図3は、副室11の容積とその自己
着火時期との関係を示しており、副室11の容積が大き
いほど、自己着火時期が遅くなることが理解される。図
4は、副室11を後述するように容積可変式として、エ
ンジン負荷に応じて副室11の容積つまり副室11での
自己着火時期を変更して、エンジン負荷に応じてより最
適にHCおよびNOxを低減するようにしたものであ
る。すなわち、エンジン負荷が大きくなるほど、副室1
1の容積を連続可変的に大きくするようにしたものであ
る。なお、エンジン負荷に応じた副室11の容積変更
は、段階的に行なうようにしてもよい。
【0036】エンジン負荷が小さい低負荷時には、NO
xの発生があまり問題とならない一方、HCの増大が問
題となる。このとき、上述のように、低負荷時には副室
11の容積が小さくされるので、副室11での自己着火
時期が早くなり、HCを十分低減する上で好ましいもの
となる。
【0037】一方、エンジン負荷が大きい高負荷時に
は、特にNOxが問題となる。このときは、副室11の
容積が大きくされて、副室11での自己着火時期が遅く
される。この副室11の容積が大きくされることによ
り、実圧縮比が低下されるために火炎温度が低下され
て、NOx低減の上で好ましいものとなり、またクレビ
スへのHC侵入も低減して、HC低減の上でも好ましい
ものとなる。また、副室11の容積が大きくなることに
より、副室11へ侵入される混合気量も多くなり、この
分初期燃焼速度が緩和されて、NOx低減の上で好まし
いものとなる。さらに、副室12での自己着火時期が遅
くなるので、後期燃焼が促進されるため、この分燃費を
犠牲にすることなく点火時期を遅角させることができ、
NOx低減の上でまたノッキング防止の点で好ましいも
のとなる。
【0038】図5の説明 図5は、容積可変式とされた副室11の一例を示すもの
である。この図5において、21は副室構成部材、32
はそのケ−シングである。ケ−シング32は、シリンダ
ヘッドSHに形成された取付孔33に挿入された状態
で、そのフランジ部32aをシリンダヘッドSHにボル
ト締めすることにより固定されている。そして、ケ−シ
ング32は、シリンダヘッドSHに固定された状態で
は、その先端部が燃焼室1内に突出される。
【0039】ケ−シング32内には、ピストン34が摺
動自在に嵌挿されて、このピストン34によってケ−シ
ング32の先端部内に副室11が画成されている。そし
て、ピストン34の変位位置によって、副室11の容積
が可変とされる。勿論、ケ−シング32には噴孔11
a、11bが形成されているが、この噴孔11a、11
bは、常時副室11と燃焼室1とを連通している。
【0040】ピストン34から伸びるピストンロッド3
4aが、シリンダヘッSH外部に延在されている。この
ピストンロッド34aつまりピストン34は、スプリン
グ35によって、副室11の容積を大きくする方向に常
時付勢されている。また、ピストンロッド34aの先端
には、回転式のカム36が当接されている。これによ
り、カム36の回転位置を変更することにより、副室1
1の容積が所望のものに変更される。勿論、副室11の
容積つまりカム36の回転位置は、前述したように、エ
ンジン負荷に応じたものとされる。なお、カム36の回
転駆動は、電磁式モ−タ、油圧式モ−タ等適宜のアクチ
ュエ−タを利用して行なえばよい。
【0041】図6の説明 図6は、容積可変式とされた副室11の他の例を示すも
のであり、図5に示す部材と同一構成要素には同一符号
を付してその重複した説明は省略する。本実施例では、
ケ−シング32内に嵌挿された副室11画成用のピスト
ンが、フリ−ピストン41として構成されている。そし
て、このフリ−ピストン41が、スプリング42によ
り、副室11の容積を小さくする方向に付勢されてい
る。なお、フリ−ピストン41が所定以上図中下方つま
り副室11の容積を小さくする方向に移動するのを規制
するために、ケ−シング32内面にストッパ(突起部)
を形成しておいてもよい。
【0042】エンジン負荷が小さいときは、混合気量が
小さくて燃焼圧力も小さいため、副室11の容積は小さ
いものとなる(例えば図6一点鎖線で示す位置)。ま
た、エンジン負荷が大きいときは、混合気量が多くて燃
焼圧力が大きくなるため、副室11の容積が大きくされ
る(例えば図6実線で示す位置)。このように、本実施
例では、別途アクチュエ−タを用いることなく、エンジ
ン負荷に応じて自動的に副室11の容積が所望の大きさ
に変更される。
【0043】図7の説明 図7は、容積可変式とされた副室11のさらに別の例を
示すものである。本実施例では、図5に示すピストン3
4を、油圧、例えばエンジンの潤滑油の圧力を利用して
駆動するようにしたものである。このため、ケ−シング
32内において、ピストンロッド34aの先端部に別途
受圧ピストン45を一体的に設けて、この受圧ピストン
45をケ−シング32内に形成した油室46に臨ませて
ある。これにより、油室46の圧力調整を行なうことに
よって、副室11の容積が変更される。
【0044】図8、図9の説明 図8、図9は、副室11を2段構成として、副室11か
らの副火炎の燃焼室1への噴出時期を2段階に分けて行
なうようにした場合を示す。すなわち、副室11での自
己着火時期を早めることはHC低減の上で好ましく、ま
た自己着火時期を遅めることはNOx低減の上で好まし
いものとなることから、副火炎の副室時期を2段階に分
けて行なうものである。
【0045】このため、ケ−シング32内には、噴孔1
1a、11b部分を通過し得るようなピストン形式の仕
切弁51を設けて、副室11を2つの副室11Aと11
Bとに画成し得るようにしてある。この仕切弁51のロ
ッド51aの先端部に受圧ピストン52を一体化してあ
る。この受圧ピストン52は、ケ−シング32内に形成
された2つの油室53、54を画成している。
【0046】いま、油室53に油圧を供給すると共に油
室54から油圧を排出することにより、仕切弁51は、
図8に示す位置となって、副室11Aのみが噴孔11
a、11bを介して燃焼室1と連通されて、当該副室1
1Aに混合気が供給される。この後、油室53の油圧を
排出すると共に油室54に油圧を供給することにより、
副室11Bのみが噴孔11a、11bを介して燃焼室1
と連通されて、当該副室11Bに混合気が供給される。
勿論、この混合気の副室11Aあるいは11Bへの供給
は、吸気行程から圧縮行程の適宜の時期に行なわれる。
【0047】図9の状態で、点火プラグ10による着火
が行なわれると、先ず副室11Bでの自己着火が生じ
て、副室11Bから燃焼室1へ副火炎が噴出される。こ
の後、所定タイミング遅れて図8の状態とすることによ
り、副室11Aと燃焼室1とを連通させることによっ
て、副室11Aで自己着火が生じ、副室11Aから燃焼
室1へ副火炎が噴出される。
【0048】図10の説明 図10は、エンジン負荷に応じて副室の容積を変更する
場合において、点火プラグと副室との別の配置例を示す
ものであり、図1に示すものと同一構成要素には同一符
号を付してその重複した説明は省略する。本実施例で
は、点火プラグ10を燃焼室1の略中心に配設する一
方、燃焼室外周縁部より具体的には稜線αの各端部にお
いて、それぞれ点火プラグを有しない副室11、12を
配設したものである。副室11用の噴孔11a、11b
は、互いに燃焼室周方向逆向きでそれぞれ燃焼室1の略
接線方向に指向されている。また、副室12の2つの噴
孔12a、12bも、燃焼室周方向に互いに逆向きでそ
れぞれ燃焼室1の略接線方向に指向されている。なお、
図10において、副室の数は、燃焼室周方向略等間隔に
3個以上設けてもよく、あるいは1つのみとしてもよ
い。
【0049】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)1つの副室に対して、噴孔を1つのみとしてもよく
あるいは3個以上としてもよい。 (2)燃焼室形状は、ペントル−フ型に限らず、半球形、
くさび形等適宜の形状であってもよい。 (3)副室は、シリンダヘッドと別体に形成された副室構
成部材を、シリンダヘッド鋳造時に鋳ぐるむことにより
構成することもできる。また、副室を、シリンダヘッド
SHの鋳造時に同時に形成することもできる。 (4)副室つまり副室構成部材は、燃焼室1の側方からシ
リンダヘッドSHに取付けるようにすることもできる。
この場合、副室構成部材は、シリンダヘッドSHとシリ
ンダブロックとの間に介在される保持部材に保持させた
状態として、当該シリンダヘッドSHとシリンダブロッ
クとの組付時に取付けることができる。 (4)副室の掃気を行なうようにしてもよい。この場合
は、副室を例えば図5、図7に示すように容積可変式と
して構成して、例えば排気行程中に副室の容積を強制的
に小さくして内部の残留ガスを排出し、その後例えば吸
気行程初期に副室の容積を大きい状態に戻しておけばよ
い。 (5)図1において、副室11を、燃焼室周方向に間隔を
あけて2個以上設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、シリンダヘッ
ドをその下面側から見たときの簡略平面図、
【図2】図1のX2−X2線断面図。
【図3】副室容積と副室の自己着火時期との関係を示す
図。
【図4】エンジン負荷に応じた副室容積の設定例を示す
図。
【図5】容積可変式とされた副室の構成例を示す断面
図。
【図6】容積可変式とされた副室の別の構成例を示す断
面図。
【図7】容積可変式とされた副室のさらに別の構成例を
示す断面図。
【図8】副室から2段階に分けて副火炎を噴出させる場
合の副室の構成例を示す断面図。
【図9】図8の状態から仕切弁が移動した状態を示す
図。
【図10】エンジン負荷に応じて副室容積を変更するも
のにおいて、点火プラグと副室との別の配設例を示すも
ので、図1に対応した図。
【符号の説明】
1:燃焼室 10:点火プラグ 11、12:副室 32:ケ−シング 34:ピストン 36:カム 41:フリ−ピストン 42:スプリング 45:受圧ピストン 46:油室 51:仕切弁 52:受圧ピストン 53、54:油室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 23/00 R P 23/08 B F02D 15/04 F F02P 13/00 301 A (72)発明者 山本 博之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 中山 佳映 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室に配設された点火プラグにより、燃
    焼室に供給された混合気の着火を行うようにした火花点
    火式のエンジンにおいて、 燃焼室外周縁部に点火プラグが配設され、 前記点火プラグの着火により生じる火炎のエンドゾ−ン
    付近に、点火プラグを有しない副室が構成され、 前記副室は、前記エンドゾ−ンに向けて指向された噴孔
    を介して燃焼室と連通され、 前記点火プラグによる混合気の着火後に、前記副室内で
    自己着火が行なわれるように設定されている、ことを特
    徴とするエンジンの燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】燃焼室に配設された点火プラグにより、燃
    焼室に供給された混合気の着火を行うようにした火花点
    火式のエンジンにおいて、 点火プラグから離れた位置でかつ燃焼室外周縁部に、点
    火プラグを有しない副室が構成され、 前記副室が、燃焼室の略接線方向に指向された噴孔を介
    して燃焼室と連通され、 前記点火プラグによる混合気の着火後に、前記副室内で
    自己着火が行なわれるように設定され、 前記副室が、高負荷時に大容積、低負荷時に小容積とな
    るように容積可変式とされている、ことを特徴とするエ
    ンジンの燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記副室がピストンにより画成されて、該ピストンの変
    位に応じて該副室の容積が可変とされ、 前記ピストンを前記副室の容積が小さくなる方向に付勢
    する付勢手段が設けられて、該副室内の圧力に応じて前
    記ピストンの位置が可変とされるもの。
  4. 【請求項4】請求項1項または請求項2において、 燃焼室外周縁部のうち、燃焼室の直径方向一端部側に1
    つの点火プラグが配設されると共に、他端部側に1つの
    副室が配設され、 前記噴孔が、それぞれ燃焼室の略接線方向に指向すると
    共に互いに燃焼室の周方向逆向きとされた少なくとも2
    個設けられているもの。
  5. 【請求項5】請求項4において、 燃焼室形状が、2つの傾斜面を有するペントル−フ型と
    され、 前記2つの傾斜面が交差する稜線の一端部側に点火プラ
    グが配設されると共に他端部側に副室が配設されている
    もの。
  6. 【請求項6】請求項2において、 点火プラグが燃焼室の略中心に1つ設けられ、 燃焼室外周縁部に、燃焼室周方向に略等間隔に前記副室
    が複数設けられているもの。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記噴孔が、1つの副室についてそれぞれ、燃焼室周方
    向に互いに逆向きとれた少なくとも2個設けられている
    もの。
JP6085376A 1994-03-31 1994-03-31 エンジンの燃焼制御装置 Pending JPH07269351A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011214532A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd 副室付き内燃機関

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JP2011214532A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Honda Motor Co Ltd 副室付き内燃機関

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