JPH07268416A - 高炉の操業方法 - Google Patents

高炉の操業方法

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JPH07268416A
JPH07268416A JP8378394A JP8378394A JPH07268416A JP H07268416 A JPH07268416 A JP H07268416A JP 8378394 A JP8378394 A JP 8378394A JP 8378394 A JP8378394 A JP 8378394A JP H07268416 A JPH07268416 A JP H07268416A
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JP
Japan
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tuyere
furnace
core
furnace core
powder
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Application number
JP8378394A
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English (en)
Inventor
Morimasa Ichida
守政 一田
Kazuya Kunitomo
和也 国友
Kazuyoshi Yamaguchi
一良 山口
Kiyoaki Nishio
清明 西尾
Hisaaki Kamiyama
久朗 神山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、炉芯に変調の徴候があれば定期的
な予定休風時の立ち上げ時に炉芯部を定常状態に復元す
る。 【構成】 高炉の予定休風時に羽口からプローブを炉芯
部へ挿入し、充填物をサンプリング後にプローブを引抜
き、プローブ内にサンプリングされた充填物から粉率を
測定し、当該粉率が20%以上の羽口が2ヶ所以上の場
合、又は、操業時に羽口を介して炉芯ゾンデを炉内に挿
入し、ゾンデ内にサンプリングされた充填物から炉芯内
の粉率を半径方向に測定し、該粉率が20%以上の場合
に、休風後の送風立ち上げ時に羽口から供給される10
00〜1300℃の送風とともに、送風量1Nm3 あた
り20〜60gの水蒸気を、羽口から当該測定時に形成
した通気孔を経て炉芯部へ吹込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予定休風時又は操業時
に炉芯部状態を測定し、変調の徴候があれば定期的な予
定休風時の立ち上げ時に炉芯部を定常状態に復元する高
炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄用高炉は大量の銑鉄を生産でき、し
かも熱効率が90%と高い。このため現在でも銑鉄製造
の主流を維持している。しかし、高炉は巨大な向流移動
層であるために、生産性、生産弾力性等に問題があり、
安定した生産量・溶銑品質の確保のためにより一層の制
御性の向上が望まれている。しかし今後は鉄源競争力強
化の観点から、粉化しやすい安価原燃料多量使用操業や
低コークス比(コークス比300kg/t以下)・高O
/C(O/C5以上)の高微粉炭操業への移行が予想さ
れている。上記の操業下では、炉芯部の通気性・通液性
の確保が困難になりやすい。このような条件下において
も、安定操業ができる制御技術の確立が望まれている。
【0003】上記炉芯部の通気性・通液性の確保が困難
になりやすい状態になった場合の従来の炉況回復制御方
法としては、たとえば特開昭63−210208号公報
で開示されているように、高炉内ゾンデを挿入し、検知
された情報から炉芯の活性度を判断し、その値が管理基
準を越えた場合に装入物分布、コークス比、炉熱アクシ
ョン等を変更する方法、すなわち、送風温度や燃料比を
上げて操業する方法が一般的な方法として知られてい
る。また、上記した炉芯部の通気性回復方法とはその目
的が異なるが、炉芯部の偏りを修正する方法として、高
炉羽口から微粉炭、コークス粉、フェロシリコン粉等の
発熱性粉体を吹込み、そのレースウェイに面した炉芯部
を溶解する方法が特開昭60−43410号公報で開示
されている。
【0004】また、特開平3−260004号公報に
は、高炉炉況悪化時、長期休風実施時において、送風開
始前に高炉羽口より加熱掘削ランスを挿入して炉芯に通
気孔を開孔し、この通気孔から炉芯内に熱風を導入する
炉芯加熱方法が提案されている。また、Ironmak
ing Proceedings of AIME,4
2(1983),p.357には、送風中の水蒸気添加
量の増加によりレースウェイ近傍の粉率を抑制できると
の報告がされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高炉内の装入物は数時
間で炉内を通過するのに対して、炉芯部の塊コークスは
数日から2〜3週間を要して入れ替わるものと推定され
ている。炉芯部に高温の炉内ガスが十分流れている間は
炉芯部が活性状態にあるので問題はないが、前記したよ
うに炉芯部内コークス粉率上昇などで炉芯部の通気性が
悪化してガスが流れ込まなくなったり、炉芯内への未溶
融融着層の積層などが起こると、炉芯部が冷え込むこと
になる。上記炉芯部の通気性・通液性が悪化する要因は
炉芯部のある特定領域のコークス粒度が異常に小さくな
ったり、コークス中の灰分が滞留したり、さらには羽口
部から吹き込んだ微粉炭から発生する未燃チャーとか灰
分あるいは未溶融融着層が炉芯表層部に堆積した状態に
なっていることが予想される。
【0006】上記のような状態において、上記特開昭6
3−210208号公報とか特開昭60−43410号
公報の方法を採用し、送風温度を高めたりあるいは発熱
性粉体を吹き込むと炉芯表層部は高温を維持できるもの
の炉芯部に熱風が安定的に供給できない限り炉芯部温度
は上昇せず、炉芯部が入れ替わって炉況が回復するのに
長時間かかるという問題がある。この不活性状態の炉芯
部を上記外部加熱法により短時間に定常状態の通気性・
通液性に回復させる上記特開平3−260004号公報
を実施する場合、炉芯部の温度は一時的に上昇するが、
炉芯内の粉が除去されない限り炉芯部に熱風が安定的に
供給できる保証がなく、炉芯部が入れ替わって炉況が回
復するのに長時間かかるという問題がある。
【0007】羽口から吹き込まれる送風中への水蒸気添
加量の増加により、羽口前で発生する粉コークスを水蒸
気との反応で消滅させる上記文献の知見を実施する場
合、たしかに羽口前で発生する粉コークスの抑制には有
効ではあるが、羽口から2m以上奥の炉芯部の粉率を低
下させるには、炉芯部に到達する水蒸気が少ないために
難しいと考えられる。
【0008】よく知られているように、高炉設備は、た
とえば30日毎とか45日毎に定期的な予定休風を実行
している。この定期的な予定休風は高炉本体および付帯
設備の整備あるいは生産調整のために十数時間ないし2
4時間程度の休風を行なうものである。この予定休風の
整備作業としては、たとえば装入装置、炉本体、羽口部
のメンテナンス、マットガン、開孔機等の周辺機器のメ
ンテナンスおよび集塵機、熱風炉等の付帯設備等のメン
テナンス等があり、これらの整備作業は計画的に実行さ
れ、休風時間を最小にして生産効率を高めることが望ま
れている。
【0009】一方、上記した炉芯部の変調は急激に発生
するものではなく、前記した原因が順次蓄積して徐々に
変調をきたすものであり、連続的あるいは定期的に炉芯
部に状況を把握し、炉況変調の徴候の段階でそれを解消
することが望まれている。本発明は炉芯変調の徴候があ
れば定期的な予定休風時の送風立ち上げ時に炉芯部を短
時間で定常状態に復元することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)高炉の予定休風時に4ヶ所〜10ヶ所の羽口から
50〜200mmの外径を有するプローブを炉芯部へ挿
入し充填物をサンプリング後に当該プローブを高炉外へ
引抜き、プローブ内にサンプリングされた充填物から粉
率を測定し、当該粉率が20%以上の羽口が2ヶ所以上
の場合に、休風後の送風立ち上げ時に羽口から供給され
る1000〜1300℃の送風とともに送風量1Nm3
あたり20〜60gの水蒸気を羽口から当該粉率測定時
に形成した通気孔を経て炉芯部へ吹込み、炉芯内のコー
クス粉を消費・除去することを特徴とする。
【0011】また、(2)高炉の予定休風時に4ヶ所〜
10ヶ所の羽口からプローブを炉芯部へ挿入し充填物を
サンプリング後に当該プローブを高炉外へ引抜き、プロ
ーブ内にサンプリングされた充填物から粉率を測定し、
当該粉率が20%以上の部位が1ヶ所の羽口の場合に、
該羽口から炉芯部に羽口中心と炉中心を結ぶ水平線に対
して鉛直方向及び/又は水平方向に角度をつけて中空パ
イプを挿入した後当該中空パイプを引抜いて2本から4
本の通気孔を設け、休風後の送風立ち上げ時に羽口から
供給される1000〜1300℃の送風とともに送風量
1Nm3 あたり20〜60gの水蒸気を羽口から前記通
気孔を経て炉芯部へ吹込み、炉芯内のコークス粉を消費
・除去することを特徴とする。
【0012】また、(3)操業時に定期的に、羽口を介
して炉芯ゾンデを炉内に挿入して、ゾンデ内にサンプリ
ングされた充填物から炉芯内の粉率を半径方向に2点〜
4点測定し、該粉率が20%以上の場合に、予定休風時
に4ヶ所〜10ヶ所の羽口から50〜200mmの外径
を有するプローブを炉芯部へ挿入し充填物をサンプリン
グ後に当該プローブを高炉外へ引抜いて通気孔を設け、
休風後の送風立ち上げ時に羽口から供給される1000
〜1300℃の送風とともに送風量1Nm3 あたり20
〜60gの水蒸気を羽口から前記通気孔を経て炉芯部へ
吹込み、炉芯内のコークス粉を消費・除去することを特
徴とする。
【0013】ここでいう粉率とは、プローブにより羽口
からサンプリングされた試料から磁選および手選別でメ
タルとスラグを除去した後のコークスの重量に占める粒
径が3mm以下の粉コークスの比率に100を掛けた数
値である。粉コークスは実際にはスラグ・メタルとの分
離が難しいため、一部のメタル・スラグを含んでいるこ
ともある。炉芯とは、炉中心からレースウェイ奥までの
コークスの更新が極めて遅い(3日から3週間)メタル
・スラグや粉を含むコークス充填領域と定義する。
【0014】
【作用】本発明は、高炉毎に定める定期的な予定休風、
たとえば30日毎とか45日毎とか60日毎という間隔
で設定する予定休風毎に、所定の複数の羽口部を介して
炉芯部の粉率を測定するので、炉芯部で発生しているか
もしれない変調の徴候を、長期的な粉率の比較のもとで
把握することができる。また、上記複数の羽口を介して
50〜200mmの外形を有するプローブを用いて、炉
芯構成物のサンプリングによって粉率を測定するので、
炉芯部の特性値が把握できると共にプローブ引抜き後に
炉芯部に形成された50〜200mm径の孔は休風状態
であると長時間その原型に近い状態で保持されるのでそ
の後の送風立ち上げ時の送風の通気孔として機能させる
ことができる。
【0015】上記炉芯部の粉率の測定に際しては、1個
の羽口部の取り外しおよび取り付け作業に20〜30分
要するが、前記したような本発明は予定休風時の羽口整
備作業において、整備対象の羽口部のブローパイプを取
り外すと共に、整備対象外であるが測定対象である羽口
部のブローパイプを取り外しておき、また各羽口部を組
み立てるまでの間に測定用プローブ1の挿入、測定操作
を実行することにより1つの羽口での所要時間を約5分
にすることができる。また、2台の押し込み装置2を用
いると、該装置2の移動設置に要する時間約10分を含
めて約20分で4ヶ所の羽口部からの測定が実施でき
る。
【0016】炉芯部からサンプリングした試料の粉率が
20%未満の場合には炉芯部の通気性・通液性に問題は
ないが、粉率が20%以上になると炉芯部の通気性・通
液性が悪化していると判断できる。サンプリング後に粉
率が20%以上の羽口数が2ヶ所以上の場合には、高炉
の休風時間を延長させないために、粉率測定用のサンプ
リング孔を利用することが好ましい。
【0017】この測定用プローブの挿入箇所が多くなれ
ばなるほど上記粉率分布は精密となり、また送風立ち上
げ以降において熱風および熱風の通気孔として効果的に
機能するので、速やかに定常操業状態に復帰させること
ができる。しかし本発明は予定休風時の羽口部整備作業
と並行して粉率の測定操作を行なうことによって、すな
わち羽口部整備のための送風支管の下流側の配置されて
いるブローパイプおよび羽口の取り外し作業と羽口およ
びブローパイプの取り付け作業の間に、炉芯部への測定
用プローブ挿入作業を行なうことにより、炉芯部粉率の
測定操作の準備作業である上記ブローパイプ、羽口の取
り外し、取り付け作業の相当の部分を省略しようとする
ものである。したがって、設定された予定の休風時間お
よび羽口整備個数等を踏まえて決めることが望ましく、
測定用プローブの挿入箇所は10ヶ所が最大と考えられ
る。
【0018】粉率が20%以上の羽口数が1ヶ所の場合
には、該羽口から炉芯部に中空パイプを挿入した後引き
抜いて2本から4本の通気孔を設けることが炉芯粉率の
低減に効果的である。また上記炉芯状態の把握によっ
て、通気孔を穿設すべき羽口部を設定するので、休風時
の予定整備作業間に通気孔を穿設する操作を実施でき
る。また測定操作とは独立して通気孔を穿設するので通
気に適した大きさの孔を形成することができる。中空パ
イプの外径はプローブの外径と同じ50〜200mmが
好ましい。
【0019】休風時の予定整備作業間の送風開始前10
〜1時間の範囲内に、上記炉芯部の要粉除去部位の羽口
から、2〜4ヶ所の通気孔を設けるものであるが、送風
開始前10時間を越える前から通気孔を形成しておく
と、炉芯部を圧力によりコークス塊が脱落して通気孔が
閉塞する場合が発生しやすい。ここで通気孔の数が2ヶ
所未満でも粉コークスの消費・除去は可能であるが、炉
芯部の要粉除去部位への通風を向上させるためには2ヶ
所以上の通気孔が必要である。また、4ヶ所より多くの
通気孔の穿設は作業が困難になり好ましくない。
【0020】また休風中であるが、羽口部を取り外した
部分は他の閉塞手段で塞いでいるものの、高炉シャフト
部のドラフトによる大気の流入が避けられず、炉芯部を
冷却するので適切でない。また送風開始前1時間未満と
なると通気孔の穿設後の羽口部の組立、いわゆる送風立
ち上げ準備作業が不十分となり適切でない。したがって
本発明において送風開始前10〜1時間の範囲内の予定
整備作業の合間に通気孔を先作りしておくものである。
なお、2〜4本の通気孔は、羽口中心と炉中心を結ぶ水
平線に対して、鉛直方向及び/又は水平方向に角度をつ
けて形成するものである。
【0021】また本発明は、操業時に定期的に、羽口を
介して炉芯ゾンデを炉内に挿入して、炉芯部の粉率を測
定するので、炉芯部で発生しているかもしれない変調の
徴候を、長期的な粉率の比較のもとでタイムリーに把握
することができる。上記粉率の測定用プローブ1の羽口
6への挿入に際しては、送風支管の下流側に設けられて
いるブローパイプ7は取り外す必要があり、さらに使用
する測定用プローブの外径によっては羽口6を取り外す
必要があるが、上記予定休風時の羽口部整備作業時のブ
ローパイプ、羽口の取り外し作業を共有することによ
り、粉率測定用プローブの挿入の準備作業を省略できる
ので、予定休風時間を粉率測定操作によって延長するこ
とがない。また、少なくとも4ヶ所以上の羽口を介して
炉芯部の粉率を測定するので、測定面における粉率分布
として把握できる。
【0022】上記通気孔は予定休風後の送風立ち上げ操
業時に羽口から供給される高温の送風とともに添加され
る水蒸気によって、炉芯内の粉を消費・除去させるもの
である。この高温の範囲は1000〜1300℃であ
る。送風温度の下限値1000℃は、水蒸気の添加によ
り低下する送風の羽口先での理論燃焼温度を最低200
0℃以上の温度に確保するために決まり、送風温度の上
限値1300℃は、熱風炉の能力から決まる。
【0023】羽口から高温の送風とともに吹き込まれた
高温の水蒸気は上記通気孔を通って炉芯内に流れ込み炉
芯内の粉コークス中の炭素とC+H2 O=CO+H2
る反応をすることにより粉コークスを消費・除去する。
この水蒸気と粉コークスの反応は吸熱反応であり本来な
ら炉芯温度は低下するはずであるが、レースウェイ内で
高温の送風とコークスとの反応により発生した2000
℃前後の還元ガスにより昇温されるため、上記反応が進
行しても炉芯温度を低下させずに炉芯内の粉コークスを
消費・除去することができる。
【0024】上記水蒸気の添加量は、粉コークスの消費
量を多くするためには送風量1Nm3 あたり20g以上
とする必要があり、さらに多いほど効果的である。しか
し水蒸気の添加量を送風量1Nm3 あたり60gより多
くすると、羽口先での理論燃焼温度が2000℃以下と
なり鉄鉱石の溶解能力に問題が生じるので、1Nm3
たり60g以下が好ましい。
【0025】上記通気孔の径は、送風立ち上げ時におけ
る高温の送風および水蒸気の通気孔として機能させるた
めには50mm以上とする必要があり、さらに大きいほ
ど効果的である。しかし大径の通気孔形成プローブは炉
芯への挿入抵抗が増大し、挿入時に座屈する恐れがある
ので200mm以下とすることが好ましい。また、大径
の通気孔形成プローブの構造としては、その挿入抵抗を
軽減するために、たとえば、鋼製の中空パイプとするも
のである。この中空パイプを炉芯部に挿入すると、パイ
プ先端縁に当接するコークス塊は破砕されるがパイプの
中空部にその大部分が収容され、該中空パイプの抜き出
しにより炉芯部外に取り出されるので、良好な通気孔が
形成される。
【0026】上記のアクションを実施せずに炉芯部のコ
ークス粉率が20%以上の状態が続く場合には、炉芯部
の通気性・通液性が悪化し温度が低下する。その場合に
は、溶銑温度が低下し1回の出銑時に排出されるスラグ
量のバラツキが増大すると同時に風圧変動・荷下がり変
動が増加し、燃料比を高めにする必要が生じる。もちろ
んこの様な場合には、生産量は大幅に低下する。
【0027】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を図面に示す実施例に基づい
て具体的に説明する。本発明は、高炉の予定休風時に4
ヶ所〜10ヶ所の羽口から50〜200mmの外径を有
するプローブを炉芯部に挿入して、プローブ内にサンプ
リングされた充填物から炉芯部の粉率を測定する。図1
において、1は粉率測定用のプローブ、2は測定用プロ
ーブの押し込み装置、3はシール弁、4は熱風を羽口に
供給する環状管、5は送風支管、6は羽口、7はブロー
パイプである。通気孔を形成させる位置としては、羽口
部の水平断面のほぼ等間隔に4ヶ所〜10ヶ所とするこ
とが望ましい。
【0028】上記炉芯部へ測定用プローブを挿入する態
様としては、たとえば200mm径の鋼製中空パイプを
所定の圧力で所定位置まで挿入しながら炉芯構成物を中
空パイプ内に取り込み、該中空パイプで挿入部位の炉芯
部構成物を抜き出してサンプリング孔を形成し、炉芯部
構成物から粉率を測定すると同時にその直後に熱電対を
内装した例えば30mm径の測温用プローブを孔内に挿
入して、該孔内の複数位置での測温を速やかに実施する
方法、あるいは大径の中空パイプの一外面に小径の測温
パイプを添わせた状態で炉芯部に押し込んで所定位置ま
で挿入した後に、後退しながら測温すると共に炉芯構成
物をサンプリングし、その炉芯構成物から粉率を測定す
る方法等が採用できる。
【0029】図2は高炉羽口部の4方向から、外径15
0mmの測定用プローブを炉芯部に挿入し、炉芯部の粉
率を測定する場合で(a)図は測定点を(b)図は測定
結果を示している。羽口先端1.5mから4mの位置の
粉率を測定範囲とし、今回は2.5mの位置の粉率
((b)図の実線A)で評価した。この場合には粉率2
0%以上の羽口が2ヶ所以上あったため、炉芯表層部の
粉率を低下させる必要があると判断した。粉率が20%
以上の炉芯部の領域は通気性・通液性を悪化させ、炉内
のガス流れ・荷下がり等に悪影響を及ぼすためである。
【0030】本発明例として、予定休風後の立ち上げ時
に、羽口から吹き込まれる1100℃の送風に送風量1
Nm3 あたり50gの水蒸気を添加した。通常操業への
移行過程でとくに異常は認められず、3日後に水蒸気の
添加を停止した。1ヶ月後の予定休風時に、同一羽口に
ついての上記同様の測定をした結果は、図2(b)図の
点線Bに示すように、粉率の高かった羽口での粉率が1
0%以下に改善されている。各羽口部の粉率測定用プロ
ーブの挿入によって形成された孔は、予定休風後の送風
立ち上げ時に通気孔として寄与し、羽口から高温の送風
とともに供給された水蒸気が炉芯のコークスをC+H2
O=CO+H2 なる反応により消費し、炉芯の通気性・
液通性が改善されたものといえる。
【0031】(実施例2)本発明は、高炉の予定休風時
に4ヶ所を特定して毎回その羽口部からプローブを炉芯
部へ挿入して、プローブ内にサンプリングされた充填物
から炉芯部の半径方向で2点以上の粉率を測定し、各羽
口部での各点の粉率分布を把握すると共に前回以前粉率
との比較で炉芯部の状態を評価することができる。図3
は高炉羽口部の4方向から、外径150mmの測定用プ
ローブを挿入し、炉芯部の粉率を測定する場合で、
(a)図は測定点を(b)は測定結果を示している。羽
口先端1.5mから4mの位置の粉率を測定範囲とし、
今回は2mと2.5mの位置の粉率((b)図の実線A
を)測定した。
【0032】上記炉芯部状態を(図3(b)のA)をも
とに、粉率が20%以上であるNo.2羽口(図2
(a))の炉芯部に通気孔を穿設すると判定し、羽口部
整備作業において特定羽口の交換時にNo.2羽口を取
り外した。整備作業休憩時にNo.2羽口部に100m
m径の鋼製中空パイプを上記押し込み装置2を用いて炉
芯部に4m挿入し、当該部位の炉芯構成物を抜き出す態
様で通気孔を羽口中心から炉中心を結ぶ水平線に対して
角度をつけて斜め方向に2本形成した。
【0033】9時間後に整備作業が完了し、送風立ち上
げ時に羽口から吹き込まれる1050℃の送風とともに
送風量1Nm3 あたり40gの水蒸気を添加した。通常
操業への移行過程でとくに異常は認められず、3日後に
水蒸気の添加を停止した。1ヶ月後の予定休風時に、同
一羽口について上記同様の測定をした結果は、図3
(b)図の点線Bに示すように、粉率の高かったNo.
2羽口の粉率が10%以下に改善されている。No.2
羽口部に中空プローブの挿入によって形成された2本の
孔は、予定休風後の送風立ち上げ時に通気孔として寄与
し、羽口から高温の送風とともに供給された水蒸気が炉
芯の粉コークスをC+H2 O=CO+H2 なる反応によ
り消費し、通気性・通液性が改善されたものといえる。
【0034】(実施例3)本発明は、操業時に定期的
に、羽口を介して炉芯ゾンデを炉内に挿入して、炉芯部
の粉率を測定する。なお、炉芯ゾンデによる1ヶ所の粉
率の測定には10分を必要とし、本法のように2回測定
する場合には最低1時間の時間が必要となる。
【0035】また、休風時の通気孔形成時には、通気孔
の形成用の中空プローブを炉内に挿入することになる
が、その場合には、点線で示しているブローパイプ7を
取り外しており、さらに大径のプローブを用いる場合に
は、羽口6も取り外すものである。通気孔を形成させる
位置としては、羽口部の水平断面のほぼ等間隔に4ヶ所
以上とすることが望ましい。また、出銑口間による溶銑
品質(Si,S,温度)の差異や荷下がり不順の方向か
ら粉率の高い炉芯の不活性領域がある程度予想がつく場
合には、その不活性領域に集中的に通気孔を形成させる
こともできる。
【0036】図4は操業中に炉芯ゾンデを炉内に挿入
し、炉芯部の粉率を測定した結果を示している。羽口先
端から4.7mまでの粉率を測定することができるが、
今回は炉芯表層部にほぼ対応する2mと2.5mの粉率
(●印)で評価した。その平均粉率が20%以上の場合
には炉芯の通気性が低下していると評価できる。
【0037】予定休風時に通気孔の形成用の中空プロー
ブを炉内に挿入して4ヶ所以上の通気孔形成後に送風立
ち上げを行ったが、通常操業を行った過程で特に異常は
認められず、送風立ち上げ3日後に炉芯ゾンデにより測
定した炉芯粉率はいずれも10%以下(○印)に改善さ
れていた。中空パイプにより形成された孔は予定休風後
の送風立ち上げ時に通気孔として寄与し、羽口から高温
の送風とともに供給された水蒸気が炉芯の粉コークスを
C+H2 O=CO+H2 なる反応により消費し、炉芯の
通気性・通液性が改善されたものといえる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、高炉操業において予定
休風毎に複数箇所の炉芯粉率を測定し、その結果で炉芯
部状況を把握すると共に、該測定によって炉芯部に形成
した孔を休風時の送風立ち上げ時に羽口から供給される
高温の送風および水蒸気の通気孔とする。したがって、
2ヶ所以上の羽口の粉率が20%以上と炉芯部の通気性
・通液性が悪化している場合でも、高炉の予定した休風
時間を延長することなく、炉芯部粉率を低下させること
により高炉炉芯部を速やかに活性化することができる。
【0039】また高炉操業において予定休風毎に複数箇
所の炉芯粉率を測定し、その測定結果で炉芯部状況を把
握すると共に、変調の徴候が予想されると、炉芯部の粉
除去に適した大きさの通気孔を、休風時の予定整備作業
の合間に先作りするので、予定整備作業のための休風時
間を実質的に延長することなく実施でき、送風立ち上げ
時に羽口から吹き込まれる高温の送風とともに添加され
る水蒸気によって、炉芯部の粉コークスを反応・消費で
きるので、高炉炉芯部を速やかに活性化することができ
る。
【0040】また高炉操業において操業中に定期的に炉
芯内の粉率を測定して炉芯状態を評価し、その測定結果
に基づき予定休風時に中空パイプにより形成させた孔を
休風後の送風立ち上げ時に羽口から供給される高温の送
風および水蒸気の通気孔とするので、炉芯内コークス粉
率を低下させることにより高炉炉芯部を速やかに活性化
させることが可能になる。
【0041】したがって、本発明法を実施すれば、従来
のような長時間にわたって燃料比を高くする操業を継続
したり、炉況を早期に立て直せないために出銑量を長期
間低下させるような問題は完全に解消できる。また、高
微粉炭操業時(微粉炭比200kg/t)のように炉芯
内での通気性・通液性の確保が困難になりやすい場合に
おいても、安定操業を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炉芯部の粉率の測定態様の概要説
明図
【図2】(a)は高炉円周方向複数箇所の炉芯部粉率の
測定点を示す図で、(b)はその測定結果を示すグラフ
【図3】(a)は高炉円周方向複数箇所の炉芯部粉率の
測定点を示す図で、(b)はその測定結果を示すグラフ
【図4】炉芯ゾンデによる炉芯粉率測定結果を示すグラ
【符号の説明】
1 粉率測定用または通気孔形成用のプローブ 2 粉率測定用または通気孔形成用のプローブの押し込
み装置 3 シール弁 4 環状管 5 送風支管 6 羽口 7 ブローパイプ 8 炉芯部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 清明 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 神山 久朗 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の予定休風時に4ヶ所〜10ヶ所の
    羽口から50〜200mmの外径を有するプローブを炉
    芯部へ挿入し充填物をサンプリング後に当該プローブを
    高炉外へ引抜き、プローブ内サンプリングされた充填物
    から粉率を測定し、当該粉率が20%以上の羽口が2ヶ
    所以上の場合に、休風後の送風立ち上げ時に羽口から供
    給される1000〜1300℃の送風とともに送風量1
    Nm3あたり20〜60gの水蒸気を羽口から当該粉率
    測定時に形成した通気孔を経て炉芯部へ吹込み、炉芯内
    のコークス粉を消費・除去することを特徴とする高炉の
    操業方法。
  2. 【請求項2】 高炉の予定休風時に4ヶ所〜10ヶ所の
    羽口からプローブを炉芯部へ挿入し充填物をサンプリン
    グ後に当該プローブを高炉外へ引抜き、プローブ内にサ
    ンプリングされた充填物から粉率を測定し、当該粉率が
    20%以上の部位が1ヶ所の羽口の場合に、該羽口から
    炉芯部に羽口中心と炉中心を結ぶ水平線に対して鉛直方
    向及び/又は水平方向に角度をつけて中空パイプを挿入
    した後当該中空パイプを引抜いて2本から4本の通気孔
    を設け、休風後の送風立ち上げ時に羽口から供給される
    1000〜1300℃の送風とともに送風量1Nm3
    たり20〜60gの水蒸気を羽口から前記通気孔を経て
    炉芯部へ吹込み、炉芯内のコークス粉を消費・除去する
    ことを特徴とする高炉の操業方法。
  3. 【請求項3】 操業時に定期的に、羽口を介して炉芯ゾ
    ンデを炉内に挿入して、ゾンデ内にサンプリングされた
    充填物から炉芯内の粉率を半径方向に2点〜4点測定
    し、該粉率が20%以上の場合に、予定休風時に4ヶ所
    〜10ヶ所の羽口から50〜200mmの外径を有する
    プローブを炉芯部へ挿入し充填物をサンプリング後に当
    該プローブを高炉外へ引抜いて通気孔を設け、休風後の
    送風立ち上げ時に羽口から供給される1000〜130
    0℃の送風とともに送風量1Nm3 あたり20〜60g
    の水蒸気を羽口から前記通気孔を経て炉芯部へ吹込み、
    炉芯内のコークス粉を消費・除去することを特徴とする
    高炉の操業方法。
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