JPH09170007A - 高炉操業法 - Google Patents

高炉操業法

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JPH09170007A
JPH09170007A JP34856595A JP34856595A JPH09170007A JP H09170007 A JPH09170007 A JP H09170007A JP 34856595 A JP34856595 A JP 34856595A JP 34856595 A JP34856595 A JP 34856595A JP H09170007 A JPH09170007 A JP H09170007A
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和也 国友
Takashi Kumaoka
尚 熊岡
Masaaki Nakayama
正章 中山
Masahiro Toki
正弘 土岐
Akihiko Shinotake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高炉において炉芯状態が悪いと判
断されたときに、休風後の送風立ち上げ時に炉芯部を活
性化させる方法を提供する。 【解決手段】 高炉の操業時または休風時に炉芯状態を
測定し、炉芯状態が悪いと判断された場合、高炉の休風
時に羽口から中空パイプまたは金棒を炉芯内に打ち込
み、送風立ち上げ時に中空パイプまたは金棒を打ち込ん
だ羽口以外の羽口の熱風制御弁の開度を絞ることによ
り、炉芯内に供給する高温ガスを大幅に増加させて、炉
芯部および炉床部を効率的かつ迅速に活性化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉の操業時また
は休風時に炉芯部の状態を測定し、変調の徴候があれば
休風後の送風立ち上げ時に炉芯部を活性化させて、炉芯
状態を改善する高炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄用の高炉は大量の銑鉄を生産でき、
しかも熱効率が90%と高い。このため、現在でも銑鉄
製造の主流を維持している。しかし、高炉は巨大な向流
移動層であるために、生産性、生産弾力性等に問題があ
り、安定した生産量と溶銑品質の確保のためには、より
一層の制御性の向上が望まれている。一方、高炉では、
鉄源競争力強化の観点から、安価原燃料を使用する操業
や高微粉炭比の操業が実施されつつある。このような操
業下では、鉱石やコークスの粉化が促進され、未燃焼チ
ャーの生成等により炉下部での粉率が上昇して、炉芯部
の通気性・通液性の確保が困難となりやすい。従って、
有効な炉芯活性化技術の確立が望まれている。
【0003】このように、高炉の炉芯部の通気性・通液
性が低下した場合の炉芯の活性化方法としては、従来よ
り行われている燃料比上昇や水蒸気添加のほかに、いく
つかの炉芯活性化方法が開示されている。特開平6−0
93319号公報、特開平6−093320号公報に
は、高炉休風毎に複数の羽口を介して炉芯部の特性を測
定し、炉芯部の状態を判定したのち、加熱を必要とする
部位の近傍の羽口から中空パイプを炉内に挿入して炉芯
内コークスをサンプリングし、これによって炉芯内に通
気孔を設ける方法が開示されている。
【0004】また、特開平7−268416号公報に
は、休風時あるいは操業時に、炉芯部の粉率を測定し、
粉率が20%以上の場合に加熱並びに粉の除去を必要と
する部位の近傍の羽口から中空パイプを炉内に挿入して
炉芯内コークスをサンプリングし、これによって炉芯内
に空洞の通気孔を設ける方法が提示されている。 一
方、特開平2−285013号公報には、羽口に設けた
熱風制御弁を操作し、羽口からの吹き込み量を変化させ
ることにより炉芯の形状を変化させて炉芯・炉床部の通
液性を改善する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平6−09
3319号公報、特開平6−093320号公報、およ
び特開平7−268416号公報に提示されている方
法、すなわち羽口からのコークスサンプリングにより炉
芯内コークスを取り出すことで炉芯内に空洞の通気孔を
設ける方法は、羽口からのコークスサンプリングにより
形成された炉芯内の空洞の通気孔が、送風立ち上げ時に
確実に維持されている保証はない。従って、この方法で
は、炉芯内へ高温ガスの一部を吹き込むことによる炉芯
内コークス、メタル、スラグの加熱や粉除去の効果にバ
ラツキが生じ、予想通りの効果が得られる場合と予想よ
りも効果が小さい場合とが生じる。
【0006】一方、特開平2−285013号公報に開
示されている方法、すなわち各羽口に設置されている熱
風制御弁で羽口からの吹き込み量を変化させ、炉芯の形
状を変化させる方法は、炉芯・炉床部の通液性が改善さ
れるまでに時間がかかりすぎる可能性がある。従来の知
見によると、炉芯の更新には2〜3週間、あるいはそれ
以上必要であることが判明しており、この技術による炉
芯・炉床部の通液性の改善にかかる時間は1ケ月以上と
予想される。従って、長期間にわたり各羽口の熱風制御
弁を操作して強制的に各羽口の風量の円周方向分布をア
ンバランスにすることになる。このような長期間にわた
る各羽口の風量の円周方向分布をアンバランスにするこ
とは高炉操業上好ましいことではない。
【0007】炉芯の活性化とは、炉芯部における粉率を
低下させ、炉芯温度を上昇させて炉芯の通気性・通液性
を改善することである。その観点からいうと、炉芯の形
状を変化させて結果的に炉芯・炉床の通気性・通液性を
改善させる方法は間接的な手法であり、その効果には疑
問が残る。本発明は、このような従来の諸技術の問題点
に鑑み、炉芯の通気性・通液性に悪影響を及ぼしている
“鳥の巣”すなわちレースウェイの奥に形成されている
コークス粉やコークス灰およびスラグが集積した領域と
炉芯表層部に確実に空洞の通気孔を形成して、炉芯内へ
効率的に高温の熱風を吹き込むことにより、上記問題点
を解決する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の高炉操
業法は、以下のような特徴を有する。 (1)高炉の操業時または休風時に炉芯状態を測定し、
炉芯状態が悪いと判断された場合に、高炉の休風時に羽
口から中空パイプを炉芯内に打ち込み、この中空パイプ
を炉芯内に残留させたまま送風立ち上げを行って、中空
パイプより炉芯内に送風すると共に、中空パイプを打ち
込んだ羽口の送風立ち上げ時の相対送風支管風量(送風
支管風量を平均の送風支管風量で除した値)が0.5以
上となるように、中空パイプを打ち込んだ羽口以外の羽
口の送風支管に設置された熱風制御弁の1個または2個
以上の開度を絞って、各羽口の送風支管風量を制御す
る。
【0009】あるいは、(2)高炉の操業時または休風
時に炉芯状態を測定し、炉芯状態が悪いと判断された場
合に、高炉の休風時に羽口から金棒を炉芯内に打ち込
み、この金棒を炉芯内に残留させたまま送風立ち上げを
行い、金棒を溶解させて炉芯内に通気孔を形成し、この
通気孔より炉芯内に送風すると共に、金棒を打ち込んだ
羽口の送風立ち上げ時の相対送風支管風量(送風支管風
量を平均の送風支管風量で除した値)が0.5以上とな
るように、金棒を打ち込んだ羽口以外の羽口の送風支管
に設置された熱風制御弁の1個または2個以上の開度を
絞って、各羽口の送風支管風量を制御する。
【0010】特に、炉芯の状態の善し悪しを判断する方
法としては、 高炉の操業時または休風時に、プローブにより炉芯部
の温度を測定し、炉芯温度が1350℃以下の場合に炉
芯状態が悪いと判断する方法、高炉の操業時または休
風時に、プローブにより炉芯部の粉率(例えば、全コー
クス中、粒度3mm以下のコークスの重量比率)を測定
し、粉率が30%以上の場合に炉芯状態が悪いと判断す
る方法、高炉の操業時または休風時に、プローブを炉
芯に挿入する際に必要とされる推力を測定し、推力値が
5t以上の場合に炉芯状態が悪いと判断する方法、高
炉の操業時または休風時に、プローブを炉芯に挿入する
際の挿入速度を測定し、挿入速度が炉芯温度1400℃
における挿入速度の0.7倍以下の場合に炉芯状態が悪
いと判断する方法、高炉の操業時に、羽口毎に設置し
てある送風支管風量計により各羽口の送風支管風量を測
定し、これを平均送風支管風量で除した相対送風支管風
量が0.9以下の羽口が存在する場合に炉芯状態が悪い
と判断する方法、が有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、高炉の休風時に、羽
口から炉芯内に中空パイプを可搬型の打ち込み装置によ
り打ち込む。すなわち、この中空パイプによってレース
ウェイの奥に形成されている鳥の巣と炉芯表層部の通気
性の悪い領域を掘削することになるため、通常では高温
ガスの流通量が少ない炉芯内に、羽口から直接送風され
る800〜1300℃の熱風をこの中空パイプを介して
直接的かつ強制的に吹き込むことができる。炉芯内に吹
き込まれた熱風は、炉芯内のコークスと反応して約20
00℃のCOリッチな還元ガスになり、炉芯内コークス
を加熱すると共に炉芯内にホールドアップされているメ
タル・スラグを溶解する。同時に、炉芯内コークスの加
熱により炉芯内での粉コークスのソリューションロス反
応も進行するため、炉芯内の加熱による粉除去も確実に
進めることができる。これによって、炉芯の通気性・通
液性が改善される。
【0012】このように、羽口から吹き込まれる800
〜1300℃の熱風をこの中空パイプを介して直接的か
つ強制的に吹き込むことができるのは、送風立ち上げ後
の30〜60分前後と推定される。すなわち、送風後3
0〜60分前後の間には、中空パイプを打ち込んだ羽口
から800〜1300℃の熱風が100〜200Nm3
/minの流量で炉芯内へ吹き込まれるはずである。し
かしながら、中空パイプの外径は、中空パイプ打ち込み
時に羽口(羽口径:通常140〜150mmφ)との接
触による羽口の損傷を防止するために、100mmφ以
下にする必要があり、結果的に中空パイプの内径は70
〜80mmφと小さくなる。従って、実際に中空パイプ
を打ち込んだ羽口から中空パイプを介して炉芯部に吹き
込まれる熱風量は、50Nm3 /min以下と相対送風
支管風量で0.3以下になる可能性が大きい。炉芯の通
気性・通液性をできるだけ早期に改善するためには、少
なくとも相対送風支管風量で0.5以上の熱風量を吹き
込むことが望ましい。これは、相対送風支管風量が0.
4以下の場合、送風立ち上げ後の炉芯温度上昇量は小さ
く、相対送風支管風量が0.5以上になってやっと送風
立ち上げ後の炉芯温度上昇量が100℃以上になるため
である。
【0013】そこで、本発明では、中空パイプを打ち込
んだ羽口以外の羽口から吹き込まれる熱風量を減少さ
せ、中空パイプを打ち込んだ羽口から吹き込まれる熱風
量を確保する。そのためには、中空パイプを打ち込んだ
羽口以外の羽口の送風支管に設置された熱風制御弁の開
度を絞る。ここで、熱風制御弁の開度は、中空パイプを
打ち込んだ羽口の相対送風支管風量が0.5以上になる
まで絞る必要がある。この熱風制御弁の開度を絞る期間
は1日から数日の間である。すなわち、羽口から打ち込
んだ中空パイプが溶融して完全に消滅したのちも、炉芯
内に形成された空洞が保持されている期間は継続する。
また、羽口から打ち込んだ中空パイプが溶融して完全に
消滅し、中空パイプを打ち込んだ羽口の相対送風支管風
量が1弱になった時点で、熱風制御弁の開度を元に戻す
ことも可能となるが、そこまでに要する時間は送風立ち
上げ開始後30〜60分前後である。なお、熱風制御弁
については、ボール弁タイプ、バタ弁タイプ等種々の形
式があり、いずれの形式を用いてもよい。
【0014】本発明では、通常、複数ケ所の羽口から中
空パイプを打ち込む。そのため、立ち上げ送風開始後3
0〜60分前後の間に800〜1300℃の熱風が2
0,000Nm3 以上炉芯内へ吹き込まれ、炉芯内のコ
ークスと反応して発生した2000℃前後の高温ガス
が、さらに炉芯内のコークスを昇温し、一旦固化した溶
融物も昇温溶融させて通気性・通液性を改善する。中空
パイプが溶融して消滅した後も炉芯内に形成された空洞
の形状はそのまま1日から数日の間保持されるため、レ
ースウェイ内のコークスと反応して発生した2000℃
前後の高温ガスの炉芯内への通気性はある程度確保さ
れ、炉芯内の加熱と粉除去により、炉芯部を迅速に活性
化することができる。
【0015】このような炉芯改善効果は、中空パイプの
代わりに金棒を打ち込むことによっても達成される。こ
の場合には、羽口から炉芯内に打ち込まれた金棒がレー
スウェイ内でコークスと反応して発生した2000℃前
後の高温ガスにより加熱溶解され、炉芯内に空洞の通気
孔が形成される。その後、高温の還元ガスの一部がこの
炉芯内に形成された空洞の通気孔へ流れ、炉芯内のコー
クスやメタルやスラグが加熱されて、炉芯改善効果が得
られる。
【0016】炉芯改善効果の観点からすれば、中空パイ
プまたは金棒を炉芯内へ掘削する羽口数は最低4箇所以
上必要であり、炉芯内へ掘削する羽口数が多い程炉芯改
善効果は大きくなる。休風中に中空パイプまたは金棒を
炉芯内へ掘削できる羽口数は休風時間により異なり、休
風時間が24時間以下の場合の掘削できる羽口数の上限
はせいぜい16箇所である。また、中空パイプまたは金
棒の最低打ち込み深度は、鳥の巣と炉芯表層部の通気性
の悪い領域を掘削する必要があることから3mであり、
実際の打ち込み深度としては3〜7mの範囲にすること
が望ましい。炉芯内に打ち込まれた中空パイプまたは金
棒は、休風中でも常に1400℃近い温度にさらされる
ため、座屈する可能性が大きい。従って、中空パイプま
たは金棒の材質は高温強度の高い品質のもの、例えばS
US304あるいはSUS304以上の高温強度を有す
るものを使用することが望ましい。
【0017】一方、炉芯の状態を測定する方法として
は、公知の方法を適用することができる。例えば、休風
時には、(1)熱電対を内装したプローブを羽口から炉
芯内に挿入して測温する方法、(2)光ファイバーを内
装したプローブを羽口から炉芯内に挿入し、放射温度計
により測温する方法、(3)中空パイプのプローブを羽
口から炉芯内に挿入して炉芯コークスを採取し、そのコ
ークスの履歴温度あるいは粉率(例えば、粒度3mm以
下のコークスの重量比率)を測定する方法、あるいは、
(4)羽口部から炉芯内へプローブを挿入する時の挿入
抵抗や挿入速度から炉芯部の状態(活性度)を判定する
方法、等が実施可能である。
【0018】そして、(1)、(2)、(3)では炉芯
温度が1350℃以下の場合、(3)では炉芯部の粉率
が30%以上の場合、(4)では挿入推力(抵抗)が5
t以上の場合あるいは挿入速度が炉芯温度1400℃に
おける挿入速度の0.7倍以下の場合に炉芯の状態が悪
いと判定できる。さらに、高炉操業時の測定方法として
は、(5)各羽口の送風支管風量を平均の送風支管風量
で除した相対送風支管風量から判断する方法がある。ま
た、高炉には、操業中にサンプリングや測温ができる炉
芯ゾンデがあり、従って、操業時に炉芯温度や挿入推力
の測定が可能である。この場合も、休風時の測定と同様
に、炉芯温度が1350℃以下の場合、炉芯部の粉率が
30%以上の場合、挿入推力が5t以上の場合、あるい
は挿入速度が炉芯温度1400℃における挿入速度の
0.7倍以下の場合、また、(5)で相対送風支管風量
が0.9以下の羽口が存在する場合に炉芯の状態が悪い
と判定できる。
【0019】なお、羽口から中空パイプを打ち込む時
に、中空パイプの先端からコークスが入らないように取
り付ける先端キャップの材質は、炉芯内に打ち込んだ中
空パイプの前方の炉芯を加熱することを主目的とする場
合は、中空パイプの打ち込みが完了する時点で先端キャ
ップが溶融するように、高温強度の弱いSTPG(普通
鋼)とすることが望ましい。
【0020】ここで、熱風とは、熱風炉で加熱され、高
炉の羽口から吹き込まれる高温の空気またはガスであ
る。熱風の温度範囲は以下の理由により、800〜13
00℃が望ましい。すなわち、熱風は、炉芯内に打ち込
んだ中空パイプを介して炉芯部のコークスを燃焼させて
高温の還元ガスになる。その際の還元ガス温度を200
0℃以上に確保するためには、熱風の下限温度を800
℃とする。また、熱風の温度が1300℃超になると、
炉芯内に打ち込んだ中空パイプを介して炉芯部のコーク
スを燃焼させてできる還元ガス温度が高温になりすぎ、
コークス中の灰分に含まれているSiO2 を揮発させて
炉芯の通気性を逆に悪化させる。そのため、熱風の上限
温度を1300℃とする。
【0021】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて具体的に
説明する。 (実施例1)内容積が4000m3 以上で羽口数が38
本の大型高炉において、休風時にプローブにより炉芯温
度を測定したところ、1320℃であった。この温度が
1350℃以下であることから、炉芯の通気性・通液性
が悪化していると判断された。そこで、その休風時に、
図1に示すような方式で、8箇所の羽口(No.1,N
o.9,No.13,No.19,No.23,No.
29,No.30,No.35)から中空パイプを炉芯
部に打ち込んだ。すなわち、最初にエアーハンマーと油
圧とを組み合わせて打ち込む可搬型のパイプ打ち込み装
置1と打ち込み用治具2を用いて、まず先端に炉芯コー
クスの侵入防止用のキャップ3を設けた長さ2mの中空
パイプ4を、羽口5から炉芯部6に打ち込んだ。次に長
さが1mの中空パイプ7の先端を前記中空パイプ4の後
端に接続した後に打ち込み、中空パイプ4の先端が炉壁
から3mの深度となるようにした。
【0022】なお、先端部の長さが2mの中空パイプ4
と長さが1mの中空パイプ7との繋ぎ目部分は、図2に
示すような切削加工を行って肉厚を変化させ、嵌め合い
がうまくいくようにした。また、炉芯コークス侵入防止
用のキャップ3の材質は、炉壁から3mの深度まで中空
パイプ4を持ち込んだ時点で溶融するようにSTPG
(普通鋼)とした。さらに、送風立ち上げ時に羽口から
送られる800〜1300℃の熱風が直接的かつ強制的
に炉芯に吹き込まれるように、パイプの打ち込み完了時
点で、中空パイプ7と羽口5の間の隙間にボタ8を詰め
た。
【0023】休風が終了して送風立ち上げの際、図2に
示すように、中空パイプを打ち込んだ以外の30箇所の
羽口(No.2〜8,No.10〜12,No.14〜
18,No.20〜22,No.24〜28,No.3
1〜34,No.36〜38)の熱風制御弁を絞り、中
空パイプを打ち込んだ8箇所の羽口の相対送風支管風量
が0.5以上になるようにした。こうして、休風後の送
風立ち上げは順調に推移し、図4に示すように、休風前
には多かったりスリップ等の荷下がり変動や風圧変動が
休風後は減少傾向を示した。そして、その1ケ月後の休
風時の炉芯温度は1460℃と前回の休風時の炉芯温度
に比べて140℃上昇した。その結果、溶銑と同時にス
ラグの排出が順調になり、出銑時間内にスラグが排出さ
れる割合を示す出滓率が60%から95%に向上した。
【0024】(実施例2)内容積が4000m3 以上で
羽口数が38本の大型高炉において、休風時にプローブ
を炉芯に挿入する際に必要とされる挿入推力を測定した
ところ7tであった。この値が5t以上であることか
ら、炉芯の通気性・通液性が悪化していると判断され
た。そこで、その休風時に、任意の10箇所の羽口か
ら、図1に示すような方式で、中空パイプを炉芯部に打
ち込んだ。すなわち、最初にエアーハンマーと油圧とを
組み合わせて打ち込む可搬型のパイプ打ち込み装置1と
打ち込み用治具2を用いて、まず先端に炉芯コークスの
侵入防止用のキャップ3を設けた長さ2mの中空パイプ
4を、羽口5から炉芯部6に打ち込んだ。次に長さが1
mの中空パイプ7の先端を前記中空パイプ4の後端に接
続した後に打ち込み、中空パイプ4の先端が炉壁から3
mの深度となるようにした。
【0025】なお、先端部の長さが2mの中空パイプ4
と長さが1mの中空パイプ7との繋ぎ目部分は、図3に
示すような切削加工を行って肉厚を変化させ、嵌め合い
がうまくいくようにした。また、炉芯コークス侵入防止
用キャップ3の材質は、炉壁から3mの深度まで中空パ
イプ4を打ち込んだ時点で溶融するようにSTPG(普
通鋼)とした。さらに、送風立ち上げ時に羽口から送ら
れる800〜1300℃の熱風が直接的かつ強制的に炉
芯に吹き込まれるように、パイプの打ち込み完了時点
で、中空パイプ7と羽口5の間の隙間にボタ8を詰め
た。
【0026】休風が終了して送風立ち上げの際、中空パ
イプを打ち込んだ以外の28箇所の羽口の熱風制御弁を
絞り、中空パイプを打ち込んだ10箇所の羽口の相対送
風支管風量が0.5以上になるようにした。こうして、
休風後の送風立ち上げは順調に推移し、図5に示すよう
に、休風前には多かったスリップ等の荷下がり変動や風
圧変動が休風後は減少傾向を示した。そして、その1ケ
月後の休風時の炉芯への挿入推力は3tと前回の休風時
の挿入推力に比べて半分以下に低下した。その結果、溶
銑と同時にスラグの排出が順調になり、出銑時間内にス
ラグが排出される割合を示す出滓率が60%から85%
に向上した。
【0027】(実施例3)内容積が4000m3 以上で
羽口数が38本の大型高炉において、操業中に相対送風
支管風量が0.9以下の羽口が3箇所(No.1,N
o.9,No.25)検知され、炉芯の通気性・通液性
が悪化していると判断された。そこで、次回の高炉の休
風時に、3箇所の相対送風支管風量が0.9以下となっ
た羽口とその近傍の羽口、すなわち相対送風支管風量が
0.9以下となった羽口の両隣の羽口の計9箇所の羽口
(No.38,No.1,No.2,No.8,No.
9,No.10,No.24,No.25,No.2
6)から、図1に示すような方式で、中空パイプを炉芯
部に打ち込んだ。
【0028】すなわち、最初にエアーハンマーと油圧と
を組み合わせて打ち込む可搬型のパイプ打ち込み装置1
と打ち込み用治具2を用いて、まず先端に炉芯コークス
の侵入防止用のキャップ3を設けた長さ2mの中空パイ
プ4を、羽口5から炉芯部6に打ち込んだ。次に長さが
1mの中空パイプ7の先端を前記中空パイプ4の後端に
接続した後に打ち込み、中空パイプ4の先端が炉壁から
3mの深度となるようにした。
【0029】なお、先端部の長さが2mの中空パイプ4
と長さが1mの中空パイプ7との繋ぎ目部分は、図3に
示すような切削加工を行って肉厚を変化させ、嵌め合い
がうまくいくようにした。また、炉芯コークス侵入防止
用キャップ3の材質は、炉壁から3mの深度まで中空パ
イプ4を打ち込んだ時点で溶融するようにSTPG(普
通鋼)とした。さらに、送風立ち上げ時に羽口から送ら
れる800〜1300℃の熱風が直接的かつ強制的に炉
芯に吹き込まれるように、パイプの打ち込み完了時点
で、中空パイプ7と羽口5の間の隙間にボタ8を詰め
た。
【0030】休風が終了して送風立ち上げの際、中空パ
イプを打ち込んだ以外の29箇所の羽口(No.3〜
7,No.11〜23,No.27〜37)の熱風制御
弁を絞り、中空パイプを打ち込んだ9箇所の羽口の相対
送風支管風量が0.5以上になるようにした。こうし
て、休風後の送風立ち上げは順調に推移し、相対送風支
管風量が0.9以下であった3箇所の羽口の相対送風支
管風量は、送風立ち上げ1日後から大幅に改善されてい
ずれも1.0前後となり、図6に示すように、休風前に
は多かったスリップ等の荷下がり変動や風圧変動が休風
後は減少傾向を示した。そして、送風立ち上げ1週間後
からは、休風前まで低下傾向であった炉底の底盤レンガ
温度が上昇しはじめ、3週間後には好調時の温度レベル
まで到達し、炉芯が活性化されたことがわかった。溶銑
と同時にスラグの排出が順調になり、出銑時間内にスラ
グが排出される割合を示す出滓率が60%から90%に
向上した。また、炉底の底盤レンガ温度の上昇に伴い炉
底側壁レンガ温度も上昇し、炉寿命短縮の主要因である
環状流を抑制することができた。
【0031】
【発明の効果】本発明法によれば、高炉の炉芯の状態が
悪いと判断された場合、その休風時に羽口から中空パイ
プまたは金棒を打ち込み、送風立ち上げ時に中空パイプ
または金棒を打ち込んだ羽口以外の羽口の熱風制御弁の
開度を絞ることにより、2000℃前後の高温ガスの炉
芯内への流通量を大幅に増加させ、これによって、効率
的かつ迅速に炉芯および炉床部を活性化させることがで
きる。
【0032】本発明の方法を実施すれば、従来のような
長時間にわたって燃料比を高くする操業を継続したり、
炉況を早期に立て直せないために出銑量が長期間にわた
り低下するような問題は完全に解消できる。今後、安価
原燃料使用操業時や高微粉炭比操業時のように、鉱石や
コークスの粉化が促進され、未燃焼チャーの生成等によ
り炉下部での粉率が上昇して、炉芯部の通気性・通液性
の確保が困難となりやすい場合においても安定操業を維
持することができる。さらに、本発明により環状流を解
消できることから、環状流対策として燃料比アップや出
銑量の抑制をする必要がなくなるため、高炉の制御性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における炉芯部への中空パイプ打ち込み
方法の概要説明図
【図2】本発明の実施例で用いた高炉の羽口状況および
実施例1において絞りの操作を行った熱風制御弁(B)
の位置関係を示す説明図
【図3】炉芯打ち込み用中空パイプの繋ぎ状況を示す説
明図
【図4】実施例1における本発明実施前後の操業指標の
推移図
【図5】実施例2における本発明実施前後の操業指標の
推移図
【図6】実施例3における本発明実施前後の操業指標の
推移図
【符号の説明】
1 可搬型のパイプ打ち込み装置 2 パイプ打ち込み用治具 3 キャップ 4 中空パイプ(2m) 5 羽口 6 炉芯部 7 中空パイプ(1m) 8 ボタ 9 環状管 A 中空パイプまたは金棒を打ち込んだ羽口 B 熱風制御弁の開度を絞った羽口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 正章 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 土岐 正弘 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 篠竹 昭彦 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の操業時または休風時に炉芯状態を
    測定し、炉芯状態が悪いと判断された場合に、高炉の休
    風時に羽口から中空パイプを炉芯内に打ち込み、この中
    空パイプを炉芯内に残留させたまま送風立ち上げを行っ
    て、中空パイプより炉芯内に送風すると共に、中空パイ
    プを打ち込んだ羽口の送風立ち上げ時の相対送風支管風
    量(送風支管風量を平均の送風支管風量で除した値)が
    0.5以上となるように、中空パイプを打ち込んだ羽口
    以外の羽口の送風支管に設置された熱風制御弁の1個ま
    たは2個以上の開度を絞って、各羽口の送風支管風量を
    制御することを特徴とする高炉操業法。
  2. 【請求項2】 高炉の操業時または休風時に炉芯状態を
    測定し、炉芯状態が悪いと判断された場合に、高炉の休
    風時に羽口から金棒を炉芯内に打ち込み、この金棒を炉
    芯内に残留させたまま送風立ち上げを行い、金棒を溶解
    させて炉芯内に通気孔を形成し、この通気孔より炉芯内
    に送風すると共に、金棒を打ち込んだ羽口の送風立ち上
    げ時の相対送風支管風量(送風支管風量を平均の送風支
    管風量で除した値)が0.5以上となるように、金棒を
    打ち込んだ羽口以外の羽口の送風支管に設置された熱風
    制御弁の1個または2個以上の開度を絞って、各羽口の
    送風支管風量を制御することを特徴とする高炉操業法。
  3. 【請求項3】 高炉の操業時または休風時に、プローブ
    により炉芯部の温度および/または粉率を測定し、少な
    くとも炉芯温度が1350℃以下の場合または粉率が3
    0%以上の場合に炉芯状態が悪いと判断することを特徴
    とする請求項1または2記載の高炉操業法。
  4. 【請求項4】 高炉の操業時または休風時に、プローブ
    を炉芯に挿入する際に必要とされる推力および/または
    その際の挿入速度を測定し、少なくとも挿入時の推力が
    5t以上の場合または挿入時の速度が炉芯温度1400
    ℃における挿入速度の0.7倍以下の場合に炉芯状態が
    悪いと判断することを特徴とする請求項1または2記載
    の高炉操業法。
  5. 【請求項5】 高炉の操業時に、羽口毎に設置してある
    送風支管風量計により各羽口の送風支管風量を測定し、
    これを平均送風支管風量で除した相対送風支管風量が
    0.9以下の羽口が存在する場合に炉芯状態が悪いと判
    断することを特徴とする請求項1または2記載の高炉操
    業法。
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