JPH07268357A - 硫化水素含有ガスの処理法 - Google Patents

硫化水素含有ガスの処理法

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JPH07268357A
JPH07268357A JP6063896A JP6389694A JPH07268357A JP H07268357 A JPH07268357 A JP H07268357A JP 6063896 A JP6063896 A JP 6063896A JP 6389694 A JP6389694 A JP 6389694A JP H07268357 A JPH07268357 A JP H07268357A
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JP
Japan
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hydrogen sulfide
gas
sulfuric acid
oxidation
sulfur
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JP6063896A
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English (en)
Inventor
Norio Komori
典夫 小森
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Idemitsu Kosan Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫化水素含有ガスから硫黄と水素を効率よく
回収することができ、かつ、好ましくはクローズドシス
テムで長期間連続運転が可能な硫化水素含有ガスの処理
法を提供すること。 【構成】 鉄塩水溶液処理及び電気化学的再生処理を組
み合わせて硫化水素含有ガスから硫黄と水素を回収する
処理方法において、硫化水素ガス吸収・酸化工程で発生
した酸化処理済ガスを、主循環鉄液よりも低い温度の鉄
液と接触させて該ガスの温度を低下させてから、系外へ
排出させる硫化水素含有ガスの処理方法、及びこれにさ
らに副生硫酸の還元処理工程を付加した硫化水素含有ガ
スの処理法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫化水素含有ガスの処理
法の改良に関し、更に詳しくは、鉄塩水溶液処理及び電
気化学的再生処理を組み合わせて、硫化水素含有ガスか
ら硫黄と水素ガスを回収する処理方法において、硫化水
素ガス吸収・酸化工程における処理済ガス出口ラインの
ケーキ状硫黄の蓄積による閉塞を効果的に防止し、長期
間の連続運転を可能にすると共に、効率よく硫黄と水素
ガスを回収しうる硫化水素含有ガスの処理法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、石油精製の際に排出される硫化水
素は、クラウス法によって工業的に処理されていた。し
かし、この方法は、硫化水素中の硫黄成分は硫黄として
回収されるが、水素成分は水素ガスとして回収されず水
になり、工業的に効率よく利用を図ることができなかっ
た。現在、硫化水素から硫黄と水素ガスを、酸化及び電
気化学的処理によって回収する方法として、3価の鉄イ
オンを含有する鉄塩水溶液を用いる方法が知られてい
る。このような方法においては、3価の鉄イオンを含む
各種鉄塩水溶液が用いられるが、何れの場合も微量の硫
酸の副生は避けられない。その結果、鉄塩水溶液に硫酸
が蓄積し、最終的には鉄塩の析出をもたらし、プロセス
的には、重大な欠陥をなす。この欠点を解消した改良技
術として、すでに本発明者らのグループは、リン酸−塩
化鉄系の水溶液を用い、硫酸の副生量を減少させる技術
を開発した。しかし、その後の研究によって、この改良
技術には、長期循環使用する場合に鉄系水溶液中の硫酸
濃度が増大し、一定割合で鉄系水溶液を廃液として抜出
すと同時に、新しい鉄系水溶液を補給する必要のあるこ
とが判明した。そこで、本発明者らのグループは更に研
究を進め、副生硫酸を含む鉄塩水溶液の一部を水素と接
触させ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水
素を生成させ、生成した硫化水素を硫化水素ガス吸収装
置(硫化水素ガス吸収装置の上流側に硫化水素濃縮装置
がある場合には、それを含む。)に戻して処理し、系内
の硫酸濃度をコントロールすることにより、廃鉄液、廃
酸又は廃鉄塩の産業廃棄物を出さずに、効率よく硫黄と
水素ガスを回収しうること、更には、副生硫酸を還元し
て硫化水素を回収した後の溶液を、電気化学的再生装置
の陰極室へ導入し、該陰極室の出口液を硫化水素ガス吸
収装置あるいは該装置の前又は後に戻すことにより(連
続的に戻しても非連続的に戻してもよい。)、陰極液中
への鉄イオン蓄積(陽極液からの移行)を防止すること
ができ、これによって陰極液の交換と廃液の抜き出しと
いう問題点も解消され、一層のクローズドシステムでの
長期間連続運転が可能となることを見出し、先に特許を
出願した。
【0003】ところで、長期間連続運転を実施した場
合、硫化水素ガス吸収・酸化工程において、副生する微
量の二酸化硫黄と微量の未反応硫化水素とが処理済ガス
中に混在し、このため、処理済ガスの出口ラインの凝縮
水中で液相クラウス反応(2H 2 S+SO2 →3S+2
2 O)が進行する。その結果、ケーキ状の硫黄が蓄積
して出口ラインが閉塞(差圧上昇)するなどのトラブル
が発生し、遂には連続運転が不可能になる。このような
トラブルの対応として、従来(1)出口ガスラインにケ
ーキ状の硫黄が蓄積し、差圧が上昇して連続運転が不可
能になった時点で、装置の運転を止め、ケーキ状硫黄を
除去する、(2)差圧の上昇がある場合、事前に予測し
て定期的に処理済ガス出口ラインを清掃する、(3)凝
縮水の発生を少なくするか又はなくすために、窒素ガス
を導入して処理済ガスをドライ状態に保つ、などの方法
がとられてきた。しかしながら、これらの方法は生産性
が悪かったり煩雑であったり、あるいはコストが高くつ
くなどの問題があり、必ずしも有効な方法とはいえなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、鉄塩水溶液処理及び電気化学的再生処理
を組み合わせて、硫化水素含有ガスから硫黄と水素ガス
を回収する処理方法において、硫化水素ガス吸収・酸化
工程における処理ガス出口ラインのケーキ状硫黄の蓄積
による閉塞を効果的に防止し、長期間の連続運転を可能
にすると共に、効率よく硫黄と水素ガスとを回収しうる
硫化水素含有ガスの処理法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、電気化学的再
生処理工程の出口液を、硫化水素ガス吸収・酸化工程に
戻すことにより循環させて、硫化水素ガス吸収・酸化工
程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理工程からなる
主循環経路を構成し、かつ電気化学的再生処理工程の出
口液の一部を主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液より
も低い温度で、硫化水素ガス吸収・酸化工程で発生した
酸化処理済みガスに対して接触させ、該酸化処理済みガ
スの温度を低下させてから、系外へ排出させることによ
り、処理済ガス出口ラインのケーキ状硫黄の蓄積による
閉塞が防止され、長期間の連続運転が可能になることを
見出した。また、上記工程に、更に特定の副生硫酸の還
元処理工程を付加することにより、産業廃棄物の抜き出
しが不要で、クローズドシステムでの長期間の連続運転
が可能であることを見出した。本発明は、かかる知見に
基づいて完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、第1に、硫化水素ガ
ス吸収・酸化工程において、硫化水素含有ガスを3価の
鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄溶液と接触処理し硫化水素
を吸収させて酸化反応を行い、2価の鉄イオン、硫黄及
び副生硫酸を含む溶液を生成させ、次いで、硫化水素ガ
ス吸収・酸化工程の出口液を硫黄分離工程に導入して該
溶液から硫黄を分離した後、硫黄分離工程の出口液を電
気化学的再生処理工程に導入して2価の鉄イオンを3価
の鉄イオンへ再生すると共に、水素を発生させて回収す
るに当たり、(A)電気化学的再生処理工程の出口液
を、硫化水素ガス吸収・酸化工程に戻すことにより循環
させて、硫化水素ガス吸収・酸化工程、硫黄分離工程及
び電気化学的再生処理工程からなる主循環経略を構成す
る一方、(B)電気化学的再生処理工程の出口液の一部
を主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液よりも低い温度
で、硫化水素ガス吸収・酸化工程において発生した酸化
処理済みガスに対して接触させた後、系外へ排出するこ
とを特徴とする硫化水素含有ガスの処理法を提供する。
本発明は第2に、硫化水素ガス吸収・酸化工程におい
て、硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫
酸鉄溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を
行い、2価の鉄イオン,硫黄及び副生硫酸を含む溶液を
生成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口
液を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程に
導入して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると
共に、水素を発生させて回収するに当たり、(A)電気
化学的再生処理工程の出口液を、硫化水素ガス吸収・酸
化工程に戻すことにより循環させて、硫化水素ガス吸収
・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理工程
からなる主循環経路を構成する一方、(B)電気化学的
再生処理工程の出口液の一部を主循環経路における硫酸
−硫酸鉄溶液よりも低い温度で、硫化水素ガス吸収・酸
化工程において発生した酸化処理済みガスに対して接触
させた後、系外へ排出させ、更に(C)硫黄分離工程の
出口液の一部を副生硫酸還元工程に導入し水素と接触さ
せ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を
生成させ、該硫化水素を硫化水素ガス吸収・酸化工程あ
るいはその前又は後に戻すと共に、副生硫酸還元工程の
出口液を硫黄分離工程又はその前で主循環経路に戻すこ
とを特徴とする硫化水素含有ガス処理法を提供する。本
発明は、第3に硫化水素ガス吸収・酸化工程において、
硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄
溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を行
い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を生
成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口液
を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程中
の電気化学的再生装置の陽極室へ導入して、陽極室側で
2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると共に、陰
極室側で水素を発生させて回収するに当たり、(A’)
電気化学的再生装置の陽極室出口液を硫化水素ガス吸収
・酸化工程に戻すことにより循環させて、硫化水素ガス
吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生装置
の陽極室からなる主循環経路を構成する一方、(B’)
電気化学的再生装置の陽極室出口液の一部を主循環経路
における硫酸−硫酸鉄溶液よりも低い温度で、硫化水素
ガス吸収・酸化工程において発生した酸化処理済みガス
に対して接触させた後、系外へ排出させ、更に(C’)
硫黄分離工程の出口液の一部を副生硫酸還元工程に導入
し水素と接触させ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元
して硫化水素を生成させ、該硫化水素を該硫化水素ガス
吸収・酸化工程あるいはその前又は後に戻すと共に、副
生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部を電気化学的再
生処理工程中の電気化学的再生装置の陰極室へ導入し、
陰極室出口液及び該陰極室へ導入されなかった副生硫酸
還元工程の出口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程あるい
はその前又は後で主循環経路に戻すことを特徴とする硫
化水素含有ガスの処理法を提供する。
【0007】第1の発明の硫化水素含有ガスの処理法
は、硫化水素ガス吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電
気化学的再生処理工程を必須工程とし、また、第2及び
第3の発明の硫化水素含有ガスの処理法は、これらの工
程に加えて、さらに副生硫酸の還元処理工程を必須工程
とするものである。
【0008】 硫化水素ガス吸収・酸化工程(気液接触工程) この工程においては、硫化水素含有ガスと3価の鉄イオ
ンを含む硫酸−硫酸鉄水溶液との接触処理が行われる。
この工程で処理される硫化水素含有ガスは、純粋な硫化
水素ガスであってもよく、硫化水素と3価鉄イオンに対
して不活性な気体、例えば硫化水素と水素,一酸化炭
素,二酸化炭素,炭化水素(メタン,エタンなど),窒
素などとの混合ガスであってもよい。具体的には、天然
ガス,地熱発電に際し得られるガスあるいは石油精製に
おいて脱硫の際に発生するガスなどが挙げられる。一
方、硫化水素含有ガスと接触させる吸収液として、硫化
水素の酸化を行う3価の鉄イオン(第二鉄イオン)を含
む硫酸−硫酸鉄水溶液が用いられるが、この吸収液に
は、本発明の目的が損なわれない範囲で第一鉄塩や他の
塩類などが含有されていてもよい。
【0009】使用する鉄塩水溶液中のイオン濃度は、特
に制限はないが、第二鉄イオンが0.1〜5.0モル/リッ
トル、好ましくは0.5〜1.5モル/リットルの範囲であ
る。第二鉄イオンが0.1モル/リットル未満であると、
硫化水素の吸収率が低下し、また、5.0モル/リットル
を超えると、溶解度に問題があり、好ましくない。ま
た、第一鉄イオンについては、必須ではないが、硫酸第
一鉄が用いられ、通常0.1〜3.0モル/リットル、好ま
しくは0.5〜1.5モル/リットルの範囲で存在する。第
一鉄イオンの添加は、主に電気化学的処理において効率
を向上させるためであるが、0.1モル/リットル未満で
はその効果が得られず、また3.0モル/リットルを超え
ると鉄塩(特に硫酸第一鉄)の析出が起こり好ましくな
い。そして、硫酸については、0.1〜5モル/リット
ル、好ましくは1〜4モル/リットルの範囲である。硫
酸が0.1モル/リットル未満では、硫酸の副生が増大
し、電気化学的再生時に効率を低下させることがある。
また、5モル/リットルを超えると、鉄塩(特に硫酸第
一鉄)の析出が起こり好ましくない。この硫化水素ガス
吸収・酸化工程を行うに当たっては、特に制限はない
が、従来から液体によるガス吸収において慣用されてい
る方法、例えば、気泡塔,スプレー塔,ぬれ壁塔,攪拌
式吸収塔,充填気泡塔,充填塔などの汎用の吸収塔を採
用すればよい。また接触方式は、気液向流方式又は気液
並流方式のいずれであってもよい。
【0010】この工程における硫化水素から硫黄を生成
させる酸化工程の反応式は、次に示す通りである。 2Fe3++H2 S=2Fe2++2H+ +S(沈澱) ・・・(I) すなわち、硫化水素は、第二鉄イオンにより酸化されて
硫黄を生成し、第二鉄イオンは第一鉄イオンに還元され
る。同時に、この工程での反応において、硫酸が副生さ
れる。その結果、第一鉄イオン、硫黄及び副生硫酸が、
溶液中に含有されることになる。なお、該溶液中には、
過剰分の3価鉄イオンや予め配合されていた非副生硫酸
などが共存する場合もある。
【0011】前記硫化水素ガス吸収・酸化工程(接触反
応)における温度は、通常50〜155℃、好ましくは
120〜140℃である。温度が50℃未満の低温で
は、硫化水素の吸収率が低下し、また硫黄の分離が困難
となる。特に、分離を速やかに行うためには、硫黄の融
点以上、硫黄の融点は同素体毎に異なるが120℃以上
にするのがよい。このように硫黄の融点以上に設定する
ことによって硫黄が溶融状態で生成し、比重差で容易に
硫黄と水溶液を分離することができる。この温度範囲未
満では、硫黄の分離が困難であると共に高純度で回収す
ることが困難である。一方、155℃を超える高温で
は、溶融硫黄の粘性が増大して取扱いが不便になること
がある。また、反応する際の圧力は、操作上に支障のな
い範囲で液の沸騰を防ぎ、上記所望の温度を保つために
必要な圧力であれば、特に制限はないが、通常は1at
m(1.01325×105 Pa)以上、例えば、1〜1
0atm(1.01325×105 〜10.1325×10
5 Pa)とする。また、好ましくは2〜5atm(2.0
2650×105 〜5.06625×105 Pa)の範囲
とする。
【0012】硫黄分離工程 この工程においては、上記硫化水素ガス吸収・酸化工程
において生じた2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含
む溶液(硫化水素吸収・酸化工程の出口液)から、硫黄
の分離処理が行われる。硫黄の分離処理方法については
特に制限はなく、物理的又は化学的な様々な方法を用い
ることができる。例えば物理的処理方法として沈降分離
法、遠心分離法などを用いることができるし、化学的処
理方法として、さらに他の硫黄化合物に変換する方法な
どを用いることができる。特に好ましい方法としては、
生成した硫黄を溶融硫黄として、液−液分離し、つまり
比重差により沈降分離し、回収する方法を挙げることが
できる。この硫黄分離工程に用いる硫黄分離装置は、特
に制限はなく、種々の構造のものを利用することができ
る。例えば、一般のシックナー形式,空塔ドラム形式,
沈降池形式など、分離回収すべき溶融硫黄滴の大きさや
設計上の回収率に応じて適宜選定すればよい。
【0013】電気化学的再生処理工程 この工程においては、電気分解などの電気化学的手法を
用いて上記硫黄分離工程で硫黄を分離、回収した後の溶
液(硫黄分離工程の出口液)を処理することによって、
陽極部分では該溶液中に多く含まれている第一鉄イオン
(Fe2+)を第二鉄イオン(Fe3+)に変換して3価の
鉄イオン(第二鉄イオン)を多く含有する溶液(吸収液
又は循環液)に再生すると共に、陰極部分では水素ガス
を発生させて水素ガスを分離回収する。ここで進行する
反応は、次の反応式で示される。 2Fe2++2H+ =2Fe3++H2 (気体)・・・(II) すなわち、陽極部分において第一鉄イオンが第二鉄イオ
ンに酸化再生されると共に、陰極部分において水素イオ
ンが還元されて、水素ガスが発生する。再生された溶液
は、前記硫化水素ガス吸収・酸化工程における硫化水素
の吸収液(循環液)として繰り返し使用することができ
る。なお、循環液に接触する部分の材質は、非シリカ系
が好ましい。
【0014】この電気化学的再生処理工程を行うための
電気化学的再生装置としては、例えば、通常の電気分解
などに慣用されている形式の電解槽などが充当できる。
このような工程を行う電解槽には、陽極部分と陰極部分
との間に隔膜が設けられており、該隔膜によって陽極部
分は陽極室、一方、陰極部分は陰極室と言うように仕切
られている。また、上記電極には、黒鉛や炭素繊維など
の耐酸材料が用いられている。上記隔膜としては、カチ
オン交換膜を用いることが好ましい。電気化学的再生処
理工程を行うための電気化学的再生装置として電解槽を
用いる場合には、該電解槽の陽極室に硫黄分離工程の出
口液が導入される。一方、陰極室には、通常所定濃度の
水素イオンを含む水溶液、例えば、0.5〜5モル/リッ
トル、好ましくは1〜4モル/リットルの水溶液を入れ
る。この範囲をはずれると、電解電圧が上昇し、効率が
低下するので好ましくない。あるいは、陽極と陰極の間
にある隔膜が乾燥しない程度の水分を補給して、電圧を
印加することにより行われる。
【0015】特に、本発明のうち第3の発明において
は、後述する副生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部
が該陰極室に導入される。陰極室に副生硫酸還元工程の
出口液を導入した場合には、陽極液から陰極液中へ鉄イ
オンが移行して陰極液中に鉄イオンが蓄積するのを防止
することができる。従って、完全クローズドシステムと
した場合において陰極液の交換と廃液の抜き出しが不用
となり、一層の長期間連続運転が可能となる。ここで陰
極室に導入される該出口液中の水素イオン濃度は、第1
及び第2の発明と同様に0.5〜5モル/リットル、好ま
しくは1〜4モル/リットルの範囲が望ましく、この範
囲をはずれると、電解電圧が上昇し、効率が低下するの
で好ましくない。該陰極室で発生した水素ガスを分離し
たのち、あるいは水素ガスを分離せず、陰極室液の出口
液は硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいは該硫化水素ガ
ス吸収・酸化工程の前又は後に戻される。ここで硫化水
素ガス吸収・酸化工程の後とは、硫化水素ガス吸収・酸
化工程の下流側であって、かつ硫黄分離装置の上流側を
意味する。
【0016】隔膜にカチオン交換膜を用いる場合は、所
望に応じて多孔質のガス透過性の電極、例えば、黒鉛繊
維布、好ましくは白金等の触媒を担持したものを、前記
隔膜に直接接触させてもよい。なお、この電解は通常は
25〜160℃で行われる。従って、硫化水素ガス吸収
・酸化工程における好ましい温度レベル(120〜14
0℃)でも問題なく電解を行うことができ、このような
高温電解によって経済性の向上を図ることもできる。ま
た、前記電気化学的処理によって発生する水素は、必要
に応じて通常の方法によって捕捉回収される。本発明の
うち第2及び第3の発明においては、回収された水素の
一部は、系内の副生硫酸の量をコントロールするため
に、処理液に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を生
成させるのに供されることもできる。
【0017】副生硫酸還元工程(第2及び第3の発明で
付加される工程) この工程においては、2価の鉄イオン及び副生硫酸を含
む硫黄分離工程の出口液の一部を水素と接触させ、該溶
液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を生成さ
せ、硫化水素(含水素)を硫化水素ガス吸収・酸化工程
あるいは該硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻
し、系内の副生硫酸の量をコントロールする。副生硫酸
を水素還元することによって硫化水素を生成させる反応
式は、次に示す通りである。 H2 SO4 +4H2 =H2 S+4H2 O ・・・(III) すなわち、硫酸は、水素により還元されて硫化水素を生
成する。前記硫酸の水素還元反応は、通常、気−液−固
(触媒)系に使われている種々の形式を利用して行うこ
とができる。例えば、スラリー床型反応器を用いて水素
還元反応を行う場合には、触媒として、粒径の小さいも
のを用いることができる。その結果、硫酸水溶液との接
触効率が高くなり、効率よく反応を進行させることがで
きる。しかし、このスラリー床型反応器では、反応後、
液−固分離装置が必要になってくる。また、気−液並流
型の灌液充填塔を用いて水素還元反応を行うことができ
る。この場合、降下流方式では、大量に処理することが
できる大型装置で行うのに適している。これに対して、
上昇流方式では、小型装置で行うのに適している。その
他、充填気泡塔を用いて水素還元反応を行うこともでき
る。
【0018】前記水素還元反応を行うにあたって、水素
還元装置に送入すべき硫黄分離工程の出口液の量は、硫
化水素吸収・酸化工程における硫酸の副生率と副生硫酸
還元工程での水素還元反応速度とのバランスによって決
められる。例えば、硫酸副生率が約2%の場合、通常、
硫黄分離工程の出口液の1〜5容量%に相当する溶液を
送入すればよい。また送入された出口液中の副生硫酸を
水素還元反応させるために供給される水素ガスは、前記
電気化学的再生処理工程で発生する水素ガス流から、5
〜35容量%に相当する量(過剰量)あるいは外部水素
から必要量を導入すればよい。そして、水素還元反応に
は各種の触媒を用いることができる。好ましい触媒の一
つとしては白金担持活性炭を例示することができ、これ
によって効率的に反応を進めることができる。
【0019】この水素還元反応における温度は、通常1
00〜180℃、好ましくは120〜150℃の範囲で
ある。この反応温度が100℃未満では、反応速度が非
常に小さくなる。一方、180℃を超えると、圧力が増
大し、プロセス的に不利になり好ましくない。また、水
素還元反応を行う際の圧力は、鉄塩水溶液の水分蒸発を
防ぎ、上記所望の温度を保つために必要な圧力であれ
ば、特に制限はなく、通常は3atm(3.03975×
105 Pa)以上、好ましくは5〜7atm(5.066
25×105 〜7.09275×105 Pa)の範囲であ
る。副生硫酸還元工程において副生硫酸の水素還元によ
って生成した硫化水素は、前記硫化水素ガス吸収・酸化
工程あるいは該硫化水素ガス吸収・酸化工程の前(上流
側に硫化水素濃縮装置がある場合はそこでもよい。)又
は後に戻される。
【0020】ここで、水素還元反応によって生成した硫
化水素(過剰分の水素を含む。)を硫化水素ガス吸収・
酸化工程に戻す理由は、吸収ガス(最初に硫化水素ガス
吸収・酸化工程に導入した硫化水素含有ガス)と同様に
回収硫化水素の吸収酸化反応を充分に進行させるためで
ある。また、硫化水素を硫化水素ガス吸収・酸化工程に
戻す理由は、副生硫酸還元工程から回収される硫化水素
ガスを液体状の硫黄に変換するため、第二鉄イオンを含
む硫黄の融点以上の温度レベルを有するラインに戻す必
要があり、硫黄分離工程の上流であればどこでもよいか
らである。この硫化水素を硫化水素ガス吸収・酸化工程
あるいは該硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後のい
ずれに戻すかは、システム全体のバランスを考慮して決
定すればよい。一方、副生硫酸が還元処理された回収液
(副生硫酸還元工程の出口液)は、第2の発明において
は硫黄分離工程又は該工程の前に戻される。その理由
は、該出口液の中には微量の溶存硫化水素が含まれ、3
価の鉄イオンを含む鉄塩水溶液に合流すると硫黄が生成
するためである。
【0021】これに対して、第3の発明においては、副
生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部を電気化学的再
生処理工程中の電気化学的再生装置の陰極室へ導入す
る。この点はすでに述べたとおりである。そして、副生
硫酸還元工程の出口液の一部だけを陰極室へ導入する場
合には、残りの出口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程あ
るいは硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻す。
このように、溶液中に含まれる副生硫酸を水素還元し、
系内の硫酸の含有量をコントロールすることによって、
システム全体をクローズド化して連続的に処理すること
ができる。
【0022】本発明の硫化水素含有ガスの処理方法にお
いては、硫化水素ガス吸収・酸化工程における処理済ガ
スの出口ラインのケーキ状硫黄の蓄積による閉塞を防止
するために、電気化学的再生処理工程の出口液(第3の
発明の場合は、電気化学的再生装置の陽極室出口液)の
一部(以下、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液と称することがあ
る。)を、主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液よりも
低い温度で、硫化水素ガス吸収・酸化工程において発生
した酸化処理済みガスに対して接触させた後、系外へ排
出させることが必要である。
【0023】一般に、長期間連続運転を実施した場合、
硫化水素ガス吸収・酸化工程において副生する微量の二
酸化硫黄と微量の未反応硫化水素とが酸化処理済みガス
中に混在し、そのため酸化処理済みガスの出口ラインの
凝縮水中で、下記の液相クラウス反応 2H2 S+SO2 → 3S+2H2 O ・・・(IV) が進行し、その結果、ケーキ状の硫黄が蓄積して出口ラ
インが閉塞(差圧の上昇)するなどのトラブルが発生
し、遂には連続運転が不可能になる。これに対し、本発
明においては、上記したような手段を構じることによ
り、酸化処理済みガスが冷却されるため、ガス中の水蒸
気量が減少し、その結果凝縮しにくくなり、ケーキ状硫
黄の蓄積が抑えられる。冷却用硫酸−硫酸鉄溶液と酸化
処理済みガスとの接触方式については特に制限はない
が、該冷却用硫酸−硫酸鉄溶液を噴霧状態で導入し、酸
化処理済みガスと接触させるのが、接触効果及び冷却効
率の点から好ましい。また、後述のように、主循環経路
における吸収液の温度低下を防止する観点から、冷却用
硫酸−硫酸鉄溶液の使用量はできるだけ少量とするのが
好ましいが、噴霧による場合は、冷却効率に優れ使用量
を低減できるので、かかる観点からも好ましい。
【0024】本発明において、上記冷却用硫酸−硫酸鉄
溶液の温度は、該溶液と酸化処理済みガスとの接触処理
を行う位置、即ち該溶液が主循環経路に合流する位置、
における主循環経路の硫酸−硫酸鉄溶液の温度より低け
れば、特に制限はなく、酸化処理済みガスを冷却すると
言う目的は充分に達成できる。しかし、かかる目的を効
率良く達成すべき観点から、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液の
温度及び主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液の温度
は、それぞれ40〜60℃及び120〜140℃の範囲
にあるのが好ましい。冷却用硫酸−硫酸鉄溶液の温度が
40℃未満では鉄塩が析出するおそれがあり、また60
℃を超えると冷却効果が低下する。一方主循環経路にお
ける硫酸−硫酸鉄溶液の温度が120℃未満では硫化水
素ガス吸収・酸化工程で生成した硫黄が凝固し、また1
40℃を超えると二酸化硫黄及び硫酸の副生率が高くな
る傾向がみられる。なお、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液の温
度及び主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液の温度は、
それぞれのライン上に設けられた温度調節器、例えば熱
交換器などによって、調節できる。
【0025】さらに、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液の主循環
経路における硫酸−硫酸鉄溶液に対する割合は、出口ガ
スの組成(水素やメタンなどの非凝縮ガス、硫化水素)
及び量などによって適宜選ばれるが、必要最小限が好ま
しい。ガス温度を低下させるのが目的であり、多すぎる
と該冷却用硫酸−硫酸鉄溶液が主循環経路に合流して吸
収液の温度が低下し、所定の温度を保持することができ
なくなる。なお、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液と酸化処理済
みガスとを接触させることにより、上記したようにガス
の温度が低下し、ガス出口ラインのケーキ状硫黄の蓄積
が抑えられる効果をもたらすとともに、ガス中に残存す
る未反応の硫化水素が該冷却用硫酸−硫酸鉄溶液に効率
よく吸収される効果をもたらす。
【0026】本発明においては、さらに、ガス出口ライ
ンにおける凝縮を防止し、ケーキ状硫黄の蓄積を効率的
に抑制するために、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液と接触後の
酸化処理済みガスの排出経路において、該処理済みガス
と接触する部分の壁面温度を、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液
の温度以上、例えば+10℃程度に加熱しておくことが
好ましい。なお、脱圧弁の設置位置以降の排出経路や、
排出経路に続く次の任意の処理工程以降のように、酸化
処理済みガスが凝縮を起こすおそれがなくなった場合に
は、上記の如き加熱は不要となる。また、本発明におい
て、冷却用硫酸−硫酸鉄溶液の導入位置については、硫
化水素ガス吸収・酸化工程が気−液向流式の吸収塔で行
われる場合、及び気−液並流式の吸収塔で行われる場
合、それぞれ次のようにするのが有利である。すなわ
ち、気−液向流式の吸収塔の場合、冷却用硫酸−硫酸鉄
溶液を、該吸収塔に設けられた主循環経路の導入位置よ
りも高い位置において吸収塔に導入し、例えば噴霧など
によって酸化処理済みガスと接触させるのがよい。ま
た、気−液並流式の吸収塔の場合、冷却用硫酸−硫酸鉄
溶液を、該吸収塔の後に設置されている気液分離器に設
けられた主循環経路の導入位置よりも高い位置において
気液分離器に導入し、例えば噴霧などによって酸化処理
済みガスと接触させるのがよい。
【0027】次に、本発明の好適な実施態様の例を添付
図面に従って説明する。図1及び図2は、第1の発明に
おける処理方法の異なった例を示す概略図であって、図
1は硫化水素ガス吸収・酸化工程を気−液向流式吸収塔
により行う場合を示し、図2は硫化水素ガス吸収・酸化
工程を気−液並流式吸収塔により行う場合を示す。
【0028】図1の説明 図1で示すように、電気化学的再生装置3(例えば電解
槽)で得られた硫酸−硫酸鉄溶液A(高温鉄液)を硫化
水素ガス吸収塔1(気−液向流式)に循環させることに
より、硫化水素ガス吸収塔1,硫黄分離装置2及び電気
化学的再生装置3からなる主循環経路を構成させる。こ
の際、硫酸−硫酸鉄溶液は、必要ならば熱交換器4によ
り加熱して所望の温度に調製してもよい。硫化水素含有
ガスを吸収塔1に送入し、硫酸−硫酸鉄溶液と接触させ
ると、前記反応式(I)に従って酸化反応が進行し、硫
黄が生成すると同時に、2価の鉄イオン及び副生した硫
酸を含む溶液が得られる。この際、吸収塔1の内部は、
図示していない加熱装置により加熱してもよい。反応系
内は硫黄の融点以上であれば、硫黄は吸収塔の内壁へ付
着することがほとんどない。酸化処理済みガスは、吸収
塔1の上部に導入されている電気化学的再生装置3から
の硫酸−硫酸鉄溶液の一部B(低温鉄液)と接触して冷
却されたのち、処理済ガスとして系外へ排出される。こ
の際、硫酸−硫酸鉄溶液の一部Bは、必要ならば熱交換
器5により冷却して所望の温度に調製してもよい。一
方、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液は、
硫黄分離装置2に送られる。なお、所望によりこの工程
の前に溶融硫黄滴を合一させる工程を設けてもよい。前
記硫黄分離装置2では、硫黄を溶融状態として、比重差
により溶液中で沈降させ、該分離装置の底部から容易に
回収される。また、硫黄を溶融状態で分離を行えば、硫
黄分離装置の内部構造を簡単にすることができる。さら
に、硫黄分離装置から出てくる硫黄回収後の溶液(循環
液)は、電気化学的再生装置3(例えば電解槽)に供給
される。この電解槽では、前記反応式(II)の反応が進行
し、第一鉄イオンが第二鉄イオンに還元されるととも
に、水素ガスが回収される。この電気化学的再生処理に
おいて用いられる装置としては、すでに前記したよう
に、従来慣用されている型式の電解槽を使用することが
できる。この電解槽には、陽極と陰極との間に、隔膜が
設けられており、また前記電極には、黒鉛や炭素繊維な
どの耐酸材料が用いられている。前記隔膜としてはカチ
オン交換膜を用いることが好ましい。なお、電解槽に供
給される2価の鉄イオン及び副生硫酸を含む溶液(循環
液)は、溶液中の硫黄の濃度が大きいと電解性能が低下
するので、電解槽に送られる溶液中の硫黄は、できるだ
け除去しておく方が良い。また、所望により、電解槽の
前にフィルターを設けることもできる。電気化学的再生
装置3で得られた硫酸−硫酸鉄溶液は、その大部分が高
温鉄液Aとして硫化水素ガス吸収塔1に供給され、また
その一部が低温鉄液Bとして高温鉄液Aの供給位置より
高い位置において吸収塔1に供給される。
【0029】図2の説明 図2で示されるように、電気化学的再生装置3(例えば
電解槽)で得られた硫酸−硫酸鉄溶液A(高温鉄液)を
硫化水素ガス吸収塔1(気−液並流式)に循環させるこ
とにより、硫化水素ガス吸収塔1,気液分離器6,硫黄
分離装置2及び電気化学的再生装置3からなる主循環経
路を構成させる。この際硫酸−硫酸鉄溶液は、必要なら
ば熱交換機4により加熱して所望の温度に調製してもよ
い。硫化水素含有ガスを吸収塔1に送入し、硫酸−硫酸
鉄溶液と接触させると、前記反応式(I)に従って酸化
反応が進行し、硫黄が生成すると同時に、2価の鉄イオ
ン及び副生した硫酸を含む溶液が得られる。この際、吸
収塔1の内部は、図示していない加熱装置により熱して
もよい。反応系内は硫黄の融点以上であれば、硫黄は吸
収塔の内壁は付着することがほとんどない。
【0030】硫化水素ガス吸収塔1を出たガス−反応液
混合物は気液分離器6に送られて気液分離され、分離さ
れた酸化処理済ガスは、気液分離器6の上部に導入され
ている電気化学的再生装置3からの硫酸−硫酸鉄溶液の
一部B(低温鉄液)と接触して冷却されたのち、処理済
ガスとして系外へ排出される。この際、硫酸−硫酸鉄溶
液の一部Bは、必要ならば熱交換器5により冷却して所
望の温度に調製してもよい。一方、2価の鉄イオン、硫
黄及び副生硫酸を含む溶液は、気液分離器6から硫黄分
離装置2に送られ、上記図1の場合と同様にして、硫黄
を分離回収したのち、硫黄回収後の溶液(循環液)は電
気化学的再生装置3(例えば電解槽)に送られ、電気化
学的に再生処理される。電気化学的再生装置3で得られ
た硫酸−硫酸鉄溶液は、その大部分が高温鉄液Aとして
吸収塔1に供給され、またその一部が低温鉄液Bとし
て、気液分離器6に供給される。
【0031】図3の説明 図3は、第2の発明における処理方法の一例を示す概略
図である。なお、この図3は、硫化水素ガス吸収・酸化
工程を気−液向流式吸収塔により行う場合を示す。図3
は、前記図1で示される工程に、さらに副生硫酸還元装
置7を付加したものであり、その他は図1と同じであ
る。したがって、副生硫酸還元装置7回りについて説明
する。硫黄分離装置2で硫黄を分離した2価の鉄イオン
及び副生硫酸を含む溶液の一部は、副生硫酸還元装置7
に供給される。この副生硫酸還元装置7には、同時に、
副生硫酸を水素還元するために、電気化学的再生装置3
で電気分解によって回収される水素の一部、あるいは外
部からの水素が導入される。この副生硫酸還元装置で
は、前記反応式(III) の反応が進行し、副生硫酸を水素
還元して硫化水素を生成する。この硫化水素(含水素)
は、硫化水素ガス吸収塔1に、あるいは図中には示され
ていないが該硫化水素ガス吸収塔1の前又は後に戻され
る。一方、副生硫酸還元装置7で得られた硫酸−硫酸鉄
溶液は、硫黄分離装置又はその前に戻される。
【0032】図4の説明 図4は第3の発明における処理方法の一例を示す概略図
である。なお、この図4は、硫化水素ガス吸収・酸化工
程を気−液向流式吸収塔により行う場合を示す。 図4
で示すように、電気化学的再生装置3の陽極室3−1で
得られた硫酸−硫酸鉄溶液A(高温鉄液)を硫化水素ガ
ス吸収塔1(気−液向流式)に循環させることにより、
硫化水素ガス吸収塔1,硫黄分離装置2及び電気化学的
再生装置3の陽極室3−1からなる主循環経路を構成さ
せる。この際、硫酸−硫酸鉄溶液は、必要ならば熱交換
機4により加熱して所望の温度に調製してもよい。硫化
水素含有ガスを吸収塔1に送入し、硫酸−硫酸鉄溶液と
接触させると、前記反応式(I)に従って酸化反応が進
行し、硫黄が生成すると同時に、2価の鉄イオン及び副
生した硫酸を含む溶液が得られる。この際、吸収塔1の
内部は、図示していない加熱装置により加熱してもよ
い。反応系内は硫黄の融点以上であれば、硫黄は吸収塔
の内壁へ付着することがほとんどない。酸化処理済みガ
スは、吸収塔1の上部に導入されている電気化学的再生
装置3の陽極室3−1からの硫酸−硫酸鉄溶液の一部B
(低温鉄液)と接触して冷却されたのち、処理ガスとし
て系外へ排出される。この際、硫酸−硫酸鉄溶液の一部
Bは、必要ならば熱交換器5により冷却して所望の温度
に調製してもよい。
【0033】一方、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸
を含む溶液は、硫黄分離装置2に送られ、上記図1の場
合と同様にして硫黄を分離回収したのち、硫黄回収後の
溶液(循環液)は電気化学的再生装置3(例えば電解
槽)の陽極室3−1に送られ、電気化学的に再生処理さ
れる。電気化学的再生装置3の陽極室3−1で得られた
硫酸−硫酸鉄溶液は、その大部分が高温鉄液Aとして硫
化水素ガス吸収塔1に供給され、またその一部が低温鉄
液Bとして、該高温鉄液Aの供給位置より高い位置にお
いて、吸収塔1に供給される。そして、硫黄分離装置2
で硫黄を分離した2価の鉄イオン及び副生硫酸を含む溶
液の一部は、副生硫酸還元装置7に供給される。この副
生硫酸還元装置7には、同時に、副生硫酸を水素還元す
るために、電気化学的再生装置3で電気分解によって回
収される水素の一部、あるいは外部からの水素が導入さ
れる。この副生硫酸還元装置では、前記反応式(III) の
反応が進行し、副生硫酸を水素還元して硫化水素を生成
する。この硫化水素(含水素)は、硫化水素ガス吸収塔
1に、あるいは図中には示されていないが該硫化水素ガ
ス吸収塔1の前又は後に戻される。一方、副生硫酸が還
元処理された回収液は、所望により、その一部が硫化水
素ガス吸収塔1に、あるいは該硫化水素ガス吸収塔1の
前又は後に戻され、残りが電気化学的再生装置3の陰極
室3−2に送られる。そして陰極室で発生した水素ガス
を分離したのち、陰極室液は硫化水素ガス吸収塔1に、
あるいは該硫化水素ガス吸収塔1の前又は後に戻され
る。なお、図4において、6は気液分離器である。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0035】実施例1 図1に示す工程図に従って実施した。なお、この実施例
においては熱交換器5は不要である。また、低温鉄液の
接触は、高温鉄液Aの導入口より高い位置から噴霧する
ことによって行った。3価の鉄イオンを含む硫化水素吸
収液(吸収塔導入時組成:FeSO4 0.70モル/リッ
トル,Fe(SO4 1.5 0.50モル/リットル及びH
2 SO4 2.5モル/リットル)を用い、低温鉄液B(5
0℃)1.5リットル/時間及び高温鉄液A(130℃)
28.5リットル/時間の割合で吸収塔に循環させた。そ
して、硫化水素を3.7モル/時間で吸収塔に供給して反
応させた。反応温度は130℃、反応圧力は3.5atm
(3.54638×105 Pa)とした。次いで、吸収塔
から導出した吸収液を、硫黄分離装置に導入し、生成し
た硫黄を分離、除去した後、電解槽(電極面積:2,00
0cm2 ,陽極室:炭素板/炭素繊維布,隔膜:市販の
カチオン交換膜,陰極:白金触媒付炭素繊維布/炭素
板)の陽極室に導入した。また、陰極室には、H2 SO
4 2.5モル/リットルを含む電解液を30リットル/時
間で循環させた。電解温度は50℃とし、電流密度10
0mA/cm2 の定電流運転を行った。750時間連続
運転を実施したが、吸収塔オーバーヘッド部及び脱圧弁
までの間において、硫黄の析出が実質的になく、また差
圧の上昇もなかった。なお、出口ガス中の硫化水素の含
有量は0.5容量%であった。
【0036】比較例1 実施例1において、低温鉄液Bの供給を行わずに高温鉄
液A(130℃)の供給量を30リットル/時間とし、
かつ出口ガスの冷却(ジャケット式,25℃水)を行っ
た以外は、実施例1と同様にして実施した。その結果、
約700時間運転後、差圧が上昇し始め、運転の続行が
困難になった。また、冷却部を開放したところ、ケーキ
状硫黄が蓄積し、閉塞状態であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、鉄塩水溶液処理及び電
気化学的再生処理を組み合わせて硫化水素含有ガスから
硫黄と水素ガスを回収する処理方法において、硫化水素
ガス吸収酸化工程における処理済ガス出口ラインのケー
キ状硫黄の蓄積による閉塞を効果的に防止し、長期間の
連続運転を可能とするとともに、効率よく硫黄と水素ガ
スとを回収することができる。また、主循環経路を流れ
る鉄塩水溶液の一部を冷却液として利用し、該冷却液は
利用された後、主循環経路に合流するので、クローズド
システムにおいて好適に利用できる。更に、副生硫酸の
還元処理工程を付加することにより、産業廃棄物の抜き
出しが不要で、クローズドシステムでの長期間の連続運
転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の硫化水素含有ガス処理法の一例を
示す概略図である。
【図2】 請求項1の硫化水素含有ガス処理法の異なっ
た例を示す概略図である。
【図3】 請求項2の硫化水素含有ガス処理法の一例を
示す概略図である。
【図4】 請求項3の硫化水素含有ガス処理法の一例を
示す概略図である。
【符号の説明】
1:硫化水素ガス吸収塔 2:硫黄分離装置 3:電気化学的再生装置 3−1:陽極室 3−2:陰極室 4:熱交換器 5:熱交換器 6:気液分離器 7:副生硫酸還元装置 A:高温硫酸−硫酸鉄溶液 B:低温硫酸−硫酸鉄溶液 a:硫化水素含有ガス b:処理済ガス c:硫黄 d:水素ガス e:硫化水素ガス(水素ガスを含む)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/77 C02F 1/461 C10G 32/02 A 6958−4H C25B 1/00 C 1/02 15/08 302 C02F 1/46 101 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化水素ガス吸収・酸化工程において、
    硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄
    溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を行
    い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を生
    成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口液
    を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
    後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程に
    導入して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると
    共に、水素を発生させて回収するに当たり、(A)電気
    化学的再生処理工程の出口液を、硫化水素ガス吸収・酸
    化工程に戻すことにより循環させて、硫化水素ガス吸収
    ・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理工程
    からなる主循環経路を構成する一方、(B)電気化学的
    再生処理工程の出口液の一部を主循環経路における硫酸
    −硫酸鉄溶液よりも低い温度で、硫化水素ガス吸収・酸
    化工程において発生した酸化処理済みガスに対して接触
    させた後、系外へ排出することを特徴とする硫化水素含
    有ガスの処理法。
  2. 【請求項2】 硫化水素含有ガス吸収・酸化工程におい
    て、硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫
    酸鉄溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を
    行い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を
    生成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口
    液を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
    後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程に
    導入して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると
    共に、水素を発生させて回収するに当たり、(A)電気
    化学的再生処理工程の出口液を、硫化水素ガス吸収・酸
    化工程に戻すことにより循環させて、硫化水素ガス吸収
    ・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理工程
    からなる主循環経路を構成する一方、(B)電気化学的
    再生処理工程の出口液の一部を主循環経路における硫酸
    −硫酸鉄溶液よりも低い温度で、硫化水素ガス吸収・酸
    化工程において発生した酸化処理済みガスに対して接触
    させた後、系外へ排出させ、更に(C)硫黄分離工程の
    出口液の一部を副生硫酸還元工程に導入し水素と接触さ
    せ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を
    生成させ、該硫化水素を硫化水素ガス吸収・酸化工程あ
    るいはその前又は後に戻すと共に、副生硫酸還元工程の
    出口液を硫黄分離工程又はその前で主循環経路に戻すこ
    とを特徴とする硫化水素含有ガスの処理法。
  3. 【請求項3】 硫化水素ガス吸収・酸化工程において、
    硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄
    溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を行
    い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を生
    成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口液
    を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
    後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程中
    の電気化学的再生装置の陽極室へ導入して、陽極室側で
    2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると共に、陰
    極室側で水素を発生させて回収するに当たり、(A’)
    電気化学的再生装置の陽極室出口液を硫化水素ガス吸収
    ・酸化工程に戻すことにより循環させて、硫化水素ガス
    吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生装置
    の陽極室からなる主循環経路を構成する一方、(B’)
    電気化学的再生装置の陽極室出口液の一部を主循環経路
    における硫酸−硫酸鉄溶液よりも低い温度で、硫化水素
    ガス吸収・酸化工程において発生した酸化処理済みガス
    に対して接触させた後、系外へ排出させ、更に(C’)
    硫黄分離工程の出口液の一部を副生硫酸還元工程に導入
    し水素と接触させ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元
    して硫化水素を生成させ、該硫化水素を硫化水素ガス吸
    収・酸化工程あるいはその前又は後に戻すと共に、副生
    硫酸還元工程の出口液の全部又は一部を電気化学的再生
    処理工程中の電気化学的再生装置の陰極室へ導入し、陰
    極室出口液及び該陰極室へ導入されなかった副生硫酸還
    元工程の出口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいは
    その前又は後で主循環経路に戻すことを特徴とする硫化
    水素含有ガスの処理法。
  4. 【請求項4】 硫化水素ガス吸収・酸化工程が気−液向
    流式の吸収塔により行われ、かつ電気化学的再生処理工
    程の出口液又は電気化学的再生装置の陽極室出口液の一
    部を、該吸収塔に設けられた主循環経路の導入位置より
    も高い位置において該吸収塔に導入し、酸化処理済みガ
    スと接触させる請求項1、2又は3記載の硫化水素含有
    ガスの処理法。
  5. 【請求項5】 硫化水素ガス吸収・酸化工程が気−液並
    流式の吸収塔により行われ、かつ電気化学的再生処理工
    程の出口液又は電気化学的再生装置の陽極室出口液の一
    部を、該吸収塔の後に設置されている気液分離器に設け
    られた主循環経路の導入位置よりも高い位置において該
    気液分離器に導入し、酸化処理済みガスと接触させる請
    求項1、2又は3記載の硫化水素含有ガスの処理法。
  6. 【請求項6】 主循環経路における硫酸−硫酸鉄溶液の
    温度が120〜140℃で、酸化処理済みガスと接触さ
    せる電気化学的再生処理工程の出口液又は電気化学的再
    生装置の陽極室出口液の温度が40〜60℃である請求
    項1、2又は3記載の硫化水素含有ガスの処理法。
  7. 【請求項7】 硫化水素含有ガスの吸収・酸化処理、及
    び酸化処理済みガスと電気化学的再生処理工程の出口液
    又は電気化学的再生装置の陽極室出口液の一部との接触
    処理を、圧力1〜10atmで行う請求項1、2又は3
    記載の硫化水素含有ガスの処理法。
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