JPH07268024A - 高屈折率材料 - Google Patents

高屈折率材料

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JPH07268024A
JPH07268024A JP5872694A JP5872694A JPH07268024A JP H07268024 A JPH07268024 A JP H07268024A JP 5872694 A JP5872694 A JP 5872694A JP 5872694 A JP5872694 A JP 5872694A JP H07268024 A JPH07268024 A JP H07268024A
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JP
Japan
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methacryloxyethoxy
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titanate
weight
high refractive
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JP5872694A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Fukai
知裕 深井
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
Yasushi Nakayama
靖士 中山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い屈折率を有し、透明性に優れ、プラスチ
ック基材上に充分な密着力をもって透明被覆膜層を形成
し得る高屈折率材料を提供する。 【構成】 次の一般式(I)で表される繰り返し単位か
らなり、数平均分子量が1000〜500000である
ポリマーを、加水分解し、その後縮合反応して得ること
よりなる高屈折率材料。 式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4の
アルキル基、R3 はアルキル基、フェニル基又はナフチ
ル基を表す。xは1、2又は3を表し、yは0、1又は
2を表し、x+y=3の関係にある。Aはチタン、ジル
コニウム又はゲルマニウムを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1.70以上の高い屈
折率を有し、透明性に優れた光学用成形体を与える高屈
折率材料に関する。
【0002】
【従来の技術】有機高分子材料は、軽量で、加工が容易
であることから、近年は光ファイバー、レンズ、機能性
フィルム等の光学材料として幅広く利用されているが、
重要な光学特性の一つである屈折率が無機高分子材料に
比べて低いため、利用範囲に制限を受けるという欠点を
有している。
【0003】一方、無機高分子材料は、耐熱性、力学物
性、耐薬品性等の性能及び屈折率の高さでは有機高分子
材料より優れているが、容易に成形できないという欠点
を有している。
【0004】上記欠点を改善し、両者の特質を併せ持つ
有機無機複合材料の研究が近年盛んに行われている。こ
のような有機無機複合材料の研究例として、特開平2−
261827号公報には表面硬度に優れ、高屈折率を有
する透明被覆層についての技術が開示されている。上記
技術では有機材料としてエポキシ樹脂、無機材料として
有機ケイ素化合物を用いており、これらの硬化物が高屈
折率を有する膜を形成し得ることが示されている。しか
し、この硬化膜の屈折率は1.566と必ずしも大きく
ないため、反射防止膜等に利用するには不充分であっ
た。
【0005】また、B.Wang,H.Huang,a
nd G.I.Wilkes,J.E.Polym.M
ater.Sci.Eng.,63,892(199
0)には、次の式(II)の構造の芳香族ポリスルホン
とテトラ−iso−プロポキシドチタンからなる有機無
機複合材料が、透明性に優れ、高屈折率を有することが
示されている。
【0006】
【化2】
【0007】上記有機無機複合材料を使用すると、複合
後の有機無機複合材料中のチタンオキシドの含有率が増
すほど屈折率は高くなり、60重量%の含有率で1.7
0を超える屈折率となる。しかしながら、無機高分子材
料の含有量が増すと、有機無機複合材料の線膨張率が低
下し、ガラス基材にコーティングし薄膜を形成する場合
は問題ないが、プラスチック基材上に薄膜を形成する場
合は、線膨張係数が大きく異なるため、密着性が低下す
るという問題点を有していた。
【0008】光学材料を選択反射膜、選択透過膜等の光
学多層膜として利用するには、1.70以上という高い
屈折率が要求されるが、市販されているプラスチック光
学材料中最高は、ICI社製、ポリエーテルスルホンの
1.64であり、高屈折率を有するプラスチック光学材
料は乏しく、また、1.70を超える屈折率を有してい
ても透明性や材料の着色等の問題点を有しており、実際
に利用できるものは存在しなかった。従って、現在使用
されている光学多層膜は無機ガラスの蒸着で作成されて
いるが、大面積の蒸着が難しく高コストになるため、潜
在的な市場要求はあるものの汎用的に利用されるには至
っていない状態であり、簡便な塗工法によって塗膜を形
成し得る高屈折率を有するプラスチック光学材料に対す
る要求が高まっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高い屈折率を有し、透明性に優れ、プラスチック基
材上に充分な密着力をもって透明被覆膜層を形成し得る
高屈折率材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の一
般式(I)で表される繰り返し単位からなり、数平均分
子量が1000〜500000であるポリマーを加水分
解し、その後縮合反応して高屈折率材料を得るところに
存する。
【0011】
【化3】
【0012】式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭
素数1〜4のアルキル基、R3 はアルキル基、フェニル
基又はナフチル基を表す。xは1、2又は3を表し、y
は0、1又は2を表し、x+y=3の関係にある。Aは
チタン、ジルコニウム又はゲルマニウムを表す。
【0013】一般式(I)で表される繰り返し単位中の
1 は入手が容易なことから水素又はメチル基であるも
のが用いられる。R2 は炭素数1〜4のアルキル基であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル
基、sec−ブチル基等から選ばれ、加水分解反応速度
の制御や溶剤への溶解性等の点から任意のものを選定で
きる。R3 はメチル、エチル等のアルキル基;フェニル
基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基である。また、A
はチタン、ジルコニウム又はゲルマニウムであり、高屈
折率を発現することから用いられる。一般に金属アルコ
キシドとして用いられる珪素原子は、高屈折率を発現し
ないため好ましくない。
【0014】上記一般式(I)の繰り返し単位を形成し
うるモノマーとしては、主鎖骨格がメタクリレートの場
合は、例えば、(2−メタクリルオキシエトキシ)トリ
メトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキ
シ)トリエトキシチタネート、(2−メタクリルオキシ
エトキシ)トリ−n−プロポキシチタネート、(2−メ
タクリルオキシエトキシ)トリ−iso−プロポキシチ
タネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)トリ−n
−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキ
シ)トリ−sec−ブトキシチタネート、(2−メタク
リルオキシエトキシ)トリ−tert−ブトキシチタネ
ート、(2−メタクリルオキシエトキシ)メチルジメト
キシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)メ
チルジエトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエ
トキシ)メチルジ−n−プロポキシチタネート、(2−
メタクリルオキシエトキシ)メチルジ−iso−プロポ
キシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)メ
チルジ−n−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオ
キシエトキシ)メチルジ−sec−ブトキシチタネー
ト、(2−メタクリルオキシエトキシ)メチルジ−te
rt−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエ
トキシ)ジメチルメトキシチタネート、(2−メタクリ
ルオキシエトキシ)ジメチルエトキシチタネート、(2
−メタクリルオキシエトキシ)ジメチル−n−プロポキ
シチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)ジメ
チル−iso−プロポキシチタネート、(2−メタクリ
ルオキシエトキシ)ジメチル−n−ブトキシチタネー
ト、(2−メタクリルオキシエトキシ)ジメチル−se
c−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエト
キシ)ジメチル−tert−ブトキシチタネート、(2
−メタクリルオキシエトキシ)エチルジメトキシチタネ
ート、(2−メタクリルオキシエトキシ)エチルジエト
キシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)エ
チルジ−n−プロポキシチタネート、(2−メタクリル
オキシエトキシ)エチルジ−iso−プロポキシチタネ
ート、(2−メタクリルオキシエトキシ)エチルジ−n
−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキ
シ)エチルジ−sec−ブトキシチタネート、(2−メ
タクリルオキシエトキシ)エチルジ−tert−ブトキ
シチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)ジエ
チルメトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエト
キシ)ジエチルエトキシチタネート、(2−メタクリル
オキシエトキシ)ジエチル−n−プロポキシチタネー
ト、(2−メタクリルオキシエトキシ)ジエチル−is
o−プロポキシチタネート、(2−メタクリルオキシエ
トキシ)ジエチル−n−ブトキシチタネート、(2−メ
タクリルオキシエトキシ)ジエチル−sec−ブトキシ
チタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)ジエチ
ル−tert−ブトキシチタネート、(2−メタクリル
オキシエトキシ)フェニルジメトキシチタネート、(2
−メタクリルオキシエトキシ)フェニルジエトキシチタ
ネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)フェニルジ
−n−プロポキシチタネート、(2−メタクリルオキシ
エトキシ)フェニルジ−iso−プロポキシチタネー
ト、(2−メタクリルオキシエトキシ)フェニルジ−n
−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキ
シ)フェニルジ−sec−ブトキシチタネート、(2−
メタクリルオキシエトキシ)フェニルジ−tert−ブ
トキシチタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)
ナフチルジメトキシチタネート、(2−メタクリルオキ
シエトキシ)ナフチルジエトキシチタネート、(2−メ
タクリルオキシエトキシ)ナフチルジ−n−プロポキシ
チタネート、(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフチ
ルジ−iso−プロポキシチタネート、(2−メタクリ
ルオキシエトキシ)ナフチルジ−n−ブトキシチタネー
ト、(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフチルジ−s
ec−ブトキシチタネート、(2−メタクリルオキシエ
トキシ)ナフチルジ−tert−ブトキシチタネート等
のチタン含有化合物、上記化合物のチタネートをジルコ
ネートに置き換えたジルコニウム含有化合物及びゲルマ
ネートに置き換えたゲルマニウム含有化合物等が挙げら
れる。また、主鎖骨格がアクリレートの場合も上記と同
様の構造が利用できる。さらにこれらの混合物も高屈折
率を発現するために、好適に使用可能である。
【0015】本発明で使用されるポリマーの分子量は数
平均分子量で1000〜500000である。1000
未満ではポリマーの力学物性が低く、実用性が無くな
り、500000を超えると成形性が低下するため、上
記範囲に限定される。
【0016】本発明で使用されるポリマーを構成するモ
ノマーとしては、上記モノマーに加えて、共重合可能な
化合物として、例えば、スチレン、p−メチル−α−メ
チルスチレン、p−クロロスチレン、p−シアノスチレ
ン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体、メチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ク
ロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、p−ビフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルAエチレンオキシド付加物のジメタクリレート、テト
ラブロモビスフェノールAエチレンオキシド付加物のジ
メタクリレート、p−ビス(β−(メタ)アクリロイル
オキシエチルチオ)キシリレン等の(メタ)アクリル誘
導体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、
ジアリルフタレート、エポキシコハク酸ジアリル、アリ
ルフェニルシラン、ジアリルジメチルシラン等のアリル
化合物等が挙げられる。
【0017】上記共重合可能な化合物の共重合分率が高
くなると、屈折率の低下を引き起こすので、生成するポ
リマーの30モル%以下であることが好ましい。
【0018】本発明で使用されるポリマーの重合は、一
般的なラジカル重合開始剤により実施され特に限定され
ず、例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合
等の公知の方法を用いることができ、組成比のコントロ
ールが自由な溶液重合が好ましい。
【0019】上記重合方法で使用されるラジカル重合開
始剤は特に限定されず、一般的な開始剤が使用でき、例
えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、過酸化ラウロイル等の過酸化物;アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスメチルバレロニトリル等のアゾ
化合物を用いることができる。上記重合開始剤は、総モ
ノマー重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%用いる。
【0020】上記重合方法において、重合温度は20〜
120℃、重合時間は1〜70時間程度が好ましい。
【0021】上記重合方法で使用される重合溶媒として
は、本発明で使用されるモノマーを溶解するものであれ
ば特に限定されず、一般的な重合溶媒が使用でき、例え
ば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
を用いることができる。
【0022】また、上記重合方法は光重合開始剤によっ
ても行うことができる。使用される光重合開始剤は特に
限定されず、例えば、アセトフェノン、ジエトキシアセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベ
ンジルメチルケタール等のベンゾイン系;ベンゾフェノ
ン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフ
ェノン等のベンゾフェノン系;チオキサントン系等を用
いることができる。
【0023】上記光重合開始剤は、モノマー総重量に対
して0.01〜10重量%使用するのが適当であり、照
射光量は0.01〜100J/cm2 、好ましくは0.
1〜30J/cm2 で反応させるのが良い。なお、重合
はラジカル重合と光重合を組み合わせて実施することも
できる。
【0024】本発明で使用されるポリマーの加水分解及
び縮合反応の方法は、ポリマーを有機溶媒、酸及び水か
らなる混合溶媒に溶解することにより加水分解縮合反応
を行うことができる。加水分解反応により、一般式
(I)の繰り返し単位に含まれる−A(O−R2)xの
構造が水と反応し、−A(OH)xとなる。
【0025】上記加水分解反応で使用される有機溶媒と
しては、本発明で使用されるポリマー、酸及び水と相溶
しうる溶媒であれば特に限定されず、例えば、ベンジル
アルコール、アセトアルデヒド、プロピレンオキサイ
ド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0026】上記有機溶媒の配合量は一般式(I)の繰
り返し単位を有するポリマー100重量部に対し、10
0〜50000重量部の範囲にあることが好ましい。1
00重量部未満では溶液の固形分濃度が小さくなりす
ぎ、溶剤を除き固形物を得るプロセスが長時間にわたる
ため好ましくない。
【0027】また、上記混合溶媒中に含まれる酸は加水
分解のための触媒として加えるため、添加する水に0.
01〜0.5重量%含めばよい。0.01重量%未満で
は触媒としての効果が望めず、0.5重量%を超えると
上記混合溶媒が相分離するために好ましくない。上記酸
の種類としては、例えば、塩酸、酢酸、ぎ酸、硫酸、硝
酸等が挙げられるが、この中でも揮発性があり、除去が
容易な塩酸、酢酸が好ましく、特に塩酸が好ましい。
【0028】また、添加する水も加水分解のため加える
のであり、一般式(I)の繰り返し単位1モルに対し水
が1〜10モルであることが好ましい。1モル未満では
加水分解反応が充分に起こらず、10モルを超えると混
合溶媒が相分離するため好ましくない。
【0029】加水分解反応後の縮合反応は、加水分解反
応後にも上記の方法で作成した溶液中で一部縮合反応は
進むが、この溶液から加熱により有機溶媒を除去し、固
形物を50〜200℃の温度の雰囲気に30分以上おく
ことにより、縮合反応をさらに進めることができる。好
ましくは80〜180℃の温度雰囲気で2時間以上おく
ことであり、これにより縮合反応が進み、実用的に充分
な強度を有する成形体を得ることができる。この縮合反
応は一般式(I)中の−A(OH)x基が別の−A(O
H)x基と縮合し、水が抜けることにより進行する。
【0030】本発明の高屈折率材料の成形においては、
一般式(I)の繰り返し単位を有するポリマーを有機溶
媒、酸及び水からなる混合溶媒に溶解した溶液を、バー
コート、スピンコート、スプレーコート、ロールコー
ト、ディップコート、流し塗り等の通常の塗布方法によ
ってプラスチック基材上に塗布することができる。上記
プラスチック基材としては、例えば、ポリメチルメタク
リレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレ
フタレート等の透明フィルム、プレートであることが好
ましいが、目的によっては、ガラス上に塗布することも
できる。
【0031】上記成形により得られる高屈折率材料のコ
ーティング膜上には、例えば、無機材料の蒸着によるコ
ーティング膜や、有機材料のコーティング膜等の新たな
コーティング膜を設けて多層膜とすることもできる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明する。
【0033】実施例1 攪拌機を取り付けたフラスコにテトラヒドロフラン10
0重量部を入れ、(2−メタクリルオキシエトキシ)ト
リイソプロポキシチタネート18重量部、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.16重量部を仕込み窒素置換を行っ
た。その後系を60℃に昇温し、10時間重合を行い、
重合終了後、一部を抜き取りテトラヒドロフランを揮発
させることにより白色のポリマー粉末を得、分子量を測
定した。
【0034】次に、重合溶液に水100重量部と塩酸
0.03重量部からなる塩酸水溶液を1重量部加え、1
時間攪拌を行い、加水分解反応を進めた。この溶液をポ
リエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、テトロ
ンフィルム標準タイプ、厚み50μm、表面処理無し)
上にバーコーターで塗布し、50℃の真空乾燥機中で3
0分乾燥を行い、厚み1μmの塗膜を形成した。さらに
120℃で3時間加熱することにより、縮合反応を進め
た。この表面に形成された塗膜の屈折率及び塗膜とフィ
ルムの密着性を測定する目的で碁盤目剥離試験(MIL
−C−675A準拠)を行った。結果を表1に示した。
【0035】分子量はGPC(東ソー社製、GPCシス
テム)で測定した。屈折率はエリプソメーター(溝尻光
学社製)で測定した。碁盤目剥離試験はMIL−C−6
75Aに準拠して行い、塗膜の剥離の有無を観察した。
全く剥離のない場合(碁盤目100個の内、100個と
も剥離のない場合)には○を、一部でも剥離のある場合
には、その剥離した個数を記した。
【0036】実施例2 (2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシ
チタネート15重量部、メチルメタアクリレート0.8
5重量部を用いた以外は実施例1と同様に塗膜を得、評
価を行い、結果を表1に示した。
【0037】実施例3 (2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシ
チタネート15重量部、スチレン0.88重量部を用い
た以外は実施例1と同様に塗膜を得、評価を行い、結果
を表1に示した。
【0038】実施例4 (2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシ
チタネートに代えて、(2−メタクリルオキシエトキ
シ)トリイソプロポキシゲルマンを用いた以外は実施例
1と同様塗膜を得、評価を行い、結果を表1に示した。
【0039】比較例1 (2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシ
チタネートに代えて、メタクリル酸メチル36重量部を
用いた以外は実施例1と同様に塗膜を得、評価を行い、
結果を表1に示した。
【0040】表1中、Xは下記一般式(III)を表
す。式中、Aは、チタン、ジルコニウム又はゲルマニウ
ムを表し、iPrはイソプロピルを表す。
【0041】
【化4】
【0042】Yは下記式(IV)を表す。
【0043】
【化5】
【0044】Zは下記式(V)を表す。
【0045】
【化6】
【0046】比較例2 攪拌機を備えたフラスコにテトラヒドロフラン100重
量部を入れ、テトラ−n−ブチキシチタン18重量部、
水100重量部及び塩酸0.03重量部からなる塩酸水
溶液1重量部を加え、1時間攪拌を行い、加水分解し、
縮合反応を進めた。この溶液を用いて、実施例1と同様
の方法でポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗膜
を形成し、この塗膜を実施例1と同様の評価を行い結果
を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の高屈折率材料は上述の構成より
なるポリマーからなるので、従来品と異なり屈折率が高
く、プラスチック基材に塗布した際にも充分な密着力を
有するコーティング塗膜を形成することができる。この
ため各種光学材料として透明被覆層、光学多層膜等への
利用が可能であり工業的利用価値が大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I)で表される繰り返し単
    位からなり、数平均分子量が1000〜500000で
    あるポリマーを、加水分解し、その後縮合反応して得る
    ことを特徴とする高屈折率材料。 【化1】 式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は炭素数1〜4の
    アルキル基、R3 はアルキル基、フェニル基又はナフチ
    ル基を表す。xは1、2又は3を表し、yは0、1又は
    2を表し、x+y=3の関係にある。Aはチタン、ジル
    コニウム又はゲルマニウムを表す。
JP5872694A 1994-03-29 1994-03-29 高屈折率材料 Pending JPH07268024A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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