JPH07267666A - 光学用合成石英ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

光学用合成石英ガラス成形体の製造方法

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JPH07267666A
JPH07267666A JP9399194A JP9399194A JPH07267666A JP H07267666 A JPH07267666 A JP H07267666A JP 9399194 A JP9399194 A JP 9399194A JP 9399194 A JP9399194 A JP 9399194A JP H07267666 A JPH07267666 A JP H07267666A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形作業時に、グラファイト型等の型による
汚染、及び合成石英ガラスの変形等を避けて、汚染が少
なく、高い透過率を有し、蛍光の発生等の光学上の好ま
しくない特性が最も少ない合成石英ガラスの均一な成形
を可能にする光学部材用の合成石英ガラス成形体の成形
方法を提供する。 【構成】 外径に対し5倍を超える長さを有し、一部が
加熱されて溶融帯域が形成されている棒状合成石英ガラ
スの両端を、同じ回転方向で回転数を違えて回転させな
がら、回転軸方向に加圧して変形させて、外径に対し1
乃至4倍の長さを有する合成石英ガラス予備成形体を形
成し、次いで、この合成石英ガラス予備成形体を、型を
用いて加熱下に成形して光学用合成石英ガラス成形体
を、座屈や品質に影響を及ぼすような成形を避けて比較
的短時間に製造する光学用合成石英ガラス成形体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は、棒状合成石英ガラスから光学
用石英ガラス成形体の製造方法に関し、特に、レンズ、
ミラー、ウインドウ、プリズム等の光学部材用の偏平な
形状及び立方体状の石英ガラス成形体を、棒状合成石英
ガラスから、効率良く、かつグラファイト製又はSiC
製等の型を用いる成形工程での該型からの汚染による光
の透過率の低下及び蛍光の発生を最小限にして製造する
ことが可能な光学用石英ガラス成形体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】合成石英ガラスは、優れた光透過性を有
しており、光学用の部品、例えば、レンズ、ミラー、ウ
インドウとしてしばしば使用されている。殊に、合成石
英ガラスは、紫外線領域で、他のガラスでは得ることが
できないような高透過性を示すために、紫外線用の光学
部品によく使用されている。また、特に、棒状の合成石
英ガラスから製造された光学用合成石英ガラス成形体
は、特殊な処理によって屈折率の均質性を極めて向上で
き、しかも、例えば、エキシマレーザーのような非常に
エネルギーの強い紫外線に対しても、他のガラスより非
常に安定であるために、近年では、半導体の製造に必要
なリソグラフィー用の光学部品として頻繁に使用されて
いる。
【0003】このような合成石英ガラス製の光学部品
は、例えば、従来の石英ガラスレンズと同様に、偏平な
円盤状の合成石英ガラス成形体から研削及び研磨されて
製造されており、例えば、合成石英ガラス製のウインド
ウ、ミラー又はプリズムは、偏平状、角柱状又は直方体
状の合成石英ガラス成形体から研削及び研磨されて製造
されている。これら研削加工前の偏平な円盤状、角柱状
又は立方体状の合成石英ガラス成形体は、特に石英ガラ
スブランクスと呼ばれ、通常、棒状の合成石英ガラス成
形体から、グラファイト製の型等の型を用いて、高温下
に偏平状、角柱状又は直方体状の各形状に成形すること
により製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、特に、合成石
英ガラス製の紫外線用光学部品を製造する合成石英ガラ
ス成形体の成形工程においては、型からの汚染によっ
て、しばしば紫外域での透過率が低下し、又は蛍光が生
じて問題となっている。
【0005】また、例えば、グラファイト製の型、即ち
グラファイト型を使用する成形工程においては、出発体
の石英ガラス成形体は、通常、外径に対し5倍以上の長
さを有する棒状合成石英ガラスである。例えば、このよ
うな、細長い棒状合成石英ガラスから、一挙に、偏平な
形状、例えば円盤形状に成形すると、変形量が大きいた
めに、成形に長時間を要して問題であり、また、この成
形時間を短縮しようとして成形温度を高くしたり、加重
を掛けたりすると、しばしば合成石英ガラス棒が折れ曲
がったり、又は不均一な変形を生じたりして問題であっ
た。
【0006】また、このように成形時間が長時間化する
ことは、合成石英ガラスとグラファイト型等の型との接
触時間の増大につながり、このために、光学用合成石英
ガラス成形体は、例えば、グラファイト型からの汚染に
より、不純物量が増加し、その光学的特性が大きく低下
して問題である。本発明は、棒状合成石英ガラス成形体
から、例えば偏平な形状に成形するときの、グラファイ
ト型等による汚染、及び成形作業時の合成石英ガラスの
変形等に係る問題点を解決することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、合成石英
ガラス成形体へのグラファイト製の型やSiC製の型か
らの汚染による不純物量が少なく、合成石英ガラス成形
体の均一な成形を可能にする光学部材用合成石英ガラス
成形体の成形方法を見いだすために鋭意検討した結果、
棒状合成石英ガラスを、例えばグラファイト型を使用し
て成形する場合、棒状合成石英ガラスの長さを、その外
径に対して1乃至4倍、好ましくは2乃至3.5倍とす
ることにより、最も均質で効率のよい成形を行うことが
できることを発見した。また、本発明者らは、更に、例
えばグラファイト型を使用して、偏平な形状に合成石英
ガラス成形体を成形する場合、該成形前に、予め、外径
に対して1乃至4倍、好ましくは2乃至3.5倍の長さ
を有する棒状合成石英ガラスを、石英ガラス加工用旋盤
により成形することによって、汚染が少なく、高い透過
率を有し、蛍光の発生等の光学上の好ましくない特性が
最も少ない合成石英ガラスが得られることを見い出し、
本発明を発明するに至った。
【0008】即ち、本発明は、棒状合成石英ガラスを型
を用いて加熱下に成形して光学用合成石英ガラス成形体
とする光学用石英ガラス成形体の製造方法において、外
径に対し5倍を超える長さを有し、一部が加熱されて溶
融帯域が形成されている棒状合成石英ガラスの両端を、
同じ回転方向で回転数を違えて回転させながら、回転軸
方向に加圧して変形させて、外径に対し1乃至4倍の長
さを有する合成石英ガラス予備成形体を形成し、次い
で、この合成石英ガラス予備成形体を、型を用いて加熱
下に成形して光学用合成石英ガラス成形体を製造するこ
とを特徴とする光学用合成石英ガラス成形体の製造方法
にある。
【0009】本発明において、外径に対し5倍を越える
長さを有する棒状合成石英ガラスの合成石英ガラス予備
成形体への変形は、その棒状合成石英ガラスの両端に取
り付けられた石英ガラス加工用旋盤に把持されている支
持棒、支持ブロック等の支持部材を介して行われる。こ
の場合、棒状合成石英ガラスの両端に取付けられている
支持部材を回転させながら、棒状合成石英ガラスの一部
を加熱して溶融帯域を形成し、支持部材の一方又は双方
を、回転軸上で、前記二つの支持棒間の間隔が狭まる方
向に移動させると共に、加熱手段を支持部材の移動方向
に移動させて、棒状合成石英ガラスに形成された溶融帯
域を加圧変形させながら回転軸方向に移動させることに
より、棒状合成石英ガラスの径を太く変形させて、合成
石英ガラス予備成形体とするのが好ましい。
【0010】本発明において、棒状合成石英ガラスは、
断面が、円形又は角の丸い方形或いは楕円形又は角の丸
い長方形に形成されるが、断面が円形であるのが、光学
部材を製造する上で、光学部材を品質を損なわないで容
易に成形できるので好ましい。本発明において、光学用
石英ガラス成形体は、円盤状、角形の板状、直方体状、
立方体状等の形状を有するものであるが、円盤状である
のが、光学部材を製造する上で、光学部材を品質を損な
わないで容易に成形できるので好ましい。
【0011】光学用石英ガラス成形体は、グラファイト
型を使用して成形されるので、該型からの汚染部分が生
じるが、この汚染部分は、例えば、切削等により除去さ
れる。本発明においては、光学用合成石英ガラス成形体
のグラファイト型等の型による汚染部分が少ないので、
例えば、光学部材の素材としての光学用合成石英ガラス
成形体の歩留まりを高くでき効率的である。
【0012】本発明において、グラファイト型等の型を
用いる光学用石英ガラス成形体の成形に先立って、素材
の棒状合成石英ガラスを、直径に対し1乃至4倍、好ま
しくは2乃至4倍の長さを有する合成石英ガラス予備成
形体に形成する。この合成石英ガラス予備成形体の成形
は、型を使用しないで、非接触に行われる。
【0013】本発明において、素材の棒状合成石英ガラ
スを合成石英ガラス予備成形体に形成するには、素材の
棒状合成石英ガラスは、その両端を、石英ガラス加工用
旋盤の左右のチャックに把持されている支持部材に取り
付ける。次いで、このように石英ガラス加工用旋盤のチ
ャックに支持部材を介して取り付けられた棒状合成石英
ガラスの一部を加熱軟化して、溶融帯域を形成し、石英
ガラス加工用旋盤の左右のチャックを、同方向に回転数
を違えて回転させることにより、棒状合成石英ガラスを
捻りながら、少なくとも一方のチャックを両チャックの
間隔が狭まる方向に移動させて、溶融帯域を加圧変形さ
せ、これと同時に加熱用バーナー等の加熱手段を移動さ
せて、溶融帯域を加圧変形させながら、棒状合成石英ガ
ラスの全長に亙って移動させ、棒状合成石英ガラスの外
径を増加させて、直径に対する長さが1乃至4倍、好ま
しくは2乃至3.5倍である合成石英ガラス予備成形体
を形成する。
【0014】本発明において、グラファイト型により、
棒状合成石英ガラスを成形する前に、予備的な成形工程
を設けて、棒状合成石英ガラスを、外径に対し長さが、
1乃至4倍、好ましくは2乃至3.5倍である合成石英
ガラス予備成形体に成形することにより、グラファイト
製の型による光学用石英ガラス成形体を、座屈及び品質
が損なわれるような成形を防止して、また、成形の際の
グラファイト型からの汚染の影響を最小限に抑制して、
さらに、紫外領域での透過率の低下が少なく、また蛍光
の発生も少ない光学用石英ガラス成形体を、成形時間を
短縮して成形することができる。
【0015】本発明において、合成石英ガラス予備成形
体を製造する場合に、棒状合成石英ガラスの両端に与え
られる回転の回転差は、高速回転側の回転数に対して、
低速側の回転数を4%乃至36%低くして設定するのが
好ましく、特に高速側の回転数に対して、低速側の回転
数を、4%乃至18%低くして回転差を設定するのが好
ましい。したがって、高速側の回転数を30回転/分と
した場合、低速側の回転数は、28乃至19回転/分と
することができるが、28乃至25回転/分であるのが
好ましい。この場合、溶融帯域が最初に形成される側及
び外力を加える側の回転数を低くすると、作業が行い易
くなるので好ましい。
【0016】本発明においては、光学用合成石英ガラス
成形体は、グラファイト型等の型を使用して、合成石英
ガラス予備成形体から成形される。この合成石英ガラス
予備成形体からの成形時に、合成石英ガラス予備成形体
の座屈及び品質が損なわれるような成形による不良品を
生じないようにするために、合成石英ガラス予備成形体
は、比較的安定した形状とすることが必要とであり、そ
のために、本発明においては、合成石英ガラス予備成形
体は、外径に対し長さが、1乃至4倍の範囲であること
が必要であり、好ましくは、外径に対し長さは2乃至
3.5倍の範囲内とされる。
【0017】即ち、外径に対し長さが5を越える棒状合
成石英ガラスを、例えばグラファイト型による成形の出
発材料とする場合には、グラファイト型による成形後の
形状が、一般に、外径に対し高さが1倍以下であること
が多いので、変形量が大きくなるために成形時間が長時
間となり、グラファイト製の型からの汚染が大きくなっ
て、歩留まりが低下することとなる。また、棒状合成石
英ガラスの端面が、その側面に対して僅かでも直角から
外れるように形成されていると、悪いときには、グラフ
ァイト製の型内に立てて配置した棒状合成石英ガラス
は、姿勢が悪くなり、成形途中で棒状合成石英ガラスが
倒れたり、折れ曲がったりして、安定した成形を行うこ
とができない。これは、例えば成形時間を短縮するため
に、棒状合成石英ガラスに重りを載せたりした場合、更
に助長される。
【0018】本発明において、棒状合成石英ガラスが、
均質化処理を施された高均質の棒状合成石英ガラスであ
る場合には、例えば、紫外線用の高均質な合成石英ガラ
ス光学部材を製造するための高均質な円盤状合成石英ガ
ラス素材を効率よく製造することができるので好まし
い。本発明は、棒状合成石英ガラスから、例えば円盤状
の合成石英ガラス成形体を高効率で製造することができ
る。したがって、本発明において、棒状合成石英ガラス
は、一般的な直接法あるいはVAD法で製造されたまま
の棒状合成石英ガラスとすることができる。
【0019】
【作用】本発明は、棒状合成石英ガラスの1部を加熱軟
化させて溶融帯域を形成し、棒状合成石英ガラスの両端
部を異なる回転数で回転させると共に、回転軸方向に棒
状合成石英ガラスを加圧して、溶融帯域を加圧変形さ
せ、外径に対する長さの比が1乃至4の棒状合成石英ガ
ラス予備成形体を形成し、次いで、この棒状合成石英ガ
ラス予備成形体を、グラファイト製の型を用いて加熱下
に、光学用部材の原料となる光学用合成石英ガラス成形
体を形成するので、素材の棒状合成石英ガラスから光学
用合成石英ガラス成形体を、座屈や品質に影響を及ぼす
ような成形を避けて、比較的短時間に製造することがで
きることとなり、しかも、棒状合成石英ガラスのグラフ
ァイト製の型からの汚染を少なくでき、合成石英ガラス
光学部材の素材となる光学用合成石英ガラス成形体を高
い歩留まりで製造することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施の態様の例について、
比較例を挙げて説明するが、本発明は、以下の説明及び
例示により何ら限定されるものではない。図1は、本発
明の実施例1及び比較例1で得られた石英ガラス成形体
の厚さ1cmの試料について透過率計で測定した紫外線
(波長nm)の見掛け透過率(%)を、実施例1の試料
については実線で示し、比較例1の試料については一点
鎖線で示している、紫外線の見掛け透過率測定曲線の比
較図である。
【0021】例1.直径60mm、長さ1000mmの
合成石英ガラス棒は、その両端に、石英ガラス加工用旋
盤のチャックに把持されており、前記合成石英ガラス棒
と同径の合成石英ガラス製の支持棒を取付けて、石英ガ
ラス加工用旋盤のチャックに支持棒を介して把持され
る。合成石英ガラス棒を石英ガラス加工用旋盤の両チャ
ック取り付けたところで、両チャックを同期回転させ
た。本例ではこの回転は30回転/分であった。合成石
英ガラス棒の左端を加熱軟化して溶融帯域を形成した
後、両チャックの回転数を違えて回転させた。このチャ
ックの回転は、本例では、左側のチャックを30回転と
し、右側のチャックを25回転とした。石英ガラス加工
用旋盤の左方のチャックをゆっくりと回転軸方向に押し
て溶融帯域に圧力を加えることにより、該溶融帯域を加
圧変形させる。この溶融帯域の加圧変形により、合成石
英ガラス棒の径を増大させながら、左方のチャックの動
きに合わせてバーナーを左から右方向に移動させ、合成
石英ガラス棒全体を外径100mmに予備成形した。こ
の予備成形された合成石英ガラス棒の外径が均一な部分
を支持棒から切り離し、外径100mm、長さ340m
mの合成石英ガラス予備成形体を得た。この場合の合成
石英ガラス予備成形体の収率は95%であった。
【0022】この合成石英ガラス予備成形体を、内径2
00mm、高さ400mmのグラファイト製の型内に配
置し、その侭、電気炉内に入れ、炉内を真空排気した
後、窒素を充填して1800℃まで20℃/分の加熱速
度で昇温し、最高温度に達すると同時に通電を停止し、
自然冷却した。冷却後、外径200mm、高さ85mm
の光学用石英ガラス成形体を得た。再び電気炉で大気中
1150℃に加熱、徐冷して歪除去を行った。この光学
用合成石英ガラス成形体に波長254nmの紫外線を照
射し蛍光を観察したところ表面部分から5mmの範囲で
グラファイトからの汚染による緑色の蛍光を観察した。
この蛍光を観察した外周表面部分及び両端面部分を研削
除去した。本例において、この蛍光を発しない部分の収
率は75%であった。
【0023】また、この中央部分から縦10mm、横1
0mm、高さ50mmの透過率測定用の試料を切り出
し、側面を研磨して透過率を測定したところ、200n
mの紫外線に対する、透過率計で測定した透過率、所謂
見掛け透過率は90.81%であり、また200nmの
紫外線に対する内部透過率は99.9%以上であった。
ここで、内部透過率(%)は、見掛け透過率(%)/理
論透過率(%)で与えられる。本例における石英ガラス
成形体の厚さ1cmの試料について透過率計で測定した
見掛け透過率を図1に実線で示す。本例におけるこの光
学用合成石英ガラス成形体について、例えば、精密な光
学系の光路長を、計算の便宜上40cmとして透過率を
計算すると、本例における光学用合成石英ガラス成形体
の全体の反射によるロス分を除いた透過率は96.1%
である。
【0024】例2.直径60mm、長さ1000mmの
合成石英ガラス棒は、例1の場合と同様に、その両端
に、石英ガラス加工用旋盤のチャックに把持されて、前
記合成石英ガラス棒と同径の合成石英ガラス製の支持棒
を取付けて、石英ガラス加工用旋盤のチャックに支持棒
を介して把持される。合成石英ガラス棒が石英ガラス加
工用旋盤の両チャックに支持棒を介して取り付けられた
ところで、両チャックを同期回転させた。本例ではこの
回転は30回転/分であった。合成石英ガラス棒の左端
を加熱軟化して溶融帯域を形成した後、両チャックの回
転数を違えて回転させた。このチャックの回転は、本例
では、左側のチャックを30回転とし、右側のチャック
を25回転とした。石英ガラス加工用旋盤の左方のチャ
ックをゆっくりと回転軸方向に押して溶融帯域に圧力を
加えて、該溶融帯域を加圧変形させることにより、合成
石英ガラス棒の径を増大させながら、左方のチャックの
動きに合わせてバーナーを左から右方向に移動させ、合
成石英ガラス棒全体を外径120mmに予備成形した。
【0025】この予備成形された合成石英ガラス棒の外
径が均一な部分を支持棒から切り離し、外径120m
m、長さ200mmの石英ガラス予備成形体を得た。こ
の石英ガラス予備成形体の収率は80%であった。この
石英ガラス予備成形体を内径200mm、高さ400m
mのグラファイトの成形型内に配置して、その侭、電気
炉内に入れ、炉内を真空排気した後、窒素を充填して1
800℃まで20℃/分の加熱速度で昇温し、最高温度
に達すると同時に通電を停止し、自然冷却した。冷却
後、外径200mm、高さ72mmの石英ガラス成形体
を得た。再び電気炉内の大気中で1150℃に加熱、徐
冷して歪除去を行った。
【0026】この石英ガラス成形体に波長254nmの
紫外線を照射し蛍光を観察したところ表面部分から5m
mの範囲でグラファイトからの汚染による緑色の蛍光を
観察した。この蛍光を観察した外周表面部分及び両端部
分を研削除去した。本例において、この蛍光を発しない
部分の収率は62%であった。また、この中央部分から
縦10mm、横10mm、高さ50mmの透過率測定用
の試料を切り出し、両側面を研磨して透過率を測定した
ところ、200nmの紫外線に対する見掛け透過率は9
0.81%であり、200nmの紫外線に対する内部透
過率は99.9%以上であった。
【0027】比較例1 直径60mm、長さ1000mmの合成合成石英ガラス
棒を内径200mm、高さ1000mmのグラファイト
の成形型内に配置し、そのまま電気炉内に入れ、炉内を
真空排気した後、窒素を充填して1800℃まで10℃
/分の加熱速度で昇温し、最高温度に5時間保持後通電
を停止し、自然冷却した。冷却後、外径200mm、高
さ90mmの石英ガラス成形体を得た。再び電気炉で大
気中1150℃に加熱、徐冷して歪除去を行った。
【0028】この石英ガラス成形体に波長254nmの
紫外線を照射し蛍光を観察したところ表面部分から20
mmの範囲でグラファイトからの汚染による強い緑色の
蛍光を観察した他、全体的に薄い緑色の蛍光を観察し
た。本例においては、蛍光を発しない部分の収率は0%
であった。また、この中央部分から縦10mm、横10
mm、高さ50mmの透過率測定用の試料を切り出し、
両側面を研磨して透過率を測定したところ、200nm
の紫外線に対する見掛け透過率は89.54%であり、
200nmの紫外線に対する内部透過率は98.5%で
あった。本例における石英ガラス成形体について、例え
ば、精密な光学系の光路長を、計算の便宜上40cmと
して透過率を計算すると、本例における石英ガラス成形
体の全体の反射によるロス分を除いた透過率は54.6
%である。本比較例における石英ガラス成形体の厚さ1
cmの試料について透過率計で測定した見掛け透過率を
図1に一点鎖線で示す。
【0029】比較例2 直径60mm、長さ1000mmの合成石英ガラス棒を
内径200mm、高さ1100mmのグラファイトの成
形型内に配置し、その上部に200mm、厚さ100m
mのグラファイト製の重しを載せた。この重しは、石英
ガラスの変形に伴い上下にスライド出来るように設けら
れている。このグラファイトの成形型をそのまま電気炉
内に入れ、炉内を真空排気した後、窒素を充填して18
00℃まで20℃/分の加熱速度で昇温し、最高温度に
1時間保持後通電を停止し、自然冷却した。冷却後、石
英ガラス成形体を取り出したところ、途中で折れ曲がっ
てしまい目的とする石英ガラス成形体を得ることが出来
なかった。
【0030】比較例3 直径60mm、長さ1000mmの合成石英ガラス棒の
両端に、同径の合成石英ガラスの支持棒を設け、この支
持棒を石英ガラス加工用旋盤のチャックで把持し、両チ
ャックを同期回転させた。本例ではこの回転は30回転
/分であった。合成石英ガラス棒の左端を加熱軟化して
溶融帯域を形成した後、両チャックを回転差を生じるよ
うに回転させた。本例では、この回転は左側チャックが
28回転であり、右側チャックが25回転であった。石
英ガラス加工用旋盤の左側のチャックを、回転軸方向に
ゆっくりと押して溶融帯域に圧力を加え、その部分の径
を増大させつつ、チャックの動きに合わせてバーナーを
右方向に移動させて、合成石英ガラス棒全体を外径80
mmに予備成形した。
【0031】この予備成形された合成石英ガラス棒の外
径が均一な部分を支持棒から切り離し、外径80mm、
長さ560mmの石英ガラス予備成形体を得た。この石
英ガラス予備成形体を内径200mm、高さ400mm
のグラファイトの成形型内に配置し、その侭、電気炉内
に入れ、炉内を真空排気した後、窒素を充填して180
0℃まで20℃/分の加熱速度で昇温し、最高温度に達
すると同時に通電を停止し、自然冷却した。冷却した
が、成形が完了しておらず、円盤状の石英ガラス成形体
が得られずに、上部の径が狭まった形状となった。
【0032】再度同じ条件で石英ガラス予備成形体を作
り、同様に型にセットし、真空炉で昇温後、最高温度で
2時間保持、冷却後、外径200mm、高さ87.5m
mの石英ガラス成形体を得た。再び電気炉で大気中11
50℃に加熱、徐冷して歪除去を行った。この石英ガラ
ス成形体に波長254nmの紫外線を照射し蛍光を観察
したところ表面部分から15mmの範囲でグラファイト
からの汚染による緑色の蛍光を観察した。この蛍光を観
察した外周表面部分及び両端部分を研削除去した。本例
において、この蛍光を発しない部分の収率は46%であ
った。
【0033】また、この中央部分から直径60mm、厚
さ10mmの透過率測定用の試料を切り出し、両面を研
磨して透過率を測定したところ、200nmの紫外線に
対する見掛け透過率は89.72%であり、200nm
の紫外線に対する内部透過率は98.7%であった。本
例における石英ガラス成形体について、例えば、精密な
光学系の光路長を、計算の便宜上40cmとして透過率
を計算すると、本例における石英ガラス成形体の全体の
透過率は59.2%である。
【0034】
【発明の効果】本発明は、棒状合成石英ガラスの1部を
加熱軟化させて溶融帯域を形成し、棒状合成石英ガラス
の両端部を異なる回転数で回転させると共に、回転軸方
向に棒状合成石英ガラスを加圧して、溶融帯域を加圧変
形させ、外径に対する長さの比が1乃至4の棒状合成石
英ガラス予備成形体を形成し、次いで、この棒状合成石
英ガラス予備成形体を、グラファイト製の型を用いて加
熱下に、光学用部材の原料となる光学用合成石英ガラス
成形体を形成するので、従来のグラファイトの成形型に
よる光学用合成石英ガラス成形体の製造方法と比較して
光学用合成石英ガラス成形体が短時間に製造することが
できる。
【0035】また、本発明によると、従来のグラファイ
トの型による光学用部材の原料となる石英ガラス成形体
の製造方法と比較して、グラファイトの型との接触によ
る汚染を少なくでき、光学用部材の原料となる、蛍光を
発しないで、また紫外線に対する透過性の良好な石英ガ
ラス成形体を高い歩留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び比較例1で得られた石英
ガラス成形体の厚さ1cmの試料について透過率計で測
定した紫外線の見掛け透過率を、実施例1の試料につい
ては実線で示し、比較例1の試料については一点鎖線で
示す紫外線の見掛け透過率測定曲線の比較図である。
フロントページの続き (72)発明者 藤ノ木 朗 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信越 石英株式会社石英技術研究所内 (72)発明者 須釜 明彦 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信越 石英株式会社郡山工場内 (72)発明者 片岡 正篤 福井県武生市北府2−13−60 信越石英株 式会社武生工場内 (72)発明者 ウォルフガング イングリッシュ ドイツ連邦共和国 65779 ケエルクハイ ムヘルダリンシュトラーセ 54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状合成石英ガラスを型を用いて加熱下
    に成形して光学用合成石英ガラス成形体とする光学用石
    英ガラス成形体の製造方法において、外径に対し5倍を
    超える長さを有し、一部が加熱されて溶融帯域が形成さ
    れている棒状合成石英ガラスの両端を、同じ回転方向で
    回転数を違えて回転させながら、回転軸方向に加圧して
    変形させて、外径に対し1乃至4倍の長さを有する合成
    石英ガラス予備成形体を形成し、次いで、この合成石英
    ガラス予備成形体を、型を用いて加熱下に成形して光学
    用合成石英ガラス成形体を製造することを特徴とする光
    学用合成石英ガラス成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 合成石英ガラス予備成形体の形成が、一
    部に溶融帯域が形成されている棒状合成石英ガラスの一
    方又は両方の端部に、外力を加えて、回転軸上で、棒状
    合成石英ガラスの長さを縮めると共に、溶融帯域を棒状
    合成石英ガラスの長さが縮む方向に移動させて、棒状合
    成石英ガラスの径を太く変形させることにより行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学用合成石英ガラ
    ス成形体の製造方法。
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