JPH0726744B2 - 空気熱源ヒートポンプ式空調装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建物内の個別空間で冷暖房運転を同時に選択
することができる空気熱源ヒートポンプ式空調装置に関
する。

［従来の技術］ 近年、建物内の個別空間で冷暖房運転を同時に選択する
ことができる空調装置のニーズが高まっている。例え
ば、電算室のように年間を通して冷房を行うゾーンに対
して、事務室等のように冬季は暖房を行う例や、暖房時
において多数の人が集まるゾーン或は太陽等の熱源があ
るゾーンを冷房するという例である。

従来、上記個別冷暖房を行う空調装置としては、中央に
冷凍機、ボイラー或はヒートポンプ等の冷暖房用熱源を
配設すると共に、利用側の個別空間に熱交換器を配設
し、冷暖房用熱源により得られる冷温水を配管を通して
個別空間に配設される熱交換器に供給する方式が知られ
ている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来の方式においては、個別空間の
多種多様な熱負荷に対応するために、空調装置の能力を
最大熱負荷に設計しなければならず。また、中央に配設
される冷凍機、ボイラー或はヒートポンプ等の冷暖房用
熱源や、冷温水配管を必要としなければならなず、熱回
収効率、レイアウト、コスト上で問題を有している。

本発明は、上記問題を解決するものであって、建物内の
個別空間で冷暖房運転を同時に選択することができ、且
つ、空調装置をユニット化および省エネルギ化を可能と
する空気熱源ヒートポンプ式空調装置を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ そのために本発明の空気熱源ヒートポンプ式空調装置
は、冷房または暖房用の第１の室内熱交換器４、冷房専
用の第２の室内熱交換器５およびこれら室内熱交換器
４、５により冷却または加熱された空気を複数の空間に
分配するミキシングユニット６からなる室内ユニットＡ
と、圧縮機11、11′および室外熱交換器13、13′により
冷媒ガスまたは冷媒液を選択的に供給する室外ユニット
Ｂと、該室外ユニットＢを第１および第２の室内熱交換
器４、５に接続する液管15、16およびガス管17とを有
し、第１の室内熱交換器４にて放熱し液化した冷媒を第
２の室内熱交換器５にて加熱可能にすることを特徴とす
る。

なお、上記構成に付加した番号は、理解を容易にするた
めに図面と対比させるためのもので、これにより本発明
の構成が限定されるものではない。

［作用］ 本発明においては、例えば、第３図に示すように、暖房
運転時に、暖房用の室内熱交換器４にて放熱し液化した
冷媒が、冷房用の室内熱交換器５にて加熱されるため、
その分だけ室外熱交換器13′の熱源が低減されることに
なり省エネルギ化になる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。第
１図ないし第３図は本発明の空気熱源ヒートポンプ式空
調装置の１実施例を示す構成図である。

第１図において、本発明の空気熱源ヒートポンプ式空調
装置は、室内ユニットＡと室外ユニットＢからなる。

室内ユニットＡは、フィルタ１、複数の送風機２、加湿
器３、第１の室内熱交換器４、第２の室内熱交換器５お
よびミキシングユニット６からなり、第１および第２の
室内熱交換器４、５により冷却または加熱された空気
は、ミキシングユニット６において、ペリメータゾーン
（室の周辺部）用ダクト７、８、インテリアゾーン（室
の中央部）用ダクト９、電算機室用ダクト10にそれぞれ
分配される。なお、ペリメータゾーン用ダクト７とイン
テリアゾーン用ダクト９は、冷房または暖房専用のダク
トであり、ペリメータゾーン用ダクト８は冷房暖房切替
え可能なダクトであり、電算機室用ダクト10は年間を通
じての冷房専用ダクトである。

一方、室外ユニットＢは、２組の圧縮機11、11′、四方
弁12、12′、室外熱交換器13、13′、冷却用ファン14、
14′から構成される。

そして、２組の圧縮機11、11′、四方弁12、12′、室外
熱交換器13、13′、第１および第２の室内熱交換器４、
５は、図示の如く、液管15、16およびガス管17にて接続
される。なお、19、20は流量制御弁、21〜28は切換弁で
ある。

上記構成からなる本発明の作用について説明する。

第１図は全ての系統を冷房運転する場合の冷媒の流れを
示している。図は圧縮機２台運転する場合の例を示し、
圧縮機11、11′から吐き出された高温高圧の冷媒ガス
は、四方弁12、12′を経て室外熱交換器13、13′に入
り、ここで液化され、それぞれ流量制御弁19、20を経て
第１および第２の室内熱交換器４、５に供給され、空気
と熱交換して気化した冷媒ガスは、ガス管17を経て圧縮
機11、11′に吸引される。第１および第２の室内熱交換
器４、５により冷却された空気は、ミキシングユニット
６において、ペリメータゾーン用ダクト７、８、インテ
リアゾーン用ダクト９、電算機室用ダクト10にそれぞれ
分配される。

第２図は、春、秋等の中間期の運転例で圧縮機を１台運
転する場合の例を示し、圧縮機11から吐き出された高温
高圧の冷媒ガスは、四方弁12を経て室外熱交換器13に入
り、ここで液化され、流量制御弁20を経て第２の室内熱
交換器５に供給され、空気と熱交換して気化した冷媒ガ
スは、ガス管17を経て圧縮機11に吸引される。第２の室
内熱交換器５により冷却された空気は、ミキシングユニ
ット６において、ペリメータゾーン用ダクト８、電算機
室用ダクト10にそれぞれ分配される。

第３図は、暖房運転の例で圧縮機を１台運転する場合の
例を示し、圧縮機11′から吐き出された高温高圧の冷媒
ガスは、第１の室内熱交換器４に供給され、空気と熱交
換したここで液化され、流量制御弁19を経て室外熱交換
器13′に入りここで気化され、四方弁12′を経て圧縮機
11′に吸引される。同時に室内熱交換器４にて液化され
た冷媒は、流量制御弁20を経て第２の室内熱交換器５に
供給され、空気と熱交換して気化した冷媒ガスはガス管
17に供給される。第１の室内熱交換器４により加熱され
た空気は、ミキシングユニット６において、ペリメータ
ゾーン用ダクト７、８、インテリアゾーン用ダクト９に
分配され、また、第２の室内熱交換器５により冷却され
た空気は、ペリメータゾーン用ダクト８、電算算機室用
ダクト10にそれぞれ分配される。

［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、建物内の個別空間で冷暖
房運転を同時に選択することができ、且つ、空調装置の
ユニット化および省エネルギ化を可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は本発明の空気熱源ヒート
ポンプ式空調装置の１実施例を示し、その構成および作
用を説明するための図である。 Ａ……室内ユニット、Ｂ……室外ユニット、４……第１
の室内熱交換器、５……第２の室内熱交換器、６……ミ
キシングユニット、11、11′……圧縮機、13、13′……
室外熱交換器、15、16……液管、17……ガス管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷房または暖房用の第１の室内熱交換器、
   冷房専用の第２の室内熱交換器およびこれら室内熱交換
   器により冷却または加熱された空気を複数の空間に分配
   するミキシングユニットからなる室内ユニットと、圧縮
   機および室外熱交換器により冷媒ガスまたは冷媒液を選
   択的に供給する室外ユニットと、該室外ユニットを前記
   第１および第２の室内熱交換器に接続する液管およびガ
   ス管とを有し、前記第１の室内熱交換器にて放熱し液化
   した冷媒を前記第２の室内熱交換器にて加熱可能にする
   ことを特徴とすることを特徴とする空気熱源ヒートポン
   プ式空調装置。