JPH0620053Y2 - ヒートポンプ式空調機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は複数の室内熱交換器を備えたヒートポンプ式空
調機に関するものである。

（従来の技術） 第２図はこの種ヒートポンプ式空調機の一例を示す回路
図であり、図において１０１は圧縮機、１０２は４方切
替弁、１０３は室外熱交換器、１０４ａ，１０４ｂは室
内熱交換器、１０５は膨脹弁等の膨脹手段である。前記
室内熱交換器は１０４ａ，１０４ｂは４方切替弁１０２
と膨脹手段１０５との間に並列に接続されている。

この空調機によれば、４方切替弁１０２が図の実線位置
にある状態では高温のガス冷媒を各室内熱交換器１０４
ａ，１０４ｂに供給して放熱作用により室内の暖房が行
えるようになっており、また４方切替弁１０２が図の破
線位置にある状態では低温の液冷媒を各室内熱交換器１
０４ａ，１０４ｂに供給して吸熱作用により室内の冷房
が行えるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、先に述べた従来のヒートポンプ式空調機
では、４方切替弁１０２の位置によって冷媒の循環方向
が定まってしまうため、各室内熱交換器１０４ａ，１０
４ｂ夫々に液冷媒とガス冷媒を同時に供給することがで
きず、また冷房と暖房を各室内で任意に選択することが
できないという問題点があった。

本考案は前記問題点に鑑みてなされたものであり、各室
内熱交換器夫々に液冷媒とガス冷媒を同時に供給するこ
とができ、しかも冷房と暖房を各室内で任意に選択する
ことができるヒートポンプ式空調機を提供することを目
的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するために、複数の室内熱交換
器を備えたヒートポンプ式空調機において、第１の冷媒
往き管路の一端と第２の冷媒往き管路の一端を圧縮機の
吐出側に夫々接続し、前記第２の冷媒往き管路の圧縮機
寄りに該圧縮機側から凝縮器及び液冷媒ポンプを順に介
在させ、前記第１の冷媒往き管路の他端を前記第２の冷
媒往き管路の圧縮機と凝縮器との間に接続し、前記第２
の冷媒往き管路の他端を該第２の冷媒往き管路の凝縮器
と液冷媒ポンプとの間に接続するとともに、各室内熱交
換器の入口側に第１・第２の流入管を、また出口側に第
１の流入管に連通した第１の流出管と第２の流入管に連
通した第２の流出管とを夫々設け、前記第１の流入管を
第１の制御弁を介して前記第１の冷媒往き管路に接続
し、前記第２の流入管を室内熱交換器側から膨脹手段及
び第２の制御弁を順に介在させて前記第２の冷媒往き管
路に接続し、また前記第１の流出管を膨脹手段及び蒸発
器を順に介在した第１の冷媒戻り管路を介して前記圧縮
機の吸入側に接続し、前記第２の流出管を第２の冷媒戻
り管路を介して前記圧縮機の吸入側に接続したことを特
徴としている。

（作用） 本考案によれば、圧縮機から第１の冷媒往き管路に供給
された高温のガス冷媒は、該第１の冷媒往き管路を流通
した後、第２の冷媒往き管路の凝縮器に送り込まれる。
また、圧縮機から第２の冷媒往き管路に供給された高温
のガス冷媒は、凝縮器を通過して液化し、液冷媒ポンプ
の作動によって該第２の冷媒往き管路を流通した後、液
冷媒ポンプに送り込まれる。

即ち、室内熱交換器の第１の制御弁を開け、且つ第２の
制御弁を閉じた状態では、該室内熱交換器には第１の冷
媒往き管路から高温のガス冷媒が流入し、放熱作用によ
り室内の暖房が行なわれる。この室内熱交換器を通過し
た後の冷媒は第１の冷媒戻り管路を通じて膨脹手段及び
蒸発器を順に介して圧縮機に吸入される。

また、前記とは逆に室内熱交換器の第１の制御弁を閉
じ、且つ第２の制御弁を開けた状態では、該室内熱交換
器には第２の冷媒往き管路から膨脹手段を介して低温の
液冷媒が流入し、吸熱作用により室内の冷房が行なわれ
る。この室内熱交換器を通過した後の冷媒は第２の冷媒
戻り管路を通じて圧縮機に吸入される。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示すヒートポンプ式空調機
の回路図である。

圧縮機１の吐出側１ａには第１の冷媒往き管路１０の一
端と、第２の冷媒往き管路２０の一端が夫々接続されて
いる。

前記第１の冷媒往き管路１０の圧縮機１寄りには電磁弁
１１が介在されており、該第１の冷媒往き管路１０は各
室に配管された後、その他端を後述する第２の冷媒往き
管路２０の電磁弁２１と凝縮器２２との間に接続されて
いる。

また、前記第２の冷媒往き管路２０の圧縮機１寄りには
該圧縮機１側から電磁弁２１，凝縮器２２、レシーバタ
ンク２３及び液冷媒ポンプ２４が順に介在されており、
該第２の冷媒往き管路２０は冷・暖房を行なう各室に配
管された後、その他端を前記レシーバタンク２３の入口
側に接続されている。

各室内に配置された室内熱交換器３０はその入口側に第
１の流入管３１及び第２の流入管３２を備えており、ま
たその出口側に前記第１の流入管３１に連通した第１の
流出管３３と前記第２図の流入管３２に連通した第２の
流出管３４を備えている。

前記第１流入管３１は第１の電磁弁３５を介して前記第
１の冷媒往き管路１０に接続されており、また第２の流
入管３２は室内熱交換器３０側から膨脹弁３６及び第２
の電磁弁３７を順に介して前記第２の冷媒往き管路２０
に接続されている。

また、前記第１の流出管３３は各室に配管された第１の
冷媒戻り管路４０に接続されており、また第２の流出管
３４は逆止弁３８を介して各室に配管された第２の冷媒
戻り管路５０に接続されている。この逆止弁３８は室内
熱交換器３０から第２の冷媒戻り管路５０への冷媒の流
出を許容する向きに配設されている。

前記第１の冷媒戻り管路４０は室内熱交換器３０側から
膨脹弁４１，蒸発器４２及び逆止弁４３が介してアキュ
ームレータ６０の入口側に接続されており、また前記第
２の冷媒戻り管路５０は逆止弁５１を介して第１の冷媒
戻り管路４０と同様にアキュームレータ６０の入口側に
接続されている。前記アキュームレータ６０の出口側は
前記圧縮機１の吸入側に接続されている。また、前記逆
止弁４３は蒸発器４２からアキュームレータ６０への冷
媒の流出を許容する向きに、また前記逆止弁５１は室内
熱交換器３０からアキュームレータ６０への冷媒の流出
を許容する向きに夫々配設されている。更に、前記第２
の冷媒戻り管路４０と前記第２の冷媒往き管路２０との
間には、電磁弁７１を介在した戻り管路７０が接続され
ている。

以下に、前記ヒートポンプ式空調機における空調につい
て説明する。

電磁弁１１，２１を共に開けた状態で圧縮機１を作動さ
せて、第１の冷媒往き管路１０及び第２の冷媒往き管路
２０夫々に高温のガス冷媒を供給する。第２の冷媒往き
管路２０に供給された高温のガス冷媒は、凝縮器２２を
通過して液化された後、レシーバタンク２３に給送さ
れ、冷媒ポンプ１４を作動によって該冷媒ポンプ１４か
ら先の第１の冷媒往き管路１０に圧送される。

室内の冷房を行なう場合には、前記の状態で室内熱交換
器の第１の電磁弁３５を閉じ、且つ第２の電磁弁３７を
開けて、前記第２の冷媒往き管路２０から第２の流入管
３２及び膨脹弁３６を通じて減圧された低温の液冷媒を
該室内熱交換器３０に取り入れればよい。この室内熱交
換器３０を通過した後の冷媒は第２の冷媒戻り管路５０
を通じてアキュームレータ６０に送り込まれ、圧縮機１
に吸入される。

また、室内の暖房を行なう場合には、前記とは逆に室内
熱交換器３０の第１の電磁弁３５を開け、且つ第２の電
磁弁３７を閉じて、前記第１の冷媒往き管路１０から第
１の流入管３１を通じて高温のガス冷媒を該室内熱交換
器３０に取り入れればよい。この室内熱交換器３０を通
過した後の冷媒は第１の冷媒戻り管路４０を通じて膨脹
弁４１及び蒸発器４２を順に介してアキュームレータ６
０に送り込まれ、圧縮機１に吸入される。

尚、第１の冷媒往き管路１０を流通するガス冷媒のうち
空調に使用されなかった未使用分のガス冷媒は第２の冷
媒往き管路２０の凝縮器２２に送り込まれ、また第２の
冷媒往き管路２０を流通する液冷媒のうち空調に使用さ
れなかった未使用分の液冷媒はレシーバタンク２３に送
り込まれる。また、戻り管路７０の電磁弁７１を開けた
状態で空調を行なえば、該戻り管路７０を通じて第１の
冷媒戻り管路４０から凝縮器１２にガス冷媒を送り込む
ことも可能である。

このように前記実施例によれば、第１の冷媒往き管路１
０にガス冷媒を、また第２の冷媒往き管路２０に液冷媒
を夫々同時に流通させることができるので、第２の電磁
弁３７を開けて第２の冷媒往き管路２０から液冷媒を膨
脹弁３６を介して室内熱交換器３０に取り入れることに
よって室内の冷房を、また第１の電磁弁３７を開けて第
１の冷媒往き管路１０からガス冷媒を取り入れることに
よって室内の暖房を行なうことができる。従って、第１
・第２の電磁弁３５，３７の簡単な開閉操作によって各
室内で冷房と暖房を任意に選択することができ、夏期・
冬期を問わず室内居住者の好みに応じた快適な室内空調
を実現することができる。

また、液冷媒ポンプ１４によって第２の冷媒往き管路２
０に液冷媒を圧送しているので、室内熱交換器３０の設
置台数が多い場合でも液冷媒を各熱交換器３０に確実に
給送して安定した空調を行なうことができる。

尚、前記実施例ではレシーバタンク２３及びアキューム
レータ６０を用いたものを示したが、凝縮器２２によっ
て冷媒の液化を充分に行なうことができ、また各室内熱
交換器３０及び蒸発器４２によって冷媒の気化を充分に
行なうことができる場合には両者を省略してもよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、第１の冷媒往き管
路にガス冷媒を、また第２の冷媒往き管路に液冷媒を夫
々同時に流通させることができるので、第２の制御弁を
開けて第２の冷媒往き管路から液冷媒を膨脹弁を介して
室内熱交換器に取り入れることによって室内の冷房を、
また第１の制御弁を開けて第１の冷媒往き管路からガス
冷媒を取り入れることによって室内の暖房を行なうこと
ができる。従って、第１・第２の電磁弁の簡単な開閉操
作によって各室内で冷房と暖房を任意に選択することが
でき、夏期・冬期を問わず室内居住者の好みに応じた快
適な室内空調を実現することができる。また、液冷媒ポ
ンプによって第１の冷媒往き管路に液冷媒を圧送してい
るので、室内熱交換器の設置台数が多い場合でも液冷媒
を各熱交換器に確実に給送して安定した空調を行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すヒートポンプ式空調機
の回路図、第２図は従来のヒートポンプ式空調機の回路
図である。 １……圧縮機、１０……第１の冷媒往き管路、１２……
凝縮器、１４……液冷媒ポンプ、２０……第２の冷媒往
き管路、３０……室内熱交換器、３１……第１の流入
管、３２……第２の流入管、３３……第１の流出管、４
……第２の流出管、３５……第１の電磁弁（第１の制御
弁）、３６……膨脹弁（膨脹手段）、３７……第２の電
磁弁（第２の制御弁）、４０……第１の冷媒戻り管路、
４１……膨脹弁（膨脹手段）、４２……蒸発器、５０…
…第２の冷媒戻り管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の室内熱交換器を備えたヒートポンプ
   式空調機において、 第１の冷媒往き管路の一端と第２の冷媒往き管路の一端
   を圧縮機の吐出側に夫々接続し、 前記第２の冷媒往き管路の圧縮機寄りに該圧縮機側から
   凝縮器及び液冷媒ポンプを順に介在させ、 前記第１の冷媒往き管路の他端を前記第２の冷媒往き管
   路の圧縮機と凝縮器との間に接続し、前記第２の冷媒往
   き管路の他端を該第２の冷媒往き管路の凝縮器と液冷媒
   ポンプとの間に接続するとともに、 各室内熱交換器の入口側に第１・第２の流入管を、また
   出口側に第１の流入管に連通した第１の流出管と第２の
   流入管に連通した第２の流出管とを夫々設け、 前記第１の流入管を第１の制御弁を介して前記第１の冷
   媒往き管路に接続し、前記第２の流入管を室内熱交換器
   側から膨脹手段及び第２の制御弁を順に介在させて前記
   第２の冷媒往き管路に接続し、 また前記第１の流出管を膨脹手段及び蒸発器を順に介在
   した第１の冷媒戻り管路を介して前記圧縮機の吸入側に
   接続し、前記第２の流出管を第２の冷媒戻り管路を介し
   て前記圧縮機の吸入側に接続した ことを特徴とするヒートポンプ式空調機。