JPH07265767A - 鏡の縁塗り器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンディタイプの簡易な縁塗り器を提供す
る。 【構成】 ハンディタイプの鏡の簡易型縁塗り器であっ
て、把手部と、その先端に配設した塗装用回転駆動部か
らなり、該回転駆動部は電動モーターと、一側端にモー
ター軸に軸着した小径プーリー、および回転駆動部本体
に軸承され、ベルトを介して前記小径プーリーと連動回
転する大径プーリーを配し、大径プーリーの対向軸端に
は塗装ローラー、および該塗装ローラーと近接、離隔調
整可能に隣接した塗液溜と、鏡の側端に接する走査案内
杆を配し、かつ塗液溜の塗装ローラー隣接側枠の一部を
欠切して縦溝孔を形成し、該縦溝孔に塗装ローラーの一
端を嵌入して塗液と接触せしめることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は鏡における銀等の金属膜
が露出した裏面側端面に保護被覆を施すためのハンディ
タイプの縁塗り器に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】例えば実開平４−41763 号に
開示されるように、また本出願人が先に出願した特願平
５−179676号等に提唱したように、鏡加工ラインに縁塗
り装置を配置し、鏡を移送させつつ塗装する類のものは
提唱されている。

【０００３】これらはいずれも塗液槽の塗液を直接塗装
ローラーに付着、移転させ、ローラー回転させつつ鏡を
移送して自動塗装するものであるが、その設置に際して
鏡搬送コンベヤーに組込んで一体化しなければならず、
装置自体も大掛かりとならざるを得ない。また、異形形
状の鏡には適用し難い。

【０００４】他方、加工ラインに収まらない特大サイズ
の鏡や、過小サイズ、異形形状の鏡の縁塗りは手操作で
行っており、例えばプラスチック容器の口部にフェルト
芯あるいは同類のものを差込み、容器腹部を押圧しつつ
容器内の塗液を滲出させて塗装する方式が公知である
が、その目的から粘稠な塗液によりある程度厚く塗装す
る必要があり、反面塗液のフェルト芯の通過が困難とな
ったり、芯を変形したり、気泡を巻込んで泡やピンホー
ルを生じたりし、他方塗液をより流動性にすると塗膜が
薄くなってその保護作用が低下したり、鏡端面に垂下す
る等、不都合な面が多い。また、上記方式では縁塗りラ
インが不安定で、膜厚、幅が不揃いとなる等の弊害も生
ずる。

【０００５】本発明は前記不都合点、弊害を解消し、ハ
ンディタイプで簡易型の鏡の縁塗り器を提供するもので
ある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】本発明は、ハンディタ
イプの鏡の簡易型縁塗り器であって、把手部と、その先
端に配設した塗装用回転駆動部からなり、該回転駆動部
は電動モーターと、一側端にモーター軸に軸着した小径
プーリー、および回転駆動部本体に軸承され、ベルトを
介して前記小径プーリーと連動回転する大径プーリーを
配し、大径プーリーの対向軸端には塗装ローラー、およ
び該塗装ローラーと近接、離隔調整可能に隣接した塗液
溜と、鏡の側端に接する走査案内杆を配し、かつ塗液溜
の塗装ローラー隣接側枠の一部を欠切して縦溝孔を形成
し、該縦溝孔に塗装ローラーの一端を嵌入して塗液と接
触せしめることからなる。

【０００７】

【実施例】以下本発明を添付の図面に基づき説明する。
図１は本発明の鏡の縁塗り器の概略平面図、図２Ａは概
略正面図、図２Ｂは大径プーリーと小径プーリーのかか
わりをあらわす部分側面図、図３Ａは塗装ローラーと塗
液溜の配置をあらわす部分側断面図、図３Ｂは図３Ａの
拡大部分側面図、図４Ａは塗装ローラーと鏡縁部のかか
わりをあらわす部分断面図、図４Ｂは鏡の縁部塗膜を示
す部分断面図である。

【０００８】図１、図２Ａにおいて1 が鏡の縁塗り器、
2 が把手部であり、例えば中にモーター駆動用の電源電
池を収納することができる。3 が塗装用回転駆動部本体
で4が一例として前記電池を電源とし、前記塗装用回転
駆動部本体に固定した小型電動モーターであり、スイッ
チ5 により駆動、停止するようにする。

【０００９】6 は小径プーリーで、例えばゴムベルト7
を介して前記塗装用回転駆動部本体3 を軸承部とする軸
9 に軸着した大径プーリー8 と連動せしめる。10は大径
プーリー8 と同一軸9 の端部に軸着した例えばアルミニ
ウム製の塗装ローラーであり、図示のごとく円錐台形に
形成せしめるのが好ましい。11は塗装ローラーに隣接し
て配した塗液溜で図３Ａ、Ｂに示すように上方に配置固
定した塗液補給容器12より塗液13が補給され、常に同一
塗液面が維持されるようにする。

【００１０】図３Ａおよびそれを部分拡大した図３Ｂに
示すように、塗液溜11はその塗装ローラー隣接側枠11'
の一部を上側より欠切して縦溝孔14を形成し、該縦溝孔
14に塗装ローラー10の一部が嵌込まれるごとく配置され
る。塗液面13' は縦溝孔下端14' より上方に位置するよ
うにし、従って該部14' から溢出する塗液13は塗装ロー
ラー10の周面10' と縦溝孔下端14' との間隙βより塗装
ローラー10に付着しつつ移送されて、図１、図２Ａに示
すように鏡15の裏面15a に予め形成された傾斜端面15b
域に伝達、塗装される。

【００１１】図４Ａにおいて塗装ローラー10は前記した
ように円錐台状で、外周10' を傾斜せしめ、従って鏡15
の裏面15a と傾斜端面15b との交叉部の稜15c で接する
ように配置するのが好ましい。なお、前記外周10' と傾
斜端面15b との為す角αは数°ないし十数°とすれば、
安定塗装ができ、図４Ｂに示すように塗膜13" が形成さ
れるものである。

【００１２】図１、図２Ａにおいて16は走査案内杆で、
鏡15の端面15d に沿って接触させつつ縁塗り器1 を手動
走査させれば、縁塗りラインが安定し、左右に振れたり
所定ラインから外れるようなことはない。

【００１３】17は走査案内杆16上に配設した塗液溜連結
具で、走査案内杆16の上に固定した鞘部材17' と鞘部材
内でその長手方向に摺動可能に配し、塗液溜11と一体的
に連結した連結杆17" よりなる。付設の微調整螺子18の
調整により、塗液溜11を塗装ローラー10に僅かに近接、
離隔調整し、かつ螺子18' で締付固定することができ、
従って図３Ｂに示すような塗装ローラー10の周面10' と
縦溝孔下端14' との間隙βを調整して、塗液13の移出量
が制御される。

【００１４】図２Ｂの駆動側小径プーリー6 と大径プー
リー8 のかかわりにおいて、両プーリー6 、8 を図示の
ごとく配して小径プーリー6 とベルト7 との接触域を小
さくするのが好ましい。すなわち縁塗り器1 の手動走査
に際し、大径プーリー8 の回転速度、換言すれば塗装ロ
ーラー10の回転周速度を、適量の塗液を付着保持せし
め、かつ走査に無理のない速度範囲である150mm ／秒な
いし300mm ／秒間の適宜速度に設定しておき、それに同
期して走査させれば円滑かつ極めて均一に塗装できる
が、仮に前記周速度に対し走査速度のずれが生じても、
小径プーリー6 とベルト7 の間でスリップが生じて塗装
ローラー10自体の鏡15の塗装部に対するスリップを防
ぎ、それによる塗装むらを抑制することができる。また
従来多用されていたクラッチや変速ギャー機構等を排し
たので軽量化を図ることができる。

【００１５】縁塗りに際しては縁塗り器1 の把手部2 を
片手に持って塗装ローラー10を図１および図２に示す如
く鏡15の傾斜端面域15b に当てがい (正確には塗装ロー
ラーの外周10' を鏡の稜15C に当接する) 、かつ走査案
内杆16を鏡15の端面15d に接触させる。なお把手部2 は
親指および掌で把持することにより容易に支持できるの
で、残余の指の先端は鏡15の裏面15a に当てがって水平
状態を維持する等適宜工夫できる。

【００１６】しかして、モーター4 を駆動回転しつつ縁
塗り器1 を矢印γの方向に引いて走査させてゆけば、容
易に鏡の縁部塗膜を形成できる。また縁塗り器1 自体の
重量も600g前後と適度に軽量化できるので手持ち走査に
好適であり、各種サイズの鏡、異形形状の鏡も容易に塗
装できる。あるいは鏡移送ラインの適所に必要に応じ随
時据付けて便宜的に塗装の用に供することもできる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成であるにも
かかわらず手動走査に際して縁塗り器の前後、左右の振
れが抑制され、また走査速度に倣って塗装ローラーを回
転できるので無理が生ぜず、良好な縁塗りができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の鏡の縁塗り器の概略平面図である。

【図２】図２Ａは縁塗り器の概略正面図、図２Ｂは大径
プーリーと小径プーリーのかかわりをあらわす部分側面
図である。

【図３】図３Ａは塗装ローラーと塗液溜の配置をあらわ
す部分側断面図、図３Ｂは図３Ａの拡大部分側面図であ
る。

【図４】図４Ａは塗装ローラーと鏡縁部のかかわりをあ
らわす部分断面図、図４Ｂは鏡の縁部塗膜を示す部分断
面図である。

【符号の説明】1 ----鏡の縁塗り器 2 ----把手部 3 ----塗装用回転駆動部本体 4 ----小型電動モーター 6 ----小径プーリー 8 ----大径プーリー 10 ----塗装ローラー 11 ----塗液溜 15 ----鏡 15a ----鏡の裏面 15b ----鏡の傾斜端面 16 ----走査案内杆 17 ----塗液溜連結具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンディタイプの鏡の簡易型縁塗り器であ
   って、把手部と、その先端に配設した塗装用回転駆動部
   からなり、該回転駆動部は電動モーターと、一側端にモ
   ーター軸に軸着した小径プーリー、および回転駆動部本
   体に軸承され、ベルトを介して前記小径プーリーと連動
   回転する大径プーリーを配し、大径プーリーの対向軸端
   には塗装ローラー、および該塗装ローラーと近接、離隔
   調整可能に隣接した塗液溜と、鏡の側端に接する走査案
   内杆を配し、かつ塗液溜の塗装ローラー隣接側枠の一部
   を欠切して縦溝孔を形成し、該縦溝孔に塗装ローラーの
   一端を嵌入して塗液と接触せしめることを特徴とする鏡
   の縁塗り器。