JPH07265674A - ポリフッ化ビニリデン膜 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン膜

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JPH07265674A JP6336157A JP33615794A JPH07265674A JP H07265674 A JPH07265674 A JP H07265674A JP 6336157 A JP6336157 A JP 6336157A JP 33615794 A JP33615794 A JP 33615794A JP H07265674 A JPH07265674 A JP H07265674A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 小さな粒子を液体から効果的に除去し、最小
の吸着性を示しかつ実際の使用前に完全性を試験しうる
濾過膜、およびその製造方法を提供する。 【構成】 約4dyne/cm(4mN/m)の界面張
力を有する液体対を用いて試験した場合、少なくとも約
15psi(103kPa)のKUFを有する、等方性、
スキンレス、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜。ポリフッ
化ビニリデンおよびそれに対する溶剤を含むキャスティ
ング溶液を調製し、キャスティング溶液を約57−約6
0℃の均一な温度に加熱し、該キャスティング溶液を支
持体上に展延してフィルムを形成し、フィルムを急冷浴
中で急冷して、これにより多孔質膜を形成させ、そして
洗浄および乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の技術分野 本発明は、ポリフッ化ビニリデンを含む多孔質膜、なら
びにその膜を製造および使用する方法に関するものであ
る。本発明の膜は特に薬剤溶液および他の溶液の濾過、
特にそれらの溶液からのウイルスの除去に有用であるこ
とが見出された。
【0002】発明の背景 宿主である動物またはヒトに投与することを意図した溶
液、たとえば薬剤溶液および生命維持溶液の調製に際し
ては、それらの溶液は宿主において不都合な反応を生じ
る物質を可能な限り含有しないことが重要である。この
ような特に重大な汚染物質の1つはウイルスである。ウ
イルスは世界的に恐れられている多数の疾病、たとえば
ポリオ、肝炎およびエイズの原因である。
【0003】ウイルスを除去または不活化するために幾
つかの異なる物理的および非物理的方法が現在採用され
ている。ウイルスを不活化するために採用されている非
物理的方法には、たとえば熱による殺菌法および化学的
処理法が含まれる。しかしこれらの方法はすべてのウイ
ルスに均等に作用するわけではない。さらに、生物学的
療法薬が存在する場合、それらの薬物も不活化される可
能性がある。さらに、化学的処理に用いられる薬品が宿
主に有害な作用を及ぼす可能性もある。
【0004】他の方法は物理的分離処理を伴うものであ
る。それらの処理には、溶液からウイルスを除去するた
めに濾過膜、たとえば対称または非対称の微孔質膜また
は限外濾過膜が用いられる。それらの膜は吸着、篩分
け、または吸着と篩分けの組み合わせによりウイルスを
除去する。篩分け処理はよりいっそう制御可能であるた
め、また篩分けの場合ウイルスが濾過膜を偶然に通過す
る可能性がより低いため、吸着法より篩分けの方が一般
に好ましい。
【0005】ウイルスを濾過する際、適切な濾材を選ぶ
ためには標的ウイルスの大きさを考慮しなければならな
い。必ずしもすべてのウイルスが同じ大きさをもつとは
限らないが、ウイルスは一般に“大型”ウイルスまたは
“小型”と特性付けられる。大型ウイルスには有効直径
約0.08μm以上のウイルス、たとえばアデノウイル
ス、レオウイルスおよびヘルペスウイルスが含まれる。
小型ウイルスには、有効直径約0.025−0.028
μmのウイルス、たとえば肝炎ウイルス、ポリオウイル
スおよびパルボウイルスが含まれる。
【0006】ウイルスの効果的な篩分けは現在では利用
しうる濾材により制限されている。ウイルスを篩分けす
るために微孔質および限外濾過膜の両方が提示されてい
るが、これらの膜はそれぞれ種々の観点で不適切であ
る。
【0007】微孔質膜は等方性かつスキンレス(ski
nless)であることを特色とする。すなわちそれら
は一定のポア構造をもち、たとえば力価低下(tite
rreduction)により測定したそれらの粒子除
去能は、ポアサイズおよび膜厚に依存する。しかし現在
得られるこの型の膜の最小平均ポアサイズは約0.04
μm、たとえばウルチポル(Ultipor)N66−
NDP(ポール・コーポレーション、ニューヨーク州グ
レン・コーブ)にすぎない。それらの膜は妥当な膜厚を
用いると比較的大きなウイルスを除去することはできる
が、それらは一般に比較的小さなサイズのカテゴリーに
属するものを除去することはできない。より小さなポア
を有する微孔質膜を製造する試みは、今日まで成功して
いない。
【0008】限外濾過膜は非対称的であることを特色と
する。すなわちそれらはそれらの厚さにわたって不均一
なポアサイズをもつ。詳細には、それらの膜は一般に一
体となった2層からなり、1層はスリット様の割れ(s
lit−like fissure)と呼ばれるものを
示す薄いスキンであり、これに対し他方の層は高い密度
の指様の貫入(finger−like intrus
ion)またはマクロボイドを含む厚い構造である。こ
の薄いスキンは比較的小さなポアサイズをもち、一方厚
い構造は比較的大きなポアサイズをもつ。膜にその濾過
等級を付与するのは、膜の他の部分と一体となったこの
スキンである。限外濾過膜は一般にポア直径範囲0.0
01−0.02μmのものが得られる。
【0009】理想的には一体スキンは厚い支持体のマク
ロボイドを完全に覆う。しかし実際には、マクロボイド
上のスキンはほとんど常に有意の欠陥、たとえば亀裂、
ピンホール、ならびに他の欠陥および欠点を含み、これ
は使用に際してスキン層を引き裂き、または破損させ
る。従って膜の完全性(integrity)およびそ
の除去等級に関して確実性が得られない。
【0010】このように限外濾過膜は実際に使用されて
はいるが、完全性の欠陥という点からみて統計に基づい
て使用されているのである。すなわちいずれの欠陥も濾
過すべき液体のごく一部が通過するにすぎず、かつ濾過
されるすべての液体のうちの一部が除去したい不都合な
物質を含有するにすぎないので、確率的にはそれらの物
質が膜を通過するのはごく少量にすぎない。これはある
種の用途については許容しうるが、他の多くの用途、特
に濾過される液体がヒトまたは動物に投与することを意
図したものであり、かつ膜を通過したウイルスなどが受
容者にとって健康上の重大な問題を生じる可能性がある
状況においては、許容されない。
【0011】さらに、許容しうる限外濾過膜の製造は、
それらの構造およびその構造に常に付随する欠陥からみ
て困難である。今日まで、実際に欠陥のない限外濾過膜
は製造されていない。さらに、限外濾過膜の濾過特性の
すべてに関与するスキンが極めて薄い(厚さ数ミクロン
のオーダー)ため、同じ水準の欠陥、ポアサイズ、およ
びポアサイズ分布をもつ限外濾過膜を一貫して再現する
ことは極めて困難である。さらに、これらの膜の完全性
その他の特性は、製造後および実際の使用前に容易に試
験することすらできない。一般的な試験法、たとえば
“バブルポイント”およびKL試験法は、膜を破壊し、
または他の形で損傷を与えるために、著しく高い試験圧
力を必要とするからである。
【0012】従ってウイルスなどの小さな粒子を液体か
ら効果的に、かつ予想可能な状態で除去しうる濾過膜に
対する強い要望が依然としてある。このような膜は、汚
損(fouling)その他の不都合な濾過作用を防止
するために、好ましくは最小の吸着性を示すべきであ
る。さらに、濾過膜は容易に再現することができ、かつ
実際の使用前に完全性を試験しうるものでなければなら
ない。このような膜を製造するための、商業的に適用し
うる方法も望まれる。本発明は、このような濾過膜、な
らびにそのような膜を製造および使用する関連の方法を
提供する。本発明のこれらおよび他の目的および利点、
ならびに他の付加的特色は、本明細書に提示する本発明
の説明から明らかになるであろう。
【0013】発明の概要 本発明は、約4dyne/cm(4mM/m)の界面張
力を有する液体対を用いて試験した場合、少なくとも約
15psi(103kPa)、好ましくは約50psi
(345kPa)以下のKUFを有する、等方性、スキン
レス、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜を提供する。本発
明の膜は、好ましくはT1バクテリオファージに対し
て、より好ましくはPR772大腸菌ファージに対して
も、さらに好ましくはPP7バクテリオファージに対し
ても、少なくとも約108の力価低下を有する。本発明
の膜は約20mil(500μm)以下、さらに約5m
il(125μm)以下の薄い厚さであることが可能で
ある。
【0014】本発明は、ポリフッ化ビニリデンおよびそ
れに対する溶剤を含むキャスティング溶液を調製し、該
キャスティング溶液を約57−約60℃の均一な温度に
加熱し、該キャスティング溶液を支持体上に展延してフ
ィルムを形成し、該フィルムを急冷浴中で急冷して、こ
れにより多孔質膜を形成させ、そして該多孔質膜を洗浄
および乾燥させることを含む、これらの膜の製造方法を
も提供する。
【0015】好ましい態様の説明 本発明は、従来このような膜につき達成されているもの
より低いポア等級をもつ新規な、等方性、スキンレス、
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜を提供する。本発明の膜
のポアサイズ特性は、KUFおよび力価低下により表すこ
とができる。
【0016】詳細には、本発明は約4dyne/cm
(4mM/m)の界面張力を有する液体対を用いて試験
した場合、少なくとも約15psi(103kPa)、
好ましくは少なくとも約17psi(117kPa)、
極めて好ましくは少なくとも約20psi(138kP
a)のKUFを有する、等方性、スキンレス、多孔質ポリ
フッ化ビニリデン膜を提供する。本発明の膜は、一般に
約4dyne/cm(4mM/m)の界面張力を有する
液体対を用いて試験した場合、約50psi(345k
Pa)以下、たとえば約15psi(103kPa)−
約50psi(345kPa)のKUFを有し、より好ま
しくは約40psi(276kPa)以下、たとえば約
17psi(117kPa)−約40psi(276k
Pa)のKUFを有するであろう。より一般的には、本発
明の膜は約4dyne/cm(4mM/m)の界面張力
を有する液体対を用いて試験した場合、約30psi
(207kPa)以下、たとえば約18psi(124
kPa)−約30psi(207kPa)のKUFを有す
るであろう。
【0017】本発明の膜は種々のファージに対するその
力価低下をも特色とする。本発明の膜は好ましくはT1
バクテリオファージに対して、より好ましくはこれより
小さなPR772大腸菌ファージに対しても、また極め
て好ましくはこれよりさらに小さなPP7バクテリオフ
ァージに対してすら、少なくとも約108の力価低下を
有する。本発明の個々の膜の力価低下は、膜のKUFおよ
び厚さに基づいて十分に予測することができる。さらに
力価低下はかなり厳密な限界内に調整することができ、
これはポアサイズ分布が狭いことを立証する。たとえば
本発明の膜はT1バクテリオファージに対して、または
PR772大腸菌ファージに対してすら、少なくとも約
108の力価低下を有し、一方PP7に対しては約102
以下の力価低下を有する。
【0018】本発明の膜は適切ないかなる厚さとなるよ
うに製造することもでき、かつ目的厚さを達成するため
に積層することもできる。一般に本発明の膜は、約20
mil(500μm)以下、好ましくは約10mil
(250μm)以下、極めて好ましくは約5mil(1
25μm)以下の厚さをもつ。大部分の用途にとって、
本発明の膜は約3mil(75μm)−約5mil(1
25μm)の厚さをもつことができる。本発明の膜はこ
のような種々の厚さをもつことができ、なおかつ上記の
UFおよび/または力価低下値を特色とする。たとえば
本発明の膜は極めて薄い厚さ、たとえば約1−5mil
(25−125μm)の厚さ、または1−3mil(2
5−75μm)の厚さにすら製造することができる一
方、なおかつウイルスに対して卓越した力価低下を備え
ている。
【0019】本発明の膜は等方性であるので、実質的に
均一かつ対称的なポア構造をもつ。本発明の代表的な膜
を図1A(500×)および1B(5.00K×)の電
子顕微鏡写真−−これは本発明の膜の微細かつ均一なポ
ア構造を表す−−、ならびに図2Aおよび2B(両方と
も10.1K×)の走査型電子顕微鏡写真−−これは同
一膜の上面および底面図を表す−−に示す。さらに本発
明の基材の等方性は、図4のグラフにおける直線プロッ
トにより説明される。この図は、対数目盛り上の膜厚に
無関係な膜圧降下(△P)(in.Hg/milおよび
cmHg/mil)−対−KUF(psiおよびkPa)
のプロットを示す。得られた直線状の線は等方性膜を指
示するものである。
【0020】UFの測定 微孔質膜に特徴的なポアサイズを評価するために、従来
“バブルポイント”試験法(ASTM F316−8
6)およびKL試験法(米国特許第4,340,479
号明細書)として知られる試験法が採用されている。こ
れらの試験法、特にKL試験法は本発明の膜を評価する
ために採用しうるが、これらの試験法は極めて小さなポ
アに関して高い圧力を必要とし、これは信頼性の問題を
生じる可能性がある。従って本発明の膜は、極めて小さ
なポア等級をもつ膜のポアサイズおよび完全性をより高
い信頼性をもって評価する手段を提供するためにポール
・コーポレーションにより開発されたKUF試験法を用い
て解明することが好ましい。
【0021】KUF試験法は米国特許出願第07/88
2,473号明細書、1992年5月13日出願、に記
載されている。KUF試験法によれば、試験すべき膜をま
ず、膜を完全にぬらすことができる湿潤液で十分にぬら
す。膜をぬらすために用いた湿潤液と不混和性である
が、低い安定な界面張力をもつ置換液(displac
ing liquid)を湿潤膜の上流側と接触させ
る。次いで置換液に徐々に圧力を付与し、膜を通る置換
液の流れを付与圧力の関数として測定する。置換液は、
安定であり、かつ湿潤液と不混和性でなければならず、
これら2液の界面張力は約10dyne/cm(10m
M/m)以下でなければならない。界面張力を10dy
ne/cm(10mM/m)以下に制御すると、普通は
水/空気界面を用いて行われる同様な試験法の場合(す
なわちKLまたはバブルポイント試験法の場合)よりは
るかに低い圧力で流体置換を行うことができる。さら
に、2液の界面張力は試験操作期間中、一定に維持され
ることが重要である。膜の単位面積当たりの膜を通る置
換液の流量を、付与した圧力の関数としてプロットする
ことができ、得られた線の急勾配部分に回帰分析により
直線を引くと、これは特定の圧力値において水平軸と交
差するであろう。この交差点がKUF値とみなされ、これ
は膜のポアサイズと正比例する。欠陥のない膜には拡散
流がないので、KUF値以前に膜を通る置換液の流量はゼ
ロであり、すなわち流量−対−圧力の典型的なプロット
において水平な線となる。
【0022】本明細書に引用するKUF値は、約4dyn
e/cm(4mM/m)の界面張力を有する液体対を用
いて試験された。特に本明細書に引用するKUF値は、水
で飽和されたn−ペンタノールを湿潤液として、n−ペ
ンタノールで飽和された水を置換液として用いて測定さ
れた。1相が他相中へ溶解することにより周囲温度で約
4.4dyne/cm(4.4mM/m)であるこれら
の液体の界面張力が変化しないことを保証するために、
不混和相を相互に飽和させる。他の因子、たとえば温度
も、試験期間中の不混和性液体の界面張力が有意に変化
するのを避けるために、試験操作中は比較的一定に維持
すべきである。KUFを測定するために他の液体対、たと
えばn−ブタノールと水も使用しうるが、本明細書にお
いてn−ペンタノールと水を用いた理由は、これにより
得られるKUF値が測定に好都合な範囲にあるからであ
り、かつn−ペンタノールと水の相互溶解度が高いた
め、これらの成分のうち一方が膜に選択的に吸着された
場合に、得られるKUF値にその吸着がほとんど、または
全く影響を及ぼさないからである。他のアルコール/水
系には、たとえばn−オクタノール/水、およびn−ヘ
キサノール/水が含まれ、もちろん他の非アルコール系
液体対もKUFの測定に際して同様に使用しうる。
【0023】デイビースおよびライディール(J.T.
Davies,E.T.Rideal)による書籍In
terfacial Phenomena、第2版に報
告される、水と相境界を形成する数種類の有機液体につ
いての界面張力を、Chemical Rubber
Handbook(CRC),1970年編に報告され
た、水中における各種成分の溶解度と共に下記に示す。
【0024】
【表1】 化合物 界面張力 温度 溶解度 (dyne/cm) (℃) (g/100g または(mN/m) H2O) エチルエーテル 10.7 20 7.5 n−オクタノール 8.5 20 0.054 n−ヘキサノール 6.8 25 20 0.6 アニリン 5.85 20 n−ペンタノール 4.4 25 22 2.7 酢酸エチル 2.9 30 15 8.5 イソブタノール 2.1 20 15 10.0 n−ブタノール 1.8 25 1.6 20 15 9.0 上記の表には有機液体と水のみを示したが、KUF試験法
は前記のようにいかなる不混和性液体対を用いて実施す
ることもできる。
【0025】KUF試験法によれば、湿潤液体は単一の液
状化合物、たとえばn−オクタノールであり、置換液も
n−オクタノールに実質的に不溶性の単一化合物、たと
えば水であってよい。あるいは湿潤液は、第2の液状化
合物、たとえば水で飽和された第1の液状化合物、たと
えばn−ペンタノールからなる平衡混合物であってもよ
い。その場合、第1の液状化合物で飽和された第2の液
状化合物が置換液として用いられる。いずれの態様に関
しても、2液の界面張力は試験を実施する期間中、比較
的一定に維持されることが重要である。たとえば相が組
成的に安定であること、すなわちそれらの相が接触した
場合に界面を越えていずれかの流体の正味流束が起こら
ないことが望ましい。従って湿潤液中における置換液の
溶解度には実質的に変化が無い。変化があった場合、結
果に影響を及ぼす可能性がある。
【0026】実施に際してKUF試験は、通常は密に接触
した流体で飽和された不混和相それぞれにつき行われ
る。たとえば水中におけるn−ペンタノールの溶解度は
22℃で100gの水につき2.7gである。若干のn
−ペンタノールが水に溶解するので、水相がn−ペンタ
ノールで飽和されることが好ましい。同様にn−ペンタ
ノール相については、それが水で飽和されることが好ま
しい。相互に飽和された相は、十分量の各流体を含有す
る混合物を容器または分液ろうと内で振盪することによ
って容易に達成される。本明細書に記載する試験および
実施例においてそれぞれの場合、有機相が膜を湿潤させ
るために用いられた。これらの流体を逆転させること、
すなわち膜を水相で湿潤させ、かつ膜の上流側を有機相
で加圧することは、本方法の自明の延長である。
【0027】絶対KUF値はもちろん個々のアルコール/
水系に応じて異なるが、他のアルコール/水系を用いて
得られた数値は、それらのそれぞれの界面張力の比を用
いてn−ペンタノール/水系のKUF値との一般的な相関
関係を求めることができる。たとえばn−ペンタノール
/水における約45psi(310kPa)のKUF
は、n−ブタノール/水における約18psi(124
kPa)のKUF値に等しい(すなわち45psi(すな
わち310kPa)×1.8/4.4)。
【0028】力価低下 力価低下はその膜が特定の粒子を流体から除去する能力
を表すものである。従って力価低下は膜が生物、たとえ
ば細菌およびウイルスを除去する能力の標準的尺度であ
る。力価低下を測定する際には適切ないかなる粒子を用
いてもよいが、本発明の膜の力価低下は、ゲル状リン酸
緩衝液中のT1およびPP7バクテリオファージ(一般
に109−1010バクテリオファージ/mlの水準の2
種類のバクテリオファージの50:50混合物)で膜を
攻撃することにより評価された。本明細書に報告された
評価のためには、大腸菌(E.coli)ATCC#1
1303がT1ファージ源であり、緑膿菌(P.aer
uginosa)ATCC#15612がPP7ファー
ジ源であった。T1およびPP7バクテリオファージの
ほかに、本発明の膜はPR772大腸菌ファージに対し
ても試験された。本明細書に報告された評価のためPR
772ファージの提供者は、カナダ国ケベック、ラバル
・ユニバーシティー、医学部微生物学科、H.W.アッ
カーマン教授であった。
【0029】膜の力価低下は、流入液に含有されていた
ファージと流出液に得られたファージとの比率として定
義される。T1ファージの大きさは約0.078μmで
あり、PR772ファージの大きさは約0.053μm
であり、PP7ファージの大きさは約0.027μmで
あるので、これらのファージは比較的大型、中型および
比較的小型のウイルスに関して膜の除去効率を評価する
ための優れたモデルを提供する。膜は特定の粒子、たと
えば比較的大型のウイルスの代表例としてのT1ファー
ジに対して少なくとも108、好ましくは少なくとも1
10の力価低下を示す場合、一般にその粒子に対して
“絶対”除去能をもつとみなされる。もちろんPR77
2またはPP7ファージに対する膜の絶対除去能によっ
て、比較的大型のウイルスに対するその膜の絶対除去能
が確証されるであろう。
【0030】これらの生物は急速に複製しうるので、被
験溶液の濾液中のごく少量でも容易に検出することがで
きる。従って被験溶液の濾液中にその特定のモデル生物
を全く検出し得ないことは、その膜は実際に攻撃液体中
のすべての生物が膜を通過するのを阻止したという事実
の優れた確証である。さらに大部分の商業的プロセスに
おける汚染物質として見出されるウイルスの量が約10
4/mlを越えることは稀であるので、本発明の膜が1
8以上の力価低下を示しうることは、多様な液体、特
に商業的プロセス、たとえば薬剤生産に関与するものか
らすべてのウイルスを除去することのほぼ絶対的保証と
なりうる。
【0031】力価低下は膜のKUF値および膜の厚さの関
数である。膜を越えた側の圧力降下は膜のKUFによって
指数的に影響され、一方では膜を越えた側の圧力降下は
膜の厚さによっては直線的に影響されるにすぎないの
で、個々の膜の力価低下のわずかな改良は一般に、たと
えば多層の同一膜を調製することにより膜の厚さを増大
させることによって、より経済的に達成しうる。
【0032】圧力降下 膜を越えた側の圧力降下は、その膜を濾過のために用い
る際に極めて重要である。本発明の膜は、膜を越えた側
における満足すべき圧力降下(△P)で、特定の粒子に
対して目的の力価低下を有利に提供する。本明細書にお
いて述べる圧力降下は、常法により、たとえば米国特許
第4,340,479号明細書に記載される方法により
計算され、本明細書に報告されるすべての圧力降下値
(in.Hg(cmHg)またはpsi(kPa))は
2ft/分(61cm/分)の一定の空気流速において
測定された。
【0033】製造方法 本発明の膜はポリフッ化ビニリデン(PVDF)から、
本明細書に述べる特定の温度要件と組み合わせて、米国
特許第4,340,479号明細書に記載の湿式キャス
ティング法を用いて製造される。いずれか適切なポリフ
ッ化ビニリデン、たとえばカイナル(Kynar(登録
商標))761および761PVDF樹脂を使用しう
る。ポリフッ化ビニリデンは一般に少なくとも約5,0
00ダルトンの分子量、好ましくは少なくとも約10,
000ダルトンの分子量をもつ。
【0034】本明細書に記載される膜を製造するための
本発明方法は、ポリフッ化ビニリデンおよびそれに対す
る溶剤を含むキャスティング溶液を調製し、該キャステ
ィング溶液を約57−約60℃の均一な温度に加熱し、
該キャスティング溶液を支持体上に展延してフィルムを
形成し、該フィルムを急冷浴中で急冷して、これにより
多孔質膜を形成させ、そして該多孔質膜を洗浄および乾
燥させることを含む。キャスティング溶液の温度(℃)
−対−得られた膜のKUF(psiおよびkPa)をプロ
ットした曲線を含む図3のグラフに示されるように、キ
ャスティング溶液の温度は得られた膜のKUFに正比例す
る。たとえば約58℃のキャスティング溶液温度では約
31psi(214kPa)のKUFを有する膜が形成さ
れ、一方約60℃のキャスティング溶液温度では約17
psi(117kPa)のKUFを有する膜が形成され
る。
【0035】意外にも、ポリフッ化ビニリデンのキャス
ティング溶液を保持する温度が本発明の膜の製造に極め
て重要であることが見出された。膜内のポア構造の実質
的な均一性を保証するためには、キャスティング溶液温
度が均一であること、すなわち特定の温度±0.01℃
であることを保証するように多大な注意を払わなければ
ならない。さらに、本発明の基礎となる何らか特定の理
論に拘束されることを意図するものではないが、キャス
ティング溶液は少なくとも短期間の記憶をもつと思わ
れ、従ってキャスティング溶液がそのキャスティング溶
液の加工中のいずれかの時点で約60℃より著しく高い
温度となった場合、たとえその後に温度が約60℃より
低下したとしても目的とするKUF値をもつ本発明の膜を
製造することは困難である。この明らかな効果に対する
考えられる説明の1つは、キャスティング溶液につき単
一の温度が報告されるが、報告された温度は実際にはあ
る範囲(または分布)の平均であり、従ってキャスティ
ング溶液の有意部分が実際には報告された温度よりはる
かに高い可能性があるということである。これは、漸次
昇温させる高精度加熱装置を用いてキャスティング溶液
の目的温度に到達することによる本発明の好ましい技術
を採用することによって、適切な膜の製造に特に成功し
たことを説明しうる(これはキャスティング溶液に均一
な温度を付与するだけでなく、キャスティング溶液の一
部が約60℃より著しく高くなる可能性をも少なくし、
より好ましくは加熱プロセスのいかなる特定の段階にお
いても、目的とする最終温度のキャスティング溶液を与
える)。
【0036】本発明方法は適切な種々の様式で実施する
ことができるが、本発明方法の好ましい態様は、粉末状
のポリフッ化ビニリデン、この樹脂に対する溶剤、有利
にはジメチルアセトアミド、および非溶剤、有利にはイ
ソプロパノールからなる溶液の調製から始まる。この溶
液は約10−約20重量%、有利には約15−約17重
量%のポリフッ化ビニリデンを含む。溶液の残部は約9
0:10−約70:30、好ましくは約80:20の重
量比の溶剤および非溶剤からなる。
【0037】次いでポリマー溶液の温度を目的とするキ
ャスティング溶液温度に高める。少量のポリマーは、1
工程法において均一な温度で効果的に取り扱うことがで
きる。たとえば1リットル溶液中の数百グラムのポリマ
ーを、高い回転速度で撹拌する羽根車を備えたジャケッ
ト付きケトル内で均一に加熱することができる。これよ
り多い量、特に商業的生産量については、ジャケット付
きケトルなどの1工程加熱法を用いるのは、キャスティ
ング溶液に有意の温度変動が生じるため実用的でない。
温度変動は本発明の膜を満足すべき状態で製造するため
には避けなければならない。
【0038】従って比較的多量に関しては、温度を上昇
させるのに必要な時間を最小限に抑えながら温度の均一
性を慎重に制御するために、キャスティング溶液の温度
を段階的に上昇させることが好ましい。連続した各段階
で温度を上昇させ、目的とするKUF値をもつ膜を製造す
るのに必要なキャスティング温度に近づける。ただしキ
ャスティング溶液が目的のキャスティング温度を越えな
いことを保証するために、より高い均一性(すなわち、
より狭い温度分布)を保証する様式で行う。
【0039】特に、かなり多量のポリフッ化ビニリデン
をサーモスタット制御式タンクに装入し、適切な溶剤お
よび非溶剤の混合物に分散させることができる。キャス
ティング溶液の混合に際して、タンクの温度はその内容
物が目的のキャスティング溶液温度より十分に低い約4
7−約51℃の温度に達しうる温度に保持される。この
平均温度は、溶液の有意部分が約57−約60℃という
目的のキャスティング溶液温度を越えないことを保証す
るように選ばれる。これらの成分は、ポリフッ化ビニリ
デンが溶解し、得られた溶液がその装置で均一に加熱さ
れるまで、たとえば約16時間程度、タンク内に滞留す
べきである。
【0040】次いでキャスティング溶液を好ましくは熱
交換器を通して輸送してその温度を約52℃に高め、次
いでインラインミキサー(または他の高精度加熱装置)
に導通し、これによりキャスティング溶液の温度を約5
7−約60℃±0.01℃という目的とする均一なキャ
スティング溶液温度に高める。得られる膜内のポア構造
の均一性にとって、温度の均一性は極めて重要である。
【0041】キャスティング溶液をインラインミキサー
内で加熱したのち、キャスティング溶液を支持体上に展
延する(すなわちキャスティングする)前に、キャステ
ィング溶液を増粘装置、たとえばキャスティング溶液の
温度を約35℃程度に低下させる他の熱交換器に導通す
ることにより、キャスティング溶液の粘度を一般に増大
させる。次いでキャスティング溶液を適切な支持体、た
とえばマイラー上に展延し、適切な急冷浴、たとえばジ
メチルアセトアミドおよびイソプロパノールの水溶液に
浸漬することにより急冷し、そして常法により、たとえ
ば脱イオン水で洗浄すると、本発明の膜が形成される。
【0042】洗浄が完了したのち、湿潤した膜を採取
し、乾燥させる。乾燥はいずれか適切な手段、たとえば
オーブン内での加熱により行うことができるが、オーブ
ン内の場合のように直接的な熱の付与による乾燥は得ら
れる膜のポアサイズを不都合に拡大することが見出され
た。しかしこれは、膜の乾燥を行うために膜にマイクロ
波エネルギーを付与することにより克服された。周波数
約24MHzのマイクロ波を用いるのが好ましいが、膜
のポアサイズまたはKUF値が過度に影響されない限り、
いかなる周波数も採用しうる。
【0043】熱処理 得られたポリフッ化ビニリデン膜を、所望によりその特
性の改良のために熱処理またはアニーリングすることが
できる。特に本発明の膜は、膜の強度を改良し、続いて
親水化する条件下で加熱することができる。
【0044】好ましくは本発明の膜は、続いて親水化し
た場合に得られた親水化膜が実質的に均一な親水性をも
つ状態が達成されるのに十分な期間、少なくとも約80
℃の温度に加熱される。もちろん本発明の膜を、膜が軟
質になり、その自重で、または熱処理中に膜を支持する
何らかの機械的手段からの張力のため、変形するほど高
い温度に加熱すべきではない。一般に温度の上限は約1
60℃であろう。加熱期間は加熱温度および処理される
膜の性質に応じて異なるであろう。たとえば高温の表面
と直接に接触した平坦なシートの形の膜の小片は熱に対
して短期間、たとえば1分以内の暴露を必要とするにす
ぎないが、数百線フィートの巻き取られた膜は膜が適切
な平衡温度に達するために低温で多数時間の加熱を必要
とするであろう。極めて好ましくは、本発明の膜は約1
20℃の温度に約24−72時間、特に約48時間、加
熱される。
【0045】本発明の膜の熱処理は膜を拘束せずに行う
ことができるが、膜の寸法変化、たとえば収縮を最小限
に抑え、または避けるために、熱処理期間中、膜を寸法
的に拘束することが好ましい。膜を寸法的に拘束するた
めには適切ないかなる手段も採用しうる。たとえば膜を
枠に入れるか、または好ましくは膜の層間接触を防止す
るために間に挿入された材料、たとえば繊維不織材料と
共にコアまたはロール上に巻き付けることができる。極
めて好ましくは、本発明の膜はポリエステル繊維不織材
料が挿入されたロールの形で熱処理される。
【0046】ポリフッ化ビニリデン膜の熱処理について
は、米国特許第5,196,508および5,198,
505号明細書に、より詳細に記載されている。これら
の特許明細書には、ポリフッ化ビニリデン膜の熱処理に
より得られる表面改質の改良についても記載されてい
る。
【0047】表面改質 得られたポリフッ化ビニリデン膜は疎水性であり、濾過
される液体中に存在する可能性のある蛋白質などを吸着
する著しい傾向を示す。これらの特性は、それらが膜を
越えた側における圧力降下の増大に関与し、最終的には
膜の早期汚損、および/または特定の場合には膜表面に
おける二次篩層の形成を生じる可能性があるため、望ま
しくない。そのため本発明の膜は、それを親水性(すな
わち米国特許第4,880,548号明細書に記載のC
WST試験法により測定して臨界湿潤表面張力(CWS
T)が少なくとも約72dyne/cm(72mN/
m)をもつ)にし、蛋白質の吸着および汚損を受けにく
くするために、表面改質することが好ましい。
【0048】本発明の膜のこのような表面改質は適切な
いかなる様式で実施することもでき、好ましくは適切な
モノマーを膜の表面にグラフト重合させることにより達
成される。このようなモノマーの好ましい例には、アル
コール官能基をもつアクリル系またはメタクリル系モノ
マー、たとえばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびそ
れらの組み合わせ、特にヒドロキシプロピルアクリレー
トおよび/またはヒドロキシエチルメタクリレートが含
まれる。米国特許第5,019,260号明細書に記載
されるように、これらのモノマーをアルコール官能基を
含まないアクリル系モノマー、たとえばメチルメタクリ
レート少量と組み合わせることもできる。
【0049】適切なモノマーを本発明の膜に重合させる
ためにはいかなる適切な手段も採用しうる。このような
結果を得るためには放射線グラフトが好ましい方法であ
る。放射線源はコバルト60、ストロンチウム90、お
よびセシウム137などの放射性同位体から、またはX
線撮影装置、電子加速器および紫外線装置などの機械か
ら得られる。しかし好ましくは放射線は電子ビーム線の
形のものである。この形の放射線を用いることにより、
極めて均一な放射線分布が得られることが見出された。
これにより、他の放射線源、たとえばコバルト60を用
いてグラフトさせた膜の場合と比較して、より均一にグ
ラフトした最終生成物が得られる。
【0050】グラフト形成は一般に、膜を照射し、次い
でそれを適切なモノマー溶液に浸漬するか、または膜を
適切なモノマー溶液に浸漬した状態で照射することによ
り達成される。いずれの方法を採用するかに関係なく、
グラフト形成は酸素の不在下で、たとえば窒素雰囲気下
で実施すべきである。酸素は放射線照射により形成され
た反応性部位と反応し、これにより目的とするポリマー
結合に利用し得る部位の数が減少するからである。膜が
モノマー溶液に浸漬する前に照射される場合、ポリマー
を膜の表面に結合させるための反応性部位の損失を生じ
る不都合な反応を避けるために、可能な限り速やかに膜
をモノマー溶液に接触させるべきである。モノマー溶液
はグラフト重合されるモノマーをいずれか適切な濃度
で、一般に水自体、または適切なアルコール、たとえば
t−ブチルアルコールを含む水などの溶剤系中に1−1
0容量%含むことができる。本発明に関して好ましいモ
ノマー溶液は、4容量%のヒドロキシプロピルアクリレ
ート、25容量%のt−ブチルアルコール、および71
容量%の脱イオン水である。膜のポリマーグラフト形成
の詳細およびパラメーターは当技術分野で周知である。
【0051】グラフト重合は架橋剤の不在下で実施しう
るが、特に上記のアクリレート系モノマーを膜の表面に
グラフト重合させる場合は架橋剤を用いることが好まし
い。本発明に関しては、適切ないかなる架橋剤も使用し
うる。適切な架橋剤には、ジオールおよびポリオール、
特に直鎖または分枝鎖脂肪族ジオール、たとえばエチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ジペンチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコー
ル、およびポリ(エチレンオキシド−co−プロピレン
オキシド)グリコールのジ−またはポリ−アクリレート
およびメタクリレート、ならびにトリオールアクリレー
ト、たとえばトリメチロールプロパントリアクリレート
が含まれる。本発明に使用しうる他の架橋剤の例には、
アリル類、マレインイミド類、不飽和ジカルボン酸、芳
香族ビニル化合物、ポリブタジエンおよびトリメリト酸
エステルが含まれる。他の適切な架橋剤は米国特許第
4,440,896、4,753,988、4,78
8,055および4,801,766号明細書に記載さ
れる。
【0052】ポリエチレングリコールの分子量が約20
0−約600であるポリエチレングリコールジメタクリ
レートが、本発明に関して好ましい架橋剤である。ポリ
エチレングリコール600ジメタクリレート、特に膜表
面への放射線グラフト用ヒドロキシプロピルアクリレー
トと組み合わせたものが、極めて好ましい架橋剤であ
る。
【0053】架橋剤は適切ないかなる量で用いることも
できる。一般に架橋剤はグラフト溶液に約0.025−
約5容量%の量、より一般的には約0.05−約2容量
%の量で添加される。たとえば4容量%のヒドロキシプ
ロピルアクリレートを水およびt−ブチルアルコール中
に含有するモノマー溶液は、約0.5容量%のポリエチ
レングリコール600ジメタクリレートを架橋剤として
含有する。
【0054】具体的用途 本発明の膜は、限外濾過膜が現在用いられている多くの
用途を含めた、適切ないかなる用途にも使用しうる。本
発明の膜は、ウイルスおよびこれに類する大きさの粒子
に対するこの膜の卓越した力価低下からみて薬剤学的液
体の濾過に特に有用であるが、本発明の膜は適切ないか
なる流体を濾過するためにも使用しうる。
【0055】従って本発明は、本発明の膜、特に約4d
yne/cm(4mM/m)の界面張力を有する液体対
を用いて試験した場合に少なくとも約15psi(10
3kPa)のKUFを有し、および/またはT1バクテリ
オファージに対して少なくとも約108の力価低下を有
する、等方性、スキンレス、多孔質ポリフッ化ビニリデ
ン膜に流体を導通することを含む、流体の濾過方法を提
供する。本発明の膜に導通される流体は、たとえば膜に
導通する前は102/ml、さらには104/mlを越え
るウイルスを含んでもよく、これらのウイルスが流体か
ら除去され、このため流体は膜に導通したのちには含ま
れるウイルスが102/ml未満であるか、またはウイ
ルスを含まない場合すらある。従って本発明の膜を用い
て流体を処理し、含有されるウイルスを減少させ、また
は除去することができ、またウイルスの同定、試験など
のために、この膜を用いて流体からウイルスを採集およ
び濃縮することもできる。
【0056】本発明の膜は比較的容易に完全性を試験
し、かつ商業的に一貫して製造しうるため、本発明の膜
は特定の物質につき予想可能な除去等級を提供しうる。
さらに本発明の膜の卓越した除去特性は、膜を越えた側
の妥当な圧力降下において得られる。従って本発明の膜
を限外濾過膜が現在用いられている用途に使用しうる限
り、本発明の膜はそれらの同じ用途において限外濾過膜
より望ましく、かつ性能が優れている。
【0057】本発明の膜は単独で用いることができ、ま
たは適切な支持構造物と組み合わせることができる。ま
た本発明の膜は適切なフィルター、濾過カートリッジな
どにおいて使用しうる。もちろん、本発明の膜内のポア
構造が高度に均一であること、およびグラフトした態様
の蛋白質吸着感受性が低いことからみて、本発明の膜は
デッドエンド濾過用、および接線または直交流濾過用に
使用しうる。
【0058】本発明の膜はフィルター要素、たとえば一
般に米国特許第4,340,479号明細書に記載のフ
ィルターカートリッジにおいて特に有用であると期待さ
れる。本発明の膜を用いる好ましいフィルター要素は、
シート状の本発明の膜からなり、膜の側面が重なり、か
つシールされて、外表、内部、および2末端を備えたチ
ューブ状構造を形成し、このチューブの末端に末端キャ
ップがシールされ、これらの末端キャップの少なくとも
1つがチューブの内部へ達しうる中心開口を備え、かつ
これらのシールがすべて流体機密である。このフィルタ
ー要素において本発明の膜は好ましくは波形に形成され
て、フィルター要素の容量に対し大きな膜表面を提供す
る。膜の側面のうち少なくとも1つは一般に多孔質支持
体層に付着しており、この状態の場合、一般に膜および
多孔質支持体層が両方とも波形に形成される。フィルタ
ー要素は本発明の単一膜を含んでもよく、またはより好
ましくは互いに付着した多数のこれらの膜を含む。フィ
ルター要素中に多数の膜がある場合、それぞれの膜が付
着している多孔質支持体層により膜が分離されているこ
とが好ましい。本発明のフィルター要素の他の点は適切
ないかなる構造であってもよく、かつ適切ないかなる材
料から作成することもできる。たとえば末端キャップは
適切なポリマー材料、たとえばポリエステル、特にポリ
ブチレングリコールテレフタレートまたはポリエチレン
グリコールテレフタレートから作成することができる。
フィルター要素は当技術分野で周知の方法により作成す
ることができる。
【0059】以下の実施例は本発明をさらに説明するも
のであり、もちろん本発明の範囲を何らかの形で限定す
るものとはみなすべきでない。
【0060】実施例1 この実施例は本発明による幾つかの膜の製造を示す。キ
ャスティング溶液温度が得られる濾過膜のKUFに及ぼす
影響を立証するために、種々のキャスティング溶液温度
を用いて各種の濾過膜を製造した。
【0061】キャスティング溶液を17.0重量%のポ
リフッ化ビニリデン樹脂、66.4重量%のジメチルア
セトアミド(溶剤)、および16.6重量%のイソプロ
パノール(非溶剤)から調製した。このキャスティング
溶液を密閉容器内で撹拌して、ポリフッ化ビニリデン樹
脂を上記の80:20w/w溶剤/非溶剤混合物に溶解
し、キャスティング溶液の温度を50.9℃に高め、そ
してこの温度に保持した。
【0062】次いで4種類のキャスティング溶液試料を
インラインミキサーに導通し、それぞれのキャスティン
グ溶液試料を異なる温度に高めた。次いで各溶液を冷却
して粘度を高め、支持体上にフィルムとしてキャスティ
ングし、42重量%の水、51重量%のジメチルアセト
アミド、および7重量%のイソプロパノールからなる急
冷浴に浸漬した。急冷浴は30℃に保持された。キャス
トフィルムは一般に急冷浴に1分未満接触した。次いで
得られた膜を水で洗浄して溶剤を除去し、膜を収縮防止
のために拘束してマイクロ波乾燥させた。こうして4種
類のキャスティング溶液それぞれを用いて膜が製造され
た。
【0063】キャスティング溶液試料それぞれの温度、
および得られた膜それぞれのKUF値を以下に示す。
【0064】
【表2】 試料 温度 KUF (℃±0.01℃) (psi)[kPa] 1A 58.22 30[207] 1B 58.97 23[159] 1C 59.77 18[124] 1D 60.17 17[117] 得られたデータをキャスティング溶液温度(℃)−対−
UF(psiおよびkPa)の形で図3のグラフとして
プロットする。これらのデータから明らかなように、約
57−約60℃の範囲のキャスティング溶液温度は、そ
のキャスティング溶液から製造された濾過膜のKUFをそ
れに対応して低下させる。
【0065】実施例2 この実施例は、膜を親水性にして蛋白質の結合に対する
感受性を低下させるためのグラフト重合被膜を備えた本
発明のポリフッ化ビニリデン膜の製造を示す。これらの
膜のグラフト処理前後両方の特性を評価して、グラフト
処理が膜のポア等級に不都合な影響を及ぼすことがな
く、濾過膜を越えた側のわずかな圧力降下増大に関与す
るにすぎないことが立証された。
【0066】実施例1に記載の方法に従って、異なるK
UF値をもつ数種類の膜を製造した。それぞれの膜の一部
を電子ビームグラフト法によりグラフトさせた。詳細に
は、膜を電子ビーム発生装置(175kVおよび3mA
mpの設定)に20ft/分(約6.1m/分)の速度
で、全照射線量2.4Mradに達するように導通し
た。次いで膜を4容量%のヒドロキシプロピルアクリレ
ート、25容量%のt−ブチルアルコール、および71
容量%の脱イオン水のグラフト溶液に導通し、窒素雰囲
気下に(すなわち酸素から保護して)巻き取り、数時間
保存したのち、グラフトしていないモノマーを含有しな
くなるまで洗浄した。グラフトした膜を100℃で10
分間、フレーム乾燥(frame−dry)した。
【0067】グラフトしていない形およびグラフトした
形の膜それぞれのKUF、厚さ、および膜を越えた側の圧
力降下を測定し、結果を下記に示す。
【0068】
【表3】 得られたデータから明らかなように、本発明の膜のグラ
フト処理はこれらの膜を好都合に親水性、すなわち水湿
潤性にし、一方ではKUFに不都合な影響を及ぼすことは
なく、膜の圧力降下特性にわずかに影響するにすぎな
い。
【0069】実施例3 この実施例は、本発明の膜に特徴的な、種々のウイルス
に対する卓越した力価低下を示す。
【0070】種々の膜(厚さ1.5−2.0mil(3
8−50μm)の142mmのディスク)を実施例1に
記載の方法に従って製造し、実施例2に記載の方法に従
ってグラフト処理した。グラフトした膜をゲルリン酸緩
衝液中のT1およびPP7バクテリオファージ(約10
10バクテリオファージ/mlの量)の50:50混合物
で攻撃した。先に述べたように、T1ファージの大きさ
は約0.078μmであり、一方PP7ファージの大き
さは約0.027μmである。従ってこれらのバクテリ
オファージは実際にそれぞれ比較的大型および比較的小
型のウイルスを代表する。単独または多層のそれぞれの
膜の力価低下を、流入液に含有されていた個々のファー
ジ−対−流入液中に存在するファージの比率として測定
した。グラフトしていない膜のKUF、試験した膜の層
数、および各ファージに対する力価低下(TR)を下記
に示す。
【0071】
【表4】 得られたデータは、特に試料3Aによって明らかなよう
に本発明の濾過膜が極めて高い力価低下をもち、ウイル
スの“絶対”除去が可能であることを立証する。さらに
試料3Cに例示されるように、この高い力価低下は著し
く薄い膜につき達成しうる。さらに得られたデータは、
本発明の濾過膜が極めて均一なポア構造をもつことを立
証する。たとえば試料HはすべてのT1バクテリオファ
ージを除去しうるが、本質的にすべてのPP7バクテリ
オファージを通過させる。従って試料Hは約0.078
−約0.027μmのポアサイズをもつ。これは極めて
狭いポアサイズ分布である。
【0072】実施例4 この実施例は、本発明の膜に特徴的な卓越したウイルス
力価低下をさらに示す。
【0073】実施例3の試料Fと表示されたグラフトし
た濾過膜をゲルリン酸緩衝液中のPR772大腸菌ファ
ージ(5.2×108ファージ/mlの量)およびPP
7バクテリオファージ(1.7×109ファージ/ml
の量)の混合物で攻撃した。前記のように、PR772
ファージの大きさは約0.053μmであり、PP7フ
ァージの大きさは約0.027μmである。従ってこれ
らのファージは実際にそれぞれ中型および比較的小型ウ
イルスを代表する。単独または多層のそれぞれの膜の力
価低下を、流入液に含有されていた個々のファージ−対
−流入液中に存在するファージの比率として測定した。
グラフトしていない膜のKUF、試験した膜の層数、およ
び各ファージに対する力価低下(TR)を下記に示す。
【0074】
【表5】 試料 KUF 層数 TR(PR772 TR(PP7 (psi)[kPa] ファージ ファージ 3G 23[159] 3 >5.2×108 2.2×106 測定された結果は、中型ウイルスに対する本発明の膜の
卓越した力価低下を確認する。さらにこれよりはるかに
小さいPP7ファージに対するこの膜試料の除去効率が
中程度であることからみて、この膜試料のポアサイズが
極めて小さく、すなわち約0.053μm未満であるこ
とが示され、一方この試料のポアサイズ分布が極めて狭
く、すなわち約0.027μm未満から約0.053μ
m未満までであることも示される。
【0075】実施例5 この実施例は、比較的大型のウイルスに対する十分な力
価低下に関連して、本発明の膜のポアサイズについての
おおまかな操作下限を示す。
【0076】厚さ1.8mil(46μm)の膜を実施
例1に記載した方法に従って製造し、KUF、圧力降下
(△P)、ならびにT1およびPP7バクテリオファー
ジに対する力価低下(TR)に関して、実施例3の記載
に従って評価した。得られたデータを下記に示す。
【0077】
【表6】 試料 KUF △P 層数 TR(T1R(PP7 (psi) (in.Hg) ファージ ファージ [kPa] [cm Hg] 5A 17 6.8 1 7×106 <10 [117] [17.3] 5B 17 6.8 2 >9×108 <10 [117] [17.3] 得られたデータは、約17psi(117kPa)のK
UFおよび少なくとも約3.6mil(92μm)の厚さ
をもつ本発明の膜が比較的大型のウイルスに対して10
8を越える力価低下を示すことを立証する。この実施例
の本発明の膜が比較的大型のT1ファージに対して“絶
対”除去能をもち、一方、比較的小型のPP7ファージ
に対しては本質的に除去能をもたないという事実は、本
発明の基材が約0.078−約0.027μmのポアサ
イズをもつことだけでなく、ポアサイズ分布が極めて狭
く、すなわち約0.078μm未満から約0.027μ
m以上までであることも立証する。
【0078】実施例6 この実施例は、本発明のグラフトされた濾過膜の蛋白質
吸着特性が低いことを示す。
【0079】実施例2の方法により製造されたグラフト
された濾過膜の試料(試料6A−6D)、およびグラフ
トしていない対照(試料6Eおよび6F)につき、浸漬
負荷結合試験を実施した。それぞれの膜を、125I−ヤ
ギIgGおよび200μg/mlの非標識ヤギIgGを
含有するIgG溶液に60分間浸漬した。それぞれの膜
をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、吸着IgGに
つき評価した。次いで膜を2M尿素中の1%SDS水溶
液で洗浄し、再び吸着IgGにつき評価した。これらの
評価の結果を下記に示す。
【0080】
【表7】 得られたデータは、本発明の適切にグラフトされた濾過
膜が低い蛋白質吸着量を示すことを立証する。ヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)をグラフトさせた
本発明の膜は、グラフトしていない対照と比較してはる
かに低い蛋白質吸着を示した。さらに、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート(HPA)をグラフトさせた本発明の
膜は、本発明のHEMA−グラフトさせた膜の約半分の
量の蛋白質を吸着したにすぎない。
【0081】実施例7 この実施例は、本発明の膜のマイクロ波乾燥が膜の濾過
特性に不都合な影響を及ぼさないことを示す。
【0082】実施例1に記載した方法に従って2種の膜
試料を製造した。一方の膜はマイクロ波乾燥機で乾燥さ
せ(7Aと表示)、他方の膜はスチームドラム乾燥機で
乾燥させた(7Bと表示)。2種の膜のKUF値を乾燥の
前後両方において測定し、結果を下記に示す。
【0083】
【表8】 試料 KUFUF (キャスティングしたまま) (キャスティングしたまま) (psi)[kPa] (psi)[kPa] 7A 22[152] 21[145] 7B 22[152] 17[117] これらの結果は、膜のマイクロ波乾燥が通常の乾燥と対
照的に本発明の膜のポアサイズに実質的な影響を及ぼさ
ないことを示す。
【0084】実施例8 この実施例は、本発明の膜の等方性、すなわち対称的ポ
ア構造を示す。
【0085】KUFの異なる数種類の膜を実施例1に記載
した方法に従って製造した。それぞれの膜につき、
UF、および厚さで割った圧力降下(△P)(in.H
g/milおよびcmHg/μm)を測定し、結果を下
記に示す。
【0086】
【表9】 得られたデータを、膜の厚さで割った膜を越えた側の圧
力降下(△P)(in.Hg/milおよびcmHg/
μm)の形で対数目盛り上に、膜のKUF(psiおよび
kPa)に対して、図4のグラフとしてプロットした。
描かれた線は最小二乗法を適用した数値であり、相関係
数0.87を有する。これらのデータから明らかなよう
に、KUFが増大すると圧力降下が濾過膜の厚さの関数と
して対数的に増大する。この関係は等方性濾過膜に特徴
的なものであり、本発明の濾過膜が等方性であることを
確証する。
【0087】本明細書に引用した参考文献すべてが、そ
れらの全体を参考としてここに採用される。
【0088】本発明を好ましい態様につき記載したが、
これらの好ましい製品および方法の変更を採用しうるこ
とは当業者に自明であり、本発明は本明細書に詳述した
ものと異なる様式で実施しうるものとする。従って、本
発明は特許請求の範囲に定められた本発明の精神および
範囲に含まれるすべての変更を包含する。
【0089】本発明の実施態様は以下の通りである。
【0090】1.約4dyne/cmの界面張力を有す
る液体対を用いて試験した場合、少なくとも約15ps
iのKUFを有する、等方性、スキンレス、多孔質ポリフ
ッ化ビニリデン膜。
【0091】2.膜が約15−約50psiのKUFを有
する、上記第1項に記載の膜。
【0092】3.膜が少なくとも約17psiのKUF
有する、上記第1項に記載の膜。
【0093】4.膜が約17−約40psiのKUFを有
する、上記第3項に記載の膜。
【0094】5.膜が約18−約30psiのKUFを有
する、上記第4項に記載の膜。
【0095】6.膜がT1バクテリオファージに対して
少なくとも約108の力価低下を有する、等方性、スキ
ンレス、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜。
【0096】7.膜がPP7バクテリオファージに対し
て約102以下の力価低下を有する、上記第6項に記載
の膜。
【0097】8.膜がPR772大腸菌ファージに対し
て少なくとも約108の力価低下を有する、上記第6項
に記載の膜。
【0098】9.膜がPP7バクテリオファージに対し
て約102以下の力価低下を有する、上記第8項に記載
の膜。
【0099】10.膜がPP7バクテリオファージに対
して少なくとも約108の力価低下を有する、上記第8
項に記載の膜。
【0100】11.膜が約20mil以下の厚さを有す
る、上記第6項に記載の膜。
【0101】12.膜が約5mil以下の厚さを有す
る、上記第11項に記載の膜。
【0102】13.膜が約3−約5milの厚さを有す
る、上記第12項に記載の膜。
【0103】14.膜が約20mil以下の厚さを有す
る、上記第8項に記載の膜。
【0104】15.膜が約5mil以下の厚さを有す
る、上記第14項に記載の膜。
【0105】16.膜が約3−約5milの厚さを有す
る、上記第15項に記載の膜。
【0106】17.膜が約20mil以下の厚さを有す
る、上記第9項に記載の膜。
【0107】18.膜が約5mil以下の厚さを有す
る、上記第17項に記載の膜。
【0108】19.膜が約3−約5milの厚さを有す
る、上記第18項に記載の膜。
【0109】20.約4dyne/cmの界面張力を有
する液体対を用いて試験した場合、少なくとも約15p
siのKUFを有する、上記第6項に記載の膜。
【0110】21.膜が約15−約50psiのKUF
有する、上記第20項に記載の膜。
【0111】22.膜が少なくとも約17psiのKUF
を有する、上記第6項に記載の膜。
【0112】23.膜が約17−約40psiのKUF
有する、上記第22項に記載の膜。
【0113】24.膜が約18−約30psiのKUF
有する、上記第23項に記載の膜。
【0114】25.約4dyne/cmの界面張力を有
する液体対を用いて試験した場合、少なくとも約15p
siのKUFを有する、上記第8項に記載の膜。
【0115】26.膜が約15−約50psiのKUF
有する、上記第25項に記載の膜。
【0116】27.膜が少なくとも約17psiのKUF
を有する、上記第8項に記載の膜。
【0117】28.膜が約17−約40psiのKUF
有する、上記第27項に記載の膜。
【0118】29.膜が約18−約30psiのKUF
有する、上記第28項に記載の膜。
【0119】30.約4dyne/cmの界面張力を有
する液体対を用いて試験した場合、少なくとも約15p
siのKUFを有する、上記第9項に記載の膜。
【0120】31.膜が約15−約50psiのKUF
有する、上記第30項に記載の膜。
【0121】32.膜が少なくとも約17psiのKUF
を有する、上記第9項に記載の膜。
【0122】33.膜が約17−約40psiのKUF
有する、上記第32項に記載の膜。
【0123】34.膜が約18−約30psiのKUF
有する、上記第33項に記載の膜。
【0124】35.膜が、膜を親水性にして蛋白質の吸
着を受けにくくするポリマーの表面被膜を含む、上記第
1項に記載の膜。
【0125】36.ポリマーが、ヒドロキシル官能基を
有する1種または2種以上のアクリル系またはメタクリ
ル系モノマーを含む、上記第35項に記載の膜。
【0126】37.ポリマーがヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタ
クリレートよりなる群から選ばれる1種または2種以上
のモノマーを含む、上記第36項に記載の膜。
【0127】38.ポリマーがヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、またはそ
れらの組み合わせを含む、上記第37項に記載の膜。
【0128】39.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第38項に
記載の膜。
【0129】40.ポリマーがヒドロキシプロピルアク
リレートを含む、上記第38項に記載の膜。
【0130】41.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第40項に
記載の膜。
【0131】42.ポリマーが膜上に放射線グラフトさ
れている、上記第36項に記載の膜。
【0132】43.放射線が電子ビーム線である、上記
第42項に記載の膜。
【0133】44.膜が、膜を親水性にして蛋白質の吸
着を受けにくくするポリマーの表面被膜を含む、上記第
6項に記載の膜。
【0134】45.ポリマーが、ヒドロキシル官能基を
有する1種または2種以上のアクリル系またはメタクリ
ル系モノマーを含む、上記第44項に記載の膜。
【0135】46.ポリマーがヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタ
クリレートよりなる群から選ばれる1種または2種以上
のモノマーを含む、上記第45項に記載の膜。
【0136】47.ポリマーがヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、またはそ
れらの組み合わせを含む、上記第46項に記載の膜。
【0137】48.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第47項に
記載の膜。
【0138】49.ポリマーがヒドロキシプロピルアク
リレートを含む、上記第47項に記載の膜。
【0139】50.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第49項に
記載の膜。
【0140】51.ポリマーが膜上に放射線グラフトさ
れている、上記第45項に記載の膜。
【0141】52.放射線が電子ビーム線である、上記
第51項に記載の膜。
【0142】53.膜から液体を除去するのに十分な条
件下で膜をマイクロ波照射することにより湿式キャスト
膜を乾燥させる点において改良された、多孔質膜の製造
方法。
【0143】54.膜がポリフッ化ビニリデンを含む、
上記第53項に記載の方法。
【0144】55.ポリフッ化ビニリデンおよびそれに
対する溶剤を含むキャスティング溶液を調製し、該キャ
スティング溶液を約57−約60℃の均一な温度に加熱
し、該キャスティング溶液を支持体上に展延してフィル
ムを形成し、該フィルムを急冷浴中で急冷して、これに
より多孔質膜を形成させ、そして該多孔質膜を洗浄およ
び乾燥させることを含む、膜の製造方法。
【0145】56.キャスティング溶液温度が約58−
約60℃である、上記第55項に記載の方法。
【0146】57.膜をマイクロ波照射することにより
少なくとも部分的に乾燥させる、上記第55項に記載の
方法。
【0147】58.膜を親水性にして蛋白質の吸着を受
けにくくするポリマーの表面被膜を膜に付与するため
に、膜を処理することを含む、上記第55項に記載の方
法。
【0148】59.処理が、ヒドロキシル官能基を有す
る1種または2種以上のアクリル系またはメタクリル系
モノマーを含むポリマーを膜の表面に結合させることを
含む、上記第58項に記載の方法。
【0149】60.ポリマーがヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、およびヒドロキシプロピルメタ
クリレートよりなる群から選ばれる1種または2種以上
のモノマーを含む、上記第59項に記載の方法。
【0150】61.ポリマーがヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、またはそ
れらの組み合わせを含む、上記第60項に記載の方法。
【0151】62.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第61項に
記載の方法。
【0152】63.ポリマーがヒドロキシプロピルアク
リレートを含む、上記第61項に記載の方法。
【0153】64.ポリマーがさらにポリエチレングリ
コール600ジメタクリレートを含む、上記第63項に
記載の方法。
【0154】65.ポリマーが膜上に放射線グラフトさ
れている、上記第59項に記載の方法。
【0155】66.放射線が電子ビーム線である、上記
第65項に記載の方法。
【0156】67.上記第55項に記載の方法により製
造された膜。
【0157】68.上記第1項に記載の膜に流体を導通
することを含む、流体の濾過方法。 69.流体が膜に導通される前に102/mlを越える
ウイルスを含み、膜に導通された後に102/ml未満
のウイルスを含む、上記第68項に記載の方法。
【0158】70.流体が膜に導通される前に104
mlを越えるウイルスを含む、上記第69項に記載の方
法。
【0159】71.流体が膜に導通された後にウイルス
を含まない、上記第69項に記載の方法。
【0160】72.流体がウイルスを含む、上記第68
項に記載の方法。
【0161】73.流体が膜に導通された後にウイルス
を含まない、上記第72項に記載の方法。
【0162】74.上記第6項に記載の膜に流体を導通
することを含む、流体の濾過方法。 75.流体が膜に導通される前に102/mlを越える
ウイルスを含み、膜に導通された後に102/ml未満
のウイルスを含む、上記第74項に記載の方法。
【0163】76.流体が膜に導通される前に104
mlを越えるウイルスを含む、上記第75項に記載の方
法。
【0164】77.流体が膜に導通された後にウイルス
を含まない、上記第75項に記載の方法。
【0165】78.流体がウイルスを含む、上記第74
項に記載の方法。
【0166】79.流体が膜に導通された後にウイルス
を含まない、上記第78項に記載の方法。
【0167】80.重なり、かつシールされて、外表、
内部、および2末端を備えたチューブ状構造を形成した
側面を有し、このチューブの末端に末端キャップがシー
ルされ、これらの末端キャップの少なくとも1つがチュ
ーブの内部へ達しうる中心開口を備え、かつこれらのシ
ールがすべて流体機密である、上記第1項に記載の膜を
含むフィルター要素。
【0168】81.膜が波形に形成された、上記第80
項に記載のフィルター要素。
【0169】82.膜の側面のうち少なくとも1つが多
孔質支持体層に付着した、上記第80項に記載のフィル
ター要素。
【0170】83.膜および多孔質支持体層が波形に形
成された、上記第82項に記載のフィルター要素。
【0171】84.フィルター要素が互いに付着した多
数の膜を含む、上記第83項に記載のフィルター要素。
【0172】85.それぞれの膜が付着している多孔質
支持体層により膜が分離された、上記第84項に記載の
フィルター要素。
【0173】86.重なり、かつシールされて、外表、
内部、および2末端を備えたチューブ状構造を形成した
側面を有し、このチューブの末端に末端キャップがシー
ルされ、これらの末端キャップの少なくとも1つがチュ
ーブの内部へ達しうる中心開口を備え、かつこれらのシ
ールがすべて流体機密である、上記第6項に記載の膜を
含むフィルター要素。
【0174】87.膜が波形に形成された、上記第86
項に記載のフィルター要素。
【0175】88.膜の側面のうち少なくとも1つが多
孔質支持体層に付着した、上記第86項に記載のフィル
ター要素。
【0176】89.膜および多孔質支持体層が波形に形
成された、上記第88項に記載のフィルター要素。
【0177】90.フィルター要素が互いに付着した多
数の膜を含む、上記第89項に記載のフィルター要素。
【0178】91.それぞれの膜が付着している多孔質
支持体層により膜が分離された、上記第90項に記載の
フィルター要素。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは、500×の倍率で撮影した本発明のポリ
フッ化ビニリデン膜の走査電子顕微鏡写真である。B
は、5.0K×の倍率で撮影した本発明のポリフッ化ビ
ニリデン膜の走査電子顕微鏡写真である。
【図2】Aは、10.0K×の倍率で撮影した本発明の
ポリフッ化ビニリデン膜の上面の走査電子顕微鏡写真で
ある。Bは、10.0K×の倍率で撮影した本発明のポ
リフッ化ビニリデン膜の底面の走査電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】キャスティング溶液温度(℃)と得られた膜の
UF(psiおよびkPa)との関係を示す曲線を描い
たグラフである。
【図4】膜の厚さで割った膜前後の圧力降下(△P)
(in.Hg/milおよびcmHg/μm;対数目盛
り)と膜のKUF(psiおよびkPa)との関係を示す
線を描いたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イオアニス・ピー・シプサス アメリカ合衆国ニューヨーク州11375,フ ォレスト・ヒルズ,セヴンティサード・ロ ード 110−31,ナンバー3ディー (72)発明者 グレゴリー・シー・ラピサーダ アメリカ合衆国ニューヨーク州11795,ウ エスト・イズリプ,アダムズ・アベニュー 1931 (72)発明者 ジョゼフ・グレッグ アメリカ合衆国ニューヨーク州11545,グ レン・ヘッド,グレン・ヘッド・ロード 129

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)約4mM/mの界面張力を有する
    液体対を用いて試験した場合、少なくとも約103kP
    aのKUF、および/または(b)T1バクテリオファー
    ジに対して少なくとも約108の力価低下を有する、等
    方性、スキンレス、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜。
  2. 【請求項2】 膜が約103−約345kPaのKUF
    有する、請求項1に記載の膜。
  3. 【請求項3】 膜がT1バクテリオファージに対して少
    なくとも約108の力価低下を有する、請求項1または
    2に記載の膜。
  4. 【請求項4】 膜がPR772大腸菌ファージおよび/
    またはPP7バクテリオファージに対して少なくとも約
    108の力価低下を有する、請求項3に記載の膜。
  5. 【請求項5】 膜がPP7バクテリオファージに対して
    約102以下の力価低下を有する、請求項1−4のいず
    れか1項に記載の膜。
  6. 【請求項6】 膜が約500μm以下の厚さを有する、
    請求項1−5のいずれか1項に記載の膜。
  7. 【請求項7】 膜が、膜を親水性にして蛋白質の吸着を
    受けにくくするポリマーの表面被膜を含む、請求項1−
    6のいずれか1項に記載の膜。
  8. 【請求項8】 ポリマーが、ヒドロキシル官能基を有す
    る1種または2種以上のアクリル系またはメタクリル系
    モノマーを含む、請求項7に記載の膜。
  9. 【請求項9】 ポリマーが膜上に放射線グラフトされ
    た、請求項7または8に記載の膜。
  10. 【請求項10】 放射線が電子ビーム線である、請求項
    9に記載の膜。
  11. 【請求項11】 膜から液体を除去するのに十分な条件
    下で膜をマイクロ波照射することにより湿式キャスト膜
    を乾燥させる点において改良された、多孔質膜の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 膜がポリフッ化ビニリデンを含む、請
    求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ポリフッ化ビニリデンおよびそれに対
    する溶剤を含むキャスティング溶液を調製し、該キャス
    ティング溶液を約57−約60℃の均一な温度に加熱
    し、該キャスティング溶液を支持体上に展延してフィル
    ムを形成し、該フィルムを急冷浴中で急冷して、これに
    より多孔質膜を形成させ、そして該多孔質膜を洗浄およ
    び乾燥させることを含む、膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 膜をマイクロ波照射することにより少
    なくとも部分的に乾燥させる、請求項13に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 膜を親水性にして蛋白質の吸着を受け
    にくくするポリマーの表面被膜を膜に付与するために、
    膜を処理することを含む、請求項13または14に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 処理が、ヒドロキシル官能基を有する
    1種または2種以上のアクリル系またはメタクリル系モ
    ノマーを含むポリマーを膜の表面に結合させることを含
    む、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ポリマーが膜上に放射線グラフトされ
    る、請求項15または16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 放射線が電子ビーム線である、請求項
    17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項11−18のいずれか1項に記
    載の方法により製造された膜。
  20. 【請求項20】 請求項1−10または19のいずれか
    1項に記載の膜に流体を導通することを含む、流体の濾
    過方法。
  21. 【請求項21】 流体が膜への導通前にウイルスを含
    み、かつ膜への導通後に含有するウイルスがより少な
    い、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 重なり、かつシールされて、外表、内
    部、および2末端を備えたチューブ状構造を形成した側
    面を有し、このチューブの末端に末端キャップがシール
    され、これらの末端キャップの少なくとも1つがチュー
    ブの内部へ達しうる中心開口を備え、かつこれらのシー
    ルがすべて流体機密である、請求項1−10または19
    のいずれか1項に記載の膜を含むフィルター要素。
  23. 【請求項23】 膜が波形に形成された、請求項20に
    記載のフィルター要素。
  24. 【請求項24】 膜の側面のうち少なくとも1つが多孔
    質支持体層に付着した、請求項22または23に記載の
    フィルター要素。
  25. 【請求項25】 フィルター要素が互いに付着した多数
    の膜を含む、請求項24に記載のフィルター要素。
  26. 【請求項26】 それぞれの膜が付着している多孔質支
    持体層により膜が分離された、請求項25に記載のフィ
    ルター要素。
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