JPH07265009A - 竹の塩の製造方法および竹の塩製造用窯 - Google Patents

竹の塩の製造方法および竹の塩製造用窯

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JPH07265009A
JPH07265009A JP6063279A JP6327994A JPH07265009A JP H07265009 A JPH07265009 A JP H07265009A JP 6063279 A JP6063279 A JP 6063279A JP 6327994 A JP6327994 A JP 6327994A JP H07265009 A JPH07265009 A JP H07265009A
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Nariharu Kuramoto
成春 倉本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より旨い竹の塩の製造方法を開示することを
目的とするものであり、併せて竹の塩の工業的な製造方
法を開示することを目的とする。 【構成】 未乾燥の竹筒に塩を詰める。この竹筒を窯に
入れて150°C以上500°C未満の温度に一定時間
維持し、竹から出る水分を塩に含浸させる。竹が乾燥し
た後に、窯内の温度を650°Cまで上昇して竹を燃焼
せさる。残った塩を取り出して粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は竹の塩と称される塩の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】韓国の伝承的な調味料、あるいは漢方薬
の一種として、竹の塩と称される塩が知られている。こ
こで竹の塩とは竹筒内に塩を詰め、当該塩を竹筒ごと燃
やしたものである。竹の塩を調味料として利用する際に
は、通常の食用塩と同様に、食物に振りかけたり、食物
を煮込む際に添加される。竹の塩は、公知の電気分解に
よって生成された食用塩とは異なり、竹の風味やうま味
がある。そのため竹の塩は、韓国料理ばかりでなく、広
く高級料理の調味料としての需要が期待されている。ま
た竹の塩は、胃腸炎、眼疾患、皮膚疾患等の回復、或い
は予防薬として漢方処方されることがある。
【0003】ところで竹の塩の製造方法は、専ら各家庭
の伝承や、徒弟間の口伝によるものであり、一般には前
記した様に竹筒内に塩を詰め、当該塩を竹筒ごと燃やす
と言った漠たる内容しか知られていない。また竹の塩は
従来家庭用に、細々と生産されていたに過ぎず、これを
工業的に量産する方法についても開示が無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、より
旨い竹の塩の製造方法を開示することを目的とするもの
である。また併せて本発明は、竹の塩の工業的な製造方
法を開示することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、よ
り旨い竹の塩であって、品質の一定したものを製造すべ
く、鋭意研究を重ねた。また竹の塩の工業的な製造方法
を確立すべく、研究をおこなった。そしてその結果完成
された竹の塩の製造方法の発明は、未乾燥の竹筒に塩を
詰め、当該塩を詰めた竹筒を窯に入れて150°C以上
500°C未満の温度に一定時間維持し、竹から出る水
分を塩に含浸させ、竹が乾燥した後に、窯内の温度を上
昇して竹を燃焼させ、残った塩を取り出して粉砕するこ
とを特徴とする。
【0006】また同様の旨さを発揮するもう一つの発明
は、竹の一端側の節を残して切断した竹筒を作り、該竹
筒内に塩を詰め、さらに塩の上部に竹の腐葉物を含有し
た土を載せ、当該塩を詰めた竹筒を窯に入れて一定時間
加熱し、竹から出る水分を塩に含浸させ、竹が乾燥した
後に窯内の温度を上昇して竹を燃焼せさ、残った塩を取
り出して粉砕することを特徴とする竹の塩の製造方法で
ある。
【0007】ここで上記した二つの竹の塩の製造方法に
おいては、窯の昇温は、窯内において松を燃焼すること
によって行い、松が燃焼する際に発生する煙で、塩を燻
すことが望ましい。
【0008】また窯の内部には、竹の腐葉物を含有した
土が敷きつめられていることが望ましい。
【0009】また上記した工程は、何度も(例えば9回
程度)繰り返して行うことが望ましい。
【0010】さらに旨い竹の塩を工業的に製造するため
の発明は、次の工程よりなることを特徴とする竹の塩の
製造方法である。 (1)竹筒に塩を詰める工程 (2)竹の塩製造用窯であって窯本体内に受け皿が設け
られており、該受け皿の下部には窯の外部に連通する排
出路を有し、且つ受け皿には竹筒を載置可能な網部が設
けられたものの、前記網部に前記塩を詰めた竹筒を載置
する工程 (3)窯内の温度を上昇させて竹から出る水分を塩に含
浸させる工程 (4)窯内の温度をさらに上昇させて竹を燃焼し、竹の
灰を受け皿の網部から下に落下させる工程 (5)受け皿の排出路から竹の灰を取り出す工程 (6)窯内の温度をさらに上昇させて塩を融解する工程 (7)塩を冷却固化し、粉砕する工程 尚塩の冷却は、通常自然冷却によって行われる。
【0011】また竹の塩の製造に適した窯の発明は、窯
本体内に受け皿が設けられており、該受け皿の下部には
窯の外部に連通する排出路を有し、且つ受け皿には竹筒
を載置可能な網部が設けられていることを特徴とする竹
の塩製造用窯である。
【0012】
【作用】請求項1記載の竹の塩の製造方法では、先ず未
乾燥の竹筒に塩を詰める。本発明が特に未乾燥の竹筒を
採用するのは、竹のエキスが出やすいためである。そし
て、この竹筒を窯に入れて150°C以上500°C未
満の温度に一定時間維持する。この間、竹から水分が噴
出し、水分と共に竹のエキスが溶出し、このエキスは竹
筒内の塩に含浸される。
【0013】ここで窯内の温度を150°C以上500
°C未満に限定した理由は、次の通りである。即ち窯内
の温度を150°C以下に設定すると、竹からの水分の
噴出は極めて少ない。より具体的には、窯内の温度を1
50°C以下に設定すると、竹が含有する水分は、外部
に噴出することなく乾燥してしまい、エキスの溶出は少
ない。また窯内の温度を500°C以上に設定すると、
竹が発火し、エキスの溶出や、エキスの塩への浸透が妨
げられる。
【0014】そして竹が乾燥して、竹のエキスの溶出が
止まると、窯内の温度を上昇させ、竹を自然発火して燃
焼させる。竹が燃え尽きた後には、柱状に固化した塩が
残るので、当該塩を取り出して粉砕する。
【0015】また請求項2記載の発明では、竹筒として
は、竹の一端側の節を残して切断したものが利用され
る。従って塩はこぼれることなく竹筒内に詰められる。
そして特に本発明では、塩の上部に竹の腐葉物を含有し
た土が載せられる。その後竹筒を窯に入れて一定時間加
熱させ、竹から出る水分を塩に含浸させる。ここで本発
明の竹の塩の製造方法では、塩の上に竹の腐葉物を含有
した土が載せられているので、竹筒を加熱した際に、竹
の腐葉物を含有した土からも竹のエキスが出る。そして
この土から出たエキスも塩の中に浸透される。
【0016】請求項3記載の竹の塩の製造方法では、窯
の昇温は、窯内において松を燃焼することによって行
い、松が燃焼する際に発生する煙で、塩が燻されるの
で、塩には松の風味も加味される。
【0017】また請求項4記載の竹の塩の製造方法で
は、窯の内部に竹の腐葉物を含有した土が敷きつめられ
ているので、窯を昇温した際に、窯の内部全体が竹のエ
キスを含有した気体の雰囲気に包まれる。そのため本方
法によると、塩へのエキスの移行が円滑である。
【0018】請求項5記載の竹の塩の製造方法では、塩
に繰り返し繰り返し竹のエキスが浸透されるので、塩内
のエキスの濃度は、より濃厚なものとなる。
【0019】請求項6記載の竹の塩の製造方法で利用す
る窯には、本体内に特殊な受け皿が設けられている。そ
して塩が詰められた竹筒は、受け皿の網の上に載せ置か
れ、窯内の温度が上昇される。すると前記した場合と同
様に、竹から水が噴出し、竹のエキスが塩に含浸する。
そして窯内の温度をさらに上昇させて竹を燃焼させる。
すると竹は灰となって崩れ、下に落下する。ここで本発
明の竹の塩の製造方法では、竹筒は受け皿の網の上に載
せられているので、竹の灰は網の目から更に下に落下す
る。そして次の工程として受け皿の排出路から竹の灰を
取り出す。従って窯の温度を維持したままで、竹の灰だ
けが外部に取り出される。一方塩は、柱状に固まり、受
け皿の網の上に残る。従って本発明の方法では、塩と灰
が簡単に分離される。
【0020】次に窯内の温度をさらに上昇させて塩を融
解する。すると塩は溶けて流れ出し、受け皿に溜まる。
【0021】
【実施例】以下さらに本発明の具体的実施例について説
明する。図1は、本発明の具体的実施例の竹の塩の製造
方法の工程図である。図2は、竹筒の断面図である。図
3は、本発明の具体的実施例で採用する竹筒収容治具の
斜視図である。図4は、本発明の塩の製造方法で利用す
る竹の塩製造用窯の斜視図である。図5は、図4の断面
図である。
【0022】本実施例の竹の塩の製造方法の工程は、図
1の様に、竹筒1(図2)への塩詰め工程から始まる。
竹筒1の素材は、孟宗竹、真竹、破竹、矢竹等のあらゆ
る竹が利用可能であるが、孟宗竹等の直径の太い竹を利
用することが、大量生産を可能にする上で望ましい。竹
は未乾燥の状態、即ち青竹の状態で利用し、端部の節2
を残して他端側と中間部の節3を抜く。そしてこうして
作られた竹筒1に、工程1によって塩5を詰める。塩5
は、通常市販されている電気分解によって生成された塩
を利用することが可能であるが、よりよい風味を持たせ
るためには、塩田によって作られた天然塩を利用するこ
とが推奨される。また同じく、岩塩を利用することも可
能である。岩塩を利用する場合は、粉状に粉砕して用い
ることが望ましい。
【0023】次に工程2によって、塩の上に土7を詰
め、この土7によって、竹筒1の蓋をする。土7は、竹
の腐葉物を含んだ赤土或いは竹の腐葉土を利用すること
が望ましい。竹の腐葉土は、具体的には、竹藪内の土を
利用することができる。本明細書中で、竹の腐葉土と
は、竹の葉が腐って熟成したものを言うだけでなく、単
に竹の葉が落葉して、乾燥した状態のものも含む。また
土7は、竹の腐葉土或いは、竹の腐葉物を含んだ赤土を
利用することが望ましいが、これに代わって、黄土や、
通常の土を利用することも可能である。また土7を省略
する場合もある。
【0024】竹筒1への塩詰めおよび土詰め工程1,2
が終わると、この竹筒1を竹の塩製造用窯10(以下単
に窯10)内に入れる。窯10の構造は、図4,図5の
通りである。窯10は、外観形状がカマボコ形をしてお
り、全体が耐火煉瓦で作られていて、本体部11に炊口
12が設けられたものである。本体部11の内部は、空
洞13になっている。本体部11の一方の面には竹筒挿
入口(図示せず)が設けられている。また本体部11の
上部には、煙抜きのための開口14が設けられている。
窯10の内部の床は、約2mにわたって掘り返され、赤
土18に入れかえられている。尚この赤土は、竹の腐葉
物を含有するものであることが望ましい
【0025】炊口12と本体部11の間は、壁で仕切ら
れており、当該壁の上部に設けられた孔15によって両
者は貫通されている。この様に炊き口12と本体部11
の間を壁で仕切った理由は、本体部11の空洞13にな
るべく火炎が進入しない構成とし火炎が直接竹筒にふれ
ることを防ぐためである。竹筒1は、立てた状態で窯1
0の本体部11内に入れられる。この際、図3に示した
様な竹筒収容治具21内に、竹筒1を入れ、この状態で
竹筒1を、窯10に入れると、竹筒1の立て掛けと、窯
10からの出し入れが容易である。竹筒収容治具21
は、鋼線や、鋼板等を溶接或いはネジ止めし、底部とそ
の周囲に枠を設けたものであり、上面は開放されてい
る。
【0026】窯10内に竹筒1を挿入した後、窯10の
炊口12から薪を入れて燃やし、窯10内を徐々に昇温
する。薪の種類は、任意であるが、発熱量が高い点と、
塩に特有の風味が移る点から、松の薪を利用することが
推奨される。窯10内の温度管理は重要であり、150
°Cから500°Cの間に維持することが肝要である。
より好ましくは、150°Cから500°Cの間をなる
べく時間をかけて徐々に昇温する。窯内の温度変化と、
竹筒1の外観変化を比較観察すると、窯10の温度が1
50°C程度以下の場合は、竹筒の外観に大きな変化は
無いことが判る。窯10の温度が150°C程度を越え
ると、竹筒1の外表面にあたかも汗の様な水滴が見ら
れ、さらに温度が上昇すると竹筒1から盛んに水が噴出
する。
【0027】そして500°Cを越えると、竹は乾燥炭
化し、自然発火する。従って本実施例では、窯10内の
温度を150°Cから500°Cの間をゆっくりと昇温
し、竹筒1から十分に水分を放出させる。竹筒から出た
水は、竹筒1内に詰められた塩5に含浸し、竹のエキス
が塩に浸透する。また同時に、塩5の上に載せられた土
7からは、竹のエキスが気体となって発散し、塩に竹の
エキスが浸透する。そして竹筒1の中では、塩5の上に
土7によって蓋がされた状態になっているので、塩5
は、竹から出た水や、土7から出た気体によって蒸され
た状態となる。また、窯10の床面に、竹藪内の赤土を
入れた場合は、当該土からも竹のエキスを含有する気体
が放散され、塩5へのエキスの浸透が促進される。窯1
0内の温度を150°Cから500°Cの間に維持する
時間は、竹筒1に孟宗竹を利用する場合は、3時間から
4時間程度である。
【0028】この時間を経過して、竹筒からの水の噴出
が止まり、竹が乾燥すると、窯10内の温度を急速に上
昇する。この時の目標温度は、竹筒1が発火するのに十
分であり、且つ塩が溶解しない温度である。具体的に
は、500°C以上1000°C未満程度であり、より
推奨される温度は、650°C前後である。窯10内の
温度を650°C前後に上げると、竹筒1は「ドーン」
と言う音を発して自然発火する。そして竹筒1は瞬く間
に燃え尽き、灰は下に落下する。一方塩は、柱状の形を
維持して立った状態のまま残る。
【0029】窯10内の昇温時間の具体例を、窯10へ
の火入の時刻を基準に例示すると、常温から400°C
までが、約3時間であり、400°Cから600°Cま
でが約2時間である。そして後の2時間の内、400°
Cから600°まで温度を上げる時間は、極わずかであ
ることが望ましい。
【0030】竹筒1が十分に燃え尽きると、窯10内の
温度を自然低下させ、柱状の塩を取り出す。そして塩を
粉砕する。こうして作られた竹の塩は、このままでも十
分に旨いものであるが、より好ましくは、再度竹筒1に
入れ、図1の工程1から、工程7までを繰り返す。伝承
によると、一連の工程は、9回繰り返すことが望ましい
とされているが、9回と言う回数には科学的な根拠は無
い。所定の回数、例えば9ラウンドにわたって各工程を
繰り返された竹の塩は、工程8によって融解される。よ
り具体的には、竹の塩を、るつぼに入れて融解する。そ
して最後にもう一度粉砕し(工程9)、出荷する。工程
9の粉砕は、食べた時の消化吸収を促進することを目的
とするものであり、工程7の粉砕よりもより細かく粉砕
することが望ましい。
【0031】こうして作られた竹の塩は、通常の食塩に
比べて非常に食味のよいものであった。すなわち当該竹
の塩を焼きイカに振りかけ、比較例として、通常の食塩
(JT並塩、日本たばこ産業株式会社)を振りかけて、
5人の者が試食したところ、両者の間に明らかな食味の
相違があることが判った。そして5人の者は、いずれも
本実施例によって作られた竹の塩を振りかけたイカの味
が好ましいと感じた。
【0032】また本実施例によって作られた竹の塩の補
助的効果として、次の様な意見があった。すなわち本実
施例によって作られた竹の塩を服用したところ、胃痛
や、便秘が改善したと言う意見があった。また本実施例
によって作られた竹の塩を生理的食塩水程度に希釈し、
点眼したところ、心地よい差し感覚があったと言う意見
があった。また同様の希釈液を点鼻したところ、鼻詰ま
りが改善したと言う意見があった。さらに本実施例によ
って作られた竹の塩を頭髪にすり込み、その後洗髪した
ところ、抜け毛が減少したと言う意見や、皮膚の疾患が
改善されたと言う意見もあった。
【0033】次に、より風味に優れた竹の塩を量産する
ことができる、窯の構造、および、その窯の使用方法に
ついて説明する。図6は、本発明の具体的実施例の竹の
塩製造用窯の斜視図である。図7は、図6の竹の塩製造
用窯の内部の斜視図である。図6,7に示した竹の塩製
造用窯30は、本体部31の外観が碗を伏せた様な形状
をしている。そして、先の実施例と同様に炊き口32が
設けられている。本実施例の竹の塩製造用窯30の内部
は空洞であるが、ここで特記するべき構成は、本実施例
の塩製造用窯30では、内部に受け皿33が設けられて
いる点である。
【0034】受け皿33は、ステンレススチール等の錆
びにくい金属で作られたものであり、上面が開口したす
り鉢状の部材である。そして受け皿33の上面には,網
部35が設けられている。網部35もステンレススチー
ル等の錆びにくい金属で作られたものであり、網の目の
大きさは、少なくとも竹筒が落ち込まない程度である。
受け皿33の上端の周囲は、塩製造用窯30の本体の内
壁と接しており、両者の間の隙間は小さい。また受け皿
33の底近くの側面には、開口36が設けられており、
この開口36には、排出路37が連続している。そして
この排出路37は、塩製造用窯30の外壁の下をくぐっ
て、本体部31の外に開口している。
【0035】本実施例の塩製造用窯30の使用方法は、
次の通りである。すなわち、図示しない竹筒挿入口から
窯内に竹筒を入れ、竹筒を受け皿33の網部33の上に
立てて並べる。そして炊き口32から薪を入れて燃や
し、本体部31の内部を昇温する。昇温の過程は、先の
実施例と全く同一であり、150°Cから500°Cの
間を3時間程度かけて、ゆっくりと温度を上げていく。
そして、竹筒が乾燥したら、本体部31内の温度を65
0°C程度に上げる。すると竹筒は、自然発火し、灰化
する。灰は下に落下し、網部35をすり抜けて受け皿3
3内に溜まる。この時、竹の塩は柱上に固まった状態で
あるので、当該竹の塩は、網部35の上に残る。従って
本実施例の竹の塩製造用窯30では、単に本体部31内
の温度を上昇するだけで、灰と塩とを分離することがで
きる。
【0036】そして次の工程として排出路37から受け
皿33に溜まった竹の灰を取り出す。従って窯の温度を
維持したままで、竹の灰だけが外部に取り出される。
【0037】次に窯内の温度をさらに上昇させて竹の塩
を融解する。すると竹の塩は溶けて流れ出し、受け皿3
3に溜まる。従って、排出路37から精製された竹の塩
を取り出すことができる。また網部35を取り外し可能
な構成とする場合には、竹の塩を受け皿33の上面から
取り出すこともできる。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の竹の塩の製造方法は、先
ず未乾燥の竹筒に塩を詰め、この竹筒を窯に入れて15
0°C以上500°C未満の温度に一定時間維持する。
この温度域は、竹からの水分の噴出が旺盛であり、且つ
竹筒が発火しない温度範囲である。そのため、本発明の
竹の塩の製造方法では、竹筒から十分にエキスを溶出さ
せ、当該エキスは塩に浸透する。従って本発明の製造方
法によって製造された竹の塩は、竹の風味があり、非常
に旨い効果がある。
【0039】また請求項2記載の発明では、塩の上部に
竹の腐葉物を含有した土が載せられ、この状態で竹筒を
窯に入れて一定時間加熱される。従って本発明の竹の塩
の製造方法では、竹筒を加熱した際に、竹の腐葉物を含
有した土からも竹のエキスが出る。そしてこの土から出
たエキスも塩の中に浸透される。その結果本発明の製造
方法によって製造された竹の塩は、竹の風味があり、非
常に旨い効果がある。
【0040】請求項3記載の竹の塩の製造方法では、松
が燃焼する際に発生する煙で、塩が燻されるので、塩に
は松の風味も加味される効果がある。
【0041】また請求項4記載の竹の塩の製造方法で
は、窯の内部に竹の腐葉物を含有した土が敷きつめられ
ているので、窯を昇温した際に、窯の内部全体が竹のエ
キスを含有した気体の雰囲気に包まれ、その結果竹の塩
の風味が更に増加する効果がある。
【0042】請求項6記載の竹の塩の製造方法では、塩
と灰が簡単に分離され、竹の塩の食味が良いばかりでな
く、製造工程が大幅に短縮される優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例の竹の塩の製造方法の工
程図である。
【図2】竹筒の断面図である。
【図3】本発明の具体的実施例で採用する竹筒収容治具
の斜視図である。
【図4】本発明の塩の製造方法で利用する竹の塩製造用
窯の斜視図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】本発明の具体的実施例の竹の塩製造用窯の斜視
図である。
【図7】図6の竹の塩製造用窯の内部の斜視図である。
【符号の説明】
1 竹筒 5 塩 7 土 10,30 竹の塩製造用窯 33 受け皿 35 網部 37 排出路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未乾燥の竹筒に塩を詰め、当該塩を詰め
    た竹筒を窯に入れて150°C以上500°C未満の温
    度に一定時間維持し、竹から出る水分を塩に含浸させ、
    竹が乾燥した後に、窯内の温度を上昇して竹を燃焼さ
    せ、残った塩を取り出して粉砕することを特徴とする竹
    の塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 竹の一端側の節を残して切断した竹筒を
    作り、該竹筒内に塩を詰め、さらに塩の上部に竹の腐葉
    物を含有した土を載せ、当該塩を詰めた竹筒を窯に入れ
    て一定時間加熱し、竹から出る水分を塩に含浸させ、竹
    が乾燥した後に窯内の温度を上昇して竹を燃焼せさ、残
    った塩を取り出して粉砕することを特徴とする竹の塩の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 窯の昇温は、窯内において松を燃焼する
    ことによって行い、松が燃焼する際に発生する煙で、塩
    を燻すことを特徴とする請求項1又は2記載の竹の塩の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 窯の内部には、竹の腐葉物を含有した土
    が敷きつめられていることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の竹の塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の竹の
    塩の製造方法において、一連の竹の塩の製造方法により
    製造された竹の塩を竹筒に詰め、再度竹の塩の製造方法
    の工程を繰り返すことを特徴とする竹の塩の製造方法。
  6. 【請求項6】 次の工程よりなることを特徴とする竹の
    塩の製造方法。 (1)竹筒に塩を詰める工程 (2)竹の塩製造用窯であって窯本体内に受け皿が設け
    られており、該受け皿の下部には窯の外部に連通する排
    出路を有し、且つ受け皿には竹筒を載置可能な網部が設
    けられたものの、前記網部に前記塩を詰めた竹筒を載置
    する工程 (3)窯内の温度を上昇させて竹から出る水分を塩に含
    浸させる工程 (4)窯内の温度をさらに上昇させて竹を燃焼し、竹の
    灰を受け皿の網部から下に落下させる工程 (5)受け皿の排出路から竹の灰を取り出す工程 (6)窯内の温度をさらに上昇させて塩を融解する工程 (7)塩を冷却固化し、粉砕する工程
  7. 【請求項7】 窯本体内に受け皿が設けられており、該
    受け皿の下部には窯の外部に連通する排出路を有し、且
    つ受け皿には竹筒を載置可能な網部が設けられているこ
    とを特徴とする竹の塩製造用窯。
JP6063279A 1994-03-31 1994-03-31 竹の塩の製造方法および竹の塩製造用窯 Pending JPH07265009A (ja)

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