JPH07264258A - ロールオフフィルタ及びこれに適する方法 - Google Patents

ロールオフフィルタ及びこれに適する方法

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JPH07264258A
JPH07264258A JP6049280A JP4928094A JPH07264258A JP H07264258 A JPH07264258 A JP H07264258A JP 6049280 A JP6049280 A JP 6049280A JP 4928094 A JP4928094 A JP 4928094A JP H07264258 A JPH07264258 A JP H07264258A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定外のシンボルにて同期ワード等を送信す
る場合に、回路規模の顕著な増大を伴なわず且つROM
引き型のフィルタを用いて帯域制限可能にする。 【構成】 所定外のシンボルである同期ワード等のシン
ボルを、変調方式固有の配置に属する所定のシンボルで
あるダミーシンボルと、このダミーシンボルとの差であ
る補正分とに分割し、補正分については補正用ROM7
6を用いてROM引き型構成を実現する。ダミーシンボ
ルについてはROM34及び36から応答が得られ、補
正分については補正用ROM76から応答が得られるた
め、これらを加算器38において加算することにより、
同期ワード等が挿入された符号系列について帯域制限が
施された応答波形を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタルフィルタ及
びこれに適する方法に関し、特にPSK、16QAM等
の直交変調に先立ち、送信信号に帯域制限を施すロール
オフフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルフイルタとしては、FIR
(Finite Impulse Response )フィルタやIIR(Infi
nite Impulse Response )フィルタが知られている。図
16には、第1従来例に係るディジタルフィルタの構成
が示されている。この従来例は、FIRフィルタとして
構成されている。
【0003】この従来例においては、入力シンボルが予
め8ビットに量子化されている。この入力シンボルは、
例えば図17に示されるような構成を有するシフトレジ
スタ群10に入力される。シフトレジスタ群10は、シ
ンボル速度fsymに同期して入力シンボルの各ビット
をシフトする8個のシフトレジスタ10−1〜10−8
から構成されている。各シフトレジスタ10−1〜10
−8のシフト段数は、実現すべきFIRフィルタのタッ
プ数Lと等しく、シフトレジスタ群10における入力シ
ンボルのビットシフトにより、FIRフィルタにおいて
必要な遅延要素が実現される。シフトレジスタ群10か
ら出力される8ビット×L段の入力シンボルは、乗算器
群12に入力される。
【0004】乗算器群12は、図18に示されるように
L個の乗算器12−1〜12−Lから構成されている。
各乗算器12−1〜12−Lは、シフトレジスタ群10
を構成する各シフトレジスタ群10−1〜10−8から
各8ビットの入力シンボルを入力する。乗算器12−1
〜12−Lは、一方で、入力した入力シンボルに乗ずべ
き8ビットのタップ係数を入力し、入力シンボルとタッ
プ係数とを乗じた結果を、加算器群14に供給する。
【0005】加算器群14は、図19に示されるよう
に、複数の乗算器14−iから構成されている。これら
の乗算器14−iは、乗算器群12から入力される8ビ
ット×L段の信号の総和が得られるよう、接続されてい
る。従って、乗算器群12及び加算器群14により、F
IRフィルタにおいて実現すべき積和演算処理が実現さ
れる。加算器群14によって得られる8ビットの符号
は、後段の回路、例えばD/A変換部に供給される。
【0006】乗算器群12に対して与えられる各8ビッ
ト×L個のタップ係数は、スイッチ16を介し係数レジ
スタ18から与えられる。係数レジスタ18上には、乗
算器群12にタップ係数として与えられる可能性のある
全ての数が格納されている。後段のD/A変換部におい
てシンボル速度fsymのM倍のオーバーサンプリング
が行われていると仮定した場合、係数レジスタ18上に
は、各8ビット×L×M個のタップ係数を格納する必要
がある。スイッチ16は、シンボル速度fsy のM倍
の速度、すなわちサンプル速度fsampleと同期し
て、係数レジスタ18上のタップ係数のうちL個を、乗
算器群12に供給する。これによって、加算器群14か
ら得られる8ビットの出力は、サンプル速度f
sampleと同期した値とすることができる。
【0007】係数レジスタ18上へのタップ係数の初期
格納は、カウンタ20及びROM22によって行われ
る。すなわち、カウンタ20は、図示しない制御部等か
ら供給されるリセット信号が電源投入等に伴い解除され
ると、シンボル速度fsymのM倍の速度を有するクロ
ックの計数を開始し、その結果をアドレスとして用いて
ROM22のアドレス指定を行う。ROM22上には、
係数レジスタ18上にロードする必要がある全てのタッ
プ係数が格納されている。ROM22に対しカウンタ2
0の出力がアドレスとして与えられると、ROM22上
に格納されている各8ビット×L×M個のタップ係数
が、順に係数レジスタ18上にロードされることとな
る。カウンタ20の出力は、その計数値がL×Mに至る
と、すなわちROM22上のタップ係数が全て係数レジ
スタ18上にロードされた状態に至ると、ホールド状態
となる。再度リセット信号が解除されるまでは、ROM
22から係数レジスタ18への再ロードは行われない。
【0008】このような構成を有する第1従来例に係る
ディジタルフィルタは、例えば、DSP(Digital Sign
al Processor)等を用いて構成することができる。しか
し、処理速度、消費電流、コスト等について厳しい要求
がある用途においては、DSPを用いてディジタルフィ
ルタを構成することが困難な場合がある。そのような場
合には、例えば、図20に示されるような構成を有する
第2従来例に係るディジタルフィルタを用いることがで
きる。この図に示される従来例は、いわゆるROM引き
型と呼ばれるFIRフィルタである。
【0009】この従来例は、変調方式として16QAM
を、符号配置としてグレイ配置を、それぞれ想定してい
る。16QAMの場合、IQ平面上におけるシンボル配
置は図21に示されるような配置となり、またIQ各相
成分の符号表現としては自然二進表現やグレイ符号表現
を用いることができる。図21に示される表現はグレイ
符号表現であり、I,Q各相成分の振幅が降順に00,
01,11,10により示されている。これらは10進
表現した場合、それぞれ+3,+1,−1,−3とな
る。このように、16QAMにおいては、I、Q各相成
分の振幅は整数比により表現することができる。
【0010】図20に示されているのは、このようなシ
ンボル配置及び符号表現を用いてディジタル変調を行う
変調回路において、直交変調に先立ち帯域制限に使用さ
れるロールオフフィルタ、特にそのIch部分の構成で
ある。
【0011】この図に示されるロールオフフィルタの前
段においては、送信すべき情報が16QAMに従い符号
化される。この符号化の結果得られるデータはI,Q各
2ビットである。ここで、符号表現としてグレイ符号表
現を用いることとしているため、Ichを表す2ビット
の符号のうち上位ビット(いわゆる第1パス)をa
下位ビット(いわゆる第2パス)をaと表すこととし
た場合、帯域制限に当たってまず第2パスaを第1パ
スaとの排他的論理和に置換する必要がある。そのた
め、第1パスa及び第2パスaはEXOR24に入
力されている。シフトレジスタ26及び28には、それ
ぞれ、入力された第1パスa又はEXOR24によっ
て置換された第2パスaが、それぞれビットシフトす
べきデータとして入力される。シフトレジスタ26及び
28は、シンボル速度fsymと同期したクロックをシ
フトクロックとして入力し、第1パスa及びaをL
段ビットシフトさせる。これにより、シフトレジスタ2
6及び28からは、それぞれ、第1パスa及び第2パ
スaを順次ビットシフトして得られる各Lビットのビ
ット列が得られる。
【0012】この従来例の回路は、一方で、M逓倍器3
0及びカウンタ32を備えている。M逓倍器30は、シ
ンボル速度fsymと同期したクロックをM逓倍し
(M:2のべき乗)、これによりサンプル速度f
sampleと同期したクロックを生成する。カウンタ
32は、ゲート信号がオンしている期間において、M逓
倍器30において得られるクロックを計数し、これによ
り1シンボル周期中におけるサンプル番号を発生させ
る。従って、カウンタ32の出力ビット数は、log
Mとする。
【0013】この従来例は、さらに、2個のROM34
及び36を備えている。ROM34及び36のアドレス
のビット数はL+logMビットであり、上位Lビッ
トはそれぞれ対応するシフトレジスタ26又は28から
与えられる。ROM34又は36上においてアドレスの
上位Lビットが共通するアドレスについては、同一の第
1パスa又は第2パスaの列に対応する応答が格納
されている。また、アドレスの上位Lビットが同一で下
位logMビットが異なるアドレスには1シンボル周
期中において実行されるM回のサンプリング(標本化)
それぞれに対応した応答に係るデータが格納されてい
る。従って、ROM34から出力されるデータ、すなわ
ち第1パスaに対応する応答を示すデータと、ROM
36から出力されるデータ、すなわち第2パスaから
出力されるデータとを、適宜加算することにより、要求
されるロールオフフィルタの特性を実現することができ
る。加算器38は、このような加算を実行する。なお、
第1パスaが入力符号の上位ビット、第2パスa
下位ビットであるため、加算に当たっては第1パスa
に係るROM34からの出力を1ビット上位にシフトさ
せる処理(すなわち2倍する処理)が必要である。ただ
し、この処理は、ROM34上に予め2倍のデータを格
納しておくようにすれば、行なう必要はない。
【0014】このように、第2従来例の構成を用いるこ
とにより、DSPを用いることなくより簡素且つ安価な
構成でロールオフフィルタ等のディジタルフィルタを実
現することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第2従来例の構成は、瀘波すべき符号が所定のシンボル
配置に従って生成された符号であり、且つ、生成される
符号のI,Q各相振幅がいずれも整数比表現できる振幅
でなければ使用できない。すなわち、例えば図21上A
点で示される配置を有するシンボルを、送受信装置間の
同期等の目的で使用しようとする場合、第2従来例に示
されるようなROM引き型の構成をそのまま用いること
はできない。このような配置のシンボルを制御用シンボ
ルとして用いる場合に第2従来例の構成を用いるとすれ
ば、I,Q各相成分を表現するためのビット数を増大さ
せるか、あるいは第1従来例として示されるような構成
を採る必要がある。従って、図21上A点で示される配
置を有するシンボルを送信するためには、乗算、加算等
を行なうため大規模な回路構成が必要となってしまう。
【0016】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、ROM引き型のデ
ィジタルフィルタを応用することにより、回路規模の顕
著な増大を伴うことなく、所定配置以外のシンボルを好
適に瀘波可能なディジタルフィルタや、これに適する方
法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係るディジタル瀘波方法は、その
I,Q各相成分の振幅を整数比により表現できるシンボ
ル配置に従い符号化されたデータ用シンボル及び当該シ
ンボル配置に属さない所定の制御用シンボルを含む符号
系列を、要求される瀘波特性に従い瀘波するディジタル
瀘波方法において、上記データ用シンボルを上記瀘波特
性に従い瀘波した場合に得られるべき応答を、当該シン
ボルに対応付けてI,Q各相成分毎に記憶手段上に予め
記憶させておくステップと、上記制御用シンボルから上
記シンボル配置に属する所定のダミーシンボルを減ずる
ことにより補正分を生成し、この補正分を上記瀘波特性
に従い瀘波した場合に得られるべき応答を、当該制御用
シンボルに対応付けてI,Q各相成分毎に補正用記憶手
段上に予め記憶させておくステップと、上記符号系列を
上記瀘波特性に従い瀘波する場合に、データ用シンボル
についてはこれに対応する応答を記憶手段から読み出す
と共に上記制御用シンボルからの干渉分を補正用記憶手
段から読み出し、制御用シンボルについては上記ダミー
シンボルに対応する応答を記憶手段から読み出すと共に
その補正分に対応する応答を補正用記憶手段から読み出
し、これらを合成するステップと、を有することを特徴
とする。
【0018】また、本発明に係るディジタルフィルタ
は、そのI,Q各相成分の振幅を整数比により表現でき
るシンボル配置に従い符号化されたデータ用シンボル及
び当該シンボル配置に属さない所定の制御用シンボルを
含む符号系列を、要求される瀘波特性に従い瀘波するデ
ィジタルフィルタにおいて、上記データ用シンボルを上
記瀘波特性に従い瀘波した場合に得られるべき応答を、
当該シンボルに対応付けてI,Q各相成分毎に記憶する
記憶手段と、上記制御用シンボルから上記シンボル配置
に属する所定のダミーシンボルを減ずることにより補正
分を生成し、この補正分を上記瀘波特性に従い瀘波した
場合に得られるべき応答を、当該制御用シンボルに対応
付けてI,Q各相成分毎に記憶する補正用記憶手段と、
上記符号系列を上記瀘波特性に従い瀘波する場合に、デ
ータ用シンボルについてはこれに対応する応答を記憶手
段から読み出すと共に上記制御用シンボルからの干渉分
を補正用記憶手段から読み出し、制御用シンボルについ
ては上記ダミーシンボルに対応する応答を記憶手段から
読み出すと共にその補正分に対応する応答を補正用記憶
手段から読み出し、これらを合成する手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0019】更に、本発明に係るディジタルフィルタ構
築方法は、所定のシンボル配置に属するデータ用シンボ
ルを要求される瀘波特性に従い瀘波した場合に得られる
べき応答を、当該データ用シンボルに対応付けてI,Q
各相成分毎に記憶手段上に予め記憶させておくステップ
と、上記所定のシンボル配置に属さない所定の制御用シ
ンボルと上記所定のシンボル配置に属する所定のダミー
シンボルとの差である補正分を上記瀘波特性に従い瀘波
した場合に得られるべき応答を、当該制御用シンボルに
対応付けてI,Q各相成分毎に補正用記憶手段上に予め
記憶させておくステップと、を有し、本発明に係るディ
ジタルフィルタを構築することを特徴とする。
【0020】本発明は、また、上記瀘波特性が、上記符
号系列を当該瀘波特性に従い瀘波しさらに直交変調した
後の周波数帯域を所定の帯域に制限する帯域制限特性で
あることを特徴とする。
【0021】本発明は、更に、上記瀘波特性が、FIR
特性であることを特徴とする。
【0022】本発明は、また、上記記憶手段及び/又は
補正用記憶手段が、データ用シンボル又は補正分のI,
Q各相成分値に対応するアドレスによりアドレス指定し
た場合に、これに対応する応答をデータとして出力する
よう、I,Q各相成分毎に設けられたROMであること
を特徴とする。
【0023】本発明は、更に、瀘波後の上記符号系列を
後段の回路においてシンボル速度より高速で標本化し
(いわゆるオーバーサンプリング)、ダミーシンボル又
はデータ用シンボルの値を記憶手段のアドレスの上位ビ
ットとして使用し、当該アドレスの下位ビットを標本化
と同速度で変化させることを特徴とする。
【0024】本発明は、更に、瀘波の対象となる符号系
列における制御用シンボルの挿入タイミングをカウンタ
によって与えることを特徴とする。
【0025】本発明は、更に、上記カウンタが、送信フ
ォーマットに則リフレーム又はスロットの周期でリセッ
トされることを特徴とする。
【0026】本発明は、そして、上記カウンタが、I,
Q各相成分に共用されることを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明においては、データ用シンボルを所定の
瀘波特性に従い瀘波した場合に得られるべき応答が、当
該シンボルに対応付けられ、且つI,Q各相成分毎に、
記憶手段上に予め記憶される。従って、仮にデータ用シ
ンボルのみを含む符号系列を上記瀘波特性に従い瀘波す
る場合には、当該データ用シンボルに対応する応答を記
憶手段上から読み出し適宜時系列的に合成することによ
り、当該瀘波特性によってデータ用シンボルを瀘波した
場合の時間応答が得られる。
【0028】本発明においては、このような記憶手段が
用いられる一方で、制御用シンボルの挿入及びその瀘波
のため、補正用記憶手段が用いられる。すなわち、デー
タ用シンボルのシンボル配置に属さない所定の制御用シ
ンボルが挿入された符号系列を、上記瀘波特性に従い瀘
波する際には、制御用シンボルが、データ用シンボルの
シンボル配置に属する所定のダミーシンボルと、当該制
御用シンボルとダミーシンボルとの差を示す補正分とに
分割される。分割によって得られるダミーシンボルはデ
ータ用シンボルのシンボル配置に属しているため、これ
に対する必要な応答は、記憶手段から読み出すことがで
きる。一方補正分に対応する応答、すなわち当該補正分
を上記瀘波特性に従い瀘波した場合に得られるべき応答
は、当該制御用シンボルに対応付けた状態でかつI,Q
各相成分毎に補正用記憶手段上に予め記憶されているか
ら、補正用記憶手段から読み出すことができる。
【0029】データ用シンボル及び制御用シンボルを含
む符号系列を上記瀘波特性に従い瀘波する場合には、そ
のうちデータ用シンボルについてはこれに対応する応答
が記憶手段から、制御用シンボルからの干渉分が補正用
記憶手段から、それぞれ読み出される。また、上記符号
系列のうち制御用シンボルについてはダミーシンボルに
対応する応答が記憶手段から、補正分に対応する応答が
補正用記憶手段から、それぞれ読み出される。このよう
にして読み出されたデータ用シンボルに対応する応答と
制御用シンボルに対応する応答とを、送信フォーマット
に従い合成することにより、ダミーシンボル及び制御用
シンボルを含む符号系列が好適に瀘波される。その際、
入力に係る符号の量子化ビット数を増大させたりする必
要がない。
【0030】また、本発明に係る方法及びフィルタは、
ロールオフフィルタに適応でき、またFIRフィルタと
して実現することができる。
【0031】また、本発明は、いわゆるROM引き型と
して実現することができる。この場合に、ROMは、記
憶手段及び補正用記憶手段として用いられる。このRO
Mは、データ用シンボル及び補正分のI,Q各相成分値
に対応するアドレスによりアドレス指定した場合に、こ
れに対応する応答をデータとして出力する。従って、本
発明は、DSP等を用いることなく実現することが可能
である。
【0032】更に、本発明は、周波数軸上にて互いに近
接する複数の送信チャネル間の分離等を確保するためオ
ーバーサンプリングを伴う構成に、適用することができ
る。その場合、記憶手段のアドレスの上位ビットとして
はデータ用シンボル又はダミーシンボルの値を用いるこ
とができ、下位ビットとしては標本化と同速度で変化す
る値(例えば標本化と同期したクロックの計数値)を用
いることができる。
【0033】更に、カウンタを用いることにより、上述
の制御用シンボルの挿入タイミングを与えることができ
る。また、所定の送信フォーマット等に従い、制御用シ
ンボルの挿入タイミングが所定の繰り返し周期で到来す
る場合、制御用シンボルの挿入タイミングを与えるカウ
ンタの内容を、当該繰り返し周期でリセットするように
すれば、補正用記憶手段に記憶させるべきデータが最少
限で済む。更に、このカウンタは、I,Q各相成分に共
用することが可能である。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図16乃至図21に示される従
来例と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略す
る。
【0035】図1には、本発明の一実施例に係るディジ
タルフィルタを備えるディジタルMCA送信系の構成が
示されている。この図に示される装置は、入力端子4
0、符号化部42、変調部44、無線部46、送信アン
テナ48及び制御部50から構成されている。
【0036】入力端子40を介して入力される音声、デ
ータ等の信号には、符号化部42によって誤り訂正符号
化等の処理が施される。変調部44は、符号化部42か
ら供給される符号化データについてIQ位相平面上にシ
ンボルを配置後、帯域制限、直交変調等の処理を施した
上で、得られた信号を無線部46に供給する。無線部4
6は、変調部44から出力されるベースバンドの信号を
所定の無線周波数に変換した上で、送信アンテナ48か
らこれを送信する。制御部50は、符号化部42や変調
部44の動作を制御し、例えば送信される信号のスロッ
トフォーマット等の管理や符号化等のタイミングの制御
を実行している。
【0037】図2及び図3には、この実施例における変
調部44の内部構成が示されている。特に、図2には連
続送信の場合の構成が、図3にはバースト送信の場合の
構成が、それぞれ示されている。
【0038】これらの図に示されるように、符号化部4
2によって符号化されたデータは、まずシリアル/パラ
レル変換部52に入力される。シリアル/パラレル変化
部52は、入力される符号化データを、4個のサブチャ
ネルに分割する。すなわち、符号化部42は、送信サブ
チャネルの数が4つである場合には、4サブチャネル分
のデータ(16QAMのため1サブチャネル当り4ビッ
ト)をシリアル出力しており、シリアル/パラレル変換
部52は、シリアルデータに対するサブチャネル割当て
順に従いこれを各サブチャネルに4ビットずつ分割す
る。シリアル/パラレル変換部52の後段には、合計4
個のサブキャリア処理部54−1〜54−4が設けられ
ており、シリアル/パラレル変換部52によって得られ
る各スロットの符号化データは対応するサブキャリア処
理部54−1〜54−4に供給される。サブキャリア処
理部54−1〜54−4は、入力される符号化データ4
ビットについて、帯域制限、サブキャリア変調等の処理
を施した上で、これを後段の合成部56に供給する。合
成部56は、サブキャリア処理部54−1〜54−4か
ら供給されサブキャリア変調等が施された信号を合成
し、合成の結果を(連続送信の場合は直接、バースト送
信の場合は窓関数処理部58を介して)直交変調部60
に供給する。直交変調部60は、合成部56から供給さ
れる信号について直交変調を施し、その結果をD/A変
換部62に供給する。D/A変換部62においては、所
定のサンプル速度fsampleで直交変調部60の出
力が標本化され、アナログ信号に変換される。得られた
アナログ信号は無線部46に供給される。
【0039】図4及び図5には、この実施例における各
サブキャリア処理部54−1〜54−4の内部構成が示
されている。特に、図4は連続送信の場合を、図5はバ
ースト送信の場合を、それぞれ示している。
【0040】連続送信の場合、シリアル/パラレル変換
部52から供給される符号化データについては、まず、
位相制御部64による位相制御が施される。すなわち、
当該符号化データの位相が、サブキャリア制御位相θi
だけ移相される。位相制御が施された符号化データは、
ロールオフフィルタ66に入力され、隣接するチャネル
(サブキャリアに対応)との干渉が低減するよう、帯域
制限を受ける。ロールオフフィルタ66によって帯域制
限された符号化データは、その後段のサブキャリア変調
部68においてサブキャリア変調される。すなわち、所
定のサブキャリア周波数ωsciにより変調される。な
お、iはサブキャリアの番号を示しており、この実施例
の場合1〜4のいずれかの値をとる。バースト送信の場
合には、図3及び図5に示されるように、位相制御部6
4が省略される一方で、合成部56の出力に窓関数処理
部58により窓関数が乗ぜられる。
【0041】この実施例の特徴は、ロールオフフィルタ
66、特にこれを構成するフィルタ処理部70−I及び
70−Qの構成にある。ロールオフフィルタ66は、図
6に示されるように、シリアル/パラレル変換部52等
を介して符号化部42から供給される符号のうち、Ic
h2ビットをフィルタ処理部70−Iによって帯域制限
し、Qch2ビットをフィルタ処理部70−Qによって
瀘波(帯域制限)する構成を有している。フィルタ処理
部70−I及び70−Qは、それぞれ、入力するI,Q
ch2ビットのデータをビットシフトするためシンボル
速度fsymに同期したクロックを入力している。ま
た、フィルタ処理部70−Iは、後述する同期ワードや
パイロットシンボルを挿入するタイミングを得るべく制
御部54からゲート信号を入力している。フィルタ処理
部70−Qは、ゲート信号を入力するのに代え、フィル
タ処理部70−Iから後述するカウンタ出力log
+kビットを入力している。この実施例の場合、フィル
タ処理部70−I及び70−Qは、帯域制限の結果を8
ビットのデータとして出力している。
【0042】図7及び図8には、それぞれ、フィルタ処
理部70−I又は70−Qの構成が示されている。この
実施例におけるフィルタ処理部70−I及び70−Qの
構成は、いずれも、第2従来例に係るディジタルフィル
タの構成を応用した構成である。
【0043】例えば、図7に示されるフィルタ処理部7
0−Iにおいては、第2従来例に係る回路に、更に、補
正回路72が付加されている。この補正回路72は、カ
ウンタ回路74及び補正用ROM76から構成されてい
る。カウンタ回路74は、カウンタ32に与えられるゲ
ート信号が開いている場合に、M逓倍器30によって生
成されるクロックを計数し、kビットのアドレスを発生
させる。ここで、kは、送信フォーマットに則り送信す
べき制御用データが何シンボルで繰返すかに依存する。
すなわち、nシンボルで繰返す場合には、
【数1】 といったビット数をkとして用意すればよい。カウンタ
回路74により生成されるkビットのアドレスは、補正
用ROM76のアドレス指定に用いられる。補正用RO
M76上には、後述する補正分に対応する応答が格納さ
れている。カウンタ回路74の出力によってあるアドレ
スが指定され、その結果補正用ROM76から応答に係
る出力が得られると、この出力は、加算器38において
ROM34や36の瀘波出力と加算され、後段の回路に
供給される。
【0044】また、フィルタ処理部70−Qは、補正回
路78を備えている。この補正回路78は、カウンタ回
路74によって生成されるkビットのアドレスによって
アドレス指定される補正用ROM80を有している。す
なわち、Ichに係るフィルタ処理部70−Iのカウン
タ回路74がQchにも共用されている。更に、フィル
タ処理部70−Qにおいては、M逓倍器30及びカウン
タ32も省略されている。すなわち、Ichのフィルタ
処理部70−Iによって得られるROM34及び36ア
クセス用の下位アドレスlogMビットが、Qchの
フィルタ処理部70−Qにおいても用いられる。
【0045】図9及び図10には、ディジタルMCAに
おける送信スロットフォーマットの一例並びにこのフォ
ーマットにおける同期ワード及びパイロットシンボルの
配置が示されている。ここにいう同期ワード及びパイロ
ットシンボルが、上述の制御用データである。図9に示
されるように、ディジタルMCAにおけるダウンリンク
(連続送信)の際には、サブキャリア1については、送
信スロットフォーマットは全長15msec,60シン
ボルのサイズとなる。その先頭の3シンボルは送受信装
置の同期のための同期ワードS〜Sである。またこ
の同期ワードS〜Sに続く57シンボル中にはデー
タ送信用の各7シンボルの間に各1シンボルのパイロッ
トシンボルP〜Pが挿入される。同期ワードS
のIch振幅は、10進表現した場合に、順に−
0.828、2.357、−4.161となる。パイロ
ットシンボルP〜PのIch振幅は添字が奇数のも
のについては3.528、偶数のものについては−3.
528となる。従って、Ich振幅を符号00(10進
表現で+3)との差により表現した場合、同期ワードS
〜Sのそれはそれぞれ−3.828、−0.64
3、−7.161等と表され、パイロットシンボルP
〜Pのそれは0.528又は−6.528と表され
る。
【0046】本実施例の特徴とするところは、例えば図
9に示されるような送信スロットフォーマットに従い供
給される符号化データをロールオフフィルタ66で瀘波
する際に、同期ワードS〜S及びパイロットシンボ
ルP〜Pを、16QAMにおいて使用されるシンボ
ルのうち所定のもの(以下ダミーシンボルという)と、
このダミーシンボルとの差を示す成分(以下補正分とい
う)とに分離して扱う点にある。すなわち、ダミーシン
ボルについては、16QAMにおいて使用されるシンボ
ル配置に属しているため、同期ワードS〜S又はパ
イロットシンボルP〜Pの挿入タイミングにおいて
当該ダミーシンボルに対応する応答をROM34又は3
6から読み出すことができる。その一方で、補正分に対
応する応答を予め補正用ROM76又は80に格納して
おけば、この補正用ROM76又は80から応答を読み
出すことにより補正分に対応する応答を読み出すことが
できる。このようにして得られたダミーシンボルに対す
る応答と補正分に対する応答を加算器38において加算
することにより、同期ワードS〜Sやパイロットシ
ンボルP〜Pに対する応答を得ることができる。ま
た、データ用シンボルにおいても、補正分による干渉成
分をROM76又は80から読み出すことにより、デー
タ用及び制御用の一連のシンボルについて応答を得るこ
とができる。
【0047】今、フィルタ処理部70−I又はフィルタ
処理部70−Qに入力される符号化データの系列をx
(nT−kT)と表し、フィルタ処理部70−I又は7
0−Qから出り出力される系列をy(nT)と表すこと
とする。但し、Tはシンボル速度fsymの逆数(すな
わちシンボル周期)、nは入力される符号の番号、kは
1シンボル周期中におけるサンプル番号(ただし、図
6、図8及び図12〜図14におけるkとは別の数であ
る)であり、タップ係数hはこのkの関数として表すこ
とができる。このように仮定した場合、出力系列y(n
T)は、次の式で表すことができる。
【0048】
【数2】i(nT)=Σh(k)・x(nT−kT) また、同期ワードS〜SやパイロットシンボルP
〜Pをダミーシンボルと補正分に分割し、ダミー成分
をu(nT−kT)と表し、補正分をv(nT−kT)
と表すこととすると、
【数3】x(nT−kT)=u(nT−kT)+v(n
T−kT) と表されることから、上述の出力系列y(nT)は、次
のように表すことができる。
【0049】
【数4】y(nT)=Σh(k)・u(nT−kT)+
Σh(k)・v(nT−kT) このように、必要とする系列y(nT)は、ダミーシン
ボルu(nT−kT)についての応答と補正分v(nT
−kT)についての応答とを加算することにより得るこ
とができる。従って、図7又は図8に示される回路によ
り、Ich又はQchについての帯域制限特性を、好適
に実現することができる。
【0050】図11には、中心に既知シンボルが存在
し、それ以外のシンボルは全データシンボルであるよう
なタイミングにおける7シンボル長の例について本実施
例の効果がD/A変換部62出力のベースバンド信号の
波形により示されている。これらの図のうち、図11
(a)はダミーシンボルを含んだ所定のシンボル配置に
ついての応答波形を、図11(b)は補正分についての
応答波形を、それぞれ示している。例えば、+3.5と
いうIch振幅を有する信号を送信しようとする場合、
ダミーシンボルとしては“+3”を示す符号を、補正分
としては“+0.5”を示す符号をそれぞれ用い、両者
に対応する応答を図7に示される回路によって加算す
る。この加算によって得られる図11(c)の応答波形
は、第1従来例の回路構成によって得られる応答波形
(図11(d))と同一のものとなる。従って、本実施
例によれば、第1従来例のように本格的なFIRフィル
タとしての構成を採用することなく、また回路構成を顕
著に増大させることなく、同期ワードS〜Sやパイ
ロットシンボルP〜Pが挿入された符号系列につい
てROM引き型のディジタルフィルタによって帯域制限
を施すことが可能になる。
【0051】図12には、この実施例におけるカウンタ
回路74の一例構成が示されている。この回路において
は、シンボル速度fsymのM倍の速度を有するクロッ
ク、すなわちサンプル速度fsampleと同期したク
ロックが、ゲート82によってゲートされている。すな
わち、ゲート信号がオンしているときにのみ、このクロ
ックがカウンタ群84及び86に供給される。ゲート信
号は、送信スロットの送信タイミングを与える信号であ
り、連続送信の場合には例えば電源投入等に応じてオン
し、バースト送信の場合にはバースト送信タイミングの
発生に応じてオンする。カウンタ群84は、ゲート82
を介して供給されるクロックを所定のウエイトカウント
数(L−1)/2×Mだけカウントし、ラッチ88はカ
ウンタ群84のカウンタ結果をラッチする。カウンタ群
86は、ゲート82を介して供給されるクロックを、ラ
ッチ88上のカウント値がウエイトカウント数(L−
1)/2×Mに至った時点から計数し、kビットの計数
結果を補正用ROM76及び80にアドレスとして供給
する。送信スロットフォーマットの繰返し周期が到来し
その結果カウンタ群86から出力されるkビットのアド
レスが所定値に至ると、このことがデコーダ89によっ
てカウンタ群86の出力に基づき検出され、これに応じ
てデコーダ89からカウンタ群86へリセット信号が供
給される。このリセット信号によりカウンタ群86のカ
ウント値がリセットされる。その後は、同様の動作が繰
り返される。
【0052】従って、図12に示されるカウンタ回路7
4においては、カウンタ群84によってカウンタされる
ウエイトカウント数によって、同期ワードS〜S
パイロットシンボルP〜Pがシフトレジスタ群10
の中央に至ったことが検出され、有効な帯域制限が実現
される。これと共に、デコーダ89により、送信スロッ
トフォーマットの繰返しに従いカウンタ群86のカウン
タ値が好適にリセットされる。これにより補正用ROM
76及び80上には、フレーム又はスロットの繰返し周
期を見込んで必要最小限のデータを格納しておけばよ
く、このことは例えば、ディジタルMCAにおける連続
送信の場合、各スロット毎に位相制御部64における移
相量が90°異なり、4スロットで位相が元に戻ること
から、補正用ROM76及び80上には、60シンボル
×M×4スロット分の応答を書き込んでおき、カウンタ
回路74を4スロットで共用することもできることにな
る。バースト送信の場合には、位相制御が行われないた
め、補正用ROM76及び80を各スロットで共用した
場合の記憶量は小さくなる。連続・バースト双方に共用
する場合には、カウンタ回路74中に図12の回路を2
系統設け、スイッチで切換え使用すると共に、補正用R
OM76及び80上に、両送信モードについての応答を
アドレスを別にして格納しておけばよい。スイッチによ
る切換は、制御部50からのモード指定により行うよう
にし、この指定に応じてROM76及び80のアドレス
指定を切換え、いずれかの送信モードに応じたアドレス
指定を行う。これは、例えばスイッチをアドレスの最上
位ビットに付加し、ROM76及び80に対して合計
(k+1)ビットでアドレスを指定すればよいことを示
している。。
【0053】図13には、この実施例において使用可能
なカウンタ回路74の他の構成が示されている。このカ
ウンタ回路74は、前述のゲート82の他に、カウンタ
群90及びデコーダ92を備えている。カウンタ群90
に対しては、初期値として、ウエイトカウント数(L−
1)/2×Mが設定される。カウンタ群90の計数値が
送信スロットフォーマットのサイズに相当する計数値に
至ると、デコーダ92によってこのことが検出され、初
期値たるウエイトカウント数(L−1)/2×Mをロー
ドする旨のロード信号がカウンタ群90に供給される。
カウンタ群90は、このロード信号に応じてウエイトカ
ウント数(L−1)/2×Mを初期値としてロードす
る。このような構成においても図12に示されるカウン
タ回路74と同様の効果を得ることができる。
【0054】図14には、本発明を4相PSKに適応し
た場合の構成が示されている。この図に示されるよう
に、4PSKにおいては16QAMと異なりIch及び
Qch各相振幅が1ビットで表現されるため、データ用
のシフトレジスタ及びROMを1個(図中94及び9
6)に設けるのみで足りる。また、図14に示されるの
はIchについての構成であるが、Qchについては、
図8と同様Ichと共通する構成を省略することができ
る。
【0055】図15には、本発明をオフセット4相PS
Kに適応した場合のロールオフフィルタの構成が示され
ている。オフセット4PSKにおいては、IchとQc
hの送信タイミングが1/2シンボルずらされているた
め、これに対応すべくシンボル速度fsymに同期した
クロックが遅延回路98によって1/2シンボル遅延さ
れている。遅延されたシンボルは、フィルタ処理部70
−Qに供給されている。従って、このような構成を用い
ることにより、オフセット4相PSKについて本発明を
適用することができる。
【0056】なお、以上の説明では、16QAMの実施
例における同期ワードS〜Sやパイロットシンボル
〜Pの振幅の絶対値が181/2に設定されてい
るが、同期ワード、パイロットシンボル等の既知シンボ
ルの振幅の絶対値は一定である必要はない。また、複数
の既知シンボル(同期ワードやパイロットシンボル)に
ついて同一のダミーシンボルを使用する必要はない。す
なわち、挿入される複数の既知シンボルについて相異な
るダミーシンボルを設定しても構わず、該当の既知シン
ボルと設定したダミーシンボルとの差を補正分として準
備すればよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制御用シンボルが挿入された符号系列を瀘波しようとす
る場合に、これに先立ち、制御用シンボルをデータ用シ
ンボルに係るシンボル配置に属する所定のダミーシンボ
ルとこのダミーシンボルとの差である補正分とに分割
し、補正分に対応する応答を補正用記憶手段上に記憶さ
れておくようにしたため、制御用シンボルについての応
答を、記憶手段上から読み出したダミーシンボルに対応
する応答と補正用記憶手段上から読み出した補正分に対
応する応答との合成により得ることができる。従って、
制御用シンボルがデータ用シンボル列中に挿入された符
号系列を好適に瀘波することができ、例えばディジタル
MCAにおいて帯域制限に用いられるロールオフフィル
タに好適にディジタルフィルタを実現することができ
る。すなわち、隣接する送信チャネルの間隔が非常に小
さい用途において小さいロールオフ率が要求される場合
に、そのようなフィルタ特性を満たすのに必要なインパ
ルス応答時間を比較的長くしなければならない構成にお
いて、当該チャネルの帯域制限を好適に確保することが
でき、かつ回路規模が小さい安価なロールオフフィルタ
を実現することができる。
【0058】加えて、制御用シンボルの挿入タイミング
をカウンタによって与える構成とした場合、当該カウン
タを符号系列の繰返し周期でリセットすることにより補
正用記憶手段の記憶量を最低限に抑制することが可能と
なり、またこのカウンタをI/Q各相成分で共用するこ
とにより回路構成を更に小規模なものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るディジタルフィルタを
ロールオフフィルタとして搭載するディジタルMCA送
信系の構成を示すブロック図である。
【図2】この送信系における変調部の構成を連続送信の
場合について示すブロック図である。
【図3】この送信系における変調部の構成をバースト送
信の場合について示すブロック図である。
【図4】各サブキャリア処理部の構成を連続送信の場合
について示すブロック図である。
【図5】各サブキャリア処理部の構成をバースト送信の
場合について示すブロック図である。
【図6】各ロールオフフィルタの内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】第1実施例におけるIchのフィルタ処理部の
構成を示すブロック図である。
【図8】第1実施例におけるQchのフィルタ処理部の
構成を示すブロック図である。
【図9】ディジタルMCAにおけるあるサブキャリアに
係る送信スロットフォーマットの一例を示す図である。
【図10】この送信スロットフォーマットにおける同期
ワード及びパイロットシンボルの配置を示すIQ平面図
である。
【図11】この第1実施例の効果をD/A変換後の時間
領域波形によって示す波形図であり、特に図11(a)
は補正分以外の部分(ダミーシンボル)に対応する応答
を示す図であり、図11(b)は補正分に対応する応答
を示す図であり、図11(c)は両者を加算した対応す
る応答を示す図であり、図11(d)は第1従来例にお
ける応答を示す図である。
【図12】この実施例において使用可能なカウンタ回路
の一例構成を示すブロック図である。
【図13】この実施例において使用可能なカウンタ回路
の他の一例構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施例におけるフィルタ処理部の内部構
成を示すブロック図である。
【図15】第3実施例におけるロールオフフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図16】第1従来例に係るディジタルフィルタの構成
を示すブロック図である。
【図17】この従来例におけるシフトレジスタ群の構成
を示すブロック図である。
【図18】この従来例における乗算器群の構成を示すブ
ロック図である。
【図19】この従来例における加算器群の構成を示すブ
ロック図である。
【図20】第2従来例に係るディジタルフィルタの構成
を示すブロック図である。
【図21】16QAMにおけるシンボル配置及びそのグ
レイ符号表現を示すIQ平面図である。
【符号の説明】 24 EXOR 26,28,94 シフトレジスタ 30 M逓倍器 32 カウンタ 34,36,96 ROM 38 加算器 40 入力端子 42 符号化部 44 変調部 46 無線部 48 送信アンテナ 50 制御部 52 シリアル/パラレル変換部 54−1〜54−4 サブキャリア処理部 56 合成部 58 窓関数処理部 60 直交変調部 62 D/A変換部 64 位相制御部 66 ロールオフフィルタ 68 サブキャリア変調部 70−I,70−Q フィルタ処理部 72,78 補正回路 74 カウンタ回路 76,80 補正用ROM 82 ゲート回路 84,86,90 カウンタ群 88 ラッチ 89,92 デコーダ 98 遅延回路 fsym シンボル速度 fsmaple サンプル速度 L タップ数 M シンボル速度とサンプル速度の比 S〜S 同期ワード P〜P パイロットシンボル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そのI,Q各相成分の振幅を整数比によ
    り表現できるシンボル配置に従い符号化されたデータ用
    シンボル及び当該シンボル配置に属さない所定の制御用
    シンボルを含む符号系列を、要求される瀘波特性に従い
    瀘波するディジタル瀘波方法において、 上記データ用シンボルを上記瀘波特性に従い瀘波した場
    合に得られるべき応答を、当該シンボルに対応付けて
    I,Q各相成分毎に記憶手段上に予め記憶させておくス
    テップと、 上記制御用シンボルから上記シンボル配置に属する所定
    のダミーシンボルを減ずることにより補正分を生成し、
    この補正分を上記瀘波特性に従い瀘波した場合に得られ
    るべき応答を、当該制御用シンボルに対応付けてI,Q
    各相成分毎に補正用記憶手段上に予め記憶させておくス
    テップと、 上記符号系列を上記瀘波特性に従い瀘波する場合に、デ
    ータ用シンボルについてはこれに対応する応答を記憶手
    段から読み出すと共に上記制御用シンボルからの干渉分
    を補正用記憶手段から読み出し、制御用シンボルについ
    ては上記ダミーシンボルに対応する応答を記憶手段から
    読み出すと共にその補正分に対応する応答を補正用記憶
    手段から読み出し、これらを合成するステップと、 を有することを特徴とするディジタル瀘波方法。
  2. 【請求項2】 そのI,Q各相成分の振幅を整数比によ
    り表現できるシンボル配置に従い符号化されたデータ用
    シンボル及び当該シンボル配置に属さない所定の制御用
    シンボルを含む符号系列を、要求される瀘波特性に従い
    瀘波するディジタルフィルタにおいて、 上記データ用シンボルを上記瀘波特性に従い瀘波した場
    合に得られるべき応答を、当該シンボルに対応付けて
    I,Q各相成分毎に記憶する記憶手段と、 上記制御用シンボルから上記シンボル配置に属する所定
    のダミーシンボルを減ずることにより補正分を生成し、
    この補正分を上記瀘波特性に従い瀘波した場合に得られ
    るべき応答を、当該制御用シンボルに対応付けてI,Q
    各相成分毎に記憶する補正用記憶手段と、 上記符号系列を上記瀘波特性に従い瀘波する場合に、デ
    ータ用シンボルについてはこれに対応する応答を記憶手
    段から読み出すと共に上記制御用シンボルからの干渉分
    を補正用記憶手段から読み出し、制御用シンボルについ
    ては上記ダミーシンボルに対応する応答を記憶手段から
    読み出すと共にその補正分に対応する応答を補正用記憶
    手段から読み出し、これらを合成する手段と、 を備えることを特徴とするディジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 所定のシンボル配置に属するデータ用シ
    ンボルを要求される瀘波特性に従い瀘波した場合に得ら
    れるべき応答を、当該データ用シンボルに対応付けて
    I,Q各相成分毎に記憶手段上に予め記憶させておくス
    テップと、 上記所定のシンボル配置に属さない所定の制御用シンボ
    ルと上記所定のシンボル配置に属する所定のダミーシン
    ボルとの差である補正分を上記瀘波特性に従い瀘波した
    場合に得られるべき応答を、当該制御用シンボルに対応
    付けてI,Q各相成分毎に補正用記憶手段上に予め記憶
    させておくステップと、 を有し、 請求項2記載のディジタルフィルタを構築することを特
    徴とするディジタルフィルタ構築方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の方法又はフィルタ
    において、 上記瀘波特性が、上記符号系列を当該瀘波特性に従い瀘
    波しさらに直交変調した後の周波数帯域を所定の帯域に
    制限する帯域制限特性であることを特徴とする方法又は
    フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載の方法又はフィルタ
    において、 上記瀘波特性が、FIR特性であることを特徴とする方
    法又はフィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の方法又はフィルタ
    において、 上記記憶手段及び/又は補正用記憶手段が、データ用シ
    ンボル又は補正分のI,Q各相成分値に対応するアドレ
    スによりアドレス指定した場合に、これに対応する応答
    をデータとして出力するよう、I,Q各相成分毎に設け
    られたROMであることを特徴とする方法又はフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の方法又はフィルタ
    において、 瀘波後の上記符号系列を後段の回路においてシンボル速
    度より高速で標本化し、 データ用シンボル又はダミーシンボルの値を記憶手段の
    アドレスの上位ビットとして使用し、当該アドレスの下
    位ビットを標本化と同速度で変化させることを特徴とす
    る方法又はフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7記載の方法又はフィルタ
    において、 瀘波の対象となる符号系列における制御用シンボルの挿
    入タイミングをカウンタによって与えることを特徴とす
    る方法又はフィルタ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の方法又はフィルタにおい
    て、 上記カウンタが、符号系列の繰返し周期でリセットされ
    ることを特徴とする方法又はフィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の方法又はフィル
    タにおいて、 上記カウンタが、I,Q各相成分に共用されることを特
    徴とする方法又はフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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