JPH0726394A - 脱酸素機能を有する密封容器の製造方法 - Google Patents
脱酸素機能を有する密封容器の製造方法Info
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- JPH0726394A JPH0726394A JP19294793A JP19294793A JPH0726394A JP H0726394 A JPH0726394 A JP H0726394A JP 19294793 A JP19294793 A JP 19294793A JP 19294793 A JP19294793 A JP 19294793A JP H0726394 A JPH0726394 A JP H0726394A
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- hermetically sealed
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Abstract
(57)【要約】
【目的】容器内面の有機被膜が剥離し難く、かつ脱酸素
機能を有する密封容器を製造する。 【構成】アルミニュウム板6の密封容器1の内面側とな
るべき面に陽極酸化処理によって微細孔10を有する陽
極酸化被膜7を形成する。この陽極酸化被膜7を、自己
腐蝕反応によって酸素を固定し易い金属8によって、微
細孔10の少なくとも一部が完全充填されないように電
気メッキし、その上に有機被膜9を被覆することによっ
て表面処理アルミニュウム板を形成する。この表面処理
アルミニュウム板よりなる部材2によって、密封容器1
の少なくとも一部分を形成する。
機能を有する密封容器を製造する。 【構成】アルミニュウム板6の密封容器1の内面側とな
るべき面に陽極酸化処理によって微細孔10を有する陽
極酸化被膜7を形成する。この陽極酸化被膜7を、自己
腐蝕反応によって酸素を固定し易い金属8によって、微
細孔10の少なくとも一部が完全充填されないように電
気メッキし、その上に有機被膜9を被覆することによっ
て表面処理アルミニュウム板を形成する。この表面処理
アルミニュウム板よりなる部材2によって、密封容器1
の少なくとも一部分を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール缶等の極く微量
の酸素の混入が内容液の品質に悪影響を及ぼす缶詰等に
適した、脱酸素機能を有する密封容器の製造方法に関す
る。
の酸素の混入が内容液の品質に悪影響を及ぼす缶詰等に
適した、脱酸素機能を有する密封容器の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表面処理鋼板またはアルミニュウム板等
の缶用金属板の表面に、目付量として0.5〜20mg
/dm2のFe,Zn,Mnのいずれか1種もしくは2
種以上のメッキを施し、このメッキ層の上に親水性被覆
層を施し、さらにその上に酸素・水分透過性被覆層を積
層した、脱酸素機能を有する缶用材料が提案されている
(特開昭63−274537号公報)。
の缶用金属板の表面に、目付量として0.5〜20mg
/dm2のFe,Zn,Mnのいずれか1種もしくは2
種以上のメッキを施し、このメッキ層の上に親水性被覆
層を施し、さらにその上に酸素・水分透過性被覆層を積
層した、脱酸素機能を有する缶用材料が提案されている
(特開昭63−274537号公報)。
【0003】この缶用材料は、缶詰となった場合、ヘッ
ドスペースや内容液中の酸素とメッキ層のFe等の金属
が反応して水酸化鉄等を形成して缶詰内の遊離酸素を固
定して、ビール等の内容液の劣化を防止しようとするも
のである。しかしながら上記反応はメッキ層の表面にお
いて行なわれるので、多孔性で脆弱な水酸化鉄等の反応
生成物がメッキ層の表面に形成されるため、金属板の全
面を覆って施されているメッキ層と親水性有機被膜の界
面の密着性が失われて、親水性被覆層および酸素・水分
透過性有機被膜層が金属板から剥離し易いという問題を
生ずる。
ドスペースや内容液中の酸素とメッキ層のFe等の金属
が反応して水酸化鉄等を形成して缶詰内の遊離酸素を固
定して、ビール等の内容液の劣化を防止しようとするも
のである。しかしながら上記反応はメッキ層の表面にお
いて行なわれるので、多孔性で脆弱な水酸化鉄等の反応
生成物がメッキ層の表面に形成されるため、金属板の全
面を覆って施されているメッキ層と親水性有機被膜の界
面の密着性が失われて、親水性被覆層および酸素・水分
透過性有機被膜層が金属板から剥離し易いという問題を
生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容器内面の
有機被膜が剥離し難く、かつ脱酸素機能を有する密封容
器の製造方法を提供することを目的とする。
有機被膜が剥離し難く、かつ脱酸素機能を有する密封容
器の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の脱酸素機能を有
する密封容器は、アルミニュウム板の該密封容器の内面
側となるべき面に陽極酸化により微細孔を有する酸化被
膜を形成し、上記酸化被膜を、自己腐蝕反応によって酸
素を固定し易い金属によって、微細孔の少なくとも一部
が完全充填されないように電気メッキし、その上に有機
被膜を被覆することによって形成された表面処理アルミ
ニュウム板よりなる部材によって、該密封容器の少なく
とも一部分を形成することを特徴とする。電気メッキ
を、アルミニュウム板側が常時陰極となるようにして行
なうことが好ましい。
する密封容器は、アルミニュウム板の該密封容器の内面
側となるべき面に陽極酸化により微細孔を有する酸化被
膜を形成し、上記酸化被膜を、自己腐蝕反応によって酸
素を固定し易い金属によって、微細孔の少なくとも一部
が完全充填されないように電気メッキし、その上に有機
被膜を被覆することによって形成された表面処理アルミ
ニュウム板よりなる部材によって、該密封容器の少なく
とも一部分を形成することを特徴とする。電気メッキ
を、アルミニュウム板側が常時陰極となるようにして行
なうことが好ましい。
【0006】本明細書においてアルミニュウムとは、純
アルミニュウム(JIS H 4000の1000番
系)、JIS H 4000の3000番系および50
00番系等の缶用アルミニュウム合金を含むものとす
る。自己腐蝕反応によって酸素を固定し易い金属(以下
単に金属とよぶ)としては、鉄、錫、ニッケル、マンガ
ン、コバルト等、あるいはこれ等金属の2種以上の混合
体もしくは合金等が挙げられる。請求項2における電気
メッキの電圧波形は、通常は電圧が一定ないわゆる直流
であるが、脈動すなわちリプル(ripple)を含むいわゆ
る脈流でもよい。
アルミニュウム(JIS H 4000の1000番
系)、JIS H 4000の3000番系および50
00番系等の缶用アルミニュウム合金を含むものとす
る。自己腐蝕反応によって酸素を固定し易い金属(以下
単に金属とよぶ)としては、鉄、錫、ニッケル、マンガ
ン、コバルト等、あるいはこれ等金属の2種以上の混合
体もしくは合金等が挙げられる。請求項2における電気
メッキの電圧波形は、通常は電圧が一定ないわゆる直流
であるが、脈動すなわちリプル(ripple)を含むいわゆ
る脈流でもよい。
【0007】
【作用】表面処理アルミニュウム板よりなる部材は、通
常缶蓋である。この場合、内容液充填密封後ヘッドスペ
ース中の酸素は有機被膜を透過して、陽極酸化被膜表面
に達する。またヘッドスペース内の湿度は内容液充填密
封後短時間で上昇し、同様にして水分も陽極酸化被膜表
面に達する。このようにして酸素は陽極酸化被膜に電気
メッキされた、自己腐蝕反応によって酸素を固定し易い
金属と水分の存在下に接触する。そのため酸素はメッキ
金属と容易に反応して水酸化金属となって固定され、金
属と有機被膜の界面に水酸化金属層が形成される。水酸
化金属層は多孔性であり、酸素や水分に対するバリヤー
とはならないので、有機被膜に酸素が供給される間、水
酸化金属層の下に残存するメッキ金属により酸素の固定
は進行する。この間内容液中の微量の遊離酸素もヘッド
スペースを介して、前記と同様にして水酸化金属として
固定される。従って内部の遊離酸素が実質的に完全に除
去される密封容器を製造することができる。
常缶蓋である。この場合、内容液充填密封後ヘッドスペ
ース中の酸素は有機被膜を透過して、陽極酸化被膜表面
に達する。またヘッドスペース内の湿度は内容液充填密
封後短時間で上昇し、同様にして水分も陽極酸化被膜表
面に達する。このようにして酸素は陽極酸化被膜に電気
メッキされた、自己腐蝕反応によって酸素を固定し易い
金属と水分の存在下に接触する。そのため酸素はメッキ
金属と容易に反応して水酸化金属となって固定され、金
属と有機被膜の界面に水酸化金属層が形成される。水酸
化金属層は多孔性であり、酸素や水分に対するバリヤー
とはならないので、有機被膜に酸素が供給される間、水
酸化金属層の下に残存するメッキ金属により酸素の固定
は進行する。この間内容液中の微量の遊離酸素もヘッド
スペースを介して、前記と同様にして水酸化金属として
固定される。従って内部の遊離酸素が実質的に完全に除
去される密封容器を製造することができる。
【0008】アルミニュウムの陽極酸化被膜は、アルミ
ニュウム板と強固に結合しており、かつ多数の微細孔を
有している。この微細孔の一部は金属が完全充填されて
おらず、不完全充填部の微細孔は、全高にわたり、ある
いはその高さ方向途中より上方の部分において有機被膜
によって埋められている。従って陽極酸化被膜と有機被
膜とが直接接着する界面の面積が大きく、不完全充填微
細孔の不充填部分で、所謂アンカー効果によって酸化被
膜と有機被膜とが比較的強く接着している。このためメ
ッキされた金属と有機被膜の界面に脆弱な水酸化金属層
が形成されても、陽極酸化被膜と有機被膜とが直接接触
している部分が、有機被膜の剥離を防止する。従って有
機被膜が剥離し難い密封容器を製造することができる。
ニュウム板と強固に結合しており、かつ多数の微細孔を
有している。この微細孔の一部は金属が完全充填されて
おらず、不完全充填部の微細孔は、全高にわたり、ある
いはその高さ方向途中より上方の部分において有機被膜
によって埋められている。従って陽極酸化被膜と有機被
膜とが直接接着する界面の面積が大きく、不完全充填微
細孔の不充填部分で、所謂アンカー効果によって酸化被
膜と有機被膜とが比較的強く接着している。このためメ
ッキされた金属と有機被膜の界面に脆弱な水酸化金属層
が形成されても、陽極酸化被膜と有機被膜とが直接接触
している部分が、有機被膜の剥離を防止する。従って有
機被膜が剥離し難い密封容器を製造することができる。
【0009】
【実施例】図1の1は、本発明の方法によって製造され
た密封容器の例を示すものであり、2は缶蓋、3はDI
缶(絞りーしごき成形缶)である。DI缶3にヘッドス
ペース4を残してビール等の内容液5を充填した後、缶
蓋2を二重巻締することによって密封容器1は製造され
る。図2は図1のA部の拡大縦断面図の例を示したもの
であって、6はアルミニュウム板、7は陽極酸化被膜、
8は陽極酸化被膜7にメッキされた金属、例えば鉄、9
は有機被膜である。陽極酸化被膜7は、多角形(例えば
6角形)のセルが互いに密接してなっており、各セルの
中央には厚さ方向に、アルミニュウム6との界面11近
傍まで延びる、細長い微細孔10が形成されている。な
お図2で、一部の微細孔10の底部がさらに細い微小孔
10aを介して界面11まで延びているが、微小孔10
aは、後述のように、金属メッキの際形成されたもので
あり、陽極酸化被膜7が形成された時点では通常は存在
しない。
た密封容器の例を示すものであり、2は缶蓋、3はDI
缶(絞りーしごき成形缶)である。DI缶3にヘッドス
ペース4を残してビール等の内容液5を充填した後、缶
蓋2を二重巻締することによって密封容器1は製造され
る。図2は図1のA部の拡大縦断面図の例を示したもの
であって、6はアルミニュウム板、7は陽極酸化被膜、
8は陽極酸化被膜7にメッキされた金属、例えば鉄、9
は有機被膜である。陽極酸化被膜7は、多角形(例えば
6角形)のセルが互いに密接してなっており、各セルの
中央には厚さ方向に、アルミニュウム6との界面11近
傍まで延びる、細長い微細孔10が形成されている。な
お図2で、一部の微細孔10の底部がさらに細い微小孔
10aを介して界面11まで延びているが、微小孔10
aは、後述のように、金属メッキの際形成されたもので
あり、陽極酸化被膜7が形成された時点では通常は存在
しない。
【0010】陽極酸化被膜7の厚さは、通常約0.01
〜10μm、好ましくは約0.1〜3μmである。微細
孔10の孔径は通常約0.008〜0.07μmで、陽
極酸化被膜7の有孔率は約0.1〜0.4である。陽極
酸化被膜7は、アルミニュウム板6を陽極として、りん
酸浴、硫酸浴、しゅう酸浴、クロム酸浴あるいはこれ等
の混合浴等で、電圧10〜120ボルト、浴温5〜80
度、時間1〜600秒の条件で常法により形成される。
〜10μm、好ましくは約0.1〜3μmである。微細
孔10の孔径は通常約0.008〜0.07μmで、陽
極酸化被膜7の有孔率は約0.1〜0.4である。陽極
酸化被膜7は、アルミニュウム板6を陽極として、りん
酸浴、硫酸浴、しゅう酸浴、クロム酸浴あるいはこれ等
の混合浴等で、電圧10〜120ボルト、浴温5〜80
度、時間1〜600秒の条件で常法により形成される。
【0011】金属8は直流、交流を整流して得られる脈
流、交流、交直重畳等の電圧を用いる電気メッキにより
形成される。図2は、直流電圧または脈流電圧を用い
て、アルミニュウム板6を陰極としてメッキした場合の
金属8のメッキ状態の例を示す。金属8のメッキ状態は
各微細孔10により異なっていて不均一であり、全くメ
ッキされない微細孔10、高さ方向途中までメッキされ
た微細孔10、酸化被膜7の丁度表面7aのレベルまで
メッキされた微細孔10、および隣合う微細孔10が表
面7aの上までメッキされて、表面7a上の部分が結合
して斑点状の金属メッキ層8aを形成した微細孔10等
がみられる。
流、交流、交直重畳等の電圧を用いる電気メッキにより
形成される。図2は、直流電圧または脈流電圧を用い
て、アルミニュウム板6を陰極としてメッキした場合の
金属8のメッキ状態の例を示す。金属8のメッキ状態は
各微細孔10により異なっていて不均一であり、全くメ
ッキされない微細孔10、高さ方向途中までメッキされ
た微細孔10、酸化被膜7の丁度表面7aのレベルまで
メッキされた微細孔10、および隣合う微細孔10が表
面7aの上までメッキされて、表面7a上の部分が結合
して斑点状の金属メッキ層8aを形成した微細孔10等
がみられる。
【0012】図3は、交流電圧を用いてメッキを行なっ
た場合の、金属8の微細孔10への充填状態の例を示し
たものである。図2と同一符号の部分は同様な部分を示
す。図3の場合、金属8は各微細孔10をほぼ一様に、
その高さの約1/2まで充填している。図3の態様の方
が、図2の態様よりもアンカー効果が大きく、また陽極
酸化被膜7と有機被膜9との接触界面面積が大きいので
密着力も大きく、水酸化金属膜生成後の有機被膜9の耐
剥離性が優れている。しかし金属8と有機被膜9間の界
面面積が図2の場合に比べて小さいので、酸素固定の速
度においては図2の態様に比べて劣る。
た場合の、金属8の微細孔10への充填状態の例を示し
たものである。図2と同一符号の部分は同様な部分を示
す。図3の場合、金属8は各微細孔10をほぼ一様に、
その高さの約1/2まで充填している。図3の態様の方
が、図2の態様よりもアンカー効果が大きく、また陽極
酸化被膜7と有機被膜9との接触界面面積が大きいので
密着力も大きく、水酸化金属膜生成後の有機被膜9の耐
剥離性が優れている。しかし金属8と有機被膜9間の界
面面積が図2の場合に比べて小さいので、酸素固定の速
度においては図2の態様に比べて劣る。
【0013】このようにメッキに用いる電圧波形の種類
によって、金属8の析出状態が異なる理由は必ずしも明
らかでないが、およそ次のように推測される。微細孔1
0の底部とアルミニュウム板6の間には極く薄いバリヤ
ー層7b(図2)が存在し、バリヤー層7bは電流通過
に対しては、カソード方向には抵抗が小さく、一方アノ
ード方向に対しては、抵抗が高い、所謂整流作用を有す
るものと考えられる。直流電圧または脈流電圧による、
アルミニュウム板6が常時陰極となるメッキの場合は、
金属8の析出と同時に水素イオンの放電反応が起こっ
て、バリヤー層7bが局部的に破壊されて微小孔10a
が生成して大電流が流れ、これらの箇所で優先的に金属
8が析出して斑点状の金属メッキ層8aが形成される等
の不均一なメッキが行なわれるものと推測される。一方
交流電圧によるメッキの場合は、アノード電流が流れる
期間中に、破壊されたバリヤー層7bが修復されて、カ
ソード電流が過大に流れるのが防止されるため、比較的
均一な金属8の析出が起こるものと思われる。
によって、金属8の析出状態が異なる理由は必ずしも明
らかでないが、およそ次のように推測される。微細孔1
0の底部とアルミニュウム板6の間には極く薄いバリヤ
ー層7b(図2)が存在し、バリヤー層7bは電流通過
に対しては、カソード方向には抵抗が小さく、一方アノ
ード方向に対しては、抵抗が高い、所謂整流作用を有す
るものと考えられる。直流電圧または脈流電圧による、
アルミニュウム板6が常時陰極となるメッキの場合は、
金属8の析出と同時に水素イオンの放電反応が起こっ
て、バリヤー層7bが局部的に破壊されて微小孔10a
が生成して大電流が流れ、これらの箇所で優先的に金属
8が析出して斑点状の金属メッキ層8aが形成される等
の不均一なメッキが行なわれるものと推測される。一方
交流電圧によるメッキの場合は、アノード電流が流れる
期間中に、破壊されたバリヤー層7bが修復されて、カ
ソード電流が過大に流れるのが防止されるため、比較的
均一な金属8の析出が起こるものと思われる。
【0014】金属8がメッキされた後、有機被膜9が被
覆される。メッキ金属8による容器内の酸素の固定を容
易にするために、有機被膜9は親水性および酸素・水分
透過性に優れている必要がある。単一の有機被膜により
親水性および酸素・水分透過性を両立させることは難し
いので、通常は親水性有機被膜および酸素・水分透過性
有機被膜を積層して用いる。親水性有機被膜としては、
セルロース系誘導体等の水溶性ポリマーが好ましく用い
られ、その厚さは、比較的薄いことが好ましく、通常約
0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜1μm
である。酸素・水分透過性有機被膜としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペ
ンテン等が好ましく用いられ、その厚さは通常約5〜5
00μmである。親水性有機被膜と酸素・水分透過性有
機被膜は熱圧着等により接着して用いられるが、必要に
応じて接着剤層を介して接着される。接着剤としては、
水溶性ポリマーを分散または混入された、ポリエステル
系、ポリアクリレート系、変性オレフィン系等の樹脂が
好ましく用いられ、その厚さは、好ましくは約0.5〜
10μmである。
覆される。メッキ金属8による容器内の酸素の固定を容
易にするために、有機被膜9は親水性および酸素・水分
透過性に優れている必要がある。単一の有機被膜により
親水性および酸素・水分透過性を両立させることは難し
いので、通常は親水性有機被膜および酸素・水分透過性
有機被膜を積層して用いる。親水性有機被膜としては、
セルロース系誘導体等の水溶性ポリマーが好ましく用い
られ、その厚さは、比較的薄いことが好ましく、通常約
0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜1μm
である。酸素・水分透過性有機被膜としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペ
ンテン等が好ましく用いられ、その厚さは通常約5〜5
00μmである。親水性有機被膜と酸素・水分透過性有
機被膜は熱圧着等により接着して用いられるが、必要に
応じて接着剤層を介して接着される。接着剤としては、
水溶性ポリマーを分散または混入された、ポリエステル
系、ポリアクリレート系、変性オレフィン系等の樹脂が
好ましく用いられ、その厚さは、好ましくは約0.5〜
10μmである。
【0015】内容液5中の遊離酸素および水分は、ヘッ
ドスペース4を介して有機被膜9を透過し、金属8と有
機被膜9との界面において、水酸化金属膜(図示されな
い)、例えば水酸化鉄{Fe(OH)3}の膜を形成し
て酸素を固定する。水酸化鉄は多孔性であり、酸素や水
分に対するバリヤーとならないので、この固定化は内容
液5内に遊離酸素が実質的に無くなるまで続く。上記界
面における金属8と有機被膜9との接着性は、水酸化金
属膜のため失われる。しかし有機被膜9の一部は、陽極
酸化被膜7の微細孔10の不完全充填部に入り込んでい
る故、所謂アンカー効果によって有機被膜9はアルミニ
ュウム板6から剥離し難い。
ドスペース4を介して有機被膜9を透過し、金属8と有
機被膜9との界面において、水酸化金属膜(図示されな
い)、例えば水酸化鉄{Fe(OH)3}の膜を形成し
て酸素を固定する。水酸化鉄は多孔性であり、酸素や水
分に対するバリヤーとならないので、この固定化は内容
液5内に遊離酸素が実質的に無くなるまで続く。上記界
面における金属8と有機被膜9との接着性は、水酸化金
属膜のため失われる。しかし有機被膜9の一部は、陽極
酸化被膜7の微細孔10の不完全充填部に入り込んでい
る故、所謂アンカー効果によって有機被膜9はアルミニ
ュウム板6から剥離し難い。
【0016】具体例1 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、前処理として、5重量%NaOH水
溶液中でエッチング後、30重量%HNO3水溶液でデ
スマットし、水洗した。次いで20℃の15重量%H2
SO4水溶液中で、試料を陽極として、対極(アルミニ
ュウム)との間に15Vの電圧を印可することにより陽
極酸化処理を行ない、陽極酸化被膜を0.5μmの厚さ
に生成させた。微細孔10の径は120オングストロム
であり、陽極酸化被膜の有孔率は0.18であった。水
洗後、pHを3.4に調整したFeSO4・7H2Oが8
0g/リットルとH3BO3が40g/リットルを含む2
5℃の浴において、試料を陰極として対極(ステンレス
鋼)との間に5Vの直流電圧を印可することにより20
秒間電解を行ない、約3.5mg/dm2の鉄を析出さ
せた。この処理により図2に示すような金属8の充填状
態が得られた。
5182)を用い、前処理として、5重量%NaOH水
溶液中でエッチング後、30重量%HNO3水溶液でデ
スマットし、水洗した。次いで20℃の15重量%H2
SO4水溶液中で、試料を陽極として、対極(アルミニ
ュウム)との間に15Vの電圧を印可することにより陽
極酸化処理を行ない、陽極酸化被膜を0.5μmの厚さ
に生成させた。微細孔10の径は120オングストロム
であり、陽極酸化被膜の有孔率は0.18であった。水
洗後、pHを3.4に調整したFeSO4・7H2Oが8
0g/リットルとH3BO3が40g/リットルを含む2
5℃の浴において、試料を陰極として対極(ステンレス
鋼)との間に5Vの直流電圧を印可することにより20
秒間電解を行ない、約3.5mg/dm2の鉄を析出さ
せた。この処理により図2に示すような金属8の充填状
態が得られた。
【0017】以上の表面処理を施した試料に3重量%ヒ
ドロキシエチルセルロース水溶液をバーコートにより塗
布し、200℃で30秒焼き付けて、0.2μmの膜厚
の親水性有機被膜を得た。さらに接着剤層となる無水マ
レイン酸変性した5μmポリプロピレンと20μmのポ
リプロピレンを共押出ししたフィルムを用いて、接着剤
層を試料側として、約170℃のヒートロールでラミネ
ートした。
ドロキシエチルセルロース水溶液をバーコートにより塗
布し、200℃で30秒焼き付けて、0.2μmの膜厚
の親水性有機被膜を得た。さらに接着剤層となる無水マ
レイン酸変性した5μmポリプロピレンと20μmのポ
リプロピレンを共押出ししたフィルムを用いて、接着剤
層を試料側として、約170℃のヒートロールでラミネ
ートした。
【0018】得られた試料を常法により製蓋加工し、こ
れを缶蓋2として内容積350mlのアルミニュウム製
絞りーしごき缶3中にビールを充填密封した。この時、
ヘッドスペース4内に封入された酸素量を測定したとこ
ろ、0.206mgであった。また密封直後のビール中
の酸素濃度を測定したところ、0.1ppmであった。
20℃で24時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量お
よびビール中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ
0.031mgおよび0.038ppmであった。また
20℃で3カ月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面に、AST
M D3359−83 METHOD Bに基づく碁盤
目試験法で1mm幅のクロスカットを入れて100ケの
桝目を作り、テープ剥離により有機被膜の密着性を評価
したところ、剥離は見られず、評点は5Bであった。
れを缶蓋2として内容積350mlのアルミニュウム製
絞りーしごき缶3中にビールを充填密封した。この時、
ヘッドスペース4内に封入された酸素量を測定したとこ
ろ、0.206mgであった。また密封直後のビール中
の酸素濃度を測定したところ、0.1ppmであった。
20℃で24時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量お
よびビール中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ
0.031mgおよび0.038ppmであった。また
20℃で3カ月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面に、AST
M D3359−83 METHOD Bに基づく碁盤
目試験法で1mm幅のクロスカットを入れて100ケの
桝目を作り、テープ剥離により有機被膜の密着性を評価
したところ、剥離は見られず、評点は5Bであった。
【0019】具体例2 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、20℃の30重量%H3PO4水溶液
中で、試料を陽極として、対極(アルミニュウム)との
間に30Vの電圧を印可することにより陽極酸化処理を
行なう以外は、具体例1と同様にして試料を作製した。
生成した陽極酸化被膜の厚さは1μm、微細孔2aの径
は450オングストロムであり、陽極酸化被膜の有孔率
は0.3であった。またメッキにより析出した鉄量は約
3.1mg/dm2であった。
5182)を用い、20℃の30重量%H3PO4水溶液
中で、試料を陽極として、対極(アルミニュウム)との
間に30Vの電圧を印可することにより陽極酸化処理を
行なう以外は、具体例1と同様にして試料を作製した。
生成した陽極酸化被膜の厚さは1μm、微細孔2aの径
は450オングストロムであり、陽極酸化被膜の有孔率
は0.3であった。またメッキにより析出した鉄量は約
3.1mg/dm2であった。
【0020】この処理により図2に示すような充填状態
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.028m
gおよび0.036ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bで
あった。
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.028m
gおよび0.036ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bで
あった。
【0021】具体例3 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、具体例1と同様の方法で前処理およ
び陽極酸化処理を行なった。次いでpHを4.0に調整
した、ZnSO4・7H2Oが350g/リットル、(N
H4)2SO4が30g/リットル、H3BO3が30g/
リットルを含む30℃の浴において、試料を陰極とし
て、対極(カーボン)との間に5Vの電圧を20秒印可
して、約4.1mg/dm2の亜鉛を析出させた。
5182)を用い、具体例1と同様の方法で前処理およ
び陽極酸化処理を行なった。次いでpHを4.0に調整
した、ZnSO4・7H2Oが350g/リットル、(N
H4)2SO4が30g/リットル、H3BO3が30g/
リットルを含む30℃の浴において、試料を陰極とし
て、対極(カーボン)との間に5Vの電圧を20秒印可
して、約4.1mg/dm2の亜鉛を析出させた。
【0022】この処理により図2に示すような充填状態
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.03mg
および0.043ppmであった。また20℃で3カ月
貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験に
より評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであ
った。
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.03mg
および0.043ppmであった。また20℃で3カ月
貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験に
より評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであ
った。
【0023】具体例4 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、具体例1と同様の方法で前処理およ
び陽極酸化処理を行なった。次いでpHを7.1に調整
したMnSO4・4H2Oが120g/リットル、(NH
4)2SO4が75g/リットル、NH4SCNが60g/
リットルを含む25℃の浴において、試料を陰極とし
て、対極(カーボン)との間に8Vの電圧を20秒印可
して、約3.7mg/dm2のマンガンを析出させた。
5182)を用い、具体例1と同様の方法で前処理およ
び陽極酸化処理を行なった。次いでpHを7.1に調整
したMnSO4・4H2Oが120g/リットル、(NH
4)2SO4が75g/リットル、NH4SCNが60g/
リットルを含む25℃の浴において、試料を陰極とし
て、対極(カーボン)との間に8Vの電圧を20秒印可
して、約3.7mg/dm2のマンガンを析出させた。
【0024】この処理により図2に示すような充填状態
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.04mg
および0.05ppmであった。また20℃で3カ月貯
蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験によ
り評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであっ
た。
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.04mg
および0.05ppmであった。また20℃で3カ月貯
蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験によ
り評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであっ
た。
【0025】具体例5 用いるアルミニュウム合金を厚さ0.35mmのA30
04材とする以外は、具体例1と同様にして、試料の作
製および評価を行なった。この時の鉄析出量は約3.6
mg/dm2であった。
04材とする以外は、具体例1と同様にして、試料の作
製および評価を行なった。この時の鉄析出量は約3.6
mg/dm2であった。
【0026】この処理により図2に示すような充填状態
が得られた。20℃で24時間貯蔵後、ヘッドスペース
内の酸素量およびビール中の酸素濃度を測定したとこ
ろ、それぞれ0.03mgおよび0.042ppmであ
った。また20℃で3カ月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面
を具体例1と同様な試験により評価したところ、剥離は
見られず、評点は5Bであった。
が得られた。20℃で24時間貯蔵後、ヘッドスペース
内の酸素量およびビール中の酸素濃度を測定したとこ
ろ、それぞれ0.03mgおよび0.042ppmであ
った。また20℃で3カ月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面
を具体例1と同様な試験により評価したところ、剥離は
見られず、評点は5Bであった。
【0027】具体例6 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、鉄メッキにおける電源として商用交
流電源を使用し、試料と対極(カーボン)との間に20
Vp−pの電圧を印可して30秒間電解を行なう以外
は、具体例1と同様にして試料を作製した。この時の鉄
析出量は、1mg/dm2であった。この処理により図
3に示すような充填状態が得られた。メッキを更に長時
間続けることで、微細孔中を完全充填した状態が得られ
るが、完全充填すると、有機被膜との密着性が悪くなる
ので、完全充填しない状態でメッキを止める必要があ
る。
5182)を用い、鉄メッキにおける電源として商用交
流電源を使用し、試料と対極(カーボン)との間に20
Vp−pの電圧を印可して30秒間電解を行なう以外
は、具体例1と同様にして試料を作製した。この時の鉄
析出量は、1mg/dm2であった。この処理により図
3に示すような充填状態が得られた。メッキを更に長時
間続けることで、微細孔中を完全充填した状態が得られ
るが、完全充填すると、有機被膜との密着性が悪くなる
ので、完全充填しない状態でメッキを止める必要があ
る。
【0028】以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.05mg
および0.054ppmであった。また20℃で3カ月
貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験に
より評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであ
った。
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.05mg
および0.054ppmであった。また20℃で3カ月
貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験に
より評価したところ、剥離は見られず、評点は5Bであ
った。
【0029】比較例1 厚さ0.23mmでメッキ量50番の錫めっき鋼板(ノ
ンクロメート処理材)を用い、FeSO4・7H2Oが2
50g/リットル、FeCl2・4H2Oが42g/リッ
トル、NH4Clが20g/リットルを含む25℃の浴
中で、鉄板を対極として10A/dm2で20秒間陰極
電解して、鉄付着量として、約3.5mg/dm2の錫
下地鉄メッキ鋼板を得た。
ンクロメート処理材)を用い、FeSO4・7H2Oが2
50g/リットル、FeCl2・4H2Oが42g/リッ
トル、NH4Clが20g/リットルを含む25℃の浴
中で、鉄板を対極として10A/dm2で20秒間陰極
電解して、鉄付着量として、約3.5mg/dm2の錫
下地鉄メッキ鋼板を得た。
【0030】以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.035m
gおよび0.045ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、全数が剥離し、評点は0Bであ
った。
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.035m
gおよび0.045ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、全数が剥離し、評点は0Bであ
った。
【0031】比較例2 厚さ0.3mmの缶蓋用アルミニュウム合金(材質:A
5182)を用い、鉄メッキを20分間行なう以外は具
体例6と同様にして試料を作製した。この時の鉄析出量
は約7.2mg/dm2であった。
5182)を用い、鉄メッキを20分間行なう以外は具
体例6と同様にして試料を作製した。この時の鉄析出量
は約7.2mg/dm2であった。
【0032】この処理により微細孔が完全充填した状態
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.043m
gおよび0.047ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、一部が剥離し、評点は2Bであ
った。
が得られた。以上の表面処理を施した試料の有機被膜お
よび評価を具体例1と同様にして行なった。20℃で2
4時間貯蔵後、ヘッドスペース内の酸素量およびビール
中の酸素濃度を測定したところ、それぞれ0.043m
gおよび0.047ppmであった。また20℃で3カ
月貯蔵後開缶した缶の缶蓋内面を具体例1と同様な試験
により評価したところ、一部が剥離し、評点は2Bであ
った。
【0033】本発明は、以上の実施例によって制限され
るものでなく、例えば本発明の適用される部材は、缶胴
であってもよい。
るものでなく、例えば本発明の適用される部材は、缶胴
であってもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法は、脱酸素機能を有す
る容器部材の内面に形成された有機被膜が剥離し難く、
従って上記剥離に伴う内容液の劣化が防止される、脱酸
素機能を有する密封容器を製造できるという効果を奏す
る。
る容器部材の内面に形成された有機被膜が剥離し難く、
従って上記剥離に伴う内容液の劣化が防止される、脱酸
素機能を有する密封容器を製造できるという効果を奏す
る。
【図1】本発明の方法によって製造された密封容器の例
の、一部切断正面図である。
の、一部切断正面図である。
【図2】図1のA部の第1の態様の拡大面図である。
【図3】図1のA部の第2の態様の要部拡大面図であ
る。
る。
1 密封容器 2 缶蓋(部材) 6 アルミニュウム板 7 陽極酸化被膜 8 金属 9 有機被膜 10 微細孔
Claims (2)
- 【請求項1】脱酸素機能を有する密封容器の製造方法に
おいて、アルミニュウム板の該密封容器の内面側となる
べき面に陽極酸化により微細孔を有する酸化被膜を形成
し、上記酸化被膜を、自己腐蝕反応によって酸素を固定
し易い金属によって、微細孔の少なくとも一部が完全充
填されないように電気メッキし、その上に有機被膜を被
覆することによって形成された表面処理アルミニュウム
板よりなる部材によって、該密封容器の少なくとも一部
分を形成することを特徴とする脱酸素機能を有する密封
容器の製造方法。 - 【請求項2】電気メッキを、アルミニュウム板側が常時
陰極となるようにして行なう請求項1記載の密封容器の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19294793A JPH0726394A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 脱酸素機能を有する密封容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19294793A JPH0726394A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 脱酸素機能を有する密封容器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726394A true JPH0726394A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=16299664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19294793A Pending JPH0726394A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | 脱酸素機能を有する密封容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726394A (ja) |
-
1993
- 1993-07-07 JP JP19294793A patent/JPH0726394A/ja active Pending
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