JPH07263225A - 操作用電磁石装置 - Google Patents
操作用電磁石装置Info
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- JPH07263225A JPH07263225A JP5147994A JP5147994A JPH07263225A JP H07263225 A JPH07263225 A JP H07263225A JP 5147994 A JP5147994 A JP 5147994A JP 5147994 A JP5147994 A JP 5147994A JP H07263225 A JPH07263225 A JP H07263225A
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- coil
- closing
- closing coil
- time
- circuit breaker
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Abstract
(57)【要約】
【目的】遮断器の投入動作特性に対応し、かつ、量産し
た場合に機械的精度などに基づく製品間のばらつきを低
減し、更に、製品間にばらつきが生じても容易に補正で
きるようにする。 【構成】投入コイル1をコイル11およびコイル12の
2個のコイルで構成し、この遮断器を投入するときコイ
ル11とコイル12が逆極性となるように接続して通電
し、投入コイルの通電開始から遮断器の接触子の閉成ま
での期間内に設定した設定時刻にコイル12の短絡ある
いは極性反転を行う。
た場合に機械的精度などに基づく製品間のばらつきを低
減し、更に、製品間にばらつきが生じても容易に補正で
きるようにする。 【構成】投入コイル1をコイル11およびコイル12の
2個のコイルで構成し、この遮断器を投入するときコイ
ル11とコイル12が逆極性となるように接続して通電
し、投入コイルの通電開始から遮断器の接触子の閉成ま
での期間内に設定した設定時刻にコイル12の短絡ある
いは極性反転を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば遮断器の投入操
作に用いる電磁石装置に関する。
作に用いる電磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は遮断器の一般的な投入負荷力特性
図であり、遮断器の投入開始の初期負荷力Ts から接触
子の移動に応じて徐々に増加し、接触子閉成位置で急増
して投入終端の最終負荷力Te になって投入が終了す
る。そして、投入操作用の電磁石装置は操作電圧の許容
電圧範囲内で、この遮断器の投入負荷力をカバーする駆
動力を出力する必要がある。
図であり、遮断器の投入開始の初期負荷力Ts から接触
子の移動に応じて徐々に増加し、接触子閉成位置で急増
して投入終端の最終負荷力Te になって投入が終了す
る。そして、投入操作用の電磁石装置は操作電圧の許容
電圧範囲内で、この遮断器の投入負荷力をカバーする駆
動力を出力する必要がある。
【0003】図7はこのような特性に対応する遮断器の
投入操作用の電磁石装置の従来例を示す断面図である。
図7において、この電磁石装置はリング状の投入コイル
1と、投入コイル1の中心軸上を移動自在に設けられた
可動鉄心2と、投入コイル1の上面,下面および外周面
を覆うように設けられた所定断面積の主ヨーク3と、投
入コイル1の一方の端部に、図7では下方の端部に主ヨ
ーク3に接して設けられた主磁極4と、この投入コイル
1の他方の端部に距離を隔てて設けられ、その両端部が
主ヨーク3の断面積より小さい断面積の補助ヨーク5に
よって主ヨーク3に接した補助磁極6とからなり、可動
鉄心2は連結棒7を介して図示しない遮断器に連結され
る。
投入操作用の電磁石装置の従来例を示す断面図である。
図7において、この電磁石装置はリング状の投入コイル
1と、投入コイル1の中心軸上を移動自在に設けられた
可動鉄心2と、投入コイル1の上面,下面および外周面
を覆うように設けられた所定断面積の主ヨーク3と、投
入コイル1の一方の端部に、図7では下方の端部に主ヨ
ーク3に接して設けられた主磁極4と、この投入コイル
1の他方の端部に距離を隔てて設けられ、その両端部が
主ヨーク3の断面積より小さい断面積の補助ヨーク5に
よって主ヨーク3に接した補助磁極6とからなり、可動
鉄心2は連結棒7を介して図示しない遮断器に連結され
る。
【0004】この電磁石装置の動作を図8を参照して説
明する。図8は投入コイル1の電流,可動鉄心2の吸引
力および遮断器の接触子の動作を示す。遮断器が遮断状
態では、可動鉄心2は図示しない復帰装置により図7の
位置にある。また、主磁極4,主ヨーク3および可動鉄
心2で構成される磁気回路の抵抗は、補助磁極6,補助
ヨーク5,主ヨーク3および可動鉄心2で構成される磁
気回路の抵抗より大きく設定されている。ここで図8に
おいて、時刻t0 で投入コイル1に電圧を印加して通電
すると、主磁極4を通る磁束Φm より、補助磁極6を通
る磁束Φa の方が大きく、可動鉄心2は補助磁極6に吸
引されている。そして、時間の経過とともに投入コイル
1の電流が増加して主磁極4の磁束Φm は増加するが、
補助磁極6の磁束Φa は主ヨーク3より断面積の小さい
補助ヨーク5の磁気飽和によってその増加が抑えられ、
時刻t1 において、主磁極4の磁束Φm による吸引力が
補助磁極6の磁束Φa による吸引力を上回ると、可動鉄
心2は補助磁極6から離れ、主磁極4の方向に移動す
る。可動鉄心2が移動すると可動鉄心2と補助磁極6と
の間に空隙ができ、補助磁極6の磁束Φa が減少するの
で、可動鉄心2は主として主磁極4の磁束Φm による吸
引力によって移動する。そして、この磁束Φmも所定断
面積の主ヨーク3の磁気飽和によってほぼ一定の値にな
るので、可動鉄心2の吸引力、すなわちこの電磁石装置
の駆動力はほぼ一定に抑えられ、時刻t 2 で遮断器の接
触子が開成される。
明する。図8は投入コイル1の電流,可動鉄心2の吸引
力および遮断器の接触子の動作を示す。遮断器が遮断状
態では、可動鉄心2は図示しない復帰装置により図7の
位置にある。また、主磁極4,主ヨーク3および可動鉄
心2で構成される磁気回路の抵抗は、補助磁極6,補助
ヨーク5,主ヨーク3および可動鉄心2で構成される磁
気回路の抵抗より大きく設定されている。ここで図8に
おいて、時刻t0 で投入コイル1に電圧を印加して通電
すると、主磁極4を通る磁束Φm より、補助磁極6を通
る磁束Φa の方が大きく、可動鉄心2は補助磁極6に吸
引されている。そして、時間の経過とともに投入コイル
1の電流が増加して主磁極4の磁束Φm は増加するが、
補助磁極6の磁束Φa は主ヨーク3より断面積の小さい
補助ヨーク5の磁気飽和によってその増加が抑えられ、
時刻t1 において、主磁極4の磁束Φm による吸引力が
補助磁極6の磁束Φa による吸引力を上回ると、可動鉄
心2は補助磁極6から離れ、主磁極4の方向に移動す
る。可動鉄心2が移動すると可動鉄心2と補助磁極6と
の間に空隙ができ、補助磁極6の磁束Φa が減少するの
で、可動鉄心2は主として主磁極4の磁束Φm による吸
引力によって移動する。そして、この磁束Φmも所定断
面積の主ヨーク3の磁気飽和によってほぼ一定の値にな
るので、可動鉄心2の吸引力、すなわちこの電磁石装置
の駆動力はほぼ一定に抑えられ、時刻t 2 で遮断器の接
触子が開成される。
【0005】この電磁石装置では主磁極4の磁束Φm お
よび補助磁極6の磁束Φa の値を好適に定めることによ
り、遮断器の投入動作特性に対応した遮断器の接触子の
移動に応じて急増し、かつ、操作電圧が許容電圧範囲の
下限まで低下してもほぼ一定の駆動力が得られる。
よび補助磁極6の磁束Φa の値を好適に定めることによ
り、遮断器の投入動作特性に対応した遮断器の接触子の
移動に応じて急増し、かつ、操作電圧が許容電圧範囲の
下限まで低下してもほぼ一定の駆動力が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の電磁石装置は遮
断器の投入動作特性に対応する機能としては充分である
が、補助磁極と可動鉄心との間に働く吸引力はこれら補
助磁極と可動鉄心が接する磁極面の粗さや寸法などの機
械的精度に影響されるので、量産した場合に製品間のば
らつきが大きい問題がある。この製品間のばらつきを除
くためには機械的精度を向上する必要があり、コスト上
昇の要因となる。
断器の投入動作特性に対応する機能としては充分である
が、補助磁極と可動鉄心との間に働く吸引力はこれら補
助磁極と可動鉄心が接する磁極面の粗さや寸法などの機
械的精度に影響されるので、量産した場合に製品間のば
らつきが大きい問題がある。この製品間のばらつきを除
くためには機械的精度を向上する必要があり、コスト上
昇の要因となる。
【0007】本発明の目的は遮断器の投入動作特性に対
応し、かつ、量産した場合に機械的精度などに基づく製
品間のばらつきを低減し、更に、製品間のばらつきを生
じても容易に補正可能な操作用電磁石装置を提供するこ
とにある。
応し、かつ、量産した場合に機械的精度などに基づく製
品間のばらつきを低減し、更に、製品間のばらつきを生
じても容易に補正可能な操作用電磁石装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では第1および第2の2個
のコイルからなるリング状の投入コイルと、この投入コ
イルの中心軸上を移動自在に設けられ負荷に連結された
可動鉄心と、この投入コイルの上面,下面および外周面
を覆うように設けられた所定断面積のヨークと、この投
入コイルの一方の端部に前記ヨークに接して設けられた
磁極とからなり、前記負荷を投入するとき前記投入コイ
ルの第1のコイルと第2のコイルを逆極性に接続して通
電し、前記投入コイルの通電開始から所定時間経過後に
前記第2のコイルを短絡するようにする。
めに、請求項1に記載の発明では第1および第2の2個
のコイルからなるリング状の投入コイルと、この投入コ
イルの中心軸上を移動自在に設けられ負荷に連結された
可動鉄心と、この投入コイルの上面,下面および外周面
を覆うように設けられた所定断面積のヨークと、この投
入コイルの一方の端部に前記ヨークに接して設けられた
磁極とからなり、前記負荷を投入するとき前記投入コイ
ルの第1のコイルと第2のコイルを逆極性に接続して通
電し、前記投入コイルの通電開始から所定時間経過後に
前記第2のコイルを短絡するようにする。
【0009】また、請求項2に記載の発明では第1およ
び第2の2個のコイルからなるリング状の投入コイル
と、この投入コイルの中心軸上を移動自在に設けられ負
荷に連結された可動鉄心と、この投入コイルの上面,下
面および外周面を覆うように設けられた所定断面積のヨ
ークと、この投入コイルの一方の端部に前記ヨークに接
して設けられた磁極とからなり、前記負荷を投入すると
き前記投入コイルの第1のコイルと第2のコイルを逆極
性に接続して通電し、前記投入コイルの通電開始から所
定時間経過後に前記第2のコイルの極性を反転するよう
にする。
び第2の2個のコイルからなるリング状の投入コイル
と、この投入コイルの中心軸上を移動自在に設けられ負
荷に連結された可動鉄心と、この投入コイルの上面,下
面および外周面を覆うように設けられた所定断面積のヨ
ークと、この投入コイルの一方の端部に前記ヨークに接
して設けられた磁極とからなり、前記負荷を投入すると
き前記投入コイルの第1のコイルと第2のコイルを逆極
性に接続して通電し、前記投入コイルの通電開始から所
定時間経過後に前記第2のコイルの極性を反転するよう
にする。
【0010】また、これら発明において、前記所定時間
は投入コイル電流が所定の電流値に上昇した時刻、ある
いは投入コイルの通電後に所定の時間が経過した時刻、
更にあるいは可動鉄心が所定の位置に移動した時刻をも
って定めるようにすると好便である。
は投入コイル電流が所定の電流値に上昇した時刻、ある
いは投入コイルの通電後に所定の時間が経過した時刻、
更にあるいは可動鉄心が所定の位置に移動した時刻をも
って定めるようにすると好便である。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明では負荷を投入すると
き、投入コイルの第1のコイルと第2のコイルを逆極性
に接続して通電し、投入コイルの通電開始から所定時間
経過後に第2のコイルを短絡するようにしたので、投入
コイルのアンペアターンはこの第1のコイルのアンペア
ターンと第2のコイルのアンペアターンの差の低いアン
ペアターンから、第1のコイルだけのアンペアターンの
高いアンペアターンに切り換わり、遮断器の投入動作特
性に対応した負荷の接触子の移動に応じて急増し、か
つ、操作電圧が許容電圧範囲の下限まで低下しても、所
定断面積のヨークの磁気飽和によって定まるほぼ一定の
駆動力が得られる。
き、投入コイルの第1のコイルと第2のコイルを逆極性
に接続して通電し、投入コイルの通電開始から所定時間
経過後に第2のコイルを短絡するようにしたので、投入
コイルのアンペアターンはこの第1のコイルのアンペア
ターンと第2のコイルのアンペアターンの差の低いアン
ペアターンから、第1のコイルだけのアンペアターンの
高いアンペアターンに切り換わり、遮断器の投入動作特
性に対応した負荷の接触子の移動に応じて急増し、か
つ、操作電圧が許容電圧範囲の下限まで低下しても、所
定断面積のヨークの磁気飽和によって定まるほぼ一定の
駆動力が得られる。
【0012】請求項2の発明では所定時間経過後に第2
のコイルの極性を反転するようにしたので、投入コイル
のアンペアターンはこの第1のコイルのアンペアターン
と第2のコイルのアンペアターンの差の低いアンペアタ
ーンから、第1のコイルのアンペアターンと第2のコイ
ルのアンペアターンの和より高いアンペアターンに切り
換わり、この電磁石装置の駆動力は負荷の移動に応じて
より急増する。
のコイルの極性を反転するようにしたので、投入コイル
のアンペアターンはこの第1のコイルのアンペアターン
と第2のコイルのアンペアターンの差の低いアンペアタ
ーンから、第1のコイルのアンペアターンと第2のコイ
ルのアンペアターンの和より高いアンペアターンに切り
換わり、この電磁石装置の駆動力は負荷の移動に応じて
より急増する。
【0013】これら発明において、前記の所定時間は投
入コイル電流が所定の電流値に上昇した時刻、あるいは
投入コイルの通電後に所定の時間が経過した時刻、更に
あるいは可動鉄心が所定の位置に移動した時刻をもって
定めるようにしたので、この所定時間はこの投入コイル
電流の電流検出回路,投入コイル通電後の経過時間を設
定するタイマ、あるいは可動鉄心が所定の位置に移動し
た時刻を検出する位置センサの検出・設定レベルの調整
で容易にシフトすることができるので、製品間にばらつ
きを生じても容易に補正できる。
入コイル電流が所定の電流値に上昇した時刻、あるいは
投入コイルの通電後に所定の時間が経過した時刻、更に
あるいは可動鉄心が所定の位置に移動した時刻をもって
定めるようにしたので、この所定時間はこの投入コイル
電流の電流検出回路,投入コイル通電後の経過時間を設
定するタイマ、あるいは可動鉄心が所定の位置に移動し
た時刻を検出する位置センサの検出・設定レベルの調整
で容易にシフトすることができるので、製品間にばらつ
きを生じても容易に補正できる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の電磁石装置の一実施例を示す
断面図である。図1において、この電磁石装置は2個の
コイル11および12からなるリング状の投入コイル1
と、投入コイル1の中心軸上を移動自在に設けられた可
動鉄心2と、投入コイル1の上面,下面および外周面を
覆うように設けられた所定断面積のヨーク3と、投入コ
イル1の一方の端部に、図1では下方の端部にヨーク3
に接して設けられた磁極4とからなり、可動鉄心2は連
結棒7を介して図示しない遮断器に連結される。
断面図である。図1において、この電磁石装置は2個の
コイル11および12からなるリング状の投入コイル1
と、投入コイル1の中心軸上を移動自在に設けられた可
動鉄心2と、投入コイル1の上面,下面および外周面を
覆うように設けられた所定断面積のヨーク3と、投入コ
イル1の一方の端部に、図1では下方の端部にヨーク3
に接して設けられた磁極4とからなり、可動鉄心2は連
結棒7を介して図示しない遮断器に連結される。
【0015】図2は図1に示す電磁石装置の制御回路の
一例を示し、電源P,N間に直列に分割されたコイル1
1,コイル12および接点81を接続し、コイル12と
並列に接点82を接続する。分割されたコイル11とコ
イル12とは、コイル電流により発生する磁束が互いに
逆極性となるように接続されている。図1および図2に
示す本発明の電磁石装置の第1の動作を図3を参照して
説明する。図3は投入コイル1のアンペアターン,可動
鉄心2の吸引力および遮断器の接触子の動作を示す。図
2に示す接点81,82がオフで遮断器が遮断状態で
は、可動鉄心2は図示しない復帰装置により図1に示す
位置にある。投入コイル1のコイル11とコイル12は
逆極性直列に接続されているので、図3に示す時刻t0
で接点81がオンして投入コイル1に電圧を印加し通電
すると、この投入コイル1のアンペアターンはコイル1
1のアンペアターンとコイル12のアンペアターンの差
となる。この状態は予め設定した所定時間経過後の時刻
t1 まで継続され、この時刻t1 において接点82がオ
ンするとコイル12の両端子間が短絡され、コイル12
のアンペアターンは減衰して零となり、時刻t1 以降は
投入コイル1のアンペアターンはコイル11だけのアン
ペアターンとなる。従って、可動鉄心2の吸引力は時刻
t0 〜t1 の間は、コイル11のアンペアターンとコイ
ル12のアンペアターンの差の低いアンペアターンに基
づく低い吸引力で、時刻t1 以降はコイル11のアンペ
アターンだけの高いアンペアターンに基づく高い吸引力
となる。そして、この高い吸引力も所定断面積のヨーク
3の磁気飽和でほぼ一定の値に抑えられ、時刻t2 にお
いて遮断器の接触子は閉成される。
一例を示し、電源P,N間に直列に分割されたコイル1
1,コイル12および接点81を接続し、コイル12と
並列に接点82を接続する。分割されたコイル11とコ
イル12とは、コイル電流により発生する磁束が互いに
逆極性となるように接続されている。図1および図2に
示す本発明の電磁石装置の第1の動作を図3を参照して
説明する。図3は投入コイル1のアンペアターン,可動
鉄心2の吸引力および遮断器の接触子の動作を示す。図
2に示す接点81,82がオフで遮断器が遮断状態で
は、可動鉄心2は図示しない復帰装置により図1に示す
位置にある。投入コイル1のコイル11とコイル12は
逆極性直列に接続されているので、図3に示す時刻t0
で接点81がオンして投入コイル1に電圧を印加し通電
すると、この投入コイル1のアンペアターンはコイル1
1のアンペアターンとコイル12のアンペアターンの差
となる。この状態は予め設定した所定時間経過後の時刻
t1 まで継続され、この時刻t1 において接点82がオ
ンするとコイル12の両端子間が短絡され、コイル12
のアンペアターンは減衰して零となり、時刻t1 以降は
投入コイル1のアンペアターンはコイル11だけのアン
ペアターンとなる。従って、可動鉄心2の吸引力は時刻
t0 〜t1 の間は、コイル11のアンペアターンとコイ
ル12のアンペアターンの差の低いアンペアターンに基
づく低い吸引力で、時刻t1 以降はコイル11のアンペ
アターンだけの高いアンペアターンに基づく高い吸引力
となる。そして、この高い吸引力も所定断面積のヨーク
3の磁気飽和でほぼ一定の値に抑えられ、時刻t2 にお
いて遮断器の接触子は閉成される。
【0016】ここで、コイル12の両端子間を短絡する
時刻t1 は、例えばコイル11のアンペアターンによる
可動鉄心2の吸引力が、遮断器の投入負荷力を上回った
時点となるように設定される。このためにコイル11の
アンペアターンが前記遮断器の投入負荷力を上回るアン
ペアターンになるときに投入コイル1に流れる電流を電
流検出器で予め測定して基準値とし、この基準値と投入
コイル1に流れる電流を比較して、投入コイル1に流れ
る電流が基準値を超える時刻t1 時点で接点82をオン
してコイル12の両端子間の短絡操作を行うようにす
る。また、時刻t 0 から時刻t1 までの時間は、電磁石
装置の仕様が定まると投入コイルの電流の立ち上がりと
時間との間には一定の関係があるので、投入コイル1に
電圧を印加して通電してからコイル11に前記のアンペ
アターンを生じる電流値に達するまでの経過時間をタイ
マにより定め、このタイマの出力により接点82をオン
してコイル12の両端子間の短絡操作を行うようにして
もよく、更に、電磁石装置の仕様が定まると、可動鉄心
2の移動距離とこの可動鉄心の吸引力との間には一定の
関係があるので、可動鉄心2の吸引力が遮断器の投入負
荷力を上回る位置に可動鉄心2が移動したことを位置セ
ンサで検出し、この位置センサの出力により接点82を
オンしてコイル12の両端子間の短絡操作を行うように
してもよい。接点82をオンする時刻t1 は、図9に示
す遮断器の投入負荷力特性図から見て、投入開始から遮
断器の接触子閉成までの期間内に設定することが望まし
い。
時刻t1 は、例えばコイル11のアンペアターンによる
可動鉄心2の吸引力が、遮断器の投入負荷力を上回った
時点となるように設定される。このためにコイル11の
アンペアターンが前記遮断器の投入負荷力を上回るアン
ペアターンになるときに投入コイル1に流れる電流を電
流検出器で予め測定して基準値とし、この基準値と投入
コイル1に流れる電流を比較して、投入コイル1に流れ
る電流が基準値を超える時刻t1 時点で接点82をオン
してコイル12の両端子間の短絡操作を行うようにす
る。また、時刻t 0 から時刻t1 までの時間は、電磁石
装置の仕様が定まると投入コイルの電流の立ち上がりと
時間との間には一定の関係があるので、投入コイル1に
電圧を印加して通電してからコイル11に前記のアンペ
アターンを生じる電流値に達するまでの経過時間をタイ
マにより定め、このタイマの出力により接点82をオン
してコイル12の両端子間の短絡操作を行うようにして
もよく、更に、電磁石装置の仕様が定まると、可動鉄心
2の移動距離とこの可動鉄心の吸引力との間には一定の
関係があるので、可動鉄心2の吸引力が遮断器の投入負
荷力を上回る位置に可動鉄心2が移動したことを位置セ
ンサで検出し、この位置センサの出力により接点82を
オンしてコイル12の両端子間の短絡操作を行うように
してもよい。接点82をオンする時刻t1 は、図9に示
す遮断器の投入負荷力特性図から見て、投入開始から遮
断器の接触子閉成までの期間内に設定することが望まし
い。
【0017】図4はこの図1に示す本発明の電磁石装置
の第2の動作を示す。図4はコイル12の両端子間の極
性反転操作を行う制御回路の例を示し、図4において、
電源P,N間には直列にコイル11,接点85,コイル
12および接点84が接続され、接点85およびコイル
12に並列に接点86が接続され、コイル12および接
点84に並列に接点83が接続されている。図4に示す
第2の動作が図2に示す第1の動作と異なるところは、
第1の動作は投入コイル1のコイル12の両端子間を接
点82で短絡し、このコイル12に流れていた電流を減
衰させて零にしたのに対し、図4に示す第2の動作では
投入コイル1のコイル12の両端子間を切り換えて、こ
のコイル12に流れていた電流の極性を反転した点にあ
る。
の第2の動作を示す。図4はコイル12の両端子間の極
性反転操作を行う制御回路の例を示し、図4において、
電源P,N間には直列にコイル11,接点85,コイル
12および接点84が接続され、接点85およびコイル
12に並列に接点86が接続され、コイル12および接
点84に並列に接点83が接続されている。図4に示す
第2の動作が図2に示す第1の動作と異なるところは、
第1の動作は投入コイル1のコイル12の両端子間を接
点82で短絡し、このコイル12に流れていた電流を減
衰させて零にしたのに対し、図4に示す第2の動作では
投入コイル1のコイル12の両端子間を切り換えて、こ
のコイル12に流れていた電流の極性を反転した点にあ
る。
【0018】図4に示す電磁石装置の動作を図3に対応
する図5に示す波形図を用いて説明すると、時刻t0 以
前においては接点83〜86がオフしており、時刻t0
で接点85,84がオンされてコイル11,12に電流
が流れる。時刻t0 から時刻t1 までの動作は図2に示
すものと同一であり、時刻t1 に達すると接点85,8
4がオフし、接点86,83がオンする。これにより、
図5に示すように時刻t1 以後は投入コイル1のアンペ
アターンは、コイル11のアンペアターンとコイル12
のアンペアターンの和となるので、時刻t1 以後の可動
鉄心2の吸引力は第1の動作に比して更に大きくなり、
遮断器の投入が確実に行われる。
する図5に示す波形図を用いて説明すると、時刻t0 以
前においては接点83〜86がオフしており、時刻t0
で接点85,84がオンされてコイル11,12に電流
が流れる。時刻t0 から時刻t1 までの動作は図2に示
すものと同一であり、時刻t1 に達すると接点85,8
4がオフし、接点86,83がオンする。これにより、
図5に示すように時刻t1 以後は投入コイル1のアンペ
アターンは、コイル11のアンペアターンとコイル12
のアンペアターンの和となるので、時刻t1 以後の可動
鉄心2の吸引力は第1の動作に比して更に大きくなり、
遮断器の投入が確実に行われる。
【0019】図6は図4の回路を無接点化したもので、
図4の接点83,84,85,86に変えてトランジス
タ93,94,95,96のコレクタ・エミッタが接続
されている。この回路では、更に、トランジスタ95の
ベースを抵抗97を介してトランジスタ94のコレクタ
に、トランジスタ96のベースを抵抗98を介してトラ
ンジスタ93のコレクタに接続することにより、トラン
ジスタ93および94のベースに相反する制御信号を入
力、すなわち、時刻t0 においてトランジスタ94にベ
ース電流を供給してトランジスタ94,95をオンさせ
ることにより、コイル11とコイル12とを直列で、か
つ逆極性に接続し、時刻t1 においてトランジスタ94
へのベース電流の供給を停止してトランジスタ94,9
5をオフさせると共に、トランジスタ93にベース電流
を供給してトランジスタ93,96をオンさせることに
より、コイル11とコイル12とが直列で、かつ同極性
に接続される。
図4の接点83,84,85,86に変えてトランジス
タ93,94,95,96のコレクタ・エミッタが接続
されている。この回路では、更に、トランジスタ95の
ベースを抵抗97を介してトランジスタ94のコレクタ
に、トランジスタ96のベースを抵抗98を介してトラ
ンジスタ93のコレクタに接続することにより、トラン
ジスタ93および94のベースに相反する制御信号を入
力、すなわち、時刻t0 においてトランジスタ94にベ
ース電流を供給してトランジスタ94,95をオンさせ
ることにより、コイル11とコイル12とを直列で、か
つ逆極性に接続し、時刻t1 においてトランジスタ94
へのベース電流の供給を停止してトランジスタ94,9
5をオフさせると共に、トランジスタ93にベース電流
を供給してトランジスタ93,96をオンさせることに
より、コイル11とコイル12とが直列で、かつ同極性
に接続される。
【0020】この電磁石装置では、投入コイル1のコイ
ル11のアンペアターンとコイル12のアンペアターン
の値および時刻t1 を好適に定めることにより、遮断器
の投入動作特性に対応した遮断器の接触子の移動に応じ
て急増し、かつ、操作電圧が許容電圧範囲の下限まで低
下してもほぼ一定の駆動力が得られる。この電磁石装置
では、量産した場合に機械的精度などに基づく製品間の
ばらつきが低減し、かつ、製品間にばらつきを生じても
電流検出器,タイマ、あるいは位置検出センサの検出・
設定レベルを調整して時刻t1 をシフトすることで容易
に調整できる。
ル11のアンペアターンとコイル12のアンペアターン
の値および時刻t1 を好適に定めることにより、遮断器
の投入動作特性に対応した遮断器の接触子の移動に応じ
て急増し、かつ、操作電圧が許容電圧範囲の下限まで低
下してもほぼ一定の駆動力が得られる。この電磁石装置
では、量産した場合に機械的精度などに基づく製品間の
ばらつきが低減し、かつ、製品間にばらつきを生じても
電流検出器,タイマ、あるいは位置検出センサの検出・
設定レベルを調整して時刻t1 をシフトすることで容易
に調整できる。
【0021】
【発明の効果】本発明の電磁石装置は遮断器の投入動作
特性に対応し、量産した場合に機械的精度などに製品間
のばらつきが低減され、かつ、製品間のばらつきを生じ
ても第1および第2のコイルからなる投入コイルの第2
のコイルの短絡、あるいは極性反転を行う時刻をシフト
することで容易に補償することができる。
特性に対応し、量産した場合に機械的精度などに製品間
のばらつきが低減され、かつ、製品間のばらつきを生じ
ても第1および第2のコイルからなる投入コイルの第2
のコイルの短絡、あるいは極性反転を行う時刻をシフト
することで容易に補償することができる。
【図1】本発明を遮断器に適用した操作用電磁石装置の
一実施例を示す断面図
一実施例を示す断面図
【図2】図1に示す本発明の操作用電磁石装置の第1の
投入動作に用いる制御回路の一例を示す回路図
投入動作に用いる制御回路の一例を示す回路図
【図3】図1に示す本発明の操作用電磁石装置の第1の
投入動作を示す波形図
投入動作を示す波形図
【図4】図1に示す本発明の操作用電磁石装置の第2の
投入動作に用いる制御回路の一例を示す回路図
投入動作に用いる制御回路の一例を示す回路図
【図5】図4に示す本発明の操作用電磁石装置の第2の
投入動作を示す波形図
投入動作を示す波形図
【図6】図4に示す第2の投入動作に用いる制御回路の
異なる例を示す回路図
異なる例を示す回路図
【図7】従来の操作用電磁石装置の一例を示す断面図
【図8】図7に示す従来の操作用電磁石装置の動作を示
す波形図
す波形図
【図9】遮断器の一般的な投入負荷力を示す特性図
1 投入コイル 11 第1のコイル 12 第2のコイル 2 可動鉄心 3 ヨーク 4 磁極 7 連結棒
Claims (5)
- 【請求項1】第1および第2の2個のコイルからなるリ
ング状の投入コイルと、この投入コイルの中心軸上を移
動自在に設けられ負荷に連結された可動鉄心と、この投
入コイルの上面,下面および外周面を覆うように設けら
れた所定断面積のヨークと、この投入コイルの一方の端
部に前記ヨークに接して設けられた磁極とからなり、前
記負荷を投入するとき前記投入コイルの第1のコイルと
第2のコイルを逆極性に接続して通電し、前記投入コイ
ルの通電開始から所定時間経過後に前記第2のコイルを
短絡することを特徴とする操作用電磁石装置。 - 【請求項2】第1および第2の2個のコイルからなるリ
ング状の投入コイルと、この投入コイルの中心軸上を移
動自在に設けられ負荷に連結された可動鉄心と、この投
入コイルの上面,下面および外周面を覆うように設けら
れた所定断面積のヨークと、この投入コイルの一方の端
部に前記ヨークに接して設けられた磁極とからなり、前
記負荷を投入するとき前記投入コイルの第1のコイルと
第2のコイルを逆極性に接続して通電し、前記投入コイ
ルの通電開始から所定時間経過後に前記第2のコイルの
極性を反転することを特徴とする操作用電磁石装置。 - 【請求項3】請求項1あるいは2に記載のものにおい
て、所定時間は投入コイルの電流が所定の電流値に上昇
した時刻をもって定めることを特徴とする操作用電磁石
装置。 - 【請求項4】請求項1あるいは2に記載のものにおい
て、所定時間は投入コイルに通電後に所定の時間が経過
した時刻をもって定めることを特徴とする操作用電磁石
装置。 - 【請求項5】請求項1あるいは2に記載のものにおい
て、所定時間は可動鉄心が所定の位置に移動した時刻を
もって定めることを特徴とする操作用電磁石装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5147994A JPH07263225A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 操作用電磁石装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5147994A JPH07263225A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 操作用電磁石装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07263225A true JPH07263225A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=12888098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5147994A Pending JPH07263225A (ja) | 1994-03-23 | 1994-03-23 | 操作用電磁石装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07263225A (ja) |
-
1994
- 1994-03-23 JP JP5147994A patent/JPH07263225A/ja active Pending
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