JPH0726312A - 竪型溶融還元炉の操業方法 - Google Patents
竪型溶融還元炉の操業方法Info
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- JPH0726312A JPH0726312A JP17057793A JP17057793A JPH0726312A JP H0726312 A JPH0726312 A JP H0726312A JP 17057793 A JP17057793 A JP 17057793A JP 17057793 A JP17057793 A JP 17057793A JP H0726312 A JPH0726312 A JP H0726312A
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- Japan
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- reducing agent
- tuyere
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Abstract
(57)【要約】
【目的】炭素系固体還元剤の充填層が形成され、下部に
高温空気を吹込む上下2段に設けられた複数の羽口を有
する竪型炉で粉粒状鉱石ダスト等から銑鉄又は鉄合金を
製造するに際し、炉内での空気の吹き抜けや、炭材の流
動化を防止する技術を提供する。 【構成】上記竪型炉に充填する炭材を成形炭とし、その
見掛密度を1000kg/m3 以上として操業する。さ
らに、別の発明では、上記の条件にその粒径と見掛密度
が所定のレースウェイ形成条件、流動化防止条件を満足
することも付加して操業する。
高温空気を吹込む上下2段に設けられた複数の羽口を有
する竪型炉で粉粒状鉱石ダスト等から銑鉄又は鉄合金を
製造するに際し、炉内での空気の吹き抜けや、炭材の流
動化を防止する技術を提供する。 【構成】上記竪型炉に充填する炭材を成形炭とし、その
見掛密度を1000kg/m3 以上として操業する。さ
らに、別の発明では、上記の条件にその粒径と見掛密度
が所定のレースウェイ形成条件、流動化防止条件を満足
することも付加して操業する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、竪型炉を用いた粉粒状
鉱石類からの銑鉄及び合金鉄製造方法、特に粉粒状鉱石
からの溶融還元方法に関する。
鉱石類からの銑鉄及び合金鉄製造方法、特に粉粒状鉱石
からの溶融還元方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上下2段に羽口を有する炭素系固体還元
剤を充填した竪型炉において、高温空気と共に少なくと
も上段羽口より金属酸化物を含有する鉱石類及びフラッ
クスを吹き込むことにより、溶融金属を製造する技術は
特開昭57−198205号公報に開示されている。
剤を充填した竪型炉において、高温空気と共に少なくと
も上段羽口より金属酸化物を含有する鉱石類及びフラッ
クスを吹き込むことにより、溶融金属を製造する技術は
特開昭57−198205号公報に開示されている。
【0003】上記技術の詳細は図1に摸式的に示すよう
に、炭材充填層型溶融還元炉1は、上段羽口4と下段羽
口5を備え、炉上方の炭材供給装置6から炭素系固体還
元剤が供給され、炉内に充填層を形成している。高温送
風装置2からは高温空気が供給され、高温空気分配装置
3はこれを上下羽口4、5に分配する。粉粒状鉱石類は
フラックス供給装置8からのフラックスとともに粉粒体
吹き込み装置9により、粉粒体輸送管10を経て上段羽
口から炉内に吹き込まれる。吹き込まれた粉粒状鉱石類
とフラックスは上段羽口前に形成されるレースウエイ空
間で溶融し、この溶融物が下段羽口まで滴下する間に還
元され、炉床に溶融金属とスラグとして滞留する。
に、炭材充填層型溶融還元炉1は、上段羽口4と下段羽
口5を備え、炉上方の炭材供給装置6から炭素系固体還
元剤が供給され、炉内に充填層を形成している。高温送
風装置2からは高温空気が供給され、高温空気分配装置
3はこれを上下羽口4、5に分配する。粉粒状鉱石類は
フラックス供給装置8からのフラックスとともに粉粒体
吹き込み装置9により、粉粒体輸送管10を経て上段羽
口から炉内に吹き込まれる。吹き込まれた粉粒状鉱石類
とフラックスは上段羽口前に形成されるレースウエイ空
間で溶融し、この溶融物が下段羽口まで滴下する間に還
元され、炉床に溶融金属とスラグとして滞留する。
【0004】そして、炉床に滞留した溶融金属は出銑口
12から排出され、スラグは出滓口11から排出され
る。また炭材充填層型溶融還元炉1から排出したガスは
排ガス処理装置13で処理される。このような粉粒状鉱
石類の炭材充填層型溶融還元炉においては、その炭材と
しては、上記特許にも記載されているように、高炉用の
塊コークスが用いられてきた。これは上記発明の技術思
想が、高炉下部のレースウエイ部以下の溶融帯の持つ機
能を利用・発展させて粉粒状鉱石類及びその他の製鉄原
料(ダスト、フラックス、ミルスケール、スラグ等を含
む)を溶融還元するところからきていると推察される。
ところで、従来の高炉用塊コークスの見掛け密度は、鉄
鋼便覧(第3版、製銑製鋼編、昭和54年(社)日本鉄
鋼協会発行)の214ページにあるように、通常は80
0〜1000kg/m3 の範囲にある。
12から排出され、スラグは出滓口11から排出され
る。また炭材充填層型溶融還元炉1から排出したガスは
排ガス処理装置13で処理される。このような粉粒状鉱
石類の炭材充填層型溶融還元炉においては、その炭材と
しては、上記特許にも記載されているように、高炉用の
塊コークスが用いられてきた。これは上記発明の技術思
想が、高炉下部のレースウエイ部以下の溶融帯の持つ機
能を利用・発展させて粉粒状鉱石類及びその他の製鉄原
料(ダスト、フラックス、ミルスケール、スラグ等を含
む)を溶融還元するところからきていると推察される。
ところで、従来の高炉用塊コークスの見掛け密度は、鉄
鋼便覧(第3版、製銑製鋼編、昭和54年(社)日本鉄
鋼協会発行)の214ページにあるように、通常は80
0〜1000kg/m3 の範囲にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来法においては、吹
き込まれた鉱石とフラックスは、上段羽口前に形成され
るレースウェイ空間で溶融し、この溶融物が下段羽口ま
で滴下する間に還元され、炉床に溶融金属とスラグとし
て滞留するが、この工程での生産能力は上下段羽口から
吹き込む送風中のO2 量、即ち、羽口前で炭材が燃焼し
て発生する熱量により決まる。
き込まれた鉱石とフラックスは、上段羽口前に形成され
るレースウェイ空間で溶融し、この溶融物が下段羽口ま
で滴下する間に還元され、炉床に溶融金属とスラグとし
て滞留するが、この工程での生産能力は上下段羽口から
吹き込む送風中のO2 量、即ち、羽口前で炭材が燃焼し
て発生する熱量により決まる。
【0006】このため、生産量を上げる目的で送風量を
増やした場合、炉内のガス速度が速くなり、上段レース
ウェイが吹き抜けや流動化を起こし、上段羽口から吹き
込んだ粉鉱石の一部が未還元のままダストとして逸散し
たり、また流動化により炉内のエネルギーが還元に利用
されず逸散する問題があった。そこで、本発明では、上
記のような高生産性を狙った送風量増大時においても、
溶融還元炉に装入する炭材の特性値を適正化することに
よって、上段羽口前レースウエイの吹き抜けや流動化を
起こさず、生産性を向上させる上記竪型溶融還元炉の操
業方法を提供することを目的とする。
増やした場合、炉内のガス速度が速くなり、上段レース
ウェイが吹き抜けや流動化を起こし、上段羽口から吹き
込んだ粉鉱石の一部が未還元のままダストとして逸散し
たり、また流動化により炉内のエネルギーが還元に利用
されず逸散する問題があった。そこで、本発明では、上
記のような高生産性を狙った送風量増大時においても、
溶融還元炉に装入する炭材の特性値を適正化することに
よって、上段羽口前レースウエイの吹き抜けや流動化を
起こさず、生産性を向上させる上記竪型溶融還元炉の操
業方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記発明を実
施する際に使用する炭材の具備すべき特性に関して、新
たな知見を得たことに基づくものである。本発明は、前
記問題点を解決して目的とする操業方法を確立するため
に、炭素系固体還元剤の充填層が形成され、下部に高温
空気を吹き込む上下少なくとも2段に設けられたそれぞ
れ複数の羽口を有する竪型炉を用いた金属酸化物を含有
する粉粒状鉱石類から溶融金属を製造する方法におい
て、該炭素系固体還元剤として通常の塊コークスより見
掛け密度が大きい1000kg/m3 以上の成形コ−ク
スを使用することを特徴とした竪型溶融還元炉の操業方
法である。さらには、上記方法において、その使用する
炭素系固体還元剤に関し、粒径と見掛け密度が下記に示
すレースウエイ形成条件と炭素系固体還元剤の非流動化
条件を同時に満たすことを特徴とした請求項1記載の竪
型溶融還元炉の操業方法である。
施する際に使用する炭材の具備すべき特性に関して、新
たな知見を得たことに基づくものである。本発明は、前
記問題点を解決して目的とする操業方法を確立するため
に、炭素系固体還元剤の充填層が形成され、下部に高温
空気を吹き込む上下少なくとも2段に設けられたそれぞ
れ複数の羽口を有する竪型炉を用いた金属酸化物を含有
する粉粒状鉱石類から溶融金属を製造する方法におい
て、該炭素系固体還元剤として通常の塊コークスより見
掛け密度が大きい1000kg/m3 以上の成形コ−ク
スを使用することを特徴とした竪型溶融還元炉の操業方
法である。さらには、上記方法において、その使用する
炭素系固体還元剤に関し、粒径と見掛け密度が下記に示
すレースウエイ形成条件と炭素系固体還元剤の非流動化
条件を同時に満たすことを特徴とした請求項1記載の竪
型溶融還元炉の操業方法である。
【0008】レースウエイ形成条件:ρP ・DP ≦45
000・DT 2 炭素系固体還元剤の非流動化条件:ρP ・DP ≧15 ここで、 ρP :充填層炭材の見掛け密度(kg/m3 ) DP :充填層炭材の粒子径(m) DT :羽口径(m)
000・DT 2 炭素系固体還元剤の非流動化条件:ρP ・DP ≧15 ここで、 ρP :充填層炭材の見掛け密度(kg/m3 ) DP :充填層炭材の粒子径(m) DT :羽口径(m)
【0009】
【作用】本発明では、炭素系固体還元剤の充填層が形成
された竪型炉で銑鉄又は合金鉄を製造するに際し、充填
する炭素系固体還元剤として、見掛密度が1000kg
/m3 より大きい成形コークスを使用したり、さらには
前記成形コークスの使用に加え、所定のレースウェイ形
成条件及び固体潤滑剤の流動化防止条件を満足させるよ
うにしたので、送風量が大きくなっても炉内ガスの吹き
抜けや炭材の流動化が起きず、高生産量を確保できるよ
うになった。
された竪型炉で銑鉄又は合金鉄を製造するに際し、充填
する炭素系固体還元剤として、見掛密度が1000kg
/m3 より大きい成形コークスを使用したり、さらには
前記成形コークスの使用に加え、所定のレースウェイ形
成条件及び固体潤滑剤の流動化防止条件を満足させるよ
うにしたので、送風量が大きくなっても炉内ガスの吹き
抜けや炭材の流動化が起きず、高生産量を確保できるよ
うになった。
【0010】以下、その作用を具体的に試験研究例をも
って説明する。試験研究に用いた竪型溶融還元炉の摸式
図を図1に示すが、炉内に炭素系固体還元剤の充填層1
が形成され、下部には高温空気を吹き込むため、上下2
段にそれぞれ3本の羽口4、5を有する竪型炉(炉内径
1500mmφ、炉高4000mm)である。
って説明する。試験研究に用いた竪型溶融還元炉の摸式
図を図1に示すが、炉内に炭素系固体還元剤の充填層1
が形成され、下部には高温空気を吹き込むため、上下2
段にそれぞれ3本の羽口4、5を有する竪型炉(炉内径
1500mmφ、炉高4000mm)である。
【0011】すなわち、本溶融還元炉は塊状の炭材充填
層、高温の還元性ガス、被還元性融体の三相向流移動相
からなる反応炉と言える。そして、その塊状の炭材は自
ら移動する充填塔を形成すると共に、高温の還元性ガス
の通気性と被還元性融体の通液性確保、高温ガスからの
熱伝達媒体としての機能をもつとともに、被還元性融体
を直接還元する能力ももち、また羽口先では自ら燃焼
し、高温の還元性ガスの発生源となる。
層、高温の還元性ガス、被還元性融体の三相向流移動相
からなる反応炉と言える。そして、その塊状の炭材は自
ら移動する充填塔を形成すると共に、高温の還元性ガス
の通気性と被還元性融体の通液性確保、高温ガスからの
熱伝達媒体としての機能をもつとともに、被還元性融体
を直接還元する能力ももち、また羽口先では自ら燃焼
し、高温の還元性ガスの発生源となる。
【0012】そのために該塊状の炭材が有すべき必要な
特性要件としては、高温の還元ガスの通気性、被還元融
体の通液性を満たす程度に塊状であること、また強度が
強く、自らの充填荷重に耐え、粉化しにくいこと、さら
には被還元融体の還元性が良好であること、そしてこれ
らの特性が特に高温状態で安定的に維持されることであ
る。
特性要件としては、高温の還元ガスの通気性、被還元融
体の通液性を満たす程度に塊状であること、また強度が
強く、自らの充填荷重に耐え、粉化しにくいこと、さら
には被還元融体の還元性が良好であること、そしてこれ
らの特性が特に高温状態で安定的に維持されることであ
る。
【0013】以上より、従来においては、上記発明に用
いる炭材としては、しばしば高炉用の塊コークスがもち
いられてきた。そしてその見掛け密度は第3版・鉄鋼便
覧II(製銑製鋼)P.214〔昭和54年発行、編者:
社団法人 日本鉄鋼協会、発行所:丸善株式会社〕にも
示されているように、通常800〜1000kg/m 3
の値を持つ。
いる炭材としては、しばしば高炉用の塊コークスがもち
いられてきた。そしてその見掛け密度は第3版・鉄鋼便
覧II(製銑製鋼)P.214〔昭和54年発行、編者:
社団法人 日本鉄鋼協会、発行所:丸善株式会社〕にも
示されているように、通常800〜1000kg/m 3
の値を持つ。
【0014】しかるに、本発明者らは、詳細かつ広範な
試験検討により、炭材として、通常の高炉用塊コークス
よりもより見掛け密度の大きい、すなわち見掛け密度が
1000kg/m3 より大きい、特別に製造した塊コー
クスを使用することで、上記溶融還元の生産性を同一炉
容積、同一コークス粒径で高くできることを発見した。
試験検討により、炭材として、通常の高炉用塊コークス
よりもより見掛け密度の大きい、すなわち見掛け密度が
1000kg/m3 より大きい、特別に製造した塊コー
クスを使用することで、上記溶融還元の生産性を同一炉
容積、同一コークス粒径で高くできることを発見した。
【0015】この特別に製造した塊状コークスとは、い
わゆる成形コークスであり、例えば、(財)日本鉄鋼連
盟の推奨した「連続成形コークス製造方法」によっても
製造することができる。成形コークスは、その製造にお
いて粉状の原料炭を加圧成形するため、加圧程度によっ
ては見掛け密度の高いコークスが得られる。ところで、
図2に示すように、狭くは高炉で通常使用されている見
掛け密度940kg/m3 から970kg/m3 のコー
クスと、直線Cより右側の見掛け密度1000kg/m
3 以上の特別に製造したコークスで、かつ同一粒径のコ
ークスについて流動化のしやすさについて調査した結
果、粒径が同じであれば直線Cより右側の、特別に製造
したコークスの方が流動化しにくく、その結果、炉内ガ
ス速度を上昇させ、生産量を増加させうることが明らか
となった。
わゆる成形コークスであり、例えば、(財)日本鉄鋼連
盟の推奨した「連続成形コークス製造方法」によっても
製造することができる。成形コークスは、その製造にお
いて粉状の原料炭を加圧成形するため、加圧程度によっ
ては見掛け密度の高いコークスが得られる。ところで、
図2に示すように、狭くは高炉で通常使用されている見
掛け密度940kg/m3 から970kg/m3 のコー
クスと、直線Cより右側の見掛け密度1000kg/m
3 以上の特別に製造したコークスで、かつ同一粒径のコ
ークスについて流動化のしやすさについて調査した結
果、粒径が同じであれば直線Cより右側の、特別に製造
したコークスの方が流動化しにくく、その結果、炉内ガ
ス速度を上昇させ、生産量を増加させうることが明らか
となった。
【0016】さらに詳しくは、上記竪型溶融還元炉を用
いた粉粒状のクロム鉱石を溶融還元するに際し、炉内ガ
ス速度が3.1m/secから4.7m/secの範囲
で試験研究的な操業を行った結果、使用するコークス粒
径と見掛け密度の適正範囲について、羽口径が30mm
Φの場合、図2の線A,Bに示すような結果を得た。す
なわち、図2において線Aよりも下側では良好なレ−ス
ウェイが形成され順調な鉱石類の吹き込みが達成される
が、線Aよりも上側では良好なレ−スウェイが形成され
ず順調な鉱石類の吹き込みに支障が生じた。
いた粉粒状のクロム鉱石を溶融還元するに際し、炉内ガ
ス速度が3.1m/secから4.7m/secの範囲
で試験研究的な操業を行った結果、使用するコークス粒
径と見掛け密度の適正範囲について、羽口径が30mm
Φの場合、図2の線A,Bに示すような結果を得た。す
なわち、図2において線Aよりも下側では良好なレ−ス
ウェイが形成され順調な鉱石類の吹き込みが達成される
が、線Aよりも上側では良好なレ−スウェイが形成され
ず順調な鉱石類の吹き込みに支障が生じた。
【0017】そしてこの線Aは、羽口径を変化させた実
験により、 ρP ・DP =45000・DT 2 と定式化することができた。また、線Bより上側では特
別に製造したコークスの流動化が発生せず安定な操業が
達成されたが、線Bより下側では該コークスの流動化が
起こり不安定な操業となることが判明した。
験により、 ρP ・DP =45000・DT 2 と定式化することができた。また、線Bより上側では特
別に製造したコークスの流動化が発生せず安定な操業が
達成されたが、線Bより下側では該コークスの流動化が
起こり不安定な操業となることが判明した。
【0018】そしてこの線Aは、羽口径に関係なく、ρ
P ・DP ≧15と定式化することができた。ここで、ρ
P は充填層炭材の見掛け密度(kg/m3 )、DP は充
填層炭材の粒子径(m)、DT は羽口径(m)である。
従って見掛け密度1000kg/m3 以上の領域のコー
クスを用いること、さらにより好ましくは羽口径が30
mmΦの場合には、線A、Bの間で、かつ見掛け密度1
000kg/m3 以上の領域のコークスを用いること
が、従来用いられていた通常の塊コークスよりも、より
上段羽口前レースウエイの吹き抜けや流動化を起こさな
い操業条件であり、ひいては炉内ガス流速が上げられ生
産性を向上させるものであることが判った。
P ・DP ≧15と定式化することができた。ここで、ρ
P は充填層炭材の見掛け密度(kg/m3 )、DP は充
填層炭材の粒子径(m)、DT は羽口径(m)である。
従って見掛け密度1000kg/m3 以上の領域のコー
クスを用いること、さらにより好ましくは羽口径が30
mmΦの場合には、線A、Bの間で、かつ見掛け密度1
000kg/m3 以上の領域のコークスを用いること
が、従来用いられていた通常の塊コークスよりも、より
上段羽口前レースウエイの吹き抜けや流動化を起こさな
い操業条件であり、ひいては炉内ガス流速が上げられ生
産性を向上させるものであることが判った。
【0019】
【実施例】図1に示す竪型溶融還元炉を用いて、30%
クロムを含有した銑鉄の製造試験を実施した。試験に供
した溶融還元炉の仕様は次の通りである。 炉内径;1500mmφ 炉高;4000mm 炭材層高;3000mm 羽口数;上段3本、下段3本 羽口径;30mm 試験操業の条件および結果は表1の通りである。
クロムを含有した銑鉄の製造試験を実施した。試験に供
した溶融還元炉の仕様は次の通りである。 炉内径;1500mmφ 炉高;4000mm 炭材層高;3000mm 羽口数;上段3本、下段3本 羽口径;30mm 試験操業の条件および結果は表1の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】本発明に係る実施例1〜5においては、炭
材の流動化もガスの吹き抜けも起こらず、円滑な操業が
でき、同一炉における従来法より、10〜30%も出銑
量を増やすことができた。また、実施例1、4に示すよ
うに同一粒子径でも炭材見掛密度を大きくすると送風ガ
ス量を増しても流動化せずに製錬できるため出銑量を増
すことができた。
材の流動化もガスの吹き抜けも起こらず、円滑な操業が
でき、同一炉における従来法より、10〜30%も出銑
量を増やすことができた。また、実施例1、4に示すよ
うに同一粒子径でも炭材見掛密度を大きくすると送風ガ
ス量を増しても流動化せずに製錬できるため出銑量を増
すことができた。
【0022】もちろん、本実施例では、見掛け密度10
00kg/m3 以上のコークスには、あらかじめ特別に
製造した成形コークスを用いた。また、実施例では、合
金鉄の製造を示したが、本発明はこれに限定するもので
はなく、通常の銑鉄製造にも適用できることは言うまで
もない。また、粉粒状鉱石類以外の製鉄原料には、表1
に示したものに限らず、あらゆる銑鉄又は合金鉄製造に
用いられるもの、例えば各種のスラグ類、ダスト、ミル
スケール等も使用できる。
00kg/m3 以上のコークスには、あらかじめ特別に
製造した成形コークスを用いた。また、実施例では、合
金鉄の製造を示したが、本発明はこれに限定するもので
はなく、通常の銑鉄製造にも適用できることは言うまで
もない。また、粉粒状鉱石類以外の製鉄原料には、表1
に示したものに限らず、あらゆる銑鉄又は合金鉄製造に
用いられるもの、例えば各種のスラグ類、ダスト、ミル
スケール等も使用できる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、炭素系固体還元剤の充
填層が形成され、下部に高温空気を吹き込む上下少なく
とも2段に設けられたそれぞれ複数の羽口を有する竪型
炉を用いて、金属酸化物を含有する粉粒状鉱石類から溶
融金属を製造する方法において、使用するコークスの粒
径に応じて適当な見掛け密度のコークスを用いることに
より送風量を増やして炉内ガス速度が大きくなっても炭
材が流動化しないため生産量を増大することができる。
填層が形成され、下部に高温空気を吹き込む上下少なく
とも2段に設けられたそれぞれ複数の羽口を有する竪型
炉を用いて、金属酸化物を含有する粉粒状鉱石類から溶
融金属を製造する方法において、使用するコークスの粒
径に応じて適当な見掛け密度のコークスを用いることに
より送風量を増やして炉内ガス速度が大きくなっても炭
材が流動化しないため生産量を増大することができる。
【図1】図1は本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、竪型溶融還元炉を用いて、30%クロ
ムを含有した銑鉄の製造試験を炉内ガス速度が3.1/
secから4.7m/secの範囲で行った場合の、使
用したコークスの粒径と見掛け密度の適正範囲について
の試験結果である。
ムを含有した銑鉄の製造試験を炉内ガス速度が3.1/
secから4.7m/secの範囲で行った場合の、使
用したコークスの粒径と見掛け密度の適正範囲について
の試験結果である。
1 竪型溶融還元炉 2 送風装置 3 送風分配装置 4 上段羽口 5 下段羽口 6 炭材供給装置 7 粉粒状鉱石類供給装置 8 フラックス供給装置 9 粉粒体吹込み装置 10 粉粒体輸送管 11 出滓口 12 出鋼口 13 排ガス処理装置
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素系固体還元剤の充填層が形成され、
下部に高温空気を吹き込む上下少なくとも2段に設けら
れたそれぞれ複数の羽口を有する竪型炉を用いて、金属
酸化物を含有する粉粒状鉱石類から溶融金属を製造する
方法において、該炭素系固体還元剤として見掛け密度が
1000kg/m3 以上の成形コークスを使用すること
を特徴とする竪型溶融還元炉の操業方法。 - 【請求項2】 該炭素系固体還元剤の粒径と見掛け密度
が、下記に示す羽口先でのレースウエイ形成条件と、炭
素系固体還元剤の非流動化条件とを満たすことを特徴と
する請求項1記載の竪型溶融還元炉の操業方法。 レースウエイ形成条件:ρP ・DP ≦45000・DT
2 炭素系固体還元剤の非流動化条件:ρP ・DP ≧15 ここで、 ρP :充填層炭材の見掛け密度(kg/m3 ) DP :充填層炭材の粒子径(m) DT :羽口径(m)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17057793A JPH0726312A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 竪型溶融還元炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17057793A JPH0726312A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 竪型溶融還元炉の操業方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726312A true JPH0726312A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15907421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17057793A Withdrawn JPH0726312A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 竪型溶融還元炉の操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726312A (ja) |
-
1993
- 1993-07-09 JP JP17057793A patent/JPH0726312A/ja not_active Withdrawn
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