JPH07262827A - 送電線用素線導体及びその製造方法 - Google Patents

送電線用素線導体及びその製造方法

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JPH07262827A
JPH07262827A JP5176494A JP5176494A JPH07262827A JP H07262827 A JPH07262827 A JP H07262827A JP 5176494 A JP5176494 A JP 5176494A JP 5176494 A JP5176494 A JP 5176494A JP H07262827 A JPH07262827 A JP H07262827A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で、実用性の高い送電線用素線導
体及びその製造方法を提供する。 【構成】 発泡金属線材2の周囲に金属の被覆層3を有
し、少なくとも上記発泡金属線材2の断面が扇形、矩
形、台形等の角張った形状を呈する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡金属を用いて構成
した送電線用素線導体及びその製造方法に係り、特に、
製造が容易で、実用性の高い送電線用素線導体及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発泡金属を用い軽量化を図った素線導体
及びそれを用いた電線が本出願人によって提案されてい
る。この素線導体は、独立した気泡を内部に持つ導電性
の発泡金属で発泡金属層を構成し、この発泡金属層の周
囲に導電性の金属からなる被覆層を設けたものである。
電線は、素線導体のみによって構成したもの、素線導体
を撚り合わせたもの、素線導体の外周に絶縁や保護のた
めの外層を設けたものなどがある。この電線は、送電線
の軽量化に有望である。
【0003】図6は、発泡金属を用いた素線導体の一例
を示している。この素線導体61には、発泡アルミニウ
ム線材からなる発泡金属層62の周囲にアルミニウム合
金の被覆層63が設けられている。図示されるように、
この素線導体の断面は、発泡金属層及び被覆層が同心円
となる。即ち、発泡金属層には断面が円形の発泡金属線
材が使用される。
【0004】次に、導体の断面形状について考察するた
めに、一般の送電線の充填率、電流容量、外径の相互関
係について説明する。
【0005】金属導体のみから構成される単線の送電線
用導体には、図7に示されるように、断面が扇形のもの
がある。この断面扇形の導体71を撚合わせた電線には
導体同士の隙間ができない。一方、断面円形の導体を撚
合わせた電線には隙間が生じる。従って、同一外径の電
線を比較すると、断面扇形の導体を撚合わせた電線のほ
うが、導体の占める断面積が大きい。これを断面積比率
が高い、又は占有面積が大きいという。また、導体断面
積が同一の電線を比較すると、断面扇形の導体を撚合わ
せた電線のほうが、外径が小さい。これを充填率が高い
という。即ち、断面積比率が高いこと、占有面積が大き
いことは、充填率が高いことと同義である。
【0006】電線の電流容量を大きくするためには、導
体の断面積を大きくする必要があり、導体の断面積を大
きくするには、電線の外径を大きくするか、充填率を高
めるかが必要となる。電線の外径を大きくすると、送電
線等の場合、重量が増加すると共に風圧荷重が増加する
ので、鉄塔への負荷が大きくなり、鉄塔強度を高めるこ
とが必要となる。上記断面が扇形の導体を用いて充填率
を高めるようにすれば、電線の外径が小さくてよいの
で、風圧荷重の増加は避けることができる。
【0007】送電線の外径が小さいと、高圧の送電を行
うとき、表面から電気的なコロナノイズが発生しやす
い。従って、高圧送電線は径が小さすぎると、降雨時の
ようにコロナノイズが発生しやすい条件のとき、騒音が
大きくなり付近住民へ騒音被害をもたらすことになる。
このため送電線にはある値(下限値)以上の外径が必要
とされる。従来の高圧送電線は、外径を下限値に設定し
ても、この外径に対応する導体の断面積が所望の電流容
量に対応する断面積よりも大きく、電流容量が余剰とな
る。即ち、導体が必要量よりも多く使用されていること
になり、導体の重量が過剰ということになる。外径は下
限値を確保しつつ重量を減らすことが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発泡金属線材を製造す
るためには以下の問題があった。
【0009】(1)発泡金属を製造するには、溶融金属
に発泡助剤を加えて発泡させ、その発泡状態で固化させ
なければならないが、断面が円形の線材に成形しつつ固
化させることは容易でない。
【0010】(2)断面が円形で細長い線材を得るため
には、一般に、太い線材を伸線加工或いは圧延ロール加
工することになるが、発泡金属線材の場合、発泡金属は
その組成構造の特性から強度が低いためにこれらの加工
が困難である。発泡金属の強度を高めるには、発泡度を
下げればよいが、反面、発泡度が下がると比重が大きく
なり、軽量化の効果が失われる。
【0011】従って、断面が円形の発泡金属線材を製造
することは困難である。
【0012】また、発泡金属を用いた素線導体、或いは
この素線導体を撚合わせて構成した電線には以下の問題
があった。
【0013】(1)前記したように、発泡金属は強度が
低く、強度を高めるために発泡度を下げると軽量化の効
果が失われる。軽量化のために発泡度を上げた発泡金属
線材は素線導体の強度を高めることに寄与しないので、
素線導体の圧縮強度は、実質上、被覆層が形成するパイ
プ状の外殻の圧縮強度に相当する。しかし、この外殻の
強度は被覆層の厚さに依存し、これを厚くすると軽量化
の効果が失われ、結局、軽量化に伴う圧縮強度の低下を
補うことができない。
【0014】(2)発泡金属線材は重量が軽いので、発
泡金属線材を用いた電線は、外径の下限値を確保しつつ
重量を減らすことができる。しかし、断面が円形の導体
を撚合わせた電線の圧縮強度は、上記素線導体の圧縮強
度に依存するので、十分な圧縮強度が得られない。
【0015】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、製造が容易で、実用性の高い送電線用素線導体及び
その製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、発泡金属線材の周囲に金属の被覆層を有
し、少なくとも上記発泡金属線材の断面が扇形、矩形、
台形等の角張った形状を呈するものである。
【0017】上記被覆層が上記発泡金属線材の周囲を略
均一に覆い、上記被覆層の断面が略扇形を呈してもよ
い。
【0018】製造方法は、幅広の発泡金属板材を連続鋳
造し、その発泡金属板材を連続的に切断して発泡金属線
材を形成し、この発泡金属線材の周囲を金属で被覆す
る。
【0019】或いは、上部に開口を有し両側に傾斜を有
する溝型により発泡金属を連続鋳造して発泡金属線材を
成型し、この発泡金属線材の周囲を金属で被覆する。
【0020】上記発泡金属及び被覆用の金属にアルミニ
ウム或いはアルミニウム合金を用いてもよい。
【0021】
【作用】断面が円形の発泡金属線材を製造することは困
難であったが、断面が角張った形状の発泡金属線材を製
造することは本発明によって容易である。具体的には、
発泡金属の板材を作り、その板材から発泡金属線材を切
り出すこともできるし、鋳造により直接に所望の形の発
泡金属線材を成型することもできる。切り出しの場合、
必然的に断面は、矩形、台形、或いはこれらに類似する
形状になる。直接鋳造の場合、型外しを円滑にするため
にテーパがつけられるので、断面は、扇形、台形、或い
はこれらに類似する形状になる。
【0022】被覆層は、押し出し等の方法により任意の
断面のものが容易に形成できる。
【0023】発泡金属線材の周囲に金属の被覆層を有す
る導体を、図7の金属導体のみから構成される単線と同
じく断面が扇形を呈するように形成することができる。
導体の断面を扇形にしたときの電線への充填率増大の効
果も同様に得られる。ただし、本発明の場合は、導体が
発泡金属線材と被覆層とからなっており、導体の強度は
被覆層が形成する外殻の強度に相当する。導体を撚合わ
せて電線を形成したとき、導体の外殻同士が接すること
になり、互いに変形が防止されるというブリッジ効果を
生じ、電線は圧縮に対する強度が大幅に増大する。従っ
て、軽量化に伴う圧縮強度の低下を補うことができる。
【0024】一方、被覆層は発泡金属線材の周囲を均一
に覆う方が良い。これは被覆層が不均一であると、それ
だけ発泡金属線材の占める量が小さくなり、軽量化の効
果を損なうからである。従って、被覆層の断面に扇形が
要求されるとき、発泡金属線材の断面が円形或いは円形
に類する形状であると、被覆層が不均一になり好ましく
ない。本発明の構成は、発泡金属線材の断面が扇形、矩
形、台形等の角張った形状を呈し、被覆層が発泡金属線
材の周囲を略均一に覆い、かつ被覆層の断面が略扇形を
呈する。これにより、電線を構成したときの圧縮強度の
増大と軽量化とを同時に達成することができる。
【0025】発泡金属線材の製造方法には、既に述べた
ように、切り出しと直接鋳造とがある。切り出しの場
合、まず、幅広の発泡金属板材を連続鋳造する。板材の
連続鋳造は容易である。次いで、発泡金属板材を連続的
に切断して発泡金属線材を形成する。このとき発泡金属
板材の板厚を発泡金属線材の寸法に合わせておけば、板
厚の方向に切断するだけで発泡金属線材が製造できる。
また、切断刃を複数平行に設けることにより、同時に複
数本の発泡金属線材が製造できる。
【0026】直接鋳造の場合、溝型により発泡金属を連
続鋳造して発泡金属線材を成型することにより、単一工
程で発泡金属線材が製造できる。溝型が上部に開口を有
し両側に傾斜を有することによって、型外しが容易であ
る。
【0027】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0028】図1(a)、図1(b)に示される本発明
の送電線用素線導体1は、発泡アルミニウムからなる発
泡金属線材2の周囲にアルミニウム合金からなる金属の
被覆層3を有している。図1(a)の送電線用素線導体
1にあっては、発泡金属線材2の断面は矩形である。こ
の実施例は矩形の上下辺が両側辺より長いが、これらが
等しいか上下辺が両側辺より短くてもよい。図1(b)
の送電線用素線導体1にあっては、発泡金属線材2の断
面は、上辺が直線であり、下辺が上辺に向かって凸状の
円弧の一部を形成し、両側辺が下辺との角を除いて直線
であり、上辺が下辺より長く、両側辺は傾斜している。
この断面形状は、扇形と台形との中間的な形状である。
この実施例は上下辺が両側辺より長いが、上下辺が両側
辺より短くてもよい。
【0029】このように、本発明の送電線用素線導体1
は、少なくとも発泡金属線材2の断面が扇形、矩形、台
形等の角張った形状を呈するものである。
【0030】いずれの送電線用素線導体1も被覆層3の
断面は、上下辺がともに同方向に凸状の円弧の一部を形
成し、両側辺が上下辺との角を除いて直線であり、上辺
が下辺より長く、両側辺は傾斜している。この断面形状
は、略扇形といえる。これらの実施例では、発泡金属線
材2の断面の上下辺が両側辺より長く、かつ被覆層3の
断面が上下辺が両側辺より長いので、被覆層3の肉厚に
偏りがない。
【0031】このように、本発明の送電線用素線導体1
は、被覆層3が発泡金属線材2の周囲を略均一に覆い、
被覆層3の断面が略扇形を呈するものである。
【0032】図1(c)の送電線4は、本発明の送電線
用素線導体1を撚合わせて構成したものである。図示さ
れるように、送電線4は、内外2層からなり、内側層は
6本の、外側層は10本の送電線用素線導体1を隙間な
く詰め込んだものである。各送電線用素線導体1の被覆
層3は密着し合っており、送電線4の径方向の力に対し
ブリッジ効果を生じる構造となっている。また、この送
電線4はコロナノイズを防止するために外径が下限値以
上に設定されているが、導体に発泡金属の占める割合が
高いので、導体の重量が過剰にはならない。
【0033】次に、本発明の送電線用素線導体1の製造
方法を説明する。
【0034】図2は、図1(a)に示された矩形の発泡
金属線材2の製造工程を示している。まず、図2(a)
の鋳造装置は、上下2本の無端ベルト21,22と、両
無端ベルト21,22の長手方向の一側に配置された発
泡溶湯容器23とから構成される。両無端ベルト21,
22は互いに狭い間隔を隔ててベルト面が向き合うよう
に平行に配置され、それぞれローラ24によって発泡溶
湯容器23の反対側へ向けて駆動される。発泡溶湯容器
23には、アルミニウムを含む複数の合金材料、増加粘
剤、及び発泡助剤からなる発泡溶湯25が収容されてい
る。発泡溶湯容器23を傾斜することにより、発泡溶湯
25が下の無端ベルト22上に流し出され、発泡溶湯2
5は、両無端ベルト21,22の隙間に入り、薄く引き
伸ばされつつ固化され、かつ搬送される。このようにし
て、両無端ベルト21,22の反対側から発泡金属板材
26が連続的に繰り出される。発泡金属板材26の長手
方向に直交する断面が図2(b)に示されている。図示
されるように、発泡金属板材26は幅広で板厚が均一に
薄い。
【0035】次に、切り出しが行われる。切り出しに
は、図3のスリットロールを使用する。図3に示される
ように、スリットロール31は2本のローラ32が所定
の間隔を隔てて軸を平行にして配置され、各ローラ32
には、ローラ32の外周をリング状に覆う軸方向に一定
幅を有する切断刃33が互い違いに設けられ、これらの
切断刃33が交互に噛み合うようになっている。各ロー
ラ32は互いに逆回転され、ローラ32間に挿入される
発泡金属板材26を切断刃33毎に上下に切り分けるよ
うになっている。切断刃33がリング状であるため連続
切断が可能である。
【0036】図2(c)において、スリットロール31
に挿入された発泡金属板材26は、切断刃33毎に上下
に切り分けられ、後工程に向けて搬送される。切り分け
られた発泡金属板材26が図2(d)に示されている。
図示されるように、各部分がそれぞれ矩形の断面を有す
る発泡金属線材2である。このようにスリットロール3
1を用いることにより、同時に複数本の発泡金属線材2
が製造できる。従って、この製造方法は、効率的であ
り、低コストを実現できる。
【0037】なお、切り出しの方法は、スリットロール
31による裁断に限らず、のこ切断、溶断、水流切断等
でも構わない。
【0038】後工程では、発泡金属線材2の周囲を金属
で被覆する。被覆加工には、アルミニウムの押出し法が
採用される。図4に示されるように、押出被覆装置41
は、アルミニウム42を収容する容器43に発泡金属線
材2を走行させるための貫通孔44が設けられ、貫通孔
44の内壁には、発泡金属線材2の断面と略同形状に絞
られた開口形状を有するニップル(入口ガイド)45が
形成され、ニップル45に向き合うように被覆層3の断
面と略同形状に絞られたダイス46が形成されている。
容器43内のアルミニウム42に加圧し、発泡金属線材
2をニップル45からダイス46へ向かう方向に走行さ
せることにより、発泡金属線材2の周囲がアルミニウム
で被覆され、図1(a)に示された送電線用素線導体1
が得られる。
【0039】なお、図1(a)に示された送電線用素線
導体1にあっては、4つの角部が丸みを帯びている。こ
れは、角部における被覆層3の肉厚を他の部分と均一に
するためと、ダイス46の成形を容易にするためと、鋭
利な角部をなくして電線製造時に変形、損傷のないよう
にするためとによるものである。
【0040】次に、直接鋳造による発泡金属線材の製造
方法を説明する。
【0041】図5は、図1(b)に示された発泡金属線
材2の製造工程を示している。図5(a)の鋳造装置
は、多数の鋳型ブロック51を無端状に連結した鋳型ブ
ロックベルト52と、その上側を覆う無端ベルト53
と、鋳型ブロックベルト52の長手方向の一側に配置さ
れた発泡溶湯容器54とから構成される。鋳型ブロック
51は、矩形の平坦な底部と、底部の両長辺よりやや外
に向かって傾斜して起立した側部とからなる溝型ブロッ
クであり、両短辺側及び上部は開放されている。鋳型ブ
ロックベルト52は、その上側において鋳型ブロック5
1を長手方向に略水平に連結することにより連続無端の
溝型を形成している。鋳型ブロックベルト52及び無端
ベルト53は、鋳型ブロック51の開口に無端ベルト5
3のベルト面が接するように配置され、それぞれローラ
55,56によって発泡溶湯容器54の反対側へ向けて
駆動される。発泡溶湯容器54には、アルミニウムを含
む複数の合金材料、増加粘剤、及び発泡助剤からなる発
泡溶湯57が収容されている。発泡溶湯容器54を傾斜
することにより、発泡溶湯57が鋳型ブロック51内に
順次流し込まれ、発泡溶湯57は鋳型ブロックベルト5
2と無端ベルト53とによって成型されて固化され、か
つ搬送される。このようにして、鋳型ブロックベルト5
2の反対側から発泡金属線材2が連続的に繰り出され
る。各鋳型ブロック51の側部が傾斜しているので、型
外しが容易である。発泡金属線材2の長手方向に直交す
る断面が図5(b)に示されている。図示されるよう
に、発泡金属線材2は、台形の断面を有する。このよう
にして、単一工程で発泡金属線材が製造できる。
【0042】なお、図5(b)に示された発泡金属線材
2は下辺が直線であるのに対し、図1(b)に示された
発泡金属線材2は下辺が上辺に向かって凸状の円弧の一
部を形成している。これは、被覆層3の断面形状を考慮
した溝型を採用したことによるものであり、これにより
被覆層3の肉厚をいっそう均一に近付けることができ
る。また、上記実施例では、鋳型ブロックベルト52を
無端ベルト53で覆って成型を行ったが、上下共に鋳型
ブロックベルトを用いてもよい。
【0043】直接鋳造によって発泡金属線材を製造する
場合も、被覆の方法は前記と同様である。
【0044】次に、発泡金属及び被覆用の金属の材料選
定について説明する。
【0045】送電線の導体の材料は、一般に電気用純ア
ルミニウムが用いられている。合金を用いると導電率が
低下する。しかし、用途によっては合金が用いられる。
例えば、強度を高めるために合金が用いられる。また、
耐熱合金を用いることもある。これは、送電線が通電に
より発熱すると、温度膨脹により弛み(弛度)が大きく
なるので、このことを考慮した鉄塔高さが必要になる
が、耐熱合金のように電気用純アルミニウムに比べて高
温による軟化の程度が低いものを用いると、通電発熱時
の弛度が小さく抑えられるので、それだけ鉄塔高さを低
くしたり、電流を多く流したりすることができるからで
ある。従って、導電率の低下と、耐高温特性の向上とを
トレードオフして材料選定がなされる。特に、発泡金属
の場合は、増加粘剤、発泡助剤を添加するので合金とな
るが、これに加えて、強度及び耐高温特性を増強するよ
うに添加材料が選定される。
【0046】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0047】(1)発泡金属線材の断面を角張った形状
としたことにより、発泡金属線材の製造が容易となると
共に電線の圧縮強度を高めるような導体断面形状が採用
できるようになる。従って、送電線用素線導体ひいては
送電線が低コストで製造できるようになり、かつ、電流
容量、重量、強度、圧縮強度、風圧荷重、コロナノイズ
等の要求仕様を満たす健全な送電線が実現できるように
なるので、軽量送電線の実用化が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送電線用素線導体及びそれを使用した
電線の断面図である。
【図2】本発明の発泡金属線材の製造方法の説明図であ
る。
【図3】本発明の切り出し工程に使用されるスリットロ
ールの正面図である。
【図4】本発明の被覆工程に使用される押出被覆装置の
側断面図である。
【図5】本発明の発泡金属線材の製造方法の説明図であ
る。
【図6】従来の発泡金属を用いた素線導体の断面図であ
る。
【図7】従来の金属導体のみから構成される単線の送電
線用導体の断面図である。
【符号の説明】
1 送電線用素線導体 2 発泡金属線材 3 被覆層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡金属線材の周囲に金属の被覆層を有
    し、少なくとも上記発泡金属線材の断面が扇形、矩形、
    台形等の角張った形状を呈することを特徴とする送電線
    用素線導体。
  2. 【請求項2】 上記被覆層が上記発泡金属線材の周囲を
    略均一に覆い、上記被覆層の断面が略扇形を呈すること
    を特徴とする請求項1記載の送電線用素線導体。
  3. 【請求項3】 幅広の発泡金属板材を連続鋳造し、その
    発泡金属板材を連続的に切断して発泡金属線材を形成
    し、この発泡金属線材の周囲を金属で被覆することを特
    徴とする送電線用素線導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上部に開口を有し両側に傾斜を有する溝
    型により発泡金属を連続鋳造して発泡金属線材を成型
    し、この発泡金属線材の周囲を金属で被覆することを特
    徴とする送電線用素線導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記発泡金属及び被覆用の金属にアルミ
    ニウム或いはアルミニウム合金を用いることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれか記載の送電線用素線導体及びそ
    の製造方法。
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