JPH07262370A - 画像のテンプレートマッチング方法 - Google Patents

画像のテンプレートマッチング方法

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JPH07262370A
JPH07262370A JP6046627A JP4662794A JPH07262370A JP H07262370 A JPH07262370 A JP H07262370A JP 6046627 A JP6046627 A JP 6046627A JP 4662794 A JP4662794 A JP 4662794A JP H07262370 A JPH07262370 A JP H07262370A
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JP
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image
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maximum
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Application number
JP6046627A
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English (en)
Inventor
Hideya Takeo
英哉 武尾
Daigo Ezuka
大吾 江塚
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07262370A publication Critical patent/JPH07262370A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 テンプレートマッチング方法において、画像
サイズが大きくなっても計算量を大幅に増大させず、精
度良く高速にマッチングを行う。 【構成】 画像においてテンプレート41Aを5画素ごと
に移動させてテンプレート41Aと画像との相関値を求め
る粗サーチを行う。粗サーチにより得られた相関値が最
大となる領域を第1の基準領域51A、最大値の次の値と
なる領域を第2の基準領域51Bと定め、基準領域51A,
51を中心としてテンプレート41Aを1画素だけ周囲にず
らして、テンプレート41Aと画像との相関値を求める精
サーチを行う。精サーチにより得られた相関値が最大と
なる領域が基準領域51A,51Bのいずれかであった場合
は、基準領域をテンプレート41Aと画像43Aとが一致す
る領域とし、精サーチにより得られた相関値が最大とな
る領域が基準領域51A,51B以外の領域であった場合
は、最大となった領域を新たな基準領域として再度精サ
ーチを行い、基準領域が一致する領域となるまで精サー
チを繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像のテンプレートマッ
チング方法、すなわち、ある画像の一部の領域に相当す
るテンプレートが他の画像の一部と一致する領域を探索
するテンプレートマッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄積性蛍光体を利用して、人体等の被写
体の放射線画像情報を一旦蓄積性蛍光体のシート(以
下、蓄積性蛍光体シートと称する)に記録し、これを励
起光で走査して輝尽発光させ、この輝尽発光光を光電的
に読み取って画像信号を得、この画像信号を処理して診
断適性の良い被写体の放射線画像を得る方法が知られて
いる。この最終的な画像はハードコピーとして再生した
り、あるいはCRT上に再生したりすることができる。
【0003】一方、従来より放射線画像の重ね合せ処理
が公知となっている(例えば特開昭56-11399号参照)。
一般に、放射線画像は診断用その他の目的に使われる
が、その使用に当たっては被写体の微小な放射線吸収差
を良好に検出することが要求される。放射線画像におけ
るこの検出の程度をコントラスト検出能または単に検出
能と呼ぶが、この検出能の高いもの程診断性能も高く、
実用的価値が高い放射線画像であると言うことができ
る。したがって診断性能を高めるため、この検出能を高
くすることが望まれるが、その最も大きな障害要因は各
種ノイズである。重ね合せ処理は、その各種ノイズを大
幅に減少させ、被写体の僅かな放射線吸収差も最終画像
において明確に観察可能にして、検出能を大幅に向上さ
せる方法である。すなわち、複数枚重ねた蓄積性蛍光体
シートに放射線画像を撮影(蓄積記録)し、この複数枚
のシートを読取処理にかけて得た複数の画像信号を加算
処理し、このことにより、前述の各種ノイズを減少させ
る。
【0004】従来、実際にこの重ね合せ処理を行うため
には、例えば、カセッテに蓄積性蛍光体シートを2枚重
ねて入れて被写体の撮影を行い、2枚の蓄積性蛍光体シ
ートに対して通常の読取処理を逐次行って2組の画像信
号を得、この2組の画像信号を加算処理する方法が用い
られている。
【0005】また一方、従来より放射線画像のサブトラ
クション処理が公知となっている。この放射線画像のサ
ブトラクションとは、異なった条件で撮影した2つの放
射線画像を光電的に読み出してデジタル画像信号を得た
後、これらのデジタル画像信号を両画像の各画素を対応
させて減算処理し、放射線画像中の特定の構造物を抽出
させる差信号を得る方法であり、このようにして得た差
信号を用いれば、特定構造物のみが抽出された放射線画
像を再生することができる。
【0006】このサブトラクション処理には、基本的に
次の2つの方法がある。すなわち、(1) 造影剤注入によ
り特定の構造物が強調された放射線画像の画像信号か
ら、造影剤が注入されていない放射線画像の画像信号を
引き算(サブトラクト)することによって特定の構造物
を抽出するいわゆる時間サブトラクション処理と、(2)
同一の被写体に対して相異なるエネルギー分布を有する
放射線を照射し、あるいは被写体透過後の放射線をエネ
ルギー分布状態を変えて2つの放射線検出手段に照射し
て、それにより特定の構造物が異なる画像を2つの放射
線画像間に存在せしめ、その後この2つの放射線画像の
画像信号間で適当な重み付けをした上で引き算(サブト
ラクト)を行って、特定の構造物の画像を抽出するいわ
ゆるエネルギーサブトラクション処理である。
【0007】このサブトラクション処理は特に医療診断
上きわめて有効な方法であるため、近年大いに注目さ
れ、電子工学技術を駆使してその研究、開発が盛んに進
められている。
【0008】しかしながら、上述したような蓄積性蛍光
体シートを用いた放射線画像の重ね合せ処理方法および
サブトラクション処理方法においては以下のような問題
が生じる。
【0009】すなわち、蓄積性蛍光体シートを用いた前
記各処理方法においては、2枚(3枚以上の場合もあ
る)の蓄積性蛍光体シートを順次もしくは同時に撮影台
に挿入して重ね合わせまたはサブトラクションすべき放
射線画像を撮影し、その後に蓄積性蛍光体シートを個別
に読取装置に挿入し、その都度蓄積性蛍光体シートに励
起光を照射することにより発せられた輝尽発光光を検出
することにより放射線画像を読み出すが、この過程にお
いては、撮影および読取りに関わるすべての装置の機械
的精度を上昇させたとしても、重ね合わせまたはサブト
ラクションされるべき画像間で位置ズレおよび回転ズレ
が生じることとなる。この結果、重ね合せ処理において
は各種ノイズがこの処理により平均化されて減少するも
のの、画像中の構造物の縁の部分をはじめ画像全体にボ
ケが生じ、観察すべき画像が観察に適さなくなり、また
サブトラクション処理においては消去されるべき画像が
消去されなかったり、逆に抽出すべき画像が消去されて
偽画像が生じて正確なサブトラクション像を得ることが
できなくなる。このように前述した位置ズレおよび回転
ズレにより、診断上重大な支障が生じるということが見
出された。
【0010】このようなズレが蓄積性蛍光体シートに蓄
積記録された放射線画像情報間に生じると放射線画像は
潜像として蓄積性蛍光体中に蓄積記録されているので、
X線画像を可視像としてとらえることのできるX線写真
フイルムの場合と異なって、目視によって2枚のX線写
真を合わせるといったことができず、ズレ補正は極めて
困難なものとなる。
【0011】さらに、何らかの手段により2つの放射線
画像間に生じる位置ズレおよび回転ズレを検出しえたと
しても読み取られた放射線画像のデータを補正すべく従
来公知の演算処理を行うと、特に回転ズレの補正の際に
多大な時間が費やされ、実用上非常に大きな問題とな
る。
【0012】そこで本出願人により特開昭58-163338 号
に、基準点または基準線を提供するような形状をもつマ
ーカーを用いた放射線画像のサブトラクション処理方法
を提案している。この方法は、マーカーを放射線画像に
対し固定した位置で2枚の蓄積性蛍光体シートに記録
し、この放射線画像の読取りの際にマーカーを検出し、
位置ズレおよび回転ズレを計算してサブトラクションす
べき放射線画像のいズレか一方をデジタルデータ上で回
転および/または移動し、この放射線画像の対応する各
画素間で画像データの引き算を行うものである。このマ
ーカーを用いた放射線画像のサブトラクション処理方法
における位置合せの工程は、上述した重ね合せ処理方法
にも適応することもできる。その場合、位置合せを行っ
た後に放射線画像の対応する各画素間で画像データの加
算処理を行えばよい。
【0013】しかしながら、この方法においては放射線
画像の撮影の都度、上述したようなマーカーを被写体と
ともに蓄積性蛍光体シートに蓄積記録しなければならな
い。そして、この蓄積記録した放射線画像のマーカーの
位置と重なる部分からは被写体の画像情報を得ることが
できないという問題がある。
【0014】そこで、本願出願人により位置合せのため
にマーカー等を用いることなく放射線画像の位置合せを
行う方法が提案されている(特願平4-318533号)。この
方法は、位置合せを行う複数の放射線画像のうちの1つ
の放射線画像にテンプレート領域を設定し、このテンプ
レート領域が他の放射線画像の一部と一致する領域を探
索するテンプレートマッチングを行って各放射線画像に
少なくとも2つの対応する領域を求め、各放射線画像の
対応する領域が一致するように各対応する領域の中の1
点に基づいてアフィン変換して、各放射線画像について
回転移動補正、拡大または縮小率補正および平行移動補
正を行う方法である。
【0015】この方法によれば、この対応する領域の中
の点(対応点)をマーカーの代りに位置合せのために使
用することができるので、マーカー等を被写体とともに
記録することなく、迅速で精度の高い位置合せをするこ
とができる。
【0016】このようなテンプレートマッチングを行う
方法としては、テンプレートを他の画像の全体に亘って
1画素ずつずらしながら、それぞれの位置において1画
素単位の解像度でテンプレートと画像との相関値を算出
し、この相関値が最大となる領域に含まれる対応点の位
置を求める方法が採用されていた。
【0017】ところが、この方法ではテンプレートと画
像との相関値が最大となる対応領域の位置を求めるた
め、莫大な回数の画素間演算が必要であった。
【0018】そこで、テンプレートマッチングを行う際
の演算量を低減させたテンプレートマッチング方法が提
案されている(特開昭63-211474 号公報)。この方法
は、複数の大きさのテンプレートを用意して、テンプレ
ートマッチングを複数段階に分割して行う階層化構造の
テンプレートマッチング方法である。すなわち、テンプ
レートの大きさに合わせて画像を間引いてテンプレート
マッチングを行い、結果として複数画素ずつテンプレー
トをずらしてテンプレートマッチングを行い、段階的に
テンプレートマッチングの解像度を高くして最終的な対
応点を求める方法である。この方法によれば、従来のテ
ンプレートマッチング方法と比較して大幅に少ない計算
量でテンプレートマッチングを行うことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭63- 211474号公報に開示された方法は、階層化
構造をしているため、テンプレートマッチングを行う画
像のサイズが大きい場合、精度良くマッチングを行うた
めには、層の数を大きくする必要があり、結果としてマ
ッチングを行うための計算量をそれ程削減できず、マッ
チングのための計算にやはり長時間を要するものとなっ
ていた。
【0020】本発明は上記事情に鑑み、画像サイズが大
きくなっても計算量がそれ程増大せず、精度良く高速に
マッチングを行うことができるテンプレートマッチング
方法を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によるテンプレー
トマッチング方法は、上記のようなテンプレートマッチ
ング方法において、先ずテンプレートを複数個の画素を
間引いて所定数の画素ごとに大きく移動させてテンプレ
ートと画像の一部との相関値を間引いた間隔の画素ごと
に求める粗サーチを行い、この粗サーチにより得られた
相関値が最大となる領域を基準領域と定め、次いでこの
基準領域を中心としてテンプレートを1画素だけその周
囲にずらして、テンプレートと画像の一部との相関値を
画素を間引かないで求める精サーチを行い、この精サー
チにより得られた相関値が最大となる領域が前記基準領
域である場合は、該基準領域を前記一致する領域とし、
該精サーチにより得られた相関値が最大となる領域が前
記基準領域以外の領域であった場合には、該最大となる
領域を新たな基準領域として再度前記精サーチを繰返し
て行い、前記基準領域が前記一致する領域となるまで前
記精サーチを繰り返すことを特徴とするものである。
【0022】また、本発明のもう一つの方法によるテン
プレートマッチング方法は、上述したテンプレートマッ
チングを行う方法において、上述した粗サーチを行った
後に、該粗サーチにより得られた前記相関値が最大とな
る領域と次に大きい値となる領域を求めてこれを第1お
よび第2の基準領域と定め、該第1および第2の基準領
域を中心としてテンプレートを1画素だけ周囲にずらし
て、テンプレートと画像の一部との相関値を求める精サ
ーチを行い、該精サーチにより得られる相関値が最大と
なる領域が前記第1または第2の基準領域の少なくとも
一方である場合は、該第1または第2の基準領域を前記
一致する領域とし、該精サーチにより得られる相関値が
最大となる領域が前記第1または第2の基準領域以外の
領域である場合は、該最大となる領域が前記第1および
第2の基準領域からみて略同一方向に向かう側または互
いに略近付く方向に向かう側にあるか否かを検出し、該
最大となる領域が前記第1および第2の基準領域からみ
て略同一方向に向かう側または互いに略近付く方向に向
かう側にある場合は、該最大となる領域を新たな第1お
よび第2の基準領域と定め、前記第1または第2の基準
領域の少なくとも一方が前記一致する領域となるまで前
記精サーチを繰り返すことを特徴とするものである。
【0023】なお、このテンプレートマッチング方法に
おいて、前記最大となる領域が前記第1および第2の基
準領域からみて略同一方向に向かう側または互いに略近
付く方向に向かう側にない場合は、粗サーチを行う際の
テンプレートを画像上において移動させる前記画素の間
隔を前記所定数よりも小さい数としてテンプレートマッ
チングをやり直すのが望ましい。
【0024】また、これらのテンプレートマッチング方
法において、前記最大となる領域が前記第1および第2
の基準領域からみて互いに略近付く方向に向かう側にあ
る場合は、該第1または第2の基準領域の少なくともい
ずれか一方が前記最大となる領域となるまで前記精サー
チを繰り返すようにしてもよい。
【0025】あるいは、この場合は、該第1および第2
の2つの基準領域が一致するまで前記精サーチを繰り返
すようにしてもよい。
【0026】さらにこの場合は、該第1または第2の基
準領域のいずれか一方についてのみ前記最大となる領域
となるまで前記精サーチを繰り返すようにすることもで
きる。
【0027】さらにこの場合は、該第1または第2の基
準領域のうち該同一方向に向かう側にある基準領域につ
いてのみ前記最大となる領域となるまで前記精サーチを
繰り返すようにしてもよい。
【0028】
【作用】本発明によるテンプレートマッチング方法は、
まず粗サーチを行うことにより、1画素ずつずらしてテ
ンプレートマッチングを行う場合よりも少ない計算量で
テンプレートと他の画像との相関値が最大となる領域の
候補である基準領域を求めた後、この基準領域を中心と
してテンプレートを1画素だけ周囲にずらして相関値を
求める精サーチを行い、基準領域がテンプレートと他の
画像の一部とが一致する領域となるまで精サーチを繰り
返すようにしたものである。このように粗サーチ、精サ
ーチという2つのステップで相関値の最大値を求めるよ
うにしたため、テンプレートを画像上で1画素ずつずら
してテンプレートマッチングを行う場合よりも計算量は
少なくなり、さらに前述した階層構造のテンプレートマ
ッチング方法のように複数のテンプレートを用意して画
像の全面についてテンプレートと画像との相関値を求め
る必要もなくなる。
【0029】また、、粗サーチのときに相関値の最大値
とともに最大値の次に大きい値となる領域を第1および
第2の基準領域とし、この2つの基準領域について前述
した精サーチを行うことにより、テンプレートと他の画
像の一部との相関値を求めるときの精度を向上させるこ
とができる。
【0030】さらに、精サーチの際の相関値が最大値と
なる領域が第1および第2の基準領域からみて略同一方
向に向かう側または互いに略近付く方向に向かう側にな
い場合は、テンプレートと他の画像との相関値が最大と
なる領域を求めることができない。したがって、粗サー
チを行うときのテンプレートを移動させる画素の間隔を
小さくすることにより、第1および第2の基準領域をテ
ンプレートと他の画像との相関値が最大となる領域の候
補により近い領域として求めることができる。
【0031】また、精サーチの際の相関値が最大値とな
る領域が第1および第2の基準領域からみて略同一方向
に向かう側または互いに略近付く方向に向かう側にある
場合は、第1または第2の基準領域のいずれか一方が最
大となる領域となるまで精サーチを繰り返す、あるいは
第1または第2の基準領域のいずれかについてのみ精サ
ーチを行うようにすれば、テンプレートマッチングのた
めの計算時間をより短縮できる。
【0032】さらに、この場合において、第1および第
2の基準領域が一致するまで精サーチを行うことによ
り、テンプレートと他の画像の一部との相関値を求める
際の精度を向上させることができる。
【0033】また、精サーチの際の相関値が最大値とな
る領域が第1および第2の基準領域からみて略同一方向
に向かう側にある場合は、第1または第2の基準領域の
いずれか一方が最大となる領域となるまで精サーチを繰
り返すようにすれば、テンプレートマッチングのための
計算時間をより短縮できる。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0035】図1は、本発明に用いられる放射線画像を
記録する装置の一実施例である放射線撮影装置の概略図
である。この撮影により得られる放射線画像は、エネル
ギーサブトラクション処理に用いられるものである。
【0036】フィルタ6を間に挟み蓄積性蛍光体シート
5および7がシート7を下にして重ねられている。この
上には、被写体4を介して放射線3を発する放射線源2
が配置されている。以上のように、放射線撮影装置1が
構成されている。
【0037】この放射線源2から発せられた放射線3が
被写体4に照射される。被写体4を透過した放射線3aは
第1の蓄積性蛍光体シート5に照射され、放射線3aのエ
ネルギーの一部が第1の蓄積性蛍光体シート5に記録さ
れ、これによりシート5に被写体4の放射線画像が蓄積
記録される。シート5を透過した放射線3bはさらにフィ
ルタ6を透過し、フィルタ6を透過した放射線3cが第2
の蓄積性蛍光体シート7に照射される。これによりシー
ト7にも被写体4の放射線画像が蓄積記録される。
【0038】図2は、各蓄積性蛍光体シート5および7
に蓄積記録された放射線画像を模式的に表した図であ
る。各蓄積性蛍光体シート5および7の略全面に被写体
4の各放射線画像4a、4bが蓄積記録されている。すなわ
ち、放射線画像4aは上側の蓄積性蛍光体シート5から、
放射線画像4bは下側の蓄積性蛍光体シート7から得られ
た放射線画像となる。
【0039】図3は、本発明に用いる放射線画像を読取
る読取ユニットの一実施例である放射線画像読取装置お
よび本発明の位置合せ方法を実施し、サブトラクション
処理を行う演算ユニットの一実施例である画像処理表示
装置の斜視図である。
【0040】図1に示す放射線撮影装置1で撮影が行わ
れた後、第1および第2の蓄積性蛍光体シート5、7が
1枚ずつ放射線画像読取装置10の所定位置にセットされ
る。ここでは、第1の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録
された第1の放射線画像の読取りの場合について説明す
る。
【0041】所定位置にセットされた、第1の放射線画
像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート5は、図示しな
い駆動手段により駆動されるエンドレスベルト等のシー
ト搬送手段15により、矢印Y方向に搬送(副走査)され
る。一方、レーザ光源16から発せられた光ビーム17はモ
ータ18により駆動され矢印Z方向に高速回転する回転多
面鏡19によって反射偏向され、fθレンズ等の集束レン
ズ20を透過した後、ミラー21により光路を変えて蓄積性
蛍光体シート5に入射し、副走査の方向(矢印Y方向)
と略垂直な矢印X方向に主走査する。蓄積性蛍光体シー
ト5の光ビーム17が照射されたか所からは、蓄積記録さ
れている放射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光22が
発せられ、この輝尽発光光22は光ガイド23によって導か
れ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)24によって
光電的に検出される。光ガイド23はアクリル板等の導光
性材料を成形して作られたものであり、直線状をなす入
射端面23a が蓄積性蛍光体シート5上の主走査線にそっ
て延びるように配され、円環状に形成された射出端面23
b にフォトマルチプライヤ24の受光面が結合されてい
る。入射端面23a から光ガイド23内に入射した輝尽発光
光22は、該光ガイド23の内部を全反射を繰り返して進
み、射出端面23b から射出してフォトマルチプライヤ24
に受光され、放射線画像を表す輝尽発光光22がフォトマ
ルチプライヤ24によって電気信号に変換される。フォト
マルチプライヤ24から出力されたアナログ信号Sは、ロ
グアンプ25で対数的に増幅された後、A/D変換器26に
入力され、サンプリングされてデジタルの画像信号SO
が得られる。この画像信号SOは第1の蓄積性蛍光体シ
ート5に蓄積記録された第1の放射線画像を表すもので
あり、第1の画像信号SO1 と呼ぶ。この第1の画像信
号SO1 は画像処理表示装置30内の内部メモリーに一旦
記録される。
【0042】この画像処理表示装置30は、種々の指示を
入力するキーボード31、指示のための補助情報や画像信
号に基づく可視画像を表示するCRTディスプレイ32、
補助記憶媒体としてのフロッピーディスクが装填され駆
動されるフロッピィディスク駆動装置33、およびCPU
や内部メモリが内蔵された本体部34が備えられている。
【0043】次に上記と同様にして、第2の蓄積性蛍光
体シート7に蓄積記録された第2の放射線画像を表す第
2の画像信号SO2 が得られ、この第2の画像信号SO
2 も画像処理表示装置30内の内部メモリに一旦記憶され
る。
【0044】このようにしてサブトラクション演算を行
うべき2つの画像信号SO1 、SO2 が内部メモリに記
憶されると、これら2つの画像信号SO1 、SO2 が読
み出されて、これら2つの画像信号SO1 、SO2 が担
持する各放射線画像の各画素間で対応したサブトラクシ
ョン演算が行われるように、画像の位置合せが行われ
る。
【0045】ここで、本実施例における、画像信号SO
1 ,SO2 ,が表す2つの放射線画像の位置合せ方法に
ついて説明する。
【0046】本発明による放射線画像の位置合せ方法に
おいては、図1における放射線源2に近い位置にある蓄
積性蛍光体シート5より得られた放射線画像4aを図4に
示すように4等分して4つの領域14A,14B,14C,14
Dを定める。そして各領域について、クロス型のフィル
タを用いて画像をフィルタリング処理してフィルタの出
力最大値を与える点を検出する。
【0047】ここで、フィルタのマトリクスをAij(i=
1,2,……n 、j=1,2,……n )としたとき、フィルタを表
す式は
【0048】
【数1】
【0049】となるが、クロス型フィルタとは、要素a
=Ai,j(i=j or i=n-j-1),b=Ai,j(i ≠j and i ≠n-
j-1)としたときにa≠b(a>b)であるようなマトリ
クスをいうものであり、本実施例においては、例えば
【0050】
【数2】
【0051】というマトリクスを用いる。
【0052】このようなクロス型のフィルタを用いるこ
とによって、図4に示すように、ろっ骨とろっ骨とが交
わるクロスエッジのような構造の複雑な部分、すなわ
ち、その周囲の領域からみて極端に濃度が変化する点を
検出することができ、本実施例においては4つの点40
A,40B,40C,40Dを検出することができる。なお、
このようなクロスエッジは4つの領域14A〜14D中に複
数存在するが、本実施例においては各領域においてフィ
ルタの出力が最大値となった点40A,40B,40C,40D
を検出するものとする。
【0053】このようにして4つの点40A〜40Dが検出
されると、各点を中心としたテンプレート領域を放射線
画像4a上に設定する。すなわち、図5に示すように4等
分した各領域14A〜14Dに点40A〜40Dを中心としたテ
ンプレート領域41A〜41Dを設定する。
【0054】次いで各テンプレート領域41A〜41Dを放
射線画像4b上において所定範囲内で移動させてテンプレ
ートマッチングを行う。
【0055】ここで、テンプレートマッチングの方法に
ついて説明する。
【0056】まず、図5に示すテンプレート領域41A〜
41Dを、図6に示す放射線画像4bの4等分された領域43
A〜43D内でそれぞれ移動させる。この際各テンプレー
ト領域41A〜41Dは5画素ごとに移動させる粗サーチを
行う。例えば、領域43Aについては図7に示すように、
斜線部分の画素に、テンプレート領域41Aの中心点を一
致させてテンプレート領域41Aと放射線画像4bの一部の
領域43Aとの相関値を求める。この相関値は前述した相
関法またはSSDAを用いて行う。
【0057】このようにして粗サーチが行われた後、こ
の粗サーチにより得られた相関値が最大となる第1の基
準領域および最大の次に大きい値となった第2の基準領
域を求める。本実施例においては、図8に示す画素50A
を中心とする第1の基準領域51Aと、画素50Bを中心と
する第2の基準領域51Bとが求められる。
【0058】第1および第2の基準領域51A,51Bが求
められると、テンプレート領域41Aの中心を各基準領域
51A,51Bの中心の画素50A,50Bの周囲に1画素だけ
ずらしてテンプレート領域41Aと領域43Aとの相関値を
求める精サーチを行う。例えば、第1の基準領域51Aに
ついてみると、図9(a) に示すように、画素50Aの周囲
をとりまく8つの画素52A〜52Hのそれぞれとテンプレ
ート領域41Aの中心とを一致させて8つの相関値を得
る。これを図9(b) に示すように第2の基準領域51Bの
周囲の画素53A〜53Hについても同様に行い8つの相関
値を得る。
【0059】このように各基準領域51A,51Bについて
それぞれ8つの相関値が得られた後に、8つの相関値お
よびテンプレート領域41Aの中心と各画素50A,50Bと
が一致したときの相関値の比較を行い、この9つの相関
値の中から最大となる相関値を与える画素を求める。本
実施例においては図8のI-I 線断面図におけるテンプレ
ート41Aと領域43Aとの相関値は、図10に示すような分
布となっているため第1の基準領域51Aにおいては画素
52Fとテンプレート領域41Aの中心とが一致したときに
得られる相関値が最大となり、第2の基準領域51Bにお
いては画素53Bとテンプレート領域41Aの中心とが一致
したときに得られる相関値が最大となる。
【0060】このように、精サーチにより得られる相関
値が最大となる領域が基準領域51A,51B以外の領域と
なる場合は、相関値が最大となる画素52F,53Bを中心
としたテンプレート領域41Aと略同一の大きさの領域を
新たな第1および第2の基準領域として再度各画素52
F,53Bの周囲にテンプレート領域41Aの中心を1画素
だけずらしてテンプレート領域41Aと領域43Aとの相関
値を求める精サーチを行う。
【0061】そしてこのような精サーチを、第1および
第2の基準領域が一致するまで行うと、図11に示すよう
に、画素50Aと画素50Bとの中間でやや画素50A寄りに
ある画素54を中心としたテンプレート41Aと同一の大き
さの領域が、第1および第2の基準領域が一致した領域
となる。
【0062】このように、第1および第2の基準領域51
A,51Bが一致したときに、各基準領域51A,51Bの中
心となる画素54が本実施例において求めるべき対応点と
なる。
【0063】このように、粗サーチ、精サーチという2
段階のステップでテンプレートマッチングを行うことに
より、従来のテンプレート領域を1画素ずつずらしてテ
ンプレートマッチングを行う場合、さらには階層化構造
のテンプレートマッチングを行う場合と比較して少ない
画素により相関値を求めることができるため、演算時間
を短縮することができ、しかも1画素ずつテンプレート
マッチングを行う場合と変わらない精度で対応点を求め
ることができる。
【0064】以上説明したテンプレートマッチングを放
射線画像4bの4等分した領域43A〜43Dについて行い、
図6に示すような4つの領域43A〜43Dのそれぞれに4
つの対応点44A〜44Dが求められる。
【0065】次いで、放射線画像4a上における各点40A
〜40Dを基準対応点とし、各基準対応点の座標を(ui
,vi )(i=1〜4)として、アフィン変換
【0066】
【数3】
【0067】但し、mは拡大,縮小率、θは回転量、
A,Bは回転移動補正および拡大または縮小率補正を示
す係数、C,Dは平行移動補正を示す係数にしたがっ
て、各対応点(xi ,yi )の座標を変換することによ
り第1の放射線画像4aと第2の放射線画像4bとを重ね合
せる。ここで式(3) に基づく座標変換では、第2の放射
線画像全体をX方向とY方向とで互いに独立に拡大もし
くは縮小すること、第2の放射線画像全体を回転移動す
ること、および第2の放射線画像をX方向,Y方向に平
行移動すること、のすべてが同時に行われる。
【0068】ここで、式(3) に含まれる係数A,B,
C,Dの求め方について説明する。
【0069】本発明においては、最小二乗法により係数
A,B,C,Dを決定するものであり、まず、基準対応
点(ui ,vi )と対応点(xi ,yi )との位置的な
誤差Eを、 E=Σ(u−ui )2 +Σ(v−vi )2 =Σ(A・xi −B・yi +C−ui )2 +Σ(B・xi +A・yi +D−vi )2 …(4) とし、誤差Eの二乗誤差を最小にするために式(4) を解
くと、
【0070】
【数4】
【0071】となる。よって、式(5) から1次方程式を
解くと、係数A,B,C,Dは以下のように求められ
る。
【0072】 A=[d・(e+f)−b・i −c・j ]/Δ B=[d・(g+h)+c・i−b・j]/Δ C=[−b・(e+f)+c・(−g+h)+a・i]
/Δ D=[−c・(e+f)−b・(−g+h)+a・j]
/Δ 但し、Δ=a・d−b2 −c2 a=Σ(xi 2 +yi 2 ),b=Σxi ,c=Σyi ,
d=Σ e=Σxi ・ui ,f=Σyi ・vi ,g=Σyi ・u
i ,h=Σxi ・vi ,i=Σui ,j=Σvi …(6) このようにして求められた係数、A,B,C,Dを用い
て式(3) により座標変換を行うことにより、各対応点44
A〜44Dと基準対応点41A〜41Dとの誤差が最小となる
ように第2の放射線画像4bを第1の放射線画像4aに略等
しく合せることができる。すなわち、図12に示すよう
に、本発明の位置合せ方法により55組の放射線画像の位
置合せを行ったデータでみてみると、基準レベルを|R
|=4.5、 max|Ri |=1.00とした場合、すべてのデ
ータが基準レベル以内、しかも|R|=3.15、 max|R
i |=0.7 内に入っており、図13に示す従来の方法によ
る位置合せ結果と比較して、非常に高精度に位置合せが
行われていることがわかる。
【0073】このようにしてアフィン変換が行われた
後、サブトラクション処理、すなわち画像信号SO2
位置合せ後の画像信号をSO2 ′としたとき、 S1−Wa・SO1 −Wb・SO2 ′+C …(7) 但し、Wa,Wbは重み付け係数、Cはバイアス分を表
す。
【0074】により重み付け引き算が行われ、これによ
り2つの放射線画像の差の画像に対応する画像信号S1
が生成される。この画像信号S1は画像処理表示装置30
のCRTディスプレイ32に送られ、この画像信号S1に
基づく可視画像(エネルギーサブトラクション画像)が
CRTディスプレイ32に再生表示される。なお、本体部
34で実行される上記サブトラクション処理を行う機能
(ハードウェアとソフトウェアとの組合せ)が本発明の
演算ユニットの一例と観念される。
【0075】なお、上記実施例においては、第1および
第2の基準領域51A,51Bが一致するまで精サーチを行
うようにしているが、これに限定されるものではなく、
第1または第2の基準領域51A,51Bのいずれか一方の
領域が、相関値が最大となった時点で精サーチを止め、
この相関値が最大となった領域の中心となる画素を前述
した対応点とするようにしてもよい。すなわち、図11に
示すように画素54が対応点となる場合、2つの画素51
A,51Bを第1および第2の基準領域の中心として精サ
ーチを行うと、画素50Aを中心とする第1の基準領域の
方が画素50Bを中心とする第2の基準領域と比較して早
い処理段階で領域の中心が画素54に一致する。すなわ
ち、第1の基準領域の中心は2回の精サーチにより画素
54と一致するが、第2の基準領域の中心は精サーチを3
回行わなければ画素54と一致しない。
【0076】このような場合、第2の基準領域の中心を
画素54と一致させるため、3回目の精サーチは行わなく
とも対応点を設定することができるため、第1または第
2の基準領域51A,51Bのいずれか一方の領域が、相関
値が最大となった時点で精サーチを止め、相関値が最大
となった領域の中心となる画素を対応点とすれば、演算
時間を短縮できるためより好ましい。
【0077】また、図11に示すような場合は第1および
第2の基準領域の双方について精サーチを行う必要はな
く、相関値が最大となる領域が、第1および第2の基準
領域かにみて略近づく方向に向かう側にある場合は、第
1の基準領域または第2の基準領域のいずれか一方の領
域についてのみ精サーチを行えば、図11に示す画素54を
対応点として求めることができる。そしてこれにより、
テンプレートマッチングを行う際の計算量をさらに低減
させることができるためより好ましい。
【0078】また、図14に示すように対応点となるべき
画素が、画素55である場合、第1および第2の基準領域
51A,51Bは図示矢印A,B方向へ移動し、各基準領域
51A,51Bの中心が画素55と一致することとなるが、こ
の場合は前述した実施例と同様に、各基準領域51A,51
Bが一致するまで精サーチを繰り返すようにしてもよ
い。また、1回目の精サーチにより相関値が最大となる
領域が第1および第2の基準領域からみて略同一方向に
向かう側にある場合は、演算時間短縮のために、図1に
示す矢印A,B方向に向かう側にある第1の基準領域51
Aのみを、相関値が最大となる領域となるまで精サーチ
を繰り返すようにすることが好ましい。
【0079】さらに、上述した実施例においては、精サ
ーチを繰り返し行うことにより対応点を求めるようにし
ているが、粗サーチにより求められた基準領域の中心と
なる画素を中心として精サーチを行った結果、中心とな
る画素の周囲の画素とテンプレート領域との相関値より
も、粗サーチにより得られた相関値の方が大きい場合
は、粗サーチにより求められた基準領域の中心となる画
素が求めるべき対応点とになる。
【0080】また、上述した実施例においては、精サー
チを繰り返すことにより第1および第2の基準領域が対
応点となるべき画素の方向へ向かって移動していくが、
例えば図15に示すように、粗サーチにより求められた第
1および第2の基準領域の中心となる画素50A,50B
が、精サーチにより矢印C,Dに示すように全く異なる
方向(すなわち、同一方向でもなく、互いに近付く方向
でもない場合)に移動する場合がある。また、相関値が
図16に示すような分布をしている場合は、第1および第
2の基準領域の中心は略同一方向へ動くが、2つの基準
領域はそれぞれ異なる画素を中心としたときに相関値が
最大となるため、放射線画像4bの4つの領域中に唯一の
対応点を設定することができない。このような場合は、
粗サーチを行うときの画素の間隔を小さくして再度粗サ
ーチを行うようにすればよい。すなわち、図17の斜線に
示すように、テンプレート領域を3画素ごとに移動させ
ればよい。このように粗サーチの際の画素の間隔を小さ
くすることにより、図16に示すような相関値の分布を示
す場合であっても、図18に示すように相関値の最大値へ
と向かう画素を第1および第2の基準領域の中心として
求めることができることとなる。なお、再度粗サーチを
行っても相関値が最大となる唯一の画素が求められない
場合は、さらに粗サーチを行う際の画素の間隔を小さく
(例えば2画素)とすればよい。
【0081】また、上記実施例においては、粗サーチの
結果得られた相関値が最大となる領域および最大の次に
大きい値となる領域の2つの領域を基準領域として求
め、その後精サーチを行うようにしているが、粗サーチ
により得られた相関値が最大となる1つの領域のみを基
準領域として精サーチを行うようにしてもよい。この場
合、基準領域を2つ設定して精サーチを行う場合よりも
精度は劣るが、演算時間を短縮することができる。
【0082】また、上記実施例においては、図9に示す
ように粗サーチにより求められた基準領域の中心の画素
の周囲8画素についてテンプレートを移動させて相関値
を求めるようにしているが、計算量を低減させるために
基準領域の中心の画素の周囲4画素について精サーチを
行うようにしてもよい。すなわち、図9(a) に示す画素
52A ,52C ,52E ,52G 、図9(b) に示す画素53A ,53
C ,53E ,53G についてのみ精サーチを行うようにして
もよいものである。
【0083】なお、上記実施例においては、図1におけ
る放射線源2からみて遠い位置にある蓄積性蛍光体シー
ト7より得られる放射線画像からテンプレートマッチン
グにより検出された対応点をアフィン変換するようにし
ているが、これは以下の理由によるものである。すなわ
ち、図1に示すようないわゆるワンショットで2枚の蓄
積性蛍光体シートに放射線画像を蓄積記録するような場
合は、2枚のシート5,7はフィルタ6を挟んで空間的
に互いに異なる位置に配置されることとなり、これによ
り2枚のシートの放射線源2および被写体4からの距離
が異なり、このため各シート5,7に記録される放射線
画像の寸法が異なり放射線源2からみて遠い位置にある
シート7に蓄積記録される放射線画像4bはシート5に蓄
積記録される放射線画像4aと比較してボケたり、散乱線
が多い画像となる。また、上述したアフィン変換を行っ
た場合、変換された画像については、各画素間は何らか
の補間をする必要があるため多少なりとも画質が劣化す
るものである。したがって、画質のよい放射線画像4aを
アフィン変換し画質を劣化させるよりも、放射線画像4a
と比較して画質が劣る放射線画像4bを変換した方が、結
果として得られるサブトラクション画像の画質が担保さ
れることとなる。したがって、放射線源2からみて遠い
位置にある蓄積性蛍光体シート7から得られた放射線画
像4bをアフィン変換することとしたものである。
【0084】また、上述した実施例においては、放射線
画像上に4つの対応点を設定してアフィン変換を行うよ
うにしているが、この点の数は3点以上であればいくつ
でもよく、また対応点が多いほど位置合せの精度も向上
するものである。しかしながら、対応点の数が多いと演
算時間が長くなるため、位置合せ精度と演算時間との兼
ね合いから対応点の数を設定するのが好ましい。
【0085】さらに、上述した実施例においては、エネ
ルギーサブトラクション処理を行うために2つの放射線
画像の位置合せを行うようにしているが、重ね合せ処理
を行うために2つの放射線画像の位置合せを行うように
してもよい。すなわち、図9に示すように図2と同様の
放射線画像撮影装置1においてフィルタ6を用いること
なく2枚の蓄積性蛍光体シート5′,7′に被写体4の
放射線画像を蓄積記録し、蓄積性蛍光体シート5′,
7′から図3に示す放射線画像読取装置により2つの放
射線画像を表す画像信号SO1 ,SO2 を得、2枚の蓄
積性蛍光体シート5′,7′から得られた放射線画像の
うち、シート7′から得られた放射線画像を上述した実
施例と同様にアフィン変換を施して位置合せを行った
後、重ね合せ処理、すなわち画像信号SO2 の位置合せ
後の画像信号SO2 ′としたとき、 S2=Wc・SO1 +Wd・SO2 ′ …(8) 但し、Wc,Wdは重み付け係数により、重み付け加算
が行われ、これにより2つの放射線画像の和の画像に対
応する画像信号S2を生成するものである。
【0086】また、上述した実施例においては、クロス
型フィルタにより放射線画像をフィルタリング処理し
て、フィルタ出力の最大値を与える点を検出するように
しているが、この点としては例えば、分割された各領域
の中の最大値を表す点、ある所定値以上の点等、いかな
る点を用いてもよいものである。
【0087】さらに、上述した実施例においては、2つ
の放射線画像の位置合せについて説明しているが、位置
合せを行う放射線画像の数は3枚以上であってもよいも
のである。この場合、3以上の放射線画像のうち、1つ
の放射線画像に上述した基準対応点を設定し、他の放射
線画像についてテンプレートマッチングにより対応点を
設定し、各放射線画像の対応点をアフィン変換により基
準対応点に合わせるようにすればよい。
【0088】また、上述した実施例においては式(3) に
示すアフィン変換により位置合せを行うようにしている
が、一般式である
【0089】
【数5】
【0090】(但し、u,vは基準対応点の座標、x,
yは変換される対応点の座標、a,b,c,dは回転移
動補正および拡大または縮小率補正を示す係数、e,f
は平行移動補正を示す係数)により表されるアフィン変
換を行うものであれば、いかなる係数により位置合せを
行うようにしてもよいものである。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
るテンプレートマッチング方法は、粗サーチおよび精サ
ーチという2つのステップによりテンプレートと画像の
一部との相関値を求めるようにしたため、テンプレート
を画像上で1画素ずつずらしてテンプレートマッチング
を行う場合よりも計算量は少なくなり、さらに前述した
階層構造のテンプレートマッチング方法のように複数の
テンプレートを用意して画像の全面についてテンプレー
トと画像との相関値を求める必要もなくなるため、少な
い計算量で高速かつ迅速に高精度のテンプレートマッチ
ングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるサブトラクションを行う
放射線画像を得る放射線画像記録装置の概略図
【図2】各蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線
画像を模式的に表す図
【図3】本発明による放射線画像位置合せ方法を実施す
るための装置を内包した画像読取装置の概略を表す図
【図4】放射線画像を分割して基準対応点を設定した状
態を表す図
【図5】放射線画像にテンプレート領域を設定した状態
を表す図
【図6】他の放射線画像に対応点を設定した状態を表す
【図7】粗サーチを行う際の画像の一部の画素の間隔を
表す図
【図8】粗サーチにより相関値が最大となる第1の基準
領域および最大の次の値となる第2の基準領域が求めら
れた状態を表す図
【図9】精サーチにより相関値を求める際に基準領域の
中心となる画素の周囲の画素を表す図
【図10】相関値の分布を表すグラフ
【図11】第1の基準領域と第2の基準領域とが一致し
た状態を表す図
【図12】本発明により位置合せがなされた結果を表す
【図13】従来の方法により位置合せがなされた状態を
表す図
【図14】第1および第2の基準領域が精サーチにより
移動する方向を表す図
【図15】第1および第2の基準領域が精サーチにより
移動する方向を表す図
【図16】相関値の分布を表すグラフ上で第1および第
2の基準領域が精サーチにより移動する方向を表す図
【図17】粗サーチを行う際の画像の一部の画素の間隔
を小さくした状態を表す図
【図18】相関値の分布を表す図
【図19】本発明の実施例による重ね合せを行う放射線
画像を得る放射線画像記録装置の概略図
【符号の説明】
1 放射線撮影装置 2 放射線源 3 放射線 4 被写体 5 第1の蓄積性蛍光体シート 6 フィルタ 7 第2の蓄積性蛍光体シート 10 放射線画像読取装置 15 シート搬送手段 16 レーザ光源 17 光ビーム 18 モータ 19 回転多面鏡 20 集束レンズ 21 ミラー 22 輝尽発光光 23 光ガイド 24 フォトマルチプライヤ 25 ログアンプ 26 A/D変換器 30 画像処理表示装置 31 キーボード 32 CRTディスプレイ 33 フロッピィディスク駆動装置 34 本体部 40A〜40D 基準対応点 41A〜41D テンプレート領域 44A〜44D 対応点 50A 第1の基準領域の中心となる画素 50B 第2の基準領域の中心となる画素 51A 第1の基準領域 51B 第2の基準領域 54,55 対応点となる画素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 1/00 G06F 15/62 390 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像の一部に相当するテンプレートを他
    の画像の一部にマッチングさせることにより前記テンプ
    レートと前記他の画像の一部とが一致する領域を求める
    テンプレートマッチングを行う方法において、 前記他の画像上において前記テンプレートを所定数の画
    素ごとに移動させて前記テンプレートと前記他の画像の
    一部との相関値を求める粗サーチを行い、 該粗サーチにより得られた前記相関値が最大となる領域
    を基準領域と定め、 該基準領域を中心として前記テンプレートを1画素だけ
    周囲にずらして、前記テンプレートと前記他の画像の一
    部との相関値を求める精サーチを行い、 該精サーチにより得られる相関値が最大となる領域が前
    記基準領域である場合は、該基準領域を前記一致する領
    域とし、 該精サーチにより得られる相関値が最大となる領域が前
    記基準領域以外の領域である場合は、該最大となる領域
    を新たな基準領域として再度前記精サーチを行い、 前記基準領域が前記一致する領域となるまで前記精サー
    チを繰り返すことを特徴とするテンプレートマッチング
    方法。
  2. 【請求項2】 画像の一部に相当するテンプレートを他
    の画像の一部にマッチングさせることにより前記テンプ
    レートと前記他の画像の一部とが一致する領域を求める
    テンプレートマッチングを行う方法において、 前記他の画像上において前記テンプレートを所定数の画
    素ごとに移動させて前記テンプレートと前記他の画像の
    一部との相関値を求める粗サーチを行い、 該粗サーチにより得られた前記相関値が最大および次に
    大きい値となる領域を第1および第2の基準領域と定
    め、 該第1および第2の基準領域を中心として前記テンプレ
    ートを1画素だけ周囲にずらして、前記テンプレートと
    前記他の画像の一部との相関値を求める精サーチを行
    い、 該精サーチにより得られる相関値が最大となる領域が前
    記第1または第2の基準領域の少なくとも一方である場
    合は、該第1または第2の基準領域を前記一致する領域
    とし、 該精サーチにより得られる相関値が最大となる領域が前
    記第1または第2の基準領域以外の領域である場合は、
    該最大となる領域が前記第1および第2の基準領域から
    みて略同一方向に向かう側または互いに略近付く方向に
    向かう側にあるか否かを検出し、 該最大となる領域が前記第1および第2の基準領域から
    みて略同一方向に向かう側または互いに略近付く方向に
    向かう側にある場合は、該最大となる領域を新たな第1
    および第2の基準領域と定め、 前記第1または第2の基準領域の少なくとも一方が前記
    一致する領域となるまで前記精サーチを繰り返すことを
    特徴とするテンプレートマッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記最大となる領域が前記第1および第
    2の基準領域からみて略同一方向に向かう側または互い
    に略近付く方向に向かう側にない場合は、前記粗サーチ
    を行う際の前記テンプレートを前記他の画像上において
    移動させる前記画素の間隔を前記所定数よりも小さい数
    とすることを特徴とする請求項2記載のテンプレートマ
    ッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記最大となる領域が前記第1および第
    2の基準領域からみて互いに略近付く方向に向かう側に
    ある場合は、該第1または第2の基準領域のいずれか一
    方が前記最大となる領域となるまで前記精サーチを繰り
    返すことを特徴とする請求項2または3記載のテンプレ
    ートマッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記最大となる領域が前記第1および第
    2の基準領域からみて互いに略近付く方向に向かう側に
    ある場合は、該第1および第2の基準領域が一致するま
    で前記精サーチを繰り返すことを特徴とする請求項2ま
    たは3記載のテンプレートマッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記最大となる領域が前記第1および第
    2の基準領域からみて互いに略近付く方向に向かう側に
    ある場合は、該第1または第2の基準領域のいずれか一
    方についてのみ前記最大となる領域となるまで前記精サ
    ーチを繰り返すことを特徴とする請求項2または3記載
    のテンプレートマッチング方法。
  7. 【請求項7】 前記最大となる領域が前記第1および第
    2の基準領域からみて略同一方向に向かう側にある場合
    は、該第1または第2の基準領域のうち該同一方向にに
    向かう側にある基準領域についてのみ前記最大となる領
    域となるまで前記精サーチを繰り返すことを特徴とする
    請求項2または3記載のテンプレートマッチング方法。
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