JP2582660B2 - 異常陰影検出装置 - Google Patents

異常陰影検出装置

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JP2582660B2
JP2582660B2 JP2203071A JP20307190A JP2582660B2 JP 2582660 B2 JP2582660 B2 JP 2582660B2 JP 2203071 A JP2203071 A JP 2203071A JP 20307190 A JP20307190 A JP 20307190A JP 2582660 B2 JP2582660 B2 JP 2582660B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、被写体の放射線画像を表わす画像データに
基づいて放射線画像に略円形パターンとして現われる異
常陰影を検出する異常陰影検出装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 記録された放射線画像を読み取って画像データを得、
この画像データに適切な画像処理を施した後、画像を再
生記録することは種々の分野で行なわれている。たとえ
ば、後の画像処理に適合するように設計されたガンマ値
の低いX線フイルムを用いてX線画像を記録し、このX
線画像が記録されたフイルムからX線画像を読み取って
電気信号(画像データ)に変換し、この画像データに画
像処理を施した後コピー写真等に可視像として再生する
ことにより、コントラスト,シャープネス,粒状性等の
画質性能の良好な再生画像を得ることが行なわれている
(特公昭61−5193号公報参照)。
また本願出願人により、放射線(X線,α線,β線,
γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの放射線エネ
ルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照
射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す
蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被
写体の放射線画像情報をシート状の蓄積性蛍光体に一旦
記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起
光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光
光を光電的に読み取って画像データを得、この画像デー
タに基づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録
材料、CRT等に可視像として出力させる放射線画像記録
再生システムがすでに提案されている(特開昭55−1242
9号,同56−11395号,同55−163472号,同56−104645
号,同55−116340号等)。
このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真
システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって
画像を記録しうるという実用的な利点を有している。す
なわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量に対し
て蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の光量が極
めて広い範囲にわたって比例することが認められてお
り、従って種々の撮影条件により放射線露光量がかなり
大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射される
輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定して光
電変換手段により読み取って電気信号に変換し、この電
気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表
示装置に放射線画像を可視像として出力させることによ
って、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像を
得ることができる。
上記X線フイルムや蓄積性蛍光体シート等を用いたシ
ステム、特に人体の医療診断用として構成されたシステ
ムにおいて、近年、単に観察(診断)に適した良好な画
質性能を備えた再生画像を得ることに加えて、画像の自
動認識が行なわれてきている(たとえば特開昭62−1254
81号公報参照)。
ここで画像の自動認識とは、画像データに種々の処理
を施すことにより、複雑な放射線画像から目的とするパ
ターンを抽出する操作をいい、たとえば人体の胸部X線
画像のような種々の線状,円形状のパターンを入り混じ
った非常に複雑な画像から、たとえば腫瘍に対応する陰
影を抽出する操作等をいう。
このように複雑な放射線画像(たとえば人体の胸部X
線画像)において目的とするパターン(たとえば腫瘍
影)を抽出し、その抽出したパターンを明示した可視画
像を再生表示することにより、観察者の観察の補助(た
とえば医師の診断の補助)を行なわせることができる。
上記画像認識を行なうにあたり、例えば通常の陰影に
より得られた人体の胸部X線画像、即ち、心臓部,横隔
膜部,肺野部の肋骨以外の組織等のいわゆる軟部と肋骨
等のいわゆる骨部との双方が記録された通常の胸部X線
画像に基づいてたとえば腫瘍影を自動認識することに代
えて、骨部の影響による誤認識を避けるために、エネル
ギーサブトラクション処理により得られた、軟部のみが
記録された画像に基づいて腫瘍影の自動認識を行なうこ
とも試みられている(例えば、「エネルギー差分画像を
用いた胸部X線像パターン認識」水谷克己,長谷川純,
鳥脇純一郎,西谷弘 昭和62年度電気関係学会東海支部
連合大会 564ページ参照)。
ここで、エネルギーサブトラクション処理とは、被写
体の特定の部分が互いに異なるエネルギーを有する放射
線に対して異なる放射線吸収率を有することを利用し
て、同一の被写体に対して互いに異なるエネルギーを有
する各放射線による複数の放射線画像を得、これら複数
の放射線画像を適当に重み付けしてその差を演算するこ
とによって被写体の特定部分を抽出する処理をいう。本
出願人も蓄積性蛍光体シートを用いたエネルギーサブト
ラクションについて種々提案している(例えば特開昭59
−83486号公報,同60−225541号公報参照)。
(発明が解決しようとする課題) 被写体の軟部と骨部との双方が記録された放射線画像
(以下、「原画像」という。)に代えて被写体の主とし
て軟部が記録された放射線画像(以下、「軟部画像」と
いう。)に基づいてたとえば腫瘍等の異常陰影の自動認
識を行なうと骨部の陰影による誤認識は少なくなるが、
一方、軟部画像は複数の放射線画像を処理することによ
り求めた画像であるため原画像と比べ画質が劣り、この
ため軟部自体で異常陰影の誤認識が増加するおそれがあ
り、軟部画像から異常陰影を精度良く抽出するには異常
陰影抽出フィルタを工夫する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑み、軟部画像をサーチして高
精度に異常陰影を抽出することのできる異常陰影検出装
置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の第一の異常陰影検出装置は、 軟部および骨部から構成される被写体の放射線画像を
表わす画像データに基づいて、前記放射線画像上に略円
形パターンとして現われる異常陰影を検出する異常陰影
検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線
のそれぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射
線画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づい
て、前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像
を表わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査
することにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を
抽出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0に対応する前記軟部画
像データf0と、前記所定の画素P0から前記軟部画像の周
囲に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記
所定の画素P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)
離れた各画素Pijに対応する各軟部画像データfijとの各
差分Δij=fij−f0を求め、 前記各線分Li毎に、前記各差分Δijを代表する代表値
を求め、 前記所定の画素P0から互いに略反対方向に延びる2本
の前記線分とひと組として、各組毎に2つの前記代表値
の平均的な値を求め、 複数の前記組の平均的な値に基づいて、前記所定の画
素P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを判定するフ
ィルタであることを特徴とするものである。
ここで、前記「互いにエネルギーの異なる少なくとも
二種類の放射線のそれぞれにより形成された、前記被写
体の複数の放射線画像」の形成方法としては特に限定さ
れるものではなく、例えば蓄積性蛍光体シートやX線フ
イルム等の記録シートに放射線画像情報を担持する放射
線を照射する場合において、複数の記録シートを時間的
に互いに異なるタイミングで1枚ずつ配置してこの記録
シートに放射線を照射することにより放射線画像を記録
するようにしてもよく、例えば高エネルギー側の放射線
をカットするとともに低エネルギー側の放射線を透過さ
せるフィルタを挾んで複数枚の記録シートを配置し、一
回の放射線撮影によりこれらの記録シートに同時に放射
線画像を記録するようにしてもよい。
また、前記「複数の各線分Li(i=1,2,…,n)」の
「複数」(即ちnの値)は特定の数に制限されるもので
はなく、たとえば必要な判定精度、演算時間等を考慮し
て、任意に定められるものである。
また、前記「複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)」
のmの値も上記nの値と同様に特定の値に制限されるも
のではない。
また前記「代表値」は、所定の画素P0の軟部画像デー
タf0と各線分Li上の各軟部画像データfijとの差異の有
無や程度を表現するに適する値をいい、典型的には、中
央の軟部画像データがその周囲の軟部画像データよりも
小さな値を有する異常陰影を対象とする場合はたとえば
最大値をいい、中央の軟部画像データがその周囲の軟部
画像データよりも大きな値を有する異常陰影を対象とす
る場合はたとえば最小値をいう。ただし、たとえば前記
代表値として最大値が採用される場合において、ある線
分Lkに関して前記各差分Δijが全て負となった場合等そ
の線分Lkに関して有効な最大値を求め得ない場合に、単
純計算による最大値を代表値とすることだけでなく、た
とえば0.0を代表値としてもよい。このように本発明に
おいては、中央の画素P0の軟部画像データf0との差異を
有効に表わしていない代表値が得られた場合に該代表値
に代えて他の値を採用した場合の該他の値も前記代表値
に含まれる。また、(最大値)−(一定値),(最小
値)+(一定値)等、実質的に最大値や最小値を表わし
ている値も上記代表値に含まれる。尚各差分Δij=fij
−f0に代えてΔij′=f0−fijの演算を行なっても、最
大値と最小値が逆転するだけで実質的に同一であり、本
発明は、このような実質的に同一な種々の態様を包含す
るものである。
また、前記「平均的な値」とは、各組毎の2つの代表
値と、中央の画素P0の軟部画像データf0との差異の有無
や程度を表現するに適する値をいい、通常の相加平均演
算により求めた平均値だけでなく、たとえば相乗平均演
算により求めた値、2つの各代表値を重み付けした後に
平均演算を行なうことにより求めた値等であってもよ
い。ただし、ここでは簡単のため、これらを代表する用
語として「平均値」を用いる。
また本発明の第二の異常陰影検出装置は、上記第一の
異常陰影検出装置における異常陰影抽出フィルタに代え
て、 前記軟部画像上の所定の画素P0から前記軟部画像の周
囲に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記
所定の画素P0から所定距離ri離れた各画素Piに対応する
各前記軟部画像データfiのグラジェント▽fiを求め、 前記各グラジェント▽fiの大きさ|▽fi|が規格化さ
れた規格化グラジェント▽fi/|▽fi|を求め、 前記規格化グラジェント▽fi/|▽fi|の前記所定の画
素P0の方向の成分 は前記各画素Piから前記所定の画素P0に向かう単位ベク
トル、*は内積を表わす)を求め、 前記成分 の平均的な値を求め、 前記平均的な値に基づいて、前記所定の画素P0が前記
異常陰影内の画素であるか否かを判定する異常陰影抽出
フィルタを用いることを特徴とするものである。
ここで、上記第一の異常陰影検出装置の場合と同様
に、前記「複数の各線分Li(i=1,2,…,n)」の「複
数」(即ちnの値)は特定の数に制限されるものではな
く、たとえば必要な判定精度、演算時間等を考慮して、
任意に定められるものである。
また、前記「所定距離ri」はたとえば検出対象とする
異常陰影が所定の方向に長径を有する楕円パターンであ
る場合に該所定の方向にはそれを直交する方向(短径の
方向)と比較して所定距離riを大きくとること等、所定
距離riは各線分Li毎に異なっていてもよい。
また、前記「グラジェント」とは、X線画像上のある
画素Pのxy座標を(m,n)、該画素Pとx方向,y方向に
隣接する画素P′,P″の座標をそれぞれ(m+1,n),
(m,n+1)とし、それらの画素P,P′,P″の画像データ
をそれぞれf(m,n),f(m+1,n),f(m,n+1)とし
たとき、 ▽f(m,n)=(f(m+1,n)−f(m,n), f(m,n+1)−f(m,n)) …(1) で表わされるベクトルをいう。
尚、たとえば所定の画素P0から各線分Liに沿って外方
に向かう単位ベクトルを としたとき、前記成分 に代えて の演算を行なっても最大値と最小値が逆転するだけで実
質的に同一であり、本発明は、このような実質的に同一
な種々の態様を包含するものである。
また、前記「平均的な値」とは、前記第一の異常陰影
検出装置の場合と同様、典型的には通常の相加平均演算
により求めた平均値をいうが、これのみではなく、たと
えば相乗平均演算により求めた値、2つの各代表値を重
み付けした後に平均演算を行なうことにより求めた値等
であってもよい。ここではこれらを包含する概念として
平均値と称する。
また、本発明の第三の異常陰影検出装置は、その異常
陰影抽出フィルタが、上記第一および第二の異常陰影検
出装置における異常陰影抽出フィルタとは異なり、 前記軟部画像上の所定の画素P0から前記軟部画像の周
囲に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記
所定の画素P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)
離れた各画素Pijに対応する各前記軟部画像データfij
グラジェント▽fijを求め、 前記各グラジェント▽fijの大きさ|▽fij|が規格化
された規格化グラジェント▽fij/|▽fij|を求め、 前記各規格化グラジェント▽fij/|▽fij|の前記所定
の画素P0の方向の成分 は前記各画素Pijから前記所定の画素P0に向かう単位ベ
クトル、*は内積を表わす)を求め、 前記各線分Li毎に、前記成分 の代表値 を求め、 前記代表値 の平均的な値を求め、 前記平均的な値に基づいて、前記所定の画素P0が前記
異常陰影内の画素であるか否かを判定するフィルタであ
ることを特徴とするものである。
ここで、前記第一および第二の異常陰影検出装置の場
合と同様、前記「複数の各線分Li(i=1,2,…,n)」の
「複数」(即ちnの値)は特定の数に制限されるもので
はなく、たとえば必要な判定精度、演算時間等を考慮し
て、任意に定められるものである。
また、前記「複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)」
のmの値も上記nの値と同様に特定の値に制限されるも
のではなく、また、前記第二の異常陰影検出装置におけ
る所定距離riと同様に、たとえば検出対象とする異常陰
影が放射線画像上の所定の方向に長径を有する楕円パタ
ーンである場合に該所定の方向にはそれと直交する方向
と比較してmの値を大きくとること等、mの値は前記各
線分Li(i=1,2,…,n)毎に異なっていてもよい。
また前記「グラジェント」とは、前記第二の異常陰影
検出装置と同様、前記(1)式で表わされるベクトルを
いう。
また、前記「代表値」とは各線分Liに沿う画像プロフ
ァイル上における異常陰影らしさを前記成分 に基づいて表現するに適する値をいい、典型的には、中
央の軟部画像データがその周囲の軟部画像データよりも
小さな値を有する異常陰影を検出対象とする場合は、た
とえば各線分Li毎の前記成分 の最大値をいい、中央の軟部画像データがその周囲の軟
部画像データよりも大きな値を有する異常陰影を対象と
する場合はたとえば最小値をいう。ただし、たとえば前
記代表値として最大値が採用される場合において、ある
線分Lkに関して前記各成分 が全て負となった場合等その線分Lkに関して有効な最大
値を求め得ない場合に、単純計算による最大値を代表値
とすることだけでなく、たとえば0.0等を代表値として
もよいものである。また、(最大値)−(一定値),
(最小値)+(一定値)等、実質的に最大値や最小値を
表わしている値も上記代表値に含まれる。
また、前記第二の異常陰影検出装置の場合と同様に、
たとえば所定の画素P0から各線分Liに沿って外方に向か
う単位ベクトルを としたとき、前記成分 に代えて の演算を行なっても最大値と最小値が逆転するだけで実
質的に同一であり、本発明は、このような実質的に同一
な種々の態様を包含するものである。
また、前記「平均的な値」とは、前記第一および第二
の異常陰影検出装置の場合と同様、典型的には通常の相
加平均演算により求めた平均値をいうが、これのみでは
なく、たとえば相乗平均演算により求めた値、2つの各
代表値を重み付けした後に平均演算を行なうことにより
求めた値等であってもよく、ここではこれらを総称して
平均値と称する。
また、本発明の第四の異常陰影検出装置は、その異常
陰影抽出フィルタが、上記第一〜第三の異常陰影検出装
置におけるそれとは異なり、 前記軟部像上の所定の画素P0を含む中央領域内の多数
の画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Q
0と、該中央領域を取り巻く多数の各周辺領域毎に、該
各周辺領域内の多数の画素に対応する前記軟部画像デー
タの平均的な値Qi(i=1,2,…,n)とを求め、 前記中央領域に対応する前記平均的な値Q0と、前記各
周辺領域に対応する前記平均的な値Qi(i=1,2,…,n)
のそれぞれとの各差分Δ(i=1,2,…,n)を求め、 多数の前記差分Δを代表する第一の特性値と多数の
前記差分Δのばらつきを表わす第二の特性値とを求
め、 これら第一および第二の特性値の比率を求め、 この比率を所定のしきい値と比較することにより、前
記所定の画素P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを
判定するフィルタであることを特徴とするものである。
ここで、前記「平均的な値」とは、これまでと同様
に、典型的には対象とする領域内の多数の軟部画像デー
タの相加平均演算により求めた平均値をいうが、これの
みでなく、たとえば相乗平均値,メジアン値等実質的に
平均値に置き換え得る値を含むものである。ただし、こ
こでは簡単のため、これらの代表する用語として「平均
値」を用いる。
また、前記「第一の特性値」とは、前記多数の差分Δ
を代表する値をいい、具体的には上記広義の意味にお
ける多数の差分Δの平均値,最大値,最小値等をい
う。また、前記「第二の特性値」とは、前記多数の差分
Δのばらつきを表す値をいい、具体的には、該多数の
差分Δの分散値,最大値−最小値等をいう。
また、前記「複数の各線分Li(i=1,2,…,n)」の
「複数」(即ちnの値)は特定の数に制限されるもので
はなく、たとえば必要な判定精度、演算時間等を考慮し
て、任意に定められるものである。
また、本発明の第五の異常陰影検出装置は、その異常
陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0を含む中央領域内の多
数の画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Q0
と、前記所定の画素P0から前記軟部画像の周囲に延びる
複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記所定の画素
P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)離れた各画
素Pijを含む各周辺領域毎に、該各周辺領域内の多数の
画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Qij
を求め、 前記各線分Li毎に、前記平均的な値の代表値Qiを求
め、 前記中央領域に対応する前記平均的な値Q0と、各前記
代表値Qiとの各差分Δ(i=1,2,…,n)を求め、 多数の前記差分Δを代表する第一の特性値と多数の
前記差分Δのばらつきを表わす第二の特性値とを求
め、 これら第一および第二の特性値の比率を求め、 この比率を所定のしきい値と比較することにより、前
記所定の画素P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを
判定するフィルタであることを特徴とするものである。
ここで、前記「平均的な値」とは、これまでと同様典
型的には対象とする領域内の多数の画像データの相加平
均演算により求めた平均値をいうが、これのみでなく、
たとえば相乗平均値,メジアン値等実質的に平均値に置
き換え得る値を含み、ここでは簡単のため、これらを代
表する用語として「平均値」を用いる。
また、前記第四の異常陰影検出装置の場合と同様に、
前記「第一の特性値」とは、前記多数の差分Δを代表
する値をいい、具体的には上記広義の意味における多数
の差分Δの平均値,最大値,最小値等をいう。また、
前記「第二の特性値」とは、前記多数の差分Δのばら
つきを表す値をいい、具体的には、該多数の差分Δ
分散値,最大値−最小値等をいう。
また、前記「複数の各線分Li(i=1,2,…,n)」の
「複数」(即ちnの値)は特定の数に制限されるもので
はなく、たとえば必要な判定精度、演算時間等を考慮し
て、任意に定められるものである。
また、前記「複数の各線分rij(j=1,2,…,m)」の
mの値も上記nの値と同様に特定の値に制限されるもの
ではなく、また、たとえば検出対処用としている異常陰
影が放射線画像上の所定の方向に長径を有する楕円パタ
ーンを含む場合に該所定の方向にはそれと直交する方向
と比較してmの値を大きくとること等、mの値は前記各
線分Li(i=1,2,…,n)毎に異なっていてもよい。ま
た、各線分Liにおける最小距離riminから最大距離rimax
まで連続的に距離を変えることも、rimin〜rimaxの間に
多数の所定距離rij(j=1,2,…,m)が含まれると観念
することができ、このように連続的に距離を変える態様
も前記「複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)」に含ま
れる。
さらに前記「代表値」とは、中央領域の平均的な値Q0
と各線分Li上の複数の平均的な値Qij(j=1,2,…,m)
との差異の有無や程度を表現するに適する値をいい、典
型的には、中央の軟部画像データがその周囲の軟部画像
データよりも小さな値を有する異常陰影を対象とする場
合はたとえば各線分Li毎の複数の平均的な値Qijの最大
値をいい、中央の軟部画像データがその周囲の軟部画像
データよりも大きな値を有する異常陰影を対象とする場
合はたとえば最小値をいう。ただし、たとえば前記代表
値として最大値が採用される場合において、ある線分Lk
に関して前記各平均的な値Qijが全て負となった場合等
その線分Lkに関して有効な最大値を求め得ない場合に、
単純計算による最大値を代表値とすることだけでなく、
たとえば0.0を代表値としてもよいものである。このよ
うに本発明においては、中央領域の平均的な値Q0との差
異を有効に表わしていない代表値が得られた場合に該代
表値に代えて他の値を採用した場合の該他の値も前記代
表値に含まれる。また、(最大値)−(一定値),(最
小値)+(一定値)等、実質的に最大値や最小値を表わ
している値も上記代表値に含まれる。このように他の値
を採用し得ることは、本発明の第四の異常陰影検出装置
についても同様であり、求められた差分Δが中央領域
の平均的な値Q0との差異を有効に表わしていない場合、
この差分Δに代えてたとえば0.0等を採用してもよ
い。
また、実施的に上記演算を行なう方法,装置であれば
本発明に含まれるものであり、たとえば前記代表値とし
て最大値が採用され、差分演算式として Δ=Qi−Q0 …(2) が採用される場合において、各線分Li毎の複数の平均的
な値Qijの最大値Qiを求めた後(2)式に従って差分演
算を行なうことに代えて、複数の平均的な値Qijそれぞ
れの差分演算Δij=Qij−Q0を行ない、しかる後に各線
分Li毎の差分演算Δijの最大値を求めても、その最大値
は上記(2)と同一となるが、たとえばこのような演算
も本発明の内包されるものである。
ここで、上記第一〜第五の異常陰影検出装置におい
て、 前記異常陰影抽出手段で抽出された異常陰影内の互い
に近接する画素に対応する前記軟部画像データの差分
を、前記軟部画像上の互いに異なる二方向のそれぞれに
ついて多数求め、前記各方向毎に、多数の前記差分の、
絶対値または二乗値の平均的な値を求め、前記二方向の
前記平均的な値に基づいて、前記抽出された異常陰影が
真の異常陰影である蓋然性の高低を判定する判定手段を
備えることが好ましい。
ここで、前記「平均的な値」とは、これまでと同様典
型的には相加平均演算により求めた値をいうが、これの
みでなく、たとえば相乗平均値,メジアン値,(最大値
−最小値)/2等平均値に置き換え得る種々の演算により
求めた値を含むものであり、ここでは簡単のため、これ
らを代表して「平均値」と呼ぶ。
(作用) 本発明の異常陰影検出装置はいずれも画像演算手段で
求められた軟部画像データに基づいて軟部画像上を走査
することにより異常陰影を抽出するものであるため、骨
部の陰影の影響により誤検出が防止される。
また、本発明の第一の異常陰影検出装置は、その異常
陰影抽出フィルタが、所定の画素P0から周囲に延びる複
数の各線分Li毎に複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)
離れた各画素Pijに対応する各軟部画像データfijを考慮
して各線分Li毎に各差分Δijの代表値を求めるようにし
たものであるため、選定された複数の所定距離rij(j
=1,2,…,m)に応じて小さな円形パターンから大きな円
形パターンまでの種々の異常陰影が混在していても、ま
たたとえば楕円パターンのような変形した異常陰影が存
在していても、軟部画像を走査することにより骨部の影
響を受けないことと相俟って、これらに対して十分な判
定能力を備えたものとなる。また各線分Li毎に各差分Δ
ijを代表する代表値を求め、所定の画素P0から互いに略
反対方向に延びる2本の線分をひと組として、各組毎に
2つの代表値の平均値を求め、この平均値に基づいて所
定の画素P0が異常陰影内の画素であるか否かを判定する
ようにしたため、略反対方向に延びる2本の線分を組み
合わせることにより、軟部画像上の濃度勾配のある領域
に異常陰影が存在しているような場合にも所定の画素P0
が該異常陰影内の画素であるか否かが適格に判定され
る。
また本発明の第二,第三の異常陰影検出装置は、その
異常陰影抽出フィルタが、規格化グラジェント▽fi/|▽
fi|(または▽fij/|▽fij|)を求めた後、該規格化グラ
ジェントの所定の画素P0の方向の成分 を求めるようにしたものであるため、円形パターンのコ
ントラストの影響が排除され円形であるか否かという形
状に基づく判定を行なうことができる。
また、各線分Li毎に、所定の画素P0から複数の所定距
離rij離れた各画素Pijに対応する各軟部画像データfij
を用いて前述した代表値を求めると、軟部画像中に種々
の大きさの異常陰影が存在していても、またその異常陰
影がたとえば楕円形等種々に変形したものであっても、
所定の画素P0がそれらの異常陰影内の画素であるか否か
を精度良く判定することができる。尚、この場合であっ
てもコントラストを捨象して異常陰影が円形パターンで
あるという形状に基づいて判定を行なうことができると
いう基本的特徴はそのまま残されている。
本発明の第二,第三の異常陰影検出装置における異常
陰影抽出フィルタを用いて軟部画像上を走査することに
より、骨部の影響を受けることもなく、異常陰影が高精
度に抽出される。
また本発明の第四,第五の異常陰影検出装置は、その
異常陰影抽出フィルタが第一の特性値と第二の特性値の
比較により所定の画素P0が異常陰影内の画素であるか否
かを判定するようにしたため、上記構成の単一のフィル
タのみで円形パターンと線形パターンとが精度良く分離
され、この異常陰影抽出フィルタを用いて軟部画像上を
走査することにより、骨部の影響を受けることもなく異
常陰影の精度の良い検出が可能となる。
また、本発明の第五の異常陰影検出装置は、その異常
陰影抽出フィルタが所定の画素P0から周囲に延びる複数
の各線分Li毎に該各線分Liに対応する複数の周辺領域の
平均的な値Qilの代表値Qiを求めてこれらの代表値Qi
用いるようにしたため、選定された複数の所定距離rij
(j=1,2,…,m)に応じて小さな円形パターンから大き
な円形パターンまでの種々の大きさの異常陰影が混在し
ていても、またたとえば楕円パターンのような変形した
異常陰影が種々存在していてもこれらに対して十分な判
定能力を備えた装置が実現される。
ここで、軟部画像には血管影等の線形パターンも記憶
されており、上記各異常陰影検出装置において、この血
管影等が密集した領域を異常陰影として誤検出してしま
うことがある。たとえば人体の胸部X線画像上の腫瘍影
等の円形パターンと血管影等の線形パターンが密集した
領域とを比較観察した結果、腫瘍影内は濃度の細かな変
動は比較的少なく平坦であるが、血管影等が密集した領
域内は、一方向に細かな変動を有する場合が多い(血管
影等がほぼ一定の方向に延びている場合が多い)ことを
見い出した。
そこで、上記第一〜第五の異常陰影検出装置におい
て、互いに異なる二方向の平均値に基づいて検出された
異常陰影内の領域が血管影等が密集した領域であるか否
かを判別する判別手段を備えたことにより、一旦検出さ
れた異常陰影が真に異常陰影であるか否かをかなり高い
蓋然性をもって判定することができ、異常陰影の検出能
力が一層向上した異常陰影検出装置とすることができ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明
する。尚、ここでは前述した蓄積性蛍光体シートを用
い、人体の肺内に典型的には略球形として生じる腫瘍の
陰影を異常陰影として検出する例について説明する。こ
の腫瘍は画像データに基づいて再生された可視画像上で
は周囲と比べ白っぽい(濃度が低い)略円形のパターン
として現われる。
第1図は、X線撮影装置の一例の概略図である。
このX線撮影装置10のX線源11からX線12が人体13の
胸部13aに向けて照射され、人体13を透過したX線12aが
第一の蓄積性蛍光体シート5に照射されることにより、
人体の胸部13aの第一のX線画像が第一の蓄積性蛍光体
シート5に蓄積記録される。
次に短時間内に第一の蓄積性蛍光体シート5に代えて
新たな第二の蓄積性蛍光体シート6をセットするととも
に、X線源11の管電圧を変え、再度X線撮影が行なわれ
る。これにより第二の蓄積性蛍光体シート6には、第一
の蓄積性蛍光体シート5に撮影記録された第一のX線画
像とはエネルギーの異なるX線12による同一被写体13の
第二のX線画像が蓄積記録される。尚、上記2回の撮影
において、被写体13にはマーク14,15が付されており、
このマーク14,15も一緒に撮影記録される。これらのマ
ーク14,15(尚、ここでは簡単のため、X線画像上に撮
影記録されたマーク14,15の像も、マーク14,15と呼
ぶ。)は、シート5,6に蓄積記録された第一および第二
のX線画像の位置合わせの際に用いられる。
尚、蓄積性蛍光体シート5,6を順次セットすることに
代え、高エネルギー側のX線をカットするとともに低エ
ネルギー側のX線を透過させるフィルタを挾んで2枚の
蓄積性蛍光体シートを同時にセットし、一回のX線撮影
で第一および第二のX線画像を同時に蓄積記録するよう
にしてもよい。
第2図は、X線画像読取装置の一例と、本発明の異常
陰影検出装置の一実施例であるコンピュータシステムと
を表わした斜視図である。
第1図に示すX線撮影装置10で撮影が行なわれた後、
第一および第二の蓄積性蛍光体シート5,6が一枚ずつこ
のX線画像読取装置の所定位置にセットされる。尚ここ
では、第一の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録された第
一のX線画像の読取りの場合について説明する。
この所定位置にセットされた、第一のX線画像が蓄積
記録された第一の蓄積性蛍光体シート5は、モータ21に
より駆動されるエンドレスベルト等のシート搬送手段22
により、矢印Y方向に搬送(副走査)される。一方、レ
ーザー光源23から発せられた光ビーム24はモータ25によ
り駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡26によっ
て反射偏向され、fθレンズ等の集束レンズ27を通過し
た後、ミラー28により光路を変えて前記シート5に入射
し副走査の方向(矢印Y方向)と略垂直な矢印X方向に
主走査する。シート5の光ビーム24が照射された箇所か
らは、蓄積記録されているX線画像情報に応じた光量の
輝尽発光光29が発散され、この輝尽発光光29は光ガイド
30によって導かれ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍
管)31によって光電的に検出される。上記光ガイド30は
アクリル板等の導光性材料を成形して作られたものであ
り、直線状をなす入射端面30aが主走査線に沿って延び
るように配され、円環状に形成された射出端面30bには
フォトマルチプライヤ31の受光面が結合されている。入
射端面30aから光ガイド30内に入射した輝尽発光光29
は、該光ガイド30の内部を全反射を繰り返して進み、射
出端面30bから射出してフォトマルチプライヤ31に受光
され、X線画像を表わす輝尽発光光29がフォトマルチプ
ライヤ31によって電気信号に変換される。
フォトマルチプライヤ31から出力されたアナログ出力
信号SAは対数増幅器32で対数的に増幅され、A/D変換器3
3でディジタル化され、電気信号としての画像データS0
が得られる。
このようにして得られた画像データS0は、コンピュー
タシステム40に入力される。この画像データS0は、第一
の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録された第一のX線画
像を表わすものであり、したがってここではこれを第一
の画像データS01と呼ぶ。
このコンピュータシステム40は、本発明の異常陰影検
出装置の一例を構成するものであり、CPUおよび内部メ
モリが内蔵された本体部41,補助メモリとしてのフロッ
ピィディスクが挿入され駆動されるドライブ部42,オペ
レータがこのコンピュータシステム40に必要な指示等を
入力するためのキーボード43,X線画像および必要な情報
を表示するためのCRTディスプレイ44から構成されてい
る。
次に上記と同様にして、第二の蓄積性蛍光体シート6
に蓄積記録された第二のX線画像を表わす第二の画像信
号SO2が得られ、この第二の画像信号SO2もコンピュータ
システム40に入力される。
コンピュータシステム40に入力された第一および第二
の画像データSO1,SO2に基づいて、X線画像上の異常陰
影の検出が行なわれる。
尚、本実施例ではコンピュータシステム40を構成する
ハードウェアとこのコンピュータシステム40内で実行さ
れるソフトウェアとを組合せた各機能が、本発明にいう
各手段の一例と観念される。
画像演算手段 上記第一および第二の画像データSO1,SO2は、前述し
たように互いに異なるエネルギーを有するX線を用いて
撮影記録された第一および第二のX線画像を表わすもの
であり、これら互いに異なるエネルギーを有するX線
は、被写体(ここでは人体の胸部)の軟部,骨部に対す
る透過率が互いに異なり、したがって、これら第一およ
び第二のX線画像のサブトラクション処理を行なうこと
により上記被写体の軟部のみが記録された軟部画像を得
ることができる。
コンピュータシステム40内では、第一および第二の画
像データSO1,SO2に基づいて、先ず以下のようにして位
置合わせ処理が行なわれる。尚、ここで説明する位置合
わせ処理は特開昭58−163388号公報に記載された方法で
ある。
第一の画像データSO1が担持する第一のX線画像に付
されたマーク14,15(これをマーク14′,15′とする。)
の各座標を(XA1,YA1),(XA2,YA2)とし、第二の画像
データSO2が担持する第二のX線画像に付されたマーク1
4,15(これをマーク14″,15″とする。)この各座標を
(XB1,YB1,(XB2,YB2)とする。
このときこれら2つのX線画像の相対的な回転ズレの
ずれ角((XA1,YA1)と(XA2,YA2)とを結ぶ線分と(X
B1,YB1)と(XB2,YB2)とを結ぶ線分となす角)をθと
すると、 と表わされ、第一のX線画像を角度θだけ回転させるこ
とにより2つのX線画像の回転位置が合わせられる。
さらに、2つのX線画像に付されたマーク14′;14″
のx方向,y方向の位置ずれΔX1,ΔY1は、それぞれ、 ΔX1=XB1−{α・(XA1−CX)・cos θ−α(YA1−CY)・sin θ+CX} …
(4) ΔY1=YB1−{α・(XA1−CX)・sin θ+α(YA1−CY)・cos θ+CY} …
(5) と表わされ、2つのX線画像に付されたもう一つのマー
ク15′;15″のx方向,y方向の位置ずれΔX2,ΔY2は、上
記と同様に、 ΔX2=XB2−{α・(XA2−CX)・cos θ−α(YA2−CY)・sin θ+CX} …
(6) ΔY2=YB2−{α・(XA2−CX)・sin θ+α(YA2−CY)・cos θ+CY} …
(7) と表わされる。尚、(4)〜(7)式においてCX,CY
回転中心のそれぞれX座標,Y座標である。
ここでΔX1とΔX2,ΔY1とΔY2は理想的には互いに等
しい値となるが、2つの画像信号SO1,SO2のサンプリン
グに伴う誤差等により多少異なることもあり、X方向,Y
方向の位置調整量ΔX,ΔYとしては、 ΔX=(ΔX1+ΔX2)/2 …(8) ΔY=(ΔY1+ΔY2)/2 …(9) が用いられ、第一のX線画像のX方向,Y方向への位置調
整が行なわれる。
以上のようにして第一および第二のX線画像の位置合
わせが行なわれた後、位置合わせ後の第一および第二の
画像データSO1′,SO2′に基づいて、各画素毎に S1=Wa・SO1′−Wb・SO2′+C …(10) ただし、Wa,Wbは重み付け係数、Cはバイアス分を表
わす。
の演算処理(サブトラクション処理)が行なわれ、軟部
画像を表わす軟部画像データS1が求められる。
第3A図および第3B図は、画像データSO1、もしくは画
像データSO2が担持する、骨部と軟部との双方が記録さ
れた原画像の一例、および軟部画像の一例をそれぞれ略
示した図である。
軟部画像(第3B図)には原画像(第3A図)中の骨部が
消去され、軟部組織のみが記録されている。
尚、上記画像演算手段では、第一および第二の画像デ
ータSO1,SO2、もしくは軟部画像データS1に、必要に応
じて、たとえば周波数強調処理,スムージング処理,ノ
イズ除去処理等上記以外の各種画像処理も行なわれる。
異常陰影抽出手段 コンピュータシステム40内の異常陰影抽出手段では、
上記画像演算手段で求められた軟部画像データS1に基づ
いて、腫瘍影抽出フィルタを用いて軟部画像上を走査す
ることにより、軟部画像に現われた腫瘍影を抽出する。
第4図は、腫瘍影を抽出する実空間フィルタの例を説
明するために、軟部画像上の所定の画素P0を中心に該軟
部画像上に仮想的に描いた図である。
所定の画素P0が腫瘍影内の画素であるか否かが判定さ
れる。ここで示すようなフィルタを用いて軟部画像上を
走査することにより、該軟部画像に現われる腫瘍影が抽
出される。尚、以下において最初に説明するフィルタ
は、特願平1−162904号に記載されたフィルタである。
第5図は、上記所定の画素P0を中心とした、第4図の
線分L1とL5の延びる方向(x方向)の軟部画像のプロフ
ァイルの一例を示した図である。ここでは所定の画素P0
は、濃度勾配(軟部画像データS1の値の変化)の存在す
る位置にあるものとする。腫瘍影57は典型的にはほぼ左
右対象のプロファイルとして現われるが、この例のよう
に腫瘍影57が濃度勾配の存在する位置にある場合等に
は、軟部画像上において左右対象とはならない場合もあ
る。このような場合にもこの腫瘍影57を抽出できること
が重要である。尚第5図の破線58は腫瘍がない場合のプ
ロファイルの一例である。
第4図に示すように、軟部画像内の所定の画素P0から
該軟部画像の周囲に延びる複数(ここでは8本)の線分
Li(i=1,2,……,8)を想定し、さらに所定の画素P0
中心とした、それぞれ半径r1,r2,r3円Rj(j=1,2,3)
を想定する。所定の画素P0の軟部画像データをf0とし、
各線分Liと各円Rjとの各交点に位置する各画素Pij(第
1図にはP11,P12,P13,P51,P52,P53について記号を示し
てある。)の軟部画像データをfijとする。
ここで、所定の画素P0の軟部画像データf0と各画素P
ijの軟部画像データfijとの差分Δijが下記(11)式に
従って求められる。
Δij=fij−f0 …(11) (i=1,2,……,8;j=1,2,3) 次に各線分Li毎に、(11)式で求められた差分Δij
最大値が求められる。即ち、線分L1,L5について例を示
すと、線分L1については、画素P11,P12,P13に対応する
各差分 Δ11=f11−f0 Δ12=f12−f0 Δ13=f13−f0 のうちの最大値が求められる。この例では、第6図に示
すようにΔ13<Δ12<Δ11<0であり、したがってΔ11
が最大値となる。
ここでは、典型的には中央の軟部画像データがその周
囲の軟部画像データよりも小さい値を有する円形パター
ン(腫瘍影)を求めるものであるのに対し,線分L1につ
いてはΔ131211とも負であり、したがって形式的
に求めた最大値Δ11は有効な最大値ではなく、したがっ
てここでは0.0が線分L1に関する各差分Δ111213
を代表する代表値とされる。ただし、上記のようにして
形式的に求めた最大値を代表値としてもよい。
また線分L5については画素P51,P52,P53に対応する各
差分 Δ51=f51−f0 Δ52=f52−f0 Δ53=f53−f0 のうちの最大値Δ53が求められ、これが各差分Δ51
5253を代表する代表値とされる。
このように各線分L1毎に所定の画素P0と複数の画素P
ijとの差分Δijの最大値を求め、この求められた最大値
が有効な最大値である場合には該最大値を該線分に関す
る代表値とし、有効な最大値でない場合は、0.0を代表
値とする。
次に、所定の画素P0から互いに反対方向に延びる2本
の線分をひと組として、即ち線分L1と線分L5、線分L2
線分L6、線分L3と線分L7、および線分L4と線分L8のそれ
ぞれをひと組として、各組毎に2つの代表値の平均値
(それぞれM15,M26,M37,M48)が求められる。線分L1
線分L5との組については、その平均値M15は、 として求められる。
このように所定の画素P0から互いに反対方向に延びる
2本の線分をひと組として取り扱うことにより、第5図
に示すように腫瘍影7が濃度勾配のある位置にあってそ
の軟部画像データの分布が非対称となっていても腫瘍影
を確実に検出することができる。
上記のようにして平均値M15,M26,M37,M48が求められ
ると、これらの平均値M15,M26,M37,M48に基づいて、以
下のようにして、所定の画素P0が腫瘍影内の画素である
か否かの判定が行なわれる。これらの平均値M15,M26,M
37,M48に基づく上記判定は特定の判定方法に限定される
ものではないが、たとえば以下の方法が採用される。
第6図は、上記判定に用いる特性値C1の求め方の一例
を説明するための図である。横軸は上記のようにして求
めた平均値M15,M26,M37,M48、縦軸はこれら平均値M15,M
26,M37,M48に対応する各評価値C15,C26,C37,C48であ
る。
平均値M15,M26,M37,M48がある値M1より小さい場合評
価値は零、ある値M2より大きい場合評価値は1.0、M1〜M
2の中間では、その値の大きさに応じて0.0〜1.0の間の
値が評価値となる。このようにして、各平均値M15,M26,
M37,M48にそれぞれ対応する評価値C15,C26,C37,C48が求
められ、これらの評価値C15,C26,C37,C48の和 C1=C15+C26+C37+C48 …(13) が特性値C1とされる。即ち、この特性値C1は最小値0.0
と最大値4.0との間のいずれかの値を有する。
この特性値C1が所定のしきい値Th1と比較され、C1≧T
h1であるか、C1<Th1であるかにより、所定の画素P0
それぞれ腫瘍影内の画素であるか否かが判定される。
上記各評価値C15,C26,C37,C48を求めるにあたり、第
6図に一点鎖線で示すように小さな値M2′で飽和するよ
うな変換式を用いて上記各評価値C15,C26,C37,C48を求
めるようにすると、(13)式に従って求められた特性値
C1は、より円形に近い腫瘍影の場合に大きな値を有する
特性値C1となり、逆に第6図に二点鎖線で示すように大
きな値M2″まで飽和しないような変換式を用いて特性値
C1を求めると、この特性値C1は周囲とのコントラストの
大きい腫瘍影に対して大きな値を有する特性値C1とな
る。したがってその目的に応じて適切な変換式が選定さ
れる。
尚、平均値M15,M26,M37,M48に基づく上記判定は、上
記特性値C1による方法に限られるものではなく、たとえ
ばM15,M26,M37,M48をしきい値Th2と比較し、M15,M26,M
37,M48共該しきい値Th2以上である場合に上記所定の画
素P0が腫瘍影内の画素であると判定してもよく、またM
15,M26,M37,M48のうちの3つ以上がしきい値Th2以上で
ある場合に上記所定の画素P0が腫瘍影内の画素であると
判定してもよく、さらにM15,M26,M37,M48の和M=M15
M26+M37+M48を求め、この和Mをしきい値Th3と比較し
てM≧Th3の場合に上記所定の画素P0が腫瘍影内の画素
であると判定してもよい。
尚、腫瘍影を抽出するフィルタのアルゴリズムは、上
記アルゴリズムに限定されるものではない。以下に、他
の例について説明する(特願平1−162905号参照)。
第5図の各画素Pij(i=1,2,…8;j=1,2,3)の軟部
画像データfijのグラジェント▽fijが求められる。
第7図は、上記グラジェントおよび以下に示す演算方
法を示す図である。
グラジェント▽fijが求められた後、これらのグラジ
ェント▽fijのベクトルの長さが1.0に揃えられる。即
ち、グラジェント▽fijの大きさを|▽fij|としたと
き、規格化グラジェント▽fij/|▽fij|が求められる。
次に、この規格化グラジェント▽fij/|▽fij|の、線
分Liの方向の成分が求められる。即ち、各画素Pijから
所定の画素P0に向かう単位ベクトルを としたとき、 (ただし*は内積を表わす)が求められる。
その後、該成分について内向き(所定の画素P0の方
向)を正、外向きを負としたとき、各線分Li(i=1,2,
…,8)毎に各最大値 が求められる。尚本実施例においてはこの最大値が本発
明にいう代表値である。
さらにこれら各最大値 を加算した加算値 が求められる。この加算値を線分Liの本数(本実施例で
は8本)で割れば平均値となる。したがってこの加算値
は平均値に単に定数を掛けたものであって、平均値と同
一視でき、本実施例においてはこの加算値が本発明の平
均的な値と概念される。
この加算値 を特徴量C2として、この特徴量C2が所定のしきい値Th4
と比較され、C2≧Th4であるか、C2<Th4であるかによ
り、所定の画素P0がそれぞれ腫瘍影内の画素であるか否
かが判定される。
このフィルタは、グラジェント▽fijの大きさ|▽fij
|を規格化し、その方向(線分Liとの方向の相違の程
度)のみに注目することにより、周囲とのコントラスト
によらず形状が円形であることにより大きな値をもつ特
徴量C2が求められ、これにより腫瘍影が大きな確度をも
って抽出される。
尚、第4図に見られるように線分L1に関する各成分 (j=1,2,3)はいずれも負でありしたがってその最大
も負である。したがってこの場合形式的に求めた最大値 は本発明においては有効な最大値ではなく、したがって
線分Liについては上記最大値に代えてたとえば0.0を線
分Liに関する代表値としてもよい。
また、上記実施例においては、第4図に示すように8
本の線分L1〜L8上の各画素Pijに対応する各軟部画像デ
ータfijを用いたが、この線分は8本である必要はな
く、たとえば16本等であってもよいことはもちろんであ
る。また、所定の画素P0からの距離についてもr1,r2,r3
の3つの距離について演算を行なったが、これについて
も3つの距離に限るものでもなく、抽出すべき腫瘍影の
大きさがほぼ一定している場合は距離は1つでもよく、
(この場合は代表値を求める演算は不要となる)また、
種々の大きさの腫瘍影をさらに精度よく抽出するため
に、距離r1から距離r3までほぼ連続的な多数の距離につ
いて演算を行なってもよい。
次に、さらに異なるアルゴリズムを有するフィルタに
ついて説明する(特願平1−162909号参照)。
第8図は、このアルゴリズムを説明するために、X線
画像上の所定の画素P0を中心に該画像上に仮想的に描い
た図である。
第8図に示すように、軟部画像内の所定の画素P0から
該軟部画像の周囲に延びる複数(ここでは8本)の線分
Li(i=1,2,…,8)を想定し、さらに所定の画素P0を中
心とした半径rの円Rを想定する。また所定の画素P0
含む中心領域Q0と、線分Li(i=1,2,…,8)のそれぞれ
と円Rとの交点の各画素Pi(i=1,2,…,8)を含む各周
辺領域Qiを考える。尚、上記半径r、中央領域Q0,各周
辺領域Qiの面積、および想定する周辺領域の数等は、対
象とする腫瘍影の大きさ、判定精度、演算速度等を考慮
して適切に定められる。また、本実施例では、所定の画
素P0から等距離rだけ離れた各画素Piを想定している
が、たとえば第1図のX方向に長径をもつ腫瘍影を抽出
対象とする場合、画素P1,P5として画素P0から遠距離に
ある画素を選択する等、各画素Pi毎に所定の画素P0から
の距離が異なっていてもよい。
上記のようにして想定した中央領域Q0および各周辺領
域Qi内の多数の画素に対応する多数の軟部画像データの
平均値Q0,Qi(i=1,2,…,8)が求められる。尚、ここ
では簡単のため、各領域Q0,Qi(i=1,2,…,8)を指す
記号と該各領域内の軟部画像データの平均値を指す記号
とで同一の記号を用いている。
本実施例では、これらの差分Δ(i=1,2,…,8)を
代表する第一の特性値、およびこれらの差分Δ(i=
1,2,…,8)のばらつきを表わす第二の特性値としてそれ
ぞれこれらの差分Δの平均値 分散 が採用され、これら平均値,分散σが求められる。
次に、これら平均値,分散σの比率C3が、 として求められ、この比率C3が所定のしきい値Th1と比
較され、C3≧Th5の場合は比較的平均値が大きく分散
σが小さいため所定の画素P0が腫瘍影内の画素である
と判定され、C3<Th5の場合は所定の画素P0は腫瘍影外
の画素であると判定される。
第4図を参照してさらに異なる実空間フィルタについ
て説明する。
第4図に示すように、軟部画像内の所定の画素P0から
該軟部画像の周囲に延びる複数(ここでは8本)の線分
Li(i=1,2,…,8)を想定し、さらに所定の画素P0を中
心とした、それぞれ半径r1,r2,r3の3つの円Rj(j=1,
2,3)を想定する。所定の画素P0を含む中央領域をQ0
し、各線分Liと各円Rjとの各交点に位置する各画素Pij
(第2図にはP11,P12,P13,P51,P52,P53について記号を
示してある。)を含む各周辺領域をQij(i=1,2,…,8;
j=1,2,3)(ただし第2図には、明示的にはQ0およびQ
11,Q12,Q13,Q51,Q52,Q53のみ示してある。)とする。
この各領域Q0およびQij(i=1,2,…,8;j=1,2,3)毎
に、該各領域Q0,Qij内の多数の各画素に対応する多数の
各軟部画像データの平均値Q0,Qij(i=1,2,…,8;j=1,
2,3)が求められる。尚、ここでも簡単のため、各領域Q
0,Qij(i=1,2,…,8;j=1,2,3)を指す記号と該各領域
内の軟部画像データの平均値を指す記号とで同一の記号
を用いている。
次に中央領域の平均値Q0と各周辺領域の平均値Qij
それぞれとの各差分Δij(i=1,2,…,8;j=1,2,3)が Δij=Qij−Q0 …(16) として求められ、さらに各線分Li毎に、差分Δijの最大
値Δが求められる。本実施例ではこの最大値Δが本
発明にいう代表値である。
次に、最大値Δ(i=1〜8)を代表する第一の特
性値Uと最大値Δ(i=1〜8)のばらつきを表わす
第二の特性値Vとが求められる。このために、まず以下
の演算式に従って各特性値U1〜U4,V1〜V4が求められ
る。
U1=(Δ+Δ+Δ+Δ)/4 …(17) U2=(Δ+Δ+Δ+Δ)/4 …(18) U3=(Δ+Δ+Δ+Δ)/4 …(19) U4=(Δ+Δ+Δ+Δ)/4 …(20) V1=U1/U3 …(21) V2=U2/U4 …(22) V3=U3/U1 …(23) V4=U4/U2 …(24) ここで、たとえば(17)式に従って特性値U1を求める
場合について説明すると、隣接する2つの領域(Δ
Δ、またはΔとΔ)について加算することは平滑
化を意味し、画素P0を挾んだ互いに反対側の領域(Δ
+ΔとΔ+Δ)について加算することはたとえば
濃度勾配のある領域に腫瘍影があってもその腫瘍影を検
出することができるようにするためである。
また、たとえば(21)式に従って特性値V1を求める場
合について説明すると、特性値U1と特性値U3とは互いに
直交する方向について求めた特性値であり、したがって
第5図に示す腫瘍影57が円形であればV1≒1.0となり円
形から外れる場合、即ち画素P0が線状の陰影内にある場
合はV1は1.0から外れることになる。
上記差分の最大値Δ(i=1〜8)を代表する第一
の特性値Uとしては、U1〜U4の最大値 U=MAX(U1,U2,U3,U4) …(25) が採用され、上記差分の最大値Δ(i=1〜8)のば
らつきを表わす第二の特性値Vとしては、V1〜V4の最大
値 V=MAX(V1,V2,V3,V4) …(26) が採用される。このようにして第一および第二の特性値
U,Vが求められると、所定の画素P0が腫瘍影内の画素で
あるか否かを判定するための特性値C4として、これら第
一および第二の特性値の比率 が採用され、この特性値C4が所定のしきい値Th6と比較
され、C4≧Th6であるか、C4<Th6であるかにより、画素
P0がそれぞれ腫瘍影内の画素であるか否かが判定され
る。
尚、上記フィルタ例においては、第4図に示すように
8本の線分L1〜L8上の画素Pijを含む各周辺領域Qijに対
応する軟部画像データの平均値Qijを用いたが、この線
分は8本である必要はなく、たとえば16本等であっても
よいことはもちろんである。また第8図を用いて説明し
た実施例についても同様である。また、第4図を用いて
説明した上記実施例ではr1,r2,r3の3つの距離について
演算を行なったが、これについても3つの距離に限るも
のでもなく、種々の大きさの腫瘍影をさらに精度よく抽
出するために、距離をr1からr3まで連続的に変えて演算
を行なってもよい。
上記の各実空間フィルタを用いて軟部画像上を走査す
ることにより胸部X線画像上に典型的には円形のパター
ンとして現われる腫瘍影が検出される。ところが希には
血管影の集合した領域が腫瘍影であると誤検出される場
合があり、本実施例では腫瘍影の検出精度をさらに向上
させるために以下のようにして腫瘍影である蓋然性が高
いか、それとも血管影である蓋然性が高いかを判定して
いる(特願平1−192906号参照)。
判定手段 第9A図,第9B図は、腫瘍影として抽出された、それぞ
れ真正の腫瘍影および血管等の密集した領域の軟部画像
を示す図である。各図において破線59に囲まれた領域が
腫瘍影として検出された領域Aであり、各グラフは各領
域A内のx方向,y方向のプロファイル(軟部画像データ
S1をプロットしたもの)である。
真正の腫瘍影(第9A図)は、x方向,y方向とも中央付
近に谷を有する比較的平坦なプロファイルを有し、血管
等が密集した領域(第9B図)では、ほとんどの場合、一
方向(第9A図ではx方向)に細かな変動を有するプロフ
ァイルとなり他の方向(y方向)は比較的平坦なプロフ
ァイルとなる。そこで、ここでは、このプロファイルの
相違を利用して、腫瘍影であるか血管等が密集した領域
であるかを判定する。即ち、x方向に並ぶ画素の座標を
m(m=1,2,…)、y方向に並ぶ画素の座標をn(n=
1,2,…)で表わし、(m,n)で表わされる画素の画像デ
ータをf(m,n)とする。このとき、次式に示すよう
に、領域A内の軟部画像データの一次差分値の二乗の平
均値が算出される。
(ただし は領域A内で一次差分値の加算を行なうことを表わし、
Nは領域A内の画素数を表わす) 次に、腫瘍影として存続させるか腫瘍影から除外する
かを判定するための特性値C5として、上記ZxとZyのうち
値の小さい方をmin(Zx,Zy)、値の大きな方をmax(Zx,
Zy)としたとき、 が算出され、この特性値C5を所定のしきい値Th7と比較
し、C5≧Th7のとき真の腫瘍影である蓋然性が高いもの
と判定し、C5/Th7のとき血管影の集合した領域である蓋
然性が高いものと判定する。
尚、上記特性値C5としては(30)式で算出されるもの
に限らず、たとえば C5=|Zx−Zy| …(32) 等であってもよい。また上記例ではx,yの2方向の一次
差分f(m+1,n)−f(m,n),f(m,n+1)−f(m,
n)を求めたが、たとえば斜め方向(x方向,y方向のい
ずれとも直交しない方向)の差分を求めてもよい。さら
に上記例では一次差分の二乗値の平均値を求めたが、こ
れに代えて一次差分の絶対値の平均値を求めてもよい。
第2図に示すコンピュータシステム40内では、以上の
ようにして、一旦抽出された腫瘍影が真に腫瘍影である
か否かの判定が行なわれる。
以上のようにして腫瘍影である蓋然性の高い領域を抽
出した後、たとえばCRTディスプレイ44に可視画像を再
生表示する際、腫瘍影として検出された領域を明示する
ことにより、観察者の補助を行なわせることができる。
以上の実施例は、蓄積性蛍光体を用いて得られた人体
の胸部X線画像に典型的には円形として現われる腫瘍影
を抽出する例であるが、本発明は胸部X線画像に限られ
るものでもなく、さらに蓄積性蛍光体を用いるシステム
に限られるものでもなく、被写体の放射線画像を表わす
画像データに基づいて該放射線画像上の異常陰影を検出
する際に広く用い得る構成を備えているものである。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明の第一〜第五の異
常陰影検出装置は、軟部画像を表わす軟部画像データを
求める画像演算手段と、前述した各種の実空間フィルタ
を用いて軟部画像上を走査することにより該軟部画像に
現われる異常陰影を抽出する異常陰影抽出手段を備えて
いるため、骨部の影響に該検出が防止されることと上記
各実空間フィルタの検出頻度が高いこととが相乗して異
常陰影が高精度で検出される。
また本発明の第六の異常陰影検出装置は、上記のよう
にして検出された異常陰影が真の異常陰影である蓋然性
の高低を判定する手段を備えているため、異常陰影がさ
らに高精度で検出されることとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、X線画像撮影装置の一例の概略図、 第2図は、X線画像読取装置の一例と、本発明の異常陰
影検出装置の一実施例であるコンピューターシステムと
を表わした斜視図、 第3A図および第3B図は、それぞれ原画像,軟部画像の一
例を略示した図、 第4図は、腫瘍影を抽出する実空間フィルタの例を説明
するために、軟部画像上の所定の画素P0を中心に該画像
上に仮想的に描いた図、 第5図は、上記所定の画素P0を中心とした、第4図の線
分L1とL5の延びる方向(x方向)の軟部画像のプロファ
イルの一例を示した図、 第6図は、所定の画素P0が腫瘍影内の画素であるか否か
の判定に用いる特性値の求め方の一例を説明するための
図、 第7図は、画像データfijのグラジェント▽fij等のベク
トルを示す図、 第8図は、本発明の一実施例としての実空間フィルタを
説明するために、軟部画像上の所定の画素P0を中心に該
画像上に仮想的に描いた図、 第9A図、第9B図は、一旦腫瘍影として検出された、それ
ぞれ真正の腫瘍影および血管等の密集した領域の軟部画
像とそのx方向,y方向のプロファイルを表わした図であ
る。 5,6……蓄積性蛍光体シート 10……X線撮影装置、20……X線画像読取装置 23……レーザ光源、26……回転多面鏡 29……輝尽発光光、30……光ガイド 31……フォトマルチプライヤ 40……コンピュータシステム

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟部および骨部から構成される被写体の放
    射線画像を表わす画像データに基づいて、前記放射線画
    像上に略円形パターンとして現われる異常陰影を検出す
    る異常陰影検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線の
    それぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射線
    画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づいて、
    前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像を表
    わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査す
    ることにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を抽
    出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0に対応する前記軟部画像
    データf0と、前記所定の画素P0から前記軟部画像の周囲
    に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記所
    定の画素P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)離
    れた各画素Pijに対応する各軟部画像データfijとの各差
    分Δij=fij−f0を求め、 前記各線分Li毎に、前記各差分Δijを代表する代表値を
    求め、 前記所定の画素P0から互いに略反対方向に延びる2本の
    前記線分をひと組として、各組毎に2つの前記代表値の
    平均的な値を求め、 複数の前記組の平均的な値に基づいて、前記所定の画素
    P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを判定するもの
    であることを特徴とする異常陰影検出装置。
  2. 【請求項2】軟部および骨部から構成される被写体の放
    射線画像を表わす画像データに基づいて、前記放射線画
    像上に略円形パターンとして現われる異常陰影を検出す
    る異常陰影検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線の
    それぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射線
    画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づいて、
    前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像を表
    わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査す
    ることにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を抽
    出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0から前記軟部画像の周囲
    に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記所
    定の画素P0から所定距離ri離れた各画像Piに対応する各
    前記軟部画像データfiのグラジェント▽fiを求め、 前記各グラジェント▽fiの大きさ|▽fi|が規格化され
    た規格化グラジェント▽fi/|▽fi|を求め、 前記規格化グラジェント▽fi/|▽fi|の前記所定の画素P
    0の方向の成分 は前記各画素Piから前記所定の画素P0に向かう単位ベク
    トル、*は内積を表わす)を求め、 前記成分 の平均的な値を求め、 前記平均的な値に基づいて、前記所定の画素P0が前記異
    常陰影内の画素であるか否かを判定するものであること
    を特徴とする異常陰影検出装置。
  3. 【請求項3】軟部および骨部から構成される被写体の放
    射線画像を表わす画像データに基づいて、前記放射線画
    像上に略円形パターンとして現われる異常陰影を検出す
    る異常陰影検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線の
    それぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射線
    画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づいて、
    前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像を表
    わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査す
    ることにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を抽
    出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0から前記軟部画像の周囲
    に延びる複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記所
    定の画素P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)離
    れた各画素Pijに対応する各前記軟部画像データfijのグ
    ラジェント▽fijを求め、 前記各グラジェント▽fijの大きさ|▽fij|が規格化さ
    れた規格化グラジェント▽fij/|▽fij|を求め、 前記各規格化グラジェント▽fij/|▽fij|の前記所定の
    画素P0の方向の成分 は前記各画素Pijから前記所定の画素P0に向かう単位ベ
    クトル、*は内積を表わす)を求め、 前記各線分Li毎に、前記成分 の代表値 を求め、 前記代表値 の平均的な値を求め、 前記平均的な値に基づいて、前記所定の画素P0が前記異
    常陰影内の画素であるか否かを判定するものであること
    を特徴とする異常陰影検出装置。
  4. 【請求項4】軟部および骨部から構成される被写体の放
    射線画像を表わす画像データに基づいて、前記放射線画
    像上に略円形パターンとして現われる異常陰影を検出す
    る異常陰影検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線の
    それぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射線
    画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づいて、
    前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像を表
    わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査す
    ることにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を抽
    出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部像上の所定の画素P0を含む中央領域内の多数の
    画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Q0と、
    該中央領域を取り巻く多数の各周辺領域毎に、該各周辺
    領域内の多数の画素に対応する前記軟部画像データの平
    均的な値Qi(i=1,2,…,n)とを求め、 前記中央領域に対応する前記平均的な値Q0と、前記各周
    辺領域に対応する前記平均的な値Qi(i=1,2,…,n)の
    それぞれとの各差分Δ(i=1,2,…,n)を求め、 多数の前記差分Δを代表する第一の特性値と多数の前
    記差分Δのばらつきを表わす第二の特性値とを求め、 これら第一および第二の特性値の比率を求め、 この比率を所定のしきい値と比較することにより、前記
    所定の画素P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを判
    定するものであることを特徴とする異常陰影検出装置。
  5. 【請求項5】軟部および骨部から構成される被写体の放
    射線画像を表わす画像データに基づいて、前記放射線画
    像上に略円形パターンとして現われる異常陰影を検出す
    る異常陰影検出装置において、 互いにエネルギーの異なる少なくとも二種類の放射線の
    それぞれにより形成された、前記被写体の複数の放射線
    画像のそれぞれを表わす複数の画像データに基づいて、
    前記被写体中の主として軟部が記録された軟部画像を表
    わす軟部画像データを求める画像演算手段、および 異常陰影抽出フィルタを用いて前記軟部画像上を走査す
    ることにより、該軟部画像に現われる前記異常陰影を抽
    出する異常陰影抽出手段を備え、 前記異常陰影抽出フィルタが、 前記軟部画像上の所定の画素P0を含む中央領域内の多数
    の画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Q
    0と、前記所定の画素P0から前記軟部画像の周囲に延び
    る複数の各線分Li(i=1,2,…,n)上の、前記所定の画
    素P0から複数の所定距離rij(j=1,2,…,m)離れた各
    画素Pijを含む各周辺領域毎に、該各周辺領域内の多数
    の画素に対応する前記軟部画像データの平均的な値Qij
    とを求め、 前記各線分Li毎に、前記平均的な値の代表値Qiを求め、 前記中央領域に対応する前記平均的な値Q0と、各前記代
    表値Qiとの各差分Δ(i=1,2,…,n)を求め、 多数の前記差分Δを代表する第一の特性値と多数の前
    記差分Δのばらつきを表わす第二の特性値とを求め、 これら第一および第二の特性値の比率を求め、 この比率を所定のしきい値と比較することにより、前記
    所定の画素P0が前記異常陰影内の画素であるか否かを判
    定するものであることを特徴とする異常陰影検出装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のうちいずれか1項記載の異
    常陰影検出装置において、 前記異常陰影抽出手段で抽出された異常陰影内の互いに
    近接する画素に対応する前記軟部画像データの差分を、
    前記軟部画像上の互いに異なる二方向のそれぞれについ
    て多数求め、前記各方向毎に、多数の前記差分の、絶対
    値または二乗値の平均的な値を求め、前記二方向の前記
    平均的な値に基づいて、前記抽出された異常陰影が真の
    異常陰影である蓋然性の高低を判定する判定手段を備え
    たことを特徴とする異常陰影検出装置。
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