JPH07260650A - 電子顕微鏡用試料作製装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工停止位置を決める際の基準となる位置の
設定を高精度で個人差のないものとする。 【構成】 工具が取り付けられ、上下方向に回動可能な
アームと、アームの先端に取り付けられた電気接点と、
該電気接点に対向した基準位置設定用の電気接点とを備
え、両電気接点の接触により試料下降停止位置を設定す
るようにした電子顕微鏡用試料作製装置において、基準
位置設定用の電気接点を移動させる移動手段と、該移動
手段による移動量を検出して表示する移動量表示手段と
を備え、前記移動量表示手段は両電気接点が非接触にな
った時リセットされることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子顕微鏡用の試料作製
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、透過電子顕微鏡用試料作製のた
め、機械研磨装置等が用いられている。機械研磨装置で
は試料台に３ｍｍφの試料をワックス等で固定し、これ
を回転させ、アーム先端の回転軸に研磨用工具を取り付
けて回転させ、アームを油圧により徐々に試料に近づ
け、回転している研磨用工具で試料を研磨している。こ
の研磨作業は研磨用工具を交換することにより、平面ま
たは凹面に研磨し、また停止マイクロメータ或いはプリ
セットタイマーにより設定した停止位置に自動停止がで
きるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】試料の加工精度を高め
るためには、精度よくその目的の位置で加工を停止する
必要がある。この加工停止位置を決めるためにはある位
置を基準として、その基準位置で移動量の表示をリセッ
トし、この基準位置に基づいて決定しなければならない
が、基準位置の設定は人間が確認して機械のリセットボ
タンを押すことにより設定していたため、基準位置に個
人差がでると共に、設定に時間がかかり、また誤差の割
合が大きくなってしまうという問題があった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、加工停止位置を決める際の基準となる位置の設定を
高精度にしかも個人差無く行ない得、それにより高精度
な加工を行えるようにした電子顕微鏡用試料作製装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、試料を固定す
る試料位置調整台と、試料に対向配置され、上下方向に
回動可能なアームに取り付けられた加工用工具と、アー
ムの先端に取り付けられた電気接点と、該電気接点に対
向した停止位置設定用の電気接点とを備え、両電気接点
の接触により試料の加工を停止させるようにした電子顕
微鏡用試料作製装置において、停止位置設定用の電気接
点を移動させる移動手段と、該移動手段による移動量を
検出して表示する移動量表示手段とを備え、前記移動量
表示手段は両電気接点が非接触になった時リセットされ
るようにしたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明は移動用ノブの先端に取り付けられ基準
位置を設定する電気接点と、工具と共に上下動する電気
接点とを対向配置し、移動用ノブによる移動量を計数器
でカウントしてそのカウント値を表示できるようにし、
両電気接点が非接触になったときに計数器をリセットし
て表示内容を０にするようにしたので、容易に基準位置
の設定ができ、かつ加工精度の向上を行うことができ
る。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の試料作製装置を説明する図で
ある。試料作製装置のベース１０上には水平移動、回転
等試料位置を調整する試料位置調整台１１が設けられ、
この上に試料１が置かれている。一方、ベース１０から
上方へ延びる支柱１０ａにはアーム１３が上下方向に回
動可能に取り付けられ、その先端部には電気接点１６
が、他端部にはバランスウェイト１５が取り付けられて
いる。支柱１０ａに対するアーム１３の回動は、電気的
手段あるいは油圧手段等により行われる。また、アーム
１３には試料１と対向する位置に工具１２が取り付けら
れ、モータ１４よりベルト１４ａを介して回転駆動され
るようになっている。

【０００８】また、電気接点１６に対向する位置に移動
用ノブ１８で上下動可能なネジ棒１９の先端に電気接点
１７が設けられ、その移動量はロータリーエンコーダ２
０により検出され、弁別器３２を介して上下方向の移動
量が計数器３３によりカウントできるようになってい
る。また、計数器３３の内容はデコーダ３４でデコード
されて数字表示器３５で表示される。そして、これらの
装置はコントローラ３０により制御されている。

【０００９】工具１２による試料１の加工はモータ１４
で工具１２を定速回転させ、同時にアーム１３の先端部
を油圧等の手段により徐々に下降させ、試料１を加工し
て電気接点１６，１７が接触する位置まで行われる。こ
の時、加工の終了位置の設定は移動用ノブ１８の回転に
よる電気接点１７の位置設定により行われる。例えば、
まず基準位置を試料位置調整台１１の上面に設定する。
そのため、まず移動用ノブ１８を電気的接点１７が下降
する向きに回転させる。移動用ノブ１８の回転に伴って
電気的接点１７が降下して行くが、それに伴って電気的
接点１６も電気的接点１７に接触した状態で降下して行
く。そして、工具１２が試料位置調整台１１の上面に接
触すると、電気的接点１６はそれより降下できなくなる
ため、工具１２が試料位置調整台の上面に接触した瞬間
に電気的接点１６と１７は離れる。この時、コントロー
ラ３０は上記接点１６と１７が非接触になったことを検
出して移動量表示器３１にその表示値をリセットさせる
ための制御信号を送る。その結果、移動量表示器３１の
表示値はゼロになり自動的にリセットされる。次に、試
料位置調整台１１上に試料１を載せ、移動用ノブ１８を
電気的接点１７が上昇する向きに回転させると、移動量
表示器３１の表示値が増加してくる。そこで、表示値が
＋１０μｍを指示したときに移動用ノブ１８の回転を停
止させ、基準面から＋１０μｍの点で加工が終了するよ
うに設定する。このような設定を行った状態で試料加工
装置を動作させる。加工が進行し基準面から＋１０μｍ
のところまで、工具１２の下端が降下してくると、電気
的接点１６と１７がそれまでの非接触状態から接触状態
になるため、この接触はコントローラ３０に検出され
る。コントローラ３０はこの接触を検出してモータ１４
の回転を停止させるため、試料は＋１０μｍの厚さを残
してその加工が自動的に停止される。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、電気接点
が非接触になったとき、計数器および数字表示器をリセ
ットして基準位置を設定するようにしたので、基準位置
の設定が高精度にしかも個人差無く行い得、高精度な試
料作製が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の試料作製装置を説明する図である。

【符号の説明】

１…試料、１０…ベース、１１…試料位置調整台、１２
…工具、１３…アーム、１４…モータ、１５…バランス
ウェイト、１６，１７…電気接点、１８…移動用ノブ、
１９…ネジ棒、２０…ロータリエンコーダ、３０…コン
トローラ、３１…移動量表示器、３２…弁別器、３３…
計数器、３４…デコーダ、３５…数字表示器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試料を固定する試料位置調整台と、試料
   に対向配置され、上下方向に回動可能なアームに取り付
   けられた加工用工具と、アームの先端に取り付けられた
   電気接点と、該電気接点に対向した停止位置設定用の電
   気接点とを備え、両電気接点の接触により試料の加工を
   停止させるようにした電子顕微鏡用試料作製装置におい
   て、停止位置設定用の電気接点を移動させる移動手段
   と、該移動手段による移動量を検出して表示する移動量
   表示手段とを備え、前記移動量表示手段は両電気接点が
   非接触になった時リセットされるようにしたことを特徴
   とする電子顕微鏡用試料作製装置。