JPH07260295A - 表面状態制御装置 - Google Patents

表面状態制御装置

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Publication number
JPH07260295A
JPH07260295A JP6055427A JP5542794A JPH07260295A JP H07260295 A JPH07260295 A JP H07260295A JP 6055427 A JP6055427 A JP 6055427A JP 5542794 A JP5542794 A JP 5542794A JP H07260295 A JPH07260295 A JP H07260295A
Authority
JP
Japan
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light
control device
polarization
surface state
detected
Prior art date
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Pending
Application number
JP6055427A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetome Yasuda
成留 安田
Hayami Hosokawa
速美 細川
Hironobu Kiyomoto
浩伸 清本
Kohei Tomita
公平 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP6055427A priority Critical patent/JPH07260295A/ja
Publication of JPH07260295A publication Critical patent/JPH07260295A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検知物体の表面の異物を、外乱光に影響さ
れることなく、正確かつ確実に検知し、除去する。 【構成】 LED3より出射された光を、被検知物体2
に対して入射角がブリュースタ角の近傍になるように入
射させる。ガラスなどの透明体よりなる被検知物体2
は、その表面に水滴、霜などの異物が付着していない状
態においては、S偏光成分のみを反射する。偏光ビーム
スプリッタ4は、S偏光成分を反射し、受光素子5に入
射させる。被検知物体2の表面に水滴、霜などの異物が
付着したとき、被検知物体2が反射する光はS偏光成分
だけでなく、P偏光成分も含むことになる。偏光ビーム
スプリッタ4は、P偏光成分を透過し、受光素子6に入
射させる。受光素子5と6の出力の比から、被検知物体
2の表面の水滴、霜などの付着状態を判別することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエアコンの室外
機、室内機、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケースなどにおい
て、所定の位置に水滴、霜、曇りなどが付着するのを防
止する場合に用いて好適な表面状態制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、エアコンなどにおいて、熱交換
機などに水滴あるいは霜などが付着すると、熱交換の効
率が低下する。このため、水滴や霜が付着しないように
する必要がある。これらの装置においては、水滴または
霜の付着を検出し、水滴または霜の付着が検出されたと
き、これを除去するように、運転を制御するようになさ
れている。
【0003】露(水滴)あるいは霜の付着を検出する方
法として、種々の方法が提案されている。
【0004】例えば特開昭60−44748号公報にお
いては、送風ファンの動力または回転数を検知して、着
霜を予測している。また、特開昭61−91438号公
報においては、室内熱交換機の入口温度と室内温度との
差を微分して、着霜を予測している。さらに、特開昭6
1−110848号公報においては、冷媒の流量の時間
微分値から着霜を予測している。
【0005】特開昭61−153460号公報において
は、外気温度と湿度から着霜を予測するようにしてい
る。また、特開昭61−265437号公報において
は、熱交換機付近の温度と、熱交換機の風下側の温度と
の温度差から着霜を予測している。さらに、特開平1−
266458号公報においては、熱交換機付近の温度
と、圧縮機の吸入側の冷媒の圧力より着霜を予測してい
る。
【0006】しかしながら、これらの方法は、いずれ
も、着霜条件を検知することにより、間接的に着霜を予
測するものであるため、例えば外気が低温、低湿のと
き、風が強いときなどの条件に影響され、着霜量を正確
に検知することができず、結果的に、運転効率が悪くな
る課題があった。
【0007】そこで、例えば特開昭59−57050号
公報には、被検知部の状態を光学的に直接的に検知する
方法が開示されている。
【0008】この特開昭59−57050号公報に開示
されている方法においては、自動車の窓ガラスに光を照
射し、受光素子で、その反射光を受光するようにしてい
る。窓ガラスに水滴が付着していない場合、光は殆ど窓
ガラスを透過してしまうため、窓ガラスからの反射光を
受光することができない。これに対して、水滴が付着し
た場合においては、そこにおいて光が散乱反射されるた
め、その反射光を受光することができ、これにより、水
滴が窓ガラスに付着したことを検出するようにしてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この検
出方法は、窓ガラスに曇りが発生したか否かを検知する
ことはできても、曇りの程度を検知することが困難であ
る課題があった。即ち、窓ガラスの曇りの程度を検知す
るには、発光素子の発光強度のバラツキ、光軸ずれ、セ
ンサの取り付け精度などの影響を受け易いので、どの程
度の曇りが発生したか否かを判定するための閾値を調整
する操作が必要であり、面倒であった。さらに、外乱光
による影響を受け易い課題があった。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、調整が不要で、外乱光による影響を受け難
い装置を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の表面状態制御装
置は、被検知物体(例えば図1の被検知物体2)に照射
する光を発生する発生手段(例えば図1のLED3)
と、被検知物体を経た光から、異なる偏光成分を分離す
る分離手段(例えば図1の偏光ビームスプリッタ4)
と、分離手段により分離された異なる偏光成分を受光す
る受光手段(例えば図1の受光素子5,6)と、受光手
段の出力から被検知物体の表面状態を検知する検知手段
(例えば図5の判別回路77)と、検知手段の検知結果
に対応して、被検知物体の表面状態を制御する制御手段
(例えば図5の制御回路78)とを備えることを特徴と
する。
【0012】分離手段には、偏光面が相互に垂直なS偏
光成分とP偏光成分とを分離させることができる。
【0013】分離手段は、被検知物体を経た光から、S
偏光成分とP偏光成分のうち、一方を反射し、他方を透
過する偏光ビームスプリッタ、あるいは、被検知物体を
経た光から、S偏光成分またはP偏光成分を透過する偏
光フィルタとすることができる。
【0014】発生手段と受光手段は、分離して配置し、
発生手段に発散光を被検知物体に照射させることができ
る。
【0015】発生手段から発生された光を、被検知物体
に対して、斜めに入射させることができる。このとき、
被検知物体に対する入射角、または、被検知物体からの
光の分離手段に対する入射角のうちの少なくとも一方
は、ブリュースタ角の近傍の角度にすることができる。
【0016】発生手段から被検知物体に照射される光
は、直線偏光の光、特に、S偏光の光とすることができ
る。
【0017】発生手段には、被検知物体に照射する光を
発生する発光素子と、発光素子から出射される光から所
定の偏光方向の光を抽出する光学素子とを設けることが
できる。
【0018】発光素子が発生する光のピークレベルの波
長は、800nmより大きくすることができる。
【0019】光学素子は、偏光ビームスプリッタまたは
偏光フィルタにより構成することができる。
【0020】受光手段は、被検知物体からの正反射光を
受光する位置に配置することができる。
【0021】所定の値より短い波長の光の受光手段への
入射を抑制する波長フィルタ(例えば図1の波長フィル
タ7)をさらに設けることができる。
【0022】検知手段により、被検知物体の表面に付着
した異物の有無、発生量または発生速度を検知すること
ができる。
【0023】異物は、水滴、霜または曇りとすることが
できる。
【0024】検知手段には、受光手段が受光する異なる
偏光成分の光の受光量の比、差、和、または差と和の比
のいずれかより、被検知物体の表面状態を検知させるこ
とができる。
【0025】被検知物体は、エアコンの室外機または室
内機、冷蔵庫、冷凍庫、またはショーケースのうちの少
なくともいずれか1つの内部またはその制御範囲内に配
置させることができる。
【0026】偏光ビームスプリッタは、偏光面が第1の
方向のS偏光成分を反射し、偏光面が第1の方向と垂直
な第2の方向のP偏光成分を透過するように、複数の薄
膜が基板上に形成された偏光ビームスプリッタであっ
て、P偏光成分の透過率と、S偏光成分の透過率の波長
距離が、90nmより大きいものとすることができる。
【0027】偏光ビームスプリッタは、偏光面が第1の
方向のS偏光成分を反射し、偏光面が第1の方向と垂直
な第2の方向のP偏光成分を透過するように、複数の薄
膜が基板上に形成された偏光ビームスプリッタであっ
て、S偏光成分の波長に対する透過率の変化の割合が、
P偏光成分の波長に対する透過率の変化の割合に比較し
て、充分小さいものとすることができる。
【0028】偏光ビームスプリッタは、偏光面が第1の
方向のS偏光成分を反射し、偏光面が第1の方向と垂直
な第2の方向のP偏光成分を透過するように、複数の薄
膜が基板上に形成された偏光ビームスプリッタであっ
て、S偏光成分の透過率の入射角に対する依存性が、P
偏光成分の透過率の入射角に対する依存性に比較して、
充分小さいものとすることができる。
【0029】薄膜は、少なくとも、TiO2の薄膜と、
SiO2の薄膜、さらに、MgF2の薄膜を含むものとす
ることができる。
【0030】薄膜は、誘電体多層膜、あるいは、誘電体
多層膜と金属膜により構成することができる。
【0031】薄膜には、単位薄膜が繰り返し形成されて
いる周期層を必要に応じて形成することができる。
【0032】基板は、平行平板とすることができる。
【0033】
【作用】上記構成の表面状態制御装置においては、LE
D3より出射された光が、例えばガラスなどよりなる被
検知物体2に照射され、その反射光が偏光ビームスプリ
ッタ4に入射される。被検知物体2の表面に水滴、霜な
どが付着していないとき、被検知物体2より偏光ビーム
スプリッタ4に入射される光は、S偏光成分が多くな
る。これに対して、被検知物体2の表面に水滴、霜など
が付着すると、P偏光成分が現れる。そこで、受光素子
5,6の出力の、例えば比から、被検知物体2に水滴あ
るいは霜などが、どの程度付着したかを判定する。
【0034】このように、S偏光成分とP偏光成分の光
量から、被検知物体2の表面状態を判別するようにした
ので、付着物の有無だけでなく、その量を、外乱光に影
響されることなく、正確に検出し、異物を除去すること
が可能となる。
【0035】
【実施例】図1は、本発明の表面状態制御装置に用いら
れる検知装置の基本概念を示した実施例であり、筐体1
内には、被検知物体2に対して光を出射する発光手段と
してのLED3が配置されており、LED3より出射さ
れた光は、被検知物体2に対して斜め方向から投射され
る。被検知物体2に対して出射された投射光は、被検知
物体2によって反射され、筐体1内に配置された受光手
段によって受光される。この実施例の場合、受光手段
を、偏光ビームスプリッタ(PBS)4と、第1と第2
の受光素子5,6により構成している。
【0036】筐体1の前面を被覆しているのは、可視光
(LED3が発生する光の波長より短い波長の光)をカ
ットする波長フィルタ7であり、これにより、外乱光が
受光素子5,6により検出され、誤動作するようなこと
が抑制される。
【0037】偏光ビームスプリッタ4は、図7乃至図1
1を参照して後述するように、透過ガラス材よりなる平
行平板の基板4A上の、被検知物体2からの反射光の入
射側表面に、誘電体多層膜のみからなる(誘電体と金属
膜により構成することもできる)薄膜4Bが形成されて
おり、これによって斜め方向から入射する反射光を、偏
光面が互いに直交する2つの偏光成分の光(P偏光成分
とS偏光成分)に分離する。即ち、S偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ4の表面において反射され、第1の受
光素子5に投射される。また、P偏光成分は、透過ガラ
ス材より成る平行平板の基板4Aを透過し、第2の受光
素子6に投射される。
【0038】以上の構成において、被検知物体2がガラ
スなどの透明体であり、図2に示すように、その表面
に、水滴、霜などの異物が付着していない場合には、L
ED3の発光する光の偏光方向はランダムであっても、
被検知物体2におけるS偏光成分の反射率が、P偏光成
分の反射率よりも大きくなる。
【0039】ここで、被検知物体2に対するLED3か
らの光の入射角θと、S偏光成分とP偏光成分の光量と
の関係について、図3を参照して説明する。
【0040】図3は、透明体物質(ガラス)の反射率の
角度依存性について示したものである。図3における縦
軸は反射率を示しており、また横軸は被検知物体2、即
ち、ガラス面に対するLED3からの光の入射角θを示
している。そしてRsは、ガラスによるS偏光成分の反
射率を示し、Rpは、同じくP偏光成分の反射率を示し
ている。
【0041】図3に示すように、入射角θが50度乃至
60度の範囲において、S偏光成分の反射率RsとP偏
光成分の反射率Rpの比、即ち、Rs/Rpが最も大き
くなる。特に、ガラス面に対する光の入射角θが56.
3度(=θB)のとき、Rp=0となる。この角度θ
Bを、一般にブリュースタ角と呼称している。従って、
ガラス面に対するLED3からの光の入射角θを、40
度乃至65度程度(ブリュースタ角の近傍の角度)にな
るように、LED3とガラス面(被検知物体2)との位
置関係を設定すれば、ガラスからの反射光は、殆どS偏
光成分だけとなる。
【0042】これに対して、図4に示すように、被検知
物体2の表面に、水滴、霜、曇りなどの異物が付着する
と、表面で光が拡散反射するため、反射光のS偏光成分
とP偏光成分の割合がほぼ等しくなる。従って、2つの
受光素子5,6の出力の比の大きさから、被検知物体2
の表面が曇った場合や、水滴が付着した場合、その量を
(即ち、その表面状態を)、検出することができる。
【0043】このとき、被検知物体2の位置が多少変動
したり、多少の傾き変動が生じても、2つの受光素子5
と6に入射するS偏光成分とP偏光成分の光量は同様に
変化し、2つの受光素子5と6の出力の比の変動は少な
く、よって安定な検出が保障される。
【0044】尚、このように、入射角をブリュースタ角
の近傍に設定すると、S偏光成分の反射率Rsを大きく
し、P偏光成分の反射率Rpを小さくすることができる
ので、ガラスの基板4Aに薄膜4Bを形成して構成した
偏光ビームスプリッタ4も、その入射角がブリュースタ
角の近傍になるように配置するのが好ましい。このよう
にすることで、S偏光とP偏光をより効果的に分離する
ことができる。
【0045】図5は、S偏光成分を受光する受光素子5
と、P偏光成分を受光する受光素子6の出力から、被検
知物体2の表面状態を判別する動作を行う回路部のブロ
ック図の構成例を示している。
【0046】受光素子5の出力(S)と受光素子6の出
力(P)は、それぞれ増幅器71と増幅器72により増
幅された後、割算器73に入力され、割算(S/P)さ
れる。割算器73の出力は、判別回路76に入力され、
その大きさが所定の閾値と比較される。判別回路76
は、割算器73の出力(S/P)の大きさから、被検知
物体2の異物の付着程度を判定する。即ち、異物がなけ
れば、P偏光成分に比較してS偏光成分の光量が大きく
なるため、割算器73の出力(S/P)は大きくなる。
これに対して、異物が多くなれば、それだけP偏光成分
に対するS偏光成分の割合が小さくなるため、割算器7
3の出力(S/P)は小さくなる(1に近くなる)。従
って、その大きさから、被検知物体2の表面状態を判別
することができる。
【0047】判別回路76の判別結果は、制御回路78
に供給される。制御回路78は、判別回路76からの判
別結果信号に対応して、被検知物体2に付着している異
物を除去するように、所定の動作を実行する。例えば、
エアコンなどにおいては、除霜運転を実行する。
【0048】微分器77は、割算器73の出力(S/
P)を時間微分し、その結果を判別回路76に出力す
る。上述したように、割算器73の出力(S/P)は、
被検知物体2の表面状態に対応しており、微分器77の
出力は、被検知物体2上の異物の付着する速度を表して
いる。即ち、異物が付着する速度が速ければ、微分器7
7の出力はそれだけ大きくなる。判別回路76は、微分
器77の出力の大きさを所定の閾値と比較し、異物の生
成速度を判定する。そして、その判定結果を制御回路7
8に出力する。
【0049】図6は、受光素子5と受光素子6の出力の
差(S−P)、和(S+P)、または、差と和の比
((S−P)/(S+P))により、異物の判別動作を
行う回路の構成例を表している。
【0050】即ち、この実施例においては、受光素子5
の出力が増幅器71により増幅されて、減算器75に供
給される。また、受光素子6の出力が増幅器72により
増幅されて、減算器75に供給される。減算器75は、
増幅器71の出力(S)から増幅器72の出力(P)を
減算し、その差(S−P)を割算器73に供給する。
【0051】一方、加算器74は、増幅器71の出力
(S)と増幅器72の出力(P)を加算し、その和(S
+P)を割算器73に供給する。
【0052】割算器73は、減算器75の出力(S−
P)を加算器74の出力(S+P)で割算し、その割算
した値((S−P)/(S+P))を判別回路76に出
力する。判別回路76は、図5における場合と同様に、
割算器73の出力を所定の閾値と比較し、被検知物体2
上の表面状態を判別する。そして、判別結果を制御回路
78に出力する。
【0053】また、微分器77は、割算器73の出力を
時間微分し、その微分結果を判別回路76に出力する。
判別回路76は、微分器77の出力から異物の生成速度
を判別し、その判別結果を制御回路78に出力する。
【0054】尚、以上においては、受光素子5と受光素
子6の出力の差(S−P)と和(S+P)の比((S−
P)/(S+P))から、被検知物体2の表面状態を判
別するようにしたが、差(S−P)から判別する場合に
おいては、減算器75の出力を、そのまま判別回路76
と微分器77に供給するようにすればよい。即ち、点A
と点Cを接続するようにすればよい。また、和(S+
P)により判定する場合においては、加算器74の出力
を、判別回路76と微分器77に直接供給するようにす
ればよい。即ち、点Bと点Cを接続するようにすればよ
い。
【0055】図7は、偏光ビームスプリッタ(PBS)
4の構成例を表している。この実施例においては、例え
ば透明なガラス等の平行平板よりなる基板4A上に、誘
電体多層膜により薄膜4Bが形成されている。この構成
は、図7に示すように、次のようになっている。
【0056】基板(n=1.51)/0.323H,
1.219L,0.957H,0.981L,0.76
7H,0.980L,1.211H,(0.999L,
1.016H)4,1.071L,0.923H,1.
154L,1.022H,1.112L,1.039
H,1.035L,(0.946H,1.156L)
4,2.326H,1.745L,1.176H/空気
(n=1)
【0057】ここにおいて、高屈折率の薄膜Hは、屈折
率nが2.26のTiO2により構成され、低屈折率の
薄膜Lは、屈折率nが1.46のSiO2が用いられて
いる。上記した数値は、各薄膜の厚さを表しており、λ
=860nmのとき、λ/4が1とされている。
【0058】この実施例においては、(0.999L,
1.016H)の単位層が4回繰り返されている周期層
と、(0.946H,1.156L)の単位層が4回繰
り返されている周期層が形成されている。
【0059】図8は、このように形成した偏光ビームス
プリッタ4の透過率特性を表している。同図に示すよう
に、透過率が30%となるP偏光成分の波長とS偏光成
分の波長の波長距離Δλは、約120nmとなってい
る。
【0060】また、図8に示すように、S偏光成分の波
長に対する透過率の変化の割合(傾き)が、P偏光成分
のそれに比べて充分小さい値となっている(即ち、図8
において、傾きが小さくなっている)。
【0061】さらにまた、図8に示すように、S偏光成
分における角度依存性は、P偏光成分における角度依存
性より、充分小さい値となっている(図8において、各
入射角度における特性曲線のバラツキが小さくなってい
る)。
【0062】図9は、偏光ビームスプリッタ4のさらに
他の構成例を示している。この実施例においては、高屈
折率の薄膜Hとして、n=2.26のTiO2が用いら
れることは、図7における場合と同様であるが、低屈折
率の薄膜としては、2種類の薄膜が用いられる。即ち、
その1つの薄膜Lとしては、図7における場合と同様
に、n=1.46のSiO2が用いられ、さらに他の1
つの薄膜L0として、n=1.38のMgF2が用いられ
ている。
【0063】そして、この実施例の構成は、次のように
なっている。 基板(n=1.51)/0.323H,1.219L,
0.957H,0.981L,0.767H,0.98
0L,1.211H,(0.999L,1.016H)
4,1.071L0,0.923H,1.154L,
1.022H,1.112L,1.039H,1.03
5L0,(0.946H,1.156L)4,2.32
6H,1.745L0,1.176H/空気(n=1)
【0064】図9に示す構成により、図10に示す透過
率特性を実現することができる。図8と図10を比較し
て明らかなように、図10に示す場合の方が、図8に示
す場合より、S偏光成分の傾きがさらに小さくなってお
り、なおかつS偏光成分の角度依存性がより小さくな
り、Δλがより広くなっている。
【0065】TiO2とSiO2の成膜時における応力の
発生方向は、逆方向となるため、この2つの薄膜で偏光
ビームスプリッタ4を構成することにより、成膜時に発
生する応力を緩和することができる。さらにまた、Mg
2という屈折率の小さい物質を用いることにより、上
記したQP,QSを大きくし、Δλをより大きくすること
ができる。
【0066】尚、図7の実施例と図9の実施例において
は、それぞれ2つの周期層を含ませるようにしたが、こ
の周期層をばらばらにして、それぞれの薄膜の厚さを最
適化することも可能である。このようにすれば、設計の
自由度がさらに増加する。従来の場合における周期層
は、(1L,1H)5、または(1H,1L)5とされ
ていたが、この実施例においては、この周期層における
単位薄膜の厚さも1以外の値に設定し、より最適化を図
っている。
【0067】このように、上記した構成の偏光ビームス
プリッタ4は、角度依存性が少ないため、発散光路中あ
るいは収束光路中においても用いることが可能となる。
【0068】例えば図11に示すように、偏光ビームス
プリッタ4を、αの発散角を有する発散光路中に配置し
た場合、光軸上の点bにおける入射角をθ0とすると、
点bより図中上側と下側の点aと点cにおける入射角θ
1とθ2は、それぞれ次のようになる。 θ1=θ0−α θ2=θ0+α
【0069】即ち、発散光路中に偏光ビームスプリッタ
4を配置すると、入射角が、θ0−αからθ0+αの範囲
の値をとることになる。従って、点b上の入射角θ0
光からだけでなく、点aまたは点c上の入射角θ0−α
またはθ0+αの入射角を有する光からも、P偏光成分
とS偏光成分を有効に分離するには、それだけΔλの範
囲が広く、また、角度依存性が少ない必要があるが、こ
の実施例においては、上述したように、Δλの値が大き
いため、発散光路中あるいは収束光路中において、P偏
光成分とS偏光成分を有効に分離することが可能とな
る。
【0070】さらにまた、本実施例によれば、Δλの値
が大きいため、波長スペクトラムが広い光源の光から
も、P偏光成分とS偏光成分を有効に分離することが可
能となる。
【0071】例えば、図12に示すように、100nm
以上の幅の波長スペクトルを有するLEDが発生する光
を、図9に示す構成の、即ち、図10に示す特性の偏光
ビームスプリッタ4に入射すると、図13に示すよう
に、P偏光成分とS偏光成分を分離することができる。
図13に示すように、入射角が、50度±6度の範囲
(44度乃至56度の範囲)において、S偏光成分の透
過率は約9%であるのに対して、P偏光成分の透過率は
約66%乃至85%の値となっている。即ち、非平行光
路中においても、波長スペクトルの広い光から、P偏光
成分とS偏光成分を確実に分離、抽出することができる
ことが判る。
【0072】上述したように、図1に示す構成におい
て、LED3より出射された光の被検知物体2に対する
入射角θを、ブリュースタ角近傍の角度に設定すること
により、異物が存在しない被検知物体2からの反射光
を、S偏光成分だけとすることが可能であるが、図14
に示すように、LED3の発生する光が発散している場
合、その光軸から離れている光ほど、ブリュースタ角か
ら離れる角度になるため、その分だけS偏光成分が少な
くなり、P偏光成分が多くなる。その結果、分解能が悪
化する。
【0073】そこで、被検知物体2に照射する光を、予
め所定の直線偏光の光とするのが好ましい。図15は、
直線偏光を得るための構成例を示している。
【0074】図15(a)の実施例においては、光源と
してレーザダイオード(LD)30を用いている。レー
ザダイオード30が発生するレーザ光は、直線偏光とな
っているため、この光をそのまま被検知物体2に照射す
るようにすることができる。
【0075】図15(b)の実施例においては、LED
3の前面に、偏光フィルタ10を配置している。そし
て、この偏光フィルタ10は、LED3が発生する偏光
方向はランダムな偏光の光の中から、S偏光成分(また
はP偏光成分)のみを透過させるようにすることができ
る。尚、この偏光フィルタ10は、光軸に対して垂直で
あってもよいし、傾斜してもよい。
【0076】さらに、図15(c)の実施例において
は、LED3の前面に、上述した構成の偏光ビームスプ
リッタ4を配置している。そして、この偏光ビームスプ
リッタ4により反射されたS偏光成分を、被検知物体2
に照射するようにすることができる。勿論、透過した光
を用いる場合は、P偏光の光となる。
【0077】LED3の発光波長が赤外域の場合、偏光
フィルタ10もその波長帯域のものを用いる必要がある
が、赤外域の偏光フィルタは高価である。従って、その
場合、図15(b)に示す構成より、同図(c)に示す
構成の方が好ましい。
【0078】例えば、発光手段として、図15(b)に
示す構成を採用した場合、被検知物体2に対して、図1
6に示すように、LED3が発生する光から、偏光フィ
ルタ10によりS偏光成分が抽出され、被検知物体2に
照射される。被検知物体2に水滴、霜、曇りなどが発生
していないとき、S偏光成分の光は被検知物体2で反射
され、偏光ビームスプリッタ4に入射される。そして、
偏光ビームスプリッタ4でも反射され、受光素子5に入
射される。このとき、被検知物体2に異物が存在しない
ため、偏光フィルタ10より出射される光の偏光面は、
被検知物体2における反射においても保持され、P偏光
成分は殆ど発生しない。従って、受光素子6の受光する
光量は、殆どないことになる。
【0079】これに対して、図17に示すように、被検
知物体2上に水滴、霜、曇りなどが発生すると、偏光フ
ィルタ10を介して入射されたS偏光成分の光は、偏光
方向はランダムな方向に散乱反射され、S偏光成分の偏
光面は保持されない。即ち、P偏光成分とS偏光成分が
ほぼ等しい割合で反射される。その結果、受光素子5と
受光素子6には、ほぼ等しい光量が受光される。
【0080】この実施例の場合、LED3が出射する光
から、偏光フィルタ10によりS偏光成分のみを抽出し
ているため、このS偏光成分の光の被検知物体2に対す
る入射角をブリュースタ角近傍の角度に設定する必要が
なくなる。このため、LED3より発散する光が、偏光
フィルタ10を介して被検知物体2に照射されたとして
も、被検知物体2からの反射光は、被検知物体2上に異
物が存在しない限り、S偏光成分だけとなる。尚、この
ことは、後述する図19の実施例においても同様であ
る。
【0081】図18は、他の構成例を示している。この
実施例においては、LED3より出射された光が、偏光
フィルタ10を介して被検知物体2に入射され、そこで
反射された後、偏光フィルタ20,21を介して、受光
素子5,6にそれぞれ入射される。偏光フィルタ20
は、S偏光成分のみを透過するようになされており、偏
光フィルタ21は、P偏光成分のみを透過するようにな
されている。従って、この場合においても、受光素子5
と受光素子6により、それぞれS偏光成分とP偏光成分
を受光することができる。
【0082】図19は、検知装置のさらに他の実施例を
表している。この実施例においては、LED3より出射
された光が、光学レンズ12により緩やかな発散光とさ
れ、偏光フィルタ10を介して、比較的遠距離に配置さ
れている被検知物体2に照射される。そして、被検知物
体2により反射された正反射光は、光学レンズ13によ
り収束され、偏光ビームスプリッタ4を介して受光素子
5または6に入射される。この実施例においては、光学
レンズ12から発散して出射した光の光軸付近の光は、
被検知物体2に対してほぼ垂直に入射される。そして、
被検知物体2で反射された正反射光が受光できるよう
に、受光素子5と6が配置される。
【0083】図20乃至図23は、検知装置の発光部と
受光部とを分離し、被検知物体2を透過した光を受光す
るようにした構成例を示している。
【0084】図20の実施例においては、光学レンズ1
2により、LED3より出射される発散光が平行光にコ
リメートされ、偏光フィルタ10により、直線偏光(S
偏光成分またはP偏光成分)の光が抽出され、被検知物
体2に照射される。そして、被検知物体2を透過した光
が光学レンズ13により収束され、偏光ビームスプリッ
タ4を介して受光素子5または6に入射される。
【0085】この実施例の場合、偏光フィルタ10より
出射される直線偏光の光は、P偏光成分とS偏光成分の
いずれであってもよい。被検知物体2の表面に異物が生
成されていないとき、その偏光成分がそのまま被検知物
体2を透過し、受光素子5(S偏光成分の場合)または
受光素子6(P偏光成分の場合)により受光される。被
検知物体2上に水滴、霜などが付着した場合において
は、偏光フィルタ10より出射された光に含まれない偏
光成分の光が発生し、それが受光素子5または受光素子
6により受光される。従って、受光素子5と6の出力か
ら、被検知物体2上の表面状態を判別することができ
る。
【0086】図21の実施例においては、図20の実施
例における偏光フィルタ10が省略された構成とされて
いる。その結果、光学レンズ12より、偏光方向はラン
ダムな偏光の平行光が出射される。そして、この平行光
は、被検知物体2に対して入射角θで入射される。この
角度θは、上述したブリュースタ角の近傍の角度に設定
されている。その結果、S偏光成分は、被検知物体2で
反射され、P偏光成分はS偏光成分より多く透過する。
そして、これが受光素子6で受光される。
【0087】これに対して、被検知物体2に異物が付着
したとき、被検知物体2より出射される光は、S偏光成
分の割合が増えて、これが受光素子5で受光される。従
って、この場合においても、受光素子5と6の出力か
ら、被検知物体2上の表面状態を判別することができ
る。
【0088】図22の実施例においては、発光部と受光
部の基本的構成は図20における場合と同様とされてい
る。但し、被検知物体2の構成が図20における場合と
異なっている。即ち、この実施例においては、被検知物
体2が円筒状(または、狭いすき間)とされている。そ
して、被検知物体2の円筒面の内壁面に、水滴、霜など
が付着するようになされている。その結果、被検知物体
2の内壁面に水滴、霜などが付着していない場合におい
ては、偏光フィルタ10より出射されるS偏光またはP
偏光の光のみが、受光素子5または6において検出され
るのであるが、水滴、霜などが付着した場合において
は、そこで光が散乱反射されるため、異なる偏光の光が
発生し、これが受光素子5または6により検出される。
【0089】また、図23の実施例においては、図22
の実施例における光学レンズ12が省略された構成とさ
れている。その結果、LED3より、偏光フィルタ10
を介して出射された光のうち、偏光フィルタ10により
抽出された直線偏光の光は、発散光となっている。そし
て、この発散光が、例えば金属などよりなる被検知物体
2の内壁面に照射される。この光は、被検知物体2の内
壁面において反射され、受光部側に伝達されるが、内壁
面に異物が付着していない限り、偏光フィルタ10によ
り選択した偏光面はそのまま保持される。
【0090】これに対して、被検知物体2の内壁面に異
物が付着した場合においては、そこで光が散乱反射さ
れ、偏光フィルタ10で抽出した偏光成分以外の偏光が
発生する。従って、受光素子5と6の出力から、被検知
物体2の内壁面の表面状態を検知することができる。
【0091】図24乃至図26は、光ファイバを用いた
構成例を示している。
【0092】図24の実施例においては、LED3より
出射された光から、偏光フィルタ10により所定の方向
の偏光成分が抽出され、光学レンズ12により平行光に
変換された後、被検知物体2に照射される。被検知物体
2を透過した光は、偏光フィルタ20と21にそれぞれ
入射される。偏光フィルタ20は、例えばS偏光成分
を、そして偏光フィルタ21は、P偏光成分を、それぞ
れ透過させる。従って、受光した光にS偏光成分が存在
すれば、それが光ファイバ61を介して受光素子5に伝
達され、受光される。また、P偏光成分が存在すれば、
光ファイバ62を介して受光素子6に伝達され、受光さ
れる。
【0093】図25の実施例においては、LED3より
出射した発散光が、光学レンズ12により平行光に変換
された後、偏光フィルタ10により所定の偏光成分が抽
出される。そして、この偏光成分が被検知物体2に照射
され、そこを透過した光が、受光部の光学レンズ13に
より収束され、偏光ビームスプリッタ4を介して光ファ
イバ61または62に入射される。S偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ4で反射され、光ファイバ61を介し
て受光素子5に入射される。また、P偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ4を透過し、光ファイバ62を介して
受光素子6に入射される。
【0094】図26の実施例においては、LED3より
出射された発散光から、偏光フィルタ10により所定の
偏光成分が抽出され、被検知物体2に照射される。
【0095】そして、被検知物体2で正反射された反射
光が、光学レンズ13により収束され、偏光ビームスプ
リッタ4に入射される。偏光ビームスプリッタ4で反射
されたS偏光成分は、光ファイバ61で案内され、受光
素子5に入射される。また、偏光ビームスプリッタ4を
透過したP偏光成分は、光ファイバ62で案内され、受
光素子6に入射される。
【0096】次に、以上のように構成されている検知装
置の応用例について、さらに説明する。
【0097】図27は、自動車のエアコンに適応する実
施例を表している。同図に示すように、フロントウイン
ドウ110の上方に配置されているバックミラー111
の後面(フロントウインドウ110側の面)に、検知装
置100が配置されている。
【0098】図28は、検知装置100のバックミラー
111への取付例を示している。同図に示すように、こ
の実施例においては、LED3が下側に、受光素子5と
6が上側になるように配置されている。このように配置
することで、自然光(特に太陽光)が受光素子5,6に
入射し、誤検知することが抑制されるようになされてい
る。
【0099】そして、この実施例の場合、LED3より
出射された光が、フロントウインドウ110により反射
され、偏光ビームスプリッタ4を介して受光素子5また
は6により受光されるようになされている。これによ
り、フロントウインドウ110の曇りを検出することが
できる。
【0100】尚、この実施例における場合のように、波
長フィルタ7を筐体1の前面に配置することで、可視光
が受光素子5や6に入射し、誤検知することがさらに抑
制されるようになされている。
【0101】以上の実施例においては、バックミラー1
11の裏側に検知装置100を配置するようにしたが、
図27に示すように、ダッシュボード112上に配置す
ることも可能である。
【0102】あるいはまた、図29に示すように、リア
ウインドウ121の左側および右側の端部近傍に検知装
置100を配置することもできる。図29に示す検知装
置100の取付位置は、リアウインドウ121を熱線ヒ
ータ122で加熱しても、リアウインドウ121に付着
した曇りが最後まで残る場所であるため、そこにおける
曇りを検出することで、リアウインドウ121の曇り状
態を確実に検出することが可能となる。
【0103】図30は、図29に示すように検知装置1
00を配置した場合において、熱線ヒータ122を制御
する構成例を示している。この実施例においては、イグ
ニッションスイッチ(または所定の手動スイッチ)13
3をオンすると、バッテリ(電源)131の出力する電
力が、ヒューズ132を介して、パルス変調回路134
と制御回路78に供給されるようになされている。パル
ス変調回路134は、イグニッションスイッチ133が
オンされたとき、LED3に所定の変調方式で変調した
パルスを印加し、LED3を点滅させる。
【0104】LED3より出射された光は、受光素子5
または6により受光される。受光素子5と6の出力は、
それぞれ増幅器71と72により増幅された後、演算回
路141に供給される。演算回路141は、上述した図
5の割算器73、判別回路76、および微分器77によ
り構成されるか、あるいはまた、図6の割算器73、加
算器74、減算器75、判別回路76、および微分器7
7により構成される。
【0105】従って、演算回路141は、増幅器71と
72の出力する出力SとPの比、差、和、または、差と
和の比から、リアウインドウ121の曇り状態を検出す
る。そして、検出結果が制御回路78に供給される。
【0106】制御回路78は、演算回路141の出力に
対応して熱線ヒータ122を適宜駆動し、リアウインド
ウ121の曇りを除去させる。
【0107】このように、LED3をパルス駆動するよ
うにすると、駆動されたタイミングにおいてのみ、演算
回路141で演算を行うようにすることができ、外乱光
による影響を抑制することが可能となる。
【0108】尚、制御回路78により、自動車に具備さ
れているエアコンを駆動し、リアウインドウ121ある
いはフロントウインドウ110などに付着した曇りを除
去するようにしてもよい。
【0109】図31は、熱ポンプ式空調機151への応
用例を表している。暖房運転時、冷媒は、四方弁15
6、室内熱交換機153、絞り装置154、室外熱交換
機155の経路で(図中、Wの矢印の方向に)流れ、冷
房運転時、四方弁156、室外熱交換機155、絞り装
置154、室内ファン157の経路で(図中、Cの矢印
の方向に)流れる。
【0110】暖房運転時、室外熱交換機155は、発熱
機として作用し、室外ファン158を介して外気を取り
込み、外気より吸熱する。この熱が冷媒を介して室内熱
交換機153に伝達され、室内熱交換機153は、この
熱を室内ファン157を介して室内に放出する。
【0111】これに対して、冷房運転時、室内熱交換機
153で室内ファン157を利用して取り込まれた熱
が、冷媒を介して室外熱交換機155に供給され、そこ
で室外ファン158を介して室外に放出される。
【0112】検知装置100は、室外熱交換機155の
結露状態を検知し、その検知結果を制御回路78に出力
する。制御回路78は、検知装置100の出力に対応し
て、四方弁156を制御し、冷媒の流れる方向を切り換
える。
【0113】例えば、暖房運転の時間の経過とともに、
室外熱交換機155に露(霜)が生じ、成長してくる
と、その表面状態が検知装置100により検知される。
制御回路78は、霜の付着を検知したとき、四方弁15
6を制御し、冷媒の流れる方向を、矢印Cで示す方向に
切り換え、室外熱交換機155の除霜を開始させる。
【0114】そして、検知装置100の出力をモニタ
し、室外熱交換機155の霜が除去されたとき、制御回
路78は四方弁156を再び切り換え、通常の暖房運転
を再開させる。
【0115】図32と図33は、検知装置100の取付
状態を表している。図32に示すように、室内熱交換機
153と室内ファン157は、室内ユニット161側に
設けられており、室外熱交換機155、四方弁156、
および室外ファン157は、キャビラリチューブ159
とともに、室外ユニット162側に設けられている。冷
媒は、上述したようにして、室内熱交換機153と室外
熱交換機155の間を循環することになる。
【0116】室外熱交換機155は、例えば図33
(a)に示すスパイラルフィン171、同図(b)に示
すプレートフィン172、あるいは同図(c)に示すコ
ルゲートフィン173を有している。
【0117】検知装置100は、例えば同図(a)に示
すように、スパイラルフィン171に光を照射し、その
反射光から霜の付着状態を検出する。
【0118】同図(b)に示す実施例においては、プレ
ートフィン172の間に光を透過して、霜などの付着状
態を検出するようになされている。
【0119】さらに、同図(c)に示す実施例において
は、コルゲートフィン173の下方および上方において
光を照射し、その反射光から霜などの付着状態を検出す
るとともに、コルゲートフィン173の間に光を透過さ
せることでも、霜などの付着状態を検出するようになさ
れている。
【0120】このように、検知装置100の取付位置
は、所定の1ヶ所以上の位置とすることができる。
【0121】この他、エアコンの室内機の霜を検知、除
去するようにしたり、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケースな
どの霜を検知、除去するようにすることも可能である。
【0122】
【発明の効果】以上の如く本発明の表面状態制御装置に
よれば、被検知物体を経た光から、異なる偏光成分を分
離し、分離された偏光成分の検出出力から、被検知物体
の表面状態を検知するようにしたので、外乱光により影
響されることなく、被検知物体の表面に付着した異物
を、迅速かつ確実に検出し、除去することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面状態制御装置の検知装置の一実施
例の構成を示す図である。
【図2】図1の実施例の動作を説明する図である。
【図3】図1の実施例の偏光ビームスプリッタ4の特性
を説明する図である。
【図4】図1の実施例の動作を説明する図である。
【図5】被検知物体の表面状態を判別するための回路の
構成例を示すブロック図である。
【図6】被検知物体の表面状態を判別するための回路の
他の構成例を示すブロック図である。
【図7】図1の偏光ビームスプリッタ4の構成例を示す
断面図である。
【図8】図7の構成の偏光ビームスプリッタの特性を説
明する図である。
【図9】図1の偏光ビームスプリッタ4の他の構成例を
示す断面図である。
【図10】図9の構成の偏光ビームスプリッタの特性を
説明する図である。
【図11】偏光ビームスプリッタへの入射角を説明する
図である。
【図12】LEDの発光スペクトラムを示す図である。
【図13】図12に示す発光スペクトラムの光を図10
に示す特性の偏光ビームスプリッタで分離した場合の結
果を示す図である。
【図14】LEDが発生する光が発散した状態を説明す
る図である。
【図15】直接偏光の光を発生する構成例を示す図であ
る。
【図16】図15(b)に示す構成の発光部を用いた場
合における動作を説明する図である。
【図17】図15(b)に示す構成の発光部を用いた場
合における動作を説明する図である。
【図18】検知装置の他の構成例を示す図である。
【図19】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図20】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図21】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図22】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図23】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図24】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図25】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図26】検知装置のさらに他の構成例を示す図であ
る。
【図27】検知装置を自動車のフロントウインドウの近
傍に取り付ける状態を説明する図である。
【図28】検知装置をバックミラーに取り付けた状態を
説明する断面図である。
【図29】検知装置をリアウインドウの近傍に取り付け
る状態を説明する図である。
【図30】ヒータを駆動する回路の構成例を示す図であ
る。
【図31】空調機を制御する場合の構成を示す図であ
る。
【図32】空調機の室内ユニットと室外ユニットの構成
を示す図である。
【図33】熱交換機への検知装置の取付状態を説明する
図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 被検知物体 3 LED 4 偏光ビームスプリッタ 4A 基板 4B 薄膜 5,6 受光素子 7 波長フィルタ 10 偏光フィルタ 12,13 光学レンズ 20,21 偏光フィルタ 61,62 光ファイバ 73 割算器 76 判別回路 77 微分器 78 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 公平 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検知物体に照射する光を発生する発生
    手段と、 前記被検知物体を経た光から、異なる偏光成分を分離す
    る分離手段と、 前記分離手段により分離された異なる偏光成分を受光す
    る受光手段と、 前記受光手段の出力から前記被検知物体の表面状態を検
    知する検知手段と、 前記検知手段の検知結果に対応して、前記被検知物体の
    表面状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
    る表面状態制御装置。
  2. 【請求項2】 前記分離手段は、偏光面が相互に垂直な
    S偏光成分とP偏光成分とを分離することを特徴とする
    請求項1に記載の表面状態制御装置。
  3. 【請求項3】 前記分離手段は、前記被検知物体を経た
    光から、前記S偏光成分とP偏光成分のうち、一方を反
    射し、他方を透過する偏光ビームスプリッタであること
    を特徴とする請求項2に記載の表面状態制御装置。
  4. 【請求項4】 前記分離手段は、前記被検知物体を経た
    光から、所定の偏光成分の光を透過する偏光フィルタで
    あることを特徴とする請求項2に記載の表面状態制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記発生手段と受光手段は、分離して配
    置され、 前記発生手段は発散光を前記被検知物体に照射すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面状
    態制御装置。
  6. 【請求項6】 前記発生手段から発生された光は、前記
    被検知物体に対して、斜めに入射されることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の表面状態制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記発生手段から発生された光の前記被
    検知物体に対する入射角、または、前記被検知物体から
    の光の前記分離手段に対する入射角のうちの少なくとも
    一方は、ブリュースタ角の近傍の角度であることを特徴
    とする請求項6に記載の表面状態制御装置。
  8. 【請求項8】 前記発生手段から前記被検知物体に照射
    される光は、直線偏光の光であることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  9. 【請求項9】 前記発生手段から前記被検知物体に照射
    される光は、S偏光の光であることを特徴とする請求項
    8に記載の表面状態制御装置。
  10. 【請求項10】 前記発生手段は、前記被検知物体に照
    射する光を発生する発光素子と、 前記発光素子から出射される光から所定の偏光方向の光
    を抽出する光学素子とを備えることを特徴とする請求項
    8または9に記載の表面状態制御装置。
  11. 【請求項11】 前記発光素子が発生する光のピークレ
    ベルの波長は、800nmより大きいことを特徴とする
    請求項10に記載の表面状態制御装置。
  12. 【請求項12】 前記光学素子は、偏光ビームスプリッ
    タまたは偏光フィルタであることを特徴とする請求項1
    0または11に記載の表面状態制御装置。
  13. 【請求項13】 前記受光手段は、前記被検知物体から
    の正反射光を受光する位置に配置されていることを特徴
    とする請求項1乃至12のいずれかに記載の表面状態制
    御装置。
  14. 【請求項14】 所定の値より短い波長の光の前記受光
    手段への入射を抑制する波長フィルタをさらに備えるこ
    とを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の表
    面状態制御装置。
  15. 【請求項15】 前記検知手段は、前記被検知物体の表
    面に付着した異物を検知することを特徴とする請求項1
    乃至14のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  16. 【請求項16】 前記検知手段は、前記異物の有無、発
    生量または発生速度を検知することを特徴とする請求項
    15に記載の表面状態制御装置。
  17. 【請求項17】 前記異物は、水滴、霜または曇りであ
    ることを特徴とする請求項15または16に記載の表面
    状態制御装置。
  18. 【請求項18】 前記検知手段は、前記受光手段が受光
    する異なる偏光成分の光の受光量の比、差、和、または
    差と和の比のいずれかより、前記被検知物体の表面状態
    を検知することを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
    かに記載の表面状態制御装置。
  19. 【請求項19】 前記被検知物体は、エアコンの室外機
    または室内機、冷蔵庫、冷凍庫、またはショーケースの
    うちの少なくともいずれか1つの内部またはその制御範
    囲内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至1
    8のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  20. 【請求項20】 前記偏光ビームスプリッタは、偏光面
    が第1の方向のS偏光成分を反射し、偏光面が前記第1
    の方向と垂直な第2の方向のP偏光成分を透過するよう
    に、複数の薄膜が基板上に形成された偏光ビームスプリ
    ッタであって、前記P偏光成分の透過率と、前記S偏光
    成分の透過率の波長距離が、90nmより大きいことを
    特徴とする請求項3または12に記載の表面状態制御装
    置。
  21. 【請求項21】 前記偏光ビームスプリッタは、偏光面
    が第1の方向のS偏光成分を反射し、偏光面が前記第1
    の方向と垂直な第2の方向のP偏光成分を透過するよう
    に、複数の薄膜が基板上に形成された偏光ビームスプリ
    ッタであって、前記S偏光成分の波長に対する透過率の
    変化の割合が、前記P偏光成分の波長に対する透過率の
    変化の割合に比較して、充分小さいことを特徴とする請
    求項3または12に記載の表面状態制御装置。
  22. 【請求項22】 前記偏光ビームスプリッタは、偏光面
    が第1の方向のS偏光成分を反射し、偏光面が前記第1
    の方向と垂直な第2の方向のP偏光成分を透過するよう
    に、複数の薄膜が基板上に形成された偏光ビームスプリ
    ッタであって、前記S偏光成分の透過率の入射角に対す
    る依存性が、前記P偏光成分の透過率の入射角に対する
    依存性に比較して、充分小さいことを特徴とする請求項
    3または12に記載の表面状態制御装置。
  23. 【請求項23】 前記薄膜は、少なくとも、TiO2
    薄膜と、SiO2の薄膜を含むことを特徴とする請求項
    20乃至22のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  24. 【請求項24】 前記薄膜は、MgF2の薄膜をさらに
    含むことを特徴とする請求項23に記載の表面状態制御
    装置。
  25. 【請求項25】 前記薄膜は、誘電体多層膜によりのみ
    構成されていることを特徴とする請求項20乃至24の
    いずれかに記載の表面状態制御装置。
  26. 【請求項26】 前記薄膜は、誘電体多層膜と金属膜に
    より構成されていることを特徴とする請求項20乃至2
    4のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  27. 【請求項27】 前記薄膜は、単位薄膜が繰り返し形成
    されている周期層を有することを特徴とする請求項20
    乃至26のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  28. 【請求項28】 前記薄膜は、単位薄膜が繰り返し形成
    されている周期層を有しないことを特徴とする請求項2
    0乃至26のいずれかに記載の表面状態制御装置。
  29. 【請求項29】 前記基板は、平行平板であることを特
    徴とする請求項20乃至28のいずれかに記載の表面状
    態制御装置。
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