JPH07259920A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH07259920A
JPH07259920A JP5566894A JP5566894A JPH07259920A JP H07259920 A JPH07259920 A JP H07259920A JP 5566894 A JP5566894 A JP 5566894A JP 5566894 A JP5566894 A JP 5566894A JP H07259920 A JPH07259920 A JP H07259920A
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vibration
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orifice
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Yoichi Kawamoto
洋一 河本
Sumio Uchida
純生 内田
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気体が受圧室内の液体中に入っても速やかに
排出させて受圧室内の液体中に気泡が残留しないように
する。 【構成】 上側の第1取付部材としての支持筒体21
と、下側の第2の取付部材4とを弾性支承体5で連結
し、弾性支承体と上方に設けられたダイヤフラム22と
の間に液体7を封入した流体室23を画成する。流体室
の上下方向中間位置に仕切体9′を設けて上側の平衡室
24と下側の受圧室25とに仕切る。仕切体の中央部に
オリフィス12′を上下方向に延びるよう貫通形成し、
受圧室に面する仕切体下面に受圧室内の気泡をオリフィ
スの受圧室側開口12b′に導くよう仕切体の外周端部
9a′からその受圧室側開口まで上り勾配の案内面1
4′を形成する。支持筒体の内周面に圧着させたダイヤ
フラムの筒状取付部22bの下端面22fと厚肉層5a
の上端の上向き面5bとで凹溝部26を形成し、凹溝部
内に仕切体の外周端部を配置して受圧室の液圧変動を受
けた仕切体を上下方向に微小変位可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエンジンマウ
ントなどとして用いられるものであって、内部の流体室
が仕切体により2つの室に仕切られオリフィスを通して
両室間を流動する流体の液柱共振により振動減衰が行わ
れる防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の防振装置として、仕
切体の一側を弾性支承体の変形により液圧変動が生じる
受圧室とし、他側を弾性薄膜製のダイヤフラムにより画
成して上記受圧室の液圧変動によりオリフィスを通して
流動する液体を受けて拡縮する平衡室としたものが広く
知られている(例えば、特開昭62−261729号公
報、実開昭63−166738号公報、もしくは、特開
平4−46233号公報参照)。
【0003】ところが、このようなダイヤフラムにより
平衡室を形成する防振装置においては、上記ダイヤフラ
ムの周囲を液体が漏出しないように液密・気密に固定す
る必要があるために、ダイヤフラムの外周囲を上下方向
から挟み付けて所定量圧縮した状態で取付けており、こ
の取付け作業に手間がかかるという製造上の難点がある
上、十分なシール性を得ることができないおそれがあ
る。
【0004】このため、上記ダイヤフラムを省略して仕
切体の上側に剛体のケーシングにより平衡室を画成しこ
の平衡室に空気を封入して、この空気の膨脹・圧縮作用
により液圧変動を吸収させるようにしたものが提案され
ている(例えば、特開平5−149368号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ダイヤフラム
により平衡室を形成して内部に液体を封入したものにお
いては、液体の封入工程において内部の液室内に空気の
混入が発生するおそれがある。そして、この混入気泡が
受圧室内の液体中に残留すると、その気泡が残留した
分、オリフィスを通過する流量が減少し、減衰特性の悪
化を招くことになる。また、上記のダイヤフラムを省略
して空気を封入したものにおいては、大衝撃荷重が作用
すると内部の液体が大流動する結果、空気部分から液体
に気泡が混入して受圧室内に入りそのまま残留するおそ
れがある。この場合にも、上記と同様に、気泡の残留に
より減衰特性の悪化を招くことになる。
【0006】このため、上記の空気を封入したものにお
いて、空気部分から液体中への気泡の混入を防止すべ
く、平衡室内の液体と空気との間に上記液体より高粘性
でかつ低比重の混合防止液を層にして介在させ両者の混
合を防止しようとするものが提案されている(特開平5
−126202号公報参照)。しかしながら、この場合
においても、衝撃力などの大荷重の入力により上記混合
防止液の層が破壊されて受圧室内の液体中に空気が混入
するおそれがあり、この気泡が仕切体の下面などに滞留
したままとなって残留するおそれがある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、液体のみを封
入したものにおいてその液体封入工程で気体が混入した
場合、または、液体と気体とを封入したものにおいて液
体中に気体が混入した場合、その気体が受圧室内の液体
中に入っても速やかに排出させて受圧室内の液体中に気
泡が残留しないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、上側に配置されて振動発生
源および振動受部の一方に連結される第1取付部材と、
下側に配置されて上記振動発生源および振動受部の他方
に連結される第2取付部材と、これら第1および第2の
両取付部材を連結するよう設けられて上記振動発生源か
らの振動により変形される弾性支承体と、この弾性支承
体の上側に弾性支承体および上記第1取付部材により密
閉状態に画成された流体室と、この流体室に封入された
液体および気体と、上記流体室の上下方向中間位置に配
置されて流体室を上記弾性支承体の変形により拡縮され
る受圧室とこの受圧室より上側の平衡室とに仕切る仕切
体と、上記受圧室と平衡室とを互いに連通するオリフィ
スとを備えたものを前提とする。このものにおいて、上
記仕切体の中央部に上記オリフィスを上下方向に延びる
よう貫通して形成する一方、上記受圧室に面する仕切体
の下面に上記受圧室内の気泡を上記オリフィスの受圧室
側開口に導くよう上記仕切体の外周囲から上記オリフィ
スの受圧室側開口に向って上り勾配の案内面を形成す
る。そして、上記平衡室に、液体を上記オリフィスの平
衡室側開口位置より上方位置まで封入するとともに気体
をその液体の上方に封入し、この気体の圧縮,膨脹によ
り平衡室内の液体部分の容積を拡縮可能にする構成とす
るものである。
【0009】請求項2記載の発明は、上側に配置されて
振動発生源および振動受部の一方に連結される第1取付
部材と、下側に配置されて上記振動発生源および振動受
部の他方に連結される第2取付部材と、これら第1およ
び第2の両取付部材を連結するよう設けられて上記振動
発生源からの振動により変形される弾性支承体と、この
弾性支承体とその上方に設けられた弾性薄膜部材とによ
り密閉状態に画成されて液体が封入された流体室と、上
記流体室の上下方向中間位置に配置されて流体室を上記
弾性支承体の変形により拡縮される受圧室とこの受圧室
より上側に位置して上記弾性薄膜部材の変形により拡縮
可能な平衡室とに仕切る仕切体と、上記受圧室と平衡室
とを互いに連通するオリフィスとを備えたものを前提と
する。このものにおいて、上記仕切体の中央部に、上記
オリフィスを上下方向に延びるよう貫通して形成する一
方、上記受圧室に面する仕切体の下面に、上記受圧室内
の気泡を上記オリフィスの受圧室側開口に導くよう上記
仕切体の外周囲から上記オリフィスの受圧室側開口に向
って上り勾配の案内面を形成する構成とするものであ
る。
【0010】請求項3記載の発明は、上側に配置されて
振動発生源および振動受部の一方に連結される第1取付
部材と、下側に配置されて上記振動発生源および振動受
部の他方に連結される第2取付部材と、これら第1およ
び第2の両取付部材を連結するよう設けられて上記振動
発生源からの振動により変形される弾性支承体と、この
弾性支承体とその上方に設けられた弾性薄膜部材とによ
り密閉状態に画成されて液体が封入された流体室と、上
記流体室の上下方向中間位置に配置されて流体室を上記
弾性支承体の変形により拡縮される受圧室とこの受圧室
より上側に位置して上記弾性薄膜部材の変形により拡縮
可能な平衡室とに仕切る仕切体と、上記受圧室と平衡室
とを互いに連通するオリフィスとを備えたものを前提と
する。このものにおいて、上記流体室の内周面に、上記
仕切体が上記受圧室の液圧変動を受けて上下方向に微小
変位するよう上記仕切体の外周端部を上下方向両側から
挟みかつ上記仕切体の外周端部との間に受圧室から平衡
室に気泡が通過するよう環状の微小な隙間を形成する凹
溝部を形成する。そして、上記仕切体の中央部に、上記
オリフィスを貫通して形成する一方、上記受圧室に面す
る仕切体の下面に、上記受圧室内の気泡を上記凹溝部に
案内するよう中央部から外周囲に向って上り勾配の案内
面を形成する構成とするものである。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の発明において、流体室の内周面に、上記仕
切体が上記受圧室の液圧変動を受けて上下方向に微小変
位するよう上記仕切体の外周端部を上下方向両側から挟
む凹溝部を形成する構成とするものである。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項2ま
たは請求項3記載の発明において、第1取付部材に、筒
軸を上下方向に向けて配置された筒体を備える。そし
て、弾性薄膜部材を、上記筒体の上端開口部を覆う弾性
薄膜部と、この弾性薄膜部の外周囲に一体形成された筒
状取付部と、この筒状取付部の内部に埋め込まれた補強
筒とを備えるものとし、上記筒状取付部の外周面を上記
筒体の上端開口部の内周面に圧入させて固定する構成と
するものである。
【0013】さらに、請求項6記載の発明は、請求項5
記載の発明において、筒体の内周面に弾性支承体から連
続して厚肉層を形成してその上端に環状の上向き面を形
成する。そして、この上向き面と、弾性薄膜部材の筒状
取付部の下端面とにより、仕切体を上下方向に微小変位
可能に保持する凹溝部を形成する構成とするものであ
る。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
通常時、液体と気体との比重差により気体は液体の上方
に位置して平衡室の上半部に液体と分かれて配置されて
いる。そして、流体室の液体の液面がオリフィスの平衡
室側開口より上方位置まで封入されているため、振動の
入力により弾性支承体が変形すると、受圧室と平衡室と
の間で上記オリフィスを通した液体の流動が生じ、この
オリフィスを介した液体の液柱共振により上記入力振動
の減衰が行われる。この液体の流動の際、平衡室内の気
体が膨脹圧縮して平衡室内の液体量の増減が許容され
る。また、この際、上記弾性支承体に大荷重が入力して
弾性支承体が大変形し、平衡室内の気体が流動する液体
により乱されて液体中に気泡が混入し、それがオリフィ
スを通して受圧室内に入っても、その気泡は受圧室内の
液体中を仕切体下面の案内面に当たるまで上昇する。そ
して、その気泡が案内面に沿って上方に上記オリフィス
まで導かれ、そのオリフィス内を上昇して平衡室に移動
し、平衡室の上半部の気体部分に戻される。このため、
受圧室内の液体中に気泡が混入しても、仕切体下面の案
内面およびオリフィスによって自然に平衡室内の気体部
分に戻され、受圧室内の液体中に気泡が残留することが
なく所定の減衰特性が発揮される。この場合、オリフィ
スを上下方向に延ばして貫通形成する一方、このオリフ
ィスに気泡が比重差により集まるように案内面を仕切体
下面に形成しているため、これにより、上記オリフィス
を気泡抜きの孔として共用可能となる上、このようなオ
リフィスと気泡抜きの孔とを、仕切体を形成することで
同時に形成することが可能となる。
【0015】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明の場合と同様に、振動の入力によりオリフィスを通
した液体の流動が生じ、このオリフィスを介した液体の
液柱共振により上記入力振動の減衰が行われる。この液
体の流動の際、平衡室の弾性薄膜部材が液圧変動を受け
て撓むため、平衡室内が拡縮して平衡室内の液体量の増
減が許容される。また、このような防振装置の製造時に
おいて、流体室への液体の封入工程で気体が流体室内に
混入し、その気体が上記液体の流動に伴って受圧室側に
入っても、上記請求項1記載の発明の場合と同様に、そ
の気泡は仕切体下面の案内面に沿って上方に上記オリフ
ィスまで導かれ、そのオリフィス内を上昇して平衡室に
移動する。そして、平衡室の頂部の弾性薄膜部材の下面
に沿って滞積する。このため、製造時混入した気体が受
圧室内の液体中に入っても、上記案内面およびオリフィ
スによって自然に平衡室頂部まで排出され、受圧室内の
液体中に気泡が残留することがなく所定の減衰特性が発
揮される。また、請求項1記載の発明の場合と同様に、
オリフィスを上下方向に延ばして貫通形成する一方、こ
のオリフィスに気泡が比重差により集まるように案内面
を仕切体下面に形成しているため、これにより、上記オ
リフィスを気泡抜きの孔として共用可能となる上、この
ようなオリフィスと気泡抜きの孔とが仕切体の形成によ
り同時に形成することが可能となる。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明の場合と同様に、振動の入力によりオリフィスを通
した液体の流動が生じ、このオリフィスを介した液体の
液柱共振により上記入力振動の減衰が行われる。この液
体の流動の際、平衡室の弾性薄膜部材が液圧変動を受け
て撓むため、平衡室内が拡縮して平衡室内の液体量の増
減が許容される。また、特に小振幅,高周波域の振動の
入力により上記オリフィスが目詰まり現象を起こしてロ
ックするような場合であっても、受圧室の液圧上昇を受
けて仕切体が凹溝内を上下方向に微小変位して受圧室内
の体積を増大させるため、上記高周波振動による液圧上
昇を緩和して振動伝達率の低減が図られる。
【0017】一方、このような防振装置において、流体
室への液体の封入工程において気体の混入が生じ、その
気体が上記液体の流動に伴って受圧室側に入った場合、
その気泡は受圧室内の液体中を上昇して仕切体下面に当
たった後、この仕切体下面の案内面に沿って外周側に導
かれ、凹溝部の受圧室側に溜る。そして、上記振動入力
時の液圧変動を受けて仕切体が上記凹溝部内を上下方向
に微小変位する際に、上記凹溝部の受圧室側に溜ってい
た気泡がその凹溝部内の環状隙間を通して平衡室側に導
出され、そして、平衡室の頂部の弾性薄膜部材の下面に
沿って滞積する。このため、製造時に混入した気体が受
圧室内の液体中に混入しても、上記案内面および凹溝部
によって自然に平衡室頂部まで導出され、受圧室内の液
体中に気泡が残留することがなく所定の減衰特性が発揮
される。また、この場合、オリフィスと気泡の案内面と
が一体形成された仕切体を上記凹溝部に組み付けること
により、受圧室から平衡室への気泡抜きのための通路と
しての隙間と、仕切体の微小変位機構とが同時に形成す
ることが可能となる。
【0018】請求項4記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の発明による作用に加えて、仕切体の外周
端部が流体室の内周面の凹溝部により挟まれて上下方向
に微小変位可能になっているため、特に小振幅,高周波
域の振動の入力によりオリフィスが目詰まり現象を起こ
してロックするような場合であっても、受圧室の液圧上
昇を受けて仕切体が上記凹溝内を上下方向に微小変位し
て受圧室内の体積を増大させるため、上記高周波振動に
よる液圧上昇を緩和して振動伝達率の低減が図られる。
【0019】また、請求項5記載の発明では、請求項2
または請求項3記載の発明による作用に加えて、平衡室
を形成するための弾性薄膜部材の第1取付部材への取付
けにおいて、上記弾性薄膜部材の外周囲に一体形成され
て補強筒により補強された筒状取付部が第1取付部材の
筒体内に圧入されて上記筒状取付部の外周面が上記筒体
の内周面に対して圧着固定されているため、上記弾性薄
膜部材の外周端部と第1取付部材との間が上記の外周面
と内周面との周面同士の密着によって確実に液密,気密
に保たれる。しかも、周面同士の密着により取付けとシ
ールとを行っているため、従来行われていた弾性薄膜部
材の外周端部を保護キャップで上下方向から圧縮した状
態で取付ける手間の省略が可能となる上、構成の容易化
が図られる。
【0020】さらに、請求項6記載の発明では、請求項
5記載の発明による作用に加えて、凹溝部の上下方向の
内面が、第1取付部材の筒体の内周面に形成された厚肉
層の環状の上向き面と、弾性薄膜部材の筒状取付部の下
端面とにより形成されているため、仕切体を上下方向に
微小変位可能に保持するための凹溝部の形成の容易化、
部品点数の減少が図られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0022】<第1実施例>図1は、本発明の第1実施
例に係る防振装置を示している。同図において、1は筒
軸Xを上下方向に向けた支持筒体、2は上記支持筒体1
の上端開口側を閉止する上下逆向きのカップ状筒部材で
あり、このカップ状筒部材2には上記筒軸Xに沿って取
付ボルト2aが上向きに突出されて振動発生源である例
えばエンジンに連結されるようになっている。そして、
上記カップ状筒部材2は上記支持筒体1の上端部内周面
に圧入されて上記支持筒体1と一体化され、両者1,2
により第1取付部材3が構成されている。
【0023】また、4はこの支持筒体1の下端開口側の
位置であって上記筒軸X上に配置された第2取付部材で
あり、この第2取付部材4には上記筒軸Xに沿って取付
けボルト4aが下向きに突出されて振動受部である例え
ば車体に連結されるようになっている。5はこの第2取
付部材4と上記第1取付部材3の支持持体1とを互いに
連結する環状の弾性支承体であり、この弾性支承体5が
上記第2取付部材4および支持筒体1と一体加硫成形さ
れて第1取付部材3と第2取付部材4とを互いに連結し
ている。そして、上記弾性支承体5と第1取付部材3と
によって密閉された流体室6が画成され、この流体室6
に非圧縮性の液体7と圧縮性の気体としての空気8とが
封入されている。
【0024】さらに、9は上記流体室6内の上下方向中
間位置において筒軸Xに直交する方向に配設された仕切
体であり、この仕切体9によって上記流体室6が上側の
平衡室10と下側の受圧室11とに仕切られている。加
えて、上記仕切体9の中央部には上記平衡室10と受圧
室11とを互いに連通するオリフィス12が上下方向に
一直線状に延びるよう貫通して形成されている。
【0025】そして、このような構造において、上記流
体室6内には、液体7が上記オリフィス12の平衡室1
0側の開口12aの位置より上方位置に液面7aが位置
するように封入されている一方、空気8が上記液面7a
より上方の平衡室10の上半部に充満するように封入さ
れている。これにより、上記平衡室10は、上記空気8
の充満した気室部10aの圧縮,膨脹によって液体7の
充満した液室部10bの容積が拡縮されて受圧室11と
の間の液体7の流動が行われるようになっている。
【0026】次に、上記の全体構成をより詳細に説明す
ると、上記カップ状筒部材2の下端部に拡径部2bが形
成されており、この拡径部2bが上記支持筒体1の上端
開口から圧入されこの拡径部2bがその支持筒体1の上
端かしめ部1aによりかしめ固定されて、上記支持筒体
1とカップ状筒部材2とが液密・気密に一体化されてい
る。また、上記支持筒体1の内周面には弾性支承体5か
ら連続して上記拡径部2bの下端面から所定寸法だけ下
方の位置まで比較的厚肉の厚肉層5aが形成されてい
る。この厚肉層5aの上端面である環状の上向き面5b
と、上記拡径部2bの下端面2cとの間が上記仕切体9
の外周端部9aの上下方向の厚みより所定寸法大きい間
隔に設定されており、上記上向き面5bと下端面2cと
支持筒体1の内周面とによって流体室6の内周面に凹溝
部13が形成されている。そして、この凹溝部13内に
上記仕切体9の外周端部9aが配置され、この仕切体9
は上記凹溝部13によって上下方向に微小変位可能に保
持されている。つまり、上下方向に所定間隔に設定され
た上記凹溝部13に仕切体9の外周端部9aを配設する
ことにより、液圧変動に基いて仕切体9を上下方向に変
位させる微小変位機構(がた機構)が構成されている。
【0027】上記仕切体9は、オリフィス12の設けら
れた中央部が頂部となるよう全体がほぼ円錐形状となる
ように合成樹脂により一体形成されたものである。そし
て、この仕切体9の下面には、上記外周端部9aから上
記オリフィス12の受圧室11側の開口12bに向って
上り勾配となる逆漏斗状の滑らかな案内面14が形成さ
れている。
【0028】つぎに、上記第1実施例の作用・効果を説
明する。
【0029】流体室6において、通常時は、液体7と空
気8との比重差により空気8は液体7の上方に位置して
平衡室10内は液室部10bと気室部10aとに分けら
れ、受圧室11内の液体7と平衡室10内の液体7とは
オリフィス12を介して連続している。
【0030】そして、第1取付部材3もしくは第2取付
部材4のいずれかの側から大振幅の低周波振動が入力し
た場合、弾性支承体5が上下方向に撓んで受圧室11内
の液体7を圧縮・膨脹させるため、オリフィス12を通
して上記受圧室11と平衡室10の液室部10bとの間
で液体の流動が生じる。この際、上記平衡室10の気室
部10aの空気が圧縮・膨脹されて、上記液室部10b
の容積が拡大・縮小する。そして、上記の液体7の流動
によりオリフィス12を介した受圧室11と平衡室10
との間の液柱共振により上記入力振動の減衰が行われ
る。また、この際、上記受圧室11内の液体7の圧縮・
膨脹による液圧変動を受けて仕切体9が凹溝部13内を
上下方向に変位するため、大振幅の振動もしくは衝撃力
の入力を受けた際の受圧室11内の液圧の急上昇の緩和
に寄与することができる。
【0031】一方、上記弾性支承体5に上記の衝撃など
の大荷重が入力して弾性支承体が5が大変形し、上記気
室部10aの気体8が流動する液体7により乱されて液
体7中に気泡が混入し、それがオリフィス12を通して
受圧室11内に入る場合がある。この場合、その気泡は
受圧室11内の液体7中を仕切体9の下面に当たるまで
上昇し、その気泡が案内面14に沿って頂点のオリフィ
ス12の受圧室側開口12bまで導かれた後、そのオリ
フィス12内を上昇し平衡室10に導出されて上記気室
部10aに戻される。これにより、液体7中に気室部1
0aの空気8が混入してその気泡が液体7の流動と共に
受圧室11内に入っても、この受圧室11内の液体7中
に気泡が残留することを確実に防止することができ、オ
リフィス12を流動する液体7の量を所定のものに維持
することができる。この結果、受圧室11の液体7中に
気泡が残留することに伴う減衰特性の悪化の発生を確実
に防止することができる。
【0032】加えて、このように減衰作用を果たすオリ
フィス12を上下方向に一直線状に延ばして仕切体9の
中央部に貫通形成し、このオリフィス12の受圧室側開
口12bに受圧室11内の気泡が集まるよう逆漏斗状の
案内面14を上記仕切体9の下面に形成しているため、
上記オリフィス12を受圧室11から平衡室10への気
泡抜きのための孔として共用することができる上、これ
らオリフィス12と案内面14とを仕切体9の合成樹脂
による一体成形によって仕切体9と同時にかつ容易に形
成することができる。これにより、構成の簡易化を図る
ことができる上、部品点数の低減化,製造コストの低減
化を図ることができる。
【0033】また、小振幅の高周波振動の入力により、
上記オリフィス12が目詰まり現象を起こしてロックす
るような場合であっても、上記入力に伴う受圧室11内
の液圧変動を受けて仕切体9が凹溝部13内で上下方向
に微小変位し、その分、上記受圧室11の容積を拡縮さ
せるため、上記高周波振動の入力による受圧室1内の液
圧上昇を緩和して振動伝達率の低減を図ることができ
る。加えて、このような仕切体9のがた機構を構成する
凹溝部13を、弾性支承体5と一体に成形される厚肉層
5aの端面(上向き面5b)と、第1取付部材3を構成
するカップ状筒部材2の下端面2cとにより形成してい
るため、他の特別な構成部品を設けることによる部品点
数の増大を防止しつつ容易に形成することができる。
【0034】<第2実施例>図2は本発明の第2実施例
に係る防振装置を示している。この第2実施例は、ダイ
ヤフラムを用いて平衡室を拡縮可能に画成したものであ
り、図2には液体封入工程において空気が混入した場合
の状態が示されている。
【0035】同図において、21は第1取付部材として
の支持筒体、22はこの支持筒体21の上端開口を遮蔽
する弾性薄膜部材としてのダイヤフラム、23はこのダ
イヤフラム22と弾性支承体5との間に画成された流体
室であり、この流体室23は仕切体9′によって上記ダ
イヤフラム22の側の平衡室24と上記弾性支承体5の
側の受圧室25とに仕切られている。
【0036】上記支持筒体21の上端かしめ部21aが
形成され、この上端かしめ部21a下方の内周側には段
部21bが形成され、この段部21bと上記上端かしめ
部21aとにより上記ダイヤフラム22の後述の外周フ
ランジ部22dが挟み込まれて上記ダイヤフラム22の
上下方向に対する位置固定が行われている。
【0037】上記ダイヤフラム22は、上記支持筒体2
1の上端開口を遮蔽して液圧変動を受けて変形する弾性
薄膜部22aと、この薄膜部22aの外周囲に設けられ
た筒状取付部22bと、この筒状取付部22b内に埋め
込まれた補強筒22cとを備えており、これらがゴムの
加硫成形により一体に形成されたものである。上記筒状
取付部22bは、上記支持筒体21の筒軸Xを中心とす
る外周方向に突出する外周フランジ部22dと、上記筒
軸Xと同軸に所定の下方位置まで延びる筒部22eとか
ら横断面形状が上下逆転したL字状に形成されており、
上記補強筒22cの横断面形状もこの筒状取付部22b
と対応する形状に形成されている。そして、上記筒部2
2eの外周面と外周フランジ部22dの外周面とが支持
筒体21の内周面に上方から圧入された状態で、上記外
周フランジ部22dが上記の段部21bと上端かしめ部
21aとの間に挟み込まれて支持筒体21への位置固定
が行われている。
【0038】また、上記ダイヤフラム22の筒部22e
の下向きの下端面22fと、弾性支承体5の厚肉層5a
の上向き面5bとの間が仕切体9′の外周端部9a′の
肉厚より微小寸法大きい所定の間隔に設定されており、
これら下端面22fと上向き面5bと支持筒体21の内
周面とにより、上記仕切体9′を上下方向に微小変位可
能に保持する凹溝部26が形成されている。なお、上記
仕切体9′は、第1実施例と同様に、中央部を貫通して
上下方向に延びるオリフィス12′を頂部として略円錐
状に合成樹脂成形により形成され、その下面には上記凹
溝部26内に配置された外周端部9a′から上記オリフ
ィス12′の受圧室25の側の開口12b′に向けて上
り勾配の逆漏斗状の案内面14′が形成されている。
【0039】上記流体室23には液体7が封入されてお
り、この液体7の封入は、例えば、上記ダイヤフラム2
2の支持筒体21への取付けを液体7が溜められた容器
内で行う、または、上記ダイヤフラム22の取付け後に
真空引きにより内部に液体7の注入を行うなどの液体封
入工程によって行われる。
【0040】なお、上記防振装置のその他の構成は第1
実施例のものと同様であるために、同一部材には同一符
号を付して、その説明は省略する。
【0041】そして、上記第2実施例の場合、支持筒体
21もしくは第2取付部材4のいずれかの側から大振幅
の低周波振動が入力した場合、弾性支承体5が上下方向
に撓んで受圧室25内の液体7を圧縮・膨脹させるた
め、オリフィス12′を通して上記受圧室25と平衡室
24との間で液体の流動が生じる。この際、上記平衡室
24を画成するダイヤフラム22が液圧変動に応じて変
形するため、上記平衡室24の容積が拡大・縮小する。
そして、上記の液体7の流動によりオリフィス12′を
介した受圧室25と平衡室24との間の液柱共振により
上記入力振動の減衰が行われる。また、この際、上記受
圧室25内の液圧変動を受けて仕切体9′が凹溝部26
内を上下方向に変位するため、第1実施例と同様に、受
圧室25内の液圧の急上昇の緩和に寄与することができ
る。
【0042】一方、本防振装置の製造時において、液体
封入工程で空気が流体室23内に混入し受圧室25内の
液体7中に気泡が入った場合、第1実施例と同様に、受
圧室25内の液体7中を上昇した気泡が案内面14′に
沿って頂点のオリフィス12′の受圧室側開口12b′
まで導かれた後、そのオリフィス12′内を上昇して平
衡室24に導出されダイヤフラム22の下面に沿って溜
る(図2のG参照)。これにより、混入した空気が受圧
室25内に入っても、この受圧室25内の液体7中に気
泡が残留することを確実に防止することができ、オリフ
ィス12′を流動する液体7の量を所定のものに維持す
ることができる。この結果、受圧室25の液体7中に気
泡が残留することに伴う減衰特性の悪化の発生を確実に
防止することができる。加えて、このように空気の混入
による減衰特性の悪化を防止することができるため、製
造時、液体封入工程での作業の簡易化,容易化を図るこ
とができる。
【0043】加えて、第1実施例と同様に、減衰作用を
果たすオリフィス12を受圧室25から平衡室24への
気泡抜きのための孔として共用することができる上、こ
のオリフィス12′と案内面14′とを合成樹脂による
一体成形によって仕切体9′と同時にかつ容易に形成す
ることができ、これにより、構成の簡易化、部品点数の
低減化、および、製造コストの低減化を図ることができ
る。また、小振幅の高周波振動に入力により仕切体9′
が凹溝部26内で上下方向に微小変位するため、上記第
1実施例と同様に、上記高周波振動の入力による受圧室
1内の液圧上昇を緩和して振動伝達率の低減を図ること
ができる。そして、このような仕切体9′のがた機構を
構成する凹溝部26を、弾性支承体5と一体に成形され
る厚肉層5aの端面(上向き面5b)と、ダイヤフラム
22の筒部22eの下端面22fとにより形成すること
ができ、他の特別な構成部品を設けることによる部品点
数の増大を防止しつつ、その形成を容易に行うことがで
きる。
【0044】さらに、本第2実施例の場合、ダイヤフラ
ム22の支持筒体21への取付けにおいて、補強筒22
cにより補強された筒状取付部22bが支持筒体21内
に圧入されて上記筒状取付部22bの外周面(主として
筒部22eの外周面)が上記支持筒体21の内周面に対
して圧着固定されているため、上記ダイヤフラム22と
支持筒体21との間を上記の外周面と内周面との周面同
士の密着によって確実に液密,気密に保つことができ
る。しかも、周面同士の圧着により取付けとシールとを
行っているため、従来行われていたダイヤフラムの外周
端部を保護キャップ等で上下方向から圧縮した状態で取
付ける手間の省略や、その際に介装される所定の圧縮状
態にするためのスペーサリング等の部品の省略をするこ
とができる上、構成の容易化を図ることができる。
【0045】<第3実施例>図3は本発明の第3実施例
に係る防振装置を示している。この第3実施例は、上記
の第2実施例を基本として第2実施例とは異なる構成の
仕切体を用いたものであり、図3には液体封入工程にお
いて空気が混入した場合の状態が示されている。同図に
おいて、31は仕切体であり、この仕切体31によりダ
イヤフラム22の側の平衡室32と弾性支承体5の側の
受圧室33とに仕切られている。
【0046】上記仕切体31は、中央部を貫通して下方
に一直線状に延びるオリフィス34を備え、このオリフ
ィス34の平衡室32側の開口34aを底とする漏斗状
に合成樹脂成形により一体に形成されている。加えて、
上記仕切体31の下面には、上記オリフィス34の受圧
室33側の開口34bを最下点として外周端部31aに
向けて上り勾配の案内面35が形成されている。また、
流体室23の内周面には、流体室23の内方側に開口し
支持筒体21の周面を底としてダイヤフラム22の筒部
22bの下端面22fと厚肉層5aの上向き面5bとに
より、所定の水平方向深さと上下方向間隔とを有する凹
溝部36が形成されており、この凹溝部36内に上記仕
切体31の外周端部31aが配置されている。そして、
この仕切体31の外周端部31aの外径は、上記凹溝部
36の流体室23側の直径より大きく、かつ、凹溝部3
6の底側の直径より小さく設定される一方、上記凹溝部
36の上下方向間隔は、上記外周端部31aの上下方向
への微小変位を許容する間隔に設定されている。これに
より、上記外周端部31aと凹溝部31aの底との間に
微小な所定幅の環状隙間37が形成され、上記外周端部
31aの上下方向変位に伴い上記環状隙間37を通して
受圧室33と平衡室32とが互いに連通するようになっ
ている。
【0047】なお、上記防振装置のその他の構成は第2
実施例のものと同様であるために、同一部材には同一符
号を付して、その説明は省略する。
【0048】そして、上記第3実施例の場合、支持筒体
21もしくは第2取付部材4のいずれかの側から大振幅
の低周波振動が入力すると、第2実施例と同様に、オリ
フィス34を通して上記受圧室33と平衡室32との間
で液体の流動が生じて、ダイヤフラム22の変形により
上記平衡室24の容積が拡大・縮小する。そして、液体
7の流動によりオリフィス34を介した液柱共振により
上記入力振動の減衰が行われる。また、小振幅の高周波
振動に入力に伴う受圧室33内の液圧変動を受けて上記
のごとく仕切体31が凹溝部26内で上下方向に微小変
位するため、上記第2実施例と同様に、上記高周波振動
の入力による受圧室1内の液圧上昇を緩和して振動伝達
率の低減を図ることができる。
【0049】一方、本防振装置の製造時において、液体
封入工程で空気が流体室23内に混入し受圧室33内の
液体7中に気泡が入った場合、図4に例示するように、
その気泡Vは受圧室33内の液体7中を上昇して仕切体
31下面の案内面35に当たり、この案内面35に沿っ
て外周端部31aまで導かれる。そして、受圧室33内
の液圧変動を受けて仕切体31が凹溝部36内を上下方
向に変位することにより環状隙間37が受圧室33と平
衡室32との双方に連通するため、上記外周端部31a
まで導かれた気泡がその環状隙間37を通して平衡室3
2側に導出されて、ダイヤフラム22の下面に沿って溜
る(図3,図4のG参照)。これにより、混入した空気
が受圧室33内に入っても、この受圧室33内の液体7
中に気泡が残留することを確実に防止することができ、
オリフィス34を流動する液体7の量を所定のものに維
持することができる。この結果、受圧室33の液体7中
に気泡が残留することに伴う減衰特性の悪化の発生を、
第1もしくは第2実施例と同様に確実に防止することが
できる。
【0050】加えて、案内面35を形成した仕切体31
を所定形状の凹溝36内に配置して保持させるという簡
易な構成により、上記のごとき気泡抜きおよび仕切体3
1のがた機構を実現することができる上、その製造もオ
リフィス34および案内面35と共に一体形成した仕切
体31を凹溝部36内に配置するだけという容易な作業
により行うことができる。さらに、このような気泡抜き
およびがた機構を実現する凹溝部36をダイヤフラム2
2の筒部22eの下端面22fと厚肉層5aの端面(上
向き面5b)とで構成しているため、上記ダイヤフラム
22の支持筒体21への取付けを行うだけで、他の特別
な構成部品の追加による部品点数の増大を防止しつつ、
上記凹溝部36の形成を容易かつ確実に行うことができ
る。
【0051】なお、本発明は上記第1〜第3実施例に限
定されるものではなく、その他種々の変形例を包含する
ものである。すなわち、上記実施例では、仕切体9,
9′,31の形成を合成樹脂成形により行っているが、
これに限らず、例えば金属製板状体を用いてプレス加工
等により形成するようにしてもよい。
【0052】また、上記実施例における案内面14,1
4′35の形状は連続する上り勾配であれば直線状、曲
線状の種々のものを適用してもよい。
【0053】さらに、気泡抜きと液体の流動による減衰
とを行うオリフィスについて、上記第1および第2実施
例におけるオリフィス12,12′は上下方向に一直線
状に延びるよう形成しているが、これに限らず、上下方
向に延びて気泡をその比重差により上昇させ得れば、一
直線状でなくても曲線状であってもよく、また、傾斜路
としてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における防振装置によれば、弾性支承体を下にしてそ
の上側に画成した流体室の仕切体より上側部分を構成す
る平衡室に液体と気体とを封入してその気体の圧縮,膨
脹により液体部分の容積を拡縮可能にし、かつ、その液
体をオリフィスの平衡室側開口位置より上方位置まで封
入しているため、オリフィスを介しての受圧室と平衡室
との間の液体の流動が可能となり、この流動により上記
オリフィスを介した入力振動の減衰を図ることができ
る。さらに、上記仕切体の中央部にオリフィスを上下方
向に延びるように貫通させて形成する一方、受圧室に面
する仕切体の下面に上記受圧室内の気泡を液体との比重
差により上記オリフィスの受圧室側開口に導くよう上記
仕切体の外周囲からその受圧室側開口まで上り勾配にし
た案内面を形成しているため、上記弾性支承体に大荷重
が入力して弾性支承体が大変形し、平衡室内の気体が流
動する液体により乱されて液体中に気泡が混入し、それ
がオリフィスを通して受圧室内に入っても、その気泡を
上記案内面により上方の上記オリフィスの受圧室側開口
を通してオリフィス内まで確実に導くことができるとと
もに、上記気泡を上下方向に延びたオリフィスを通して
平衡室まで導出させることができる。このため、受圧室
内の液体中に気泡が残留することを確実に防止すること
ができ、気泡が残留することによる減衰特性の悪化を確
実に防止することができる。しかも、上記オリフィスを
気泡抜きの孔として共用することができる上、このよう
なオリフィスと気泡抜きの孔とを仕切体の形成により同
時に形成することができる。このため、構成の簡易化、
製造の容易化を図ることができ、これによるコストの低
減化にも寄与することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、流体室をダ
イヤフラム側の平衡室と弾性支承体側の受圧室とに仕切
る仕切体の中央部にオリフィスを上下方向に延びるよう
に貫通させて形成する一方、受圧室に面する仕切体の下
面に受圧室内の気泡を液体との比重差により上記オリフ
ィスの受圧室側開口に導くよう上記仕切体の外周囲から
その受圧室側開口まで上り勾配にした案内面を形成して
いるため、上記流体室への液体の封入工程において気体
が流体室内に混入し、その気体が上記液体の流動に伴っ
て受圧室側に入っても、その気泡を仕切体下面の案内面
によりオリフィスまで確実に導くことができるととも
に、そのオリフィス内を通して平衡室まで確実に導出さ
せることができる。このため、製造時に混入した気体が
受圧室内の液体中に混入しても、上記請求項1記載の発
明の場合と同様に、受圧室内の液体中に気泡が残留する
ことを確実に防止することができ、気泡の残留による減
衰特性の悪化を確実に防止することができる。しかも、
上記オリフィスを気泡抜きの孔として共用することがで
きる上、このようなオリフィスと気泡抜きの孔とを仕切
体の形成により同時に形成することができる。このた
め、構成の簡易化、製造の容易化を図ることができ、こ
れによるコストの低減化にも寄与することができる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、流体室の内
周面に、受圧室の液圧変動を受けて仕切体が上下方向に
微小変位するよう上記仕切体の外周端部を上下方向両側
から挟みかつ上記仕切体の外周端部との間に受圧室から
平衡室に気泡が通過するよう環状の微小な隙間を形成す
る凹溝部を形成する一方、仕切体の中央部にオリフィス
を上下方向に延びて貫通するよう形成するとともに、上
記受圧室に面する仕切体の下面に上記受圧室内の気泡を
上記凹溝部に案内するよう中央部から外周囲に向けて上
り勾配の案内面を形成しているため、特に小振幅,高周
波域の振動の入力により上記オリフィスが目詰まり現象
を起こしてロックするような場合であっても、受圧室の
液圧上昇を受けて仕切体が凹溝内を上下方向に微小変位
して受圧室内の体積を増大させるため、上記高周波振動
による液圧上昇を緩和して振動伝達率の低減を図ること
ができる。加えて、上記流体室への液体の封入工程にお
いて気体の混入が生じ、その気体が上記液体の流動に伴
って受圧室側に入っても、その気泡を仕切体下面の案内
面により外周囲の凹溝部まで確実に導くことができると
ともに、上記の仕切体の上下方向変位に伴い受圧室およ
び平衡室の双方に連通した環状隙間を通して平衡室まで
確実に導出させることができる。このため、製造時に混
入した気体が受圧室内の液体中に混入しても、その気体
の受圧室への残留を確実に防止することができ、気泡の
残留による減衰特性の悪化を確実に防止することができ
る。しかも、案内面を一体に形成した仕切体を上記凹溝
部に組み付けることにより、受圧室から平衡室への気泡
抜きのための通路としての隙間と、仕切体の微小変位機
構とを同時に形成することができ、このため、構成の簡
易化、製造の容易化を図ることができ、これによるコス
トの低減化にも寄与することができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、請求項1ま
たは請求項2記載の発明による効果に加えて、仕切体の
外周端部を流体室の内周面の凹溝部により挟んで仕切体
を上下方向に微小変位可能にしているため、特に小振
幅,高周波域の振動の入力によりオリフィスが目詰まり
現象を起こしてロックするような場合であっても、受圧
室の液圧上昇を受けて仕切体が上記凹溝内を上下方向に
微小変位して受圧室内の体積を増大させることができ、
上記高周波振動による液圧上昇を緩和して振動伝達率の
低減を図ることができる。
【0058】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項2または請求項3記載の発明による効果に加えて、平
衡室を形成するための弾性薄膜部材の第1取付部材への
取付けにおいて、上記弾性薄膜部材の外周囲に一体形成
されて補強筒により補強された筒状取付部を第1取付部
材の筒体内に圧入して上記筒状取付部の外周面を上記筒
体の内周面に対して圧着固定させているため、上記弾性
薄膜部材の外周端部と第1取付部材との間を上記の外周
面と内周面との周面同士の密着によって確実に液密,気
密に保つことができる。しかも、周面同士の密着により
取付けとシールとを行っているため、従来行われていた
弾性薄膜部材の外周端部を保護キャップで上下方向から
圧縮した状態で取付ける手間を省略して、製造の容易
化、構成の簡易化を図ることができ、これによるコスト
の低減化にも寄与することができる。構成の容易化を図
ることができる。
【0059】さらに、請求項6記載の発明によれば、請
求項5記載の発明による効果に加えて、凹溝部の上下方
向の内面を、第1取付部材の筒体の内周面に形成された
厚肉層の環状の上向き面と、弾性薄膜部材の筒状取付部
の下端面とにより形成しているため、仕切体を上下方向
に微小変位可能に保持するための凹溝部を容易に形成す
ることができ、部品点数の減少を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【符号の説明】
1,21 支持筒体(第1取付部材の筒
体) 3 第1取付部材 4 第2取付部材 5 弾性支承体 5a 厚肉層 5b 厚肉層の上向き面 6,23 流体室 7 液体 8 空気(気体) 9,9′,31 仕切体 9a,9a′,31a 仕切体の外周端部 10,24,32 平衡室 11,25,33 受圧室 12,12′,34 オリフィス 12a 平衡室側開口 12b 受圧室側開口 13,26,36 凹溝部 14,14′,35 案内面 22 ダイヤフラム(弾性薄膜部
材) 22a,34a 薄膜部 22b,34b 筒状取付部 22f 筒部の下端面 37 環状隙間 X 筒軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上側に配置されて振動発生源および振動
    受部の一方に連結される第1取付部材と、下側に配置さ
    れて上記振動発生源および振動受部の他方に連結される
    第2取付部材と、これら第1および第2の両取付部材を
    連結するよう設けられて上記振動発生源からの振動によ
    り変形される弾性支承体と、この弾性支承体の上側に弾
    性支承体および上記第1取付部材により密閉状態に画成
    された流体室と、この流体室に封入された液体および気
    体と、上記流体室の上下方向中間位置に配置されて流体
    室を上記弾性支承体の変形により拡縮される受圧室とこ
    の受圧室より上側の平衡室とに仕切る仕切体と、上記受
    圧室と平衡室とを互いに連通するオリフィスとを備えた
    防振装置において、 上記仕切体の中央部には上記オリフィスが上下方向に延
    びるよう貫通して形成されている一方、上記受圧室に面
    する仕切体の下面には上記受圧室内の気泡を上記オリフ
    ィスの受圧室側開口に導くよう上記仕切体の外周囲から
    上記オリフィスの受圧室側開口に向って上り勾配の案内
    面が形成されており、 上記平衡室は、液体が上記オリフィスの平衡室側開口位
    置より上方位置まで封入されているとともに気体がその
    液体の上方に封入されて、この気体の圧縮,膨脹により
    平衡室内の液体部分の容積が拡縮可能に構成されている
    ことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 上側に配置されて振動発生源および振動
    受部の一方に連結される第1取付部材と、下側に配置さ
    れて上記振動発生源および振動受部の他方に連結される
    第2取付部材と、これら第1および第2の両取付部材を
    連結するよう設けられて上記振動発生源からの振動によ
    り変形される弾性支承体と、この弾性支承体とその上方
    に設けられた弾性薄膜部材とにより密閉状態に画成され
    て液体が封入された流体室と、上記流体室の上下方向中
    間位置に配置されて流体室を上記弾性支承体の変形によ
    り拡縮される受圧室とこの受圧室より上側に位置して上
    記弾性薄膜部材の変形により拡縮可能な平衡室とに仕切
    る仕切体と、上記受圧室と平衡室とを互いに連通するオ
    リフィスとを備えた防振装置において、 上記仕切体の中央部には上記オリフィスが上下方向に延
    びるよう貫通して形成されている一方、上記受圧室に面
    する仕切体の下面には上記受圧室内の気泡を上記オリフ
    ィスの受圧室側開口に導くよう上記仕切体の外周囲から
    上記オリフィスの受圧室側開口に向って上り勾配の案内
    面が形成されていることを特徴とする防振装置。
  3. 【請求項3】 上側に配置されて振動発生源および振動
    受部の一方に連結される第1取付部材と、下側に配置さ
    れて上記振動発生源および振動受部の他方に連結される
    第2取付部材と、これら第1および第2の両取付部材を
    連結するよう設けられて上記振動発生源からの振動によ
    り変形される弾性支承体と、この弾性支承体とその上方
    に設けられた弾性薄膜部材とにより密閉状態に画成され
    て液体が封入された流体室と、上記流体室の上下方向中
    間位置に配置されて流体室を上記弾性支承体の変形によ
    り拡縮される受圧室とこの受圧室より上側に位置して上
    記弾性薄膜部材の変形により拡縮可能な平衡室とに仕切
    る仕切体と、上記受圧室と平衡室とを互いに連通するオ
    リフィスとを備えた防振装置において、 上記流体室の内周面には、上記仕切体が上記受圧室の液
    圧変動を受けて上下方向に微小変位するよう上記仕切体
    の外周端部を上下方向両側から挟みかつ上記仕切体の外
    周端部との間に受圧室から平衡室に気泡が通過するよう
    環状の微小な隙間を形成する凹溝部が形成されており、 上記仕切体の中央部には上記オリフィスが貫通して形成
    されている一方、上記受圧室に面する仕切体の下面には
    上記受圧室内の気泡を上記凹溝部に案内するよう中央部
    から外周囲に向って上り勾配の案内面が形成されている
    ことを特徴とする防振装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、 流体室の内周面には、上記仕切体が上記受圧室の液圧変
    動を受けて上下方向に微小変位するよう上記仕切体の外
    周端部を上下方向両側から挟む凹溝部が形成されている
    防振装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3において、 第1取付部材が、筒軸を上下方向に向けて配置された筒
    体を備えており、 弾性薄膜部材は、上記筒体の上端開口部を覆う弾性薄膜
    部と、この弾性薄膜部の外周囲に一体形成された筒状取
    付部と、この筒状取付部の内部に埋め込まれた補強筒と
    を備え、上記筒状取付部の外周面が上記筒体の上端開口
    部の内周面に圧入されて固定されている防振装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 筒体の内周面には弾性支承体から連続して厚肉層が形成
    されてその上端に環状の上向き面が形成されており、こ
    の上向き面と、弾性薄膜部材の筒状取付部の下端面とに
    より、仕切体を上下方向に微小変位可能に保持する凹溝
    部が形成されている防振装置。
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