JPH07259588A - 内燃機関の空燃比検出装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比検出装置

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JPH07259588A
JPH07259588A JP6243277A JP24327794A JPH07259588A JP H07259588 A JPH07259588 A JP H07259588A JP 6243277 A JP6243277 A JP 6243277A JP 24327794 A JP24327794 A JP 24327794A JP H07259588 A JPH07259588 A JP H07259588A
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fuel ratio
internal combustion
combustion engine
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祐介 長谷川
Yoichi Nishimura
要一 西村
Isao Komoriya
勲 小森谷
Naosuke Akasaki
修介 赤崎
Eisuke Kimura
英輔 木村
Satoru Abe
悟 阿部
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【構成】 空燃比センサ出力を順次サンプリングして記
憶しておき、機関回転数と機関負荷と、可変バルブタイ
ミング機構を備えるものでは更にバルブタイミングとか
ら、機関回転数が低く機関負荷が高いほど、ないしは排
気バルブタイミングが早くなるほど早期にサンプリング
した値を使用して空燃比を検出する。また、大気圧、セ
ンサ付近の空燃比ないしセンサ劣化度合いなどの環境状
態に応じて選択したサンプリング値を補正する。 【効果】 実際の空燃比の挙動に近似する空燃比を検出
することができ、検出精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の空燃比検出
装置に関し、より具体的には運転状態に応じて最適なタ
イミングを選んで空燃比センサの出力をサンプリング
し、それに基づいて空燃比を検出するようにした内燃機
関の空燃比検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系に空燃比センサを設け
て空燃比を検出することは良く行われており、その一例
として特開昭59−101562号公報記載の技術を挙
げることができる。また、本出願人も先に特願平3−3
59339号(特開平5−180059号)において、
排気系の挙動を記述するモデルを設定して排気系集合部
に設けた単一の空燃比センサの出力を入力し、オブザー
バを介して各気筒の空燃比を推定する技術を提案してい
る。尚、そこにおいて、空燃比センサは広域空燃比セン
サ、即ち、理論空燃比で出力が反転するO2 センサでは
なく、理論空燃比の前後を通じて排気ガス中の酸素濃度
に比例した出力特性を有するものを使用している。ま
た、特開平1−313644号公報記載の技術は、所定
クランク角度毎に検出の適否を判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関に
おいて排気ガスは排気行程で排出されることから、多気
筒内燃機関の排気系集合部において空燃比の挙動をみる
と、明らかにTDCに同期している。従って、内燃機関
の排気系に前記した広域空燃比センサを設けて空燃比を
サンプリングするときもTDCに同期して行う必要があ
るが、検出出力を処理する制御ユニット(ECU)のサ
ンプルタイミングによっては空燃比の挙動を正確に捉え
られない場合が生じる。即ち、例えば、TDCに対して
排気系集合部の空燃比(A/F)が図34のようである
とき、制御ユニットで認識する空燃比(A/F)は図3
5に示す如く、サンプルタイミングによっては全く違っ
た値となる。この場合、実際の空燃比センサの出力変化
を可能な限り正確に把握できる位置でサンプリングする
のが望ましい。
【0004】更に、空燃比の変化は排気ガスのセンサま
での到達時間やセンサの反応時間によっても相違する。
その中、センサまでの到達時間は排気ガス圧力、排気ガ
スボリュームなどに依存して変化する。更に、TDCに
同期してサンプリングすることはクランク角度に基づい
てサンプリングすることになるので、必然的に機関回転
数の影響を受けざるを得ない。このように、空燃比の検
出は機関の運転状態に依存するところが大きい。そのた
めに上記した従来技術においては所定クランク角度毎に
検出の適否を判定しているが、構成が複雑であって演算
時間が長くなるため高回転域では対応しきれなくなる恐
れがあると共に、検出を決定した時点で空燃比センサの
出力の変局点を徒過してしまう不都合も生じる。
【0005】従って、この発明の目的は上記した不都合
を解消し、簡易な構成でありながら運転状態に応じて空
燃比センサ出力を最良のタイミングでサンプリングして
実際の挙動を可能な限り反映する空燃比を検出し、もっ
て検出精度を向上させるようにした内燃機関の空燃比検
出装置を提供することにある。
【0006】更には、検出した空燃比に基づいて後で述
べる演算などを行うとき、機関回転数の変動などによっ
て予定された期間に演算が終了しないことも起こり得
る。
【0007】従って、この発明の第2の目的は、そのよ
うなときにも最良のサンプリング精度ないしは検出精度
を確保できるようにした内燃機関の空燃比検出装置を提
供することにある。
【0008】更には、近時、特開平2−275043号
公報などに示されるように、内燃機関のバルブタイミン
グを機関の運転状態に応じて切り換える、いわゆる可変
バルブタイミング機構が提案されている。そのような可
変バルブタイミング機構、特に排気側のバルブタイミン
グも変更されるものにおいては、排気タイミングが変わ
ることから、それに応じて空燃比の挙動も影響を受ける
ことが予想される。
【0009】従って、この発明の第3の目的は、可変バ
ルブタイミング機構を備えた内燃機関においても最良の
サンプリング精度ないしは検出精度を確保できるように
した内燃機関の空燃比検出装置を提供することにある。
更には、空燃比を最良のサンプリング精度で気筒毎に最
適にフィードバック制御することを可能とする内燃機関
の空燃比検出装置を提供することも付随的な目的とす
る。
【0010】更には、空燃比の挙動は、内燃機関の環境
状態によっても相違する。例えば、内燃機関を搭載した
車両が高地を走行するとき、気圧が低下して排気系の圧
力が下がることから、排気ガスの圧力が見掛け上増加
し、排気ガスの空燃比センサまでの到達時間が低地を走
行する場合とは異なってくる。
【0011】従って、この発明の第4の目的は、内燃機
関を搭載した車両が高地を走行するときも最良のサンプ
リング精度ないしは検出精度を確保できるようにした内
燃機関の空燃比検出装置を提供することにある。
【0012】更には、内燃機関の環境状態の一つとして
空燃比センサの劣化がある。空燃比センサは劣化すると
応答性が低下し、反応時間が長くなり、空燃比を検出で
きるまでの時間が相違してくる。
【0013】従って、この発明の第5の目的は、空燃比
センサが劣化したときも最良のサンプリング精度ないし
は検出精度を確保できるようにした内燃機関の空燃比検
出装置を提供することにある。
【0014】更には、内燃機関の環境状態の一つとして
空燃比センサの反応時間が混合気により異なることが挙
げられる。即ち、空燃比センサの反応時間は、混合気の
空燃比がリーンであるときとリッチであるときとで相違
する。これは、センサの構造にもよるが、一般的に広域
空燃比センサの場合、ポンプ素子は混合気の空燃比がリ
ーンであるとき酸素を汲み出し、リッチであるとき酸素
を汲み入れるように動作するため、その動作の相違から
リーンのときの方が反応時間が早くなる。
【0015】従って、この発明の第6の目的は、混合気
の空燃比がリーンないしリッチのいずれであっても最良
のサンプリング精度ないしは検出精度を確保できるよう
にした内燃機関の空燃比検出装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに請求項1項に係る内燃機関の空燃比検出装置は、内
燃機関の排気系に配置された空燃比センサの出力をサン
プリングして空燃比を検出する装置において、前記内燃
機関の運転状態を検出する運転状態検出手段、前記内燃
機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃比センサの出
力を順次サンプリングするサンプリング手段、前記サン
プリングされた値を順次記憶する記憶手段、前記検出さ
れた運転状態に応じて記憶されたサンプリング値群の中
の少なくともいずれかを選択する選択手段、および選択
されたサンプリング値に基づいて前記内燃機関の空燃比
を検出する空燃比検出手段、を備える如く構成した。
【0017】また請求項2項に係る内燃機関の空燃比検
出装置は、内燃機関の排気系に配置された空燃比センサ
の出力をサンプリングして空燃比を検出する装置におい
て、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手
段、前記内燃機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃
比センサの出力を順次サンプリングするサンプリング手
段、前記サンプリングされた値を順次記憶する第1の記
憶手段、所定クランク角度において、前記第1の記憶手
段に記憶されたサンプリング値群の中の所定数のサンプ
リング値群を記憶する第2の記憶手段、前記検出された
運転状態に応じて前記第2手段に記憶された所定数のサ
ンプリング値群の中の少なくともいずれかを選択する選
択手段、および選択されたサンプリング値に基づいて前
記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段、を備え
る如く構成した。
【0018】また請求項3項に係る内燃機関の空燃比検
出装置は、バルブタイミングを複数の特性の間で切り換
える可変バルブタイミング機構を備えてなる内燃機関
で、その排気系に配置された空燃比センサの出力をサン
プリングして空燃比を検出する装置において、前記バル
ブタイミングを含む内燃機関の運転状態を検出する運転
状態検出手段、前記内燃機関の所定クランク角度ごと
に、前記空燃比センサの出力を順次サンプリングするサ
ンプリング手段、前記サンプリングされた値を順次記憶
する記憶手段、前記検出された運転状態に応じて記憶さ
れたサンプリング値群の中の少なくともいずれかを選択
する選択手段、および選択されたサンプリング値に基づ
いて前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段、
を備える如く構成した。
【0019】また請求項4項に係る内燃機関の空燃比検
出装置は、バルブタイミングを複数の特性の間で切り換
える可変バルブタイミング機構を備えてなる内燃機関
で、その排気系に配置された空燃比センサの出力をサン
プリングして空燃比を検出する装置において、前記バル
ブタイミングを含む内燃機関の運転状態を検出する運転
状態検出手段、前記内燃機関の所定クランク角度ごと
に、前記空燃比センサの出力を順次サンプリングするサ
ンプリング手段、前記サンプリングされた値を順次記憶
する第1の記憶手段、所定クランク角度において、前記
第1の記憶手段に記憶されたサンプリング値群の中の所
定数のサンプリング値群を記憶する第2の記憶手段、前
記検出された運転状態に応じて前記第2手段に記憶され
た所定数のサンプリング値群の中の少なくともいずれか
を選択する選択手段、および選択されたサンプリング値
に基づいて前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出
手段、を備える如く構成した。
【0020】また請求項5項記載の内燃機関の空燃比検
出装置にあっては、前記運転状態検出手段は少なくとも
機関回転数および機関負荷から運転状態を検出する如く
構成した。
【0021】また請求項6項記載の内燃機関の空燃比検
出装置にあっては、前記運転状態検出手段は少なくとも
機関回転数、機関負荷、およびバルブタイミングから運
転状態を検出する如く構成した。
【0022】また請求項7項記載の内燃機関の空燃比検
出装置は、前記内燃機関の環境状態を検出する環境状態
検出手段を含み、前記選択手段は選択したサンプリング
値を検出された内燃機関の環境状態に応じて補正する如
く構成した。
【0023】また請求項8項記載の内燃機関の空燃比検
出装置にあっては、前記環境状態検出手段は前記内燃機
関の位置する場所の大気圧を検出するものであり、前記
選択手段は、検出された大気圧に応じて選択したサンプ
リング値を補正する如く構成した。
【0024】また請求項9項記載の内燃機関の空燃比検
出装置にあっては、前記環境状態検出手段は前記空燃比
センサの劣化度合いを検出するものであり、前記選択手
段は、検出された空燃比センサの劣化度合いに応じて選
択したサンプリング値を補正する如く構成した。
【0025】また請求項10項記載の内燃機関の空燃比
検出装置にあっては、前記環境状態検出手段は前記空燃
比センサの目標空燃比を検出するものであり、前記選択
手段は、検出された目標空燃比に応じて選択したサンプ
リング値を補正する如く構成した。
【0026】
【作用】請求項1項にあっては、簡易な構成でありなが
ら機関の運転状態に応じた最適のタイミングでサンプリ
ングするため、実際の空燃比の挙動に近似する空燃比を
検出することができて検出精度が向上し、また検出値に
基づいて空燃比を制御するときの精度も向上する。尚、
この請求項および以下の請求項で言う記憶手段は記憶で
きるものであれば足り、その種類は問わない。
【0027】請求項2項にあっては、機関回転数の変動
などでサンプリング値の選択およびそれに基づく演算な
どが遅れても、サンプリング値が書き替えられることが
ないことから、検出精度およびそれに基づく演算精度を
向上させることができる。特に、後で述べるように、多
気筒内燃機関の排気系集合部に配置された単一の空燃比
センサの出力から各気筒の空燃比を推定するときなど
も、推定精度を向上させることができる。尚、所定数の
サンプリング値群は、1TDC内のサンプリング値群で
も良く、数TDC間にまたがるサンプリング値群であっ
ても良い。これは請求項4項も同様である。
【0028】請求項3項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、請求項1項と同様
に、実際の空燃比の挙動に近似する空燃比を検出するこ
とができて検出精度が向上し、また検出値に基づいて空
燃比を制御するときの精度も向上する。ここで、バルブ
タイミングは吸気側、排気側のいずれか、または両方を
含む。また吸気側および/または排気側のバルブを複数
有しているような機関では、少なくとも1つのバルブタ
イミングを変更するものを含む。これは、吸気側、排気
側のバルブタイミングを少しでも変更すると、機関の吸
気特性が変化し、そのために機関の排気特性が変化する
ためである。またバルブタイミングの特性は後述の実施
例では2種であるが、3種以上であっても良い。請求項
4項も同様である。
【0029】請求項4項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、検出精度およびそ
れに基づく演算精度を向上させることができる。
【0030】請求項5項にあっては、実際の空燃比の挙
動に近似した検出精度を得ることができ、それに基づい
て演算するときも演算精度を向上させることができる。
【0031】請求項6項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、実際の空燃比の挙
動に近似した検出精度を得ることができ、それに基づい
て演算するときも演算精度を向上させることができる。
【0032】請求項7項にあっては、前記内燃機関の環
境状態を検出する環境状態検出手段を含み、前記選択手
段は選択したサンプリング値を検出された内燃機関の環
境状態に応じて補正する如く構成したので、環境状態の
如何に関わらず、最良のサンプリング精度ないしは検出
精度を得ることができる。
【0033】請求項8項にあっては、前記環境状態検出
手段は前記内燃機関の位置する場所の大気圧を検出する
ものであり、前記選択手段は、検出された大気圧に応じ
て選択したサンプリング値を補正する如く構成したの
で、前記内燃機関を搭載した車両が走行する場所の大気
圧、即ち、高度の如何に関わらず、最良のサンプリング
精度ないしは検出精度を得ることができる。
【0034】請求項9項にあっては、前記環境状態検出
手段は前記空燃比センサの劣化度合いを検出するもので
あり、前記選択手段は、検出された空燃比センサの劣化
度合いに応じて選択したサンプリング値を補正する如く
構成したので、空燃比センサの劣化度合いの如何に関わ
らず、最良のサンプリング精度ないしは検出精度を得る
ことができる。
【0035】請求項10項にあっては、前記環境状態検
出手段は前記空燃比センサの目標空燃比を検出するもの
であり、前記選択手段は、検出された目標空燃比に応じ
て選択したサンプリング値を補正する如く構成したの
で、雰囲気混合気の空燃比の如何に関わらず、最良のサ
ンプリング精度ないしは検出精度を得ることができる。
ここで、目標空燃比としたのは、空燃比を目標空燃比に
向けて制御するとき、センサ付近の混合気も目標空燃比
になる筈だからである。従って、目標空燃比に代えて検
出した空燃比を用いても良い。
【0036】
【実施例】以下、添付図面に即してこの発明の実施例を
説明する。
【0037】図1はこの発明に係る内燃機関の空燃比検
出装置を含む、内燃機関の空燃比フィードバック制御装
置を全体的に示しており、その空燃比制御においては排
気系の挙動を記述するモデルを設定し、排気系集合部に
配置した単一の広域空燃比センサの出力を入力すると共
に、モデルの内部状態を観測するオブザーバを設け、そ
の出力から各気筒の空燃比を推定する。
【0038】図において符号10は4気筒の内燃機関を
示しており、吸気路12の先端に配置されたエアクリー
ナ14から導入された吸気は、スロットル弁16でその
流量を調節されつつインテークマニホルド18を経て第
1ないし第4気筒に流入される。各気筒の吸気弁(図示
せず)の付近にはインジェクタ20が設けられて燃料を
噴射する。噴射されて吸気と一体となった混合気は、各
気筒内で図示しない点火プラグで点火されて燃焼してピ
ストン(図示せず)を駆動する。燃焼後の排気ガスは排
気弁(図示せず)を介してエキゾーストマニホルド22
に排出され、エキゾーストパイプ24を経て三元触媒コ
ンバータ26で浄化されつつ機関外に排出される。ま
た、吸気路12には、スロットル弁配置位置付近に、そ
れをバイパスするバイパス路28が設けられる。
【0039】内燃機関10のディストリビュータ(図示
せず)内にはTDC位置でTDC信号と、TDC周期を
12分割して得られるクランク角度15度ごとに(この
角度範囲を「ステージ」と言う)CRK信号を出力する
クランク角センサ34が設けられると共に、スロットル
弁16の開度を検出するスロットル開度センサ36、ス
ロットル弁16下流の吸気圧力を絶対圧力で検出する絶
対圧センサ38、更には内燃機関10の適宜位置には内
燃機関の位置する場所の大気圧を検出する大気圧センサ
39も設けられる。
【0040】更に、排気系においてエキゾーストマニホ
ルド22と三元触媒コンバータ26の間には酸素濃度検
出素子からなる広域空燃比センサ40が設けられ、排気
ガス中の酸素濃度に比例した値を出力する。即ち、広域
空燃比センサ40の出力は検出回路(図示せず)におい
て適当な線形化処理が行われ、理論空燃比を中心として
リーンからリッチにわたる広い範囲において排気ガス中
の酸素濃度に比例したリニアな特性からなる空燃比(A
/F)が検出される。その詳細は先に本出願人が提案し
た別の出願、特願平3−169456号(特開平4−3
69471号)に述べられているので、これ以上の説明
は省略する。尚、以下の説明において、このセンサを
「LAFセンサ」(リニア・エーバイエフ・センサ)と
称する。これらセンサの出力は制御ユニット(ECU)
42に送られる。
【0041】図2は制御ユニット42の構成を示すブロ
ック図で、特にその中で空燃比検出に焦点をおいた構成
を示す。図示の如く、制御ユニット42は入出力(I/
O)用のCPU50と空燃比検出用のメインのCPU5
2を備える。ここで、入出力CPU50には前記したク
ランク角センサ34よりTDC信号およびCRK信号が
入力されると共に、スロットル開度センサ36、絶対圧
センサ38、大気圧センサ39およびLAFセンサ40
の出力信号が入力される。
【0042】入出力CPU50はクランク角センサ34
のCRK信号を所定時間カウントして機関回転数Neを
検出し、メインCPU52に送出する。また、入出力
(I/O)CPU50はA/D変換回路(図示せず)お
よび12個の記憶手段、例えばバッファ50aを備えて
おり、スロットル開度センサ36、絶対圧センサ3
8、、大気圧センサ39およびLAFセンサ40のアナ
ログ出力を順次A/D変換し、スロットル開度センサ出
力、絶対圧センサ出力および大気圧センサ出力のスロッ
トル開度θTH、吸気圧力Pbおよび大気圧Paを示すA
/D変換値を直ちにメインCPU52に送出すると共
に、LAFセンサ出力のA/D変換値LAFを、クラン
ク角センサ34からCRK信号が入力される度に、A/
D変換して順次バッファ50aに格納する。
【0043】即ち、入出力CPU50は、4気筒内燃機
関のTDC周期(180度)を12分割してなるステー
ジごとにLAFセンサ出力のA/D変換値を記憶する。
12個のバッファ50aには後で図17に示すように、
0から11までのNo.が付れて特定される。
【0044】図3は、その動作を示すフロー・チャート
であるが、空燃比の検出精度は特に前記したオブザーバ
の推定精度と密接な関連を有するので、同図の説明に入
る前に、ここでオブザーバによる空燃比推定について簡
単に説明する。
【0045】先ず、1個のLAFセンサの出力から各気
筒の空燃比を精度良く分離抽出するためには、LAFセ
ンサの検出応答遅れを正確に解明する必要がある。そこ
で、とりあえずこの遅れを1次遅れ系と擬似的にモデル
化し、図4に示す如きモデルを作成した。ここでLA
F:LAFセンサ出力、A/F:入力A/F、とする
と、その状態方程式は下記の数1で示すことができる。
【0046】
【数1】
【0047】これを周期ΔTで離散化すると、数2で示
すようになる。図5は数2をブロック線図で表したもの
である。
【0048】
【数2】
【0049】従って、数2を用いることによってセンサ
出力より真の空燃比を求めることができる。即ち、数2
を変形すれば数3に示すようになるので、時刻kのとき
の値から時刻k−1のときの値を数4のように逆算する
ことができる。
【0050】
【数3】
【0051】
【数4】
【0052】具体的には数2をZ変換を用いて伝達関数
で示せば数5の如くになるので、その逆伝達関数を今回
のセンサ出力LAFに乗じることによって前回の入力空
燃比をリアルタイムに推定することができる。図6にそ
のリアルタイムのA/F推定器のブロック線図を示す。
【0053】
【数5】
【0054】続いて、上記の如く求めた真の空燃比に基
づいて各気筒の空燃比を分離抽出する手法について説明
すると、先願でも述べたように、排気系の集合部の空燃
比を各気筒の空燃比の時間的な寄与度を考慮した加重平
均であると考え、時刻kのときの値を、数6のように表
した。尚、F(燃料量)を制御量としたため、ここでは
『燃空比F/A』を用いているが、後の説明においては
理解の便宜のため、支障ない限り「空燃比」を用いる。
尚、空燃比(ないしは燃空比)は、先に数5で求めた応
答遅れを補正した真の値を意味する。
【0055】
【数6】
【0056】即ち、集合部の空燃比は、気筒ごとの過去
の燃焼履歴に重みC(例えば直近に燃焼した気筒は40
%、その前が30%...など)を乗じたものの合算で
表した。このモデルをブロック線図であらわすと、図7
のようになる。
【0057】また、その状態方程式は数7のようにな
る。
【0058】
【数7】
【0059】また集合部の空燃比をy(k)とおくと、
出力方程式は数8のように表すことができる。
【0060】
【数8】
【0061】上記において、u(k)は観測不可能のた
め、この状態方程式からオブザーバを設計してもx
(k)は観測することができない。そこで4TDC前
(即ち、同一気筒)の空燃比は急激に変化しない定常運
転状態にあると仮定してx(k+1)=x(k−3)と
すると、数9のようになる。
【0062】
【数9】
【0063】ここで、上記の如く求めたモデルについて
シミュレーション結果を示す。図8は4気筒内燃機関に
ついて3気筒の空燃比を14.7にし、1気筒だけ1
2.0にして燃料を供給した場合を示す。図9はそのと
きの集合部の空燃比を上記モデルで求めたものを示す。
同図においてはステップ状の出力が得られているが、こ
こで更にLAFセンサの応答遅れを考慮すると、センサ
出力は図10に「モデル出力値」と示すようになまされ
た波形となる。図中「実測値」は同じ場合のLAFセン
サ出力の実測値であるが、これと比較し、上記モデルが
多気筒内燃機関の排気系を良くモデル化していることを
検証している。
【0064】よって、数10で示される状態方程式と出
力方程式にてx(k)を観察する通常のカルマンフィル
タの問題に帰着する。その荷重行列Q,Rを数11のよ
うにおいてリカッチの方程式を解くと、ゲイン行列Kは
数12のようになる。
【0065】
【数10】
【0066】
【数11】
【0067】
【数12】
【0068】これよりA−KCを求めると、数13のよ
うになる。
【0069】
【数13】
【0070】一般的なオブザーバの構成は図11に示さ
れるようになるが、今回のモデルでは入力u(k)がな
いので、図12に示すようにy(k)のみを入力とする
構成となり、これを数式で表すと数14のようになる。
【0071】
【数14】
【0072】ここでy(k)を入力とするオブザーバ、
即ちカルマンフィルタのシステム行列は数15のように
表される。
【0073】
【数15】
【0074】今回のモデルで、リカッチ方程式の荷重配
分Rの要素:Qの要素=1:1のとき、カルマンフィル
タのシステム行列Sは、数16で与えられる。
【0075】
【数16】
【0076】図13に上記したモデルとオブザーバを組
み合わせたものを示す。シミュレーション結果は先の出
願に示されているので省略するが、これにより集合部空
燃比より各気筒の空燃比を的確に抽出することができ
る。
【0077】オブザーバによって集合部空燃比より各気
筒空燃比を推定することができたことから、PIDなど
の制御則を用いて空燃比を気筒別に制御することが可能
となる。具体的には、図14に示すように、センサ出力
(集合部A/F)と目標空燃比とからPID制御則を用
いて集合部フィードバック補正項KLAFを求めると共
に、オブザーバ推定値#nA/Fから気筒毎のフィード
バック補正項#nKLAF(n:気筒)を求める。気筒
毎のフィードバック補正項#nKLAFはより具体的に
は、集合部A/Fを気筒毎のフィードバック補正項#n
KLAFの全気筒についての平均値の前回演算値で除算
して求めた目標値とオブザーバ推定値#nA/Fとの偏
差を解消するようにPID則を用いて求める。
【0078】これにより、各気筒の空燃比(A/F)は
集合部空燃比(A/F)に収束し、集合部空燃比(A/
F)は目標空燃比(A/F)に収束することとなって、
結果的に全ての気筒の空燃比(A/F)が目標空燃比
(A/F)に収束する。ここで、各気筒の燃料噴射量#
nTout (インジェクタの開弁時間で規定される)は、 #nTout =Tim×KCMD×KTOTAL×#nK
LAF×KLAF で求められる。上記で、Tim:基本値、KCMD:目
標空燃比、KTOTAL:その他の補正項、である。更
にバッテリ補正などの加算項もあるが省略する。尚、か
かる制御の詳細は本出願人が先に提案した特願平5−2
51138号に述べられているので、これ以上の説明は
省略する。
【0079】ここで、図3フロー・チャートに戻って本
発明に係る空燃比検出技術を説明する。尚、これはメイ
ンCPU52の動作を示すフロー・チャートであって、
TDC位置で起動される。
【0080】先ず、S10において機関回転数Neおよ
び吸気圧力Pbを読み出し、S12に進んでタイミング
マップを検索して前記した12個のバッファのいずれか
をそのNo.で選択し、そこに記憶されているサンプリ
ング値を選択する。
【0081】図15はそのタイミングマップの特性を示
す説明図であり、図示の如く特性は、機関回転数Neが
低くないしは吸気圧力(負荷)Pbが高いほど早いクラ
ンク角度でサンプリングされた値を選択するように設定
される。ここで、「早い」とは前のTDC位置により近
い位置でサンプリングされた値(換言すれば古い値)を
意味する。逆に、機関回転数Neが高くないしは吸気圧
力Pbが低いほど遅いクランク角度、即ち、後のTDC
位置に近いクランク角度でサンプリングされた値(換言
すれば新しい値)を選択するように設定する。
【0082】即ち、LAFセンサ出力は図35に示した
ように、実際の空燃比(A/F)の変局点に可能な限り
近い位置でサンプリングするのが最良であるが、その変
局点、例えば最初のピーク値は、センサの反応時間を一
定と仮定すれば、図16に示すように、機関回転数が低
くなるほど早いクランク角度で生じる。また、負荷が高
いほど排気ガス圧力や排気ガスボリュームが増加し、従
って排気ガスの流速が増してセンサへの到達時間が早ま
るものと予想される。その意味から、サンプルタイミン
グを図15に示すように設定した。
【0083】図3フロー・チャートに戻ると、S14に
進んで選択したバッファNo.を入出力CPU50に連
絡し、S16に進んで該当のバッファNo.に記憶され
ていたサンプリング値を受領する。
【0084】この実施例は上記の如く構成したので、空
燃比の検出精度を向上させることができる。即ち、図1
7に示す如く、比較的短い間隔でサンプリングすること
から、サンプリング値はセンサ出力をほぼ忠実に反映す
ると共に、その比較的短い間隔でサンプリングされた値
をバッファ群に順次記憶しておき、機関回転数と吸気圧
力(負荷)に応じてセンサ出力の変局点を予測してバッ
ファ群の中からそれに対応する値を所定クランク角度に
おいて選択するようにした。この後、オブザーバ演算が
行われて各気筒空燃比(A/F)が推定され、図14で
説明したように、空燃比の気筒別のフィードバック制御
が行われる。
【0085】従って、同図下部に示すように、メインC
PU52はセンサ出力の最大値と最小値を正確に認識す
ることができる。この場合、サンプルタイミングそのも
のを運転状態に応じて任意に変えることも考えられる
が、上記の如く構成したことで、結果的にサンプルタイ
ミングそのものを任意に変えることと等価の効果を持つ
ことができる。即ち、前記した特開平1−313644
号公報記載の技術と等価の効果を持つと共に、検出を決
定した時点で変局点が徒過してしまう、即ち、最適検出
ポイントを追い越してしまう不都合がなく、また構成も
簡易である利点を備える。
【0086】従って、この構成により前記したオブザー
バを用いて各気筒の空燃比を推定するときも、実際の空
燃比の挙動に近似する値を使用することができてオブザ
ーバの推定精度が向上し、結果として図14に関して述
べた気筒別の空燃比フィードバック制御を行うときの精
度も向上する。
【0087】図18はこの発明の第2の実施例を示す、
図2と同様な制御ユニットのブロック図である。
【0088】第2実施例においては図示の如く、CPU
の個数を1個とした。LAFセンサの出力は検出回路4
3に入力され、その出力はCPUに入力され、マルチプ
レクサ44を介してA/D変換回路46に入力される。
同様にスロットル開度センサ36、絶対圧センサ38お
よび大気圧センサ39の出力もCPUに入力され、マル
チプレクサ44を介してA/D変換回路46に入力され
る。CPUはCPUコア54、ROM56およびRAM
58ならびにカウンタ60を備え、クランク角センサ3
4の出力は波形整形回路62を介してCPUに入力さ
れ、カウンタ60に入力される。A/D変換値およびカ
ウンタ値は、RAM58に格納される。CPUにおいて
CPUコア54は制御値を演算し、駆動回路66,68
を介してインジェクタ20、電磁弁70に出力する。こ
こで、ROM56はタイミングマップを備えると共に、
RAM58はバッファを備える。LAFセンサ出力は、
RAM58においてバッファに格納される。
【0089】図19タイミング・チャートを参照して第
2実施例を説明すると、第2実施例ではTDC周期を6
個のステージに分割しているが、ステージ数とは関わり
なく、場合によっては複数のTDC周期にまたがってセ
ンサ出力をサンプリング・記憶する必要が生じる。その
場合、同図に示す如く、任意のクランク角度範囲、例え
ばTDCの直後の所定クランク角度範囲で、そのステー
ジの最新値から例えば11回前までのサンプリング値の
いずれかを選択し、オブザーバによる各気筒の空燃比を
推定する演算を行うことになる。
【0090】このとき、図19の上部に想像線で示す如
く、機関回転数が上昇するなどして演算、より正確には
サンプリング値の選択が遅れた場合、同図下部に想像線
で示す如く、その間にもサンプリングが行われることか
ら、前記バッファに記憶しておいた値が書き替えられる
ことがある。その結果、例えば8回前、即ち、前々回T
DCのステージ4のサンプリング値と認識していた値
が、実際にはそのTDCのステージ5のサンプリング値
となっている場合がある。第2実施例はその不都合を解
消することを意図する。
【0091】具体的には図18に示す如く、RAM58
にバッファ(第1の記憶手段)に加えて演算バッファ
(第2の記憶手段)を設け、CPUコア54は図19に
示す如く、バッファに一旦格納した値を所定のタイミン
グで演算バッファに移して保存するようにした。より具
体的には図20フロー・チャートに示す如く、ステップ
100でCRK信号値がステージ0のものか否か、即
ち、演算範囲の最初のステージか否か判断し、そこで肯
定されるときはステップ102に進んで演算バッファの
値を更新、即ち、第1のバッファの2TDC分の値を演
算バッファに移すようにした。
【0092】第2実施例はこのように構成した結果、図
19に示したように、演算が遅れることがあってもサン
プリング値が演算終了まで破壊されることがない。よっ
て空燃比の検出精度、オブザーバの推定精度、更には気
筒別の空燃比フィードバック制御精度が向上する。残余
の構成および効果は第1実施例と異ならない。
【0093】尚、第2実施例において、第2の記憶手段
として演算バッファを用いたが、これに限られるもので
はなく、記憶できるものであれば、どのようなものでも
良い。また、第2実施例は演算タイミング、より正確に
はサンプリング値選択タイミングが浮動であることを前
提としている。サンプリング値選択タイミングを所定の
クランク角度範囲に固定すれば、第1実施例の構成で足
りる。そのとき、サンプリングが2TDCないしそれ以
上にわたるときは、必要TDC分のデータを格納できる
ようにバッファの容量を増やせば良い。
【0094】図21はこの発明の第3実施例を示す、図
18と同様の制御ユニットのブロック図である。第3実
施例は、いわゆる可変バルブタイミング機構を備えた内
燃機関について空燃比を検出する場合に関する。
【0095】図22および図23を参照して可変バルブ
タイミング機構について簡単に説明する。
【0096】可変バルブタイミング機構600は図示例
の場合、吸気弁54と排気弁56の付近にそれぞれ設け
られたロッカシャフト612に回転自在に配置される3
個のロッカアーム614,616,618を備える(吸
気側と排気側とで構成が同一なため、図面で符号の後に
添字i(e)を付し、以下両者を共通に説明する)。該
ロッカアームはそれぞれカムシャフト(図示せず)に取
り付けられた低速用の2個のカムと、低速用のカムに比
して径方向に突出した形状を備える1個の高速用のカム
(共に図示せず)に係合する。
【0097】ロッカアーム614,616,618には
油路650、穴632,孔634,636およびピン6
40,642,644などからなる連結機構630を備
え、油路650と油圧源(図示せず)との間に介挿され
た油圧切り換え機構660は電磁弁680を介して油路
650に圧油を供給/停止し、それによって前記ピンが
前進/後退してロッカアームが連結/解放される。ロッ
カアームが連結されるときは高速カムの動きに基づい
て、解放されたときは低速カムの動きに基づいてバルブ
タイミングとリフト量とが決定される。尚、可変バルブ
タイミング機構の詳細は前記した従来技術に述べられて
いるので、説明はこの程度に止める。
【0098】この連結/解放は具体的には図23に示す
如く、機関回転数Neと吸気圧力Pbとから決定され
る。以下、高速カムによる場合を『HiV/T』、低速
カムによる場合を『LoV/T』と言うが、HiV/T
においては、LoV/Tに比して、バルブタイミングが
早まって結果的にそのオーバラップ量が増加すると共
に、リフト量も増加する。尚、油圧切り換え機構660
には油圧スイッチからなるV/Tセンサ670が設けら
れ、油路650の油圧を通じてロッカアームの連結/解
放、即ち、バルブタイミングがLoV/TとHiV/T
のいずれに制御されているか検出する。図21に示す如
く、V/Tセンサ670の出力はCPUに入力される。
【0099】先に述べた如く、可変バルブタイミング機
構においてはバルブタイミングの変更に伴って空燃比の
検出が影響を受けると思われる。そこで第3実施例にお
いては、図24フロー・チャートに示すように、機関回
転数と機関負荷とに加えてバルブタイミングも検出し、
それらからサンプリング値を選択するようにした。
【0100】図24フロー・チャートを参照して以下説
明する。尚、これは図21においてCPUコア54の動
作を示すフロー・チャートである。先ずS200におい
て機関回転数Ne、吸気圧力Pb、バルブタイミングV
/Tを読み出し、S202に進んでバルブタイミングが
HiV/TかLoV/Tか判断し、判断結果に従ってS
204,206に進んでHiないしLoバルブタイミン
グ用のタイミングマップを検索する。図25はその特性
を示す。
【0101】機関回転数の任意の値Ne1をLo側につ
いてNe1−Lo、Hi側についてNe−Hiとし、吸
気圧力についてもその任意の値をLo側についてPb1
−Lo、Hi側についてPb1−Hiとすると、マップ
特性は、Pb1−Lo>Pb1−Hi、Ne1−Lo>
Ne1−Hiとする。即ち、HiV/Tにあっては排気
弁の開き時点がLoV/Tのそれより早いため、機関回
転数ないし吸気圧力の値が同一であれば、早期のサンプ
リング値を選択するように、マップ特性が設定される。
【0102】続いてS208に進んでセンサ出力のサン
プリング(図3のS12ないしS16に相当)を行い、
S210に進んでサンプリング値から数14に示すオブ
ザーバ行列の演算をHiV/Tについて行い、続いてS
212に進んで同様の演算をLoV/Tについて行う。
続いてS214に進んで再びバルブタイミングを判断
し、判断結果に応じてS216,218に進んで演算結
果を選択して終わる。
【0103】即ち、バルブタイミングの切り換えに伴っ
て空燃比の集合部の挙動も変わるため、オブザーバ行列
を変更する必要が生じる。しかし、各気筒の空燃比の推
定は瞬時に行えるものではなく、各気筒の空燃比推定演
算が収束し終わるまでに演算数回を要するため、バルブ
タイミングの変更前のオブザーバ行列を用いた演算と変
更後のオブザーバ行列を用いた演算とをオーバーラップ
して行っておき、もしバルブタイミングの変更が行われ
たとしても、S214で変更後のバルブタイミングに応
じて選択できるようにした。尚、各気筒が推定された後
は、先に述べたように、目標値との偏差を解消するよう
にフィードバック補正係数が求められて噴射量が決定さ
れる。
【0104】第3実施例は上記の如く構成したので、機
関回転数や吸気圧力のみならず、バルブタイミングも考
慮して最適にLAFセンサ出力のサンプリング値を選択
することができ、よって検出精度を向上できる。また、
前記したオブザーバを用いて集合部の空燃比から各気筒
の空燃比を推定するときも、推定精度を上げることが可
能となる。尚、残余の構成および効果は従前の実施例と
同様である。
【0105】図26はこの発明の第4実施例を示す、図
24と同様のフロー・チャートである。
【0106】第4実施例は第3実施例の変形例であり、
以下説明すると、S300において機関回転数Neなど
を読み出した後、S302に進んでLoV/T用のタイ
ミングマップを検索し、S304に進んでLoV/T用
にセンサ出力のサンプリング値を選択し、S306に進
んでLoV/T用のオブザーバ行列演算を行う。続いて
S308ないしS312に進んでHiV/T側について
同様の処理を行う。続いてS314に進んでバルブタイ
ミングを判断し、判断結果に応じてS316,318の
いずれかに進んで演算結果を選択する。即ち、第4実施
例においては、センサ出力サンプリングに関しては、実
際にバルブタイミングがどちらの特性にあるか否か判断
せず、Lo,Hi両方の特性について行う。その後S3
14で初めて特性を判断するようにした。残余の構成お
よび効果は第3実施例と同様である。
【0107】尚、第3および第4実施例において、CP
Uの構成として図18に示す第2実施例のものを用いた
が、図2に示す第1実施例の構成を用いても良い。逆
に、第1実施例においてCPUの構成として第2実施例
以下のものを用いても良い。また、ステージの数も6個
または12個に限られるものではない。また排気弁と吸
気弁とが共に変更される可変バルブタイミング機構を例
にとったが、それに限られるものではなく、既述の如
く、一方のみ変更される機構にも妥当する。また吸気弁
の休止が可能な機構にも妥当する。更に、バルブタイミ
ングを検出する手段として油圧スイッチを例に上げた
が、それに止まるものではなく、前記したピン640,
642,644の位置を検出しても良く、あるいは可変
バルブタイミング機構の制御ユニットのバルブタイミン
グ切り換え指令信号を参照して検出しても良い。
【0108】図27はこの発明の第5実施例を示す、図
3に類似したフロー・チャートである。
【0109】先に述べた如く、LAFセンサの反応時間
は、センサが検出しようとする混合気の空燃比がリーン
であると、リッチのときに比し、短くなる。第5実施例
は、この問題を解消するようにした。図27を参照して
説明すると、第1実施例と同様にS12に進んでバッフ
ァNo.を選択した後、S13に進んで目標空燃比(前
記したKCMD)に応じてバッファNo.に補正量Co
r1(正値)を加算してバッファNo.を補正する。
【0110】即ち、図28に示すように補正量Cor1
を目標空燃比に応じて求めてテーブル化しておき、目標
空燃比から補正量Cor1を検索してバッファNo.に
加算する。補正量Cor1はリッチ側が零に設定される
と共に、リーンになればなるほどプラス方向に大きくな
るように設定される。バッファNo.は先に図17に示
した如く、検出したクランク角度順にNo.11から減
少するように設定され、最新値をNo.0と設定してい
ることから、補正量Cor1を加算することは、より早
期のクランク角度で検出されたサンプリング値を選択し
直すことを意味する。
【0111】これは、リーンのときの方が反応時間が早
いので、センサはリッチのときに比較すれば、より早期
のクランク角度で出力を生じることになるためである。
また、センサの特性からリーンであればあるほど応答性
が高くなるため、リーンであればあるほど補正量Cor
1を大きくし、よって一層早期のクランク角度で検出さ
れたサンプリング値に選択し直すようにした。
【0112】第5実施例は上記の如く構成したので、セ
ンサが検出しようとする混合気がリーンであるとリッチ
であるとの如何に関わらず、最良のサンプリング値を選
択することができ、空燃比の検出精度を上げることがで
きる。尚、センサが検出する混合気を示すパラメータと
して目標空燃比を使用したのは、空燃比が目標空燃比に
制御されるとき、実際の空燃比も目標空燃比になる筈だ
からである。その意味では目標空燃比に代えて検出した
空燃比を用いても良い。
【0113】図29はこの発明の第6実施例を示す、図
27に類似したフロー・チャートである。
【0114】先に述べた如く、内燃機関を搭載した車両
が高地を走行するとき、大気圧が低下して排圧が低下す
ることから、排気ガスのセンサまでの到達時間が、低地
の場合に比し、短くなる。そこで、第6実施例は、この
問題を解消するようにした。図29を参照して説明する
と、第1実施例と同様にS12に進んでバッファNo.
を選択した後、S13に進んで大気圧Paに応じてバッ
ファNo.に補正量Cor2(正値)を加算してバッフ
ァNo.を補正する。
【0115】即ち、図30に示すように補正量Cor2
を大気圧Paに応じて求めてテーブル化しておき、検出
した大気圧値から補正量Cor2を検索してバッファN
o.に加算する。補正量Cor2は大気圧が低いほど、
即ち、機関が位置する地の高度が高くなればなるほど大
きくなるように設定されるので、高度が増加するにつれ
てより早期のクランク角度で検出されたサンプリング値
を選択し直すことになる。
【0116】第6実施例は上記の如く構成したので、機
関が位置する地の高度の如何に関わらず、最良のサンプ
リング値を選択することができ、空燃比の検出精度を上
げることができる。
【0117】図31はこの発明の第7実施例を示す、図
27に類似したフロー・チャートである。
【0118】先に述べた如く、LAFセンサが劣化する
と応答性が低下し、反応時間が長くなる。第6実施例は
この問題を解消を意図しており、図31を参照して説明
すると、第5ないし第6実施例と同様にS12からS1
3に進んでLAFセンサの劣化度合い応じてバッファN
o.を補正する。
【0119】即ち、図32に示すように補正量Cor3
(負値)をセンサの劣化度合いに応じて求めてテーブル
化しておき、センサの劣化度合いを判定し、それから補
正量Cor3を検索してバッファNo.に加算する。劣
化度合いが進むほどセンサ反時間が長くなることから、
補正量Cor3は劣化度合いに応じてマイナス方向に増
加し、−nで最大となるように設定する。従って、図3
1のS13においてバッファNo.を加算補正すると
き、バッファNo.は減少方向に補正、即ち、図におい
て後期のクランク角度で検出したサンプリング値を選択
するように行われる。
【0120】ここでLAFセンサの劣化度合いの判定に
ついて図33を参照して説明すると、目標空燃比が例え
ば理論空燃比に制御されているとき、フューエルカット
の実行(F/C ON)を適宜な手法で検出し、LAF
センサが正常な段階で予め実験を通じてセンサ出力が理
論空燃比からリーン値、例えば30:1となるまでの基
準時間を求めておく。そして、実際の機関の運転時にフ
ューエルカットの実行を検出し、センサ出力がリーン
値、例えば30:1となるまでの時間を測定し、基準時
間からの遅れ時間τを測定する。遅れ時間τからセンサ
の劣化度合いを判定することができる。尚、LAFセン
サの劣化度合いの判定は図示の手法に限られるものでは
なく、前記した従来技術、特開平4−369471号で
提案する手法を用いても良い。
【0121】第7実施例は上記の如く構成したので、セ
ンサの劣化度合いの如何に関わらず、最良のサンプリン
グ値を選択することができ、空燃比の検出精度を上げる
ことができる。
【0122】尚、上記した第1ないし第7の実施例は、
排気系の挙動を記述するモデルを設定し、その内部状態
を観測するオブザーバを使用して空燃比制御を行う場合
を例にとって説明してきたが、この発明に係る空燃比検
出技術はそれに限定されるものではなく、空燃比センサ
の実測値に基づいて空燃比を制御する技術に全て妥当す
る。
【0123】更に、運転状態を機関回転数と吸気圧力な
どから検出したが、これに限られるものでなく、その他
のパラメータを追加しても良い。また機関負荷を示すパ
ラメータは吸気圧力に限られるものではなく、吸入空気
量、スロットル開度などでも良い。
【0124】更には、空燃比センサとして広域空燃比セ
ンサを使用する場合を例にとって説明したが、いわゆる
2 センサを用いて空燃比を制御する場合にも妥当す
る。
【0125】
【発明の効果】請求項1項にあっては、実際の空燃比の
挙動に近似する空燃比を検出することができ、よって検
出値を用いて空燃比制御などを行うときの制御精度を向
上させることができる。
【0126】請求項2項にあっては、機関回転数の変動
などでサンプリング値の選択およびそれに基づく演算な
どが遅れても、サンプリング値が書き替えられることが
ないことから、検出精度およびそれに基づく演算精度を
向上させることができる。特に、多気筒内燃機関の排気
系集合部に配置された単一の空燃比センサの出力から各
気筒の空燃比を推定するときなど、推定精度を向上させ
ることができる。
【0127】請求項3項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、請求項1項と同様
に、実際の空燃比の挙動に近似する空燃比を検出するこ
とができて検出精度が向上し、またその検出値に基づい
て空燃比を制御するときの精度も向上する。
【0128】請求項4項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、検出精度およびそ
れに基づく演算精度を向上させることができる。
【0129】請求項5項にあっては、実際の空燃比の挙
動に近似した検出精度を得ることができ、それに基づい
て演算するときも演算精度を向上させることができる。
【0130】請求項6項にあっては、可変バルブタイミ
ング機構を備えた内燃機関において、実際の空燃比の挙
動に近似した検出精度を得ることができ、それに基づい
て演算するときも演算精度を向上させることができる。
【0131】請求項7項にあっては、内燃機関の環境状
態に応じて補正する如く構成したので、環境状態の如何
に関わらず、最良のサンプリング精度ないしは検出精度
を得ることができる。
【0132】請求項8項にあっては、検出された大気圧
に応じて選択したサンプリング値を補正する如く構成し
たので、前記内燃機関を搭載した車両が走行する場所の
大気圧、即ち、高度の如何に関わらず、最良のサンプリ
ング精度ないしは検出精度を得ることができる。
【0133】請求項9項にあっては、空燃比センサの劣
化度合いに応じて選択したサンプリング値を補正する如
く構成したので、空燃比センサの劣化度合いの如何に関
わらず、最良のサンプリング精度ないしは検出精度を得
ることができる。
【0134】請求項10項にあっては、目標空燃比に応
じて選択したサンプリング値を補正する如く構成したの
で、雰囲気混合気の空燃比の如何に関わらず、最良のサ
ンプリング精度ないしは検出精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の空燃比検出装置を含
む、空燃比フィードバック制御装置を全体的に示すブロ
ック図である。
【図2】図1中の制御ユニットの詳細を空燃比検出に焦
点をおいて示すブロック図である。
【図3】図1装置の動作を示すフロー・チャートであ
る。
【図4】先の出願で述べた空燃比センサの検出動作をモ
デル化した例を示すブロック図である。
【図5】図4に示すモデルを周期ΔTで離散化したモデ
ルである。
【図6】空燃比センサの検出挙動をモデル化した真の空
燃比推定器を示すブロック線図である。
【図7】内燃機関の排気系の挙動を示すモデルを表すブ
ロック線図である。
【図8】図7に示すモデルを用いて4気筒内燃機関につ
いて3気筒の空燃比を14.7に、1気筒の空燃比を1
2.0にして燃料を供給する場合を示すデータ図であ
る。
【図9】図8に示す入力を与えたときの図7モデルの集
合部の空燃比を表すデータ図である。
【図10】図8に示す入力を与えたときの図7モデルの
集合部の空燃比をLAFセンサの応答遅れを考慮して表
したデータと、同じ場合のLAFセンサ出力の実測値を
比較するグラフ図である。
【図11】一般的なオブザーバの構成を示すブロック線
図である。
【図12】先の出願で用いるオブザーバの構成を示すブ
ロック線図である。
【図13】図7に示すモデルと図12に示すオブザーバ
を組み合わせた構成を示す説明ブロック図である。
【図14】この発明で予定する空燃比のフィードバック
制御を示すブロック図である。
【図15】図3フロー・チャートで使用するタイミング
マップの特性を示す説明図である。
【図16】図15の特性を説明する、機関回転数および
機関負荷に対するセンサ出力特性を示す説明図である。
【図17】図3の動作を説明するタイミング・チャート
である。
【図18】この発明の第2実施例を示す、図2と同様の
制御ユニットのブロック図である。
【図19】第2実施例の動作を説明するタイミング・チ
ャートである。
【図20】第2実施例の動作を説明するフロー・チャー
トである。
【図21】この発明の第3実施例を示す、図18と同様
の制御ユニットのブロック図である。
【図22】第3実施例で予定する可変バルブタイミング
機構を説明する、油圧回路図を含む部分断面図である。
【図23】バルブタイミングの切り換え特性を示す説明
図である。
【図24】第3実施例の動作を示すフロー・チャートで
ある。
【図25】第3実施例のタイミングマップの特性を示す
説明図である。
【図26】この発明の第4実施例を示す図24と同様の
フロー・チャートである。
【図27】この発明の第5実施例を示す図3と同様のフ
ロー・チャートである。
【図28】図27フロー・チャートのS13で行うバッ
ファNo.の補正量Cor1の特を示す説明図である。
【図29】この発明の第6実施例を示す、図27と同様
のフロー・チャートである。
【図30】図29フロー・チャートのS13で行うバッ
ファNo.の補正量Cor2の特を示す説明図である。
【図31】この発明の第7実施例を示す、図27と同様
のフロー・チャートである。
【図32】図31フロー・チャートのS13で行うバッ
ファNo.の補正量Cor3の特を示す説明図である。
【図33】第7実施例で使用する空燃比センサの劣化度
合いの判定手法を示す説明図である。
【図34】多気筒内燃機関のTDCと排気系集合部の空
燃比との関係を示す説明図である。
【図35】実際の空燃比に対するサンプルタイミングの
良否を示す説明図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 18 インテークマニホルド 20 インジェクタ 22 エキゾーストマニホルド 39 大気圧センサ 40 空燃比センサ(LAFセンサ) 42 制御ユニット 50 入出力CPU 50a バッファ 52 メインCPU 54 CPUコア 56 ROM 58 RAM 600 可変バルブタイミング機構 670 V/Tセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤崎 修介 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 木村 英輔 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 阿部 悟 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に配置された空燃比セ
    ンサの出力をサンプリングして空燃比を検出する装置に
    おいて、 a.前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手
    段、 b.前記内燃機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃
    比センサの出力を順次サンプリングするサンプリング手
    段、 c.前記サンプリングされた値を順次記憶する記憶手
    段、 d.前記検出された運転状態に応じて記憶されたサンプ
    リング値群の中の少なくともいずれかを選択する選択手
    段、 および e.選択されたサンプリング値に基づいて前記内燃機関
    の空燃比を検出する空燃比検出手段、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の排気系に配置された空燃比セ
    ンサの出力をサンプリングして空燃比を検出する装置に
    おいて、 a.前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手
    段、 b.前記内燃機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃
    比センサの出力を順次サンプリングするサンプリング手
    段、 c.前記サンプリングされた値を順次記憶する第1の記
    憶手段、 d.所定クランク角度において、前記第1の記憶手段に
    記憶されたサンプリング値群の中の所定数のサンプリン
    グ値群を記憶する第2の記憶手段、 e.前記検出された運転状態に応じて前記第2手段に記
    憶された所定数のサンプリング値群の中の少なくともい
    ずれかを選択する選択手段、 および f.選択されたサンプリング値に基づいて前記内燃機関
    の空燃比を検出する空燃比検出手段、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。
  3. 【請求項3】 バルブタイミングを複数の特性の間で切
    り換える可変バルブタイミング機構を備えてなる内燃機
    関で、その排気系に配置された空燃比センサの出力をサ
    ンプリングして空燃比を検出する装置において、 a.前記バルブタイミングを含む内燃機関の運転状態を
    検出する運転状態検出手段、 b.前記内燃機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃
    比センサの出力を順次サンプリングするサンプリング手
    段、 c.前記サンプリングされた値を順次記憶する記憶手
    段、 d.前記検出された運転状態に応じて記憶されたサンプ
    リング値群の中の少なくともいずれかを選択する選択手
    段、 および e.選択されたサンプリング値に基づいて前記内燃機関
    の空燃比を検出する空燃比検出手段、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。
  4. 【請求項4】 バルブタイミングを複数の特性の間で切
    り換える可変バルブタイミング機構を備えてなる内燃機
    関で、その排気系に配置された空燃比センサの出力をサ
    ンプリングして空燃比を検出する装置において、 a.前記バルブタイミングを含む内燃機関の運転状態を
    検出する運転状態検出手段、 b.前記内燃機関の所定クランク角度ごとに、前記空燃
    比センサの出力を順次サンプリングするサンプリング手
    段、 c.前記サンプリングされた値を順次記憶する第1の記
    憶手段、 d.所定クランク角度において、前記第1の記憶手段に
    記憶されたサンプリング値群の中の所定数のサンプリン
    グ値群を記憶する第2の記憶手段、 e.前記検出された運転状態に応じて前記第2手段に記
    憶された所定数のサンプリング値群の中の少なくともい
    ずれかを選択する選択手段、 および f.選択されたサンプリング値に基づいて前記内燃機関
    の空燃比を検出する空燃比検出手段、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比検出装置。
  5. 【請求項5】 前記運転状態検出手段は少なくとも機関
    回転数および機関負荷から運転状態を検出することを特
    徴とする請求項1項ないし4項のいずれかに記載の内燃
    機関の空燃比検出装置。
  6. 【請求項6】 前記運転状態検出手段は少なくとも機関
    回転数、機関負荷、およびバルブタイミングから運転状
    態を検出することを特徴とする請求項3項または4項記
    載の内燃機関の空燃比検出装置。
  7. 【請求項7】 前記内燃機関の環境状態を検出する環境
    状態検出手段を含み、前記選択手段は選択したサンプリ
    ング値を検出された内燃機関の環境状態に応じて補正す
    ることを特徴とする請求項1項ないし6項のいずれかに
    記載の内燃機関の空燃比検出装置。
  8. 【請求項8】 前記環境状態検出手段は前記内燃機関の
    位置する場所の大気圧を検出するものであり、前記選択
    手段は、検出された大気圧に応じて選択したサンプリン
    グ値を補正することを特徴とする請求項7項記載の内燃
    機関の空燃比検出装置。
  9. 【請求項9】 前記環境状態検出手段は前記空燃比セン
    サの劣化度合いを検出するものであり、前記選択手段
    は、検出された空燃比センサの劣化度合いに応じて選択
    したサンプリング値を補正することを特徴とする請求項
    7項記載の内燃機関の空燃比検出装置。
  10. 【請求項10】 前記環境状態検出手段は前記空燃比セ
    ンサの目標空燃比を検出するものであり、前記選択手段
    は、検出された目標空燃比に応じて選択したサンプリン
    グ値を補正することを特徴とする請求項7項記載の内燃
    機関の空燃比検出装置。
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