JPH07258737A - 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH07258737A JPH07258737A JP6049252A JP4925294A JPH07258737A JP H07258737 A JPH07258737 A JP H07258737A JP 6049252 A JP6049252 A JP 6049252A JP 4925294 A JP4925294 A JP 4925294A JP H07258737 A JPH07258737 A JP H07258737A
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、安価で且つ安定した高磁束密度特
性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 Si:2.5〜4.5%及び公知のインヒビ
ター成分を含有する溶鋼を、連続的に凝固させて0.3
〜3.0mm厚みの薄鋳片を得、該鋳片を素材とし最終冷
延圧下率50%以上の1回ないし中間焼鈍を含む2回以
上の冷間圧延を施し、さらに脱炭焼鈍と仕上げ焼鈍を行
う高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、前
記該鋳片にBi:0.0005〜0.05%を含有する
ことを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、溶鋼にBi添加することに
よって、熱延プロセスが不要な急冷凝固法で二次再結晶
が安定し磁束密度の高い一方向性電磁鋼板を製造するこ
とができる。
性を有する一方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 Si:2.5〜4.5%及び公知のインヒビ
ター成分を含有する溶鋼を、連続的に凝固させて0.3
〜3.0mm厚みの薄鋳片を得、該鋳片を素材とし最終冷
延圧下率50%以上の1回ないし中間焼鈍を含む2回以
上の冷間圧延を施し、さらに脱炭焼鈍と仕上げ焼鈍を行
う高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、前
記該鋳片にBi:0.0005〜0.05%を含有する
ことを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、溶鋼にBi添加することに
よって、熱延プロセスが不要な急冷凝固法で二次再結晶
が安定し磁束密度の高い一方向性電磁鋼板を製造するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2.5〜4.5%のS
iを含む薄鋳片を素材とした高い磁束密度を有する一方
向性電磁鋼板の製造方法に関する。
iを含む薄鋳片を素材とした高い磁束密度を有する一方
向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、トランス等の電気
機器の鉄心材料として使用されており、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも
近年特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。しかし従来の製造方法では熱延、冷
延、焼鈍等の複雑な工程処理が必要なため、製造コスト
が非常に高いという問題がある。そこで最近電磁鋼の溶
鋼を急冷凝固法で直接薄帯にする技術が開発された。こ
の方法によれば、溶鋼から直接成品または半成品ができ
るので、製造コストを大幅に下げることができる。
機器の鉄心材料として使用されており、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならない。しかも
近年特にエネルギーロスの少ない低鉄損素材への市場要
求が強まっている。しかし従来の製造方法では熱延、冷
延、焼鈍等の複雑な工程処理が必要なため、製造コスト
が非常に高いという問題がある。そこで最近電磁鋼の溶
鋼を急冷凝固法で直接薄帯にする技術が開発された。こ
の方法によれば、溶鋼から直接成品または半成品ができ
るので、製造コストを大幅に下げることができる。
【0003】この急冷凝固法で一方向性電磁鋼板を製造
する方法は、大きく分けて2つある。1つは例えば特開
昭59−190326号公報に開示されているように、
三次再結晶と呼ばれる表面エネルギーを利用した方法で
あるが、この方法は薄帯の長手方向に{110}〈00
1〉方位の三次再結晶を生じさせるために、真空または
H2 高純度雰囲気で焼鈍する必要性から工業生産を難し
く、また製品板厚も厚くできず極薄材に限られるという
問題がある。もう1つは従来熱延法と同様に、インヒビ
ターを活用する方法である。例えば熱延を完全に省略す
る方法としては特開昭53−97923号公報、特開昭
54−83620号公報に開示されているように、イン
ヒビターとしてAlN,MnS,MnSe,BN,Sb
を活用して一方向性電磁鋼板を製造する方法が提案され
ている。しかし急冷凝固法で熱延を完全に省略した場
合、上述のような従来の方向性電磁鋼の溶鋼成分では、
インヒビターとしての析出物サイズを十分小さくすべく
二次冷却速度(凝固後の鋳片の冷却速度)を10℃/sec
以上と十分大きくしても、0.1〜1.0μm位の粗大
析出物が生じ易く、インヒビターとしての機能を発揮し
難いことを本発明者らは知見した。
する方法は、大きく分けて2つある。1つは例えば特開
昭59−190326号公報に開示されているように、
三次再結晶と呼ばれる表面エネルギーを利用した方法で
あるが、この方法は薄帯の長手方向に{110}〈00
1〉方位の三次再結晶を生じさせるために、真空または
H2 高純度雰囲気で焼鈍する必要性から工業生産を難し
く、また製品板厚も厚くできず極薄材に限られるという
問題がある。もう1つは従来熱延法と同様に、インヒビ
ターを活用する方法である。例えば熱延を完全に省略す
る方法としては特開昭53−97923号公報、特開昭
54−83620号公報に開示されているように、イン
ヒビターとしてAlN,MnS,MnSe,BN,Sb
を活用して一方向性電磁鋼板を製造する方法が提案され
ている。しかし急冷凝固法で熱延を完全に省略した場
合、上述のような従来の方向性電磁鋼の溶鋼成分では、
インヒビターとしての析出物サイズを十分小さくすべく
二次冷却速度(凝固後の鋳片の冷却速度)を10℃/sec
以上と十分大きくしても、0.1〜1.0μm位の粗大
析出物が生じ易く、インヒビターとしての機能を発揮し
難いことを本発明者らは知見した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のように
低コスト製造が可能な急冷凝固法において、インヒビタ
ーを強化することで極めて磁気特性の優れた製造方法を
提供することを目的とする。
低コスト製造が可能な急冷凝固法において、インヒビタ
ーを強化することで極めて磁気特性の優れた製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく検討を重ねた結果、冷延素材にBi:0.
002〜0.05%を含有せしめることで、Si:2.
5〜4.5%他の一方向性電磁鋼の公知のインヒビター
その他の成分元素を含む溶鋼を連続的に急冷凝固して薄
鋳片素材を作り、脱炭焼鈍後から最終仕上げ焼鈍の二次
再結晶開始までの間に鋼板に窒化処理を施す方式で二次
再結晶がさらに安定し、且つ低コストで高磁束密度の一
方向性電磁鋼板が得られることを見出した。すなわち本
発明の要旨とするところは、下記のとおりである。
を解決すべく検討を重ねた結果、冷延素材にBi:0.
002〜0.05%を含有せしめることで、Si:2.
5〜4.5%他の一方向性電磁鋼の公知のインヒビター
その他の成分元素を含む溶鋼を連続的に急冷凝固して薄
鋳片素材を作り、脱炭焼鈍後から最終仕上げ焼鈍の二次
再結晶開始までの間に鋼板に窒化処理を施す方式で二次
再結晶がさらに安定し、且つ低コストで高磁束密度の一
方向性電磁鋼板が得られることを見出した。すなわち本
発明の要旨とするところは、下記のとおりである。
【0006】(1)重量%で、Si:2.5〜4.5%
他の一方向性電磁鋼の公知のインヒビターその他の成分
元素を含む溶鋼を、連続的に凝固させて0.3〜3.0
mm厚みの薄鋳片を得、該鋳片を素材とし最終冷延圧下率
50%以上の1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間
圧延を施し、さらに脱炭焼鈍と仕上げ焼鈍を行うに際
し、前記薄鋳片にBi:0.0005〜0.05%を含
有することを特徴とする高磁束密度一方向性電磁鋼板の
製造方法。
他の一方向性電磁鋼の公知のインヒビターその他の成分
元素を含む溶鋼を、連続的に凝固させて0.3〜3.0
mm厚みの薄鋳片を得、該鋳片を素材とし最終冷延圧下率
50%以上の1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間
圧延を施し、さらに脱炭焼鈍と仕上げ焼鈍を行うに際
し、前記薄鋳片にBi:0.0005〜0.05%を含
有することを特徴とする高磁束密度一方向性電磁鋼板の
製造方法。
【0007】(2)溶鋼成分を、重量%でC:0.02
5〜0.10%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.
05〜0.45%、S+0.405Se:0.005〜
0.05%、酸可溶性Al:0.01〜0.06%、
N:0.003〜0.015%、Bi:0.0005〜
0.05%を含み、残部Fe及び不可避的不純物とする
(1)記載の方法。 (3)溶鋼成分を、重量%でC:0.025〜0.10
%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.05〜0.4
5%、S+0.405Se≦0.014%、酸可溶性A
l:0.01〜0.06%、N:0.003〜0.01
5%、Bi:0.0005〜0.05%を含み、残部F
e及び不可避的不純物とし、且つ脱炭焼鈍後から最終仕
上げ焼鈍の二次再結晶開始までの間に鋼板に窒化処理を
施す(1)記載の方法。
5〜0.10%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.
05〜0.45%、S+0.405Se:0.005〜
0.05%、酸可溶性Al:0.01〜0.06%、
N:0.003〜0.015%、Bi:0.0005〜
0.05%を含み、残部Fe及び不可避的不純物とする
(1)記載の方法。 (3)溶鋼成分を、重量%でC:0.025〜0.10
%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.05〜0.4
5%、S+0.405Se≦0.014%、酸可溶性A
l:0.01〜0.06%、N:0.003〜0.01
5%、Bi:0.0005〜0.05%を含み、残部F
e及び不可避的不純物とし、且つ脱炭焼鈍後から最終仕
上げ焼鈍の二次再結晶開始までの間に鋼板に窒化処理を
施す(1)記載の方法。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。インヒビ
ターを活用した急冷凝固法による熱延工程を含まない一
方向性電磁鋼板では、前述したように従来一般の方向性
電磁鋼の溶鋼成分では、二次冷却速度(凝固後の鋳片の
冷却速度)を10℃/sec以上と十分大きくしても1.0
μm前後のやや粗大な析出物が生じ易く、インヒビター
としての機能を発揮し難いことを本発明者らは突き止め
た。この現象のメカニズムは明確ではないが、急冷凝固
法で得た鋳片が従来熱延法と比べて、加工歪みによる転
位導入が極端に少なくまた結晶粒も大きいので、析出サ
イトが著しく少ないことが原因と推定される。
ターを活用した急冷凝固法による熱延工程を含まない一
方向性電磁鋼板では、前述したように従来一般の方向性
電磁鋼の溶鋼成分では、二次冷却速度(凝固後の鋳片の
冷却速度)を10℃/sec以上と十分大きくしても1.0
μm前後のやや粗大な析出物が生じ易く、インヒビター
としての機能を発揮し難いことを本発明者らは突き止め
た。この現象のメカニズムは明確ではないが、急冷凝固
法で得た鋳片が従来熱延法と比べて、加工歪みによる転
位導入が極端に少なくまた結晶粒も大きいので、析出サ
イトが著しく少ないことが原因と推定される。
【0009】このような析出物の状態では従来熱延法と
比べてインヒビターが弱いので、二次再結晶が不安定と
なるため冷間圧延の圧下率を高くとれず、従って高磁束
密度特性が得難い。しかし方向性電磁鋼の溶鋼に、B
i:0.0005〜0.05%を加えると、Biは鋼中
にほとんど溶融しないため、得られた薄鋳片中に直径
0.1μm前後の微細析出を生じる。従ってこの場合は
冷間圧延の圧下率を高くしても、二次再結晶が安定し磁
束密度が改善される。この製造方法は、二次再結晶が不
安定なためより強力なインヒビターを必要とする薄手製
品ほど有効である。
比べてインヒビターが弱いので、二次再結晶が不安定と
なるため冷間圧延の圧下率を高くとれず、従って高磁束
密度特性が得難い。しかし方向性電磁鋼の溶鋼に、B
i:0.0005〜0.05%を加えると、Biは鋼中
にほとんど溶融しないため、得られた薄鋳片中に直径
0.1μm前後の微細析出を生じる。従ってこの場合は
冷間圧延の圧下率を高くしても、二次再結晶が安定し磁
束密度が改善される。この製造方法は、二次再結晶が不
安定なためより強力なインヒビターを必要とする薄手製
品ほど有効である。
【0010】
【作用】次に本発明において鋼組成及び製造条件を上述
のように限定した理由を詳細に説明する。Biは、0.
0005%未満ではインヒビター強化すなわち二次再結
晶が安定化する効果がない。一方0.05%を超えると
熱延板の耳割れがひどくなり、コスト高につながる。C
は、その含有量が0.025%未満になると二次再結晶
が不安定となり、且つ二次再結晶した場合でも製品の磁
束密度(B8 値)が低くなる傾向であり0.025%以
上が望ましい。一方Cの含有量が0.10%を超えて多
くなり過ぎると、脱炭焼鈍時間が長くなり、生産性があ
まり良くないので0.10%以下が望ましい。Siは、
その含有量が2.5%未満になると低鉄損の製品を得難
く、一方Siの含有量が4.5%を超えて多くなり過ぎ
ると、冷間圧延等の製造時に割れ、破断が発生して安定
した工業生産が不可能となる。
のように限定した理由を詳細に説明する。Biは、0.
0005%未満ではインヒビター強化すなわち二次再結
晶が安定化する効果がない。一方0.05%を超えると
熱延板の耳割れがひどくなり、コスト高につながる。C
は、その含有量が0.025%未満になると二次再結晶
が不安定となり、且つ二次再結晶した場合でも製品の磁
束密度(B8 値)が低くなる傾向であり0.025%以
上が望ましい。一方Cの含有量が0.10%を超えて多
くなり過ぎると、脱炭焼鈍時間が長くなり、生産性があ
まり良くないので0.10%以下が望ましい。Siは、
その含有量が2.5%未満になると低鉄損の製品を得難
く、一方Siの含有量が4.5%を超えて多くなり過ぎ
ると、冷間圧延等の製造時に割れ、破断が発生して安定
した工業生産が不可能となる。
【0011】さらに以下の成分は、二次再結晶のための
析出分散相として使用する不純物であり、効果的作用の
ためには適当量含有させることが望ましい。すなわちM
n:0.05〜0.15%、S+0.405Se≦0.
05%、酸可溶性Al:0.01〜0.06%、N:
0.003〜0.015%含有させることでさらに析出
集積度の高い二次再結晶を得ることができる。その他C
u,Snはインヒビターを強くする目的で1.0%以下
となるよう少なくとも1種添加しても良い。
析出分散相として使用する不純物であり、効果的作用の
ためには適当量含有させることが望ましい。すなわちM
n:0.05〜0.15%、S+0.405Se≦0.
05%、酸可溶性Al:0.01〜0.06%、N:
0.003〜0.015%含有させることでさらに析出
集積度の高い二次再結晶を得ることができる。その他C
u,Snはインヒビターを強くする目的で1.0%以下
となるよう少なくとも1種添加しても良い。
【0012】次にプロセス条件について説明する。薄鋳
片の厚みは0.3mm以上とする。これは0.3mm未満の
薄鋳片は鋳造が困難であるばかりか高磁束密度を得るた
めに下記に示す圧下率50%以上の圧下を加えた場合
に、0.15mm未満の使用の非常に困難な板厚となるた
めである。また厚みの上限は3.0mmとする。これはこ
れを超える厚みとなると、ラインの通板性に支障が出る
ためである。次にこの薄鋳片素材を、最も高い磁束密度
を得るために、50%以上の冷延圧下率が必要である。
さらに高磁束密度を得るには950〜1200℃で30
秒〜30分の短時間焼鈍を行った後、80%以上の高圧
下率の冷間圧延によって最終板厚にする方法が望まし
い。また最終製品の結晶粒を小さくするため、中間焼鈍
を含む工程でも可能である。
片の厚みは0.3mm以上とする。これは0.3mm未満の
薄鋳片は鋳造が困難であるばかりか高磁束密度を得るた
めに下記に示す圧下率50%以上の圧下を加えた場合
に、0.15mm未満の使用の非常に困難な板厚となるた
めである。また厚みの上限は3.0mmとする。これはこ
れを超える厚みとなると、ラインの通板性に支障が出る
ためである。次にこの薄鋳片素材を、最も高い磁束密度
を得るために、50%以上の冷延圧下率が必要である。
さらに高磁束密度を得るには950〜1200℃で30
秒〜30分の短時間焼鈍を行った後、80%以上の高圧
下率の冷間圧延によって最終板厚にする方法が望まし
い。また最終製品の結晶粒を小さくするため、中間焼鈍
を含む工程でも可能である。
【0013】次に湿水素あるいは湿水素、窒素混合雰囲
気ガス中で、上記結晶組織が得られるよう800〜90
0℃で適正な時間脱炭焼鈍をする。さらに焼鈍分離剤を
塗布し高温(通常1100〜1200℃)長時間の仕上
げ焼鈍を行うことで、高い磁束密度を有する一方向性電
磁鋼板が製造される。
気ガス中で、上記結晶組織が得られるよう800〜90
0℃で適正な時間脱炭焼鈍をする。さらに焼鈍分離剤を
塗布し高温(通常1100〜1200℃)長時間の仕上
げ焼鈍を行うことで、高い磁束密度を有する一方向性電
磁鋼板が製造される。
【0014】
実施例1 表1に示す鋼の成分組成を含む溶鋼を、双ロールを用い
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.30mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.5mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.30mm厚にした。次にこれらの冷延板を湿潤水
素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、さらにMgO粉を塗布
した後、1200℃×20時間水素ガス雰囲気中で高温
焼鈍を行った。得られた製品は、表2に示すように、本
発明である高Bi添加材の方が二次再結晶が安定し、良
好な磁気特性が得られた。
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.30mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.5mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.30mm厚にした。次にこれらの冷延板を湿潤水
素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、さらにMgO粉を塗布
した後、1200℃×20時間水素ガス雰囲気中で高温
焼鈍を行った。得られた製品は、表2に示すように、本
発明である高Bi添加材の方が二次再結晶が安定し、良
好な磁気特性が得られた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】実施例2 表3に示す鋼の成分組成を含む溶鋼を、双ロールを用い
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.30mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.5mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.30mm厚にした。次にこれらの冷延板を湿潤水
素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、さらにMgO粉を塗布
した後、1200℃×20時間水素ガス雰囲気中で高温
焼鈍を行った。得られた製品は、表4に示すように、本
発明である高Bi添加材の方が二次再結晶が安定し、良
好な磁気特性が得られた。
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.30mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.5mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.30mm厚にした。次にこれらの冷延板を湿潤水
素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、さらにMgO粉を塗布
した後、1200℃×20時間水素ガス雰囲気中で高温
焼鈍を行った。得られた製品は、表4に示すように、本
発明である高Bi添加材の方が二次再結晶が安定し、良
好な磁気特性が得られた。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】実施例3 表5に示す鋼の成分組成を含む溶鋼を、双ロールを用い
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.23mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.2mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.23mm厚にした。次にこれらの冷延板を温度と時
間を変えて湿潤水素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、つい
でアンモニア1%を含む水素、窒素雰囲気中で750℃
×30秒窒化処理を行い、鋼板中の窒素量を200ppm
とした。さらにMgO粉を塗布した後、1200℃×2
0時間水素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行った。得られた
製品は、表6に示すように、本発明であるBi添加材の
方が二次再結晶が安定し、良好な磁気特性が得られた。
て2.3mm厚の薄鋳片にした。ついでこれらの熱延板を
1100℃×2.5分+900℃×2分間焼鈍を行っ
た。さらに酸洗した後冷間圧延を行い0.23mm厚にし
た。また同一素材で酸洗後冷間圧延で1.2mm厚にした
ものを1050℃で5分間中間焼鈍し、さらに冷間圧延
し0.23mm厚にした。次にこれらの冷延板を温度と時
間を変えて湿潤水素、窒素雰囲気中で脱炭焼鈍し、つい
でアンモニア1%を含む水素、窒素雰囲気中で750℃
×30秒窒化処理を行い、鋼板中の窒素量を200ppm
とした。さらにMgO粉を塗布した後、1200℃×2
0時間水素ガス雰囲気中で高温焼鈍を行った。得られた
製品は、表6に示すように、本発明であるBi添加材の
方が二次再結晶が安定し、良好な磁気特性が得られた。
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、溶鋼にBi添加するこ
とによって熱延プロセスが不要な急冷凝固法で二次再結
晶が安定し磁束密度の高い一方向性電磁鋼板を製造する
ことができる。
とによって熱延プロセスが不要な急冷凝固法で二次再結
晶が安定し磁束密度の高い一方向性電磁鋼板を製造する
ことができる。
【図1】磁気特性B10と素材鋼中のBi量との関係を示
したグラフである。
したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Si:2.5〜4.5%他の
一方向性電磁鋼の公知のインヒビターその他の成分元素
を含む溶鋼を、連続的に凝固させて0.3〜3.0mm厚
みの薄鋳片を得、該鋳片を素材とし最終冷延圧下率50
%以上の1回ないし中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
を施し、さらに脱炭焼鈍と仕上げ焼鈍を行うに際し、前
記薄鋳片にBi:0.0005〜0.05%を含有する
ことを特徴とする高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項2】 溶鋼成分を、重量%で C :0.025〜0.10%、 Si:2.5〜4.5%、 Mn:0.05〜0.45%、 S+0.405Se:0.005〜0.05%、 酸可溶性Al:0.01〜0.06%、 N :0.003〜0.015%、 Bi:0.0005〜0.05%、 残部Fe及び不可避的不純物とすることを特徴とする請
求項1記載の高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 溶鋼成分を、重量%で C :0.025〜0.10%、 Si:2.5〜4.5%、 Mn:0.05〜0.45%、 S+0.405Se≦0.014%、 酸可溶性Al:0.01〜0.06%、 N :0.003〜0.015%、 Bi:0.0005〜0.05%、 残部Fe及び不可避的不純物とし、且つ脱炭焼鈍後から
最終仕上げ焼鈍の二次再結晶開始までの間に鋼板に窒化
処理を施すことを特徴とする請求項1記載の高磁束密度
一方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049252A JPH07258737A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049252A JPH07258737A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258737A true JPH07258737A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=12825658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6049252A Withdrawn JPH07258737A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07258737A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018095900A (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-21 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
JP2023511662A (ja) * | 2021-02-01 | 2023-03-22 | 河北科技大学 | 強磁性方向性高ケイ素鋼極薄帯及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP6049252A patent/JPH07258737A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018095900A (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-21 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
JP2023511662A (ja) * | 2021-02-01 | 2023-03-22 | 河北科技大学 | 強磁性方向性高ケイ素鋼極薄帯及びその製造方法 |
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